JP4043021B2 - 光コネクタ組立工具および光ファイバ接続方法 - Google Patents
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Description
【発明に属する技術分野】
この発明は、光ファイバ穴に予め光ファイバを内蔵させたいわゆる現場付けの光コネクタの前記光ファイバ穴に外部から光ファイバを挿入して、内蔵光ファイバと挿入側光ファイバとを前記光ファイバ穴内で突き合わせ接続するための光コネクタ組立工具、および光ファイバ組み立て時の光ファイバ接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光コネクタの組み立てを工場以外の接続現場にて行う現場付けの光コネクタが各種提案されている。現場付けの光コネクタとは、短尺の光ファイバを光コネクタの途中まで内蔵しているものであり、通常は接続端面を予め研磨しておくが、樹脂成形時に接続端面を現場研磨不要な程度の平滑面に成形して研磨を省く場合もある。後者の場合、光ファイバの端面は平滑な切断面のままであり、整合剤を用いた接続を行う。現場では、内蔵光ファイバと光コネクタ外部より挿入した挿入側光ファイバとを光コネクタの光ファイバ穴内で突き合わせ、固定することで、光コネクタの組み立てが行われる。
【0003】
この種の現場付け光コネクタのなかで、光ファイバを固定し端面研磨を済ませたフェルールの後端部に、光ファイバ穴を形成する上下1対の素子を例えばコ字状のバネでクランプする接続機構いわゆるメカニカルスプライスを一体に設けたものがある(特開平10−206688号等参照)。
この接続機構内蔵の現場付け光コネクタを組み立てる場合、接続機構の上下1対の素子間を開放部材により押し開いて、上下の素子が形成する光ファイバ穴を若干広げ、その広げた光ファイバ穴に挿入側光ファイバを挿入して内蔵光ファイバと突き合わせ、次いで開放部材を外してバネで上下の素子をクランプし、これにより内蔵光ファイバと挿入側光ファイバとを突き合わせ接続状態で固定する。
【0004】
従来、上記の光コネクタ組立てに際して通常は、挿入側光ファイバを接続機構の光ファイバ穴に挿入する作業を手で行っていた。したがって、挿入側光ファイバの端面を内蔵光ファイバの端面に突き合わせる際の突き当て圧は、手の感覚のみに頼るものであった。
また、簡易な光コネクタ組立工具を利用する場合もあるが、この場合、組立工具を利用して挿入側光ファイバを光コネクタの光ファイバ穴に挿入した後、バネの付勢力により挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き当てる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように光ファイバの挿入を手作業で行う方法では、光ファイバ穴は小さく挿入しにくいので、作業能率がきわめて悪い。
また、接続損失の少ない光ファイバ接続を行うためには、挿入側光ファイバの端面と内蔵光ファイバの端面とが適度な圧で突き合わされていることが必要であるが、従来のように挿入側光ファイバの突き当て圧を手の感覚のみに頼るものでは、所望のかつ常に一定の突き当て圧を得ることは困難である。
また、組立工具を利用する組立の場合は、バネの力で突き当て圧を得るものであるが、バネ弾性は経年変化し易く、また光ファイバは極めて細く適切な突き当て圧も例えば数十グラム程度と小さいものなので、適切な突き当て圧を保持し続けることが困難であり、突き当て圧が強過ぎることになり勝ちであった。
【0006】
なお、このような問題を解決するために、本願発明者らは、挿入側光ファイバを光ファイバ保持治具上で撓んだ状態で保持し、工具本体で保持した光コネクタ側に前進させて、挿入側光ファイバを光ファイバ穴に挿入し、次いで撓みを解除することで、挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続する方法を発明し、特許出願をした(特願2002−197634号参照)。
