JP4869901B2 - 鋼構造建築物における接合部構造 - Google Patents

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本発明は、縦枠材に溝形鋼を用いた鋼構造建築物において、上下階の縦枠材同士、あるいは基礎とその上階の縦枠材との応力伝達を行う際に用いられる接合部構造に関するものである。
従来、縦枠材に溝形鋼を用いた軽量鉄骨造あるいは薄板軽量形鋼造などの鋼構造建築物(以下、スチールハウスに代表させて記述する)においては、基礎とその上階の壁パネルとを連結する際に、ホールダウン金物が用いられる。これは、コンクリート基礎にアンカボルトを埋め込み、基礎の上方に突出したアンカボルトの上部と、上階の壁パネルの縦枠材に固定したホールダウン金物とを連結するものである。例えば特許文献1に、このホールダウン金物及びその固定構造が開示されている。
また、スチールハウスにおいて、上階側の壁パネルと下階側の壁パネルとを連結する際、2つのホールダウン金物と連結ボルト及びナットからなる接合金物を使用する構造が知られている。すなわち、上階側及び下階側両方の壁パネルの縦枠材にそれぞれホールダウン金物を固定し、これらのホールダウン金物をボルト及びナットにより連結する。ところが、このような連結構造においては、地震や風により水平力が作用した場合、主として引張力しか伝達できないため、圧縮力を伝達するための金物が別途必要となり、部品点数が増大し、設計及び施工が複雑になる。
そこで、例えば特許文献2において、上下階の縦枠材同士で圧縮力及び引張力の両方の応力を伝達可能な接合金物が提案されている。すなわち、上階の縦枠材と下階の縦枠材に亘って1本の長尺のボルトが配置され、上階側及び下階側の縦枠材にそれぞれ側方開口溝形断面の接合金物が取り付けられ、ボルトの軸部が、接合金物の溝に収容される。そして、接合金物の上下両端部を、ボルト軸部に螺合したナットで位置固定する。これにより、接合金物、ナットを介して、各階の縦枠材に作用する圧縮力及び引張力の両方がボルトに伝達され、上下階同士で応力の伝達を行うことができる。
また、特許文献3において、簡易な形状で、上下階の縦枠材同士で圧縮力及び引張力の両方の応力を伝達可能な接合金物が提案されている。これは、特許文献2の接合金物とボルトが一体に成形されたものであり、ナット等の部品を使わないので、部品点数が少なく、施工作業も簡易化されている。
特開2005−248529号公報 特開2005−320860号公報 特開2005−344500号公報
しかしながら、特許文献1では、図10に示すように、ホールダウン金物52と縦枠材53との間で応力伝達が行われる縦枠材53の中心と、上下階に応力を伝達するボルト51の中心との位置がずれているため、偏心による曲げが作用する。この偏心量は、ボルト51の径だけでなく、ナットやナットを締め付ける工具の外径から決まり、これらは通常ボルト径の2倍以上であるため、大きな値となる。また、ホールダウン金物のベースプレートが基礎の上端面から隙間を有して上方に取り付けられているため、大きな応力が作用した場合、ベースプレートに面外方向の変形が起こり、十分な剛性が確保できない。
特許文献2の接合金物は、部品点数が多く材料コストが嵩むうえ、施工作業が複雑である。また、図11に示すように、接合具62は、鍔部63にドリルねじ等のねじ64を取り付けることにより、縦枠材65に固定される。高強度にするためにボルト61の径を大きくすると、それに伴って接合具62の寸法も大きくなり、縦枠材65の開口66に工具67を挿入する隙間が確保されなくなり、接合具62が取り付けられなくなる場合がある。そのため、縦枠材65の寸法によりボルト61の軸径の上限が決まり、接合部の耐力が決定される。さらに、上下階の縦枠材同士の接合部では、他部材との取り合いにより、使用できるボルト61の径に上限があるため、断面が円形のボルトでは十分な断面積を確保できず、高耐力化に対応できない。
特許文献3の接合金物は、両端を潰したパイプにより成形されているため、応力伝達を行う軸部を中空部材にする必要があり、高耐力化に対応できない。
本発明の目的は、縦枠材に溝形鋼を用いたスチールハウス等の中低層鋼構造建築物において、圧縮力及び引張力の両方に対して、上下階の縦枠材同士、及び基礎とその上階の縦枠材との間の十分な応力伝達が可能であって、高耐力化に対応可能であり、構造が簡単で容易に施工できる接合部構造を提供することにある。
