JP2002323642A - Fpcコネクタ用光ファイバおよびその接続端面形成方法 - Google Patents

Fpcコネクタ用光ファイバおよびその接続端面形成方法

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JP2002323642A
JP2002323642A JP2001211328A JP2001211328A JP2002323642A JP 2002323642 A JP2002323642 A JP 2002323642A JP 2001211328 A JP2001211328 A JP 2001211328A JP 2001211328 A JP2001211328 A JP 2001211328A JP 2002323642 A JP2002323642 A JP 2002323642A
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optical fiber
face
fpc connector
polishing plate
connection end
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JP2001211328A
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Yoshiteru Abe
宜輝 阿部
Masaru Kobayashi
勝 小林
Shuichiro Asakawa
修一郎 浅川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い押圧力でもPC接続し、良好な光学特性
をもつFPCコネクタ用の光ファイバおよびその接続端
面形成方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバ保持部10からの光ファイバ
の突き出し長さLと、光ファイバ保持部と研磨板22と
の間の距離dとの関係を適切に設定し、その後、前記そ
れぞれの長さの設定を維持したまま、研磨板を回転させ
て光ファイバ端面をテーパ加工または研磨加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバおよびそ
の接続端面形成方法に関し、より詳しくは、光ファイバ
の座屈による弾性復元力を利用して光ファイバ同士を接
続する後述のコネクタ(以下、FPCコネクタと称す
る)に用いられる光ファイバおよびその接続端面形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度、多心接続を目的として、コアと
クラッドから構成されるベアファイバや、折れ防止のた
めにクラッド層の周りに厚さ5μm程度のポリマー保護
層が被覆されたPSC(Polymer Skin Coated)ファイ
バを細径孔(マイクロホール)内で、ファイバ自身の座
屈による弾性復元力によって加圧密着、すなわちPC接
続(PC:Physica1 Contact)させる
FPC(Fiber Physica1 Contac
t)コネクタがある。
【0003】このFPCコネクタの分解斜視図とその組
立図を図1(a),(b)に示した。FPCコネクタで
は、良好な光学特性を得るために接続端面が所定の形態
に加工形成された光ファイバを用い、その光ファイバが
取り付けられるプラグPが2つと、両プラグPに取り付
けられた光ファイバの軸心を揃えるためのアダプタA
と、プラグPを一体化するためのクリップCからなる。
光ファイバをプラグPの保持部P−1に固定し、端面加
工した光ファイバの先端をアダプタAの整列孔A−1の
一方の開口から挿入し、もう一つのプラグPに取り付け
られた光ファイバの先端をも同様に挿入し、クリップC
で全体を固定することで、光ファイバ先端を結合してい
る。
【0004】このとき、光ファイバをその先端がプラグ
Pから若干の距離だけ突き出すように保持部P−1に保
持させることで、その光ファイバの先端部で座屈が生
じ、この座屈による弾性復元力により、両光ファイバは
PC接続する。座屈長を7mmとすると、その加圧する
力は70g程度となる。このFPCコネクタを利用する
に際し、光ファイバの接続端面の形成加工は、コネクタ
の特性を左右する重要な工程である。端面加工におい
て、70g以内の押圧力で、PC接続する光ファイバに
形成加工することが必要である。