この方法によれば、挿入側光ファイバの挿入が容易になり、また、光ファイバ自身の剛性による適度の突き当て圧を得ることができるが、挿入側光ファイバが突き当たった時にファイバ端面にかけが生じる可能性が考えられることや、撓みを解除する機構ないし操作が若干煩雑になるという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバを光コネクタの光ファイバ穴に挿入する操作を容易にし、かつ、光コネクタの光ファイバ穴内で光ファイバどうしの突き合わせ接続をする際に、光ファイバどうしを所望のかつ常に一定の突き当て圧で、しかも突き当たった時に端面にかけが生じないように突き合わせることを可能にする光コネクタ組立工具および光ファイバ接続方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1の発明は、光ファイバ穴に予め光ファイバを内蔵させた光コネクタの前記光ファイバ穴に外部から光ファイバを挿入して、内蔵光ファイバと挿入側光ファイバとを前記光ファイバ穴内で突き合わせ接続するための光コネクタ組立工具であって、
前記光コネクタを保持する工具本体と、前記工具本体と一体のスライド台と、このスライド台上を光ファイバ接続方向前後に摺動可能に設けられた光ファイバ保持治具とを備え、前記光ファイバ保持治具は、挿入側光ファイバを固定するファイバ固定部と、挿入側光ファイバの前記固定部位置と先端との中間部分を撓んだ状態でかつさらなる撓みを許容する状態に保持する撓み保持手段と、前記撓んだ挿入側光ファイバがさらに撓んだ時に、一定の撓み以上の撓みを制限する撓み制限手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、光ファイバ穴に予め光ファイバを内蔵させた光コネクタの前記光ファイバ穴に外部から光ファイバを挿入して、内蔵光ファイバと挿入側光ファイバとを前記光ファイバ穴内で突き合わせ接続する光ファイバ接続方法であって、
挿入側光ファイバを光ファイバ保持治具上に固定するとともに、挿入側光ファイバの前記固定位置と先端との中間部分を撓んだ状態に保持し、その撓み状態のまま光ファイバ保持治具を光コネクタに向けて前進させて、挿入側光ファイバが光ファイバ穴に挿入され内蔵光ファイバに突き当たった後も前進して撓みがさらに増大した後、一定の撓み以上の撓みを制限する撓み制限手段によりさらなる撓み増大が制限された状態で、挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、フェルールの光ファイバ穴内に光ファイバを挿入固定して内蔵させるとともにその一部をフェルール後端から延出させたフェルールと、このフェルールの後端側に設けられ、前記フェルールから延出した内蔵光ファイバと外部から挿入される挿入側光ファイバとを突き合わせ接続する接続機構とを備えた光コネクタを組み立てる際に、前記内蔵光ファイバと挿入側光ファイバとを突き合わせ接続する光ファイバ接続方法であって、
前記挿入側光ファイバを光ファイバ保持治具上に固定するとともに、挿入側光ファイバの前記固定位置と先端との中間部分を撓んだ状態に保持し、その撓み状態のまま光ファイバ保持治具を光コネクタの接続機構に向けて前進させて、挿入側光ファイバが接続機構の光ファイバ穴に挿入され内蔵光ファイバに突き当った後も前進して撓みがさらに増大した後、一定の撓み以上の撓みを制限する撓み制限手段によりさらなる撓み増大が制限された状態で、接続機構内で挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、少なくとも一方に調心溝を備えて光ファイバ穴を形成する上下1対の素子と、両素子を弾性的にクランプするバネと、前記バネの弾性把持力に抗して前記1対の素子間を押し開く開放手段とを備えた接続機構内で、予め当該接続機構の光ファイバ穴に収容した内蔵光ファイバと外部から挿入される挿入側光ファイバとを突き合わせ接続する光ファイバ接続方法であって、
