JP4866398B2 - グルテンを含まないパン製造用ドウ組成物 - Google Patents

グルテンを含まないパン製造用ドウ組成物 Download PDF

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Description

本発明は、小麦等に対する食物アレルギー患者でも摂取可能なパン、参考例として菓子・麺類等の作製に用いられるドウ組成物に関する。
近年、種々のアレルゲンに対するアレルギー患者が急増している。これは食生活の洋風化に伴うたんぱく質の多量摂取に加え、その他の要因が複雑に重なり合い、生活環境下に存在する様々な物質がアレルゲンに変貌していることに起因している。
小麦等の穀物に対する食物アレルギーも急増しており、これを回避する方法として、問題となる食物の摂取を制限又は禁止する方法が試みられている。しかし、パン・麺類・菓子のような主食となる加工食品においては、摂取を制限又は禁止することは困難となっている。
通常、米粉、そば粉といったグルテンを含まない穀粉類でパンを作製することは大変困難である。例えばパンの製造工程で生地をイースト(酵母)によって発酵する際、小麦粉やライ麦粉を使用した生地では、グルテン(グリアジンとグルテニンが結合したたんぱく質)が存在するため、発酵によって発生する炭酸ガスがこのグルテンに保持され、グルテンの膜が伸びて膨らむ。しかし、グルテンを含まない穀物粉類を使用したドウでは、上記発酵によって発生する炭酸ガスが生地中に保持されず、ドウが良好に膨らまない。また、例えば麺類の製造工程では、グルテンの粘性によって原料どうしがまとまるが、グルテンを含まない穀物粉を使用したドウは付着性がないためまとまらず、製麺することができない。
一方、グルテンを含まない穀粉類を用いたパンを作製する方法としては、グルテンを含まない穀粉類に小麦粉から抽出したグルテンを添加することで、パンにボリューム感を持たせる方法が開示されている(特許文献1)。しかし、このグルテンにもアレルゲンとなるたんぱく質が含まれているため、小麦アレルギーの患者は、摂取することができなかった。
また、アレルゲンとなるたんぱく質を特殊な処理によって取り除いたグルテン又は小麦粉を用いてパンを作製する方法も知られているが(特許文献2)、アレルゲンとなるたんぱく質が100%取り除かれるとは限らず、アレルギー反応の強い患者は摂取することができなかった。
小麦粉及び小麦粉から抽出したグルテン等を全く用いずに、アレルギー患者用のパンを作製する方法として、水溶性のセルロースエーテルとイサゴール(サイリウム)を用いてパンのボリュームを出す方法が知られている(非特許文献1)。更に、グアーガム、キサンタンガムといった水溶性多糖類を添加する方法も知られている (非特許文献2)。
一方、米粉と酵母と水を加えた主原料に、必要により副原料を加えて得られるパン用の生地の粘弾性値を特定することにより、グルテンを含まないパンが製造できることが開示されている(特許文献3)。また、水溶性食物繊維を用い酵母により発生する気泡を安定化してグルテンの含まれない気泡含有の穀物食品を製造する方法(特許文献4)や、水溶性食物繊維を用いベーキングパウダーにより発生する気泡を安定化してグルテンの含まれない気泡含有の穀物食品を製造する方法(特許文献5)が開示され、パン用の生地の粘弾性値を特定の範囲とすることにより、グルテンの含まれない気泡のあるパンの製造ができることが記載されている。
しかしながら、これらの製法ではパン用の生地を特定の粘弾性値に合わせるためには添加水量の微妙な調製が必要であり、安定して所望する均一な気泡のあるパンの製造ができない問題があった。
また、上記特許文献3〜5には、特定の粘弾性にパン用生地を調製する方法として添加されるべき副原料又は食物繊維については具体的な例示がなく、基本的には先の非特許文献1に記載されている水溶性のセルロースエーテルとイサゴール(サイリウム)や、非特許文献2に記載されたグアーガム、キサンタンガムといった水溶性多糖類の添加及び添加水量の調整を行うことが考えられるのみである。
しかし、このようにイサゴールや水溶性多糖類を用いて作製したパンは、ボリューム感はあるものの、クラスト(外側の褐色部分)が硬くなってしまい、食感が悪かった。また、クラム(内側の白い部分)に関しては、水溶性多糖類を添加した場合に弾力があるために、ゴムのような食感となってしまう一方、イサゴール等の食物繊維を添加した場合には、クラムが柔らかすぎて弾力がなく、パンの食感とはほど遠いものとなった。
また、イサゴールはアレルギーの発症例があり、安全性のデータが不十分であるとして、その代替となる添加物が求められてきた。
また、特許文献6では、グルテンを含まない粉を用いて増粘剤としてグア−ガムやザンタンガムを用いたグルテンフリーパスタが提案されているが、茹で上げた際に増粘剤の粘弾性が低下するために切れたり、つながらずに分解するという問題があった。
