JP4867999B2 - 積層コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、積層コンデンサに関する。
従来、誘電体層を複数積層してなる素体と、素体内に形成された複数の内部電極と、素体の側面に形成された一対の端子電極とを備えた積層コンデンサがある。積層コンデンサに電圧を印加した場合、電歪効果によって素体に印加電圧に応じた大きさの機械的歪みが生じる。特に交流電圧を印加したときには、この機械的歪みによって積層コンデンサに振動(電歪振動)が発生する。そのため、積層コンデンサを基板に実装し、交流電圧を印加すると、電歪振動が基板に伝播して、いわゆる音鳴きが発生することがある。
そこで、例えば特許文献1に記載の積層コンデンサでは、端子電極が形成された素体側面をクランプする内側接続部と、端子電極が形成されていない素体側面をクランプする外側接続部と、これらの内側接続部及び外側接続部を連結する中間部とを有する金属端子を設けている。この積層コンデンサでは、中間部が内側接続部よりも細くされており、中間部が撓むことによって電歪振動を吸収するようになっている。
特開2004−266110号公報
上述したように、金属端子の撓みを利用した電歪振動の吸収は、積層コンデンサの音鳴きの発生の防止に有効であると考えられる。そこで、このような金属端子を備えた積層コンデンサの構成を更に工夫し、製造しやすさを向上させることが重要となる。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、簡単な構成で効率良く音鳴きの発生を防止できる積層コンデンサを提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る積層コンデンサは、誘電体層を複数積層してなる素体と、素体の側面に形成された端子電極と、素体の周りに設けられた金属端子とを備えた積層コンデンサであって、金属端子は、実装基板への接続端となる基板接続面と、端子電極への接続端となる端子接続面と、基板接続面と端子接続面とを連結する連結面とを有し、基板接続面は、素体の底面側に配置され、端子接続面及び連結面の少なくとも一方は、素体の高さを超えない高さで基板接続面に対して起立する起立部分を有していることを特徴としている。
この積層コンデンサでは、素体の周りに金属端子が設けられており、電圧印加時の積層コンデンサに電歪振動が発生した場合であっても、この金属端子において基板接続面と端子接続面とを連結する連結面が撓むことによって電歪振動が緩和され、音鳴きの発生を防止できる。また、この積層コンデンサでは、端子接続面及び連結面の少なくとも一方が起立部分を有するので、連結面が素体の異なる側面に位置する端子接続面と基板接続面とを連結することとなり、連結面の長さを十分に確保できる。これにより、電歪振動の緩和効率の向上が図られる。さらに、起立部分が素体の高さを超えない高さとなっているので、素体に対して金属端子を簡単に装着できる。
また、連結面は、素体の長手方向に沿って延在していることが好ましい。この場合、連結面の長さを一層十分に確保できるので、電歪振動の緩和効率を更に高めることが可能となる。
また、基板接続面は、起立部分とは離間した状態で、素体の高さを超えない高さで基板接続面に対して起立する起立部分を有していることが好ましい。こうすると、例えば積層コンデンサを実装基板にはんだで接続する際に、フィレットの外観が見やすくなる。
また、端子接続面は、素体の底面を支持する素体支持面を有する一方で、基板接続面は、素体支持面に対して一段下げられ、基板接続面と素体の底面との間に空隙が存在することが好ましい。この場合、素体支持面に素体を載せるだけで、簡単に素体と金属端子とを位置合わせできる。また、基板接続面が素体支持面に対して一段下げられることにより、素体が基板接続面に直接接触せず、かつ積層コンデンサを実装基板に実装したときに端子接続面が実装基板から離間するので、音鳴きの発生を一層確実に防止できる。
また、各起立部分の高さは、素体の高さの半分以下であることが好ましい。この場合、素体への金属端子の装着しやすさを確保できる。
本発明によれば、簡単な構成で効率良く音鳴きの発生を防止できる。
