JP4872181B2 - 燃料電池システムとその運転方法 - Google Patents
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Description
H2 → 2H+ + 2e−
(化学式2)
1/2 O2 + 2H+ + 2e−→ H2O
(化学式3)
H2 +1/2 O2 → H2O
少なくとも水素を含む燃料ガス(以降、アノードガスと称する)は(化学式1)に示す反応(以降、アノード反応と称する)し、電解質1を介して移動した水素イオンは、酸化剤ガス(以降、カソードガスと称する)と触媒反応層2で(化学式2)に示す反応(以降、カソード反応と称する)により、水を生成し、このとき電気と熱を生ずる。燃料電池全体としては(化学式3)に示すように、水素と酸素が反応し水が発生する際に、電気と熱が利用できるのである。水素などの燃料ガスの関与する側をアノードと呼び、図ではaを付け表し、空気などの酸化剤ガスの関与する側をカソードと呼び、図ではcを付け表した。さらに触媒反応層2aと2cの外面には、ガス通気性と導電性を兼ね備えた拡散層3aと3cをこれに密着して配置する。この拡散層3aと3cと触媒反応層2a、2cにより電極4aと4cを構成する。5は電極電解質接合体(以降、MEAと称する)であり、電極4aと4cと電解質1とで形成している。MEA5の両側には、MEA5を機械的に固定するとともに、隣接するMEA5同士を互いに電気的に直列に接続し、さらに電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路6aと6cをMEA5に接する面に形成した一対の導電性セパレータ7aと7cを配置する。電解質1と、1対の触媒反応層2aと2cと、一対の拡散層3aと3cと、一対の電極4aと4c、一対のセパレータ7aと7cで基本の燃料電池単位(以降、セルと称する)を形成する。セパレータ7aと7cにはMEA5とは反対の面に、隣のセルのセパレータ7cと7aが接する。冷却水通路8はセパレータ7aと7cが接する側に設けられ、ここに冷却水9が流れる。冷却水9はセパレータ7aと7cを介してMEA5の温度を調整するように熱を移動させる。MEAガスケット10はMEA5とセパレータ7aまたは7cの封止をおこない、セパレータガスケット11はセパレータ7aと7cを封止する。
O2+4H++4e−=2H2O 1.23V
(化学式5)
PtO2+2H++2e−=Pt(OH)2 1.11V
(化学式6)
Pt(OH)2+2H++2e−=Pt+2H2O 0.98V
(化学式7)
PtO+2H++2e−=Pt+H2O 0.88V
(化学式8)
O2+2H++2e−=H2O2 0.68V
ができるので、発電時には高い性能が発揮でき、起動停止による劣化を抑制できるのである。
前記制御部は、停止状態から運転を開始する際に、不活性ガスで前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路をパージし、その後、燃料ガスを前記燃料ガス流路に供給してパージされた不活性ガスを押し流し、その後、酸化剤ガスを前記酸化剤ガス流路に供給し、その後、電力回路部を動作させて電力を取り出すよう制御する、燃料電池システムとすることにより、停止中にリークや拡散で侵入してきた酸素等により電極表面に酸化物等の不純物が付着することによる発電性能の低下を抑制することができるので、起動停止による性能低下を抑制でき高性能を長期間維持できるのである。
法とすることにより、不活性ガスのボンベ等を設置することなく、簡単な構成で、起動停止による性能低下を抑制し、高性能を長期間維持できるのである。
図1は、本発明の参考の形態1における燃料電池の中でも高分子電解質型燃料電池の基本構成を示している。燃料電池は、少なくとも水素を含む燃料ガスと空気などの酸素を含む酸化剤ガスをガス拡散電極によって電気化学的に反応させるもので、電気と熱とを同時に発生させるものである。電解質1は水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜等が利用させる。電解質1の両面には、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層2を密着して配置してある。この触媒反応層2aと2cで(化学式1)と(化学式2)に示す反応が発生する。