その一方で、米の新規消費拡大、食料自給率向上、将来予測される食糧不足の問題を解決する上で、米粉を使用したパンの製造方法の確立が求められてきた。小麦粉以外の穀物粉で作られたパン(例えば米粉を用いて作られたパン)は、しっとりとして喉ごしが良く、通常のパンとは違う新食感があるとして、小麦にアレルギーを持つ患者以外の人に対しても、米やその他のグルテンを含まない穀粉類を用いたパンの作製方法が要望されてきた。
このような状況において、水溶性セルロースエーテル及びモル置換度0.05〜1.0の低置換度セルロースエーテルを含んでなることを特徴とするドウ組成物(特許文献7)も開示され、食感の改良された気泡入りのパンの製造が容易となる。しかしながら、この方法をもってしても得られるバンの気泡の大きさが不均一になったり、1cm以上の径の大きい泡が入ったパンしか得られないという問題があった。更に、特許文献7に記載の低置換度ヒドロキシプロピルセル−スは、現時点では食品添加物としての認可がなされておらず、実際にこの食品を製造して食することができない問題があった。
特開2003−304801号公報 特開2003−169593号公報 特開2003−189786号公報 特許3902782号 特許3902787号 USP 5,492,712 特開2005−218410号公報 Carbohydr.Poly., 25,237,1994 Cereal Chemistry, 53(5)626−635(1976))
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、グルテンを含まない穀粉類を用いて、かつボリューム感を出すためのイサゴールや水溶性多糖類を添加しなくても良好なボリューム感、食感を与え、小麦等に対する食物アレルギー患者でも摂取可能な均一な気泡を有するパンの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.05〜0.3で、メトキシル基の置換度が1.4〜1.9である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、該ヒドロキシプロポキシル基は、該ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキシプロポキシル基と、置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基とに分けられ、該非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、該置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(A)の比(A/B)が0.4以上である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、グルテンを含まない穀粉類と、水とを少なくとも含んでなる、グルテンが含まれないドウ組成物を所望の形状に調製し、パンや菓子の場合には酵母またはベーキングパウダーによって含泡させたドウ組成物が、均一な気泡が入り、ボリュームがあり、食感に優れ、且つ小麦等に対して食物アレルギーを起こす患者でも摂取可能なパン・菓子を作製することができ、パスタの場合には茹でるときにも形状が安定で食感の良いパスタができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明は、具体的には、ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.05〜0.3で、メトキシル基の置換度が1.4〜1.9である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、該ヒドロキシプロポキシル基は、該ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキシプロポキシル基と、置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基とに分けられ、該非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、該置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(A)の比(A/B)が0.4以上である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、グルテンを含まない穀粉類と、水とを少なくとも含んでなるドウ組成物を提供する。
本発明のドウ組成物から得られるパン、参考例として麺類、菓子は、グルテンを含まない穀物粉のみを用いているにも拘わらず、パンや菓子では、腰折れが発生せず、食感に優れ、小麦粉を用いて焼成した通常のパンと同様の優れたボリューム感を有し、均一な気泡を有し、焼成後もソフトな食感で、麺類の場合にはゆでても安定で、食感も良く、しかも小麦等に対して食物アレルギーを起こす患者でも摂取可能である。
