以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係る表示装置は、図1乃至図14に示すように構成されている。なお、図1は、表示パネルユニットがシャーシ(筐体)内に収容された状態の表示装置を前方斜め上方から見た斜視図、図2は、表示パネルユニットが起立した状態の表示装置を前方斜め上方から見た斜視図、図3は、表示パネルユニットが起立した状態の表示装置を後方斜め上方から見た斜視図、図4は、表示パネルユニットがシャーシ内に収容された状態となる表示装置を一側方側から見た部品配置を示す図、図5は、表示パネルユニットがシャーシ内に収容された状態となる表示装置を上方側から見た部品配置を示す図、図6は、表示パネルユニットがシャーシからせり出した状態となる表示装置を前方側から見た部品配置を示す図、図7は、モータの動作によって移動する移動部材を示す側面図、図8は、シャーシのサイドパネルを示す図、図9は、シャーシのサイドパネルの外方に配置される外方パネルを示す図、図10は、トップパネルに形成された開口を閉鎖及び開放するドア部材の側面図(a)及びその裏面側から見た平面図(b)、図11は、ドア部材を駆動するための駆動ディスクの側面図(a)及び正面図(b)、図12は、ドア部材と駆動ディスクとを連結する連結片の側面図(a)及び正面図(b)、図13は、アーム部材を示す斜視図、及び図14は、前カバー部材を示す斜視図である。
図1乃至図3において、この表示装置100は、シャーシ10(筐体)と、その上方に設けられたトップパネル12とを有している。トップパネル12の所定部位に表示パネルユニット20が出没する開口121が形成されている。表示装置100は、例えば、車両のインストルメントパネルの表面とトップパネル12の表面とが面一となるようにインストルメントパネル内に設置される。
シャーシ10内には、開口121を閉ざす(図1参照)閉鎖位置と開口121を開放する(図2、図3参照)開放位置との間で移動可能となるドア部材30が設けられている。シャーシ10内に収容された表示パネルユニット20は、図2において破線で示すように、開放される開口121からせり出し、矢印Bで示すように起き上がって表示画面21を前方(図2、図3における方向A)に向けて起立可能となる。シャーシ10の両サイドパネル11a、11bのそれぞれには、詳細は後述するが、複数のガイド溝が形成されており、そのガイド溝にて案内されるガイドピンの設けられたアーム部材60及び他の機構部品の動きによって表示パネルユニット20が開口121からせり出して起立し、また、起立した表示パネルユニット20が開口121を通してシャーシ10内に戻るようになっている。アーム部材60の両アームサイド61a、61bの先端部が表示パネルユニット20の各側面部に設けられた支軸ピン23a、23b(図2、図3では一方の支軸ピン23aしか表れていない)と回動自在に連結しており、表示パネルユニット20が、これら2つのアームサイド61a、61bによって揺動自在に支持される。
表示パネルユニット20が起立姿勢となる状態で、表示パネルユニット20と表示画面21より前方の開口121の縁との間に形成される前方隙間部分が、シャーシ10内に収容された前カバー部材のカバー部71によって覆われる(図2参照)。アーム部材60の両アームサイド61a、61間にはカバー部62が形成されており、表示パネルユニット20が起立姿勢となる状態で、表示パネルユニット20の表示画面21と逆側の面より後方の開口121における後方隙間部分が、アーム部材60のカバー部62によって覆われるようになっている(図3参照)。
シャーシ10の各サイドパネル11a、11bには、その外側に配置されるように外方パネル13a、13bが固定されている。各外方パネル13a、13bには、詳細は後述するが、複数のガイド溝が形成されており、そのガイド溝にて案内されるガイドピンの設けられた駆動ディスク50a、50b(図1乃至図3には、一方の駆動ディスク50aしか表れていない)及び他の機構部品の動きによって前述したドア部材30が閉鎖位置と開放位置との間で移動可能となっている。
次に、図4乃至図14を参照して、表示装置100の更に詳細な構造について説明する。なお、図4は、表示装置100を一側方側から見た部品配置を示しているが、他側方側から見た部品配置も略同様となっている。また、図4において、部品の配置を見易くするための、外方パネル13aが破線にて表され、ラックギアブロック15aが二点鎖線にて表されている。