上記問題を解決するため、請求項1の発明は、縦枠材に取り付けられるファスナ部材用の複数の孔があけられた鋼板からなる接合金物を用いた鋼構造建築物における接合部構造であって、前記縦枠材は、溝部底面同士を当接した2つの溝形部材を有し、前記接合金物は、前記孔の中心軸が前記2つの溝形部材の底面に対して直交するように縦方向に配設され、前記2つの溝形部材はそれぞれ溝部の深さ寸法が異なり、底面が前記壁パネルの面方向と平行になるように配設され、前記2つの溝形部材のうち溝部の深さ寸法が大きい方の溝形部材の溝部内に前記接合金物が挿入されて前記底面に固定されることを特徴とする鋼構造建築物における接合部構造を提供する。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記接合金物は、鋼構造建築物の上階と下階とに亘って縦方向に配置される長さを有し、縦方向両端部に、上階側縦枠材及び下階側縦枠材に取り付けられるファスナ部材用の複数の孔があけられていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記接合金物は、鋼構造建築物の基礎とその上階とに亘って縦方向に配置される長さを有し、縦方向のいずれか一方の端部に、上階側縦枠材に取り付けられるファスナ部材用の複数の孔があけられていて、他方の端部に、基礎への定着部が設けられていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれかの発明において、前記ファスナ部材がドリルねじであることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれかの発明において、前記接合金物は、前記ファスナ部材用の孔の径以下の厚さを有する複数の薄板を厚さ方向に重ね合わせて形成されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ファスナ部材用の複数の孔の中心軸が溝形部材の底面に対して直交するよう配設されているので、工具の寸法等に関係なく接合金物を溝形部材の底面に当接させることができ、偏心量を減らすことで偏心曲げによる強度低下を抑えることができる。しかも、部品点数が極めて少なく、材料コストを大幅に削減することができる。
また、溝形部材の底面が壁パネルの面方向と平行になるように配設されることにより、接合金物に、壁パネルの面方向に対する平行方向を長辺とする矩形断面の鋼板を用いることができる。壁パネルの面方向に対する平行方向は、直交方向よりも他部材との取り合いによる寸法制約が緩やかであるため、円形断面のボルトよりも断面積の大きい接合金物が可能となり、高強度な接合部構造が実現できる。また、ファスナ取付用の孔が壁パネルの面方向に対して直交するので、室内側又は室外側から、孔の正面に向かってファスナ部材の取付作業を行うことができる。そのため、作業時の体勢が楽で力を入れやすく、施工性が向上する。しかも、接合金物を挿入する方の溝形部材の溝部を深くすることにより、接合金物を、縦枠材全体の中心に近い位置に取り付けることができる。そのため、上下階の縦枠材同士の接合部として用いた場合、他部材の形状を従来の規格寸法から変更することなく容易に適用が可能となる。
請求項の発明によれば、上下階の縦枠材同士を1つの部材で接合できるので、圧縮力及び引張力が、他の部材を介することなく直接効率よく伝達できる。しかも、部品点数が極めて少なく、材料コストを大幅に削減することができる。
請求項の発明によれば、コンクリートへの定着部を有するため、建物の基礎とその上階の縦枠材との間において、高強度な接合部構造が実現できる。また、基礎とその上階の縦枠材とを1つの部材で接合するので、圧縮力及び引張力が、他の部材を介することなく直接効率よく伝達できる。しかも、部品点数が極めて少なく、材料コストを大幅に削減することができる。
請求項の発明によれば、ファスナ部材としてドリルねじを用いることにより、縦枠材に先孔をあけなくてもねじ止めが容易に行えるので、縦枠材の加工工程を削減できる。また、現場での施工誤差を吸収しやすいため、施工性が向上する。