本発明で用いるグルテンを含まない穀粉類は、米粉(上新粉や玄米粉、もち米粉)、そば粉、キビ粉、アワ粉、アマランス粉、ポテトフラワー、米デンプン、小麦粉デンプン、コーンスターチ、ポテトスターチ等のスターチ類が挙げられ、これらの一種又は二種以上を混合して使用することができる。必要に応じて食塩、砂糖、油脂、乳化剤、香料等を添加してもよい。
本発明で用いる水溶性のセルロースエーテルであるヒドロキシプロピルメチルセルロ−スは、2007年2月27日厚生労働省告示26号及び食安発022701号において、一般の食品への適用が認可されたものである。このセルロースにメチル基及びヒドロキシプロポキシル基をエーテル置換したヒドロキシプロピルメチルセルロースは、メトキシル基がセルロース鎖に対して分子内で局在化している。そのため、ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を加熱すると、局在化して存在しているメトキシル基部分が疎水和を生じて含水されたゲル状物となり、冷却するとこの疎水和が減少して元の水溶液に戻る「熱可逆ゲル化性」という特徴を有している。この熱可逆ゲル化性のために、水溶液は加熱されても優れた保形性を示す。すなわちパン用の生地にこのヒドロキシプロピルメチルセルロ−スが添加されると入った気泡は生地が加熱された時この加熱ゲル化によって保形性を保ち、加熱による気泡の膨張により大きな気泡が生じることを抑制することが容易となる。
一方、ヒドロキシプロポキシル基を有してないメチルセルロースにおいては、この熱可逆ゲル化性能に優れ、80℃の恒温水槽に2.5質量%の水溶液を入れて15分後に熱可逆ゲル化させた後に、15mm径の円柱棒を5cm/分速度で2cm貫入時に円柱棒にかかる最大加重(g)を貫入棒の断面積で除した熱可逆ゲルの強度として求めた場合、500〜700g/cmと高い値となり、パン用の生地中で優れた保形性を示すことがわかっている。
しかしながら、このような熱可逆ゲル強度を有するメチルセルロ−スにあっては、水への溶解性が悪い欠点がある。この水への溶解性は水温を10℃以下に下げることで改善はされるものの通常のドウ調製時の温度として設定される20〜30℃においては溶解がされず、本来の熱可逆ゲル化性能も発揮されない。これに対してヒドロキシプロポキシル基を導入すると、この溶解の温度は20〜30℃以上の温度で溶解することが可能となる。
通常ヒドロキシプロポキシル基が置換モル数0.1を超えて導入されると、熱可逆ゲル強度は、100g/cm以下となってしまう。例えばヒドロキシプロポキシル基を置換モル数0.15導入したメトキシル基の置換度1.8を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースにあっては、この熱可逆ゲル強度は30g/cmとなる。すなわち、高い熱可逆ゲル強度が必要な場合には、ヒドロキシプロポキシル基を導入していないメチルセルロースを用いることが望ましい。しかしながら、ヒドロキシプロポキシル基が導入されてないメチルセルロースを水に溶解するためには、水温を10℃以下にしなければならない問題が発生してしまう。すなわちこの溶解が行われなければ本来の熱可逆ゲル強度が発現しないことになる。
そこで、本発明で使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロ−スは10℃以下の低温にしなくても容易に溶解することができて、調製された溶液を加熱した時に生じる熱可逆ゲル強度が高くなるヒドロキシプロピルメチルセルロースであることが必要となる。
具体的には、ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.05〜0.3 で、更に高い加熱ゲル強度を得るため好ましくはヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.05〜0.1でメトキシル基の置換度が1.4〜1.9である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、 該ヒドロキシプロポキシル基は該ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキシプロポキシル基と置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基とに分けられ、該非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、該置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(A)の比(A/B)が0.4以上である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用する。
