JP4872075B2 - Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の作製方法 - Google Patents

Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4872075B2
JP4872075B2 JP2005245580A JP2005245580A JP4872075B2 JP 4872075 B2 JP4872075 B2 JP 4872075B2 JP 2005245580 A JP2005245580 A JP 2005245580A JP 2005245580 A JP2005245580 A JP 2005245580A JP 4872075 B2 JP4872075 B2 JP 4872075B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group iii
reaction zone
heating means
reaction
iii nitride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005245580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007059772A (ja
Inventor
和政 平松
秀人 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mie University NUC
Original Assignee
Mie University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mie University NUC filed Critical Mie University NUC
Priority to JP2005245580A priority Critical patent/JP4872075B2/ja
Publication of JP2007059772A publication Critical patent/JP2007059772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4872075B2 publication Critical patent/JP4872075B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、III族窒化物結晶の作製装置、特にAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製に好適な装置に関する。
III族元素としてAl元素を主に含むAlN系III族窒化物結晶の厚膜作製方法として、III族元素の固体源とハロゲン化水素との反応により生成させたIII族元素のハロゲン化物気体を、NH3などの窒素元素を含む気体と反応させ、その反応生成物としてのIII族窒化物を所定の種結晶上に析出させる、という方法、いわゆるHVPE法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、HVPE法を用いる場合に、具体的には上記の気相反応に先立ち当該反応に用いるための気体化合物としてAlClやAlBrなどの一ハロゲン化物を生成すると、当該反応の反応容器の材料として一般的に用いられる石英と反応し、該反応容器を破損してしまう、という問題を解決すべく、反応の際の加熱温度を700℃以下とすることで一ハロゲン化物に代わり三ハロゲン化物を生成させ、これをIII族窒化物の生成に用いる、という態様が開示されている。
特開2003−303774号公報
HVPE法を用いてAlN系のIII族窒化物結晶の厚膜成長を行う場合、形成されるIII族窒化物結晶の結晶品質を確保するためには、種結晶を1100℃以上、より好ましくは1200℃以上の高温に加熱することが必要となる。
しかしながら、HVPE法の反応管として通常使用される石英管を用い、係る石英管の外周から抵抗加熱などにより内部の種結晶を加熱するという態様では、特に1200℃以上の加熱は、石英管の劣化を引き起こし、その使用寿命を維持することが難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、HVPE法により結晶品質のよいAlN厚膜を形成することができ、かつ長寿命化を図られたAlN系III族窒化物結晶の作製装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、Al元素を含むIII族窒化物結晶を作製する装置であって、第1の加熱手段によって加熱され、固体Alを含むIII族元素固体と所定の供給源から与えられるハロゲン化水素とを反応させてIII族元素のハロゲン化物を生成させるための第1反応ゾーンと、前記第1反応ゾーンと空間的に連通してなり、前記ハロゲン化物と所定の供給源から与えられる窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させ、さらに前記III族窒化物を所定の種結晶上に析出させるための第2反応ゾーンと、を備え、前記第1の加熱手段は前記第1反応ゾーン全体を周囲から加熱する所定の加熱手段であり、前記第2反応ゾーンは、赤外加熱手段である第2の加熱手段から放射される赤外線を前記種結晶の位置で集光させることによって前記種結晶を優先的に加熱するように構成されてなる、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1に記載の作製装置であって、前記第2反応ゾーンと空間的に連通してなるとともに、所定の加熱手段である第3の加熱手段によって全体を周囲から加熱され、前記第2反応ゾーンにおける未反応物を熱分解させるための第3反応ゾーンをさらに備え、前記第3反応ゾーンの加熱温度が前記第1反応ゾーンの加熱温度よりも高い、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項に記載の作製装置であって、前記第1ないし第3の反応ゾーンが一の管状体を用いて連接的に構成されてなる、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、Al元素を含むIII族窒化物結晶を作製する装置であって、第1の加熱手段によって加熱され、固体Alを含むIII族元素固体と所定の供給源から与えられるハロゲン化水素とを反応させてIII族元素のハロゲン化物を生成させるための第1反応ゾーンと、前記ハロゲン化物と所定の供給源から与えられる窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させ、さらに前記III族窒化物を第2の加熱手段によって加熱されてなる所定の種結晶上に析出させるための第2反応ゾーンと、第3の加熱手段によって加熱され、前記第2反応ゾーンにおける未反応物を熱分解させるための第3反応ゾーンとが、一の管状体を用いて順に構成されてなり、前記第1および第3の加熱手段は、前記第1および第3反応ゾーン全体をそれぞれ周囲から加熱する所定の加熱手段であり、前記第2の加熱手段は、放射される赤外線を前記種結晶の位置で集光させることによって前記種結晶を優先的に加熱する赤外加熱手段であり、前記第3反応ゾーンの加熱温度が前記第1反応ゾーンの加熱温度よりも高い、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、Al元素を含むIII族窒化物結晶を作製する方法であって、第1の加熱手段によって加熱しつつ、第1反応ゾーンにおいて、固体Alを含むIII族元素固体と所定の供給源から与えられるハロゲン化水素とを反応させてIII族元素のハロゲン化物を生成させる第1反応工程と、第2反応ゾーンにおいて、前記ハロゲン化物と所定の供給源から与えられる窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させる第2反応工程と、前記第2反応ゾーンにおいて前記III族窒化物を所定の種結晶上に析出させる析出工程と、を備え、前記所定の第1の加熱手段は前記第1反応ゾーン全体を周囲から加熱する所定の加熱手段であり、前記第2反応工程においては、赤外加熱手段である第2の加熱手段から放射される赤外線を前記種結晶の位置で集光させることによって前記種結晶を優先的に加熱する、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項に記載の作製方法であって、所定の加熱手段である第3の加熱手段によって全体を周囲から加熱しつつ、第3反応ゾーンにおいて前記第2反応ゾーンにおける未反応物を熱分解させる分解工程をさらに備え、前記第3反応ゾーンの加熱温度が前記第1反応ゾーンの加熱温度よりも高い、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項に記載の作製方法であって、前記第1ないし第3の反応工程を一の管状体を用いて連接的に構成されてなる前記第1ないし第3反応ゾーンにおいて行う、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、Al元素を含むIII族窒化物結晶を作製する方法であって、第1の加熱手段によって加熱しつつ、第1反応ゾーンにおいて固体Alを含むIII族元素固体と所定の供給源から与えられるハロゲン化水素とを反応させてIII族元素のハロゲン化物を生成させる第1反応工程と、第2反応ゾーンにおいて、前記ハロゲン化物と所定の供給源から与えられる窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させる第2反応工程と、前記III族窒化物を第2の加熱手段によって加熱した所定の種結晶上に析出させる析出工程と、