図4乃至図6を参照するに、シャーシ10の各サイドパネル11a、11bの外方にそれに平行となるように外方パネル13a、13bが配置されている。シャーシ10の各サイドパネル11a、11bと対向する外方パネル13a、13bとは、スペーサによって所定の間隔が維持され、相互にネジ止めされる等により一体化されている。各サイドパネル11a、11bには、図8に示すように、メインガイド溝111、第1アームガイド溝112及び第2アームガイド溝113が形成されている。メインガイド溝111は、各サイドパネル11a、11bの略中央部に前後方向(図8において左右方向)に延び、かつ、前方(方向A)に向けて上るように傾斜している。メインガイド溝111の前端部分に位置する湾曲部1111は、後述するように表示パネルユニット20が所定位置までせり出して起立した状態での支軸ピン23a、23bを中心とした円弧状となる。第1ガイドアーム溝112は、メインガイド溝111の所定近傍位置から所定の曲線形状となって延び、サイドパネル11a、11bの上縁にて開放するようになっている。第2アームガイド溝113は、各サイドパネル11a、11bの上縁に沿って前後方向に傾き無く延びるように形成されている。また、各サイドパネル11a、11bの内面側の所定部位には、傾斜したメインガイド溝111に沿ってそれに略平行となるようにラックギアブロック15a、15bが設けられている(図8、図5、図6参照)。
各外方パネル13a、13bには、図9に示すように、第1ドアガイド溝131、第2ドアガイド溝132及び第3ドアガイド溝133がそれぞれ略平行となるように形成されている。各ドアガイド溝131〜133は、前方(方向A)に向けて下がるように傾斜しており、第1ドアガイド溝131が外方パネル13a、13bの上縁に最も近い位置に、第3ドアガイド溝133が外方パネル13a、13bの上縁から最も遠い位置にそれぞれ配置され、第2ドアガイド溝132が第1ドアガイド溝131と第2ドアガイド溝133との間に配置されている。第2ドアガイド溝132の前端部分に位置する上下ガイド部1321は、後述するようにドア部材30の後ガイドピン34a、34bを上下方向にガイドするように形成されている。
トップパネル12に形成された開口121を閉ざす閉鎖位置と開口121を開放する開放位置との間で移動可能となるドア部材30は、図10(a)、(b)に示すように、その前方両端部に下方に延びる前支持部31a、31bが形成され、後方両端部にもまた下方に延びる後支持部33a、33bが形成されている。各前支持部31a、31bは、後支持部33a、33bより短く設定されている。各前支持部31a、31bには外方に突出するように前ガイドピン32a、32bが設けられ、各後支持部33a、33bには外方に突出するように後ガイドピン34a、34bが設けられている。
ドア部材30は、前ガイドピン32a、32bが外方パネル13a、13bに形成された第1ドアガイド溝131に摺動自在に嵌め込まれるとともに後ガイドピン34a、34bが外方パネル13a、13bに形成された第2ドアガイド溝132に摺動自在に嵌め込まれるようにして、シャーシ10内に設けられている(図4、図6参照)。ドア部材30が閉鎖位置にある状態(図4参照)において、前ガイドピン32a、32bは、第1ドアガイド溝131の前方端に位置し、後ガイドピン34a、34bは、第2ドアガイド溝132における上下ガイド部1321の末端に位置する。
各外方パネル13a、13bの外側に駆動ディスク50a、50bが配置されている(図6参照)。各駆動ディスク50a、50bは、図11(a)、(b)に示すように、円盤状のギア部51と長板状のアーム部52とを有している。ギア部51の中心に軸孔53が形成されるとともに、その周縁の略半分の領域にギア歯511が形成されている。アーム部52は、ギア部51の軸孔53を挟んでギア歯511の略中央部の反対側の周縁から突出しており、そのアーム部52には長手方向(ギア部51の径方向)に延びる長孔521が形成されている。各駆動ディスク50a、50bは、軸孔53を通り、対応する外方パネル13a、13bの所定部位に形成された軸孔135(図9参照)に嵌め込まれる回動軸ピン16a、16bを中心にして回動自在となるようにその対応する外方パネル13a、13bに取り付けられている(図4、図6参照)。