【0005】FPCコネクタ用の光ファイバOFの接続
端面は、図2に示すように、テーパ面または面取り面O
F−1および先端面OF−2を有している。そして、こ
のテーパ面OF−1は光ファイバOFの軸線に対しテー
パ角度θをなし、先端面OF−2は曲率半径Rの球面に
合う曲率を有している。さらに、先端面OF−2は、端
面が光ファイバOFの軸線に直交する平坦面である場合
からの角度ずれである傾き角度Δθを有している。テー
パ面OF−1は光ファイバOFをアダプタAヘ挿入する
ことを容易にすることと、細径孔A−1内にある小さな
ゴミを挿入時にテーパ面へ逃がすことを目的とするもの
であり、曲率を有する先端面OF−2は、接続する端面
同士を良好な光学特性でPC接続させることを目的とす
るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかるFP
Cコネクタ用の光ファイバにおいて、上述のテーパ角
θ、端面の曲率半径Rおよび傾き角度Δθについての最
適値は知られておらず、その結果、接続端面の形成加工
法としてのテーパ加工法および研磨加工法も確立されて
いないのが現状である。
【0007】テーパ加工法において、光ファイバ保持部
からの光ファイバの突き出しの長さを、光ファイバ保持
部と研磨板の距離より長くなるように設定する際、光フ
ァイバ保持部からの光ファイバの突き出しの長さと光フ
ァイバ保持部と研磨板の距離とテーパ角度との関係が明
確でなく、所望のテーパ角度をつけることが難しかっ
た。
【0008】また、研磨加工法においても、加工後、マ
スタファイバとの突き合わせで、光学特性とPC接続す
るために必要な荷重から合否を判断せざるを得ず、多数
本の処理において時間を要するし、また、マスタファイ
バとの突き合わせで合格した光ファイバを、実際にFP
Cコネクタで使用した場合に、合格した光ファイバ同士
を用いても、良好な光学特性をもって接続できないこと
があった。
【0009】本発明の目的は、かかる従来の問題を解決
し、所望のテーパ角度θ、端面の曲率半径Rおよび傾き
角度Δθの接続端面を有するFPCコネクタ用の光ファ
イバを提供すると共に、テーパ加工において、テーパ角
度を加工条件のセッティングによりコントロールし、所
望のテーパ角度をもつ光ファイバに加工することと、研
磨加工において、加工条件のセッティングにより、低い
押圧力でもPC接続し、良好な光学特性をもつFPCコ
ネクタ用の光ファイバの接続端面形成方法を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の一形態によるFPCコネクタ用光ファイバは、接続
端面が20度以上、50度以下のテーパ角度を有するこ
とを特徴とする。
【0011】なお、この接続端面のテーパ角度は、25
度以上、50度以下であることがより好ましく、30度
以上、50度以下であるのが最も好ましい。
【0012】本発明の他の形態によるFPCコネクタ用
光ファイバは、接続端面の端面曲率半径が4mmより大
きいことを特徴とする。
【0013】なお、この端面曲率半径は、5mm以上で
あればより好ましく、6mm以上であるのが最も好まし
い。
【0014】本発明のさらに他の形態によるFPCコネ
クタ用光ファイバは、弾性復元力によって端面同士をF
PC接続させるべくそれぞれ接続端面が形成されたFP
Cコネクタ用光ファイバであって、接続のための押圧力
をFとするとき、前記接続端面の傾き角度Δθが次式を
満たすように形成されていることを特徴とする。 Δθ ≦ 1/2 ×{(F + 13)/45}(°)
【0015】また、上記目的を達成する本発明の一形態
によるFPCコネクタ用光ファイバの接続端面形成方法
は、光ファイバ保持部からの光ファイバの突き出し長さ
をLとし、前記光ファイバ保持部と研磨板との間の距離
をdとしたとき、前記Lおよびdが、0.7≦d/L≦
0.9の関係を満たすように設定し、その後、前記それ
ぞれの長さの設定を維持したまま、研磨板を回転させて
光ファイバ端面をテーパ加工することを特徴とする。
【0016】なお、上記Lおよびdの関係は、0.73
≦d/L≦0.9であればより好ましく、0.77≦d/
L≦0.9であるのが最も好ましい。
【0017】ここで、前記突き出し長さLは、5mmよ
り大きいことが好ましく、5.5mmより大きければよ
り好ましく、6mmより大きいのが最も好ましい。
【0018】またここで、前記光ファイバ保持部は、V
