JPH08300435A - 複合樹脂シートの製造装置及びシートの製造方法 - Google Patents

複合樹脂シートの製造装置及びシートの製造方法

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JPH08300435A
JPH08300435A JP7131191A JP13119195A JPH08300435A JP H08300435 A JPH08300435 A JP H08300435A JP 7131191 A JP7131191 A JP 7131191A JP 13119195 A JP13119195 A JP 13119195A JP H08300435 A JPH08300435 A JP H08300435A
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JP
Japan
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resin
sheet
strip
resin layer
flow path
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JP7131191A
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English (en)
Inventor
Michisuke Edamatsu
通介 枝松
Yasuo Hiromoto
泰夫 広本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 意匠性、飛散防止性等にすぐれ、特に樹脂シ
ートに埋設される平行な樹脂条の形態の安定した複合樹
脂シートを簡便に製造できる装置ならびに複合シートの
製造方法を提供する。 【構成】 溶融樹脂流路の途中に断面積を拡大した拡大
流路部102を設け、この中に先端の吐出口91を開口
し、且つ、下流方向に吐出する複数の樹脂条吐出管9を
配設し、シート状の樹脂層の基体となる溶融樹脂を拡大
流路部102に流し、同時に樹脂条用樹脂を吐出口91
より拡大流路部102の流出方向に吐出し、樹脂条の断
面形状を確保しながら熱可塑性合成樹脂にて包埋しつつ
シート状に押出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシート状(板状を含む。
以下同)の熱可塑性合成樹脂の内部に複数の樹脂条が平
行にストライプ状に埋設されてなる複合樹脂シートの製
造に関する。
【0002】
【従来の技術】複合樹脂シートの製造方法として、ラミ
ネートによる方法以外に、例えば特開平3−51406
号公報に開示されている如く、溶液流延法を用いて2枚
の無機ガラスからなる型室内に合成繊維等を張設すると
共に、同型室内にアクリル系モノマーをベースとしたシ
ラップを注入して、浴中にて重合硬化させる飛散防止性
を付与した重合体シートの製造方法が提案されている。
【0003】また、溶融押出ノズルの樹脂流路内に樹脂
条の吐出管を装着し、樹脂条を樹脂シート中に埋設しつ
つ同時に押出賦形する方法も研究されている。また、合
成樹脂シートと異なる分野であるが、特開平4−266
12号公報に開示されている如く、ダイス内の管状流路
に筒体を配設し、口紅材を同時に押出すことにより断面
模様入口紅などの棒状のものを賦形する方法も提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た流延法による複合樹脂シートの製造方法はバッチ方式
であり、型室内への合成繊維の張設、シラップの注入及
び浴中での重合硬化等多くの工程があり、しかも連続的
な製造が不可能であることから製造に手間がかかり、従
って生産性が低いという問題点があった。
【0005】また、前記した樹脂条を樹脂シート中に埋
設しつつ同時に押出賦形する方法においても基体となる
合成樹脂の厚さを特に薄くする場合に吐出管と溶融体流
路との間隙が狭くなり、樹脂シートの厚さ方向に基体と
なる合成樹脂の回り込みが不足し、樹脂条が厚さ方向に
長細く変形するため基体シートの厚さに制約があった。
【0006】さらに、前記した口紅などを賦形する方法
