JP3950781B2 - 光ファイバ接続方法及び接続構造 - Google Patents

光ファイバ接続方法及び接続構造

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの接続方法および光ファイバ接続構造に係り、特にアダプタ上部からプラグを設置する光ファイバ接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開2001−296455号公報。
【特許文献2】
特開2002−90581号公報。
【特許文献3】
特開2002−221644号公報。
【0004】
単心接続用においては、FC、SC、MU、LC等、多心接続用としては、MPO、MPX、MTPタイプ等の接続部品が提供されている。一般的にこれらのコネクタは、光ファイバの軸方向から突き合わせることにより、接続を可能にしている。例えば、MPO形光コネクタでは、光コネクタアダプタに対向する両側から光コネクタプラグを挿入することで、光コネクタアダプタに内蔵された内部ハウジング内にて光コネクタプラグ同士が位置決めされ、光コネクタプラグの先端に保持されたMTコネクタフェルール同士が突き合わされ接続される。また、光ファイバの軸方向の抜き差しを容易にしたプッシュ・プル方式が提案されているが、これらのプッシュ・プル式コネクタは、接続される光ファイバの軸方向に抜き差しするため、バックプレーン等の装置壁面に取り付けられたアダプタとの接続に関しては、簡便に光ファイバの接続を行なうことができるという特徴がある。しかし、プリント基板(例えば、マザーボード等)上や装置内における光ファイバの接続に用いる際には、抜き差し方向への作業者の視野が悪くなり、作業時間が長くなったり、差し込む際にフェルール端部が割れ、スリーブやガイド用シャフトに接触し、破損または損傷する恐れがあった。また、コネクタの抜き差しスペースを確保するために、他のデバイスの配置を考慮したり、また極端な場合は、設置ができなくなる等、スペースを有効に使えなかった。さらに、マザーボード上や装置内部の光モジュール同士の接続を行う際には、コネクタの差込み移動量及び作業性のために光ファイバに余長を設けることが必要であるが、この光ファイバの余長により、マザーボード上や装置内で光ファイバが嵩張り、過大なスペースが必要となる。さらにまた、マルチモード光ファイバを用いる際には、光ファイバに余分な弛み等ができ、モーダルノイズが過多に発生し、装置の光学特性に多大な影響を及ぼす恐れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術のおける上記のような問題点を解決することを目的としてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、上記のような光素子、光回路パッケージ、光回路装置等の端部から引き出された光ファイバを接続する際、特にプリント基板(例えば、マザーボード等)上や装置内での光ファイバを接続する際に、光ファイバ、特に被覆を除去した光ファイバ素線同士の軸合わせをして接続するためのプラグをアダプタに固定する場合において、作業者が接続作業を負担なく行なえ、光ファイバが損傷せず、基板上のスペースを有効に使用できる光ファイバの接続方法および光ファイバ接続構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ファイバ接続方法は、フェルールを備えたプラグを用いて光ファイバを接続する方法であって、光ファイバをフェルールに固定した1対のプラグの少なくとも一方のフェルールに、フェルール位置合わせ部材をスライド可能に装着する工程と、各プラグのフェルールを近接対向させる工程と、フェルール位置合わせ部材を、対向するフェルールの端部が該フェルール位置合わせ部材の内部に位置するように光ファイバの中心軸方向にスライドさせる工程と、対向したフェルール同士を突き合わせる工程を有することを特徴とする。本発明において、プラグは、複数のフェルールを備えたものであってもよい。
【0007】
また、本発明において、上記光ファイバをフェルールに固定したプラグは、光ファイバ中心軸に対し垂直方向からアダプタに装着する工程を有していてもよい。その場合、具体的には、2つの態様がある、その一つは、光ファイバをフェルールに固定した1対のプラグの少なくとも一方のフェルールに、フェルール位置合わせ部材をスライド可能に装着する工程と光ファイバをフェルールに固定した各プラグを、光ファイバ中心軸に対し垂直方向からアダプタに装着、固定して、各プラグのフェルールを近接対向させる工程と、フェルール位置合わせ部材を、対向するフェルールの端部が該フェルール位置合わせ部材の内部に位置するように光ファイバの中心軸方向にスライドさせる工程と、対向したフェルール同士を突き合わせる工程を有することを特徴とする。