少なくとも水素を含む燃料ガスは(式1)に示す反応(以降、アノード反応と称する)し、電解質1を介して移動した水素イオンは、酸化剤ガスと触媒反応層2で(式2)に示す反応(以降、カソード反応と称する)により、水を生成し、このとき電気と熱を生ずる。水素などの燃料ガスの関与する側をアノードと呼び、図ではaを付け表し、空気などの酸化剤ガスの関与する側をカソードと呼び、図ではcを付け表した。さらに触媒反応層2aと2cの外面には、ガス通気性と導電性を兼ね備えた拡散層3aと3cをそれぞれこれに密着して配置する。この拡散層3aと触媒反応層2aにより電極4aを、拡散層3cと触媒反応層2cにより電極4cを構成する。電極電解質接合体(以降、MEAと称する)5は、電極4aと4cと電解質1とで形成している。MEA5は、MEA5を機械的に固定するとともに、隣接するMEA5同士を互いに電気的に直列に接続し、さらに電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路6aと6cをMEA5に接する面に形成した一対の導電性セパレータ7aと7cを配置する。電解質1と、1対の触媒反応層2aと2cと、一対の拡散層3aと3cと、一対の電極4aと4cと、一対のセパレータ7aと7cで基本の燃料電池(以降、セルと称する)を形成する。セパレータ7aと7cにはMEA5とは反対の面に、隣のセルのセパレータ7cと7aが接する。セパレータ7aと7cが接する側には冷却水通路8が設けられており、ここに冷却水9が流れる。冷却水9はセパレータ7aと7cを介してMEA5の温度を調整するように熱を移動させる。MEA5とセパレータ7aまたは7cはMEAガスケット10で封止され、セパレータ7aと7cはセパレータガスケット11で封止される。
る物質を除去するガス清浄部32で清浄化された後、清浄ガス配管36を介して燃料生成器35に導かれる。原料ガス配管33の経路中には弁34が設けられており、原料ガスの流れを制御する。燃料生成器35は、原料ガスから少なくとも水素を含む燃料ガスを生成する。38はスタックであり、図1および図2で詳細が示される燃料電池およびスタックである。燃料生成器35からスタック38には燃料ガス配管37を介して燃料ガスが導かれる。酸化剤ガスとしての空気はブロワー39により、外部から吸気管40を通してスタック38に導かれる。燃料電池は水分が必要なため、スタック38に流れ込む酸化剤ガスは、加湿器41で加湿される。スタック38で使用されなかった酸化剤ガスは排気管42に流れる。排気管42には切り替え弁65が設けられている。切り替え弁65は燃料電池システムの外に燃料電池で使用されなかった酸化剤ガスを外筐体31の外部に排出するのか、カソードオフガス管66に流すのかを切り替える。カソードオフガス管66は燃料生成器35につながっており、燃料電池で使用されなかった酸化剤ガスを燃料生成に利用することができる。スタック38で使用されなかった燃料ガスはアノードオフガス管48により再び、燃料生成器35に流れ込む。アノードオフガス管48からのガスは燃焼などに用いられ、原料ガスから燃料ガスを生成するための吸熱反応等に利用される。清浄ガス配管36には分配弁61が設けられ、吸気管40中にも分配弁56が設けられている。分配弁61と分配弁56はバイパス管55につながっている。分配弁61はガス清浄部32で浄化された後の原料ガスを燃料生成器35側に流すガス量と、バイパス管55の側に流すガス量とを調節し、分配弁56はブロワー39から送り込まれた酸化剤ガスと、バイパス管55から送られてきた浄化された後の原料ガスを任意の比率で混合しスタック38に送ることができる。燃料ガス配管37には遮断弁49が設けられており、スタック38の燃料ガスの供給経路のガスの流れを遮断する。アノードオフガス管48には遮断弁54が設けられており、スタック38の燃料ガスの排出経路のガスの流れを遮断する。遮断弁57は加湿器41からスタック38への酸化剤ガスの供給経路に設けられており、スタック38の酸化剤ガスの供給経路のガスの流れを遮断する。遮断弁58はスタック38から酸化剤ガスの排出経路に設けられており、スタック38の酸化剤ガスの排出経路のガスの流れを遮断する。遮断弁49とスタック38の燃料ガス供給経路中には圧力計59が設けられており、燃料ガス供給経路およびスタック38中の燃料ガス経路の圧力が計測される。遮断弁57とスタック38の酸化剤ガス供給経路中には圧力計60が設けられており、酸化剤ガス供給経路およびスタック38中の酸化剤ガス経路の圧力が計測される。燃料電池スタック38の電圧は電圧測定部52で計測され、電力は電力回路部43により取り出され、ガスや電力回路部などは制御部44で制御される。ポンプ45より、冷却水入り口配管46から燃料電池スタック38の水経路に水が流され、燃料電池38を流れた水は冷却水出口配管47から外部に水が運ばれる。燃料電池のスタック38を水が流れることにより、発熱したスタック38を一定の温度に保ちながら、発生した熱を燃料電池システム外部で利用できるようになるのである。燃料電池システムは燃料電池からなるスタック38と、ガス清浄部32と、燃料生成器35と、電力回路部43と、制御部44とより構成されている。