前記挿入側光ファイバを光ファイバ保持治具上に固定するとともに、挿入側光ファイバの前記固定位置と先端との中間部分を撓んだ状態に保持し、その撓み状態のまま光ファイバ保持治具を接続機構に向けて前進させて、挿入側光ファイバが接続機構の光ファイバ穴に挿入され内蔵光ファイバに突き当たった後も前進して撓みがさらに増大した後、一定の撓み以上の撓みを制限する撓み制限手段によりさらなる撓み増大が制限された状態で、接続機構内で挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態の光コネクタ組立工具1に光コネクタ10およびこの光コネクタ10に挿入して接続しようとする光ファイバ(以下、挿入側光ファイバという)11を保持した状態を示す平面図、図2は図1の正面図である。挿入側光ファイバ11の被覆を除去した裸ファイバを11a、被覆部を11bで示す。なお、以下の説明では、裸ファイバ11aの部分、あるいは被覆部11bの部分も、場合により単に挿入側光ファイバ11と呼ぶ。
【0013】
この光コネクタ組立工具1は、光コネクタ10を保持する工具本体2と、前記工具本体2と一体のスライド台3と、このスダイド台3の案内3aに沿って光ファイバ接続方向(図1、図2の左右方向)の前後に摺動可能に設けられた光ファイバ保持治具4とを備えている。前記光ファイバ保持治具4は、挿入側光ファイバ11を工具本体2上の光コネクタ10の光ファイバ穴10aに向けて固定する固定部7と、挿入側光ファイバ11の被覆部11bの先端近傍を収容し光ファイバ11の先端を揃えて突出させるガイド部8と、挿入側光ファイバ11の前記固定部7位置と前記ガイド部8の位置との中間部分を撓んだ状態でかつさらなる撓みを許容する状態に保持するスペーサ(撓み保持手段)9と、前記撓んだ挿入側光ファイバ11がさらに撓んだ時に、一定の撓み以上の撓みを制限する撓みストッパ(撓み制限手段)23とを備えている。
【0014】
前記光コネクタ10の詳細を図3〜図5を参照して説明すると、この光コネクタ10は、2心コネクタであり、概ね角形をなす光フェルール12とこの光フェルール12の後端側に一体に設けた接続機構13とを備えている。
前記フェルール12は、2つの光ファイバ穴12a内にそれぞれ光ファイバ18を挿入固定して内蔵させるとともに一部をフェルール後端から延出させ、かつ端面12bを斜め研磨している。このフェルール12は一般にMTコネクタと呼ばれる嵌合ピン位置合わせ方式の光コネクタ(JIS C 5981 のF12形多心光ファイバコネクタ)用のフェルールと概ね同様な構成である。フェルール12は例えばエポキシ樹脂等の硬質樹脂で成形することができる。光フェルール12およびこれと一体化した接続機構13はハウジング21(図1、図2参照)に収容されている。
前記接続機構13は、上下1対の素子すなわち本体14と蓋体15とをコ字状の板バネ16でクランプした構造である。本体14は、ベース部14aとその前端部(図4の左方)のフェルール嵌合部14bとからなり、フェルール嵌合部14bに設けた嵌合中空部14c内にフェルール12の後端部(図4の右方)が嵌合し接着剤で固定されて、フェルール12と本体14とが一体化される。
また、本体14の上面の前方側に例えばV溝による調心溝14dを形成して、この調心溝14dと蓋体15側の平坦面または溝とで光ファイバ穴10aが形成されるようにしている。また、本体14および蓋体15の後方側に光ファイバ被覆部収容溝14e、15eを形成して、光ファイバ穴10aと同一軸線の光ファイバ被覆部収容穴19が形成されるようにしている。また、光ファイバ被覆部収容穴19の後端部には、光ファイバ挿入を容易にするためのテーパ状の光ファイバ導入口19aを形成している。