駆動ディスク50a、50bとドア部材30とが連結片40a、40bによって連結されている(図4、図6参照)。各連結片40a、40bは、図12(a)、(b)に示すように、幅広部分に前方(図12の左方向)に向かって下がるように傾斜した長孔41が形成されるとともに、前端部に前ガイドピン42が設けられ、更に、後端部に後ガイドピン43が設けられている。各連結片40a、40bは、外方パネル13a、13bの内側、かつ、ドア部材30の外側に配置され(図6参照)、外方パネル13a、13の第2ドアガイド溝132を通るドア部材30の後ガイドピン34a、34bが連結片40a、40bの長孔41に摺動自在に嵌め込まれている。また、各連結片40a、40bの前ガイドピン42及び後ガイドピン43は、外方パネル13a、13bの第3ドアガイド溝133に摺動自在に嵌め込まれ、特に後ガイドピン43は、第3ドアガイド溝133を通って更に駆動ディスク50a、50bのアーム部52に形成された長孔521に摺動自在に嵌め込まれている。
シャーシ10内にはサイドパネル11a、11bの内側面に設けられたラックギアブロック15a、15bに沿って移動可能となる移動部材90が設けられている。移動部材90は、図4、図5、図6及び図7に示すように、シャーシ10の両サイドパネル11a、11b間に延在するブラケット91を有している。ブラケット91は、その両端部に前方(方向A)に延びるブラケットサイド92a、92bを有し、各ブラケットサイド92a、92bがサイドパネル11a、11bの内側に位置するようになっている。各サイドパネル11a、11bを挟むように各ブラケットサイド92a、92bに対向して支持ブロック95a、95bが配置されている。シャーシ10の幅方向に延びるシャフト86がブラケットサイド92a、92bを貫通し、更に、サイドパネル11a、11bに形成されたメインガイド溝111を通して支持ブロック95a、95bに至っている。そして、シャフト86の各端部が、対応する支持ブロック95a、95bの軸受け(図示略)に回転自在に取り付けられている。
シャーシ10内には、表示パネルユニット20が、両サイドパネル11a、11bに形成されたメインガイド溝111に略平行となるように、かつ、表示画面21を下方に向けて収容されている。表示パネルユニット20の両側面の下端部にて突出する軸ピン22a、22bがブラケット91のブラケットサイド92a、92aを貫通し、更に、サイドパネル11a、11bに形成されたメインガイド溝111を通して支持ブロック95a、95bに至っている。そして、軸ピン22a、22bの先端部が、シャフト86と同様に、対応する支持ブロック95a、95bの軸受け(図示略)に回動自在に取り付けられている。
ブラケット91には、モータ80(駆動源)が固定されるとともに、同軸で一体となるギア82、83が回転自在に設けられている(なお、その固定及び設置手段については図示略)。モータ80の回転軸に装着されたピニオンギア81がギア82に噛合い、そのギア82と一体となるギア83がシャフト86に設けられたギア84に噛合っている。また、シャフト86の両サイドパネル11a、11bの内側部位に移動ギア85a、85bが設けられ、各移動ギア85a、85bがラックギアブロック15a、15bのラックギアに噛合っている。モータ80が回転すると、その回転力がピニオンギア81からギア82、83、84を介してシャフト86に伝達し、そのシャフト86が回転することによって移動ギア85a、85bが回転してラックギアブロック15a、15b上を移動(自走)する。これにより、ブラケット91、支持ブロック95a、95b、シャフト86、モータ80(ピニオンギア81)、ギア82、83、84及び移動ギア85a、85bが一体となる移動部材90として両サイドパネル11a、11bに形成されたメインガイド溝111に沿って移動するようになる。駆動源のモータ80が正回転(第1動作)すると、移動部材90は、シャーシ10内で前方(図4及び図5において方向A)に移動し、モータ80が逆回転(第2動作)すると、移動部材90は、シャーシ10内で奥方(図4及び図5において方向Aと逆方向)に移動する。