においても、棒状のものの賦形ではあるが、両成分を吐
出するダイスの内面と筒体の間隙が狭い場合は上記のよ
うに筒体より吐出する成分の断面形状を確保するのは困
難であった。
【0007】本発明はかかる状況に鑑みなされたもの
で、意匠性、飛散防止性等にすぐれ、特に樹脂シートに
埋設される平行な樹脂条の形態の安定した複合樹脂シー
トを簡便に製造できる装置を得ることを目的としてお
り、さらにこの装置に適した製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体となるシ
ート状の樹脂層を賦形するための溶融樹脂流路をもつ樹
脂層賦形ノズルと、上記樹脂層の内部に複数の樹脂条を
平行に埋設するための複数の樹脂条吐出管をもつ樹脂条
賦形ノズルとを備えたものであって、上記溶融樹脂流路
の途中に断面積を拡大した拡大流路部が設けられ、且
つ、上記拡大流路部の下流方向に吐出する上記複数の樹
脂条吐出管の吐出口が上記拡大流路部内に配設されてな
ることを特徴とする複合樹脂シートの製造装置にある。
【0009】さらに本発明は、シート状の樹脂層の基体
となる熱可塑性合成樹脂を、樹脂層賦形ノズルの溶融樹
脂流路の途中に設けた拡大流路部に移行せしめ、これと
同時に樹脂条用樹脂の溶融体を複数の吐出管より平行
に、且つ、上記拡大流路部内に移行する上記熱可塑性合
成樹脂と共に、上記拡大流路部の下流方向に吐出し、樹
脂条の断面形状を確保しながら上記熱可塑性合成樹脂に
て包埋しつつシート状に押出し、これを冷却固化するこ
とにより、平行な樹脂条を埋設した樹脂シートを得るこ
とを特徴とする複合樹脂シートの製造方法にある。
【0010】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の製造装置全体の概略を示す平面図、
図2は、同装置の側面図である。図において、1はシー
ト状の樹脂層を形成するための熱可塑性合成樹脂を溶融
して押出す第1押出機、2は上記樹脂層中にストライプ
状に埋設される複数の樹脂条を形成するための樹脂を溶
融して押出す第2押出機、3は上記第1押出機から押出
される樹脂を一定量づつ送り出す第1定量ポンプ、4は
上記第2押出機から押出される樹脂を一定量づつ送り出
す第2定量ポンプ、5は賦形ヘッド、6は図示せぬ樹脂
層賦形用ノズル及び樹脂条賦形用ノズルが組込まれたダ
イパック、21は冷却ロール群、22はシート切断機で
ある。
【0011】図3及び図4は、上記樹脂層賦形ノズル及
び樹脂条賦形ノズルが組み込まれた同時押出口金装置の
内部樹脂流路の一例を示すものである。図において、7
は分配ノズルで、内部に樹脂条用樹脂を拡散分配するた
めの拡幅流路71と樹脂層用樹脂の通孔72を有してい
る。8は樹脂層用樹脂の通孔82を有する樹脂条賦形ノ
ズルで、吐出流路81が樹脂層の流出方向に向って平行
に多数形成されている。9は樹脂条吐出管で、樹脂条賦
形ノズルよりその延長線上に連設されている。一方10
は樹脂層賦形ノズルで、上記樹脂条吐出管9の付根を囲
んで樹脂層流出口101が形成されている。またこの樹
脂層賦形ノズル10の溶融樹脂流路の途中には、断面積
を急激に拡大した拡大流路部102が設けられている。
この拡大流路部102は絞り部103で絞られた押出し
流路104に近付くに従い断面積を次第に縮小してい
る。また上記拡大流路部102の中には前記樹脂条吐出
管9の吐出口91が下流に開口している。
【0012】この装置において、樹脂層Aとして賦形さ
れる樹脂a及び樹脂条Bとして賦形される樹脂bは、第
1及び第2定量ポンプ3,4で計量されながら一定量づ
つ第3及び第4樹脂流路13,14をそれぞれ流れて、
ダイパック6内に設けられた分配ノズル7に至り、ここ
で樹脂条Bとして賦形される樹脂bは分配ノズルの拡幅
流路71を経て、複数の樹脂条賦形ノズルの吐出流路8
1に流入し、さらに、樹脂条吐出管9の吐出口91より
吐出され、所定の形状、寸法、配列等を有する複数の樹
脂条Bの平行流を形成する。一方樹脂層Aとして形成さ
れる樹脂aは、分配ノズル7の通孔72および樹脂条賦
形ノズル8の通孔82を経て樹脂層賦形ノズル10の樹
脂層流出口101より流出し、拡大流路部102にて樹
脂条Bをその内部に所定の形状で埋設した後、絞り部1
03により所定のシート厚さに賦形され、樹脂層Aの流
れを形成して同時押出しされる。しかる後冷却ロール群
21にて冷却され、シート切断機22にて定尺に切断さ
れる。
【0013】上記の通り、樹脂aは複数の樹脂bをスト
ライプ状に埋設するが、このとき、拡大流路部102に
より樹脂aを樹脂層厚さ方向にも十分に回り込ませるこ
とができ、樹脂条吐出管9の断面形状に埋設した後、絞
り部103によって所定のシート厚さに賦形することに
より複合シートが連続して押出成形される。
【0014】上記装置において樹脂aの材質として例え
ば透明なメチルメタクリレート樹脂などを用いれば、樹
脂bの形状が安定し、かつ、鮮鋭性の良い意匠性にすぐ
れた複合樹脂シートを得ることができる。
【0015】また、この装置によれば、拡大流路部内に
開口する吐出口に続き、拡大流路部の流出方向に平行な
直線管部を有する樹脂条吐出管を配設してあるので、樹
脂層用樹脂の流れが乱れることなく平行に同時押出しさ
れ、樹脂条断面の形態安定性がすぐれた複合樹脂シート
を得ることができる。
【0016】図5及び図6は、本発明の上記樹脂層賦形
ノズル及び樹脂条賦形ノズルが組み込まれた同時押出し
口金装置の内部樹脂流路の他の例を示すものである。こ
の例では、樹脂層Aを賦形するための第3流路13は分
配ノズル15の中央に形成された拡幅流路151を経
て、樹脂層賦形ノズル型16の中央に形成された樹脂層
押出流路161に接続されている。また、樹脂条Bを形
成するための第4樹脂流路14は、分配ノズル15の下
部に形成された拡幅流路152を経て、樹脂層賦形ノズ
ル形16の下部に形成された樹脂条吐出路162に接続
されている。
【0017】次に、上記した樹脂層押出流路161は樹
脂層賦形ノズル17に接続されているが、ここで溶融樹
脂の流路は急激に断面積を拡大した拡大流路171を形
成し、先端の絞り部172に近付くに従い断面積を次第
に縮小している。また、上記した樹脂条吐出路162
は、樹脂層賦形ノズル17の下部に平行に形成されたL
型の樹脂条吐出路173に接続されているが、この樹脂
条吐出路173の直立先端部には、同じくL型に折曲し
た樹脂条吐出管18の基端部が接続され、この樹脂条吐
出管18の吐出側の直線管部182は上記拡大流路部1
71内に位置し、その流出方向に配設され、先端の吐出
口181は下流に開口している。
【0018】図5及び図6に示した例においても樹脂層
Aとして賦形される樹脂a及び樹脂Bとして賦形される
樹脂bは、第1及び第2定量ポンプ3,4で計量されな
がら一定量づつ第3及び第4樹脂流路13,14をそれ
ぞれ流れて、ダイパック6内に設けられた分配ノズル型
15に至り、ここで樹脂条Bとして賦形される樹脂bは
分配ノズルの拡幅流路152を経て、複数の樹脂条吐出
路162に流入し、樹脂条吐出路173を経て樹脂条吐
出管18の吐出口181より吐出され、所定の形状、寸
法、配列等を有する複数の樹脂条Bの平行流を形成す
る。一方樹脂層Aとして形成される樹脂aは、分配ノズ
ル15の拡幅流路151および樹脂層賦形ノズル型16
の樹脂層押出流路161を経て樹脂層賦形ノズル17の
拡大流路部171に達し、樹脂条Bをその内部に所定の
形状で埋設する。
【0019】この例においては、上記賦形ノズル17の
内部に平行して形成された上記樹脂条吐出路173は、
前述の通り途中でL型状に屈曲され、その直立先端部に
は樹脂条吐出管18の基端部が接続され、この樹脂条吐
出管18の吐出側の直線管部182は吐出口181を下
流方向に向け開口し、拡大流路部171内において流出
方向に沿って水平に配設されている。このため、樹脂層
Aが拡大流路部171をシート状で押し出されている途
中において、複数の樹脂条Bが樹脂層Aの内部に樹脂条
吐出管18の吐出口181から吐出されるとき、上記拡
大流路部171において樹脂aを樹脂層厚さ方向に十分
に回り込ますことができ、樹脂条吐出管18の断面形状
を維持して同時賦形された後、絞り部172により所定
のシート厚さに賦形され、複合シートとして同時押出し
形成される。この複合樹脂シートは、冷却ロール群21
により冷却された後、シート切断機22により所定の長
さに切断されて複合シート製品となる。
【0020】上記したように、本例においても、拡大流