また、接続機構13の側面に、バネ16の弾性把持力に抗して本体14と蓋体15との間を押し開くための楔状の開放部材20が差し込まれる差込口17が形成されている。この差込口17は、本体14および蓋体15の両方の縁部に設けた凹所14f、15f(15fは不図示)により形成される。なお、本体14および蓋体15の材質は特に限定されないが、硬質樹脂または金属で形成することができる。
なお、接続機構13の本体14は、フェルール12と樹脂一体成形したものでもよい。
【0015】
上記の光コネクタ組立工具1を用いて光コネクタ10の組み立てを行う場合、光コネクタ10を工具本体2上に固定し、差込口17に開放部材20を差し込んで接続機構13の本体14と蓋体15との間を押し開いておく。これにより、接続機構13の本体14と蓋体15との間に形成される光ファイバ穴10aが若干広がった状態となる。なお、光コネクタ10の内蔵光ファイバ18のフェルール後端から延出した部分は、接続機構13の光ファイバ穴10a内の途中位置まで入っている。
次いで、光ファイバ保持治具4を後退させた位置で、挿入側光ファイバ11を光ファイバ保持治具4の固定部7を通してガイド部8に挿入し、固定部7で挿入側光ファイバ11を固定する。なお、この実施形態では、挿入側光ファイバ11を固定部7で固定する時のその固定部7から挿入側光ファイバ11の先端までの長さは、挿入側光ファイバ11が内蔵光ファイバ18に突き当たった状態で挿入側光ファイバ11の撓み部が撓みストッパ23に当たるまで撓むことが可能(図6(ロ)の状態となることが可能)な長さとしている。
次いで、左右の挿入側光ファイバ11の間にスペーサ9を介在させて、左右の挿入側光ファイバ11を撓んだ状態にしかつ先端を揃えて保持する(図1の状態)。この場合、2本の挿入側光ファイバ11が固定部7とガイド部8とで閉じて中間がそれぞれ外側に膨らむように撓む。なおこの撓みは、後述するように、挿入側光ファイバ11が内蔵光ファイバ18に突き当たった時にさらに外側に膨らむ形で撓むための初期条件として必要であるが、同時に、挿入側光ファイバ11が内蔵光ファイバ18に突き当たった時のクッショクンの程度に影響するので、種々実験を行って適切な初期撓みを設定するとよい。
次いで、光ファイバ保持治具4をスライド部3上で矢印A方向に摺動させて前進させると、挿入側光ファイバ11が光コネクタ10の接続機構13の光ファイバ穴10aにテーパ状の導入口19aから挿入される。このように、光ファイバ保持治具4をスライドさせるだけで、挿入側光ファイバ11を光ファイバ穴10aに正しく挿入できるので、光ファイバ挿入が容易であり、作業能率が著しく向上する。
光ファイバ保持治具4をさらに前進させると、図6(イ)および要部拡大断面図である図7に示すように、挿入側光ファイバ11が光ファイバ穴10a内で内蔵光ファイバ18に突き当たる。
挿入側光ファイバ11が内蔵光ファイバ18に突き当たった時の衝撃は、突き当たった力で挿入側光ファイバ11が押されさらに撓むことによるクッション作用で緩和される。したがって、突き当たり時の衝撃で光ファイバの端面にかけが発生する等の損傷を防止できる。
引き続き光ファイバ保持治具4を前進させると、挿入側光ファイバ11がさらに撓んで図6(ロ)に示すように撓みストッパ23に当たり、概ね一定の撓み量に制限される。この時、挿入側光ファイバ11の内蔵光ファイバ18に対する突き当て圧は、挿入側光ファイバ11の撓みストッパ23に当たった状態での撓み量に応じた一定の大きさの突き当て圧となる。この場合の突き当て圧は、撓みストッパ23からの反力が挿入側光ファイバ11の剛性を介して端面に伝達される。こうして挿入側光ファイバ11と内蔵光ファイバ18とが光ファイバ穴10a内で真っ直ぐの状態で、かつ挿入側光ファイバ11の端面と内蔵光ファイバ18の端面とが適度な突き当て圧で突き合わせ接続される。次いで、差込口17から開放部材20を抜き取ると、バネ16のクランプ力により光ファイバ11が接続機構13内にクランプ保持され、接続状態が維持される。
【0016】