各支持ブロック95a、95bのサイドパネル11a、11bに対向する面と逆側の面には、ラックギア96a、96bが形成されている。前述したように外方パネル13a、13bに回動自在に結合される駆動ディスク50a、50bのギア部51に形成されたギア歯511が支持ブロック95a、95bに形成されたラックギア96a、96bに噛合っている。前述したような支持ブロック95a、95b(移動部材90)の移動によるラックギア96a、96bの移動によって駆動ディスク50a、50bが回動軸ピン16a、16bを中心にして回動する。モータ80が正回転(第1動作)すると、移動部材90の前方への移動に伴って、アーム部52が後方側(図4における方向Aと逆方向)に倒れるように駆動ディスク50a、50bが回動し、モータ80が逆回転(第2動作)すると、移動部材90の後方への移動に伴って、アーム部材52が前方側(図4における方向A)に倒れるように駆動ディスク50a、50bが回動する。
また、各支持ブロック95a、95bには下方に突出する突出部97a、97bが形成されている(図4、図6参照)。各突出部97a、97bのサイドパネル11a、11bに対向する面の先端部分にガイドピン98a、98bが設けられている。このガイドピン98a、98bは後述するように前カバー部材70に形成されたガイド溝73a、73bに嵌り込むようになっている。
シャーシ10内において、アーム部材60が表示パネルユニット20の背面側に配置されている(図4参照)。アーム部材60は、図13に示すように、板状となる2つのアームサイド61a、61bが板状のカバー部62によって連結された構造となっている。アームサイド61a、61bの間隔は、表示パネルユニット20の外形幅と略同じとなっている。なお、図13には、主に一方のアームサイド61aの構造が表れているが、他方のアームサイド61bの構造もアームサイド61aと同じである。アームサイド61a、61bの前端部には外方に突出するガイドピン63a、63bが設けられており、ガイドピン63、63bの近傍に表示パネルユニット20の支軸ピン23a、23bが回動自在に嵌め込まれる軸孔64a、64bが形成されている。また、アームサイド61a、61bの後端部には、外方に突出するガイドピン65a、65bが設けられている。アームサイド61a、61bの後端部の板厚部分であって前記ガイドピン65a、65bの近傍には係止突起66a、66bが形成されている。
シャーシ内10内において、アーム部材60は、表示パネルユニット20の背面側から2つのアームサイド61a、61bが当該表示パネルユニット20の側面を挟み込むように配置されている。そして、アームサイド61a、61bの軸孔64a、64bに表示パネルユニット20の側面の略中央部から突出する支軸ピン23a、23bが回動自在に嵌め込まれている。これにより、表示パネルユニット20は、2つのアームサイド61a、61bによって支軸ピン23a、23bを中心にして揺動自在に支持される。また、アームサイド61a、61bの前端部分から突出するガイドピン63a、63bが、サイドパネル11a、11bに形成された第1アームガイド溝112に摺動自在に嵌め込まれるとともに、その後端部分から突出するガイドピン65a、65bが、サイドパネル11a、11bに形成された第2アームガイド溝113に摺動自在に嵌め込まれている。トップパネル12の開口121をドア部材30が閉ざして、表示パネルユニット20がシャーシ10の最奥位置に収容される状態で、アームサイド61a、61bのガイドピン63a、63bが、サイドパネル11a、11bに形成された第1アームガイド溝112の開放する端部と逆側の端部に位置するとともに、他方のガイドピン65a、65bが、サイドパネル11a、11bに形成された第2アームガイド溝113の後端部に位置している(図4参照)。