第3の加熱手段によって加熱しつつ、第3反応ゾーンにおいて、前記第2反応ゾーンにおける未反応物を熱分解させる分解工程とを、前記第1ないし第3反応ゾーンが一の管状体を用いて順に構成されてなる作製装置を用いて行い、前記第1および第3の加熱手段は、前記第1および第3反応ゾーン全体をそれぞれ周囲から加熱する所定の加熱手段であり、前記第2の加熱手段は、放射される赤外線を前記種結晶の位置で集光させることによって前記種結晶を優先的に加熱する赤外加熱手段であり、前記第3反応ゾーンの加熱温度が前記第1反応ゾーンの加熱温度よりも高い、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項の発明によれば、Alを含むIII族窒化物結晶の作製を、III族元素のハロゲン化物と窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させ、さらにこれを種結晶上へ析出させエピタキシャル成長させることによって行う場合に、ハロゲン化物の生成は反応管全体を加熱する第1反応ゾーンによって行う一方で、必要となる種結晶の加熱は第2反応ゾーンにおいて局所的加熱手段である赤外加熱手段によって赤外線を種結晶の位置で集光させることで行うようにしている。これにより、加熱が必要な種結晶のみを、選択的かつ優先的に加熱することができる。よって、種結晶を載置する第2反応ゾーンにおいては反応管が直接的に加熱されることがないので、例えば反応管として石英管を用い、種結晶を1200℃以上に加熱したとしても、第2反応ゾーンにおいて該石英管が1200℃以上加熱されて破損が生じることがない。従って、結晶品質のよいAlN系III族窒化物結晶の形成と、当該結晶の作製装置の長寿命化との両立が実現される。

<装置構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る、III族窒化物結晶の作製装置10の構造を概略的に示す断面模式図である。作製装置10は、III族元素のハロゲン化物と窒素を含む物質との気相反応によってIII族窒化物を生成し、これを基板上に析出させることで所望のIII族窒化物結晶を得ることができる、HVPE法によるIII族窒化物結晶の作製装置である。
作製装置10は、主として、反応管1と、供給管2と、抵抗加熱手段3(3a、3b)と、赤外加熱手段4と、HClガス供給源5と、NH3ガス供給源6と、排気手段7とから構成される。
反応管1は管状の部材であり、後述する加熱温度域で安定な物質により形成される。コスト面や加工の容易さの点からは、石英を用いるのが現実的である。なお、本実施の形態においては、その構成および機能上の特徴に基づいて、反応管1の内部を図1において左側より順に、第1反応ゾーンZ1、第2反応ゾーンZ2、および第3反応ゾーンZ3と称することとする。概略的にいえば、第1反応ゾーンZ1は、III族元素の固体源とハロゲン化水素との反応によりIII族元素のハロゲン化物を生成させるゾーンである。第2反応ゾーンZ2はハロゲン化物と窒素元素含有気体との気相反応によってIII族窒化物を生成させるとともにこれを種結晶上に析出させるゾーンである。そして、第3反応ゾーンZ3は、第2反応ゾーンZ2における未反応物についての熱分解反応を行うゾーンである。
第1反応ゾーンZ1には、固体源8を載置することが出来るようになっている。例えば、固体源8は、例えば、単体の固体Alや、固体Alと固体Gaや固体Inなどとの混合物である。図1においては、固体源8を載置した状態を示している。あるいは、複数の元素の固体源を独立に多段に載置出来る構成となっていてもよい。
また、第1反応ゾーンZ1側の端部には、供給管2が挿入されてなる。供給管2は、その一方端が開放された状態で反応管1に挿入されてなる、筒状の部材である。供給管2も、後述する加熱温度域で安定な物質により形成すればよいが、コスト面や加工の容易さの点からは、やはり石英を用いるのが現実的である。なお、反応管1と供給管2とは空間的に連通されていることが必要ではあるが、必ずしも図1に示すような態様にて構成されていなくともよい。また、供給管2の他方端には、HClガス供給源5が接続されてなる。なお、第1の反応ゾーンZ1に高純度の例えばAlCl3のようなIII族窒化物の塩化物の固体や前記固体を溶かし込んだ溶液を載置し、昇華あるいは蒸発することによりAlCl3ガスを供給する方法を採用することもできるが、この場合は、必ずしもHClガスを供給する必要はなく、キャリアガスのみを供給することも可能である。
さらに、第1反応ゾーンZ1側の端部には、NH3ガス供給源6の接続もされてなる。
第2反応ゾーンZ2には、III族窒化物を析出させるための種結晶9を載置出来るようになっている。図1においては、種結晶9を載置した状態を示している。