これらのヒドロキシプロピメチルセルロースの製造方法の工程としては、セルロ−スとアルカリを反応させてアルカリセルロ−スを得る工程と、上記アルカリセルロースをヒドロキシプロピルエーテル化剤及びメチルエーテル化剤と反応させ、ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.05〜0.3でメトキシル基の置換度が1.4〜1.9である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得る工程であって、該ヒドロキシプロポキシル基は該ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキシプロポキシル基と置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基とに分けられ、該非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、該置換ヒドロキシアルコキシル基のモル分率(A)の比(A/B)が0.4以上である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得る工程を含んでなり、上記水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得る工程が、上記ヒドロキシプロピルエーテル化剤を添加する段階と、該ヒドロキシプロピルエーテル化剤と上記アルカリセルロースの反応後にメチルエーテル化剤を添加する段階又は該ヒドロキシプロピルエーテル化剤のストイチオメトリックな量の60質量%以上が反応した時点において上記メチルエーテル化剤のストイチオメトリックな量の40質量%以上が未反応であるようにメチルエーテル化剤を添加する段階がある。これらの特定の反応工程を経て得られる当該の水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロ−スが使用できる。
更に、以下、具体的に本発明の内容を詳述する。
本発明で使用されるヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.05〜0.3で、メトキシル基の置換度が1.4〜1.9である水溶性ヒドロキシプロピルルメチルセルロースは、特に限定されるものではないが、特開2001−302701号公報に提示されているようにセルロースにアルカリ水溶液を所定量含浸させた後、必要量のメチルエーテル化剤(好ましくは塩化メチル)及びヒドロキシアルキルエーテル化剤(好ましくはプロピレンオキサイド)を反応させて製造する。
ここで、ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数とは、セルロースのグルコース環単位当たりに付加したヒドロキシプロポキシル基の平均モル数をいい、メトキシル基の置換度とは、セルロースのグルコース環単位当たり、メトキシル基で置換された水酸基の平均個数をいう。
ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、ヒドロキシプロポキシル基の水酸基が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(A)の比(A/B)を0.4以上にするため、先にヒドロキシプロポキシル基の置換が多く行われた後に、メトキシル基の置換が行われるように、エーテル化剤の仕込み順序又は仕込み速度を調整する。
更に詳しくは、セルロ−スと必要量のアルカリ(好ましくはカセイソーダ溶液)を反応させてアルカリセルロ−スを調製した後、ヒドロキシプロピルエ−テル化剤(例えばプロピレンオキサイド)を仕込み、好ましくは50〜95℃の温度でエーテル化反応を行なう。その後に、メチルエ−テル化剤(例えば塩化メチル(メチルクロライド))を仕込み反応させる。
あるいは、ヒドロキシプロピルエ−テル化剤(例えばプロピレンオキサイド)を仕込み、仕込まれたこのエ−テル化剤のストイチオメトリック量の好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上反応が終了した時点においても、塩化メチルのストイチオメトリック量の好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上反応が終了していないように、ヒドロキシプロピルエ−テル化剤(例えばプロピレンオキサイド)及びメチルエーテル化剤(例えば塩化メチル)を連続又は適宜仕込みながら製造する。具体的には、ヒドロキシプロピルエーテル化剤とメチルエーテル化剤は、同時に添加してもどちらかを先に添加してもよいが、ヒドロキシプロピルエ−テル化剤の仕込み時間に対するメチルエーテル化剤の仕込み時間の比が、1.3〜3、特に1.5〜3が好ましい。