本発明の第1実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。 図1に示した積層コンデンサにおける素体の横断面図である。 図1に示した積層コンデンサにおける金属端子の形成手順を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。 図4に示した積層コンデンサにおける金属端子の形成手順を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。 図6に示した積層コンデンサにおける金属端子の形成手順を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。 図8に示した積層コンデンサにおける素体の横断面図である。 図8に示した積層コンデンサにおける金属端子の形成手順を示す図である。 本発明の変形例に係る積層コンデンサを示す斜視図である。 図11に示した積層コンデンサにおける金属端子の形成手順を示す図である。 本発明の別の変形例に係る積層コンデンサを示す斜視図である。 図13に示した積層コンデンサにおける金属端子の形成手順を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る積層コンデンサの好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。また、図2は、図1に示した積層コンデンサにおける素体の横断面図である。
図1に示すように、積層コンデンサ1は、例えば2012タイプ(長さ2.0mm、幅1.2mm、高さ1.0mm)の積層セラミックコンデンサであり、誘電体層2(図2参照)を複数積層してなる略直方体形状の素体3と、素体3の幅方向の側面3a,3aの略中央部分に形成された一対の端子電極4,4と、素体3の周りに設けられた一対の金属端子5,5とを備えている。
素体3を構成する誘電体層2は、例えばBaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系といった誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの積層体を焼結することによって形成されている。素体3では、各誘電体層2は、互いの境界が視認できない程度に一体化されている。
素体3の内部には、図2に示すように、第1の内部電極6及び第2の内部電極7が設けられている。第1の内部電極6及び第2の内部電極7は、例えばAgを含む導電性ペーストを印刷等によってセラミックグリーンシートにパターン形成し、当該パターンがセラミックグリーンシートと共に焼結されることによって形成されている。
第1の内部電極6と第2の内部電極7とは、少なくともグリーンシート1層分に相当する誘電体層2を挟むようにして積層方向に交互に配置されている。第1の内部電極6における幅方向の縁部の略中央には、素体3の側面3aの一方に向かって延びる引出電極6aが形成され、この引出電極6aを介して第1の内部電極6と一方の端子電極4とが接続されている。また、第2の内部電極7における幅方向の縁部の略中央には、素体3の側面3aの他方に向かって延びる引出電極7aが形成され、この引出電極7aを介して第2の内部電極7と他方の端子電極4とが接続されている。
第1の内部電極6と第2の内部電極7とによって挟まれる素体領域は、積層コンデンサ1における静電容量を実質的に発生させる部分である。この素体領域は、電歪効果によって機械的歪みが生じる領域でもある。すなわち、素体領域は、第1の内部電極6と第2の内部電極7との間に電圧が印加されると、素体3の積層方向に膨張し、素体3の対向する側面を結ぶ方向に収縮する。
上述したように、第1の内部電極6と第2の内部電極7とでは、引出電極6a,7aが互いに反対向きとなっており、積層方向において、第1の内部電極6における容量形成領域と第2の内部電極7における容量形成領域との間で流れる電流の向きが反対となる。また、引出電極6a,7aは、第1の内部電極6における幅方向の縁部の略中央、及び第2の内部電極7における幅方向の縁部の略中央にそれぞれ形成されているので、第1の内部電極6の面内での電流の向き及び第2の内部電極7の面内での電流の向きが、引出電極6a,7aの位置を挟んでそれぞれ反対となる。このため、電流に起因して発生する磁界の一部が相殺され、積層コンデンサ1の低ESL化が図られている。
端子電極4は、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを素体3の側面3a,3aにそれぞれ付与し、これを焼き付けることによって形成される。焼き付けられた端子電極4の表面には、必要に応じてめっき層が形成される。導電性ペーストの付与には、例えば印刷法を用いることができる。
次に、金属端子5について説明する。金属端子5は、例えば厚さ80μm〜500μmとなっており、実装基板(不図示)への接続端となる基板接続面11と、端子電極4への接続端となる端子接続面12と、基板接続面11と端子接続面12とを連結する連結面13とを備えている。