溝が形成された保持台と、該V溝上に設置された光ファ
イバを押圧固定する蓋部材とを備え、前記光ファイバは
少なくともテーパ加工される部位を除きガラス部の周り
の被覆がついたままの状態で保持されることが好まし
い。
【0019】さらに、本発明の他の形態によるFPCコ
ネクタ用光ファイバの接続端面形成方法は、光ファイバ
の保持部からの光ファイバの突き出し長さLを、前記光
ファイバ保持部と研磨板との間の距離dと等しく、且つ
L=d < 0.3mmに設定し、前記研磨板側へ光フ
ァイバ保持部を所定の力で押圧しながら、前記研磨板を
回転させて光ファイバ端面を研磨加工することを特徴と
する。
【0020】ここで、前記光ファイバ保持部は、V溝が
形成された保持台と、該V溝上に設置された光ファイバ
を押圧固定する蓋部材とを備え、前記光ファイバは少な
くとも研磨加工される部位を除きガラス部の周りの被覆
がついたままの状態で保持されることが好ましい。
【0021】さらに、前記研磨板にミラーを固定し、前
記光ファイバ保持部と同一面上からレーザー光を出射
し、前記研磨板と前記光ファイバ保持部とが完全に平行
であるときの基準値からの反射光の位置のずれにより平
行度を調節するようにしてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面を
参照しながら以下詳細に説明する。
【0023】光ファイバOFの接続端面は、前述のよう
に図2に示したパラメータ、つまり、テーパ加工による
テーパ角度θをもち、研磨加工による端面曲率半径R、
角度ずれ(傾き角度)Δθをもつ。
【0024】まず、図3ないし図7を参照して本発明方
法を実施する装置の概要について説明する。図におい
て、10は光ファイバ保持部であり、V溝12−1が形
成された保持台12と、該V溝12−1上に設置された
光ファイバを押圧固定する蓋部材14とを備え、全体と
して支持台16に搭載されている。V溝12−1は保持
台12の端面12−2に対し直交する関係で形成されて
いる。支持台16にはさらに、光ファイバ保持部10に
遮光されない関係で同一面上にレーザ装置18が搭載さ
れ、またレーザ装置18と所定の位置関係でスクリーン
20が搭載されている。スクリーン20には図6,7に
示すように座標軸と同心円が書かれている。そして、該
支持台16に対向する位置に研磨板22が配置され、該
研磨板22にはミラー24が配設されている。支持台1
6は、光ファイバ保持部10の保持台12の端面12−
2と研磨板22との水平方向および垂直方向における平
行度を調節可能にするステージの上に固定されている。
【0025】接続端面形成加工において、所望の端面形
状を有する光ファイバOFとするためには、上述のよう
に加工前に光ファイバ保持部10と研磨板22を水平方
向、垂直方向ともに平行にして、加工する必要がある。
そこで、光ファイバ保持部10(正確には保持台12の
端面12−2)と研磨板22とが水平方向、垂直方向と
もに平行であるときの反射位置をスクリーン20の原点
となるように設定しておけば、原点からの反射光のずれ
により、水平軸、垂直軸のどちらに、どの程度の角度
で、光ファイバ保持部10と研磨板22がずれているの
かが、明らかに判断できる。水平方向、垂直方向ともに
平行であるときの反射位置とスクリーン20の原点の位
置合わせは、最初にダミーの光ファイバを研磨し、その
角度ずれから、平行からのずれを判断して補正しながら
行う。
【0026】図4において、水平方向でファイバ保持部
がθ度ずれていれば、スクリーンに投影される像も原
点から水平方向にθずれた位置になる。例えば、図7
に示す位置にあれば、研磨板22から見て、光ファイバ
保持部10は水平方向で1度、垂直方向に2度ずれてい
るとわかる。そこで光ファイバ保持部10が搭載されて
いる支持台16を水平方向で1度、垂直方向に2度だけ
調整して、反射光が原点に位置するようにすれば、光フ
ァイバ保持部10と研磨板22は水平方向、垂直方向と
もに平行となる。これは、従来の微動台のみを用いた調
整法にくらべ、調整具合を視覚的に拡大して行えるた
め、より高精度な調整が可能となる。
【0027】なお、この方法により、光ファイバ保持部
と研磨板の向き合う角度を設定し、光ファイバの端面形
状を所望の斜め端面角度に加工するための方法とするこ
ともできる。例えば、光ファイバ端面の角度を8度に
し、フレネル反射を抑えて、高反射端面をもつ光ファイ
バとすることも、容易に可能となる。