本発明のヒドロキシプロポキシル基の置換モル数及びメトキシル基の置換度は、例えば第15改正日本薬局方記載のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の置換度分析方法や米国ASTMのD−2363−72「ヒドロキシプロピルメチルセルロースの標準テスト法(Standard Method of Testing HYDROXYPROPYL METHYLCELLULOSE)」により測定できる。この置換モル数及び置換度の分析は、NMRや赤外吸収分析方法でも測定は可能である。
ヒドロキシプロポキシル基の置換が行われた後にメトキシ置換が行われると、ヒドロキシプロポキシル基の水酸基に更にメトキシル基が置換することができる。しかし、セルロ−スの水酸基にメトキシル基が置換してしまうと、メトキシル基には水酸基がないのでメトキシル基の置換部位に更にヒドロキシプロポキシル基が置換することはない。
ここで、メトキシル基と、非置換ヒドロキシブロピル基と、置換ヒドロキシプロポキシル基と、メトキシル基及びヒドロキシプロポキシル基のいずれとも置換されていない無置換基(OH)との総モル数が測定できて、更にヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換されている置換ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が別途測定されるならば、置換ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数を上記総モル数で除することで、置換ヒドロキシプロポキシル基の置換モル分率として求めることができる。
更に、ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分にメトキシル基が置換されてない非置換ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が測定できれば、非置換ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数を前記総モル数で除することで、非置換ヒドロキシプロポキシル基の置換モル分率として求めることができる。
そして、ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、該ヒドロキシプロポキシル基の水酸基が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキプロピル基のモル分率(A)の比(A/B)が0.4以上である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースであることを分析測定して求める方法としては、Macromolecules,20,2413(1987)や繊維学会誌第40巻第T−504頁(1984年)に記載されているように、セルロースエーテルを硫酸中で加水分解した後に中和して濾過精製したものをアセチル化して、13C−NMR、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーにかけ、質量分析装置を用いて同定した各々の検出グラフ特性から求めることができる。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量平均重合度については、高分子論
文集第39巻第4号第293−298頁(1982年)に記載の分子量測定方法に従い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーと光散乱法の組み合わせによる方法により重量平均分子量を測定し、単位ヒドロキシプロピルメチルセルロース分子当たりの分子量で除して重量平均重合度を測定することができる。なお、重量平均分子量の測定における溶媒の種類や条件、温度、使用カラムや光散乱装置の波長等は、前記高分子論文集に記載された条件に限定されるものでなく適宜選定できる。また、重量平均分子量は、超遠心分離方法や粘度平均分子量からの換算によって求めることも可能である。
この重量平均重合度については、高いものの方が同一濃度水溶液での熱可逆ゲル強度は高くなる傾向を示すが、低いものでも水溶液の濃度の調整により、必要な強度を得ることができる。バインダーとして使用した場合に、添加量が少なく高い熱可逆ゲル強度が得られる重量平均重合度としては、100〜10000が望ましい。この重量平均重合度より低いと、添加剤として使用した場合に充分な熱可逆ゲル強度が得られない恐れがあり、添加量が10質量%を超える大きな値になりやすい場合があり好ましくない。一方、重量平均重合度より高いものは、原料セルロースの重合度として特定のものを選定するか又は製造して使用しなければならず、実用上製造が困難となる。
本発明のヒドロキシアルキルメチルセルロ−スを製造する時に使われるセルロ−ス(パルプ)としては、木材を精製して得られる木材パルプ、綿花より得られる綿パルプ(リンターパルプ)のいずれも使用できる。