上述の光ファイバの接続方法によれば、突き当て圧を、光ファイバを一定の撓み量(一定位置)まで撓ませ時の光ファイバの可撓性(ないし自身の剛性)で得るものなので、従来の人の手の感覚に頼る作業と比べて、容易に突き当て圧を一定にすること可能であり、バラツキの少ない安定した組み立てが可能となり、また、きわめて再現性が高い。また、従来のバネの力で光ファイバどうしを突き合わせ接続するものと比べ、光ファイバどうしの突き当て圧が必要以上に強くなる恐れは少なく、接続特性を損なうことを防止できる。
なお、上記の実施形態は2心の光コネクタの場合であり、2心の光コネクタに適用して好適であるが、単心の光コネクタに適用することもできる。
接続機構13内で突き合わせ接続する2本の光ファイバは通常は同種の光ファイバであるが、異種の光ファイバどうし、例えばシングルモード光ファイバとマルチモード光ファイバとを接続する場合、あるいは、シングルモードまたはマルチモード光ファイバと他の伝送モードの光ファイバとを接続する場合にも適用できる。
【0018】
また、上述の実施形態は、フェルール2と、光ファイバ穴を形成する上下1対の素子を例えばコ字状のバネでクランプする接続機構13とを一体化した構造の光コネクタ10を対象としているが、本発明は、独立した接続機構、すなわち図3〜図5の光コネクタ10における接続機構13と同様な構造でフェルール12から独立した接続機構(いわゆるメカニカルスプライス自体)における光ファイバどうしの突き合わせ接続にも適用可能である。すなわち、2本の光ファイバを前記独立した接続機構で接続する際に、本発明の光コネクタ組立工具あるいは本発明の光ファイバ接続方法を採用することができる。
この場合、固定した一方の光ファイバの先端部をメカニカルスプライス(接続機構)の光ファイバ穴に収容しておき、他方の光ファイバを光ファイバ保持治具上で撓ませた状態で保持し、前進させて、メカニカルスプライスの光ファイバ穴に挿入し、次いで、撓みを解除する。
【0019】
また、本発明は図8に示すようなメカニカルスプライスを用いない光コネクタ28にも適用可能である。この光コネクタ28は、内蔵光ファイバ32の後端がフェルール29の光ファイバ穴29a内にあり、この内蔵光ファイバ32と外部から挿入する光ファイバ(挿入側光ファイバ)11とを、フェルール29の光ファイバ穴29a内で突き合わせ接続する構成である。このフェルール29は、MTコネクタと呼ばれる嵌合ピン位置合わせ方式の光コネクタ(JIS C 5981 のF12形多心光ファイバコネクタ)用のフェルールと概ね同じであり、研磨した先端面29bを持つ。なお、31は光ファイバ保護用のゴムブーツである。
【0020】
この光コネクタ28の内蔵光ファイバ32に挿入側光ファイバ11を突き当て接続する場合も、概ね図1、図2と同様な光コネクタ組立工具で接続することができる。すなわち、挿入側光ファイバ11を光ファイバ保持治具上で撓ませた状態で保持し、次いでスライドさせて、図9に示すように挿入側光ファイバ11(その裸ファイバ11a)をフェルール29の光ファイバ穴29aに挿入し、次いで挿入側光ファイバ11の撓みを解除する。これにより、前述と同様に、適度な突き当て圧の突き合わせ接続を行うことができる。その後、開口部30に例えばエポキシ系接着剤32を注入して、挿入側光ファイバ11を固定する。
【0021】
なお、本発明は既に光ファイバが内蔵されたフェルール等の物品に対し、外部から光ファイバを挿入して接続する場合についてのみ説明しているが、本発明は、ある程度撓んでいる光ファイバが突き当たった時にさらに撓むことによるクッショクン作用を利用(すなわち光ファイバ自身の剛性を利用)して光ファイバに過度の力を加えることなく突き合わせ接続するというものである。従って、本作用を利用する装置、機構、器具、また、光ファイバが挿入される相手側の対象物はフェルールの内蔵ファイバには限定されない。すなはち、ある程度撓んでいる光ファイバが突き当たった時にさらに撓むことによるクッショクン作用を生じさせる方式は多種の形態の対象物に適用可能である。