JP4870724B2 - 光ファイバ保持治具及び装着方法 - Google Patents

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本発明は、光コネクタの組み立ての際に光ファイバを保持する保持治具、及び特定の構造を有する保持治具を用いて光ファイバを光コネクタ部材に挿入し光コネクタ部材に固定するための装着方法に関する。
通信のブロードバンド化に対応して、光LAN(Local Area Network)やFTTH(Fiber To The Home)など、主に光ファイバを信号伝送媒体とした光通信網の構築が急速に進められている。光通信網の構築においては、光ファイバ同士の接続が不可欠であり、融着接続やメカニカルスプライスによる接続方法が用いられている。また、光通信網の試験、保守、拡張、光路の変更などを考慮して、光コネクタによる接続手段もよく用いられる。光通信網の構築工事において、予め工場において製造された光コネクタが付随する光ケーブル(ファイバ)が利用できるとは限らず、光コネクタが使用される現場、すなわち、光ケーブル架空線路のクロージャやビルの光ファイバ集約端末箇所などにおいて、光ケーブルの先に光コネクタを設ける(光コネクタを組み立てる)必要がある場合も多い。以後、このような目的に利用される光コネクタを現場組立用光コネクタと呼ぶ。このタイプの光コネクタは、工場で製造された光コネクタ並の性能を有し、低価格であり、簡単な作業かつ短時間で組み立てできることが望ましい。
このような光コネクタの組み立てには、作業性を促進する目的から、光ファイバを保持するための光ファイバ保持治具が用いられる。例えば特許文献1に記載の保持治具は、治具本体及びこれに開閉自在に軸着された上フタを有し、上フタの下面であって光ファイバに接する部分にゴム板を設け、治具本体に設けられた作動腕による上フタの係止によって光ファイバを基盤に固定している。
特許第3651634号公報
光コネクタを接続した際には、光ファイバの端面同士が適切な圧力で突き当てられることが望ましい。このため、光ファイバ保持治具を使って光ファイバを光コネクタに挿入する際に、挿入方向すなわち光ファイバの軸方向の力を適切にすることが望ましい。しかしながら、光ファイバの軸方向の力を正確に制御することは容易でない。
そこで本発明の目的は、光コネクタを組み立てる際に光ファイバに加えられる軸方向の力をより適切に制御することにある。
第1の本発明に係る光ファイバ保持治具は、光ファイバを保持する光ファイバ保持治具であって、光ファイバに当接して光ファイバを保持する第1の弾性体を備え、光ファイバの長手方向の移動により前記第1の弾性体が弾性変形可能であり、当該弾性変形した状態からの前記第1の弾性体の復元力は、光ファイバがその先端に向け軸方向に、光コネクタへの挿入長さのばらつきを抑制できるような押圧力で付勢されるように選択されていることを特徴とする。
本発明では、保持治具に保持された光ファイバが第1の弾性体を大きく変形させるので、この第1の弾性体の弾性力によって光ファイバは、光コネクタへの挿入長さのばらつきを抑制できるような所定の押圧力で、長手方向すなわち挿入方向に付勢される。したがって、第1の弾性体の変形によって生じる復元力を用いて、光ファイバに加えられる軸方向の力をより適切に制御することができ、光ファイバの先端位置を極めて正確に制御することが可能になる。また、第1の弾性体が光ファイバに当接するので、両者の接触面積が大きく、これによって両者の間の大きな摩擦力が得られて、光ファイバの長手方向における第1の弾性体の変形を促進することができる。
本発明に係る光ファイバ保持治具は、前記第1の弾性体よりも弾性係数が大きく且つ前記光ファイバに当接して光ファイバを保持する第2の弾性体を更に備えてもよい。
本発明では、光ファイバを保持してその長手方向に0.3N以下の力で牽引したときに、前記第1の弾性体の弾性変形によって、前記光ファイバ保持治具に対する光ファイバの長手方向への0.2mm以上の移動が許容されるのが好適である。
本発明の保持治具は、前記光ファイバの中間部を保持するサブホルダと、当該サブホルダを前記光ファイバの長手方向に摺動可能に保持する治具本体とを備え、前記第1の弾性体は前記サブホルダに備えられていてもよい。この場合には、治具本体とサブホルダとを別体としたので、治具からの光ファイバの突き出し長を短くすることが可能となる結果、光ファイバに反りがあっても、光ファイバを光コネクタに挿入し易くなる。
前記光ファイバの長手方向に直交する面において、前記光ファイバ保持治具の幅は16mm、当該本体の最も低い点から保持された光ファイバの中心軸までの高さは5mmとするのが好適である。この場合には、これと等しい外寸の一般的な保持治具との互換性を確保することができる。
第1の弾性体の弾性係数は0.1MPa以下とし、第1の弾性体の光ファイバと当接する部分の前記光ファイバ長手方向における長さの合計は10mm以下とするのが好適である。
第1の弾性体と光ファイバとの間は、摺動可能にされているのが好ましい。この場合には、光ファイバの保持長さ(すなわち、光ファイバの前端面と保持治具の前端面との間の距離)のばらつきを、第1の弾性体と光ファイバとの間の滑りによって吸収することができる。
好適には、サブホルダは剛体部分を有し、光ファイバがサブホルダに保持されるときに、光ファイバが弾性体と剛体部分との間に配置される。この場合には、2つの弾性体で光ファイバを挟む構造よりも、同一寸法条件下で弾性体の厚さを大きくすることができ、弾性体の光ファイバ長手方向の変形を大きくすることができる。
好適には、第1の弾性体において光ファイバに当接する部分は、光ファイバの長手方向に垂直な断面において平坦である。この場合には、第1の弾性体と光ファイバとの間に適度の摩擦を得ることができると共に、同じ断面において凹凸を有する場合に比べて保持の際に光ファイバが曲がりにくいので、高い精度を得ることができる。好適には、第1の弾性体はゴム又は多孔質体を含む。