かかるヒドロキシプロピルメチルセルロースの溶解温度の測定は、得られたヒドロキシプロピルメチルセルロース1質量%水溶液が調製できるように300mLビーカー内にヒドロキシプロピルメチルセルロース粉と熱水を入れ、400rpmで攪拌しながら溶液を冷却し、所定の水溶液の温度に対する水溶液の粘度を測定し、粘度対温度のプロット値を結ぶ直線の傾きが大きく鈍化し始める温度を溶解温度として測定する。
また、熱可逆ゲル強度については、得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液を調製した後、50mLのビーカー内に入れ80℃のバス内で30分間熱可逆ゲル化させ、レオテック社製のレオメーターによりゲルの上部より15mm直径の円筒棒を5cm/minにて2cm貫入させた時の円筒棒にかかる力の最大値を測定し、この値を円筒棒の断面積で除して熱可逆ゲル強度して求める。
本発明で用いるヒドロキシプロピルメチルセルロ−スの添加量は、グルテンを含まない穀粉類100質量部に対して、好ましくは0.1〜3.0質量部、更に好ましくは0.5〜2.0質量部である。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの添加量が0.1質量部未満では本発明の効果が認められない場合があり、3.0質量部を超えるとパン生地の伸展性が悪くなり、必要な水量が増えすぎて所望の食感にならず、固い食感になる場合があるので好ましくない。
本発明のドウ組成物に含まれる水は、例えば、パン生地の調製時に添加するものであり、グルテンを含まない穀粉類100質量部に対して、好ましくは60〜180質量部、更に好ましくは90〜150質量部である。水の添加量が60質量部よりも少ないとドウ組成物が硬く、パンが良く膨らまない場合があり、180質量部よりも多いとパンが膨らみすぎて、腰折れしたり、内部に大きな穴が開いて、見た目も食感も悪いパンになる場合がある。
グルテンフリーパン、麺類、菓子の製造方法は、通常の方法と同様に、例えば、穀粉類、酵母・ベーキングパウダー、水、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロースエーテル、低置換度セルロースエーテル、食塩、砂糖、油脂、セルロースパウダー、ザンタンガム、グアガム、タマリンドガム、ローカストービーンガム、カラギーナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、α化デンプン等の多糖類、必要に応じて乳化剤、香料を混合したドウ組成物を成型又は型に流して発酵させて焼成する。
本発明では、必要に応じて多糖類を添加することができる。具体的には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、粉末セルロース、ザンタンガム、グアガム、タマリンドガム、カラギーナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、α化デンプン等が挙げられるが、特にザンタンガムとグアガムが好ましい。いずれもグルテンを含まない穀粉類100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部、更に好ましくは0.5〜2.0質量部である。
また、これらに用いられる穀粉類、食塩、砂糖、油脂といった原材料は市販のもので差し支えないが、食物アレルギー患者には、アレルギー患者対応の原材料を用いることが好ましい。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
<ヒドロキシプロピルメチルセルロースの調製>
木材由来の日本製紙社製の高純度溶解パルプをローラーミルにより粉砕し、目開き600μmの飾いを通過させ、栗本鐵工所製の2軸混練機KRCニーダーS1型(パドル径25mm、外径255mm、L/D=10.2、内容積0.12リットル、回転数100rpm)に10g/分で定量供給し、同時に49質量%水酸化ナトリウム溶液をパルプ供給口に設けた注入口より21.5g/分で定量供給しセルロースにアルカリ水溶液を付加したアルカリセルロースを得た。
約30分間の連続運転により得られたアルカリセルロースのうち、585.0gをプロシェア型内部撹搾羽つきの圧力容器に仕込み、−97kPaまで減圧後、窒素を封入して大気圧まで戻した。更に、−97kPaまで再減圧した。プロピレンオキサイド20g、塩化メチル253.9gを加圧ポンプにて塩化メチル仕込み時間/プロピレンオキサイド仕込み時間比を3(塩化メチル仕込み時間:60分、プロピレンオキサイド仕込み時間:20分)とし、プロピレンオキサイドが塩化メチルより先に仕込み終わるように仕込みながら、内温が60℃になるようにして2時間反応した。その後、30分かけて90℃に昇温して、30分間90℃に保ってエーテル化反応を完結させた。