【0028】ここで、上述の装置を用いてテーパ加工を
行う方法を主に図8を参照して説明する。
【0029】上記平行度の調整後、光ファイバ保持部1
0からの光ファイバOFの突き出し長さLを、光ファイ
バ保持部10と研磨板22との間の距離dより長く所定
の関係に設定し、光ファイバOFを光ファイバ保持部1
0に固定する。光ファイバOFはたわんだ状態で、研磨
板22と接触する。それぞれの長さを維持したまま、研
磨板22を自転を伴わない公転のみで回転させ、テーパ
加工を行う。このとき、光ファイバ保持部10からの光
ファイバOFの突き出しの長さをL、光ファイバ保持部
10と光ファイバ端面をテーパ加工するための研磨板2
2間の距離をdとしたとき、光ファイバ端面に形成され
るテーパ角度θとd,Lとの関係を調べた結果、テーパ
角度θとd/Lとが図9に示すような比例関係にあるこ
とが判明した。
【0030】従って、d/Lを設定して、テーパ加工を
行えば、所望のテーパ角度を得ることができる。例え
ば、FPCコネクタ用光ファイバOFとして好ましい接
続端面が20度程度のテーパ角度θをつけたいときは、
dとLの値をd/Lが0.7となる組み合わせで設定
し、50度程度のテーパ角度をつけたいときは、dとL
の値をd/Lが0.9となる組み合わせで設定してテー
パ加工を行えばよい。
【0031】このように、テーパ角度θの範囲を、20
度以上50度以下とすれば、アダプタAヘのファイバの
挿入が極めて容易になるのである。
【0032】かくて、d/Lの関係の設定を0.7≦d
/L≦0.9として加工すれば、20度から50度のテ
ーパ角度θを有するFPCコネクタ用光ファイバOFを
確実に得ることができるので、従来のように加工後に所
定のテーパ角度が形成されているか否かを顕微鏡により
確認するという工程を行わなくともよく、形成工程を簡
略化できる。
【0033】なお、テーパ角度θの範囲は、アダプタA
ヘのファイバの挿入の容易化のためには、上記の通り2
0度以上50度以下であることが望ましいが、25度以
上50度以下であればより望ましく、30度以上50度
以下であるのが最も望ましい。そして、これに対応し
て、d/Lの関係は0.73≦d/L≦0.9であれば
より望ましく、0.77≦d/L≦0.9であるのが最
も望ましい。
【0034】ところで、上記テーパ加工を行う際には、
光ファイバOFは図8に示すように湾曲して反った状態
に保持される。その結果、光ファイバOFには光ファイ
バ保持部10からの突き出し位置近傍において最大引張
り応力が発生する。突き出し長さLを変化させたときの
d/Lに対する最大引張り応力の関係は、L=1mm、
L=5mmおよびL=10mmとしたとき、図15に示
される通りであることが判明した。
【0035】ここで、一般的な光ファイバの破断応力は
4.8GPaであり、テーパ加工におけるd/Lの値は
上述のように0.7≦d/L≦0.9であるから、この
範囲において、光ファイバOFの最大引張り応力がこの
破断応力4.8GPaに達しないように突き出し長さL
を設定すればよいことが分かる。例えば、L=1mmで
あれば、d/Lが0.9となる値では破断応力以上の引
張り応力がかかり光ファイバは破断してしまうし、L=
10mmとすればd/Lを0.6としても破断応力であ
る4.8GPaを越えずテーパ加工が可能である。従っ
て、0.7≦d/L≦0.9の範囲において光ファイバ
OFが破断することなくテーパ加工を行うためには、突
き出し長さLを5mmより長く設定すればよいことが分
かった。
【0036】なお、上述のd/Lの望ましい関係に対応
して、突き出し長さLも5.5mm以上であればより望
ましく、6mm以上であればより一層望ましい。
【0037】次に、上述の装置を用いて研磨加工を行う
方法を主に図10を参照して説明する。
【0038】光ファイバ保持部10からの光ファイバO
Fの突き出しの長さLを、光ファイバ保持部10と研磨
板22の距離dと等しく設定し、研磨板22側へ向けて
光ファイバ保持部10に力を加えながら、すなわち、例
えば不図示のスプリングにより所定の力で押圧しなが
ら、研磨板22をテーパ加工の場合と同様に自転を伴わ
ない公転のみで回転させて光ファイバ端面を研磨加工す
るのである。
【0039】このとき、光ファイバ保持部10からの光
ファイバOFの突き出し長さLと研磨後の端面曲率半径
Rとの間には、図11に示すような関係があることが判
明した。従って、突き出し長さLを適切に設定して、研