種結晶9としては、例えばサファイアなどの所定の単結晶基板を用いることが出来るほか、所定の基材にAlN系III族窒化物結晶をエピタキシャル成長させたいわゆるエピタキシャル基板の状態のものを用いる態様であってもよい。なお、AlN系III族窒化物結晶を、やはりAlN系III族窒化物をエピタキシャル成長させてなるエピタキシャル基板上に形成する場合は、前者のIII族窒化物におけるAlの存在比率が、後者のIII族窒化物におけるAlの存在比率以下であることが、作製装置10において良好なIII族窒化物結晶を作製すると言う観点からは望ましい。これを満たさない場合、作製されるIII族窒化物結晶にクラックが生じる可能性があるからである。
抵抗加熱手段3は、反応管1の周囲を取り囲むように設けられてなる。抵抗加熱手段3aは第1反応ゾーンZ1の加熱を担い、抵抗加熱手段3bは第3反応ゾーンZ3の加熱を担うように設けられてなる。抵抗加熱手段3a、3bはいずれも、図示しない通電手段による通電によって発熱するヒーターである。第1反応ゾーンZ1および第3反応ゾーンZ3は、抵抗加熱手段3により、最高1000℃にまで加熱される。
赤外加熱手段4は、反応管1の外側であって図1においては種結晶9の下方に設けられてなる。赤外加熱手段4は、内部に備わる図示しない赤外線ランプが点灯することにより放射される赤外線が、種結晶9の位置で集光されるように構成されてなる。このような赤外加熱手段4によれば、集光位置にある種結晶9は赤外線によって直接に加熱されるものの、種結晶9と赤外加熱手段4の間に介在する反応管1の部分は、集光位置にないことから、該赤外線によって直接に加熱されることはない。すなわち、赤外加熱手段4は、種結晶9のみを選択的かつ優先的に加熱することができる、局所的加熱手段であるといえる。係る赤外加熱手段4は、公知の技術を用いて実現可能である。
赤外加熱手段4により、種結晶9は最高1500℃にまで加熱される。従って、赤外加熱手段4によって種結晶9を1200℃以上に加熱したとしても、反応管1の第2反応ゾーンZ2の部分の温度上昇は、せいぜい1100℃程度に抑制される。従って、反応管1として石英管を用いる場合であっても、種結晶9を1200℃以上に加熱することによって直ちに該石英管が破損することはない。すなわち、反応管1の長寿命化が実現されてなる。
HClガス供給源5は、反応管1の内部に対して、HClガスをキャリアガスともども供給するために備わる。なお、HClガスは、ハロゲン化水素ガスの一態様として例示するものである。また、NH3ガス供給源6は、供給管2の内部に対して、NH3ガスをキャリアガスともども供給するために備わる。キャリアガスとしては、例えばH2を用いることが出来る。これらの供給源の具体的構成は、公知の技術を用いて実現可能である。
さらに、第3反応ゾーンZ3の端部には、排気手段7が接続されてなる。排気手段7は、反応管1の内部を排気する処理を担う。排気手段7は、公知の技術によって実現される。
<III族窒化物結晶の作製>
次に、図1に例示する作製装置10を用いたIII族窒化物結晶の作製について説明する。ここでは、III族窒化物結晶としてAlN結晶を生成する場合を例に説明する。
まず、反応管1の第1反応ゾーンZ1の所定位置に、固体源8として固体Alを載置する。また、第2反応ゾーンZ2の所定位置には、種結晶9として、サファイア単結晶基板にAlNをエピタキシャル成長させたエピタキシャル基板を載置する。
このような状態で、抵抗加熱手段3によって第1反応ゾーンZ1を500℃に、第3反応ゾーンZ3を1000℃にそれぞれ加熱する。また、赤外加熱手段4によって種結晶を1200℃に加熱する。
第1反応ゾーンZ1および第2反応ゾーンZ2が、固体源8と種結晶9とを含めそれぞれの温度に達すれば、HClガス供給源5からHClガスを矢印AR1のようにキャリアガスとしてのH2ガスともども供給するとともに、NH3ガス供給源6からは、NH3ガスを矢印AR3のようにキャリアガスとしてのH2ガスともども供給する。それぞれの供給源から供給されるガスの濃度(キャリアガスとの混合比率=反応性ガス:キャリアガス)は、1:10と1:150であり、合計流量はそれぞれ、20sccmと3000sccmである。
こうした温度およびガス雰囲気のもと、反応管の内部では、供給されたHClガスと固体源8として与えられている固体Alとの反応が生じて、ハロゲン化物であるAlClxが生成する。なお第1反応ゾーンZ1の温度は500℃であるので、AlClxとしては主に三塩化物であるAlCl3が生成する。
生成したAlClxガスは、キャリアガスであるH2ガスの流れに従って、矢印AR2にて示すように第2反応ゾーンZ2へと送られることになる。
このとき、第2反応ゾーンZ2に対しては、供給管2によって矢印AR3にて示すようにNH3ガスが供給されているので、第2反応ゾーンZ2に達したAlClxガスは、図1において破線で示す領域REのあたりで、NH3ガスと反応することになる。すなわち、気体としてのAlNが生成されることになる。矢印AR4がAlNガスを示している。