シャーシ10内において、前カバー部材70が表示パネルユニット20の下方に配置されている(図4参照)。前カバー部材70は、図14に示すように、先端部分が所定の湾曲形状となったカバー部71の両端部からガイドアーム部72a、72bが延びた構造となっている。各ガイドアーム部72a、72bは、山形形状となっており、その外面には山形となる周縁に沿ってガイド溝73a、73bが形成されている(なお、図14では、一方のガイド溝73aしか表れていないが、ガイドアーム部73bにも同様にガイド溝73bが形成されている)。各ガイド溝73a、73bの一方の端部は、ガイドアーム部72a、72bの外縁にて開放している。また、ガイドアーム72a、72bのカバー部71との境界部分に軸孔74a、74bが形成されている。前カバー部材70は、両ガイドアーム部72a、72bが両サイドパネル11a、11bを外側から挟み込むように配置され、カバー部71が両サイドパネル11a、11bの前端縁の更に外側に位置するようになっている。そして、各軸孔74a、74bを貫通する軸ピン(図示略)がサイドパネル11a、11bに固定されることにより、前カバー部材70が前記軸ピンを中心にして揺動可能となる。トップパネル12の開口121をドア部材30が閉ざして、表示パネルユニット20がシャーシ10の最奥位置に収容される状態で、カバー部71の先端縁が開口121の前側縁に臨むようにカバー部材70がシャーシ10内に配置される。
上述した構造の表示装置100では、モータ80を共通の駆動源として、ドア部材30、表示パネルユニット20、アーム部材60及び前カバー部材70が連動して動くようになっている。そして、モータ80の正逆回転(第1動作及び第2動作)によって前進動及び後退動する移動部材90、駆動ディスク50a、50b、連結片40a、40b、外方パネル13a、13bに形成された第1ドアガイド溝131、第2ドアガイド溝132、第3ドアガイド溝133及び各ガイドピンが、ドア部材30を閉鎖位置と開放位置との間で移動させるドア駆動機構に含まれる。また、サイドパネル11a、11bに形成されたメインガイド溝111にてガイドされる移動部材90及びアーム部材60(アームサイド61a、61b9が表示パネルユニット20と前カバー部材70とを共通のモータ80にて連動するように動かす連動駆機構に含まれる。
次に、図15乃至図27を参照して、表示装置100における、表示パネルユニット20の出没動作について説明する。なお、図15乃至図28は、図4に相当する図であり、それら図15乃至図28において、説明に支障をきたさない範囲で適宜部品を省略し、また、部品を破線にて表している。
当初、図4に示すようにシャーシ10の最奥位置に表示パネルユニット20が収容された表示装置100では、モータ80が正回転(第1動作)すると、移動部材90が前方に移動していく。すると、図15に示すように、サイドパネル11a、11bのメインガイド溝111にてガイドされる軸ピン22a、22bを介して押される表示パネルユニット20がそのメインガイド溝111に沿って前進するとともに、ギア部51のギア歯511が移動部材90の支持ブロック95a、95bに形成されたラックギア96a、96bに噛合う駆動ディスク50a、50bが回動する。駆動ディスク50a、50bの回動により、アーム部52の長孔521に嵌り込んだ後ガイドピン43が後方に引かれ、それに伴って後ガイドピン43及び前ガイドピン42が外方パネル13a、13bに形成された第3ドアガイド溝133にガイドされつつ連結片40a、40bが後方に引かれる。すると、連結片40a、40bの後方への移動に伴う傾斜した長孔41の動きによって、ドア部材30の後ガイドピン34a、34bが外方パネル13a、13bに形成された第2ドアガイド溝132の上下ガイド部1321にガイドされつつ下方に移動する。その後ガイドピン34a、34bの移動により、ドア部材30の後端部分が下がって、ドア部材30の後端部分が開口121の後端縁の下に進入可能な状態となる。
更に、モータ80の正回転によって移動部材90が前方に移動していくと、駆動ディスク50a、50bの回動が維持され、図16乃至図22に示すように、アーム部52の長孔521に嵌り込んだ後ガイドピン43を介して連結片40a、40bが後方に引かれていく。そして、前ガイドピン42及び後ガイドピン43が第3ドアガイド溝133にガイドされつつ連結片40a、40bが後方に移動することにより、ドア部材30が後方に引かれ、前ガイドピン32a、32bが外方パネル13a、13bに形成された第1ドアガイド溝131にガイドされるとともに後ガイドピン34a、34bが外方パネル13a、13bに形成された第2ドアガイド溝132にガイドされながら、ドア部材30が後方に移動する。ドア部材30の前ガイドピン32a、32bが第1ドアガイド溝131の後端部に、ドア部材30の後ガイドピン34a、34bが第2ドアガイド溝132の後端部に、また、連結片40a、40bの後ガイドピン43が第3ドアガイド溝133の後端部に達すると、ドア部材30はトップパネル12の下側に入り込んで、開口121を開放する開放位置に達する(図22参照)。