磨加工を行えば、FPCコネクタ用光ファイバOFとし
て好ましい所望の端面曲率を得ることができる。例え
ば、FPCコネクタ用光ファイバOFとして好ましい端
面曲率半径Rが4mm程度の光ファイバに研磨加工した
いときは、Lを0.3mm程度とすればよい。
【0040】ところで、研磨加工後の端面角度ずれ(傾
き角度)Δθの検査は、光ファイバ端面にレーザビーム
を照射し、その反射光をスクリーンヘ投影して、端面角
度ずれがないときの反射位置からのずれで評価する。こ
の際に、端面曲率半径Rが4mmより小さいと、ファイ
バの投影像が広がり過ぎて明確でなくなり、端面角度ず
れの値を簡易に測定できない。換言すると、合否の判断
ができない。しかし、突き出し長さLを0.3mmより
小さく設定して研磨することにより端面曲率半径Rが4
mmより大きな光ファイバとすることで、反射光の投影
像が明確となり、効率的な端面角度ずれの検査が簡易に
可能となる。
【0041】なお、光ファイバ端面の曲率半径Rは、上
述の通り4mmより大きいことが望ましいが、5mmよ
り大きければより望ましく、6mmより大きいのが最も
望ましい。
【0042】研磨加工の結果、端面の角度ずれが大きな
光ファイバができると、PC接続させるのに大きな押圧
力を必要とし、光学特性の劣化につながる。そのため、
出来るだけ端面の角度ずれのない光ファイバに加工する
必要がある。
【0043】研磨加工において、端面角度ずれの小さな
光ファイバとするためには、前述のように、加工前に光
ファイバ保持部10と研磨板22を水平方向、垂直方向
ともに平行にして、研磨加工する必要がある。
【0044】ここで、様々な端面角度ずれをもつ光ファ
イバを作製し、その光ファイバを任意の組み合わせでマ
イクロホールMH中で突き合わせて、PC接続するのに
必要な押圧力を調べた。同じ端面角度ずれをもつ光ファ
イバの組み合わせを用いても、端面の向き合う角度に依
存して、PC接続するのに必要な押圧力には変化がある
ことを発見した。例えば、Δθの角度ずれのある光フ
ァイバとΔθの角度ずれのある光ファイバとが、図1
2(a)に示したように最もかみ合う角度で突き合った
場合と、図12(b)に示したように最もかみ合わない
角度(一方が180度回転した状態)で突き合った場合
とでは、PC接続するために必要な押圧力Fには差があ
るのである。この突き当たる角度による押圧力の差が、
従来のマスタファイバとの突き合わせ検査で合格した光
ファイバであっても、70g以内でPC接続しないこと
がある理由であることも判明した。最もかみ合わない角
度で突き合っても、70g以内の押圧力FでPC接続可
能ならば、どの角度で突き合ってもPC接続することは
確実となる。最もかみ合わない角度で突き合ったとき
の、その2本の光ファイバの端面角度ずれの和とPC接
続するのに必要な押圧力Fの関係を調べた結果、図13
に示す関係を発見した。すなわち、縦軸に押圧力F
(g)をとり、横軸に突き合う2本の光ファイバの角度
ずれΔθ1、Δθの和Θ=Δθ+Δθ(°)をと
れば、次式の関係が成立するのである。
【0045】
【数1】F = 45Θ - 13
【0046】従って、弾性復元力によって端面同士をF
PC接続させるべくそれぞれ接続端面が形成されたFP
Cコネクタ用光ファイバOFの良好なPC接続のための
押圧力をF(g)とするとき、各光ファイバOFの接続
端面の傾き角度Δθが次式を満たすように形成されてい
ればよい。
【0047】
【数2】 Δθ ≦ 1/2 ×{(F + 13)/45}(°)
【0048】例えば、図13から明らかなように、突き
合う各々の光ファイバOFの端面の傾き角度が0.7度
以下で、突き合う2本の光ファイバOFの傾き角度の和
が1.4度以下であれば、押圧力が50g以内であって
もPC接続するのであり、FPCコネクタの押圧力70
gであれば確実にPC接続するのである。
【0049】このように、上記の研磨加工によれば、マ
スタファイバとのPC検査が不用になり、検査が効率化
される。
【0050】なお、図1に示したFPCコネクタでは、
座屈長とベアファイバOF−Gの被覆OF−Pからの突
き出し長OF−Lの設定に依存して、光ファイバの座屈
部OF−Zでのたわみが変化し、曲げ損失が変化する。
例えば、座屈長を7mmとしたときは、突き出し長を5
0μm程度以内にしなければ、座屈部における曲げ損失
は0.1dB以上となり、損失が問題となる。ここで、