そして、このように気体として生成したAlNが、反応管1の内部に載置され、赤外加熱手段4によって1200℃に加熱されている種結晶9の上において逐次に析出して、エピタキシャル成長することで、AlN結晶が得られることになる。
なお、第2反応ゾーンZ2においては、直接に加熱されているのは種結晶9のみであるので、上記したAlNの生成反応に寄与しなかった未反応のAlClxガスやNH3ガス、あるいは種結晶9上析出しなかったAlNなどが存在しうる。これらの残存物は、キャリアガスの流れによって、第2反応ゾーンZ2から第3反応ゾーンZ3へと輸送される。そして、1000℃に加熱されてなる第3反応ゾーンZ3において適宜に加熱を受けて適宜に分解されたうえで、排気手段7によって排気されることになる。このような第3反応ゾーンZ3を設けておくことで、第2反応ゾーンZ2における種結晶9の加熱を局所的加熱手段によって行ったとしても、未反応物の残存に起因した特段の問題が生じることはない。
なお、ここまでの説明は、AlN結晶の生成を対象としているが、さらに他のIII族元素を含む結晶作製も、使用する固体源を作製対象となるIII族窒化物の組成に併せて選択することにより、同様の手法で実現できる。また、HClの代わりに他のハロゲン化水素を用いて反応管1の内部でハロゲン化物を生成する態様であってもよい。
以上、説明したように、本実施の形態に係る作製装置10においては、HVPE法によりIII族窒化物結晶を作製する際、III族窒化物結晶を析出させる種結晶の加熱を、赤外線を集光させることにより加熱する赤外加熱手段によって行うことにより、種結晶のみを選択的かつ優先的に加熱することができるようになっている。これにより、反応管として石英管を用い、種結晶を1200℃以上に加熱したとしても、第2反応ゾーンZ2において石英管が1200℃以上の加熱されて破損が生じることがない。よって、結晶品質のよいIII族窒化物結晶厚膜の形成と、作製装置の長寿命化との両立が実現される。
<変形例>
上述の実施の形態においては、赤外加熱手段によって種結晶を局所的に加熱する態様を示しているが、これに代わり、RF加熱やランプ加熱などによる局所的加熱を行うようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係る、III族窒化物結晶の作製装置10の構造を概略的に示す断面模式図である。
符号の説明
1 反応管
2 供給管
3(3a、3b) 抵抗加熱手段
4 赤外加熱手段
5 HClガス供給源
6 NH3ガス供給源
7 排気手段
8 固体源
9 種結晶
10 作製装置
RE (III族窒化物が反応生成する)領域

Claims (8)

  1. Al元素を含むIII族窒化物結晶を作製する装置であって、
    第1の加熱手段によって加熱され、固体Alを含むIII族元素固体と所定の供給源から与えられるハロゲン化水素とを反応させてIII族元素のハロゲン化物を生成させるための第1反応ゾーンと、
    前記第1反応ゾーンと空間的に連通してなり、前記ハロゲン化物と所定の供給源から与えられる窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させ、さらに前記III族窒化物を所定の種結晶上に析出させるための第2反応ゾーンと、
    を備え、
    前記第1の加熱手段は前記第1反応ゾーン全体を周囲から加熱する所定の加熱手段であり、
    前記第2反応ゾーンは、赤外加熱手段である第2の加熱手段から放射される赤外線を前記種結晶の位置で集光させることによって前記種結晶を優先的に加熱するように構成されてなる、
    ことを特徴とするAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製装置。
  2. 請求項1に記載の作製装置であって、
    前記第2反応ゾーンと空間的に連通してなるとともに、所定の加熱手段である第3の加熱手段によって全体を周囲から加熱され、前記第2反応ゾーンにおける未反応物を熱分解させるための第3反応ゾーンをさらに備え、
    前記第3反応ゾーンの加熱温度が前記第1反応ゾーンの加熱温度よりも高い、
    ことを特徴とするAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製装置。
  3. 請求項2に記載の作製装置であって、
    前記第1ないし第3の反応ゾーンが一の管状体を用いて連接的に構成されてなる、
    ことを特徴とするAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製装置。
  4. Al元素を含むIII族窒化物結晶を作製する装置であって、
    第1の加熱手段によって加熱され、固体Alを含むIII族元素固体と所定の供給源から与えられるハロゲン化水素とを反応させてIII族元素のハロゲン化物を生成させるための第1反応ゾーンと、
