JP4872125B2 - 多層プリント配線板用硬化性樹脂組成物、熱硬化性接着フィルム及び多層プリント基板 - Google Patents

多層プリント配線板用硬化性樹脂組成物、熱硬化性接着フィルム及び多層プリント基板 Download PDF

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Description

本発明は、多層プリント配線板の層間絶縁樹脂層の形成に有用な熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性接着フィルム及びそれらを用いて作製された多層プリント基板に関し、特に、導体回路層と絶縁樹脂層とを交互に積み上げてなるビルドアップ方式の多層プリント配線板を生産性良く、かつ作業性良く製造でき、さらに低吸水率及び低誘電率、低誘電正接の難燃性多層プリント基板を製造できる熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた熱硬化性接着フィルムに関する。
従来、多層プリント配線板は、回路が形成された内層回路基板上に、ガラスクロス基材にエポキシ樹脂を含浸させて半硬化させたプリプレグシートを1枚以上重ね、さらにその上に銅箔を重ね、熱板プレス機にて加熱加圧して一体成形するという工程を経て製造されていた。
さらに近年、高密度の配線を可能とするビルドアップ方式による多層プリント配線板の製造技術が注目されている。例えば、回路が形成された内層回路基板にエポキシ樹脂組成物を塗布し、加熱硬化した後、粗化剤にて表面に凸凹状の粗化面を形成し、導体層をめっきにより形成する多層プリント配線板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。また、回路が形成された内層回路基板にエポキシ樹脂接着シートをラミネートし、加熱硬化した後、粗化剤にて表面に凸凹状の粗化面を形成し、導体層をめっきにより形成する多層プリント配線頗の製造方法も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、前記したいずれの方法においても、エポキシ樹脂を主体とした材料が用いられており、低誘電率及び低誘電正接、さらには低吸水率について充分な特性が得られていないのが現状である。
一方、耐熱性、低誘電率化に有用であると考えられるイミド骨格の導入も試みられており、例えばイミド基を有する芳香族ジアミンとエポキシ樹脂を用いたビルトアップ用熱硬化性組成物が提案されているが、誘電率については議論されていない(例えば、特許文献4参照。)。また、低分子ポリイミド化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いた場合、そのほとんどがポリイミドとしての耐熱性や低誘電特性が得られず、エポキシ樹脂の特性と変わらない場合が多い。一方、高分子量のイミド化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として使用する場合には、相溶性に乏しく、分離してしまう場合がほとんどである。
一般に、ポリイミド樹脂はその耐熱性、誘電特性を特徴として各産業で使用されているが、単独では溶剤への溶解性に乏しい場合が多く、液状の熱硬化性組成物として提供されることは少ない。さらに提供されていたとしても、それは固形分が少なかったり、あるいは、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の他の樹脂、又は無機フィラー等を配合した場合、分離、沈殿するケースがほとんどであった。
そのため、一般に、ポリイミド樹脂はポリイミドフィルムとして使用されているが、そのほとんどがポリイミド単独のフィルムであり、例えば熱処理を行なって接着性を発現させるには高温での処理が必要であった。すなわち、市販のポリイミドフィルムは、(a)ポリイミド単独でフィルム状に形成されたもの、(b)ポリイミドフィルムにゴム系、アクリル系粘着剤(接着剤)が塗布されたもの、(c)ポリイミド溶液を銅箔等の金属シートにキャストしたもの、又はイミドフィルムに金属をスパッタし、さらにめっきで金属支持体を形成したものがあるが、上記(a)のフィルムは接着性が無く、軟化点以上に加熱し、圧着することしかできない。さらに、そのポリイミドの軟化点は通常250℃以上という高温であり、プリント配線板用途には使用できない。上記(b)のフィルムの場合、比較的低温で接着することができるが、粘着(接着)層の物性値がポリイミドと比べて極端に違いすぎ、絶縁層としてはポリイミドの優れた特性が充分に発揮されない。また、上記(c)のフィルムの場合、(a)のフィルムと同様に250℃以上の高温でないと圧着することができないという問題がある。
さらに最近、プリント配線板は環境負荷に対する配慮から、従来のハロゲン系難燃剤から非ハロゲン系難燃剤への転換が急速に進行している。しかしながら、ほとんどの非ハロゲン系難燃剤は、難燃性に関しては充分な特性を有しているものの、プリント配線板としてのはんだ耐熱性、吸水性、誘電率、誘電正接を積極的に向上させるものではなく、むしろ特性を低下させる懸念があり、その使用量が制限される場合がほとんどであった。
また、回路が形成された内層回路基板に対して塗膜形成工程、穴明け工程、及び導体層形成工程を少なくとも経て多層プリント配線板を製造する方法における上記塗膜形成工程に用いる熱硬化性樹脂組成物であって、(A)カルボキシル基又は酸無水物基を有し、かつ、数平均分子量300〜6,000の線状炭化水素構造を有するポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び(C)沸点が100℃以上の有機溶剤を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物や該硬化性樹脂組成物を用いた熱硬化性接着フィルム及び多層プリント基板もある(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、該熱硬化性接着フィルムや多層プリント基板は線状炭化水素構造により低誘電化を図っている反面、線膨張係数が大きいという問題もある。
特開平7−304931号公報 特開平7−304933号公報 特開平11−087927号公報 特開2000−017148号公報 国際公開第2004/009727号パンフレット
本発明の課題は、上述したような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、導体との充分な密着性を有し、しかも高耐熱性、難燃性、低誘電率、低誘電正接、低吸水率及び低線膨張率の層間絶縁樹脂層を形成できる熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、比較的低温でラミネートすることができ、導体との充分な密着性を有し、しかも耐熱性、低線膨張係数、低誘電率及び低誘電正接に優れる層間絶縁樹脂層を形成できる熱硬化性接着フィルムを提供することにある。
更に本発明の他の課題は、前記のような熱硬化性樹脂組成物あるいは熱硬化性接着フィルムを用いて密着性、耐熱性、パターン形成性、難燃性に優れる多層プリント基板を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、下記の知見を見出した。
(1)フェノール系化合物の構造残基とフェノール性水酸基とイソシアネート基との反応にて生成されるウレタン結合とを有するポリイミド樹脂とエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物を用いて得られる硬化物は、耐熱性、電気特性、機械物性、寸法安定性に優れる。
(2)前記樹脂組成物は保存安定性にも優れる。
(3)前記樹脂組成物は回路が形成された内層回路基板に対して塗膜形成工程、穴明け工程、及び導体層形成工程を少なくとも経て多層プリント配線板を製造する方法における上記塗膜形成工程に用いることで密着性、耐熱性、パターン形成性、難燃性に優れる多層プリント配線板が得られる。
(4)支持体ベースフィルム上に、前記樹脂組成物からなる膜が半硬化状態で形成されていることを特徴とする熱硬化性接着フィルムは耐熱性、低線膨張係数、低誘電率及び低誘電正接に優れる層間絶縁樹脂層を形成できる。
(5)前記熱硬化性接着フィルムを用いて層間絶縁樹脂層が形成されていることを特徴とする多層プリント基板は密着性、耐熱性、パターン形成性、難燃性に優れる多層プリント基板である。
本発明は上記の知見を基に完成したものである。
即ち、本発明は、回路が形成された内層回路基板に対して塗膜形成工程、穴明け工程、及び導体層形成工程を少なくとも経て多層プリント配線板を製造する方法における上記塗膜形成工程に用いる熱硬化性樹脂組成物であり、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。
Figure 0004872125
Figure 0004872125
(式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
また、本発明は、支持体ベースフィルム上に、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物を含む膜が半硬化状態で形成されていることを特徴とする熱硬化性接着フィルムを提供するものである。
Figure 0004872125
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(式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
また、本発明は、前記熱硬化性樹脂組成物を用いて層間絶縁樹脂層が形成されていることを特徴とする多層プリント基板を提供するものである。
更に、本発明は、前記熱硬化性接着フィルムを用いて層間絶縁樹脂層が形成されていることを特徴とする多層プリント基板を提供するものである。
本発明によれば、密着性、耐熱性、パターン形成性、難燃性に優れる多層プリント配線板の製造に用いる熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、耐熱性に優れ、低線膨張係数、低誘電率及び低誘電正接である層間絶縁樹脂層が得られる熱硬化性接着フィルムを提供することができる。更に、密着性、耐熱性、パターン形成性、難燃性に優れる多層プリント基板も提供することができる。
前記課題を達成するために、本発明によれば、回路が形成された内層回路基板に対して塗膜形成工程、穴明け工程、及び導体層形成工程を少なくとも経て多層プリント配線板を製造する方法における上記塗膜形成工程に用いる熱硬化性樹脂組成物であり、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物が提供される。