座屈長をより長く10mm程度に設定すれば、突き出し
長を150μm程度にしても、曲げ損失は問題になら
ず、突き出し長の設定における作製上の精度が緩和され
る。しかしながら、押圧力が30g程度しか発生しな
い。しかし、図13に示した関係を満たす限り小さい押
圧力であってもPC接続することが判る。例えば、突き
合う各光ファイバの端面傾き角度Δθが0.4度以下
で、突き合う2本の光ファイバの傾き角度Δθの和が
0.8度以下であれば、20g以内の小さい押圧力でも
PC接続する。よって、座屈長が10mmであっても十
分にPC接続が可能であり、曲げ損失も問題にならず、
突き出し長の設定における作製上の精度が緩和される。
【0051】なお、テーパ加工、研磨加工に用いる光フ
ァイバ保持部10は、前述のような構造をもち、V溝1
2−1上に光ファイバOFを設置し、蓋14をすること
で、光ファイバを固定する。実際のテーパ加工および研
磨加工の際には、図14に示したように、光ファイバO
Fは加工される部位を除き、コアとクラッドとのガラス
部OF−Gの周りに保護被覆OF−Pがついたままの状
態で光ファイバ保持部10に保持されるのが好ましい。
このようにすると、光ファイバ保持部において光ファイ
バに傷をつけることなく固定でき、加工作業時における
歩留まりが向上する。
【0052】
【発明の効果】本発明によるFPCコネクタ用光ファイ
バによると、確実にPC接続を行うことのできる接続端
面を備えた光ファイバを得ることができる。
【0053】また、本発明のFPCコネクタ用光ファイ
バの接続端面形成方法におけるテーパ加工法によると、
PC接続のための挿入に適したテーパ角度をもつ光ファ
イバを確実に得ることができる。
【0054】さらに、本発明のFPCコネクタ用光ファ
イバの接続端面形成方法における研磨加工法によると、
光ファイバ保持部と研磨板の間の距離を、光ファイバ保
持部と研磨板の間の距離と端面曲率の関係を参考に設定
することで、所望の端面曲率をもつ光ファイバに加工す
ることが可能となり、端面角度ずれの検査で測定可能な
4mmより大きな端面曲率半径をもつ光ファイバも容易
に作製可能となる。
【0055】また、本発明による、光ファイバ保持部と
研磨板の水平方向、垂直方向で平行に調節する方法によ
り、水平方向、垂直方向での平行からのずれは容易に測
定でき、また調節もスクリーンの原点に反射光を合わせ
ることで、短時間で容易に行える。
【0056】本発明による光ファイバの研磨加工後の端
面形状において、端面角度ずれの値とPC接続するため
に必要な押圧力との関係を明確にしたことで、端面角度
ずれの測定により、PC接続するのに必要な押圧力が判
断でき、コネクタ作製時の歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】FPCコネクタの一例を示すための(a)分解
状態斜視図および(b)組み立て状態斜視図である。
【図2】光ファイバ端面形状のパラメータを示すための
斜視図である。
【図3】加工を行う装置の概要を示す斜視図である。
【図4】加工を行う装置の概要を示す平面図である。
【図5】光ファイバ保持部の一例を示す分解斜視図であ
る。
【図6】スクリーンの一例を示す正面図である。
【図7】スクリーン上の反射光像の様子を示す正面図で
ある。
【図8】テーパ加工の概要を示す側面図である。
【図9】d/Lに対する面取り角度θの変化の関係を示
すグラフである。
【図10】研磨加工の概要を示す側面図である。
【図11】Lに対する端面曲率半径Rの変化の関係を示
すグラフである。
【図12】PC接続する光ファイバの状態を示す断面図
であり、(a)は最もかみ合う角度で突き合った場合、
(b)は最もかみ合わない角度で突き合った場合を示
す。
【図13】突き合う端面の角度ずれの和に対するPC接
続用押圧力の変化の関係を示すグラフである。
【図14】研磨加工で被覆を保持している状態を示す側
断面図である。
【図15】突き出し長さLを変化させたときのd/Lに