前述したようにドア部材30が閉鎖位置(図4参照)から開放位置(図22参照)に移動する過程において、移動部材90の前方への移動によって表示パネルユニット20が軸ピン22a、22bを介して前方に押され、その軸ピン22a、22bがサイドパネル11a、11bに形成されたメインガイド溝111にガイドされつつ前方に移動していく。その表示パネルユニット20の前方への移動に伴って、支軸ピン23a、23bを介して表示パネルユニット20に連結するアーム部材60が、ガイドピン63a、63bがサイドパネル11a、11bに形成された第1アームガイド溝112にガイドされるとともにガイドピン65a、65bがサイドパネル11a、11bに形成された第2アームガイド溝113にガイドされながら、前方に向かって移動する。
そして、ガイドピン63a、63bが湾曲した第1アームガイド溝112によってガイドされることによって、アーム部材60が前方に移動しつつ第2アームガイド溝113にてガイドされるガイドピン65a、65bを支点として起き上がるように回動する。支軸23a、23bを介して表示パネルユニット20に連結するアーム部材60の前記動きによって、図18乃至図22に示すように、軸ピン22a、22bがメインガイド溝111にてガイドされつつ前方に移動する表示パネルユニット20は、その背面側に引き上げられていく。このように背面側が引き上げられながら前方に移動する表示パネルユニット20は、ドア部材30が開放位置に向かって移動することによって形成される開口121のドア部材30に覆われていない前方部分からせり出していく(図2において破線で示す表示パネルユニット20を参照)。
前述したようにドア部材30が開放位置に達した後に、移動する移動部材90における支持ブロック95a、95bに形成されたラックギア96a、96bが駆動ディスク50a、50bのギア部51に形成されたギア歯511からはずれ、以後、ドア部材30は開放位置に維持される(図22及び図23乃至図28参照)。その後、更に、移動部材90が前方に移動すると、図23に示すように、支持ブロック95a、95bの突出部97a、97bに設けられたガイドピン98a、98bが、前カバー部材70のガイドアーム部72a、72bに形成された山形のガイド溝73a、73bにその開放する端部から進入する。このとき、サイドパネル11a、11bに形成された第1アームガイド溝112にガイドされていたアーム部材60のガイドピン63a、63bが第1アームガイド溝112からはずれる。
また、更に移動部材90が前方に移動すると、図23乃至図25に示すように、移動部材90によって押される軸ピン22a、22bがサイドパネル11a、11bのメインガイド溝111によって斜め上方にガイドされることによって、支軸ピン23a、23bによって表示パネルユニット20に連結したアーム部材60がガイドピン65a、65bを支点として更に起き上がるように回動し、アーム部材60のカバー部62が開口121に進出する。このようにアーム部材60が起き上がりつつ、表示パネルユニット20は、メインガイド溝111にガイドされる軸ピン22a、22bの動きによって、支軸ピン23a、23bを支点として回動して徐々に起立していく(図2における矢印B参照)。そして、開口121から進出したアーム部材60のカバー部62によって、起立する表示パネルユニット20の表示画面21と逆側の面(背面)より後方に形成される開口121における後方隙間部分121bが覆われる(図25参照)。
また、移動部材90の前方への移動に伴って移動するガイドピン98a、98bが支障なくガイド溝73a、73bにてガイドされるように、前カバー部材70が軸ピン74a、74bを支点として回動し、前カバー部材70のカバー部71が開口121にその前端縁側から進出していく。そして、カバー部71が起立する表示パネルユニット20とその表示画面21より前方の開口121の縁との間に形成される前方隙間部分121aを徐々に覆っていく(図25参照)。