さらに本発明によれば、支持体ベースフィルム上に下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物を含む膜が半硬化状態で形成されていることを特徴とする熱硬化性接着フィルムが提供される。なお、ここでいう半硬化状態とは、室温で固体であって、加熱状態では流動化するものをいう。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、導体との充分な密着性を有し、しかも高耐熱性、難燃性、低誘電率、低誘電正接、低吸水率、寸法安定性に優れる層間絶縁樹脂層を形成できる。同様に、本発明に係る熱硬化性接着フィルムは、支持体ベースフィルム上に、前記ポリイミド樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物を含む膜が半硬化状態で形成されたものであるため、比較的低温でラミネートすることができ、導体との充分な密着性を有し、しかも前記のような諸特性に優れた層間組緑樹脂層を作業性良く形成することができる。従って、かかる熱硬化性樹脂組成物あるいは熱硬化性接着フィルムを用いることにより、高性能、高密度の多層プリント基板を作業性良く製造できる。
本発明者らは、多層プリント配線板の眉間絶縁樹脂層として、高耐熱性、難燃性、低誘電率及び導体との充分な密着性を満足する熱硬化性樹脂組成物あるいはさらに比較的低温でラミネートすることができる熱硬化性接着フィルムについて鋭意検討した結果、前記熱硬化性樹脂組成物あるいは熱硬化性接着フィルムが、作業性が良好で、これを用いた多層プリント配線板が極めて優れた性能を有することを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、前記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴としており、該樹脂組成物を用いることにより、導体との充分な密着性を有し、しかも高耐熱性、難燃性、低誘電率、低誘電正接、低吸水率、寸法安定性に優れる層間絶縁樹脂層を作業性良く形成することができる。
また、本発明に係る熱硬化性接着フィルムは、支持体ベースフィルム上に、前記ポリイミド樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物からなる膜が半硬化状態で形成されているため、比較的低温でラミネートすることができ、導体との充分な密着性を有し、しかも前記のような諸特性に優れた層間絶縁樹脂層を作業性良く形成することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において特に重要な成分は、前記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)であり、物性はポリイミド特有のものであるが、エポキシ樹脂と同様のハンドリング性を有し、形成される層間絶縁樹脂層に対して以下のような重要な作用・効果をもたらす。
(a)イミド骨格が高耐熱性と高いガラス転移点Tgを実現させる。
(b)エポキシ基との反応が可能となり、エポキシ樹脂の特徴である接着性、電気特性、作業性、低温硬化性を実現・向上できる。
(c)ポリイミド樹脂(A)はエポキシ樹脂(B)中のエポキシ基と反応し、更にこの反応で生成する水酸基をイソシアネートにてブロックする反応を有する為、低吸水率、低誘電率、低誘電正接、低線膨張係数を実現できる。
(d)ポリイミド樹脂が特にイソシアヌレート環を含んでいる場合、通常の線状構造のポリイミドと異なり、ハイパーブランチ型ポリマー構造の高分子体となる。そのため、高分子体であるにも拘らずエポキシ樹脂や有機溶剤と任意に溶解することができ、作業性は低分子化合物もしくはオリゴマーと同程度であり、しかも高分子材料としての特性を有する。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、以上のような作用・効果を発揮するポリイミド樹脂(A)をエポキシ樹脂(B)とを含有するため、エポキシ樹脂の前記したような特性発揮及び高沸点有機溶剤使用による塗膜乾燥時の泡発生防止や塗布時の粘度変化防止の効果と相侯って、導体との充分な密着性を有する。また、本発明に係る熱硬化性接着フィルムは、以上のような作用・効果を発揮するポリイミド樹脂(A)をエポキシ樹脂(B)と組み合わせて含有する熱硬化性樹脂組成物から膜が形成されているため、比較的低温でラミネートすることができ、導体との充分な密着性を有する。しかも、これらは高耐熱性、難燃性、低誘電率、低誘電正接、低吸水率の層間絶縁樹脂層を作業性良く形成することが可能となる。
木発明の熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性接着フィルムは、回路が形成された内層回路基板に対して塗膜形成工程もしくはフィルムラミネート工程による樹脂絶縁層形成、穴明け工程、及び導体層形成工程を少なくとも経て多層プリント配線板を製造する方法における上記樹脂絶縁層形成に好適に用いることができる。
上記多層プリント配線板を製造する方法の形態としては、例えば、回路が形成された内層回路基板に本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥するか、本発明の熱硬化性接着フィルムをラミネートした後、必要に応じて熱硬化させ、次いでドリル又はレーザー加工機にて穴(バイアホール、スルーホール等)をあけ、さらに当該穴及び乾燥塗膜もしくはフィルム上に導体めっきを施す工程を少なくとも経る第一の形態や、内層回路基板に熱硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥するか、熱硬化性接着フィルムをラミネートし、その乾燥塗膜もしくはフィルム上に銅箔をプレス又はラミネートにより一体成形し、必要に応じて熱硬化させ、次いでドリル又はレーザー加工機にて穴をあけ、当該穴の部分にめっきを行ない内層回路と導通させた後、表層の導体をエッチングしてパターン形成する工程を少なくとも経る第二の形態、などが好適に採用される。
以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物あるいは熱硬化性接着フィルムを用いる多層プリント配線板の製造方法について説明し、その後、本発明の熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性接着フィルムについて詳細に説明する。
先ず、熱硬化性樹脂組成物を用いる場合、回路が形成された内層回路基板にローラーコート、スクリーン印刷、カーテンコート、ダイコート等にて塗布する。このとき熱硬化性樹脂組成物の粘度は十分な膜厚が得られ、塗装むらやスジが発生しにくいことから25℃において0.1〜400dPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは2〜300dPa・sである。
このときの熱硬化性樹脂組成物は、回転粘度計で測定した回転数5rpmの粘度と回転数50rpmの粘度との比が、1.1以上であること、すなわちTI値が1.1以上であるとコーティング後にダレが発生しにくく、また、塗膜にスジが発生しにくいことから好ましい。さらに好ましくは1.1〜2.0である。また、必要に応じてアスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の公知慣用のチキソ化剤を加えることが好ましい。さらに顔料、消泡剤、添加剤なども添加することができる。
なお、上記TI値の範囲内にある熱硬化性樹脂組成物は、塗布工程の後に行なう乾燥工程も基板を垂直にした状態のまま行なうことができ、省スペースと基板への挨の付着防止の観点から有効である。この乾燥工程では、溶剤を充分に揮発させるように設定しなければならない。そのためには、溶剤の揮発が良好で、塗膜中に突沸現象を招きにくいことから乾燥温度80〜130℃で乾燥時間5〜60分が好ましい。
次に、第一の形態においてはポストキュアー(最終硬化)を行なう。最終硬化の温度は硬化が十分で、且つ、内層基板や硬化塗膜に対する熱劣化による電気特性や機械物性等が悪くなりにくい条件として150〜200℃で30〜120分の範疇で行なうことが好ましい。
その後、硬化した塗膜を必要に応じて研磨する。研磨の目的は、
(1)塗布乾燥後に生じる凹凸をフラットにする、
(2)研磨後に行なう表面の粗化工程での薬品のアタックを容易にする(表面濡れ性向上)、
(3)膜厚を希望の厚みに薄くする、
ことであるが、硬化後に充分な平坦性や膜厚がある場合等、必要ないと判断できる際には研磨しなくてもよい。このとき、使用できる研磨の種類としては、ベルトサンダー、パフ、ナイロンブラシ等がある。
一方、本発明の熱硬化性接着フィルムを用いる場合、回路が形成された内層回路基板に真空フィルムラミネ一夕ーで加熱ラミネートして一体成形する。また、必要に応じて、真空フィルムラミネ一夕ーで加熱ラミネートした後、さらに熱板プレス機にてフィルム表面を加熱加圧してレベリング(平坦化)することが好ましい。
ここで、上記工程で用いる真空ラミネ一夕ーは、基板を1枚ずつ処理でき、温度が70〜180℃、真空度が5Torr以下で、銅箔との隙間をなくし、樹脂を溶融させ密着させるものが好ましい。また、レベリングさせる熱板プレス機も、ラミネ一夕ーから連続的に1枚ずつ処理でき、70〜180℃で5〜30kg/cmの圧力がかけられる装置が好ましい。また、ラミネート、レベリングにかける時間は銅箔との密着性とレベリング性が十分、量産性も良好な事から30秒から2分以内が好ましく、両方が同じ時間であると連続的に処理できるので好ましい。また、平坦性が要求されない場合、レベリングの工程を省くこともできる。これらラミネートに使用できる装置としては、MEIKI社製MVLP−500や、モートン社VA−720、VA−724、NPVA−1、NPVA−24などがある。この際、プリプレグや他の接着シートを介して本発明の熱硬化性接着フィルムを接着することもできる。
上記工程では、真空フィルムラミネ一夕ーを用いた加熱ラミネートにより接着フィルムが再溶融し、内層回路に強力に接着する。また、接着フィルム表面の内層回路による凹凸は、熱板プレス機にて接着フィルムを加熱加圧してレベリングする際に解消され、そのまま硬化するので、最終的にはフラットな表面状態の多層板が得られる。そして、加熱ラミネート後の基板は、熱風循頻式もしくは遠赤外線等で最終硬化される。そのときの硬化温度は130〜200℃で、30〜120分の範囲が適当である。このとき、支持体ベースフィルムは取り除いていても構わないし、そのまま硬化後に取り除いても構わない。
次に、前記のようにして硬化塗膜又は接着性フィルムからなる樹脂絶縁層が形成された基板に、必要に応じてCOやUV−YAGレーザー等の半導体レーザ又はドリルにて穴をあける。このとき、穴は基板の表と裏を導通させることを目的とする貫通穴(スルーホール)でも、内層の回路と組成物表面の回路を導通させることを目的とする部分穴(ペリードビア)のどちらでもよい。
穴明け後、穴の内壁や底部に存在する残渣(スミヤ)を除去することと導体(その後に形成する金属めっき)とのアンカー効果を発現させるために、表面の凹凸の形成を市販のデスミヤ液(粗化剤)で同時に行なう。また、この工程はプラズマ等のドライプロセスでも可能である。
次に、デスミヤ液で残渣を除去した穴や、該薬品で凹凸を生じた塗膜表面に導体めっきを施し、さらには回路を形成する。その方法としては、
(1)基板全面に無電解の金属めっきを施し、さらに電解めっきにて金属めっき層を形成した後、形成したいパターン通りに市販のネガ型パターンレジスト又はポジ型パターンレジストのパターンを形成する。その後、金属をエッチングすることにより、最外層の導体パターンを得るパネルめっき法、