、(化学式10)に示されるようなシフト化反応と(化学式11)に示されるような一酸化炭素選択酸化反応により、10ppm以下となるように除去される。
CH4 + 2H2O → 4H2 + CO2 (−203.0 KJ/mol)
(化学式10)
CO + H2O → CO2 + H2
(化学式11)
CO + 1/2O2 → CO2
ここで、水を反応に必要な最低限量以上を入れると、水素と水分を含む燃料ガスが作成できる。燃料生成器で燃料ガスとして適合する組成の燃料ガスが生成されると遮断弁49と51をあけ、燃料ガス配管37を介して燃料電池のスタック38に燃料ガスを供給する。ここで、電圧測定部52で燃料電池の電圧を計測する。停止時は燃料電池の電圧は0Vであるが、燃料ガスを供給すると1V程度の電圧を示す。その後、時間経過と共に電圧は低くなる。その後、ブロワー39を動作させると共に、遮断弁57と58を開ける。酸化剤ガスはブロワー39により加湿器41を通った後、スタック38に流れ込む。酸化剤ガスが燃料電池に供給されると、各セルあたりの電圧は上昇する。本発明では0.88Vに達すると、電力回路部43を動作させ、電力を引き抜き、電圧が0.88V以上にならないように制御した。酸化剤ガスの排ガスは排気管42により外部に排出される。加湿器41として、温水に酸化剤ガスを流すものや、酸化剤ガス中に水を吹き込むもの等が使用できるが、本参考の形態では全熱交換型を使用した。これは、排ガス中の水と熱が加湿器41を通過する際に、吸気管40から運ばれ原料となる酸化剤ガス中に移動させるものである。冷却水は、ポンプ45より冷却水入り口配管46から燃料電池スタック38の水経路に流された後、冷却水出口配管47から外部に水が運ばれる。本図では図示されていないが、冷却水入り口配管45や冷却水出口は移管47には、通常給湯器などの熱を溜めるまたは利用する機器などが接続されている。燃料電池のスタック38で発生する熱を取りだし、給湯等に利用できるようになるのである。電力回路部43ではスタック38から取り出した直流の電力を、交流へと変換し、家庭等で利用されている電力線にいわゆる系統連携で接続される。スタック38内での燃料電池の動作を図1を用いて説明する。ガス流路6Cに空気などの酸化剤ガスを流し、ガス流路6aに水素を含む燃料ガスを流す。燃料ガス中の水素は拡散層3aを拡散し、触媒反応層2aに達する。触媒反応層2aで水素は水素イオンと電子に分けられる。電子は外部回路を通じてカソード側に移動される。水素イオンは電解質1を透過しカソード側に移動し触媒反応層2cに達する。空気などの酸化剤ガス中の酸素は拡散層3Cを拡散し、触媒反応層2Cに達する。触媒反応層2Cでは酸素が電子と反応し酸素イオンとなり、さらに酸素イオンは水素イオンと反応し水が生成される。つまりMEA5の周囲で酸化剤ガスと燃料ガスが反応し水が生成され、電子が流れる。さらに反応時に熱が生成し、MEA5の温度が上昇する。そのため冷却水経路8a、8cに水などを流すことにより反応で発生した熱を水で外部に運び出す。つまり、熱と電流(電気)が発生するのである。このとき、導入されるガスの湿度と反応で発生する水の量の管理が重要である。水分が少ないと電解質1が乾燥し、固定電荷の電離が少なくなるために水素の移動が減少するので、熱や電気の発生が小さくなる。一方水分が多すぎると、MEA5の周りまたは触媒反応層2a、2cの周囲に水が溜まってしまい、ガスの供給が阻害され反応が抑制されるため、熱と電気の発生が減少してしまう(以降、この状態をフラッティングと称する)。