本発明の別の一態様は、光ファイバに当接する第1の弾性体を有する保持部であって前記光ファイバの中間部を保持する保持部を備えた光ファイバ保持治具を用いて、光コネクタに光ファイバを接続する光ファイバ装着方法であって、前記光ファイバが前記光コネクタの内部に挿入された状態で、前記光ファイバ保持治具を前記光ファイバの長手方向に移動させて所定の突き当て位置に当接させるステップと、前記第1の弾性体が変形した状態で、前記光コネクタに設けられた固定手段によって前記光ファイバを固定するステップと、を含むことを特徴とする光ファイバ装着方法である。この場合には、上記第1の本発明と同様の効果を得ることができる。
本発明のまた別の一態様は、光ファイバに当接する第1の弾性体を有し前記光ファイバの中間部を保持するサブホルダと、当該サブホルダを前記光ファイバの長手方向に摺動可能に保持する治具本体と、を備えた光ファイバ保持治具を用いて、光コネクタに光ファイバを接続する光ファイバ装着方法であって、前記光コネクタの内部に挿入された光ファイバを、前記サブホルダを前記光ファイバの長手方向に摺動させることによって所定の突き当て位置に当接させるステップと、前記第1の弾性体が変形した状態で、前記光コネクタに設けられた固定手段によって前記光ファイバを固定するステップと、を含むことを特徴とする光ファイバ装着方法である。この場合にも、上記第1の本発明と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る保持治具及び装着方法は、光ファイバが当接して前記押圧力を受けるための突き当て治具と共に使用することができる。また当該突き当て治具は、光コネクタのフェルールが当接すべきフェルール突き当て表面と、当該フェルール突き当て表面から所定深さ陥没したファイバ突き当て表面であって光ファイバが当接すべきファイバ突き当て表面と、を有することができる。この場合には、フェルール先端部からの光ファイバ先端部の突出量を正確に制御することが容易になり、これによって、前方に付勢された二つのファイバの前端面同士の突き当て力による物理接続の実現を容易にすることも可能となる。
本発明の第1実施形態について、以下に説明する。図1において、第1実施形態の光ファイバ保持治具1(以下、保持治具1という)は、治具本体3を有し、治具本体3には、前フタ4および後フタ5が上向きに旋回可能に取り付けられている。前フタ4および後フタ5は強磁性体からなる。図2及び図3に示されるように、前フタ4あるいは後フタ5に対面する治具本体3の各上面には、磁石4b,5bが組み込まれており、前フタ4及び後フタ5は、磁力により治具本体3に引き付けられる。光ファイバFは、前フタ4及び後フタ5の一方又は両方を治具本体3側に閉じることにより保持される。
図2に示されるように、保持治具1の後フタ5に対面する治具本体3の部分には、V溝8が形成されている。後フタ5の下面すなわち治具本体3側には、ゴム板5aが固定されている。後フタ5を閉じたとき、光ファイバFは、V溝8とゴム板5aとに当接し両者に挟まれた状態で保持される。このように、後フタ5で光ファイバFを直接に抑えるのではなく、ゴム板5aを介在させるのは、ゴム板5aと光ファイバFとの摩擦係数を大きくすると共に、磁力による拘束力を光ファイバFの長手方向についてより均等に光ファイバFに作用させることによって、堅固に光ファイバFを保持(後フタ5を閉じて光ファイバFを保持したとき、長手方向に光ファイバFに多少の荷重がかかっても、治具本体3に対して光ファイバFが移動しないように)するためである。これに対し、硬い後フタ5を直接光ファイバFに当接させた場合、両者が滑り易くなる上、光ファイバFの長手方向について後フタ5の拘束力が不均一に光ファイバFに作用しうる結果、力が集中した箇所で被覆を損傷してしまうおそれがある。ゴム板5aの弾性係数(ヤング率)は、少なくとも1MPa以上とする。また、ゴム板5aの長手方向の長さL2は20mm以上と十分長くし、光ファイバFが保持治具1に対して滑り難くしている。
図3に示されるように、前フタ4の下面すなわち治具本体3に対面する部分には、弾性ブロック14aが固定されている。治具本体3の上面すなわち前フタ4に対面する部分には、弾性ブロック14bが固定されている。前フタ4を閉じると、光ファイバFは、弾性ブロック14a,14bの間に挟まれて保持される。弾性ブロック14a,14bは柔らかい材質、例えば表面に粘着性のないシリコーンゴムあるいはシリコーンゲルからなり、弾性係数は0.1MPa以下である。弾性ブロック14a,14bの弾性係数は互いに等しいが、互いに異なっていてもよい。弾性ブロック14a,14bは互いに同じ材料でも、互いに異なる材料でも良い。弾性ブロック14a,14bの厚さは1mmであり、光ファイバFと当接する部分の長さL1は7mm(すなわち、10mm以下)と、ゴム板5aの長手方向の長さL2と比較しても短い。
後フタ5は開け前フタ4を閉じて光ファイバFを保持したとき、光ファイバFにその長手方向に力をかけると、弾性ブロック14a,14bが変形して、保持治具1(治具本体3及び前フタ4)に対して、光ファイバFはその長手方向に移動する。上記の力を解除すると、弾性ブロック14a,14bが元の形状に復帰し、移動した光ファイバFの位置は弾性ブロック14a,14bの弾性力によって、ほぼ元の位置に戻る。別の見方をすれば、光ファイバFを長手方向に移動させると、弾性変形した弾性ブロック14a,14bにより、光ファイバFを元の位置に移動させようとする長手方向成分の力が発生する。
このように弾性ブロック14a,14bが光ファイバFの長手方向に弾性変形しているとき、光ファイバFの付近の変形量は大きいが、光ファイバFから離れるほど変形量は小さい(図3において、a点での変形は大きいが、b点での変形は小さい)。言い換えれば、変形が生じる領域は光ファイバの近傍に限られている。よって、0.3N程度以下の小さな力でも、光ファイバFは長手方向に0.2mm以上、弾性的に(すなわち、弾性ブロック14a,14bの弾性による復元が可能に)移動することができる。光ファイバFに掛ける力と弾性的な移動量との関係は、弾性体の弾性係数だけでなく、長さL1でも調整可能であり、長さL1が長いほど、同じ力でも移動量は小さくなる。