請求項の発明によれば、金物の板厚がファスナ部材用の孔の径以下である薄板にすることにより、孔をあける方法が簡単になり、製造に要するコストを抑えることができる。また、薄板の枚数を増減することによって、必要に応じて強度を調整できるので、強度に応じて金物を作り分ける必要がなく、生産・流通の管理がしやすい。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されるスチールハウス構造の概要を示す。上階及び下階の壁パネル12は、上枠材13と下枠材14、及びこれら上下枠材13,14に連結された左右の縦枠材11に、薄鋼板等の構造用面材を固定して形成される。下階側の壁パネル12の上側に、床パネル15を介して上階側壁パネル12が配置される。本発明で用いられる接合金物2は、このようなスチールハウスにおいて、上階の壁パネル12の縦枠材11と下階の壁パネル12の縦枠材11に亘って上下方向に配置され、上下階の各縦枠材11,11同士を連結し、互いに応力を伝達する手段として用いられる。また、接合金物4は、コンクリートの基礎16とその上階の壁パネル等12の縦枠材11とを連結し、互いに応力を伝達する手段として用いられる。
図2〜図4は、上下階に亘って取り付けられる接合金物2の取付状態を示す。下階側の壁パネル12の上枠材13の上に、上枠補強材19が載置され、その上に、端根太17が載置される。尚、上枠材13の耐力が大きい場合には、上枠補強材19を省略して、上枠材13の上に直接端根太17を設けてもよい。端根太17には、床根太20が架設固定され、端根太17及び床根太20の上側に床下張材18が載置される。さらに床下張材18の上に、上階側壁パネル12が取り付けられる。それぞれの部材は、ドリルねじ等の固着具により固着される。上枠材13及び下枠材14には溝形鋼が用いられ、縦枠材11は、上枠材13及び下枠材14の溝部にはめ込まれる。縦枠材11には、リップ溝形鋼が用いられる。
端根太17は、2つの溝形鋼からなり、底面同士を、隙間170を設けた状態に対向させて設置される。隙間170には、防耐火のために、図示しない石膏ボードが挿入される。通常、12〜15mmの石膏ボードを2枚重ねて挿入するため、隙間170の幅は最大30mm程度である。従来、この隙間170を利用して、接合金物を上下階に亘って挿通している。
上階側の壁パネル12の下枠材14、床下張材18、上枠補強材19、下階側の壁パネル12の上枠材13には、上下方向に連通する穴が設けられる。この穴は、各部材の幅方向中央部に、部材長手方向に長い長穴として形成される。
図5は、本発明の接合金物2を示す。接合金物2は、正面形状が縦方向に長い長方形の鋼板からなり、正面から見て上下端部には、上下方向に適宜間隔、例えばねじ径の3倍程度の間隔に2列の孔21が形成される。孔21は、例えばねじ径が4〜8mm程度のドリルねじ5を取付可能な大きさの貫通孔である。孔21の配列は図示の例に限らず、孔21の数すなわちドリルねじ5等によるファスナ部材の数を多くすることにより、ファスナ部を介して十分に応力の伝達が行われる。接合金物2の長手方向は、上下階に亘って配置され両端部を上下階それぞれの縦枠材11に取付可能な長さである。厚さ寸法は、図2の端根太17間の隙間170に挿通可能な厚さであり、最大30mm程度である。幅方向の寸法は、縦枠材11として用いられる溝形鋼の底部(ウェブ)の内法寸法が上限となるので、最大80mm程度であり、要求される強度に応じて、必要な断面積を有する幅寸法とすることができる。そのため、従来のような断面が円形のボルトに比べ、断面積の自由度が増し、高耐力化にも対応できる。
接合金物2は、図2〜図4に示すように、孔21の中心軸が、溝形部材112,113の底部112b,113bに対して直交するように取り付けられる。接合金物2を用いた接合部構造1の縦枠材11は、2つのリップ溝形鋼からなる溝形部材112,113を有する。図4に示すように、左右に壁パネルが取り付けられる場合は、リップ溝形鋼からなる枠部材111,111が、溝形部材112,113に対して横断面の開口方向が直交する向きに設けられる。溝形部材112,113の両側面は、それぞれ左右の枠部材111,111に当接し固着されている。溝形部材112,113は、溝部112a,113aの底部112b,113bの裏面同士を当接させて配設される。一方の溝形部材112の溝部112aと、他方の溝形部材113の溝部113aとは、深さ寸法が異なり、室内側に配置される溝形部材112の溝部112aの深さ寸法の方を大きくすることが好ましい。深さ寸法が大きい溝形部材112の溝部112a内に接合金物2を挿入して、図示するように底部112bの内面に当接させ、接合金物2の孔21から溝形部材112,113に向けて、ドリルねじ5を取り付ける。こうして、接合金物2が溝形部材112,113に固定される。溝形部材112,113の溝部112a,113aの深さ寸法を調整することにより、従来形式と同様に、接合金物2の中心を縦枠材11の中心と一致又は略一致させることができる。これにより、端根太17等の他部材を従来の規格寸法材から変更することなく適用できる。