基板接続面11は、素体3の底面3bにおける長手方向の縁部に沿って延在している。基板接続面11は、素体3の底面3bに接しているが、固定はされていない状態となっている。基板接続面11の先端部分は、素体3の底面3bから側面3aに向かって略直角に折れ曲がり、基板接続面11の本体部分に対して起立する起立部分11aとなっている。起立部分11aの高さは、素体3の略半分の高さとなっており、素体3の支持をサポートする。
端子接続面12及び連結面13は、基板接続面11の本体部分に対して起立する起立部分11bとなっており、素体3の側面3aにおいて素体3の略下半分の領域に延在している。端子接続面12は、例えば高温はんだ又は導電性接着剤によって端子電極4における下半分の領域に接合されており、連結面13は、端子接続面12から延長して素体3の長手方向の側面3cに至り、素体3の角部付近で基板接続面11の基端部分と繋がっている。
端子接続面12と、他方の金属端子5における基板接続面11の起立部分11a,11bとは、互いに所定の距離だけ離間した状態となっている。また、連結面13は、素体3の側面3aに接しているが、固定はされていない状態となっている。したがって、連結面13は、電歪効果によって素体3の側面3aに機械的歪みが生じた場合に、この歪みに伴って撓むようになっている。
このような金属端子5は、例えば図3に示すように、リードフレームのプレス加工によって形成することができる。まず、図3(a)に示すように、基板接続面相当部22、端子接続面相当部23、及び連結面相当部24を有する略L字状のリードフレーム21,21を用意する。リードフレーム21,21は、例えば金属板の打ち抜き加工によって形成される。
次に、所定の治具を用いてリードフレーム21,21の所定箇所(図3(a)の破線部分)を一度に折り曲げ、端子接続面相当部23、連結面相当部24、及び基板接続面相当部22の先端部分22aを基板接続面相当部22に対して略直角に起立させる。これにより、図3(b)に示すように、基板接続面11、端子接続面12、連結面13、及び基板接続面11の起立部分11aが形成され、金属端子5が完成する。
端子接続面12と金属端子5との接続にあたっては、予め端子接続面12に高温はんだ又は導電性接着剤を塗布し、端子接続面12と端子電極4とを位置合わせしながら基板接続面11の表面に素体3の底面3bを載置すればよい。また、積層コンデンサ1と実装基板との接続にあたっては、例えばクリームハンダのリフローによって、実装基板のランド電極と基板接続面11とを接合すればよい。
以上説明したように、この積層コンデンサ1では、素体3の周りに金属端子5,5が設けられており、電圧印加時の積層コンデンサ1に電歪振動が発生した場合であっても、この金属端子5において基板接続面11と端子接続面12とを連結する連結面13が撓むことによって電歪振動が緩和され、音鳴きの発生を防止できる。
また、この積層コンデンサ1では、端子接続面12及び連結面13が起立部分11bとなっている。このため、連結面13が素体3の異なる側面に位置する端子接続面12と基板接続面11とを連結することとなり、連結面13の長さを十分に確保できる。これにより、電歪振動の緩和効率の向上が図られる。さらに、積層コンデンサ1では、起立部分11a,11bが素体3の高さの略半分となっている。したがって、端子接続面12と端子電極4とを位置合わせしながら基板接続面11の表面に素体3を載置するだけの簡単な手順で、素体3に金属端子5を簡単に装着できる。
さらに、金属端子5は、素体3の高さ方向から見て重なり合う領域が存在せず、かつ起立部分11a,11bが互いに離間しているので、リードフレーム21を1回プレスするだけで簡単に作成することが可能となっている。したがって、製造手順も簡単であり、低コスト化も実現される。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。図4に示すように第2実施形態に係る積層コンデンサ31は、金属端子35の基板接続面11に、素体3の側面3cに沿う起立部分11cが更に形成されている点で、第1実施形態と異なっている。
すなわち、積層コンデンサ31では、金属端子35の基板接続面11に、起立部分11aとは別の起立部分11cが設けられており、この起立部分11cが素体3の側面3cにおいて素体3の略下半分の領域に延在している。起立部分11cの高さは、素体3の略半分の高さとなっている。起立部分11cの幅は、素体3の幅よりもわずかに短く、側面3aに沿う起立部分11a及び起立部分11bとは互いに離間した状態となっている。