路部内に開口する吐出口に続き拡大流路部の流出方向に
平行な直線管部を有する樹脂条吐出管を配設してあるの
で、樹脂層用樹脂の流れが乱れることなく平行に同時押
出しされ、樹脂条断面の形態安定性がすぐれた複合樹脂
シートを得ることができる。
【0021】図7〜図9は、本発明によって得られる複
合樹脂シートの一例を示したものであり、押出し方向に
直角な断面を表した樹脂条の模式図である。図7(a)
は単列の円形、(b)は単列の横長楕円形、(c)は単
列の縦長楕円形、図8は千鳥配列、図9は複数配列を示
す。このように本発明によれば樹脂条の吐出口断面形状
に等しい断面形状の樹脂条が得られる。
【0022】図10は、図5及び図6に示した本発明装
置の変形例を示し、樹脂層Aを賦形するための樹脂aの
拡幅流路151を多岐状のマニホールド形とすると共
に、樹脂層賦形ノズル17の一部をリップ部175とし
て構成し、前記拡大流路部171の略中央において吐出
口181が下流方向に水平に向けられた樹脂条吐出管1
8と接続し、更に前記リップ部175に固定される絞り
部172を交換調節することにより、簡単に所望のシー
ト厚さが得られるようにしたものである。
【0023】図11は、図4に示した拡大流路部102
から絞り部103へつながる形状の他の例を示す図であ
る。図11(a)に示す如く垂直形状においても賦形は
可能であり、また図11(b),(c)に示す如く樹脂
条吐出管9の吐出口91を流路拡大部102の略中央に
配設すれば吐出管9の中心と押出し流路104の中心を
偏心させても樹脂層Aのシート厚さ方向の中央に樹脂条
Bを埋設することが可能である。
【0024】図12は、上記本発明の複合樹脂シート製
造装置に対する比較のための例としての複合樹脂シート
の製造装置におけるダイパック6の内部構造を示すもの
である。この例では前述の図3及び図4に示す例の如く
樹脂層Aの樹脂層流出口101に続く押出し流路内まで
樹脂条吐出管の吐出口を延設していない。この比較装置
にあっても、前述の本発明例と同様にダイパック6内で
分配された樹脂条用樹脂b(左下流れ斜線)は、断面円
形の樹脂条賦形ノズル型19から吐出される。一方、樹
脂層用樹脂a(右下流れ斜線)は、樹脂層賦形ノズル2
0の樹脂層流出口101より流出する。このとき、樹脂
条賦形ノズル型19の吐出孔191から吐出される樹脂
条用樹脂bに対して、樹脂層賦形ノズル10の樹脂層流
出口101から流出する樹脂層用樹脂aの流出速度が矢
印のように樹脂条Bの上下両側から直角に作用すること
になり、樹脂粘度の組み合わせによっては、その断面形
状がシート面に平行に細長く偏平化され、その変形が著
しい場合には、図13及び図14に示す如く樹脂条Bの
両端S部が薄く、且つ、乱れて、極めて外観不良なもの
となる。
【0025】これに対し、本発明では、樹脂条吐出管
9,18の吐出口91,181を樹脂層用樹脂aの拡大
流路部内に流出方向に沿って延在させているため、樹脂
層用樹脂a及び樹脂条用樹脂bの合流部においては双方
の流れが一致し、樹脂層用樹脂aの流出速度が樹脂条用
樹脂bに影響を与えることがなくなり、図7に示す如く
樹脂条吐出管9,18の断面形状を確保しつつ同時に押
出し成形するのを可能にする。すなわち、樹脂条Bに作
用して、その断面形状を悪化させる主要因としての、樹
脂条Bの流出方向に対して直角に作用する樹脂層Aの速
度成分を0とすることにより、樹脂層樹脂a及び樹脂条
樹脂bとして広範な種類の樹脂の組み合せが可能であ
り、勿論、樹脂層Aの流出速度にも影響を与えない。し
たがって、より低粘度の樹脂条樹脂bを用いた場合で
も、その断面形状の変形が抑制され、直線性、鮮明性な
どの良好な外観を得ることができる。
【0026】図15は、本発明に対する比較のための他
の例として複合樹脂シートの製造装置における要部構造
を示すものである。この例では、樹脂条吐出管9を樹脂
層賦形ノズル10の押出し流路104まで延設している
が、この押出し流路104と樹脂条吐出管9の外径との
間隙Δtが極端に小さくなり、樹脂層の厚さ方向に樹脂
層樹脂aの回り込みが起こらず、このため、図16に示
す如く樹脂条Bの断面形状がシート面に直角に長細く偏
平化され、樹脂層用樹脂aと樹脂条用樹脂bとが剥離作