(2)塗膜表面上に逆パターンの永久めっきレジストを形成し、そのレジストが形成されていない部分に無電解めっきにて導体パターンを形成するアディティブ法、
(3)上記(1)の方法と同様、基板全体に無電解金属めっきを施した後、逆パターンのネガ型又はポジ型めっきレジストのバターンを形成する。その後、電解めっきにてレジストのパターンが存在しない部分に選択的にめっき層を形成させる。次いで、パターンレジストを剥離し、パターンレジストに隠されていた無電解めっき層をエッチングすることにより導体パターンを得るセミアディティブ法、
などがある。
汎用性においては上記(1)の方法、ファインパターン化を要求する場合には上記(2)と(3)の方法が好ましい。また、いずれの方法においても、無電解めっき又は電解めっき後もしくは両方のめっきを施した後に、金属のストレス除去、強度向上の目的で80〜180℃で10〜60分の熱処理(アニール)を施してもよい。
ここで用いる金属めっきとしては、銅、ズズ、はんだ、ニッケル等、特に制限は無く、複数組み合わせて使用することができる。また、ここで用いるめっきの代りに金属のスパッタ等で代用することも可能である。
第二の形態においては、熱硬化性樹脂組成物の乾燥塗膜が形成された又は熱硬化性接着フィルムがラミネートされた内層回路基板と銅箔を一体成形する工程が必要になる。その方法としては、以下に述べるようなラミネート法、プレス法などがある。
(1)ラミネート法
熱硬化性樹脂組成物を用いた場合、基板上に形成した乾燥塗膜上に、片面もしくは両面に粗面を有する銅箔又は樹脂付き銅箔を前述した第一の形態で説明した真空フィルムラミネ一夕ーで加熱ラミネートして一体成形する。また、必着に応じて、真空フィルムラミネ一夕ーで銅箔又は樹脂付き銅箔を加熱ラミネートした後、さらに熱板プレス機にて塗膜を加熱加圧してレベリング(平坦化)することが好ましい。
ここでラミネート、レベリングにかける時間は銅箔との密着性とレベリング性が十分で、且つ、量産性にも優れることから30秒から2分以内が好ましく、両方が同じ時間であると連続的に処理できるので好ましい。また、平坦性が要求されない場合、レベリングの工程を省くこともできる。この際、プリプレグや接着シートを介して銅箔を乾燥塗膜に接着することもできる。
一方、熱硬化性接着フィルムを用いる場合、前述した第一の形態に示した真空ラミネ一夕ーを用い、同様に内層回路基板にラミネートする。ラミネートした後、第一の形態では加熱硬化を行なうが、この第二の形態の場合、支持体であるベースフィルムを剥離した後、さらに同様のラミネート工程を片面もしくは両面に粗面を有する銅箔又は樹脂付き銅箔を接着フィルムの上にもう一度行なうことにより、一体成形する。また、必要に応じて、さらに熱板プレス機にて加熱加圧してレベリング(平坦化)することが好ましい。この際、プリプレグや接着シートを介して銅箔を熱硬化性接着フィルムに接着することもできる。
この工程では、塗布乾燥した塗膜又は接着フィルムは、真空フィルムラミネ一夕ーを用いた加熱ラミネートにより再溶融し、銅箔の粗面に入り込んでそのアンカー効果により強力に接着することで充分なピール強度が得られるようになる。また、塗布乾燥した塗膜又はラミネートした接着フィルムの内層回路による凹凸面は、熱板プレス機にて塗膜を加熱加圧レベリングする際に解消され、そのまま硬化するので、最終的にはフラットな表面状態の多層板が得られる。そして、銅箔又は樹脂付き銅箔の加熱ラミネート後の基板は、熱風循環式もしくは遠赤外躁等で最終硬化される。そのときの硬化温度は150〜200℃で30〜120分の範囲である。
(2)プレス法
基板上に形成した乾燥塗膜上に、片面もしくは両面に粗面を有する銅箔又は樹脂付き銅箔を重ね合せ、熱板プレス機で加熱加圧して一体成形を行なう。プレスの条件としては、機械の性能により多少異なるが、140〜200℃で1〜4時間、圧力15〜50kg/cmの範囲で行なう。この際、プリプレグや接着シートを介して銅箔を乾燥塗膜に接着することもできる。
この加熱加圧工程では、塗布乾燥した塗膜は、熱板プレス機を用いた加熱加圧により再溶融し、熱硬化する。このとき、前記塗膜は、銅箔の粗面に入り込んでそのアンカー効果により強力に接着することで充分なピール強度が得られるようになる。また、塗布乾燥した塗膜の内層回路による凹凸面は、再溶融する際に解消され、そのまま硬化するので最終的にはフラットな表面状態の多層板が得られる。
これらの工程で用いられる銅箔としては、ジャパンエナジー社製のJTCやJTC−A、JTC−FM、古河サーキットフォイル社製のGTSやGTS−MP、F3−WS等の市販の電解銅箔を用いることが好ましい。また、さらに好ましくは片面又は両面が予め粗面化処理された銅箔が良く、さらに各種金属めっきで表面をさらに処理したり、公知慣用のカップリング剤、有機キレート剤を用いて処理したものが好適である。また、ここで使用する銅箔は銅箔又は樹脂付き銅箔としてのハンドリングが十分で作業中に破損しにくいこと、積み重ね時に銅の重みにより膜厚が変化しにくく、使用目的の高性能なプリント基板を製造するという観点、銅箔が厚いことは回路形成に不利になることから9μm以上、18μm以下の厚さを有することが好ましい。
このようにして得られた基板にCOレーザー、UV−YAGレーザー等の半導体レーザーもしくはドリルを用いて穴をあける。特にCOレーザーを用いて穴明け加工する時は、穴をあける部分の銅箔を先にエッチングしてガイドを設けるか、レーザー光が銅箔に充分吸収するよう銅箔を処理することが必要になる。また、穴は基板の表と裏を導通させることを目的とする貫通穴(スルーホール)でも、内層の回路と乾操塗膜又は接着フィルムからなる樹脂絶縁層表面の回路を導通させることを目的とする部分穴(ベリードビア)のどちらでもよい。
次に、穴を導通させることを目的に公知慣用のデスミヤ処理を行ない、引き続き無電解銅めっき、電解銅めっきを施すことにより、スルーホール、ベリードビア、又はコンフォーマルビアを形成し、表裏の銅箔及び銅箔と内層回路とを導通させる。
その後、プリント配線板で用いられている既知のパターンエッチング方法にて、表層の銅箔をエッチングしてパターン形成することにより、所望の多層プリント配線板が得られる。
あるいは、回路のファインパターン化を目的にラミネートした銅箔を薄くなるまでエッチングしてからパターンレジストを用いて回路形成することも可能であり、さらに、全面エッチングして前記第一の形態の回路形成方法(2)(アディティブ法)か(3)(セミアディティブ法)で回路形成することも可能である。
前記第一の形態、第二の形態に拘らず、こうして得られた多層プリント配線板は、さらに工程を繰り返して多層化したり、また、プリプレグや樹脂付銅箔を重ね合せ、熱板プレス機を用いて加熱加圧成形をすることにより多層化を行なっても構わない。
以上説明した多層プリント配線板の製造方法において、用いる内層基板としては、例えば、プラスチック基横やセラミック基板、金属基板、フィルム基板などを使用することができ、具体的には、ガラスエポキシ基板やガラスポリイミド基板、アルミナ基板、低温焼成セラミック基板、窒化アルミニウム基板、アルミニウム基板、ポリイミドフィルム基板などを使用することができる。そして、内層の回路(配線パターン)は銅が好ましく、さらに銅回路は化学的な表面処理が施されたものが好ましい。バフ研磨等の物理的な研磨を施した回路上では、本発明の組成物は密着性が劣り、はんだ熱で膨れを生じる場合がある。好適な化学処理としては、汎用の黒化処理や、銅を薬品によりエッチングし粗化面を形成する処理、例えばメック杜エッチボンド、アトテック社ボンドフィルム、マクダーミット社のマルチボンド等が好ましい。特に本発明の工程では、コーティング時又はラミネート持に内層銅回路が傷付く可能性があるので、後者のエッチングタイプの表面処理が傷が付き難い点で優れている。
前記したように、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、前記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを必須成分として含有する。
一方、本発明に係る熱硬化性接着フィルムの組成は、前記したように、前記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを必須成分として含有するさらに本発明に係る熱硬化性接着フィルムの組成は、少なくとも片側に支持フィルムが存在している。これは、本発明の接着フィルムが一定の温度で溶融し、接着性を発現するため、接着させる時のカバーの働きをするものである。つまり、接着フィルムの両側に接着させる場合は、支持フィルの無い側を非接着体に密着させ、接着もしくは仮接着し、その後、支持フィルムを剥離してさらに非接着体を密着させ、接着させることにより実現できる。また、この接着フィルムの保管、輸送の際には、シート状、ロール状に拘らず、支持フィルムと反対側の層に保護フィルムを使用することができる。
本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物中のポリイミド樹脂(A)は、下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表されるようにウレタン結合としてイソシアネート基とフェノール性水酸基が連結した構造を有する。ポリイミド樹脂(A)としては、なかでも有機溶剤に溶解するポリイミド樹脂が取り扱い易いことから好ましい。
Figure 0004872125
Figure 0004872125
(式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(10)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
Figure 0004872125
(上記式中Rx1、Rx2は同一でも異なっていても良く、ポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基を示す。)
また、前記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(11)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
Figure 0004872125
(上記式中Rx1はポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基を示す。)
前記一般式(10)及び一般式(11)中のRxは同一でも良いし異なっていても良い。
ここで、上記一般式(10)においてRx1および/またはRx2が後述する一般式(9)のRに該当すると、一般式(9)に一般式(1)が結合した構造を有した分岐状ポリイミド樹脂となる。上記一般式(11)においてRx1が後述する一般式(9)のRに該当すると、一般式(9)に一般式(2)が結合した構造を有した分岐状ポリイミド樹脂となる。
前記一般式(1)および/または一般式(2)中のXとしては、例えば、下記構造等が挙げられる。
Figure 0004872125
本発明で用いるポリイミド樹脂(A)としては、一般式(1)のXとして前記一般式(3)で表される構造を有するポリイミド樹脂が好ましい。ここで、前記一般式(3)で表されるRは単結合あるいは2価の連結基を示し、Rは水素または炭素数1から5のアルキル基を示す。