    前記ハロゲン化物と所定の供給源から与えられる窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させ、さらに前記III族窒化物を第2の加熱手段によって加熱されてなる所定の種結晶上に析出させるための第2反応ゾーンと、
    第3の加熱手段によって加熱され、前記第2反応ゾーンにおける未反応物を熱分解させるための第3反応ゾーンと、
    が、一の管状体を用いて順に構成されてなり、
    前記第1および第3の加熱手段は、前記第1および第3反応ゾーン全体をそれぞれ周囲から加熱する所定の加熱手段であり、
    前記第2の加熱手段は、放射される赤外線を前記種結晶の位置で集光させることによって前記種結晶を優先的に加熱する赤外加熱手段であり、
    前記第3反応ゾーンの加熱温度が前記第1反応ゾーンの加熱温度よりも高い、
    ことを特徴とするAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製装置。
  5. Al元素を含むIII族窒化物結晶を作製する方法であって、
    第1の加熱手段によって加熱しつつ、第1反応ゾーンにおいて、固体Alを含むIII族元素固体と所定の供給源から与えられるハロゲン化水素とを反応させてIII族元素のハロゲン化物を生成させるための第1反応工程と、
    第2反応ゾーンにおいて、前記ハロゲン化物と所定の供給源から与えられる窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させる第2反応工程と
    第2反応ゾーンにおいて所定の種結晶上に析出させる析出工程と、
    を備え、
    前記第1の加熱手段は前記第1反応ゾーン全体を周囲から加熱する所定の加熱手段であり、
    前記第2反応工程においては、赤外加熱手段である第2の加熱手段から放射される赤外線を前記種結晶の位置で集光させることによって前記種結晶を優先的に加熱する、
    ことを特徴とするAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製方法
  6. 請求項5に記載の作製方法であって、
    所定の加熱手段である第3の加熱手段によって全体を周囲から加熱しつつ、第3反応ゾーンにおいて前記第2反応ゾーンにおける未反応物を熱分解させる分解工程をさらに備え、
    前記第3反応ゾーンの加熱温度が前記第1反応ゾーンの加熱温度よりも高い、
    ことを特徴とするAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製方法
  7. 請求項6に記載の作製方法であって、
    前記第1ないし第3の反応工程を一の管状体を用いて連接的に構成されてなる前記第1ないし第3反応ゾーンにおいて行う、
    ことを特徴とするAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製方法。
  8. Al元素を含むIII族窒化物結晶を作製する方法であって、
    第1の加熱手段によって加熱しつつ、第1反応ゾーンにおいて固体Alを含むIII族元素固体と所定の供給源から与えられるハロゲン化水素とを反応させてIII族元素のハロゲン化物を生成させる第1反応工程と、
    第2反応ゾーンにおいて、前記ハロゲン化物と所定の供給源から与えられる窒素元素含有ガスとを気相反応させてIII族窒化物を生成させる第2反応工程と、
    前記III族窒化物を第2の加熱手段によって加熱した所定の種結晶上に析出させる析出工程と、
    第3の加熱手段によって加熱しつつ、第3反応ゾーンにおいて、前記第2反応ゾーンにおける未反応物を熱分解させる分解工程と、
    を、前記第1ないし第3反応ゾーンが一の管状体を用いて順に構成されてなる作製装置を用いて行い、
    前記第1および第3の加熱手段は、前記第1および第3反応ゾーン全体をそれぞれ周囲から加熱する所定の加熱手段であり、
    前記第2の加熱手段は、放射される赤外線を前記種結晶の位置で集光させることによって前記種結晶を優先的に加熱する赤外加熱手段であり、
    前記第3反応ゾーンの加熱温度が前記第1反応ゾーンの加熱温度よりも高い、
    ことを特徴とするAl元素を含むIII族窒化物結晶の作製方法。
JP2005245580A 2005-08-26 2005-08-26 Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の作製方法 Active JP4872075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005245580A JP4872075B2 (ja) 2005-08-26 2005-08-26 Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005245580A JP4872075B2 (ja) 2005-08-26 2005-08-26 Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007059772A JP2007059772A (ja) 2007-03-08