フガス管48からのガスは燃料生成器35中では燃焼などに用いられる。原料ガスから燃料ガスを生成するための反応は(化学式6)で示されるように吸熱反応であるため、反応に必要な熱として利用されるのである。電力回路43は燃料電池が発電を開始した後スタック38から直流の電力を引き出す役割をする。制御部44は燃料電池システムの他の部分の制御を最適に保つよう制御するものである。燃料電池の運転を停止したい場合は、分配弁56と分配弁61を動作させ、ガス浄化部32で浄化した後の原料ガスをスタック38へ流し込むのである。本参考の形態では図1において、MEA5は以下のように作成した。
り燃料電池の電圧を測定すると、電極4cの電位がわかるのである。電極4cの電位が十分下がり、酸化物が十分除去されたと制御部44が判断すると、(起動工程3)に移る。(起動工程3)では電極4c側に酸化剤ガスを供給する。電極4cが再び酸化剤で囲まれると、酸素の電極電位が表れ、燃料電池に再び電圧が生じる。電圧測定部52で電圧が0.88Vを計測すると制御部44は電極回路部43を動作させ電力を燃料電池から引き抜く。燃料電池が開回路状態から閉回路になり、電流が流れるのである。電流が大きいほど、燃料電池の電圧は下がるので、制御部44は電力測定部52からの電圧の値を計測しつつ、適切な電流となるよう電力回路部を動作させるのである。燃料ガス、酸化剤ガスの量および電力回路部43からの電力の引き抜きの量を徐々に大きくするなどの制御を行い、所定の運転(運転工程)に移るのである。なお、本参考の形態では燃料電池スタック38の温度は70℃、燃料ガス中の水素の利用率(以降Ufとする)は70%、酸化剤ガス中の酸素の利用率(以降Uoとする)は40%となるようにした。燃料ガスおよび空気は、
それぞれ65℃および70℃の露点を有するように加湿し、電力回路部43は電流が電極の見かけ面積に対して、0.2A/cm2の電流密度となるように調整した。冷却水入り口配管46および冷却水出口配管47には図示されていないが、貯湯タンクが取り付けてある、冷却水入り口配管46中の水の温度は70℃、冷却水出口配管47中の水の温度は75℃となるようにポンプ45を調節した。
することができ、長寿命な燃料電池システムが実現できるのである。
実施の形態1について動作を図3、運転方法を図10のフローチャートを用い説明する。燃料電池システムを起動させる際には、まずスタック38に不活性ガスを供給した。本実施の形態としては不活性ガスとして、原料ガスである都市ガス13Aを用いた。弁34、遮断弁49、51、57および58を開ける。燃料ガスを原料ガス配管から取り込み、ガス清浄部32で燃料電池に対し悪影響を与える硫化水素やメルカプタンなどの不純物を除去する。分配弁61を調整し、清浄ガス配管36とバイパス館55の両方に原料ガスを流す。清浄ガス配管36を流れた原料ガスは燃料生成35を通過し、スタック38に供給される。バイパス管55を流れた原料ガスは加湿器41を通過し、スタック38に供給される。スタック38では停止工程中に、透過や拡散で電極4aおよび4cのまわりに酸素が存在している。スタック38に供給された原料ガスは各電極の周りの酸素を追い出し、アノードオフガス管66とカソードオフガス管48をとおり、燃料生成器35に流れ込む。スタック38を通過して燃料生成器に流れ込んだ原料ガスは、吸熱反応の熱源や改質の原料として有効に利用されるのである。次にスタック38の温度を上昇させる(起動工程2)に移った。起動工程2では図示されていない熱源またはポンプ45を動作させるなどを行い、スタック38の温度を上昇させた。次に燃料ガスをスタック38に供給する工程を(起動工程3)とした。スタック38に燃料ガスが供給されると経路に滞留していた原料ガスが押し流される。ただし、停止工程中に入った経路中の酸素は既に押し流されているので、酸素と水素が混じり合うことが無く、燃料などによりセルが損傷を受けることはない。水素が電極4cの周りに達すると、電極の電位は0V(水素電極比)となる。電極4cは不活性ガスに満たされているので、明確な電位は定まらないが、吸着していた微量な酸素等により若干0Vよりも高い電位を持っているので、燃料電池の電圧が生じる。また、水素は容易に電解質1を透過し、電極4cに達し、やがて電極4cの周りも水素で満たされるので電極電位が低下し、電圧が低下する。このとき、電極4cの表面に付着していた酸化物等も還元され、除去されるのである。電圧測定部52により燃料電池の電圧を測定すると、電極4aに水素がある場合は、電極4cの電位がわかるのである。電極4cの電位が十分下がり、酸化物が十分除去されたと制御部44が判断すると、(起動工程4)に移る。起動工程4では電極4c側に酸化剤ガスを供給する。