このように、前フタ4のみを閉じて光ファイバFを保持したとき、光ファイバFに長手方向に力を加えれば、光ファイバFはその方向に弾性的に移動するが、光ファイバFに加える力がある程度以上大きい場合は、光ファイバFは弾性ブロック14a,14bに対して長手方向に滑ることになる。ここで、光ファイバFが弾性的に移動できる最大の距離を距離Dmとする。別の見方をすれば、光ファイバFを保持したとき、光ファイバFを長手方向に距離Dm以上に(治具本体3及び前フタ4に対して)引いたとき(押したとき)、光ファイバFは弾性ブロック14a,14b(保持治具1)に対しても長手方向に摺動する。しかし、その状態でも、弾性ブロック14a,14bの弾性変形は残り、光ファイバFを長手方向に移動させようとする力成分は作用している。距離Dmは、0.3mm程度は得られる。
弾性ブロック14a,14bの互いに対向する面は無負荷では平面であるが(図4参照)、前フタ4を閉じて光ファイバFを保持したとき、光ファイバFが当接する部分は、長手方向から見て凹状に変形する(図3参照)。言い換えれば、光ファイバFが弾性ブロック14a,14bの中に埋め込まれるような状態になる。そして、光ファイバFに対向していない弾性ブロック14a,14bの平坦な表面同士も当接する。磁石4bが前フタ4を治具本体3側に引き付けようとする押圧力は、弾性ブロック14a,14bの表面が当接した領域にも伝わってしまう。つまり押圧力は、あまり光ファイバFには掛からないことになる。結果として、光ファイバFに長手方向に加える力が小さくても、光ファイバFは弾性ブロック14a,14bに対して滑ることになる。言い換えれば、前フタ4を閉じて光ファイバFを保持したとき、保持治具1に対して光ファイバを長手方向に距離Dm以上に移動させても、光ファイバFは弾性ブロック14a,14bに対して滑ってしまい、弾性ブロック14a,14bの弾性変形は進行しなくなり、光ファイバFを長手方向に移動させようとする力は、余り大きくならない。
保持治具1が光ファイバFの融着接続などのために用いられているクリーバ等の装置にも適用できるようにするために、図3に示されるように、治具本体3の幅Wは16mm、治具本体3の最も低い点(底面)から保持された光ファイバFの中心軸までの高さHfは5mmである。治具本体3の底面から前フタ4の上面までの高さは8mm以下である。
図22において、本実施形態で使用される光コネクタ30は、F04形単心光ファイバコネクタに関するJIS C5973(1993)に準拠している周知のSC形光ファイバコネクタプラグと互換性を有している。光コネクタ30は、複数の部材を組み合わせてなる筒型のプラグフレーム組立体31の外周に、筒型の摺動スリーブ32を嵌合させたものである。
互いに接着されたフェルール33およびフランジ部材34からなるフェルール組立体35が、プラグフレーム組立体31に嵌合されており、且つバネ36によって前方に常時付勢され且つ外力により後退可能となっている。フェルール33は例えばジルコニアからなり、ほぼ円柱状の形状を有し、その軸心を貫いて通孔33aが設けられている。フランジ部材34は例えばステンレス鋼からなり、概ね筒状であって、その軸心を貫いて通孔34aが設けられている。
プラグフレーム組立体31には、その全長に亘る通孔31aが設けられている。プラグフレーム組立体31の後部には、ファイバFを選択的に固定するための押さえブロック37が設置され、プラグフレーム組立体31と押さえブロック37とを外側から拘束するように、断面U字型またはステープル型の固定バネ38が嵌合されている(図24参照)。固定バネ38をプラグフレーム組立体31の後端部から前方にスライドさせることにより、固定バネ38の弾性が、押さえブロック37とプラグフレーム組立体31とを互いに対向させる方向に作用して、両者の間に挟まれたファイバFを軸方向に移動しないように固定することができる。光ファイバFは押さえブロック37による拘束のみによって光コネクタ30に固定され、したがって押さえブロック37よりも前端側の部分は光コネクタ30に対して軸方向に前後に移動可能となっている。
なお、光コネクタ30は不図示のアダプタまたはレセプタクルに結合される。ユーザが光コネクタ30の摺動スリーブ32を抜去方向に操作すると、摺動スリーブ32とプラグフレーム組立体31との相対移動によって、アダプタまたはレセプタクルに設けられた弾性係止片の係止爪が操作され、光コネクタ30をアダプタまたはレセプタクルから小さな抜去力で抜去することができる。
光ファイバFが固定され、且つ光ファイバFが撓んでいない状態では、光ファイバFの先端は、フェルール33の前端面から微少な先端突き出し長ΔL(例えば0.1mm)だけ突出している。光コネクタ30を使用(接続)する際には、図23に示されるように、フェルール33と対向する光コネクタのフェルール133との端面同士が突き当たる。この時、光ファイバFの先端は、対向する光コネクタの光ファイバF1の端面に突き当たり、光ファイバFの先端はフェルール33の端面の位置まで後退する。そして、光ファイバFのうち、通孔34a内にある部分が座屈して撓み、この撓みに起因する光ファイバFの長手方向の弾性力(例えば0.5N)が発生し、光ファイバFの前端面と他方の光ファイバF1の前端面とが物理接続(Physical Contact; PC)する。
図1〜図4に示される保持治具1を用いた光コネクタ30の組み立て方法を説明する。光コネクタ30の全長は40mmである。先ず、前フタ4と後フタ5を開けて光ファイバFをV溝8に配置し、前フタ4と後フタ5とを閉じて光ファイバFの中間部を保持する。