JP4872075B2 true JP4872075B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=37922971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005245580A Active JP4872075B2 (ja) 2005-08-26 2005-08-26 Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4872075B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090136652A1 (en) * 2007-06-24 2009-05-28 Applied Materials, Inc. Showerhead design with precursor source

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3074823B2 (ja) * 1991-08-27 2000-08-07 日本電気株式会社 半導体ウェハー用熱処理装置
JP3882226B2 (ja) * 1996-07-02 2007-02-14 住友電気工業株式会社 Mgドープ窒化物系III−V族化合物半導体結晶の成長方法
JP3803788B2 (ja) * 2002-04-09 2006-08-02 農工大ティー・エル・オー株式会社 Al系III−V族化合物半導体の気相成長方法、Al系III−V族化合物半導体の製造方法ならびに製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007059772A (ja) 2007-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101738638B1 (ko) 삼염화 갈륨가스의 제조방법 및 질화물 반도체 결정의 제조방법
JP6031733B2 (ja) GaN結晶の製造方法
TW200926265A (en) Method for depositing group III/V compounds
JP2001144325A (ja) 窒化物系iii−v族化合物半導体の製造方法および半導体素子の製造方法
JP2012525718A (ja) HVPEにおいてその場プレ−GaN堆積層を形成する方法
JP4573713B2 (ja) 単結晶の製造方法及び単結晶の製造装置
TW201243980A (en) Substrate carrier with multiple emissivity coefficients for thin film processing
JP5369304B2 (ja) 原子層堆積によって半導体材料を形成するためのシステム及び方法
JP4872075B2 (ja) Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の作製方法
JP3882226B2 (ja) Mgドープ窒化物系III−V族化合物半導体結晶の成長方法
JP5052174B2 (ja) 酸化亜鉛系半導体の製造方法及び酸化亜鉛系半導体の製造装置
JP4817042B2 (ja) Alを含むIII族窒化物結晶の作製方法、およびAlを含むIII族窒化物結晶
JP4699420B2 (ja) 窒化物膜の製造方法
JP2010132491A (ja) Iii族窒化物結晶の成長方法
JP4590636B2 (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造方法
JP4265073B2 (ja) FeSi2の製造方法
WO2021161613A1 (ja) 窒化ガリウムの気相成長装置および製造方法
JPH09186091A (ja) Iii−v族化合物半導体の製造方法
JPS6261321A (ja) 3−5族化合物半導体の製造方法及び装置
JP4871823B2 (ja) 窒化アルミニウム単結晶およびその製造方法
JP5386303B2 (ja) 半導体基板の製造方法およびハイドライド気相成長装置
KR100856287B1 (ko) Ⅲ-ⅴ족 화합물 반도체 제조방법
KR19990032082A (ko) GaN 단결정 제조방법
JPS6146440B2 (ja)
JPH07206595A (ja) 分子線エピタキシャル成長方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080812

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150