JP5065340B2 - 光ファイバ接続器 - Google Patents
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まず、本発明の第1の実施形態を図1乃至図9を参照して説明する。
本発明の第1の実施形態に係る光ファイバ接続器は、プラグ100と、アダプタ500とから構成される。光ファイバは、ガラス部109の外径が125μmであり、ガラス部109を覆った被覆108の外径が250μm程度である光ファイバ心線107を使用する。
図1において、光ファイバ接続器のプラグ100は、溝部101と、蓋部102と、クランパ103と、係止穴104と、被覆剥ぎ取り刃105と、光ファイバ軸方向に並列した固定刃106とを備える。プラグ100は、光ファイバ107を把持する光ファイバ把持部を備えている。光ファイバ把持部は、溝部101と、蓋部102と、蓋部102を溝部101へ押さえつけて光ファイバを把持するクランパ103とから構成される。
図2において、光ファイバ心線107は、プラグ100の後端部より溝部101と蓋部102で構成した隙間へ挿入される。光ファイバ心線107をプラグ100へ挿入するとき、クランパ103は、プラグ100の先端側へ移動させて、クランパ103が蓋部102を押し付けない状態にしている。プラグ100は、光ファイバ107の軸方向と直交した状態で被覆剥ぎ取り刃105を備えており、光ファイバ把持部を通過させた光ファイバ心線107が被覆剥ぎ取り刃105と接触することにより、光ファイバ心線107の被覆の一部が剥ぎ取られる。被覆を剥ぎ取った後で被覆剥ぎ取り刃105をプラグ100から抜き取る。抜取った被覆剥ぎ取り刃105は他のプラグを組み立てるときに再利用する。
図3では、光ファイバ107の先端とプラグ100の先端の位置を一致させた状態で、クランパ103を蓋部102の上へ移動させて光ファイバ心線107を把持した状態を示している。
図4において、溝部101と蓋部102とは、光ファイバ107の軸方向に並列した固定刃106を備えており、被覆108を貫通した固定刃106が光ファイバ107のガラス部109と直接接触して光ファイバ107を把持している。樹脂である被覆108の上から光ファイバ心線107を把持する場合と比べて、ガラス部109を直接固定することにより光ファイバ心線107の把持力を向上させることができる。
図5において、アダプタ500は、接続する光ファイバ107同士を整列させる光ファイバ整列部501と、係止片505とを備えている。光ファイバ整列部501は、基板部502と蓋部503と、屈折率整合剤504とから構成される。
図6において、プラグ100で被覆108の一部が剥ぎ取られた光ファイバ心線107が光ファイバ整列部501へ挿入されている。光ファイバ整列部501の蓋部503がプラグ100により基板部502側へ押し付けられる。また、クランパ103は、クランパの延伸部110と、クランパの光ファイバ把持部111とを備え、クランパの光ファイバ把持部111により、光ファイバ心線107を把持している。
図7において、被覆108が剥ぎ取られ露出したガラス部109が基板部502と接触して基板部502側へ光ファイバ心線107の被覆108を押し付けている。完全に被覆108を装着した状態の光ファイバ心線107は被覆108の肉厚が一定でなく、被覆108の外径に対してガラス部109の位置も偏心しているため、被覆108の上から押さえつけるだけでは光ファイバ107のコア同士を高精度に整列させることができない。本発明では、被覆108の一部を剥ぎ取ることにより露出したガラス部109を利用して、突き合わせる光ファイバ107のコア同士を高精度に整列している。光ファイバ整列部501の中心には屈折率整合剤504があり、この屈折率整合剤504が突き合わせた光ファイバ107間でのフレネル反射を抑制する。プラグ100とアダプタ500は、プラグ100の係止穴104とアダプタ500の係止片505が嵌合することによりプラグ100とアダプタ500の接続を維持している。
図8において、蓋部102を押し付けているクランパ103をアダプタ500側へ移動させることにより光ファイバ心線107の把持を解除することができるため、プラグ100とアダプタ500を接続した状態のまま、光ファイバ107だけを抜き取ることができる。
図9において、さらにクランパ103をアダプタ500側へ移動させることにより、クランパ103の延伸部110がプラグ100の係止穴104とアダプタ500の係止片505の嵌合を解除して、プラグ100とアダプタ500の接続を解除することができる。
本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ接続器は、プラグ1100と、アダプタ1400とから構成される。光ファイバは、ガラス部1001の外径が125μmであり、ガラス部1001を覆った被覆1002の外径の250μm程度である光ファイバ心線1000を使用する。被覆1002を除去せずに光ファイバ心線1000を切断して、光ファイバ端面をテーパ加工する。テーパ加工は、光ファイバを研磨シートなどに撓ませて押し付け、円軌道を描かせることにより実現できる。光ファイバをPC接続するために従来の光コネクタでは光ファイバ端面を研磨していたが、非特許文献1に示すように劈開した光ファイバ端面をテーパ加工することで研磨処理をすることなく光ファイバ端面をPC接続することができる。
図10に示すように、被覆1002を除去せずにテーパ加工を実施したとき、研磨シートと接触した部分は被覆1002とガラス1001が削られた状態となる。
図11において、プラグ1100は、溝部1101と、蓋部1102と、クランパ1103と、係止穴1104と、光ファイバ撓み空間1105と、並列した固定刃1106とを備える。また、プラグ1100は、光ファイバ1000を把持する光ファイバ把持部を備えている。光ファイバ把持部は、溝部1101と、蓋部1102と、蓋部1102を溝部1101へ押さえつけて光ファイバ1000を把持するクランパ1103で構成され、図4に示した光ファイバ把持部と同じ構造で光ファイバ心線1000を把持する。