尚、溝形部材112,113が左右の枠部材111の両側辺111aよりも外側に突出しなければ、壁パネル12等を施工することが可能である。そのため、溝形部材112,113として規格寸法のものを用いた場合に、リップ112c,113cの外側面と枠部材111の両側面111aとがちょうど同一平面上にならなくても、施工可能である。溝形部材112,113として規格寸法のものを用いることにより、材料コストの上昇を抑えることができる。
接合金物2の施工手順は、以下の通りである。端根太間17に設けられた石膏ボード用の隙間170を利用して、上階側から下階側へ、又はその逆方向へ、接合金物2を挿通させる。接合金物2は、上階側の下枠材14、床下張材18、上枠補強材19、下階側の上枠材13に設けた穴を挿通し、上下階に亘って配置される。図4に示すように、接合金物2は、室内側の溝形部材112に挿入され、孔21の中心軸が壁パネル12の面方向に対して直交しているので、上下階それぞれの室内側から室外側に向かってドリルねじ5を取り付けて、接合金物2を縦枠材11に固定する。隙間170には、接合金物2の挿通位置を除いて、隙間なく石膏ボードをはめ込む。
本発明の接合金物2は、壁パネル12の面方向と平行となる幅方向の寸法を調整することにより、応力伝達部分の断面積を大きくできる。従って、従来ボルトを挿通していた隙間をそのまま利用して、ボルトよりも大きな断面の高耐力な接合金物が提供できる。また、壁パネル12の面方向に対して、すなわち図4の左右方向に対しては、隙間170が連続して設けられているので、施工誤差を吸収することができる。
また、本発明では、縦枠材に固定する接合部と応力伝達部とが、連続する1体の鋼板だけで済む。従って、接合金物の材料や製造に要するコストを大幅に削減でき、施工作業も極めて簡単である。
さらに、従来は、壁パネルの側面に向かって接合金物の取付作業を行っていたが、本発明の接合金物2は室内側の正面から取付作業を行うことができるので、楽な体勢で施工できる。
図6は、本発明の接合金物の異なる実施例を示す。接合金物の耐力を大きくするために板厚を厚くすると、切削加工により孔あけを行うこととなり、加工に手間がかかる。そこで、図6に示すように、ファスナ部材用の孔32の径以下の厚さの薄板31を重ね合わせて接合金物3を形成することにより、各薄板31はせん断加工による孔抜き加工で孔32をあけられるため、加工時間を削減することができる。薄板31は、正面形状が縦方向に長い長方形であり、正面から見て上下端部には、図5に示す接合金物2と同様に、ファスナ部材用の孔32が上下対称に複数形成される。さらに、図6(B)に示すように、薄板31の表面に凸部33を形成し、裏面に、凸部33に係合する凹部34を設けることにより、複数枚の薄板31を重ねる際にずれを防止し、孔32の位置がずれることがないので、施工性が良くなる。しかも、薄板31の断面性能が、同じ板厚の平板に比べて向上し、座屈しにくくなる。この接合金物3は、図6(A)に示すように、凹部34が設けられた方の面を溝形部材112の底部112b内側に当接してドリルねじ5で固定する。その他の施工方法は、前述の実施形態と同様である。尚、凸部及び凹部は、図示するような縦方向全長に亘る線状のものに限ることはなく、例えば上下端部のみに点状に設けても、位置ずれを防ぐという効果は得られる。
図7は、本発明の異なる実施の形態であり、基礎16とその上階の縦枠材11との接合部構造6を示す。
接合金物4の下部を、コンクリートの基礎16内に埋設し、上部を基礎16の上方へ突出させる。接合金物4は、上側の端部に、上下階の接合に用いられる前述の接合金物2,3と同様の孔41が設けられた鋼板からなる。接合金物4の外形、及び上部と基礎16の上階の縦枠材11との取付構造は、図4に示す前述の接合金物2の上部の取付構造と同様であるため、説明を省略する。
接合金物4の下部、すなわち基礎16中に埋設する部分には、コンクリートとの付着力を向上させ、接合金物4を上方に抜けにくくするために、複数の貫通孔42が設けられている。貫通孔42の位置や寸法及び数は任意である。このように、基礎16への定着を貫通孔42によるものとすれば、ファスナ用の孔あけと同様の工程によって定着部を形成できるため、接合金物4の製造が容易である。尚、コンクリートとの付着力を向上させる手段として、例えば接合金物4の下部表面に凹凸を設けてもよい。また、基礎16と上階の縦枠材11との接合に、前述の図5の接合金物2をそのまま用いてもよい。