用を起こすような樹脂を組み合わせる場合には、樹脂層
Aが破断されることがある。
【0027】これに対し、本発明では、樹脂条吐出管9
の吐出口91付近の樹脂層賦形ノズル10に拡大流路部
102を設けることにより樹脂層用樹脂aを樹脂層厚さ
方向に十分に回り込ますことができ、したがって、樹脂
条吐出管9の断面形状で同時賦形が可能となる。
【0028】
【作用】以上説明したごとく本発明の装置では、溶融樹
脂流路の途中に拡大流路部を設けることにより、シート
厚さ2〜3mmの薄板を賦形する場合においても樹脂シ
ートの厚さ方向に樹脂層用樹脂を十分に回り込ますこと
が可能であり、また、拡大流路部内に先端の吐出口を開
口し、且つ、上記拡大流路部の下流方向に吐出する複数
の樹脂条吐出管が配設されていることにより、樹脂層用
樹脂と樹脂条用樹脂の合流部においては、双方の流れが
一致し、樹脂層用樹脂の流出速度が樹脂条用樹脂に影響
を与えることをなくし、樹脂条吐出管の断面形状を確保
しつつ同時押出成形を行う。すなわち、樹脂条の断面形
状を悪化させる主要因である樹脂条の流出方向に対して
直角に作用する樹脂層の速度成分を0にすることによ
り、樹脂層用樹脂および樹脂条用樹脂の材質として広範
な種類の樹脂を組み合わせることを可能にし、しかも樹
脂層の流出速度にも影響を与えない。また、拡大流路部
において樹脂層用樹脂を充分に回り込ますことができる
ので、より低粘度の樹脂条樹脂の断面形状を確保し、直
線性、鮮明性などの外観良好な複合樹脂シートを得るこ
とができる。
【0029】本発明に用いることのできる樹脂として
は、広汎な種類の熱可塑性樹脂が使用可能である。樹脂
層Aに用いて好適な樹脂aとしては、例えば、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、その他
アクリル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ
素樹脂、ジエン樹脂などの単一樹脂をはじめとして、こ
れらの共重合体、又はブレンド樹脂等の広汎な樹脂が挙
げられるが、特に透明性、耐候性が要求される複合樹脂
シートではアクリル樹脂が好ましい。
【0030】また、樹脂条Bに用いて好適な樹脂bとし
ては、上記樹脂の他に耐衝撃性の良好な樹脂、これらの
共重合体、又はこれらのブレンド樹脂の中から、要求さ
れる材料特性に応じて、且つ、各樹脂の粘度の組み合わ
せを選択して用いることができる。特に、基体樹脂シー
トが破砕されたときの飛散や落下を防止する必要がある
場合は、オレフィン系の樹脂をベースとした樹脂と前記
樹脂層Aに使用される樹脂との組み合わせが好適であ
る。また、意匠性を要求されるシートの場合には、複合
樹脂シートの美感向上のために、樹脂条Bを形成する樹
脂bに有機又は無機の染料や顔料を添加して用いる。
【0031】本発明の方法は、基体となる樹脂シートの
内側に、平行樹脂条を埋設してなるような種々の複合シ
ートの製造に用いることが可能である。
【0032】
【実施例】次に、本発明装置を用いて複合樹脂シートを
製造した実施例を説明する。
【0033】[実施例1]樹脂層用樹脂aとしてポリメ
チルメタクリレート(三菱レイヨン(株)登録商標「ア
クリペット」)を、また樹脂条用樹脂bとしてポリメチ
ルメタクリレート(同上)に着色染料としてスミプラス
トブルーGP(住友化学工業(株)製)を混練したもの
を用意した。
【0034】図3および図4に示すダイパック6内に内
径1mmで、外径2mmの吐出管9を吐出管相互の間隔
を20mmとして単列に配列された樹脂条賦形ノズル8
と拡大流路部102の厚さが10mmで、樹脂層Aの厚
さが2mmになる絞り部103を設けた樹脂層賦形ノズ
ル10とを装着し、樹脂層用樹脂aを第1押出機1内部
で溶融して第1樹脂流路11を通過させ定量ポンプ3に
て一定量づつ計量し、第3樹脂流路13を通過させた後
で樹脂層賦形ノズル10に供給する一方、樹脂条用樹脂
bを第2押出機2の内部で溶融して第2樹脂流路12を
通過させ、定量ポンプ4にて計量しながら一定量づつ第
4樹脂流路14を通過させて分配ノズル7及び樹脂条賦
形ノズル8を通過させ、樹脂条吐出管9より吐出し、樹
脂条用樹脂bに対して樹脂層用樹脂aを流出させた。樹
脂層賦形ノズル10において、樹脂層用樹脂aの内部に