【0008】
また、他の一つは、フェルール位置合わせ部材をスライド可能に装着したアダプタを用いるものであって、具体的には、光ファイバをフェルールに固定した1対のプラグの一方を、フェルール位置合わせ部材がスライド可能に装着されたアダプタに、光ファイバ中心軸に対して垂直方向から装着し、フェルール位置合わせ部材をスライドさせてフェルールに装着する工程と、他方のプラグを光ファイバ中心軸に対して垂直方向から該アダプタに装着してフェルールを近接対向させる工程と、フェルール位置合わせ部材を、対向するフェルールの端部が該フェルール位置合わせ部材の内部に位置するように光ファイバの中心軸方向にスライドさせる工程と、対向したフェルール同士を突き合わせる工程を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の光ファイバ接続構造は、光ファイバをフェルールに固定した少なくとも1対のプラグと、光ファイバの中心軸方向にスライド可能に装着されたフェルール位置合わせ部材と、該プラグを光ファイバ中心軸に対し垂直方向に固定するアダプタとを有する光ファイバ接続構造において、該フェルール位置合わせ部材を光ファイバ中心軸方向にスライドさせることによって、突き合わされたフェルールの端部が該フェルール位置合わせ部材の内部に位置するようにしたことを特徴とする。この場合、前記フェルール位置合わせ部材は、予めアダプタに装着されたものであってもよく、また、前記フェルール位置合わせ部材は、予め一対のプラグの少なくとも一方のフェルールに装着されていたものでもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光ファイバ接続方法を説明する工程図である。図2は、図1の光ファイバ接続方法に用いる光ファイバを固定し、フェルールを備えたプラグを示す斜視図であり、図3は、貫通孔を有するフェルール位置合わせ部材の斜視図である。
【0011】
図1〜3に示すように、本発明の光ファイバの接続に用いるプラグ15にはフェルール13が装着されており、そのフェルール13には光ファイバ11が固定されている。また、フェルール位置合わせ部材17は、フェルール13が挿入された際に、フェルール中心に位置する光ファイバ11の位置合わせがなされる精度を有する貫通孔を有している。
【0012】
図1に示す本発明の光ファイバの接続方法は、まず、光ファイバ11、12を固定し、さらにフェルール13、14を固定した図2に示すような1対のプラグ15、16と、フェルール位置合わせ部材17を用いてなされる。先ず、図1(a)に示すように、一方のプラグ15とフェルール位置合わせ部材17を用意し、図1(b)に示すように、フェルール位置合わせ部材17をフェルール13に装着する。次に、図1(c)に示すように、上記のプラグ15のフェルール13と他方のプラグ16のフェルール14とを対向させて、フェルール端面19および20を近接対向させる。その後、図1(d)に示すように、フェルール位置合わせ部材17をフェルール13、14に沿ってスライドさせることによって、その内部に2つのフェルール端面19および20が位置するようにし、フェルール13、14の位置合わせが完了する。その後、プラグ15、16または、フェルール13、14自身に光ファイバ中心軸方向に押圧力を加えることによって、フェルール端面同士を突き合わせ、光ファイバ11、12の接続が完了する。なお、光ファイバ端部に屈折率整合剤を塗布し、フェルール端面同士を突き合わせることも可能である。上記の場合、フェルールを対向させることは、フェルール同士を接続させずに、向かい合わせることを示しており、フェルールを突き合わせることは、押圧力をかけ接触させることをいう。本発明においては、図1(b)に示すように、予めフェルール13にフェルール位置合わせ部材17を装着したプラグ15を用意しておけば、接続時にフェルール位置合わせ部材をフェルールに装着させる工程が必要なくなるため、接続工程を簡略化することになる。
【0013】