次にストリッパにより光ファイバFの先端付近の被覆を除去し、クリーバにより光ファイバFをクリーブする。クリーブ後の保持治具1からの光ファイバFの治具突き出し長Lp(図5参照)は、43mmになるようにする。ここで、治具突き出し長Lpは、クリーブ時における保持治具1とクリーバ内の刃との間隔でほぼ決まる。さらに、シャープナを用いて、光ファイバFの先端の面取りを行う。光ファイバFの加工や清掃の際に、光ファイバFを前フタ4のみで保持しただけでは、光ファイバFに多少の力が掛かっただけで光ファイバFが保持治具1に対して移動してしまうので、ここまでの工程は、前フタ4及び後フタ5を閉じ、後フタ5により光ファイバFを治具本体3に堅固に固定した状態で実施される。
次に、保持治具1と組立治具21を用いて、光ファイバFを光コネクタ30に装着(挿入、固定)する工程について説明する。図5において、ユーザは光コネクタ30を不図示の固定部に、組立治具21の突き当て治具26に光コネクタ30のフェルール前端が当接するように固定する。突き当て治具26は、光ファイバFの前端面が当接して弾性ブロック14a,14bの復元による押圧力を受けるためのものであり、図22に示されるように、深さΔL’(例えば0.1mm)のファイバ突き当て表面26bを有している。次にユーザは、光ファイバFの先端を光コネクタ30に向けて、保持治具1をガイド溝23に載せ、後フタ5を開ける。そして、保持治具1の前端がストッパ24に当たるまで、保持治具1を光コネクタ30に向かってガイド溝23に沿って前進させて、光ファイバFを光コネクタ30に挿入し、さらに光ファイバFの先端を、突き当て治具26のファイバ突き当て表面26bに突き当てる。
ここで、保持治具1が前進してストッパに突き当たる過程をより詳細に説明する。図6に示すように保持治具1の前端とストッパ24との間隔が距離Deの時(保持治具1の前端がストッパ24に突き当たる前)、光ファイバFの先端は、突き当て治具26に到達、当接する。この状態から、さらに保持治具1が距離Deだけ前進して、その前端がストッパ24に突き当たるとき、光ファイバFは、その先端が突き当たりそれ以上前進できないため、光ファイバFは、保持治具1に対して、相対的に距離Deだけ後退する(保持治具1が光ファイバFに対して相対的に前進する)。このとき、光コネクタ30の後端部と保持治具1による保持点との間の距離が、光ファイバFが屈曲するのに要する距離よりも小さくされているため、この領域の光ファイバFが屈曲することはない。
この光ファイバFの突き当て治具26への当接によって、弾性ブロック14a,14bは、図7に示される無負荷状態から、図9に示すように弾性変形し、これによって、光ファイバFを突き当て治具26に向かう方向に押す力成分である突き当て力Fiが発生する。距離Deは、1mmとしている。突き当て力Fiは、光コネクタ30への挿入長さ及び先端突き出し量ΔLのばらつきを所定範囲内まで抑制できるような値、例えば0.3N程度とするのが好適である。なお突き当て力Fiは、光ファイバFの座屈が実質的に生じない程度であることが望ましい。治具本体3に対して光ファイバFが長手方向に弾性ブロック14a,14bの弾性変形からの復元によって移動できる最大の距離Dmが0.3mm程度であるのに対して、光ファイバFは、保持治具1に対して距離De(1mm)だけ相対移動している。すなわち、光ファイバFは弾性ブロック14a,14bに対して、0.7mm程度摺動している。
そしてユーザは、保持治具1をストッパ24に突き当てた状態、すなわち、弾性ブロック14a,14bによって光ファイバFに突き当て力Fiが掛けられた状態で、光コネクタ30に設けられた固定バネ38を前方にスライドさせることにより、光ファイバFを光コネクタ30に固定する。その後ユーザは、前ホルダ4を開け、保持治具1を光ファイバFから取り外し、さらに、光コネクタ30を装着治具21から取り外して、光コネクタ30の組み立ては終了する。光コネクタ30のフェルール33前端からの光ファイバの先端突き出し長ΔLは、ほぼΔL’(0.1mm)となる。
クリーブ後の保持治具1からの光ファイバFの治具突き出し長Lpの基準値は43mmであるが、治具突き出し長Lpが基準値より1mmだけ長くなっても(Lp=44mm)、弾性ブロック14a,14bに対する光ファイバFのスリップ長が若干長くなる(1.7mm程度)だけで、突き当て力Fiの値は0.3N程度と変わらない。すなわち、治具突き出し長Lpが多少長くなるように誤差が生じても、突き当て力Fiは過剰に大きくなることはない。あるいは、治具突き出し長Lpが基準より0.8mmだけ短くなっても(Lp=42.2mm)、保持治具1をストッパ26に突き当てる際、光ファイバFは保持治具1に対して0.2mmだけ長手方向に相対移動できるので、十分な突き当て力Fiを発生させることができる。ただし、弾性ブロック14a,14bに対して光ファイバFを滑らせることは必須ではない。
以上のように、光ファイバFを光コネクタ30に挿入する際(組立工程におけるクリーブ後)、保持治具1からの光ファイバFの治具突き出し長Lpに多少の誤差があっても、光ファイバFを光コネクタ30に固定する際に、適度な大きさの突き当て力Fiを発生させることができる。また、光ファイバFに力Fiを作用させる際、光ファイバFを撓ませないので、光ファイバFが光コネクタ30の部材に引っ掛かる(接触して大きな摩擦が生じる)ことがなく、弾性ブロック14a,14bの変形により発生させた突き当て力Fiを光ファイバFにおける光コネクタ30内の部分や先端により確実に伝達することができ、光ファイバFの先端の突き当て治具26への当接圧力を適正にでき、フェルール33前端からの光ファイバFの先端突き出し長ΔLを突き当て治具の凹み量である深さΔL’に維持することができる。これにより、光コネクタ30に光ファイバFを固定した後の先端突き出し長ΔLの精度を高く(先端突き出し長ΔLの誤差の許容値を越えないように)することができる。
また、従来のように光コネクタ30後端と光ファイバ保持治具前端との間で光ファイバFを座屈(湾曲)させるための光ファイバFの領域を設ける必要がないので、その分、治具突き出し長Lpを短くすることができる。このことは、光コネクタ30の組み立て工程における光ファイバFの各加工装置(クリーバ等)の小型化(全長の短縮)や、特に光ファイバFが反っている場合における光ファイバFの光コネクタ30への挿入し易さの向上に繋がる。