前記一般式(3)示される構造中のRとしては例えば、単結合、カルボニル基、スルホニル基、メチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、オキソ基、ジメチルシリレン基、フルオレン−9−ジイル基、トリシクロ[5.2.1.02,8]デカン−ジイル基等の2価の結合基等が挙げられる。また、Rとしては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の炭素原子数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
尚、本発明において、カルボニル基は下記構造式(1a)、スルホニル基は下記構造式(1b)、メチレン基は下記構造式(1c)、イソプロピリデン基は下記構造式(1d)、ヘキサフルオロイソプロピリデン基は下記構造式(1e)、オキソ基は下記構造式(1f)、ジメチルシリレン基は下記構造式(1g)、フルオレン−9−ジイル基は下記構造式(1h)、トリシクロ[5.2.1.02,8]デカン−ジイル基は下記構造式(1i)でありこれらは、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフタレンジオール、ジシクロペンタジエン変性ビスフェノール等の残基である。(なお、図中の*は結合部位を表す。)また、ポリフェノール化合物、例えば、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂、ナフトールとアルキルフェノールとホルムアルデヒド縮合物から合成されるポリフェノール樹脂等から2つの水酸基を除いた構造残基等も挙げられる。
Figure 0004872125
前記Rの中でも、単結合及び前記一般式(1b)、一般式(1c)、一般式(1d)で示される構造が溶解性、相溶性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られ、また、ポリイミド樹脂(A)を得る際の合成もしやすいことから好ましい。また、前記Rの中でも、水素原子、メチル基が好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(A)としては、前記一般式(1)で表される構造および/または一般式(2)で表される構造を有すれば良いが、中でも前記一般式(1)で表される構造および一般式(2)で表される構造を有するイミド樹脂がより好ましい。ここで、前記一般式(1)で示される構造及び前記一般式(2)で示される構造中のXは同一でも良いし異なっていても良い。
前記一般式(2)で示される末端の水酸基はフェノール性水酸基であり、このフェノール性水酸基は、多官能フェノール化合物の1個の水酸基がウレタン結合で樹脂骨格に連結した以外の残りの1個のフェノール性水酸基である。一般式(2)で示される構造を得る際に用いる多価のフェノール性水酸基含有化合物は、2官能性フェノール化合物が好ましいが2官能フェノール化合物以外に3官能以上のポリフェノール化合物を使用あるいは併用し、末端に複数のフェノール性水酸基を残存させても良い。
ポリイミド樹脂(A)として前記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂は末端にフェノール性水酸基を有しており、後述するエポキシ樹脂(B)と反応し硬化することが可能である。一般のフェノール化合物とエポキシ樹脂との硬化では、ガラス転移温度(TG)や耐熱性、誘電特性、機械物性、線膨張等の面で限界があるが、前記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂は樹脂骨格にイミド構造を有しているために従来の技術では得られない高い性能を有する硬化物を得ることが可能である。
更に、ポリイミド樹脂(A)は一般式(1)や一般式(2)で示される様にフェノール性水酸基とイソシアネート基からなるウレタン結合の構造を有する。一般にフェノール性水酸基とイソシアネートによるウレタン結合は、解離温度が低い為、フェノールやクレゾール等の低分子モノフェノール化合物などはイソシアネート基のブロック剤として使用されることがある。しかしながらこうしたブロック剤の解離は、塗膜や成型物の硬化反応において解離し揮発成分として気泡やボイドの発生につながり好ましいものではない。本発明において、フェノール性水酸基の導入を、2価以上のポリフェノール化合物を用いて行うと、硬化時の温度の高い状況下で樹脂から解離しても揮発せず系内に残存し、その為、ポリイミド樹脂(A)は積極的にエポキシ樹脂との架橋反応により硬化を行う。さらに生成したイソシアネート基は、このフェノール−エポキシ間の反応により生成する水酸基とさらにウレタン化反応を行い、分子の新たな架橋構造の構築を行い誘電特性に不利な水酸基をブロックすると考えられる。よって生成するウレタン結合により、樹脂骨格である剛直なイミド構造を結びつけるネットワークを形成し良好な耐熱性あるいは機械物性を発現すると本発明者らは考えている。
また、本発明で用いるポリイミド樹脂(A)は下記一般式(7)および/または下記一般式(8)で示されるイミド結合を有するポリイミド樹脂が好ましい。
Figure 0004872125
Figure 0004872125
一般式(7)式中のRはテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた残基構造を示す。一般式(8)中のRはトリカルボン酸無水物から酸無水物基とカルボキシル基を除いた残基構造を示す。
前記Rは、テトラカルボン酸無水物の酸無水物基を除いた残基である。こうした構造としては、例えば以下の構造が例示される。
Figure 0004872125
前記Rは、トリカルボン酸無水物から酸無水物基とカルボキシル基を除いた残基構造である。こうした構造としては、例えば以下の構造が例示される。
Figure 0004872125
前記一般式(7)で表される構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(12)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
Figure 0004872125
(上記式中Rx、Rxは同一でも異なっていても良く、ポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基を示す。)
上記一般式(12)においてRxおよび/またはRxが後述する一般式(9)のRに該当すると、一般式(9)に一般式(12)が結合した構造を有した分岐状ポリイミド樹脂となる。
前記一般式(8)で表される構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(13)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
Figure 0004872125
上記一般式(13)においてRxおよび/またはRxが後述する一般式(9)のRに該当すると、一般式(9)に一般式(13)が結合した構造を有した分岐状ポリイミド樹脂となる。
更に、本発明で用いるポリイミド樹脂(A)は下記一般式(9)で示される構造にて分岐しているポリイミド樹脂が、他の樹脂成分との相溶性、溶剤溶解性の向上や得られる硬化塗膜の耐熱性が良好なことから好ましい。
Figure 0004872125
(式中Rはジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基構造を示す。)
前記一般式(9)中のRとしては、例えば、芳香族系の残基構造、脂肪属系の残基構造、脂環族系等の残基構造等が挙げられる。中でも、炭素原子数が4から13のものを好ましく使用することができる。Rの構造は、結晶化の防止や溶解性向上の面から2種以上の構造を併用したほうが好ましい。特に芳香族系の残基構造と脂肪族あるいは脂環族の残基構造との併用が好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(A)は、例えば、2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)と酸無水物(a3)とを反応させる本発明のポリイミド樹脂の製造方法により容易に得ることができる。
前記2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)としては、例えば、ハイドロキノン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、ジメチルブチリデンビスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、5,5’−(1−メチルエチリデン)ビス〔1,1’−ビフェニル−2−オール〕、ナフタレンジオール、ジシクロペンタジエン変性ビスフェノール、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドとハイドロキノンとの反応生成物等が挙げられる。更にポリフェノール化合物(A)としてフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等の3官能以上のフェノール化合物も使用可能である。尚、本発明のポリイミド樹脂の製造方法においては合成上、ポリフェノール化合物(A)として3官能以上のポリフェノール化合物を使用することで樹脂の高粘度化やゲル化の発生等があるため、2個のフェノール性水酸基を含有するポリフェノール化合物(2官能のポリフェノール化合物)を使用することが好ましい。中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール系化合物が好ましい。また本発明の効果を損なわない範囲で一部、フェノールやクレゾール等の一官能性のフェノール化合物を併用しても良い。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物(a2)としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物等が使用可能である。
前記芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジエチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアナートメチル)ベンゼン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニレンエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物等に代表される芳香族ポリソシアネート化合物等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、ノルボヌレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。