図4は、本発明の光ファイバ接続方法の他の一例を説明する工程図である。図4(a)に示すように、位置合わせ部材21、22を装着した1対のプラグ15、16を対向させる。次いで、図4(b)に示すように2つのフェルール位置合わせ部材を突き合わせ、2つのフェルール位置合わせ部材を同時に光ファイバの軸方向(図面右方向)にスライドさせ、2つのフェルール13、14のフェルール端面19、20がフェルール位置合わせ部材内部21に位置する。それにより2つのフェルール13、14の位置合わせが完了する。その後、プラグ15、16または、フェルール13、14自身に光ファイバ中心軸方向に押圧力を加えることによってフェルール端面同士を突き合わせ、光ファイバ11、12の接続が完了する(図4(c))。なお、光ファイバ端部に屈折率整合剤を塗布し、フェルール端面同士を突き合わせることも可能である。
【0014】
上記図1および図4に記載の接続方法においては、光ファイバ中心軸の垂直方向から光ファイバを固定したフェルールを位置合わせ・接続することができるので、挿入する光ファイバを湾曲させたり、光ファイバ中心軸方向にフェルールを移動させたり、光ファイバをフェルール位置合わせ部材に挿入する必要はなくなり、光ファイバを湾曲できないような長さ数センチメートル程度の短距離での光ファイバ接続が可能となる。また、フェルールを有するプラグを上方向から装着することが可能となり、プリント基板上で接続する際に、光ファイバ中心軸方向にプラグを移動させる必要がなく、接続スペースの省略化が可能となる。
【0015】
本発明の光ファイバ接続方法に使用される光ファイバは、形成される光ファイバ接続部品の適用目的に応じて適宜選択して使用され、例えば、石英またはプラスチック製のシングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバ等が好ましく使用される。なお、光ファイバ端部はカットして、光ファイバ端部がフェルール端部近傍に位置するようにフェルールに固定し、そのまま使用してもよいし、また、フェルールに固定後、フェルールと一体で端部を研磨して使用してもよい。
【0016】
上記光ファイバ接続方法に使用されるプラグの材質は、形状を維持できるものであれば、特に限定されない。接続をする1対のプラグは、その材質が同一でも異なっていてもよく、光ファイバ種、設置環境により、適用目的に応じて適宜選択して使用されるが、ガラス、プラスチック、セラミックや、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属が好ましく使用される。また、プラグはフェルールと一体成形で作製されたものであっても構わない。
【0017】
使用されるフェルールの材料及び形状は、特に限定されず、材料としてはジルコニア、ガラス、プラスチック、セラミック、金属等で作製されたものが好ましく使用される。また、断面形状は、円、四角のものが好ましく使用される。光ファイバを挿入し固定する貫通孔形状は、光ファイバを安定して固定可能な形状であれば如何なる形状でもよいが、円筒状、三角柱状が好ましく使用される。また、光ファイバは、フェルールに接着剤で永久固定させても、機械的に把持させ、取り替え可能な状態にしても構わない。さらに、フェルールが有する貫通孔の数にも制限はなく、保守点検等の用途で、複数本の光ファイバが固定できる貫通孔を有していても構わない。
【0018】
フェルール位置合わせ部材は、フェルール種、光ファイバ種、設置環境により、適宜選択して使用されるが、ガラス管、プラスチック管、金属管、セラミック管が好ましく使用される。さらに、数種類の複合材料により構成されても構わない。例えば、プラスチックまたはガラス製のV字溝を有する部材に金属管を整列させ、固定部材で固定したものが挙げられる。フェルール位置合わせ部材に設ける貫通孔の数は、フェルール位置合わせ部材の強度、位置精度、穴形が保持できれば、特に限定されるものではない。例えば、一列に多数の貫通孔を設け、多数本のフェルールを同時に位置合わせすることや、保守点検用に接続される光ファイバよりも多く設けることも可能である。なお、フェルール位置合わせ部材に設ける貫通孔の形状は、フェルールの形状によって適宜選択して使用される。例えば、円柱状のフェルール同士を接続する際には、円筒状、三角柱状、四角柱状のものが好ましく使用される。また、V字溝を有する部材上部に平面板を配置させ、三角柱状の貫通孔を有するフェルール位置合わせ部材として用いても構わない。これらの貫通孔は、フェルールの挿入をより容易にするために、その内径が貫通孔端面において最も大きく、中央部付近で最も小さくなっているものが好ましい。例えば、貫通孔端面が面取り、またはコーン状のものを使用すればよい。また、フェルール位置合わせ部材の外形は,特に限定されず、適宜選択して使用することができる。