さらに、保持治具1の治具本体3の幅Wが16mm、治具本体3の底面から光ファイバ中心治具までの高さHfが5mmしかない寸法の制約において、簡単な構成で、光ファイバFに突き当て力Fiを作用させることができるので、保持治具1の製造コストは、従来の光ファイバホルダと比較して余り高くはならない。
本発明の第2実施形態について以下に説明する。図10及び図11において、本発明の第2実施形態の光ファイバ保持治具51(以下保持治具51という)は、光ファイバFの中間部を保持するサブホルダ52と、サブホルダ52を挿入方向に摺動可能に保持する治具本体53とを備えている。
治具本体53は、長手方向の前端部に配置された前フタ54、これに隣接して設けられた中フタ55、及び長手方向に延びる蟻溝56を有する。前フタ54及び中フタ55は強磁性体からなり、軸57によって治具本体53に片持ち状に軸止されている。図12及び図13に示されるように、前フタ54及び中フタ55は軸57を中心に上向きに旋回可能であり、概ね水平の閉位置(実線)と、100°程度開いた開位置(二点鎖線)をとりうる。治具本体53の上面には、前フタ54及び中フタ55に対向する部分の全長に延在するV溝58が形成されている。V溝58の幅は、光ファイバFの樹脂被覆層を適切に収容できるように設定されている。前フタ54と中フタ55との間にはVブロック55aが配置されている。前フタ54及び中フタ55を閉じると、前フタ54及び中フタ55は治具本体53に固定された永久磁石59によって吸着され、光ファイバFは前フタ54及び中フタ55とV溝58との間で保持される。
光ファイバFの前端面を劈開する作業を好適に行うため、中フタ55とV溝58との間では光ファイバFは軸方向に相対的に移動しないように拘束される。他方、前フタ54に対向する治具本体53の部分にはスペーサ54aが配置されているため、前フタ54とV溝58との間では、光ファイバFの治具本体53に対する軸方向(光ファイバFの長手方向)の移動が許容されている。
中フタ55の近傍の治具本体53には、サブホルダ52と当接する平坦な突き当て面53b(図10・図11参照)が形成され、突き当て面53bには永久磁石53cが固定されている。
サブホルダ52は、強磁性体製のサブホルダ本体61と、フタ62とを備えている。図14に示されるように、サブホルダ本体61の上面には弾性ブロック64aが、またフタ62の下面には弾性ブロック64bが、互いに対向して配置されている。弾性ブロック64a,64bの無負荷での形状はいずれも直方体であり、弾性ブロック64aの下面、及び弾性ブロック64bの上面は、光ファイバFの中間部の長手方向に垂直な断面において平坦である。
図14に示されるように、フタ62は軸15を中心に上向きに旋回可能であり、概ね水平の閉位置(実線)と、100°程度開いた開位置(二点鎖線)をとりうる。サブホルダ本体61の前端部の上面には、Vブロック66(図10・図11参照)が配置されている。サブホルダ52のフタ62を閉じると、フタ62はその先端部近傍に固定された永久磁石17によってサブホルダ本体61に吸引され、光ファイバFは上下の弾性ブロック64a,64bの間で、これら弾性ブロック64a,64bと当接した状態で保持される。
保持されているときの光ファイバFは弾性ブロック64a,64bの可撓性の範囲内で光ファイバFの長手方向(軸方向)についてある程度の移動が許容されており、且つ弾性ブロック64a,64bと光ファイバFとの間の滑りによって光ファイバFの長手方向(軸方向)の摺動が可能とされている。またサブホルダ本体61には操作用のノブ68が固定されている。また治具本体53の後端部には終端ストッパ69が固定され、終端ストッパ69には永久磁石69aが固定されている。治具本体53の中間部の上面にはサブホルダ52を一時的に固定するための永久磁石53aが固定されている。
弾性ブロック64a、64bの軸方向の長さは5mmで、表面に粘着性のないシリコーンゴムあるいはシリコーンゲルからなる。弾性ブロックの材質は他の各種のものを採用でき、ゴム又は樹脂の発泡体などの多孔質体であってもよい。弾性ブロック64a、64bの弾性係数は、0.1MPa以下とするのが特に好適である。
保持治具51の外寸は、この分野で光ファイバの接続及び前処理の際にストリッパ(被覆除去機)、クリーバ(劈開機)及びシャープナ(面取り機)と関連して広く用いられている公知の保持治具201(図25)との互換性を確保するために、幅16mm、高さ8mm、底面からV溝58までの高さ5mmとされている。
本実施形態の保持治具51は、図15ないし図17に示されるような組立治具71を利用して光ファイバを光コネクタ30に接続する際に用いられる。組立治具71は、光コネクタ30を嵌合によって固定するための固定部72、保持治具51を挿入方向に摺動させるためのガイド溝73、ガイド溝73の長手方向に関して保持治具1を位置決めするためのストッパ74、及び保持治具1をガイド溝73上の固定位置に保持するためのクランプ75を有する。クランプ75はその操作アーム75aを図15中矢印A方向に旋回させることによってブロック75bが保持治具51に向けて突出するように構成されている。
ガイド溝73の前端側には更に、光コネクタ30のフェルール33の前端面及び光ファイバFの前端面と当接してこれらを位置決めするための突き当て治具26が設置されている。突き当て治具26には、上記従来例における突き当て治具26(図22)と同様に、フェルール突き当て表面26a、及びこれから挿入方向に深さΔL’(例えば0.1mm)陥没した位置に配置されたファイバ突き当て表面26bが形成されている。