例えば、光コネクタとして用いて相手側の光コネクタとの接続、光コネクタ形式ではないが相手側光ファイバとの接続、光学素子との接続、相手側光ファイバは存在しないが光位置決め部材への光ファイバの挿入固定(例えば、光ファイバアレイや光フェルールへの光ファイバの挿入固定)などに好適に用いることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、光コネクタを工具本体上に保持し、挿入側光ファイバを光ファイバ保持治具上で撓んだ状態に保持し、その撓み状態のまま光ファイバ保持治具をスライド部上を摺動させて前進させて、挿入側光ファイバが光コネクタの光ファイバ穴に挿入され内蔵光ファイバに突き当たった後も前進して撓みがさらに増大した状態で、挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続するので、次のような効果を奏する。
光ファイバ保持治具をスライド部上で摺動させるだけで、挿入側光ファイバを光コネクタの光ファイバ穴に挿入できるので、光ファイバ挿入がきわめて容易であり、作業能率が著しく向上する。
また、挿入側光ファイバの撓みを解除する機構や操作が不要なので、作業性が良好である。
また、挿入側光ファイバが内蔵光ファイバに突き当たった時の衝撃は、突き当たった力で挿入側光ファイバが押されさらに撓むことによるクッション作用で緩和されるので、突き当てた時に光ファイバの端面にかけが発生する等の損傷を防止できる。
【0023】
本発明によればまた、挿入側光ファイバの撓みを撓み制限手段で一定の撓み量に制限した状態で光ファイバどうしの最終的な突き当て圧を得るものなので、従来の人の手の感覚に頼る作業と比べて、容易に突き当て圧を一定にすることが可能であり、バラツキの少ない安定した組み立てが可能となり、また、きわめて再現性が高い。また、従来のバネの力で光ファイバどうしを突き合わせ接続するものと比べ、光ファイバどうしの突き当て圧が必要以上に強くなったり変動したりする恐れは少なく、接続特性を損なうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、光コネクタおよび挿入側光ファイバを保持した状態の光コネクタ組立工具の平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1における光コネクタの詳細を示す斜視図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】図3における接続機構の本体を示す斜視図である。
【図6】図1の状態から光ファイバ保持治具をスライドさせて、光コネクタ内で挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続する際の動作を説明するもので、(イ)は挿入側光ファイバが内蔵光ファイバに突き当たった時点、(ロ)は挿入側光ファイバがさらに前進して撓んでストッパに当たった時点を示す。
【図7】図6(イ)の状態に対応する拡大断面図である。
【図8】本発明の光ファイバ接続方法で対象とする光コネクタの他の例を示すもので、メカニカルスプライスを用いない光コネクタの断面図である。
【図9】図8で示した光コネクタの組み立て後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光コネクタ組立工具
2 工具本体
3 スライド台
4 光ファイバ保持治具
7 固定部
8 ガイド部
9 スペーサ(撓み保持機構)
10、28 光コネクタ
10a (光コネクタの)光ファイバ穴
11 挿入側光ファイバ
12 フェルール
12a (フェルールの)光ファイバ穴
13 接続機構
14 本体
14a ベース部
14b フェルール嵌合部
14c 嵌合中空部
14d 調心溝
14e、15e 光ファイバ被覆部収容溝
14f、15f 凹所
15 蓋体
16 板バネ
17 差込口
18、32 内蔵光ファイバ
19 光ファイバ被覆部収容穴
20 開放部材
23 撓みストッパ(撓み制限手段)