【0019】
図5は、本発明の光ファイバ接続方法および接続構造に用いるアダプタの一例の斜視図である。図6は、図5のアダプタを用いて固定する場合の本発明の光ファイバ接続方法を説明する工程図である。本発明の他の光ファイバ接続構造は、光ファイバ11、12が固定されたフェルール13、14を固定した1対のプラグ15、16と、図3に示すようなフェルール位置合わせ部材17、さらには図5に示すアダプタ23で構成される。まず、一方のプラグ15のフェルール13にフェルール位置合わせ部材17を装着し、図6(a)に示すように、プラグ15を上方向からアダプタ23に装着する。次いで、図6(b)に示すように、他方のプラグ16をアダプタ23の上方向からフェルール端面19、20を向かい合せてアダプタ23に装着する。その後、図6(c)に示すように、フェルール位置合わせ部材17をフェルール13、14に沿ってスライドさせることにより、その位置合わせ部材内部に2つのフェルール端面19、20が位置するようにする。それによりフェルール13、14の位置合わせが完了する。その後、プラグ15、16または、フェルール13、14自身に光ファイバ中心軸方向に押圧力を加えることによって、フェルール端面同士がPC接続され、光ファイバ11、12の接続が完了する。このように、アダプタにプラグを固定させることにより、接続工程が安定して行えるようになり、また、プリント基板等に容易に固定することができる。上記貫通孔の外周の一部を切り離した割りスリーブの形で使用してもよい。それによって、フェルールを安定して保持させることが可能となる。
【0020】
上記のようにして接続された本発明の光ファイバ接続構造において、プラグを光ファイバ中心軸に対して垂直方向すなわちアダプタに対して上方からの脱着を繰り返すことができるようにするために、プラグまたはアダプタにラッチ及びラッチ係合部を設け、アダプタ上方から機械的に固定するようにするのが好ましい。ラッチ及びラッチ係合部の形状及び係合方法は、公知の如何なるものでも使用することが可能である。ラッチ部は、プラグまたはアダプタに一体に成形してもよく、また、ラッチのみを他の材料で作製し、プラグまたはアダプタに組み付ける形態にしてもよい。なお、上部方向からプラグをアダプタに挿入することについて説明したが、逆に下部からプラグをアダプタに挿入しても何等問題はない。プラグとフェルールの固定方法は特に限定されず、機械的、または接着剤等で固定してもよい。さらにフェルール間の押圧力を維持する方法も特に限定されないが、プラグとフェルールの間にエラストマ、バネ等、弾力のあるものを介する方法がより好ましく使用される。
【0021】
図7は、本発明の光ファイバ接続方法および接続構造に用いるアダプタの他の一例の斜視図である。図8は、図7のアダプタを用いて固定する場合の本発明の光ファイバ接続方法を説明する工程図である。本発明のさらに他の光ファイバ接続構造は、図2に示す場合と同様にして作製した一対のプラグ15、16と図7に示すアダプタ24により構成される。アダプタ24には、フェルール位置合わせ部材25がスライド部材26に装着された状態で備えられており、光ファイバ中心軸方向にスライドさせることができる。まず、図8(a)のように、フェルール位置合わせ部材25を右方向にスライドさせ、一方のプラグ15を上方向からアダプタ24に装着する。その後、フェルール位置合わせ部材を左方向にスライドさせて、プラグ15のフェルール13にフェルール端部がフェルール位置合わせ部材25を貫通するように装着し、次で他方のプラグ16をアダプタ上方から装着する(図8(b))。次いで、フェルール13、14がフェルール位置合わせ部材25内に位置するようにフェルール位置合わせ部材25を右にスライドさせることにより、フェルール13、14の位置合わせが完了する。その後、プラグ15、16またはフェルール13、14自身に光ファイバ中心軸方向に押圧力を加えることにより、フェルール端面同士がPC接続され、光ファイバ11、12の接続が完了する(図8(c))。上記の場合、プラグを装着する前にアダプタ上にフェルール位置合わせ部材をスライド可能に装着しておくことにより、アダプタ上でフェルール位置合わせ部材を装着する必要がなくなり、さらに、プラグの構成部品も少なくなり、接続工程の簡略化をはかることができる。
【0022】