以上のとおり構成された保持治具51を用いた光コネクタの組み立て方法について説明する。ユーザは先ず、保持治具51において、サブホルダ52を終端ストッパ69に突き当たるように配置し、前フタ54,後フタ55,フタ62を開閉し、それらによって、樹脂被覆外径0.25mm(クラッド径0.125mm)、石英ガラス系の光ファイバFの中間部を保持治具51にセットする。ここで、サブホルダ52は、磁石69a(図10参照)により、仮固定される。
次に、ユーザはストリッパ(被覆除去機)によって光ファイバFの先端から20mm程度、被覆層を除去しクラッドを露出させ、この部分を清掃し、クリーバ(劈開切断機)によって劈開、切断して、クラッド露出部分の長さを10mm程度とする。この長さは、光ファイバFを装着する光コネクタ30の構造に由来する。また、保持治具51の前端から光ファイバFの先端までの治具突き出し長Lpは約13mmとなる。
次に、シャープナ(面取り機)によって光ファイバFの先端のクラッド外周をテーパ状(円錐面状)に面取りする。以上の工程では、サブホルダ52は保持治具51において仮固定されたままである。そしてユーザは、保持治具51において、中フタ55を開け、サブホルダ52を磁石53aの位置まで移動させ、仮固定し、光ファイバFの先端やその付近の側面を清掃し、再度サブホルダ52を終端ストッパ69に突き当たるように移動させる。以上が前処理である。
次にユーザは、図15に示されるように、光ファイバFを保持した保持治具51を、組立治具71のガイド溝73にセットし、また光コネクタ30を固定部72に固定する。光コネクタ30のフェルール33の前端面は、突き当て治具26のフェルール突き当て表面26a(図22参照)に突き当てられる。次にユーザは、保持治具1を挿入方向(図16における矢印B方向)にストッパ74に当接するまで摺動させ、光ファイバFの先端部を光コネクタ30の後端から通孔31aに挿入する。そして、クランプ75の操作アーム75aを図中A方向に旋回させ、保持治具51の位置を組立治具71に対して固定する。
次に、ユーザは、中フタ55を開放し、サブホルダ52を挿入方向(図16における矢印B方向)に摺動させ、これによって、光コネクタ30の内部に挿入された光ファイバFを、フランジ部材34の通孔34a、及びフェルール33の通孔33a(いずれも図22参照)を通じて移動させ、突き当て治具26に当接させる。光ファイバFの前端面は、突き当て治具26のファイバ突き当て表面26b(図22参照)に突き当てられる。
その状態からユーザがサブホルダ52を、更に挿入方向(矢印B方向)に移動させると、図18に示されるように、光ファイバFと弾性ブロック64a,64bとの間の摩擦に起因して、弾性ブロック64a,64bが矢印C方向に弾性変形する。ユーザがサブホルダ52を更に移動させ、弾性ブロック64a,64bの弾性力が光ファイバFとの間の摩擦力よりも大きくなると、サブホルダ52と光ファイバFとの間で滑りが生じる。サブホルダ52が突き当て面53bに当接して永久磁石53cに吸着されたとき、弾性ブロック64a,64bは、矢印C方向に弾性変形した形状を保持して、光ファイバFを適度な突き当て力Fi(例えば0.3N程度)で挿入方向に常時付勢することになる。このとき弾性ブロック64a,64bの変形量は、光ファイバFの位置で0.2mm以上である。
最後にユーザは、光コネクタ30に設けられた固定バネ38を前方にスライドさせることにより、押さえブロック37とプラグフレーム組立体31との間にファイバFを固定する。
このようにして光ファイバFが固定された光コネクタ30は、前フタ54及びサブホルダ52のフタ62を解除することで取り出すことができる。取り出された光コネクタ30において、フェルール33の前端からの光ファイバの先端突き出し長ΔLは、ほぼ深さΔL’(0.1mm)と一致する。保持治具51はクランプ75の解除によって組立治具71から取り出すことができる。
以上のとおり、本実施形態では、光ファイバFの中間部を保持させたサブホルダ52を、治具本体53に摺動可能に保持させ、このサブホルダ52を光コネクタ30に向けて摺動させると、サブホルダ52が所定の停止位置に来たとき、サブホルダ52に備えられた弾性ブロック64a,64bが、光ファイバFとの摩擦で弾性変形した状態になる。光ファイバFは、弾性ブロック64a,64bの弾性力によって挿入方向に付勢される。したがって、光ファイバFの撓みに起因する通孔33a,34aとの間の摩擦を抑制しながら、所望の突き当て力Fiを得ることができる。突き当て力を得るために光ファイバFの撓みを利用しないため、力Fiは光ファイバFの光コネクタ30の内部の部分にも確実に伝わり、光ファイバFを光コネクタ30に固定する際に、フェルール33前端からの光ファイバFの先端突き出し長ΔLは、深さΔL’に正確に維持することができる。突き当て力Fiは過剰になることがなく、したがって、光ファイバFを光コネクタ30に固定する際に光コネクタFの光コネクタ30の内部の部分において撓みが生じ組立治具71から外したときに先端突き出し長ΔLの誤差が許容値を越えてしまうこともなくなる。
また本実施形態では、光ファイバFを光コネクタ30に挿入する際、主にサブホルダ52の摺動を利用しているため、クリーブ後の保持治具51からの光ファイバFの治具突き出し長Lpを13mm程度に短くできる。これにより、上記の被覆除去やクリーブの工程においては、一般的に光ファイバの融着接続やメカニカルスプライスで用いられている装置を改造することなく、あるいは僅かな改造のみで、使用することができる。あるいは、上記光コネクタ30の組み立てのための専用のストリッパ、クリーバ、シャープナ、組立治具71では、サイズ(特に装置全長)や重量を小さくすることができる。これらの装置は、主に現場(十分な作業スペース、作業卓があると限らない)で使用されるために、作業性や持ち運びの観点で、装置サイズや重量は重要である。
また、治具本体53とサブホルダ52とを別体としたので、治具突き出し長Lpを短くすることが可能となる結果、光ファイバFに反りがあっても、光ファイバFを光コネクタ30に挿入し易くなる。また本実施形態では、治具本体53の支持構造とサブホルダ52の支持構造とが別個になるため、例えば治具本体53の底面を着脱の容易な直方体状とする一方でサブホルダ52を蟻溝構造その他の抜け止め構造にすることができるというように、設計の自由度を高めることができる。