Claims (4)
- 光ファイバ穴に予め光ファイバを内蔵させた光コネクタの前記光ファイバ穴に外部から光ファイバを挿入して、内蔵光ファイバと挿入側光ファイバとを前記光ファイバ穴内で突き合わせ接続するための光コネクタ組立工具であって、
前記光コネクタを保持する工具本体と、前記工具本体と一体のスライド台と、このスライド台上を光ファイバ接続方向前後に摺動可能に設けられた光ファイバ保持治具とを備え、前記光ファイバ保持治具は、挿入側光ファイバを固定するファイバ固定部と、挿入側光ファイバの前記固定部位置と先端との中間部分を撓んだ状態でかつさらなる撓みを許容する状態に保持する撓み保持手段と、前記撓んだ挿入側光ファイバがさらに撓んだ時に、一定の撓み以上の撓みを制限する撓み制限手段とを備えたことを特徴とする光コネクタ組立工具。 - 光ファイバ穴に予め光ファイバを内蔵させた光コネクタの前記光ファイバ穴に外部から光ファイバを挿入して、内蔵光ファイバと挿入側光ファイバとを前記光ファイバ穴内で突き合わせ接続する光ファイバ接続方法であって、
挿入側光ファイバを光ファイバ保持治具上に固定するとともに、挿入側光ファイバの前記固定位置と先端との中間部分を撓んだ状態に保持し、その撓み状態のまま光ファイバ保持治具を光コネクタに向けて前進させて、挿入側光ファイバが光ファイバ穴に挿入され内蔵光ファイバに突き当たった後も前進して撓みがさらに増大した後、一定の撓み以上の撓みを制限する撓み制限手段によりさらなる撓み増大が制限された状態で、挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続することを特徴とする光ファイバ接続方法。 - フェルールの光ファイバ穴内に光ファイバを挿入固定して内蔵させるとともにその一部をフェルール後端から延出させたフェルールと、このフェルールの後端側に設けられ、前記フェルールから延出した内蔵光ファイバと外部から挿入される挿入側光ファイバとを突き合わせ接続する接続機構とを備えた光コネクタを組み立てる際に、前記内蔵光ファイバと挿入側光ファイバとを突き合わせ接続する光ファイバ接続方法であって、
前記挿入側光ファイバを光ファイバ保持治具上に固定するとともに、挿入側光ファイバの前記固定位置と先端との中間部分を撓んだ状態に保持し、その撓み状態のまま光ファイバ保持治具を光コネクタの接続機構に向けて前進させて、挿入側光ファイバが接続機構の光ファイバ穴に挿入され内蔵光ファイバに突き当った後も前進して撓みがさらに増大した後、一定の撓み以上の撓みを制限する撓み制限手段によりさらなる撓み増大が制限された状態で、接続機構内で挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続することを特徴とする光ファイバ接続方法。 - 少なくとも一方に調心溝を備えて光ファイバ穴を形成する上下1対の素子と、両素子を弾性的にクランプするバネと、前記バネの弾性把持力に抗して前記1対の素子間を押し開く開放手段とを備えた接続機構内で、予め当該接続機構の光ファイバ穴に収容した内蔵光ファイバと外部から挿入される挿入側光ファイバとを突き合わせ接続する光ファイバ接続方法であって、
前記挿入側光ファイバを光ファイバ保持治具上に固定するとともに、挿入側光ファイバの前記固定位置と先端との中間部分を撓んだ状態に保持し、その撓み状態のまま光ファイバ保持治具を接続機構に向けて前進させて、挿入側光ファイバが接続機構の光ファイバ穴に挿入され内蔵光ファイバに突き当たった後も前進して撓みがさらに増大した後、一定の撓み以上の撓みを制限する撓み制限手段によりさらなる撓み増大が制限された状態で、接続機構内で挿入側光ファイバを内蔵光ファイバに突き合わせ接続することを特徴とする光ファイバ接続方法。
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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