また、本発明の光ファイバ接続方法は多数本の光ファイバの接続に対応できる。図9および図10はその場合の光ファイバ接続構造の平面図である。図9に示すように、アダプタ27上に、1つのプラグに1つのフェルールを備えたものを多数個並列させて固定することや、図10に示すように、アダプタ30上に、1つのプラグに多数本のフェルールを固定したものを固定し、複数の光ファイバを一括接続することも可能である。
【0023】
アダプタの形状は、プラグを固定でき、さらにフェルール位置合わせ部材をスライドすることができれば、如何なる材質及び形状でも構わない。材質としては、プラスチック、セラミック、金属等が好ましく使用され、形状は、基板上に固定し易いように平面状であることが好ましく、固定用冶具が加工されていても構わない。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
プラグとして、図11(a)に示すMU形簡易プラグ(三和電気工業製、ジルコニアフェルール含む)を2個使用した(41、42)。光ファイバ心線43、44(古河工業社製、900μm径)の被覆を端部付近を除去することによって光ファイバ素線(125μm径)を剥き出しにし、フェルール(46、47)に挿入し、固定・研磨することによって、光ファイバ接続プラグを用意した。また、アクリル性樹脂を加工し、図11(b)に示すようなアダプタ45を作製した。次いで、プラグに設けられたフェルール46に、金属割りスリーブ(三和電気工業製、リン青銅製)48を装着し、プラグ41をアダプタ45に上方から装着した(図12(a))。その後、同様にプラグ42をアダプタ45に上方から装着しフェルール端面同士を近接対向させた(図12(b))。その後、割りスリーブ48をその内部に2つのフェルール端部を位置させるまでスライドさせた。さらに、プラグ同士に押圧力をかけてフェルール端面を突き合わせ、本発明の光ファイバ接続構造を作製した(図12(c))。
【0025】
得られた光ファイバ接続構造は、上部からプラグを装着するために、光ファイバが破損することなく、容易に光ファイバ同士を接続することができた。
その後、接続点において接続損失を測定したところ、0.2dB以下であり、光学接続部品として十分使用可能であった。
【0026】
実施例2
実施例1と同様にして、光ファイバ接続プラグ41、42、アクリル樹脂アダプタ45を作製した。次いで、プラグのフェルール46、47に、金属割りスリーブ(三和電気工業製、リン青銅製)49、50を装着し(図13(a))、プラグ41、42をアダプタ45に上方から装着して、フェルール端面同士を近接対向させた(図13(b))。その後、1つの割りスリーブ49の内部に2つのフェルール端部を位置させるまで割りスリーブを右方向に同時にスライドさせた。さらに、プラグ同士に押圧力をかけフェルール端面を突き合わせ、本発明の光ファイバ接続構造を作製した(図13(c))。
【0027】
得られた光ファイバ接続構造は、上部からプラグを装着するために、光ファイバが破損することなく、容易に光ファイバ同士を接続することができた。
その後、接続点において接続損失を測定したところ、0.2dB以下であり、光学接続部品として十分使用可能であった。
【0028】
実施例3
実施例1と同様にして、光ファイバ接続プラグ41、42を作製した。また、図14に示すようにアクリル樹脂を加工し作製したアダプタ51に、金属性割りスリーブ48を設けたアクリル樹脂製スライド部材52を設けた。次いで、プラグ41をアダプタ51に上方から装着し(図15(a))、スライド部材52を左にスライドさせ、割りスリーブ48をフェルール46に装着した(図15(b))。次に、もう一方のプラグ42をアダプタ51に装着し、フェルール46、47端面同士を近接対向させた(図15(c))。その後、割りスリーブ48の内部に2つのフェルール端部を位置させるまでスライド部材(図14の52)を右方向にスライドさせた。さらに、プラグ同士に押圧力をかけフェルール先端を密着させ本発明の光ファイバ接続構造を作製した(図15(d))。
【0029】
得られた光ファイバ接続構造は、上部からプラグを装着するために、光ファイバが破損することなく、容易に光ファイバ同士を接続することができた。