また、サブホルダ52が光ファイバFを保持したとき、弾性ブロック64a、64bが光ファイバFに当接するので、上記第1実施形態と同様に、弾性ブロック64a、64bの弾性変形(図19参照)によって、光ファイバFの長手方向のある程度の弾性ブロック64a,64bの弾性変形からの復元による移動量を得ることができ、さらに弾性ブロック64a、64bと光ファイバFとの間が、摺動可能にされているので、治具突き出し長Lpに多少の誤差があっても、光ファイバFを光コネクタ30に固定したときの先端突き出し長ΔLを所定の値に収めることができる。換言すれば、光ファイバFをクリーブする工程で生じる治具突き出し長Lpの誤差の許容値を大きくすることができる。
ただし、光ファイバFを弾性ブロック64a、64bに対して滑らせることは、必ずしも必要ではなく、特に、発生する治具突き出し長Lpの誤差が小さい場合は、弾性ブロック64a、64bを弾性変形させるのみで十分な場合もある。
また本実施形態では、弾性ブロック64a,64bにおいて光ファイバFに当接する部分が、光ファイバFの軸方向に垂直な断面において平坦であるため、弾性ブロック64a,64bと光ファイバFとの間に適度の摩擦を得ることができると共に、同じ断面において凹凸を有する場合に比べて保持の際に光ファイバFが曲がりにくいので、高い精度を得ることができる。
また本実施形態では、弾性ブロック64a,64bをゴムとしたので、簡易な構成によって本発明に所期の効果を得ることができる。
また本実施形態では、光ファイバFを光コネクタ30に挿入するとき、ユーザは、サブホルダ52を終端ストッパ19に当接している状態から突き当て面53bに当接するまで摺動させる簡単な操作だけを意識すればよく、上に述べたような光ファイバFの状況について観察したり意識する必要はない。また、サブホルダ52を突き当て面53bに当接させる際、サブホルダ52は磁石53cに吸着されるので、ユーザがサブホルダ52を大まかに位置決めするだけで、サブホルダ52を高精度に位置決めできる。サブホルダ52を終端ストッパ19に当接する場合も同様である。
サブホルダ52を摺動させ光ファイバFの先端がファイバ突き当て表面26bに接触した瞬間のサブホルダ52の前端と、突き当て面53bとの距離を長くして、弾性ブロック64a、64bに対して光ファイバFが滑る長さを増やすことにより、治具突き出し長Lpの誤差の許容値を増やすことができる。具体的には、治具突き出し長Lpの誤差の許容範囲を±2mm程度にすることもできる。このような構成は、ユーザが光ファイバFを保持治具1にセットする際に治具突き出し長Lpを目視かつ手作業で制御するような場合(例えば、クリーブ、面取りを保持治具1を用いないで行う場合)に有効である。
なお、上記各実施形態では、弾性体を二つの部材である弾性ブロック14a,14b,64a,64bとしたが、このような構成に代えて、図20に示されるように、光ファイバFがサブホルダ102に保持されるときに、光ファイバFが弾性ブロック114とサブホルダ本体61(サブホルダ中の剛体部分)との間に配置されるようにしてもよい。図示の例では弾性ブロック114の無負荷形状は直方体である。弾性ブロック114が変形するために、光ファイバFがサブホルダ本体61(剛体)に押し当てられる力はそれほど大きくなく、すなわち、サブホルダ本体61と光ファイバFとの摩擦はそれほど大きくなく、また、サブホルダ本体61(剛体)と光ファイバFとの摩擦に比べて、弾性ブロック114と光ファイバFとの摩擦の方が大きくなるので、弾性変形した弾性ブロック114の弾性力により、光ファイバFはサブホルダ本体61に対して滑ることができる。サブホルダ本体61の上面には、ポリテトラフルオロエチレン等の低摩擦シート、あるいは弾性ブロック114よりも弾性係数が大きいゴムその他の弾性体のシートを貼着してもよい。サブホルダ本体61の例えば裏面には永久磁石を配置して保持力ひいては摩擦力を調整してもよい。この場合には、2つの弾性体で光ファイバを挟む構造よりも、同一寸法条件下で弾性体の厚さを大きくすることができ、弾性体の光ファイバ軸方向の変形を大きくすることができ、また構造もより簡単になる。治具突き出し長Lpの誤差が短い方に生じたとき、光ファイバFを光コネクタ30に固定する際、弾性体の弾性変形が小さくなるので、突き当て力Fiは小さくなる。光ファイバFの長手方向の弾性ブロック114の弾性変形からの復元によって移動可能な距離が長くできれば、治具突き出し長Lpの誤差に対して突き当て力Fiの減少を少なくすることができる。
また、本発明における弾性体の形状は直方体に限られず任意の形状をとりうる。材料は、シリコーン系ゴム以外のゴムでもよい。さらに、弾性体の構造は均質である必要はなく、複合材料でもよい。実効的に弾性係数を小さくするために、多孔質あるいは、図15に示される弾性ブロック214a、214bのように、多数の板状のフィンを有する形状としてもよい。
また、上記各実施形態及び変形例では、光コネクタ30が有する固定部材をスライド可能な板バネとしたが、固定部材の構成は任意に選択でき、例えば同様のU字型の板バネによって対向方向に付勢された2部材の間にくさび部材を挟み、光ファイバの挿入後にくさび部材を抜去することで光ファイバを2部材間に固定する構造でもよい。
また、上記実施形態では、SC形光コネクタと互換性があり、かつ光ファイバの座屈を利用して物理接続するタイプの現場組立用光コネクタについて本発明を適用した例について説明したが、本発明は、SC形光コネクタと互換性がある他のタイプの現場組立用光コネクタや、MU形光コネクタ(F14形光ファイバコネクタに関するJIS C5983(2001)によるもの)と互換性のある現場組立用光コネクタ、その他の光コネクタの組み立てにも適用でき、あるいは、メカニカルスプライスや各種光部品への光ファイバ接続にも適用できる。