また前記ポリイソシアネート化合物(a2)と各種ポリオール成分をイソシアネート基過剰で予め反応させたイソシアネートプレポリマーを使用、併用することも可能である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるポリイミド樹脂は、分岐構造をとる事により、溶剤溶解性や硬化剤等その他の樹脂成分との相溶性が向上することができる為より好ましい。かかる分岐の手法としては、ポリイソシアネート化合物(a2)の一部ないし全部として例えば、前記ジイソシアネート化合物等の単独や混合でのイソシアヌレート体であるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物を使用、併用することが好ましい。
前記イソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物は、例えば、1種または2種以上のジイソシアネート化合物を第4級アンモニウム塩等のイソシアヌレート化触媒の存在下あるいは非存在下において、イソシアヌレート化することにより得られるものであって、3量体、5量体、7量体等のイソシアヌレートの混合物からなるもの等が挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート体の具体例としては、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート等脂肪族系ポリイソシアネート類やジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、キシレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(a2)としては、ジイソシアネート化合物とイソシアヌレート環を有するジイソシアネート化合物と併用する場合はジイソシアネート化合物として、芳香族ジイソシアネートを、イソシアヌレート型ポリイソシアネートとして脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートおよび/または脂環式ジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートを含有する混合物を用いるのが好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物(a2)としては、脂肪族ジイソシアネート化合物を用いると溶解性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られ、且つ、電気特性が良好な硬化塗膜が得られることからより好ましい。
更に、ポリイソシアネート化合物(a2)は、前記以外のポリイソシアネート化合物、例えば、前記ジイソシアネート化合物や前記ジイソシアネートのビュレット体、アダクト体、アロハネート体、あるいはポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI)等と併用しても良い。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物(a2)は、溶剤溶解性が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られ、且つ、結晶性を崩す理由から2種以上のポリイソシアネート化合物を併用することが好ましい。加えて耐熱性に優れる硬化塗膜が得られることから上述のイソシアヌレート体を併用することが好ましい。イソシアヌレート体を併用する場合は、全ポリイソシアネート化合物(B)量の70重量%以下に設定することが樹脂の高分子量化やゲル化を防ぐ意味で好ましい。
前記酸無水物(a3)としては、例えば、1個の酸無水物基を有する酸無水物や2個の酸無水物基を有する酸無水物等が挙げられる。前記1個の酸無水物基を有する酸無水物としては、例えば、無水トリメリット酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸無水物等の芳香族トリカルボン酸無水物等が挙げられる。
前記2個の酸無水物基を有する酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2′,3,3′−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,3,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ブタンジオールビスアンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレンレングリコールビスアンヒドロトリメリテートやその他アルキレングリコールビスアンヒドロキシトリメリテートなどが挙げられる。
前記酸無水物(a3)のなかでもピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2′,3,3′−テトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが好ましい。
酸無水物(a3)としては、これらの1種又は2種以上を用いることが可能である。また、芳香族テトラカルボン酸二酸無水物に芳香族トリカルボン酸無水物や芳香族テトラカルボン酸一酸無水物を混合して使用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるポリイミド樹脂(A)は、2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)と酸無水物(a3)とを反応させ本発明のポリイミド樹脂の製造方法により得ることができる。
本発明で用いるポリイミド樹脂の製造方法ではポリイソシアネート化合物(a2)に対してポリフェノール化合物(a1)と酸無水物(a3)が反応する。末端をフェノール性水酸基として残存させる為にポリフェノール化合物(a1)中のフェノール性水酸基のモル数と酸無水物(a3)中の酸無水物基のモル数との合計モル数がポリイソシアネート化合物(a2)中のイソシアネート基のモル数より大きくなる条件で反応させることが好ましい。特に好ましい範囲として合成上の安定性や硬化物の各種性能の面で、〔{(a1)中のフェノール性水酸基のモル数+(a3)中の酸無水物基のモル数}/(a2)中のイソシアネート基のモル数〕が1から10の範囲であり、より好ましくは1.1から7の範囲である。またポリフェノール化合物(a1)の重量と酸無水物(a3)の重量との合計重量に対して(a1)、(a3)はおのおの5%以上、さらに10%以上存在していることがより好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂の製造方法は1段反応で製造を行っても、2段以上の反応工程を有する反応で製造を行っても良い。1段反応で製造を行う場合は、例えば、反応容器にポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)と酸無水物(a3)等の原料を仕込み、攪拌を行いながら昇温することで脱炭酸を生じながら反応が進行する。2段以上の反応工程を有する反応で製造を行う場合は、例えば、ポリイソシアネート化合物(a2)存在下に酸無水物(a3)を仕込んで反応中あるいは反応後に残存するイソシアネート基とポリフェノール化合物(a1)のフェノール性水酸基を反応させることで製造が可能である。また、ポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)とを仕込んで、反応中あるいは反応後、酸無水物(a3)を仕込むことにより反応を行うこともできる。
更にポリフェノール化合物(a1)存在下に酸無水物(a3)を仕込んで反応中あるいは反応後に残存するイソシアネート基と酸無水物(a3)を反応させても良い。
反応条件としては、50℃から250℃の範囲で行うことが可能であり、反応速度と副反応防止の面から70℃から180℃の温度で行うことが好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂の製造方法では前記2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)と酸無水物(a3)とを、(a1)、(a2)および(a3)の合計重量に対してそれぞれ5〜50重量%、20〜70重量%、20〜70重量%となるように用いて反応させるのが好ましい。
反応は、イソシアネート基がほぼ全て反応するまで行った方が得られるポリイミド樹脂の安定性が良好となることから好ましい。また、若干残存するイソシアネート基に対して、アルコールや、フェノール化合物を添加し反応させても良い。
本発明で用いるポリイミド樹脂の製造方法は、有機溶剤を使用することと均一な反応を進行できるため好ましい。ここで有機溶剤は、系中にあらかじめ存在させてから反応を行っても、途中で導入してもよい。また、この反応に際して適切な反応速度を維持するために系中の有機溶剤の割合は、反応系の80重量%以下であるが好ましく、10〜70重量%であることがより好ましい。かかる有機溶剤としては、原料成分としてイソシアネート基を含有する化合物を使用するため、水酸基やアミノ基等の活性プロトンを有しない非プロトン性極性有機溶剤が好ましい。
前記非プロトン性極性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトンなどの極性有機溶媒を使用することができる。また、溶解可能であれば、その他エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、石油系溶剤等を使用しても良い。また、各種溶剤を混合して使用しても良い。
かかるエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のポリプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;低分子のエチレン−プロピレン共重合体等の共重合ポリエーテルグリコールのジアルキルエーテル類;共重合ポリエーテルグリコールのモノアセテートモノアルキルエーテル類;共重合ポリエーテルグリコールのアルキルエステル類;共重合ポリエーテルグリコールのモノアルキルエステルモノアルキルエーテル類等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、石油系溶剤として、トルエン、キシレンやその他高沸点の芳香族溶剤等や、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族、脂環族溶剤を使用することも可能である。
本発明で用いるポリイミド樹脂(A)の重量平均分子量は溶剤溶解性が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られ、且つ、種々の物性に優れる硬化塗膜が得られることから800〜50,000が好ましく、1,000〜20,000がより好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(A)のフェノール性水酸基当量は、400〜10000が好ましい。