更に、移動部材90が前方に移動すると、図26乃至図28に示すように、アーム部材60のアームサイド61a、61bに形成された係止突起66a、66bがシャーシ10側に設けられたストッパ17a、17bに突き当たって、アーム部材60のそれ以上の回動が停止する。そして、このようにアーム部材60の動きが停止した状態での支軸ピン23a、23bを中心とした円弧状となるメインガイド溝111の湾曲部1111にて軸ピン22a,22bがガイドされることにより、表示パネルユニット20がその下端部を前方に押出しつつ支軸ピン23a、23bを中心にして揺動し、表示パネルユニット20の起立角度が徐々に変化する。その過程で、移動部材90の移動に伴って移動するガイドピン98a、98bが支障なく山形形状のガイド溝73a、73bにて引き続きガイドされるように、前カバー部材70が軸ピン74a、74bを支点として揺動する。それにより、所定の起立角度範囲(例えば、図26乃至図28に示す起立角度範囲)においてカバー部71が表示パネルユニット20の前方に形成される前部隙間部分121aを覆う状態が維持される(図25乃至図28とともに図2参照)。このとき、アーム部材60の動きが停止されるので、カバー部62は、表示パネルユニット20の後方に形成される後方隙間部分121bを覆う状態を維持する(図26乃至図28とともに図3参照)。
なお、実際には、表示パネルユニット20の体裁面に傷等がつくことを防止するという観点から、表示パネルユニット20の起立角度を前記所定の起立角度範囲で変化させる際に、カバー部71の先端と表示パネルユニット20の体裁面との間に僅かな隙間が保持されるように前カバー部材70の揺動がなされるようになっている。ただし、この隙間は、できるだけ小さいことが好ましい。
モータ80を正逆回転させて、移動部材90を図26乃至図28に示す範囲で前後動させることにより、表示パネルユニット20の起立角度を調整することができる。この際にも、表示パネルユニット20の表示画面21の前方に形成される前方隙間部分121aがカバー部71によって覆われる状態に維持されるように、前カバー部材70は軸ピン74a、74bを支点として微妙に揺動する。また、その際、アーム部材60は、カバー部62(後カバー部材)が表示パネルユニット60の後方に形成される後方隙間部分121bを覆う状態を維持するようにその姿勢が維持される。
モータ80を逆回転(第2動作)させると、各部品が前述したのと逆に動く。その結果、表示パネルユニット20、前カバー部材70及びドア部材30の状態は、前述したのとは逆に図28に示す状態から図15に示す状態に向かって変化する。即ち、起立状態となる表示パネルユニット20は、シャーシ10の再奥方位置に収容されるように戻るとともに、カバー部71が前方隙間部分121aを覆うカバー部材70は、シャーシ10内に待避し、開放位置となるドア部材30は、開口121を閉鎖する閉鎖位置に移動する。
前述したような表示装置100では、トップパネル12の開口121からせり出して起立する表示パネルユニットの所定起立角度範囲(図26乃至図25参照)で常に前カバー部材70のカバー部71が表示パネルユニット20の前方に形成される開口121の前方隙間部分121aを覆うようになるので、開口121から突出する表示パネルユニット20の起立角度を所定の起立角度範囲で種々変化させても、表示パネルユニット20の前方に隙間が表れないようにすることができる。従って、コイン、クリップなどの異物が誤って隙間から装置内部に入ってしまうこと、その隙間に指を差し入れた状態で誤って表示パネルユニット20を動かしてしまうことを確実に防止することができる。
更に、起立した表示パネルユニット20の後方に形成される開口121の後方隙間部分121bもアーム部材60のカバー部62によって覆われるようになるので、コイン、クリップ、ゴミや埃の装置内への進入を更に確実に防止することができる。
前述した例では、ドア部材30も表示パネルユニット20及び前カバー部材70と共通の駆動源となるモータ80の動作(正逆回転)によって閉鎖位置と開放位置との間で移動かのうとなるものであったが、ドア部材30は、表示パネルユニット及び前カバー部材70の駆動源と異なる駆動源によって移動するものであってもよい。この場合、ドア部材30が開放位置となった状態でモータ80を正回転(第1動作)させ、モータ80の逆回転によって表示パネルユニット20をシャーシ10内に収容させ、かつ、前カバー部材70をシャーシ10内に待避させた後に、ドア部材30を閉鎖位置に移動させればよい。