このような金属端子35は、例えば図5に示すように、リードフレームのプレス加工によって形成することができる。まず、図5(a)に示すように、基板接続面相当部22、端子接続面相当部23、連結面相当部24を有する略L字状のリードフレーム41,41を用意する。リードフレーム41,41は、例えば金属板の打ち抜き加工によって形成される。リードフレーム41,41において、基板接続面相当部22には、起立部分11cに相当する矩形の凸部22bが形成されている。
次に、所定の治具を用いてリードフレーム41,41の所定箇所(図5(a)の破線部分)を一度に折り曲げ、端子接続面相当部23、連結面相当部24、基板接続面相当部22の先端部分22a、及び凸部22bを基板接続面相当部22に対して略直角に起立させる。これにより、図5(b)に示すように、基板接続面11、端子接続面12、連結面13、及び基板接続面11の起立部分11a,11cが形成され、金属端子35が完成する。
この積層コンデンサ31においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、基板接続面11に起立部分11cを設けることにより、積層コンデンサ31を実装基板にはんだで接続する際に、フィレットの外観が見やすくなる。したがって、フィレットの状態を観察することにより、積層コンデンサ31と実装基板との接合強度を担保できる。
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。図6に示すように、
第3実施形態に係る積層コンデンサ51は、金属端子55の端子接続面62及び連結面63が基板接続面61に対する起立部分61bとなっている点で第1実施形態と同様であるが、端子接続面62に素体3の底面3bを支持する素体支持面62aが形成されている一方で、基板接続面61が素体支持面62aに対して一段下げられている点で、第1実施形態と異なっている。
すなわち、積層コンデンサ51では、金属端子55の端子接続面62に素体支持面62aが設けられており、この素体支持面62aが端子接続面62の下端から略直角に折れ曲がって素体3の底面3b側に張り出すことにより素体3が支持されている。素体支持面62aの一部は、基板接続面61とは反対側に張り出しており、素体3をより確実に支持可能となっている。
また、積層コンデンサ51では、金属端子55における連結面63と基板接続面61との接続部分に、素体の高さ方向に延在するスペーサ面64が介在しており、このスペーサ面64の高さの分だけ基板接続面61が素体支持面62aに対して一段下げられている。これにより、基板接続面61と素体3の底面3bとの間には、スペーサ面64の高さに応じた空隙Sが存在している。
このような金属端子55は、例えば図7に示すように、リードフレームのプレス加工によって形成することができる。まず、図7(a)に示すように、基板接続面相当部22、端子接続面相当部23、連結面相当部24を有する略L字状のリードフレーム71,71を用意する。リードフレーム71,71は、例えば金属板の打ち抜き加工によって形成される。リードフレーム71,71において、端子接続面相当部23には、素体支持面62aに相当する矩形の凸部23aが形成されている。
次に、所定の治具を用いてリードフレーム71,71の所定箇所(図7(a)の破線部分)を一度に折り曲げ、端子接続面相当部23、連結面相当部24、及び基板接続面相当部22の先端部分22aを、基板接続面相当部22及び凸部23aに対して略直角に起立させる。これにより、図7(b)に示すように、基板接続面61、端子接続面62、連結面63、素体支持面62a、及び基板接続面61の起立部分61aが形成される。
また、スペーサ面64は、基板接続面相当部22と連結面相当部24との間の折り曲げ線の位置を、端子接続面相当部23と凸部23aとの間の折り曲げ線の位置に対して基板接続面相当部22の中央側にずらすことにより、上記各面と同時に形成できる。スペーサ面64の高さは、上記の折り曲げ線の位置のずれ量によって調整可能となっている。
この積層コンデンサ51においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、積層コンデンサ51では、端子接続面62が、素体3の底面3bを支持する素体支持面62aを有する一方で、基板接続面61が素体支持面62aに対して一段下げられ、基板接続面61と素体3の底面3bとの間に空隙Sが存在している。このような構成により、この積層コンデンサ51では、素体支持面62aに素体3を載せるだけで、簡単に素体3と金属端子55とを位置合わせできる。また、素体3が基板接続面61に直接接触せず、かつ積層コンデンサ51を実装基板に実装したときに端子接続面62が実装基板から離間するので、音鳴きの発生を一層確実に防止できる。
[第4実施形態]