本発明で用いるエポキシ樹脂(B)は分子内に2個以上のエポキシ基を有していることが好ましい。こうしたエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型ノボラック等のノボラック型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンと各種フェノール類と反応させて得られる各種ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のエポキシ化物;2,2′,6,6′−テトラメチルビフェノールのエポキシ化物等のビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂やこれら芳香族系エポキシ樹脂の水素添加物;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキヒシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート等のごときヘテロ環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、芳香族系エポキシ樹脂が、硬化塗膜の機会物性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られることから好ましい。
前記ポリイミド樹脂(A)とエポキシ樹脂硬化剤(B)の配合量は、樹脂分の重量比として(A)/(B)が1/100から50/1の割合で使用することができ、さらに好ましくは、1/10から20/1である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、更に、前記ポリイミド樹脂(A)が有するフェノール性水酸基と反応する化合物を添加することができる。具体的には、例えば、前記エポキシ樹脂(A)以外のエポキシ化合物、イソシアネート化合物、シリケート、アルコキシシラン化合物等が挙げられる。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族系のイソシアネート化合物、脂肪族系のイソシアネート化合物および脂環族系のイソシアネート化合物等が使用できる。好ましくは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。また、ブロックイソシアネート化合物も使用可能である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに硬化物の機械強度や耐熱性を向上させる目的で、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物を配合することができる。
フェノール性水酸基を2個以上有する化合物としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジェン型フェノール樹脂、Xylol型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類など公知慣用のフェノール樹脂を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
フェノール樹脂は、耐熱性に優れる硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物が得られることからエポキシ樹脂(B)の1エポキシ当量に対しフェノール性水酸基が0−1.2当量の割合で配合することが望ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて熱可塑性樹脂を配合することができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリスルフィド、ポリスルフォン、ポリアセタール、ブチラール樹脂、NBR、フェノキシ樹脂、ポリブタジエン、各種エンジニアリング・プラスチック等、公知慣用のものを単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの熱可塑性樹脂は、樹脂組成物中のエポキシ樹脂が硬化した後、均一に分散するか、もしくは相分離するに拘らず、室温の状態では樹脂組成物中に均一に分散又は溶解するものが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、コーティング時のはじき防止や転写性の改善に寄与してコーティングの厚膜化に効果があり、また強靭性の付与、柔軟性の付与、硬化収縮の低減による基材のそり防止に効果がある。さらに加熱ラミネート時やレベリング時の溶融粘度を高くすることができ、成形後の樹脂染み出し量のコントロールに有効である。
熱可塑性樹脂は、加熱ラミネート時やレベリング時に塗膜の溶融粘度が高くすぎず、組成物の状態で分離を生じにくいことから全組成物の50重量%以下の割合で配合することが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに硬化物の密着性、機械的強度、線膨張係数などの特性を向上させる目的で、無機充填材を配合することができる。例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉などの公知慣用の無機充填材を単独で又は複数組み合わせて使用できる。そして、その配合比率は樹脂組成物の0−90重量%が適当である。また、ここで用いる無機充填材の粒径は、95%以上の粒子が3μm以下のものであることが望ましく、さらに好ましくは2μm以下のものであり、さらに球状のシリカが最適である。
ここで、これら無機充填材添加の効果について説明すると、無機充填材はデスミヤ時の表面の凹凸形成の助剤になっていることが明らかになっている。すなわち、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜をデスミヤ液で粗化したとき、樹脂だけでなくこれら無機充填材も同時に粗化され、導体めっき層に対するアンカー効果として作用する。これは、これら無機充填材粒子がデスミヤ処理により塗膜から脱落するためと考えられる。そこでこれら無機充填材の粒径が重要になり、3μm以上の粒径の粒子が多いと粗化のプロファイルに大きな穴があいた状態になり、めっきの未着の原因になったり、回路形成の妨げになったりするので好ましくない。また、成分の観点では誘電率の低いシリカが好ましく、形状では破砕タイプよりも球状タイプの方が塗膜から脱落し易かったり、粗化面の形状が安定しているためアンカー効果が大きく、よりピール強度が高くなるので好ましい。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、アゾ顔料、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック、キナクリドン系、黄鉛、ジンククロメート、モリブデート・オレンジの如きクロム酸塩;紺青の如きフェロシアン化物、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、酸化鉄;炭化クロムグリーンの如き金属酸化物、カドミウムイエロー、カドミウムレッド;硫化水銀の如き金属硫化物、セレン化物;硫酸鉛の如き硫酸塩;群青の如き珪酸塩;炭酸塩、コバルト・バイオレッド;マンガン紫の如き燐酸塩;アルミニウム粉、亜鉛末、真鍮粉、マグネシウム粉、鉄粉、銅粉、ニッケル粉の如き金属粉;カーボンブラック等の公知慣用の着色剤や、アスベスト、オルベン、ベントン、微粉シリカ等の公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消油剤及び/又はレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、チタネート系、アルミニウム系の公知慣用の添加剤類を配合することができる。
更に本発明の熱硬化性樹脂組成物にはフェノキシ樹脂、PPS樹脂、PPE樹脂、ポリアリレーン樹脂等のバインダー樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルコキシシラン系硬化剤、多塩基酸無水物、シアネート化合物等の硬化剤あるいは反応性化合物;メラミン、ジシアンジアミド、グアナミンやその誘導体、イミダゾール類、アミン類、水酸基を1個有するフェノール類、有機フォスフィン類、ホスホニュウム塩類、4級アンモニュウム塩類、光カチオン触媒等の硬化触媒や硬化促進剤;さらにフィラー、その他添加剤等添加することも可能である。
また、上記硬化促進剤として、ウレタン化触媒の併用が好ましい。かかるウレタン化触媒としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(以下DBU)やその有機塩化合物、トリエチレンジアミン、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等のジアルキル錫のアルキルエステル類、ビスマスのカルボキシレート等挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の調製法には、特に限定はないが各種成分を機械的に混合しても、熱溶融により混合しても、溶剤に希釈してから混合しても良い。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、有機系、無機−金属系のフィルム状基材やガラスクロス、ポリアラミドクロス等の織物基材に通常、キャスト法、含浸、塗装等目的の方法で塗工施行される。硬化温度は80〜300℃で、硬化時間は20分間〜5時間である。
本発明の多層プリント配線板の層間絶縁材用接着フィルムは、ベースフィルムを支持体として、所定の有機溶剤に溶解した樹脂ワニスを塗布後、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を乾燥させ、常温周形の樹脂組成物として製膜し、作製することができる。このとき、本接着フィルムの樹脂塗膜は、その半硬化状態において150℃のゲルタイムが20秒以上になるように調整したものが内層回路への樹脂の追随性があり、ボイドが発生しにくいことから好ましい。
支持ベースフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、さらにはシリコンフィルムなどが挙げられる。特に好ましいものは、つぶ等、欠損がなく、寸法精度に優れコスト的にも優れるポリエチレンテレフタレートである。支持ベースフィルムの厚さとしては、支持体としての強度があり、ラミネート時に熱伝導のむらが生じにくくラミネート不良を起こしにくいことから10−100μmが好ましい。なお、支持ベースフィルムには、マット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
有機溶剤としては、通常の溶剤、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本発明の接着フィルムには、残留有機溶剤(150℃に保持された乾燥機中にて30分乾燥した時の、乾燥前後の重量減少率で規定)が存在しても、ラミネート復や硬化後にボイドの発生等プリント基板としての特性が損なわれない範囲であれば問題が無い。一般的には10重量%以下である。