対する最大引張り応力の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 光ファイバ保持部 12 保持台 14 蓋 16 支持台 18 レーザ装置 20 スクリーン 22 研磨板 24 ミラー OF 光ファイバ OF−1 テーパ面 OF−2 先端面 OF−G ベアファイバ OF−P 被覆 OF−L 突き出し長 θ テーパ角度 R 端面曲率半径 Δθ 傾き角度(角度ずれ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅川 修一郎 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H036 JA02 KA03 LA03 QA41 2H038 CA22 2H050 AC87 3C049 AA04 AB04 CA01 CA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接続端面が20度以上、50度以下のテ
    ーパ角度を有することを特徴とするFPCコネクタ用光
    ファイバ。
  2. 【請求項2】 接続端面の端面曲率半径が4mmより大
    きいことを特徴とするFPCコネクタ用光ファイバ。
  3. 【請求項3】 弾性復元力によって端面同士をFPC接
    続させるべくそれぞれ接続端面が形成されたFPCコネ
    クタ用光ファイバであって、接続のための押圧力をFと
    するとき、前記接続端面の傾き角度Δθが次式を満たす
    ように形成されていることを特徴とするFPCコネクタ
    用光ファイバ。 Δθ ≦ 1/2 ×{(F + 13)/45}(°)
  4. 【請求項4】 光ファイバ保持部からの光ファイバの突
    き出し長さをLとし、前記光ファイバ保持部と研磨板と
    の間の距離をdとしたとき、前記Lおよびdが、0.7
    ≦d/L≦0.9の関係を満たすように設定し、その
    後、前記それぞれの長さの設定を維持したまま、研磨板
    を回転させて光ファイバ端面をテーパ加工することを特
    徴とするFPCコネクタ用光ファイバの接続端面形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記突き出し長さLは、5mmより大き
    いことを特徴とする請求項4に記載のFPCコネクタ用
    光ファイバの接続端面形成方法。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバ保持部は、V溝が形成さ
    れた保持台と、該V溝上に設置された光ファイバを押圧
    固定する蓋部材とを備え、前記光ファイバは少なくとも
    テーパ加工される部位を除きガラス部の周りの被覆がつ
    いたままの状態で保持されることを特徴とする請求項4
    または5に記載のFPCコネクタ用光ファイバの接続端
    面形成方法。
  7. 【請求項7】 光ファイバの保持部からの光ファイバの
    突き出し長さLを、前記光ファイバ保持部と研磨板との
    間の距離dと等しく、且つL=d < 0.3mmに設
    定し、前記研磨板側へ光ファイバ保持部を所定の力で押
    圧しながら、前記研磨板を回転させて光ファイバ端面を
    研磨加工することを特徴とするFPCコネクタ用光ファ
    イバの接続端面形成方法。
  8. 【請求項8】 前記光ファイバ保持部は、V溝が形成さ
    れた保持台と、該V溝上に設置された光ファイバを押圧
    固定する蓋部材とを備え、前記光ファイバは少なくとも
    研磨加工される部位を除きガラス部の周りの被覆がつい
    たままの状態で保持されることを特徴とする請求項7に
    記載のFPCコネクタ用光ファイバの接続端面形成方
    法。
  9. 【請求項9】 前記研磨板にミラーを固定し、前記光フ
    ァイバ保持部と同一面上からレーザー光を出射し、前記
    研磨板と前記光ファイバ保持部とが完全に平行であると
    きの基準値からの反射光の位置のずれにより平行度を調
    節することを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに
    記載のFPCコネクタ用光ファイバの接続端面形成方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010096981A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバコネクタ及びその組立方法
JP2010286793A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ接続器

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