図12において、光ファイバ心線1000は、プラグ1100の後端部より溝部1101と蓋部1102とで構成した隙間へ挿入される。光ファイバ心線1000をプラグ1100へ挿入するときは、クランパ1103はプラグ1100の先端側へ移動させて、クランパ1103が蓋部1102を押し付けない状態としている。
図13において、挿入された光ファイバ心線1000の先端がプラグ1100先端面から100μm程度突き出した状態で、クランパ1103を蓋部1102の上へ移動させて、蓋部1102を溝部1101へ押し付けて光ファイバ心線1000を把持する。
図14において、アダプタ1400は、接続する光ファイバ1000同士を整列させる光ファイバ整列部1401と、係止片1402とを備えている。
図15において、光ファイバ心線1000の先端部は図10に示した状態で光ファイバ整列部1401へ挿入される。光ファイバ整列部1401は125μmから126μmの範囲の内径を有する穴であり、光ファイバのガラス部の外径よりわずかに大きくしている。
図16において、光ファイバ心線1000が光ファイバ整列部1401の細径穴へ挿入される。テーパ加工した光ファイバ心線1000が光ファイバ整列部1401に挿入されるとき、被覆1002が細径穴1403の端部で剥ぎ取られて光ファイバ1000のガラス部1001のみが穴の中へ挿入される。被覆1002が付いた状態のままテーパ加工することにより光ファイバ先端部近くの被覆1002がガラス1001から剥がれた状態となるため、光ファイバ107を光ファイバ整列部1401の穴1403へ挿入するだけで被覆1002を除去することが可能になる。光ファイバ心線1000の状態でプラグ1100に把持してアダプタ1400へ挿入しても、光ファイバ整列部1401の細径穴1403では光ファイバ1000のガラス部109の外径を利用して光ファイバ1000のコア同士を高精度に整列することができる構造となっている。テーパ加工された光ファイバ1000の先端部の形状が、テーパ角度で30度から60度で、端面直径で30μmから50μmである光ファイバ心線1000を使用する。テーパ加工されていない光ファイバ107のガラス部109の外径を細径穴1403内へ確実に挿入して整列させるために光ファイバ整列部1401の長さは0.5mmより長くする。
図17において、蓋部1102を押し付けているクランパ1103をアダプタ1400側へ移動させることにより光ファイバ心線1000の把持を解除することができるため、プラグ1100とアダプタ1400を接続した状態のまま、光ファイバ1000だけを抜き取ることができる。
図18において、さらにクランパをアダプタ側へ移動させることにより、クランパ1103の延伸部がプラグ1100の係止穴1104とアダプタ1400の係止片1402の嵌合を解除して、プラグ1100とアダプタ1400の接続を解除することができる。
101、1101 溝部
102、1102 蓋部
103、1103 クランパ
104、1104 係止穴
105 被覆剥ぎ取り刃
106、1106 固定刃
107、1000 光ファイバ心線
108、1002 被覆
109、1001 ガラス部
110 クランパの延伸部
111 クランパの光ファイバ把持部
500、1400 アダプタ
501、1401 光ファイバ整列器
502 基板部
503 蓋部
504 屈折率整合剤
505 係止片
1105 光ファイバ撓み空間
Claims (5)
- 被覆を除去することなく光ファイバを把持するプラグと、
光ファイバ同士を対向整列させる光ファイバ整列部を有するアダプタとを備える光ファイバ接続器であって、
前記プラグは、溝部と、蓋部と、前記蓋部を前記溝部へ押さえつける光ファイバを把持するためのクランパとから構成される光ファイバ把持部とを備え、
前記溝部と前記蓋部のそれぞれは、前記光ファイバの被覆を貫通して光ファイバのガラス部と接触する固定刃を前記光ファイバと同軸方向に備え、
前記クランパは、前記蓋部を前記溝部へ押さえつける把持部と、アダプタの係止片とプラグの係止穴の嵌合を解除する延伸部とから構成されることを特徴とする光ファイバ接続器。 - 前記プラグは、光ファイバの軸方向と直交する刃を備え、
前記光ファイバ整列部は、前記プラグの刃により被覆の一部が剥ぎ取られて露出した光ファイバのガラス部が接触する基板部と、前記光ファイバ心線の被覆を前記基板部へ押し付ける蓋部とから構成され、前記プラグと前記アダプタを嵌合したとき、前記プラグの先端部が前記光ファイバ整列部の前記蓋部を前記基板部へ押し付けることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ接続器。 - 前記光ファイバ整列部は、屈折率整合剤を備え、光ファイバ同士を接続することを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ接続器。
- 前記光ファイバ整列部は、内径が125μmから126μmである細径穴を有し、
前記光ファイバは、端面をテーパ加工した状態で前記プラグに把持され、
前記プラグは、前記光ファイバ整列部と光ファイバ把持部との間に光ファイバの撓みを許容する空間を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ接続器。 - 前記光ファイバは、前記撓みを許容する空間で撓んで発生する光ファイバ自身の弾性復元力によりPC接続されることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ接続器。
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