電極4cが再び酸化剤で囲まれると、酸素の電極電位が表れ、燃料電池に再び電圧が生じる。電圧測定部で電圧が0.88Vを計測すると制御部44は電極回路部43を動作させ電力を燃料電池から引き抜く。燃料電池が開回路状態から閉回路になり、電流が流れるのである。電流が大きいほど、燃料電池の電圧は下がるので、制御部44は電力測定部52からの電圧の値を計測しつつ、適切な電流となるよう電力回路部43を動作させるのである。燃料ガス、酸化剤ガスの量および電力回路部43からの電力の引き抜きの量を徐々に大きくするなどの制御を行い、所定の運転(運転工程)に移るのである。その他の条件は実施の形態1と同じである。なお、本実施の形態では不活性ガスとしてガス浄化部で浄化した原料ガスを用いたが、ボンベ等から窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを用いてもよい。
Vであった。起動停止を行った際の劣化性能は、5mV/回と非常に小さかった。
参考の形態2について動作を図3、運転方法を図12のフローチャートを用いて説明する。燃料電池システムを起動させる際には、まず(起動工程1)として、図示されていない熱源またはポンプ45を動作させるなどを行い、スタック38の温度を上昇させた。次に(起動工程2)に移り、弁34、遮断弁49、51、57および58を開け、燃料生成器35で原料ガスから作った燃料ガスをスタック38に供給する。スタック38では停止工程中に、透過や拡散で電極4aおよび4cのまわりに酸素が存在している。スタック38に供給された燃料ガスにより、電極4aの電位は下がり約0V(水素電極比)となり、電極4cの周りは酸素が存在するので、その電位は約1V(水素電極比)であるので、電圧が約1V発生する。次に(起動工程3)で、電力回路部43を動作させ、電力を引き抜く。すると電極4cの周りの酸素が消費され電位が下がり、電圧が0V近くになる。このときは電極4aと4cの電位はいずれも0Vに近く、停止工程中に電極表面に付着した酸化物等は除去されるのである。次に(起動工程4)で酸化剤ガスをスタック38に供給する。これにより電圧が発生し、燃料ガス、酸化剤ガスの量および電力回路部43からの電力の引き抜きの量を徐々に大きくするなどの制御を行い、所定の運転を行う(運転工程)に移るのである。その他の条件は参考の形態1と同じである。
参考の形態3について動作を図3、運転方法を図14のフローチャートを用いて説明する。燃料電池システムを起動させる際には、まず(起動工程1)として、図示されていない熱源またはポンプ45を動作させるなどを行い、スタック38の温度を上昇させた。次に(起動工程2)に移り、弁34、遮断弁49、51、57および58を開け、スタック38に酸化剤ガスを供給する。起動工程2までは電極の電位の変化はない。次に(起動工程3)で、燃料ガスを供給する。水素ガスが電極4aに到達すると、電位が下がり、電圧が生じる。次に(起動工程4)に移る。起動工程4では、ガスの流量と電極回路部43の制御により、Ufが100%以下、Uoが75%以上となるように制御する。本参考の形態では、Ufは80%、Uoは90%とした。酸素は電流を流すために必要な量よりもわずかに多いだけであるので、電極の電位はあまり高くはない。本参考の形態での条件では起動工程中の電圧は約0.3Vであった。このとき、カソード電位を示す電極4cの電位は約0.3Vと運転時に比べ低いので、停止工程中に付着した酸化物等を除去できるのである。停止工程4が十分長く、電極の付着物が十分に除去できたと制御部52が判断する
と酸化剤ガスの量および電力回路部43からの電力の引き抜きの量を徐々に変化させ、所定の運転を行う(運転工程)に移るのである。その他の条件は参考の形態1と同じである。
2a 触媒反応層(アノード側)
2c 触媒反応層(カソード側)
3a 拡散層(アノード側)
3c 拡散層(カソード側)
4a 電極(アノード側)
4c 電極(カソード側)
7a セパレータ(アノード側)
7c セパレータ(カソード側)
32 ガス清浄部
35 燃料生成器
43 電力回路部
44 制御部
52 電圧測定部
Claims (8)