上記のようにして製膜された膜の厚さは、ラミネートされる内層回路基板の導体厚さ以上で、内層回路パターンの残銅率、板厚、スルホール径、表面ビアホール径、穴数と絶縁層厚さの設定値により異なるが、10―120μmの範囲であるのが一般的である。板厚が厚く、スルーホールの樹脂充填容積が大きい場合には、厚めの膜厚が必要になる。このようにして得られる常温固形の樹脂組成物からなる膜と支持ベースフィルムとからなる本発明の接着フィルムは、そのまま又は膜の他の面に保護フィルムをさらに積層し、ロール状に巻きとって貯蔵される。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン、ポリエチレンテレフクレート等のポリエステルなどが挙げられるが、コストの面ではポリオレフイン系が好ましく、中でもつぶや欠損の少ないポリプロピレンが特に好ましい。また、保護フィルムの厚さとしては5−50μmが一般的である。なお、保護フィルムにはマッド処理、エンボス加工の他、離型処理が施してあってもよい。
次に、本発明を実施例、比較例によりさらに具体的に説明する。以下において、部および%は特に断りのない限り、すべて重量基準である。
合成例1(ポリイミド樹脂の合成)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、DMAC(ジメチルアセトアミド)140gと、TMEG(エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート)98.4g(0.24モル)と、BPS(ビスフェノールS)40g(0.16モル)と、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)40g(0.16モル)とHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)26.9g(0.16モル)を仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温し、この温度で1時間かけて溶解、反応させ、更に2時間かけて120℃まで昇温した後、この温度で1時間反応させた。反応は炭酸ガスの発泡とともに進行し、系内は茶色の液体となった。 DMACにて樹脂固形分濃度を55%に調整し、25℃での粘度が100Pa・sのポリイミド樹脂(X−1)の溶液を得た。
得られたポリイミド樹脂(X−1)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1にイミド環の特性吸収が確認された。また炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、21.1g(0.48モル)であった。これよりTMEGの酸無水物基の全量0.48モルの全量がイミド結合に変換していて、残りのイソシアネート基は、BPSとウレタン結合にて樹脂に連結されている構造と結論される。
合成例2(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、DMAC 156.8gと、TMEG 65.6g(0.16モル)と、BP(ビフェノール)29.8g(0.16モル)と、MDI 40g(0.16モル)と、1,6−ヘキサンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート(以下、HDI−Nと略記する。イソシアネート基含有率23.5%、イソシアヌレート環含有トリイソシアネート含有率63.3%)21.4g(イソシアネート基として0.12モル)を仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して100℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応は発泡とともに進行し、系内はクリアな茶色の液体となった。25℃での粘度が15Pa・sのポリイミド樹脂(X−2)の溶液を得た。
得られたポリイミド樹脂(X−2)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1にイミド環の特性吸収、の特性吸収が確認された。また、1690cm−1と1460cm−1にイソシアヌレート環の特性吸収が確認された。
炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、12.3g(0.28モル)であった。これよりTMEGの酸無水物基の全量0.32モルの内、0.28モル(87.5%)がイミド結合に変換していて、さらにMDIとHDI−Nのイソシアネート基全量0.44モルの内、0.28モル(63.6%)がイミド結合に変換され、残りのイソシアネート基は、BPとウレタン結合にて樹脂に連結されている構造と結論される。
合成例3(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 184gと、TMEG 82.0g(0.2モル)と、BPF(ビフェノールF)40.4g(0.2モル)と、TDI(トリレンジイソシアネート) 34.8g(0.2モル)と、1,6−ヘキサンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート(以下、HDI−Nと略記する。イソシアネート基含有率23.5%、イソシアヌレート環含有トリイソシアネート含有率63.3%)26.8g(イソシアネート基として0.15モル)を仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して120℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応は発泡とともに進行し、系内はクリアな茶色の液体となった。 25℃での粘度が7Pa・sのポリイミド樹脂(X−3)の溶液を得た。
得られたポリイミド樹脂(X−3)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1にイミド環の特性吸収、の特性吸収が確認された。また、1690cm−1と1460cm−1にイソシアヌレート環の特性吸収が確認された。
炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、15.4g(0.35モル)であった。 これよりTMEGの酸無水物基の全量0.4モルの内、0.35モル(87.5%)がイミド結合に変換していて、さらにTDIとHDI−Nのイソシアネート基全量0.44モルの内、0.55モル(63.6%)がイミド結合に変換され、残りのイソシアネート基は、BPFとウレタン結合にて樹脂に連結されている構造と結論される。
合成例4(比較対照用ポリイミド樹脂の合成)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けた20リットルのフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート4951gと、IPDI−N2760g(イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物、NCO含有率18.26%、イソシアネート基として12モル)と、ポリテールHA〔三菱化学(株)製の両末端に水酸基を有する水素添加液状ポリブタジエン、数平均分子量2,100、水酸基価51.2mgKOH/g〕2191g(水酸基として2モル)を仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温した後、3時間反応を行った。次いで、さらにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1536gとトリメリット酸無水物1536g(8モル)を仕込み、160℃まで昇温した後、4時間反応させた。反応は発泡とともに進行した。系内は薄茶色のクリアな液体となり、ポリイミド樹脂(X′−1)の溶液を得た。
得られたポリイミド樹脂(X′−1)の溶液を用いた以外は合成例1と同様にして赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1にイミド環の吸収、1690cm−1と1460cm−1にイソシアヌレート環の特性吸収、1550cm−1にウレタン結合の特性吸収が確認された。また、ポリイミド樹脂の酸価は79(樹脂固形分換算)で、イソシアヌレート環の濃度は0.66mmol/g(樹脂固形分換算)であった。
実施例1〜4び比較例1〜3
第1表及び第2表に示す配合にて熱硬化性樹脂組成物1〜4及び比較対照用熱硬化性樹脂組成物1及び2を調製した。表中の数値はいずれも固形換算分での配合量(重量部)を表す。得られた樹脂組成物のチキソトロビックインデックス(TI倍)は、すべて1.2〜2.0の範囲内であった。
Figure 0004872125
Figure 0004872125
実施例5〜8及び比較例4〜6
前記実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた熱硬化性樹脂組成物をそれぞれ、ロールコーターを用いて、フィルムの膜厚が50μmになるようにPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラー38R75:38μm)に塗布し、40〜120℃で乾燥して接着フィルムを得た。このとき150℃におけるゲル化タイムはすべてのサンプルにおいて20秒から120秒の範囲内であった。
試験例1
前記実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた熱硬化性樹脂組成物をそれぞれ、銅箔(35μm)にスクリーン印刷し、110℃で30分乾燥し、次いで150℃×30分さらに170℃×30分の条件で最終硬化させた。この試料の銅箔をエッチングし、それぞれの硬化皮膜として物性を測定した。結果を第3表に示す。
Figure 0004872125
上記第3表中の各物性は、以下のようにして測定・評価した。
(a)ガラス転移温度Tg(℃):
TMA(熱機械分析)により測定した。
(b)CTEα1(Tg以下の線膨張係数、ppm/℃):
TMAにより測定した。
(c)誘電率Dk及び誘電正接Df:
JIS K6911に従って測定した。
(d)吸水率
硬化皮膜を23℃±2℃に管理された蒸留水に浸漬し、24時間後の重量変化より求めた。
試験例2
前記実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた熱硬化性樹脂組成物をそれぞれ、1000μmの溝ピッチを有するウレタンゴム製ロールを備えた垂直吊り上げ式ロールコーター(ファーネス社製)を用いて、銅箔18μm厚のガラスエポキシ両面銅張積層板から内層回路を形成し、さらにエッチボンド(メック社製)処理した基板の両面に同時に塗布し、次いで110℃で乾燥し、絶縁層となる乾燥塗膜を形成した。
次に、前述したプリント配線板の製造方法の第一の形態に従い、乾燥後の基板を150℃で30分間熱風循環式乾燥炉にて最終硬化させ、COレーザー(三菱電機社製)を用いて穴加工を行なった。次いで、汎用公知の薬品を用いてデスミヤ処理、無電解銅めっき、電解銅めっきを施し、パネルめっき法にて回路形成してプリント配線板を得た。得られたプリント配線板は水分の除去や銅めっきのアニールの目的で170℃で30分熱処理した。
このようにして作製したプリント配線板について、特性を評価した。結果を表4に示す。また、上記第4表中の各物性は、以下のようにして測定・評価した。