本発明の第1実施形態の保持治具を示す平面図である。 図1の保持治具のII−II線断面図である。 図1の保持治具のIII−III線断面図である。 保持治具の前フタを開いた状態を示すIII−III線断面図である。 保持治具がセットされた組立治具を示す平面図である。 保持治具を途中まで前進させた状態の組立治具を示す平面図である。 軸方向の力が掛かっていない状態の弾性ブロック近傍を示す断面図である。 保持治具を最終的な位置まで前進させた状態の組立治具を示す平面図である。 図8の状態における弾性ブロック近傍を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の保持治具を示す平面図である。 第2実施形態の保持治具を示す正面図である。 第2実施形態の保持治具を示す左側面図である。 中ホルダを示す断面図である。 サブホルダを示す断面図である。 第2実施形態の保持治具がセットされた組立治具を示す平面図である。 保持治具が挿入方向に摺動された状態の組立治具を示す平面図である。 サブホルダが挿入方向に摺動された状態の組立治具を示す平面図である。 サブホルダの使用状態における弾性ブロックの作用を示す正面図である。 サブホルダに光ファイバが保持されているときの弾性ブロックの変形を示す要部拡大図である。 弾性ブロックの別の構成例を示す正面図である。 弾性ブロックのまた別の構成例を示す正面図である。 光コネクタ及び突き当て治具を示す平面図である。 光コネクタの使用状態を示す平面図である。 光コネクタ及び固定バネの断面を示す右側面図である。
符号の説明
1,51 保持治具
2,102 サブホルダ
3,53 治具本体
4 前フタ
5 後フタ
61 サブホルダ本体
62 フタ
14a,14b,64a,64b,114,214a,214b 弾性ブロック
21,71 組立治具
30 光コネクタ
31 プラグフレーム組立体
32 摺動スリーブ
33 キャピラリ
38 固定バネ
F,F1 ファイバ

Claims (10)

  1. 光ファイバを保持する光ファイバ保持治具であって、光ファイバに当接して光ファイバを保持する第1の弾性体を備え、光ファイバの長手方向の移動により前記第1の弾性体が弾性変形可能であり、当該弾性変形した状態からの前記第1の弾性体の復元力は、光ファイバがその先端に向け軸方向に、光コネクタへの挿入長さのばらつきを抑制できるような押圧力で付勢されるように選択されていることを特徴とする光ファイバ保持治具。
  2. 前記第1の弾性体よりも弾性係数が大きく且つ前記光ファイバに当接して光ファイバを保持する第2の弾性体を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ保持治具。
  3. 前記光ファイバを保持してその長手方向に0.3N以下の力で牽引したときに、前記第1の弾性体の弾性変形によって、前記光ファイバ保持治具に対する前記光ファイバの長手方向への0.2mm以上の移動が許容されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ保持治具。
  4. 前記光ファイバの中間部を保持するサブホルダと、当該サブホルダを前記光ファイバの長手方向に摺動可能に保持する治具本体とを備え、 前記第1の弾性体は前記サブホルダに備えられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ファイバ保持治具。
  5. 前記光ファイバの長手方向に直交する面において、前記光ファイバ保持治具の幅が16mm、当該本体の最も低い点から保持された光ファイバの中心軸までの高さが5mmであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光ファイバ保持治具。
  6. 前記第1の弾性体の弾性係数は0.1MPa以下であり、前記第1の弾性体の前記光ファイバと当接する部分の前記光ファイバ長手方向における長さの合計は10mm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の光ファイバ保持治具。
  7. 前記第1の弾性体と前記光ファイバとの間は摺動可能にされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の光ファイバ保持治具。
  8. 前記光ファイバが前記第1の弾性体とそれに対面する剛体との両者に当接して保持されることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ保持治具。
  9. 光ファイバに当接する第1の弾性体を有する保持部であって前記光ファイバの中間部を保持する保持部を備えた光ファイバ保持治具を用いて、光コネクタに光ファイバを接続する光ファイバ装着方法であって、 前記光ファイバが前記光コネクタの内部に挿入された状態で、前記光ファイバ保持治具を前記光ファイバの長手方向に移動させて所定の突き当て位置に当接させるステップと、 前記第1の弾性体が変形した状態で、前記光コネクタに設けられた固定手段によって前記光ファイバを固定するステップと、 を含むことを特徴とする光ファイバ装着方法。
  10. 光ファイバに当接する第1の弾性体を有し前記光ファイバの中間部を保持するサブホルダと、当該サブホルダを前記光ファイバの長手方向に摺動可能に保持する治具本体と、を備えた光ファイバ保持治具を用いて、光コネクタに光ファイバを接続する光ファイバ装着方法であって、 前記光ファイバが前記光コネクタの内部に挿入された状態で、前記サブホルダを前記光ファイバの長手方向に摺動させることによって所定の突き当て位置に当接させるステップと、 前記第1の弾性体が変形した状態で、前記光コネクタに設けられた固定手段によって前記光ファイバを固定するステップと、 を含むことを特徴とする光ファイバ装着方法。
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