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。図8は、本発明の第4実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。図8に示すように、第4実施形態に係る積層コンデンサ81は、端子電極84が素体83の長手方向の側面83cを覆うように形成されている点で、素体3の幅方向の側面3aに端子電極4が形成されている第1実施形態と異なっている。
この積層コンデンサ81では、図9に示すように、第1の内部電極86と第2の内部電極87とは、少なくともグリーンシート1層分に相当する誘電体層82を挟むようにして積層方向に交互に配置され、第1の内部電極86の端部は、素体83における長手方向の側面83cの一方まで伸び、第2の内部電極87の端部は、素体83における長手方向の側面83cの他方まで延びている。
また、端子電極84の構成の相違により、金属端子85における基板接続面91、端子接続面92、及び連結面93の配置が第1実施形態と異なっている。すなわち、積層コンデンサ81の金属端子85では、図8に示すように、基板接続面91が素体83の底面83bにおける幅方向の縁部の略中央に位置し、端子接続面92が素体3の底面83bにおける長手方向の縁部に沿って延在している。
また、連結面93は、基板接続面91に対して起立する起立部分91bとなっており、素体83の幅方向の側面83aにおいて素体83の略下半分の領域に延在している。なお、端子接続面92の先端部分は、素体3の底面83bから側面83aに向かって略直角に折れ曲がり、端子接続面92の本体部分に対して起立する起立部分91aとなっている。
このような金属端子85は、例えば図10に示すように、リードフレームのプレス加工によって形成することができる。まず、図10(a)に示すように、基板接続面相当部102、端子接続面相当部103、及び連結面相当部104を有する略L字状のリードフレーム101,101を用意する。リードフレーム101,101は、例えば金属板の打ち抜き加工によって形成される。
次に、所定の治具を用いてリードフレーム101,101の所定箇所(図10(a)の破線部分)を一度に折り曲げ、連結面相当部104及び端子接続相当部103aの先端部分を、端子接続面相当部103及び基板接続面相当部102に対して略直角に起立させる。これにより、図10(b)に示すように、基板接続面91、端子接続面92、連結面93、及び端子接続面92の起立部分91aが形成され、金属端子85が完成する。この積層コンデンサ81においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば第1実施形態及び第2実施形態の変形例として、図11に示す積層コンデンサ201のように、金属端子205の端子接続面12に素体支持面211を形成してもよい。この積層コンデンサ201の金属端子205では、素体支持面211が端子接続面12の下端から略直角に折れ曲がって素体3の底面3b側に張り出し、素体3を支持している。
また、基板接続面11には、先端の起立部分11aに代えて、素体3の長手方向の側面3cに沿う起立部分212が素体3と等幅に形成されている。連結面13は、端子接続面12から素体3の長手方向に延在し、素体3の角部付近で基板接続面11の基端部分と繋がっているが、素体3の長手方向の側面3cまでは延びておらず、基板接続面11の起立部分212とは互いに離間した状態となっている。
このような金属端子205は、例えば図12に示すように、リードフレームのプレス加工によって形成することができる。まず、図12(a)に示すように、基板接続面相当部222、端子接続面相当部223、及び連結面相当部224を有する略L字状のリードフレーム221,221を用意する。リードフレーム221,221は、例えば金属板の打ち抜き加工によって形成される。リードフレーム221,221において、端子接続面相当部223には、素体支持面211に相当する矩形の凸部223aが形成されている。また、基板接続面相当部222は、起立部分相当部222aを有し、端子接続面相当部223及び連結面相当部224よりも幅広となっている。
次に、所定の治具を用いてリードフレーム221,221の所定箇所(図12(a)の破線部分)を一度に折り曲げ、端子接続面相当部223、連結面相当部224、及び起立部分相当部222aを基板接続面相当部222及び凸部223aに対して略直角に起立させる。これにより、図12(b)に示すように、基板接続面11、端子接続面12、連結面13、素体支持面211、及び基板接続面11の起立部分212が形成され、金属端子205が完成する。