その後、接続点において接続損失を測定したところ、0.2dB以下であり、光学接続部品として十分使用可能であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明の光ファイバ接続方法は、上記の構成を有するから、光素子、光回路パッケージ、光回路装置等の端部から引き出された光ファイバを有する構造体を、プリント基板(例えば、マザーボード等)上や装置内での光ファイバの接続の際に、光ファイバ、特に光ファイバを固定したフェルール同士の軸合わせをして接続するための軸合わせを行う際に、光ファイバを固定したフェルールを備えたプラグを上方からアダプタに装着することができ、そしてフェルール位置合わせ部材を光ファイバ中心軸方向にスライドさせることにより、光ファイバを損傷させることなく狭いスペースにおいて容易に光ファイバの接続を行うことができる。したがって、作業者が接続作業を上方向から負担なく行なうことができる。またプリント基板上で接続する際に、光ファイバ中心軸方向にプラグを移動させる必要がなく、基板上のスペースを有効に使用することができる。さらに、フェルール位置合わせ部材として割りスリーブを用いることにより、従来の光コネクタと同様の接続損失を得ることができ、したがって、歩留りが向上して、接続作業効率が向上する効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ接続方法を説明する工程図である。
【図2】 図1の接続方法に用いる光ファイバを固定したフェルールを備えたプラグの一例を示す斜視図である。
【図3】 図1の接続方法に用いる貫通孔を有するフェルール位置合わせ部材の斜視図である。
【図4】 本発明の光ファイバ接続方法の他の一例を説明する工程図である。
【図5】 本発明の光ファイバ接続方法および接続構造に用いるアダプタの一例の斜視図である。
【図6】 図5のアダプタを用いて固定する場合の本発明の光ファイバ接続方法を説明する工程図である。
【図7】 本発明の光ファイバ接続方法および接続構造に用いるアダプタの他の一例の斜視図である。
【図8】 図7のアダプタを用いて固定する場合の本発明の光ファイバ接続方法を説明する工程図である。
【図9】 本発明の光ファイバ接続構造の一例の平面図である。
【図10】 本発明の光ファイバ接続構造の他の一例の平面図である。
【図11】 実施例1におけるプラグの断面図およびアダプタの斜視図である。
【図12】 実施例1における光ファイバ接続方法を説明する工程図である。
【図13】 実施例2における光ファイバ接続方法を説明する工程図である。
【図14】 実施例3におけるアダプタの斜視図である。
【図15】 実施例3における光ファイバ接続方法を説明する工程図である。
【符号の説明】
11、12…光ファイバ、13、14…フェルール、15、16、28、29…プラグ、17、21、22、25…フェルール位置合わせ部材、19、20…フェルールの端部、23、24、27、30…アダプタ、26…スライド部材、41、42…MU形簡易プラグ、43、44…光ファイバ心線、45、51…アクリル樹脂アダプタ、46、47…フェルール、48、49、50…割りスリーブ、52…スライド部材。

Claims (3)

  1. フェルールを備えたプラグを用いて光ファイバを接続する方法において、光ファイバをフェルールに固定した1対のプラグの一方を、フェルール位置合わせ部材がスライド可能に装着されたアダプタに、光ファイバ中心軸に対して垂直方向から装着し、フェルール位置合わせ部材をスライドさせてフェルールに装着する工程と、他方のプラグを光ファイバ中心軸に対して垂直方向から該アダプタに装着してフェルールを近接対向させる工程と、フェルール位置合わせ部材を、対向するフェルールの端部が該フェルール位置合わせ部材の内部に位置するように光ファイバの中心軸方向にスライドさせる工程と、対向したフェルール同士を突き合わせる工程を有することを特徴とする光ファイバ接続方法。
  2. プラグが複数のフェルールを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ接続方法。
  3. 光ファイバをフェルールに固定した少なくとも1対のプラグと、光ファイバの中心軸方向にスライド可能に装着されたフェルール位置合わせ部材と、該プラグを光ファイバ中心軸に対し垂直方向に固定するアダプタとを有する光ファイバ接続構造において、該フェルール位置合わせ部材が予めアダプタに装着されたものであり、該フェルール位置合わせ部材を光ファイバ中心軸方向にスライドさせることによって、突き合わされたフェルールの端部が該フェルール位置合わせ部材の内部に位置するようにしたことを特徴とする光ファイバ接続構造。
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