樹脂条用樹脂bが埋設されるように賦形温度240℃で
同時に押出し成形し、冷却ロール群21により冷却して
からシート切断機22により順次切断して、1m幅×1
m長の複合樹脂シートを製作した。
【0035】得られたシートの断面形状を観察すると、
図7(a)に示すような樹脂条Bは樹脂条吐出管9の断
面形状と同じく円形状を示し、シート厚さ方向のほぼ中
央に埋設され、その間隔は20mmであった。また、得
られたシートをサンシャインウェザーメーターを用いて
83℃雨降りの条件で500時間暴露した結果、樹脂層
Aは無色透明であった。
【0036】[実施例2]樹脂層用樹脂aとしてポリメ
チルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、登録商標
「アクリペット」)を、また、樹脂条用樹脂bとしてポ
リエチレン(三井石油化学工業(株)製、登録商標「ハ
イゼックス」)を用意した。
【0037】図5および図6に示すダイパック6内に拡
大流路部171の厚さが10mmで、樹脂層Aの厚さが
3mmになる絞り部172を設けた樹脂層賦形ノズル1
7と、内径1mmで外径2mmの樹脂条吐出間18の吐
出口181を樹脂層Aの拡大流路部171中で下流方向
に向けて、且つ、その中心が樹脂層Aのシート厚さ方向
の中心に位置するように樹脂条吐出管18相互の間隔を
20mmとして単列に配設した樹脂条賦形ノズル17を
装着し、樹脂層用樹脂aを第1押出機1の内部で溶融し
て第1樹脂流路11を通過させ、第1定量ポンプ3にて
一定量づつ計量し、第3樹脂流路13を通過させて樹脂
層賦形ノズル型16に供給する一方、樹脂用樹脂bを第
2の押出機2の内部で溶融して第2樹脂流路12を通過
させ、第2定量ポンプ4にて一定量づつ計量して、第4
樹脂流路14を通過させた後、拡幅流路152、樹脂条
吐出路162及び樹脂条吐出路173を通過させて、樹
脂条吐出管18の吐出口181より吐出し、樹脂層用樹
脂aの内部に樹脂条用樹脂bを流出させた。この時、樹
脂層用樹脂a中に樹脂条用樹脂bが埋設されるように賦
形温度240℃で同時に押出し成形して、冷却ロール群
21にて冷却し、シート切断機22により順次切断して
1m巾×1m長の複合樹脂シートを製作した。
【0038】得られたシートの断面形状を観察すると、
樹脂条Bは、樹脂条吐出管18の断面形状と同じ円形状
を示し、シート厚さ方向のほぼ中央に埋設され、その間
隔も20mmであった。得られた複合樹脂シートを15
cm×15cmに切断してサンプルとし、同サンプルを
水平に静置し、1kgの鋼球を1mの高さからサンプル
中心に落下させ、サンプルの破砕に伴う破片の飛散の有
無を観察した。この結果、クラックの発生はあったもの
の破砕片などの飛散は観察されなかった。また、得られ
たシートをサンシャインウェザーメーターを用い、83
℃雨降りの条件で500時間暴露した結果、樹脂層Aは
無色透明であった。
【0039】[比較例]樹脂層用樹脂aとしてポリメチ
ルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、登録商標
「アクリペット」)を、また、樹脂条用樹脂としてポリ
エチレン(三井石油化学工業(株)製、登録商標「ハイ
ゼックス」)を用意した。図15に示すダイ内径1mm
で、外径2mmの吐出層9を吐出管相互の間隔を20m
mとして単列に配設された樹脂系賦形ノズル8と、樹脂
層Aの厚さが2.5mmになる樹脂層賦形ノズル10を
装着し、間隙Δtを0.25mmとし、実施例1と同様
に同時賦形を行った。
【0040】得られたシートの断面形状を観察すると埋
設された樹脂条Bは図16に示す如くシート面に直角に
長細く偏平化され、樹脂層用樹脂aと樹脂条用樹脂bの
剥離作用により簡単に破砕した。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る複合樹脂シートの製造装置
および複合樹脂シートの製造方法は、以上説明したよう
に構成され、樹脂層賦形ノズルの溶融樹脂流路に拡大流
路を備え、この拡大流路部内に吐出口を開口し、樹脂条
用樹脂の溶融体を複数の吐出管より拡大流路部の下流方
向に吐出することにより、拡大流路部内で合流する樹脂