また、例えば第1実施形態に係る積層コンデンサ1では、金属端子5の連結面13が素体3の側面3aに沿って延在しているが、例えば図13に示す積層コンデンサ301(参考例)のように、金属端子305の連結面313が素体3の底面3bに延在するようにしてもよい。この積層コンデンサ301の金属端子305では、連結面313が素体3における底面3bの幅方向の縁部に沿って延在し、基板接続面11と端子接続面12から素体3の底面3bに延びる素体支持面314とを連結している。なお、基板接続面11には、図11の場合と同様に、素体3と等幅の起立部分312が設けられている。
このような金属端子305は、例えば図14に示すように、リードフレームのプレス加工によって形成することができる。まず、図14(a)に示すように、基板接続面相当部322、端子接続面相当部323、及び連結面相当部324を有する略L字状のリードフレーム321,321を用意する。リードフレーム321,321は、例えば金属板の打ち抜き加工によって形成される。リードフレーム321,321において、端子接続面相当部323には、素体支持面314に相当する矩形の凸部323aが形成されている。また、基板接続面相当部322は、起立部分相当部322aを有し、端子接続面相当部323及び連結面相当部324よりも幅広となっている。
次に、所定の治具を用いてリードフレーム321,321の所定箇所(図14(a)の破線部分)を一度に折り曲げ、端子接続面相当部323及び起立部分相当部322aを、基板接続面相当部322及び凸部323aに対して略直角に起立させる。これにより、図14(b)に示すように、基板接続面11、端子接続面12、連結面313、素体支持面314、及び基板接続面11の起立部分312が形成され、金属端子305が完成する。
1,31,51,81,201,301…積層コンデンサ、2,82…誘電体層、3,83…素体、3a,3c,83a,83c…側面、3b,83b…底面、4,84…端子電極、5,35,55,85,205,305…金属端子、11,61,91…基板接続面、11a,11b,11c,61a,61b,91a,91b,212,312…起立部分、12,62,92…端子接続面、13,63,93,313…連結面、62a…素体支持面、S…空隙。

Claims (6)

  1. 誘電体層を複数積層してなる略直方体状の素体と、前記素体の側面に形成された端子電極と、前記素体の周りに設けられた金属端子とを備えた積層コンデンサであって、
    前記金属端子は、実装基板への接続端となる基板接続面と、前記端子電極への接続端となる端子接続面と、前記基板接続面と前記端子接続面とを連結する連結面とを有すると共に、前記素体の積層方向から見て互いに重なり合りあう部分が存在せず、
    前記基板接続面は、前記素体の底面側において前記素体の長手方向の端面側に配置され、
    前記端子接続面及び前記連結面のそれぞれは、前記素体の積層方向に沿うように前記基板接続面を基準として一方向にのみ折れ曲がることにより、前記素体の高さを超えない高さで前記基板接続面に対して起立する第1の起立部分を有し、
    前記基板接続面は、前記素体の積層方向に沿うように前記基板接続面を基準として一方向にのみ折れ曲がることにより、前記素体の高さを超えない高さで前記基板接続面に対して起立する第2の起立部分を有し、
    前記第1の起立部分と前記第2の起立部分とは、前記素体の異なる側面にそれぞれ接していると共に、互いに離間した状態となっていることを特徴とする積層コンデンサ。
  2. 前記連結面は、前記素体の長手方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサ。
  3. 前記端子接続面は、前記素体の底面を支持する素体支持面を有する一方で、前記基板接続面は、前記素体支持面に対して一段下げられ、前記基板接続面と前記素体の底面との間に空隙が存在することを特徴とする請求項1又は2記載の積層コンデンサ。
  4. 前記各起立部分の高さは、前記素体の高さの半分以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
  5. 前記端子電極及び前記金属端子のそれぞれは、前記素体に対して一対に設けられ、
    一方の金属端子の連結面は、前記素体の一側面において前記素体の長手方向の一端面側に延在し、他方の金属端子の連結面は、前記一側面と対向する他側面において前記素体の長手方向の他端面側に延在していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
  6. 前記各連結面は、前記素体の側面における前記基板接続面側の端部から前記素体の積層方向に延びていることを特徴とする請求項記載の積層コンデンサ。
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