(e)ピール強度:
JIS C6481に従って測定した。
(f)はんだ耐熱性:
288℃±3℃のはんだ層に、完成したプリント配線板(10cm×lOcm)を10秒間浸漬する。この操作を5回線り返した後、銅箔と樹脂の剥がれを確認した。なお、表4中の符号の意味は以下のとおりである。
OK:剥がれ無し。
NG:剥がれ有り。
(g)パターン形成性:
ラインアンドスペース75μm/75μmの回路の剥がれを目視で検査した。なお、表4中の符号の意味は以下のとおりである。
OK:剥がれ無し。
NG:剥がれ有り。
(h)難燃性:
0.4mmの厚さのFR−4基材に硬化塗膜で80μmになるように両面に絶縁層を形成し、UL−94に従い試験を行なった。なお、表4中の符号の意味は以下のとおりである。
NG:サンプル片の炎がクランプまで達し、ULー94のV0不適合である。
Figure 0004872125
試験例3
前記試験例1の基板作成において、ポストキュアー後に#320相当と#600相当のパフ研磨を2回繰り返した以外は同様に作成した基板の第3表及び第4表に示した、物性、特性を評価した。結果は第3表、第4表に示した結果とほぼ同様で、さらに内層回路の凹凸に伴う基板表面の凹凸が減少していることが確認された。
試験例4
前記試験例2の基板作成において、パネルめっき法をセミアディティブ法に変更して作成した以外は同様に作成した基板の第4表に示した特性を評価した。結果は第4表に示した結果とほぼ同様でさらにライン/スペース=25μm/25μmの回路が形成でき、剥がれが生じていなかった。
試験例5
次に、前述したプリント配線板の製造方法の第二の形態に従い、前記実施例1〜4及び比較例1〜3の熱硬化性樹脂組成物の乾燥塗膜を形成した基板の両面に18μm厚の銅箔(ジャパンエナジー社製)を重ね、真空ラミネ一夕ー(MEIKl社製、MVLP−500)を用い、5kgf/cm、150℃、1分、1Torrの条件にて加熱ラミネートし、次いで熱板プレス機で10kgf/cm、150℃、1分の条件にてレベリングした後、熱風循環式乾燥機で170℃×30分の条件にて硬化させ、積層板を作製した。
さらに、この積層板の所定のスルーホール部はドリルで穴をあけ、レーザービア部は、まず、穴位置をエッチングレジストを用いて選択的に銅箔を除去してガイドを設け、レーザー加工機により穴明けを行なった。次に、スルーホール部とレーザービア部のスミヤをデスミヤ処理で除去した後、無電解銅めっき及び電解銅めっきにより穴を導通させ、市販のエッチングレジストを介したエッチングによりパターン形成し、多層プリント配線板を作製した。このようにして作製した多層プリント配線板について、前記と同様にピール強度、はんだ耐熱性、パターン形成性、難燃性の各特性を評価した。得られた結果を下記表5に示す。
Figure 0004872125
試験例6
前記実施例5〜8及び比較例4〜6で作製した接着フィルムを、35μmの銅箔に真空ラミネ一夕ー(MEIKl社製、MVLP−500)を用いて5kgf/cm、140℃、1分、1Torrの条件にて加熱ラミネートし、次いで熱板プレス機で10kgf/cm、150℃、1分の条件にてレベリングした後、PETフィルムを剥離して熱風循環式乾燥機で150℃×60分さらに170℃×30分の条件で硬化させた。そして、得られたサンプルの銅箔を市販のエッチング液でエッチングし、前記試験例1と同様にして物性の評価を行なった。結果を表6に示す。
Figure 0004872125
試験例7
次に、前述したプリント配線板の製造方法の第一の形態に従い、前記実施例5〜8及び比較例4〜6で作製した接着フィルムを、銅箔18μm厚のガラスエポキシ両面銅張積層板から内層回路を形成し、さらにエッチボンド(メック社製)処理した基板の両面に、真空ラミネ一夕ー(MEIKI社製、MVLP−500)を用い、5kgf/cm、140℃、1分、1Torrの条件にて加熱ラミネートし、次いで熱板プレス機で10kgf/cm、150℃、1分の条件にてレベリングした後、熱風循頻式乾燥機で150℃×60分の条件にて硬化させ、積層板を作製した。
さらに、この積層板の所定のスルーホール部、ビアホール部等にドリルとレーザーにより穴明けを行ない、次いで汎用公知の薬品を用いてデスミヤ処理と表面の凹凸形成を行なった。次に、無電解銅めっき及び電解銅めっきにより全面と穴部を導通させた後、水分の除去や銅めっきのアニールの目的で、170℃で30分熱処理した後、市販のエッチングレジストを介したエッチングによりパターンを形成し、多層プリント配線板を作製した。
このようにして作製した多層プリント配線板について、前記試験例2と同様にして第7表に示す物性及び特性について試験・評価した。結果を表7に示す。
Figure 0004872125
試験例8
前記実施例5〜8の基板作製においてパネルめっき法をセミアディティブ法に変更して作製した基板の特性はほぼ上記と同等で、さらにライン/スペース=25μm/25μmの回路が形成でき、剥がれが生じていなかった。
試験例9
次に、前述したプリント配擦板の製造方法の第一の形態に従い、前記実施例5〜8及び比較例4〜6で作製した接着フィルムをラミネートした積層板の支持フィルムを剥離し、18μm厚の銅箔(ジャパンエナジー社製JTC−AM)を重ね、真空ラミネ一夕ー(MEIKI社製、MVLP−500)を用い、5kgf/cm、150℃、1分、1Torrの条件にて加熱ラミネートし、次いで熱板プレス機で10kgf/cm、150℃、1分の条件にてレベリングした後、熱風循衆式乾燥機で170℃×30分の条件にて硬化させ、積層板を作製した。
さらに、この積層板の所定のスルーホール部はドリルで穴をあけ、レーザービア部は、まず穴位置をエッチングレジストを用いて選択的に銅箔を除去してガイドを設け、レーザー加工機により穴明けを行なった。次に、スルーホール部とレーザービア部のスミヤをデスミヤ処理して除去した後、無電解銅めっき及び電解銅めっきにより穴部を導通させ、市版のエッチングレジストを介したエッチングによりパターンを形成し、多層プリント配線板を作製した。このようにして作製した多層プリント配線廟について、前記と同様にピール強度、はんだ耐熱性、パターン形成性、難燃性の各特性を評価した。得られた結果を下記第8表に示す。
Figure 0004872125

Claims (16)

  1. 回路が形成された内層回路基板に対して塗膜形成工程、穴明け工程、及び導体層形成工程を少なくとも経て多層プリント配線板を製造する方法における上記塗膜形成工程に用いる熱硬化性樹脂組成物であり、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0004872125
    Figure 0004872125
    (式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
  2. 前記ポリイミド樹脂(A)が、下記一般式(7)で表される構造単位および/または一般式(8)で表される構造を含有するポリイミド樹脂である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0004872125
    Figure 0004872125
    (式中Rはテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた残基構造を示し、Rはトリカルボン酸無水物から酸無水物基とカルボキシル基を除いた残基構造を示す。
  3. 前記一般式(1)及び/または一般式(2)中のXが一般式(3)で表される構造である請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0004872125
    (式中Rは、単結合あるいは2価の連結基であり、Rは水素または炭素原子数1から5のアルキル基を示す。)
  4. 前記ポリイミド樹脂(A)が下記構造にて分岐しているポリイミド樹脂である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0004872125
    (式中Rはジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基構造を示す。)
  5. 前記エポキシ樹脂(B)が芳香族系エポキシ樹脂である請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 硬化触媒を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 更に、ウレタン化触媒を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 支持体ベースフイルム上に、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物を含む膜が半硬化状態で形成されていることを特徴とする熱硬化性接着フイルム。
    Figure 0004872125
    Figure 0004872125
    (式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
  9. 前記ポリイミド樹脂(A)が、下記一般式(7)で表される構造単位および/または一般式(8)で表される構造を含有するポリイミド樹脂である請求項8記載の熱硬化性接着フイルム。
    Figure 0004872125
    Figure 0004872125
    (式中Rはテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた残基構造を示し、Rはトリカルボン酸無水物から酸無水物基とカルボキシル基を除いた残基構造を示す。
  10. 前記一般式(1)及び/または一般式(2)中のXが一般式(3)で表される構造である請求項8記載の熱硬化性接着フイルム。
    Figure 0004872125
    (式中Rは、単結合あるいは2価の連結基であり、Rは水素または炭素原子数1から5のアルキル基を示す。)
  11. 前記ポリイミド樹脂(A)が下記構造にて分岐しているポリイミド樹脂である請求項8記載の熱硬化性接着フイルム。
    Figure 0004872125
    (式中Rはジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基構造を示す。)
  12. 前記エポキシ樹脂(B)が芳香族系エポキシ樹脂である請求項8〜11のいずれか1項記載の熱硬化性接着フイルム。
  13. 硬化触媒を含有する請求項8〜12のいずれか1項記載の熱硬化性接着フイルム。
  14. 更に、ウレタン化触媒を含有する請求項8〜12のいずれか1項記載の熱硬化性接着フイルム。
  15. 請求項1〜のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて層間絶縁樹脂層が形成されていることを特徴とする多層プリント基板。
  16. 請求項〜14のいずれか1項記載の熱硬化性接着フイルムを用いて層間絶縁樹脂層が形成されていることを特徴とする多層プリント基板。
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