- 電解質、前記電解質を挟む一対の電極、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出する燃料ガス流路を有するアノード側セパレータ、及び、前記電極の他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出する酸化剤ガス流路を有するカソード側セパレータを具備した燃料電池と、原料ガスから前記燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、前記燃料電池に悪影響を与える成分を前記原料ガスから除去するガス清浄部と、前記燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、前記燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや前記電力回路部などを制御する制御部と、を有する燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、停止状態から運転を開始する際に、
不活性ガスで前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路をパージし、
その後、燃料ガスを前記燃料ガス流路に供給してパージされた不活性ガスを押し流し、
その後、酸化剤ガスを前記酸化剤ガス流路に供給し、
その後、電力回路部を動作させて電力を取り出すよう制御する、燃料電池システム。 - 不活性ガスで前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路をパージした後、燃料ガスを前記燃料ガス流路に供給する前に、
前記燃料電池の温度を上昇させる、請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記制御部は、前記酸化剤ガスを酸化剤ガス流路に供給した後に、前記燃料電池の電圧が0.88Vを超えると前記電力回路部を動作させて電力を取り出し、前記燃料電池の電圧が0.88V以下となるように制御する、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路をパージする不活性ガスとして、ガス清浄部で浄化した後の原料ガスを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 不活性ガスとして用いた後の原料ガスを前記燃料生成器に供給し、燃料ガスの生成に利用することを特徴とした請求項4に記載の燃料電池システム。
- 電解質、前記電解質を挟む一対の電極、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガ
スを供給・排出する燃料ガス流路を有するアノード側セパレータ、及び、前記電極の他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出する酸化剤ガス流路を有するカソード側セパレータを具備した燃料電池と、原料ガスから前記燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、前記燃料電池に悪影響を与える成分を前記原料ガスから除去するガス清浄部と、前記燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、前記燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや前記電力回路部などを制御する制御部と、を有する燃料電池システムの運転方法であって、
停止状態から運転を開始する際に、
不活性ガスで前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路をパージし、
その後、燃料ガスを前記燃料ガス流路に供給してパージされた不活性ガスを押し流し、
その後、酸化剤ガスを前記酸化剤ガス流路に供給し、
その後、電力回路部を動作させて電力を取り出すよう制御する、燃料電池システムの運転方法。 - 不活性ガスで前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路をパージした後、燃料ガスを前記燃料ガス流路に供給する前に、
前記燃料電池の温度を上昇させる、請求項6に記載の燃料電池システムの運転方法。 - 前記酸化剤ガスを酸化剤ガス流路に供給した後に、前記燃料電池の電圧が0.88Vを超えると前記電力回路部を動作させて電力を取り出し、前記燃料電池の電圧が0.88V以下となるように制御する、請求項6又は7に記載の燃料電池システムの運転方法。
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