さらに、接合金物を基礎16に定着させる手段としては、例えば図8に示すように、接合金物4aの下部に、先端が屈曲したフック状の鉄筋43を固定してもよい。これにより、接合金物4aに引き抜き方向の力が作用したときに抜けにくくなる。鉄筋43は異形鉄筋が好ましく、例えば溶接により接合金物4aの下部に取り付けられる。また、図9に示すように、接合金物4bの下端に、接合金物4bの胴部44の横断面よりも面積が大きいフランジ部45を取り付けてもよい。フランジ部45は、例えば平面形状が長方形の鋼板により形成され、溶接により接合金物4bの下端部に固定される。このフランジ部45により、接合金物4bに上向きの力が作用したときに、上方へ滑るのを防ぎ、接合金物4bを確実に基礎16内に定着させる。
なお、接合金物4を基礎に取り付ける場合には、接合金物4を端根太の隙間に通す必要がない。したがって、縦部材11を構成する溝形部材の底面が、従来と同様に壁パネルの面方向に対して直交していても、断面積が大きく高強度な接合金物を施工することが可能である。
本発明は、縦枠材に溝形鋼を用いた中低層鋼構造建築物において、上下階同士、又は、基礎とその上階を接合して応力を伝達させる場合に適用できる。
本発明が適用されるスチールハウスの例を示す概略正面図。 本発明の実施の形態を示す縦断面図。 図2のA−A線から見た正面図。 図3のB−B線から見た横断面図。 本発明で用いられる接合金物の例を示す斜視図。 本発明の異なる実施の形態を示す図であり、(A)は取付状態を示す横断面図、(B)は接合金物の斜視図。 本発明の異なる実施の形態を示す正面図。 基礎への定着部分が異なる接合金物の例を示す正面図。 基礎への定着部分がさらに異なる接合金物の例を示す正面図。 基礎とその上階との接合部の従来例を示す平面図。 上下階同士の接合部の従来例を示す平面図。
符号の説明
1,6 接合部構造
2,3,4 接合金物
5 ドリルねじ
11 縦枠材
12 壁パネル
13 上枠材
14 下枠材
15 床パネル
16 基礎
17 端根太
18 床下張材
19 上枠補強材
20 床根太
21,31,41 孔
111 枠部材
112,113 溝形部材

Claims (5)

  1. 縦枠材に取り付けられるファスナ部材用の複数の孔があけられた鋼板からなる接合金物を用いた鋼構造建築物における接合部構造であって、
    前記縦枠材は、溝部底面同士を当接した2つの溝形部材を有し、前記接合金物は、前記孔の中心軸が前記2つの溝形部材の底面に対して直交するように縦方向に配設され
    前記2つの溝形部材はそれぞれ溝部の深さ寸法が異なり、底面が前記壁パネルの面方向と平行になるように配設され、前記2つの溝形部材のうち溝部の深さ寸法が大きい方の溝形部材の溝部内に前記接合金物が挿入されて前記底面に固定されることを特徴とする、鋼構造建築物における接合部構造。
  2. 前記接合金物は、前記鋼構造建築物の上階と下階とに亘って縦方向に配置される長さを有し、縦方向両端部に、上階側縦枠材及び下階側縦枠材に取り付けられるファスナ部材用の複数の孔があけられていることを特徴とする、請求項1に記載の鋼構造建築物における接合部構造。
  3. 前記接合金物は、前記鋼構造建築物の基礎とその上階とに亘って縦方向に配置される長さを有し、縦方向のいずれか一方の端部に、上階側縦枠材に取り付けられるファスナ部材用の複数の孔があけられていて、他方の端部に、基礎への定着部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の鋼構造建築物における接合部構造。
  4. 前記ファスナ部材がドリルねじであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼構造建築物における接合部構造。
  5. 前記接合金物は、前記ファスナ部材用の孔の径以下の厚さを有する複数の薄板を厚さ方向に重ね合わせて形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の鋼構造建築物における接合部構造。
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