層用樹脂と樹脂条用樹脂との双方の流れが一致し、樹脂
層用樹脂の流出速度が樹脂条用樹脂に影響を与えること
をなくし、また拡大流路部内で樹脂層用樹脂の回り込み
もよくなるので、樹脂条吐出管の断面形状を確保しつつ
同時押出成形をすることができ、直線性、鮮明性などの
外観良好な、飛散防止性に優れた複合樹脂シートを連続
的に、且つ、効率良く製造することができる。また、ア
クリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を、用いると透明
性、耐候性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合樹脂シート製造装置全体の概
略を示す平面図である。
【図2】同装置の側面図である。
【図3】本発明に適用される同時押出口金装置の代表的
な内部構造例を示す水平断面図である。
【図4】図3におけるX−X線の断面矢視図である。
【図5】本発明に適用される同時押出口金装置の他の代
表的な内部構造例を示す水平断面図である。
【図6】図5におけるY−Y線の断面矢視図である。
【図7】本発明により成形可能な複合樹脂シートの例を
示す断面図である。
【図8】本発明により成形可能な複合樹脂シートの他の
例を示す断面図である。
【図9】本発明により成形可能な複合樹脂シートの他の
例を示す断面図である。
【図10】本発明の他の同時口金装置例を示す概略縦断
面図である。
【図11】本発明の他の同時口金装置例を示す概略縦断
面図である。
【図12】本発明の比較のための例を示す同時口金装置
の縦断面図である。
【図13】図12に示した装置による埋設樹脂条の変形
した複合樹脂シートの部分断面図である。
【図14】同上樹脂シートの平面図である。
【図15】本発明の比較のための他の例を示す同時口金
装置の概略断面図である。
【図16】図15に示した装置による埋設樹脂条の変形
した複合樹脂シートの部分断面図である。
【符号の説明】
1,2 第1及び第2の押出機 3,4 第1及び第2の定量ポンプ 5 賦形ヘッド 6 ダイパック 7,15 分配ノズル 71 拡幅流路 72,82 樹脂層用樹脂の通孔 8,19 樹脂条賦形ノズル 81 吐出流路 9,18 樹脂条吐出管 91,181 吐出口 10,17,20 樹脂層賦形ノズル 101 樹脂層流出口 102,171 拡大流路部 103,172 絞り部 104,174 押出し流路 11,13 第1及び第3樹脂流路 12,14 第2及び第4樹脂流路 15 分配ノズル型 151,152 拡幅流路 16 樹脂層賦形ノズル型 161 樹脂層押出し流路 162,173 樹脂条吐出路 175 リップ部 182 直線管部 19 樹脂条賦形ノズル型 191 吐出孔 21 冷却ロール 22 シート切断機 A 樹脂層 B 樹脂条 a 樹脂層用樹脂 b 樹脂条用樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体となるシート状の樹脂層を賦形する
    ための溶融樹脂流路をもつ樹脂層賦形ノズルと、上記樹
    脂層の内部に複数の樹脂条を平行に埋設するための複数
    の樹脂条吐出管をもつ樹脂条賦形ノズルとを備えたもの
    であって、上記溶融樹脂流路の途中に断面積を拡大した
    拡大流路部が設けられ、且つ、上記拡大流路部の下流方
    向に吐出する上記複数の樹脂条吐出管の吐出口が上記拡
    大流路部内に配設されてなることを特徴とする複合樹脂
    シートの製造装置。
  2. 【請求項2】 シート状の樹脂層の基体となる熱可塑性
    合成樹脂を、樹脂層賦形ノズルの溶融樹脂流路の途中に
    設けた拡大流路部に移行せしめ、これと同時に樹脂条用
    樹脂の溶融体を複数の吐出管より平行に、且つ、上記拡
    大流路部内に移行する上記熱可塑性合成樹脂と共に、上
    記拡大流路部の下流方向に吐出し、樹脂条の断面形状を
    確保しながら上記熱可塑性合成樹脂にて包埋しつつシー
    ト状に押出し、これを冷却固化することにより、平行な
    樹脂条を埋設した樹脂シートを得ることを特徴とする複
    合樹脂シートの製造方法。
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