反応物を85℃以上の熱水にて洗浄し、乾燥して小型ウィリーミルにて乾燥した。第15改正日本薬局方記載のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の置換度分析方法により分析し、ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数0.07、メトキシル基の置換度1,8、のヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの分子量を高分子論文集第39巻第4号第293〜298頁(1982年)に記載の分子量測定方法により測定し、重量平均重合度を算出したところ、1200であった。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロース50mgに3質量%の硫酸水溶液2mLを加え140℃にて3時間加水分解を行った後、炭酸バリウムを約0.7g加えて中和した。3mLのメタノールを加えて加水分解物を溶解分散し、500Gにて遠心分離した後に、上澄み液を0.45μmの目開きのフィルターで濾過した。1.5gのNaBHを0.2規定のNaOH水溶液10mL中に溶かした溶液120μLを加えてグルコース環の還元を37〜38℃にて1時間行い、酢酸100μLを加えた後、溶媒を蒸発させ除去し、残留物を乾固させ、ピリジン2mL、無水酢酸1mLを加えて120℃にて3時間アセチル化した。500Gにて遠心分離した後に、上澄み液を0.45μmの目開きのフィルターで濾過した。再び溶媒を除去し、ジエチレングリコールジメチルエーテル1mLに再溶解した後、150〜220℃に昇温したJ&W社のDB−5カラムに1μLを通し、FID検出器にて各分解成分の保持時間を測定した。
予め各検出ピークについて質量分析装置にて分解成分の構造を同定したピークによる同定と面積比により、ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、該ヒドロキシプロポキシル基の水酸基が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(A)の比(A/B)を求めたところ0.8であった。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロース1質量%水溶液が調製できるように300mLビーカー内にヒドロキシプロピルメチルセルロース粉と熱水を入れ、400rpmで撹搾しながら溶液を10分かけて2℃ずつ冷却し、水溶液の粘度を水溶液の温度に対して測定し、粘度対温度のプロット値を結ぶ直線の傾きが大きく鈍化し始めた溶解温度を測定したところ、25℃であった。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液を調製した後、50mLのビーカー内に入れ80℃のバス内で30分間熱可逆ゲル化させ、レオテック社製のレオメーターによりゲルの上部より、15mm直径の円筒棒を5cm/分にて2cm貫入させた時の円筒棒にかかる力を測定し円筒棒の断面積で除して熱可逆ゲル強度を求めたところ150g/cmであった。
上新粉50質量部、コーンスターチ50質量部、食塩2質量部、砂糖10質量部、インスタントドライイースト3質量部、ショートニング10質量部、上記方法で調製したヒドロキシプロピルメチルセルロース1質量部、水85質量部を、ドウ組成物が均一になるまで撹拌しドウ組成物を得た。このドウ組成物を28℃で20分間発酵させた。その後、発酵させたドウ組成物をガス抜きし、成型して縦50mm×横100mmの食パン製造用の型に入れ、更に20分間35℃にて発酵させドウ組成物中に気泡を入れした。このドウ組成物を210℃で約20分間焼いて、パンを製造した。
得られたパンを2つに切断し断面を観察したところ、均一な気泡が入りふっくらと膨らんで、柔らかい食感のパンが得られた。また、得られたパンについて、気泡の目視観察、焼成2時間後のクラム部分及びクラスト部分の固さをレオメーターを用いて測定し、その結果を表2に示す。固さの測定は、レオメーター(不動工業株式会社製)を用いて測定した場合の最大応力をもって示した。クラム部分(パンの内側の柔らかい部分)の場合、パンを測定直前に厚さ3センチに切断し、直径2cmの円状ディスクを2cm/分で進入させ、ディスクが1cm進入した際のディスクにかかる圧力を示す。クラスト部分(パンの表皮部分)については、パンを測定直前に、クラスト部分を含むように高さ3cmに切断し、直径2mmの棒状ディスクを2cm/分で進入させ、サンプルの表皮を破った時の応力を測定した。
参考例2、実施例〜7及び比較例1〜3]
実施例1で記述した使用パルプ品種及び塩化メチル及びプロピレンオキサイドの仕込み量、塩化メチル仕込み時間/プロピレンオキサイド仕込み時間比を表1に示す値に変えた他は実施例1と同様にして得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースについて、実施例1と同様の方法で測定されたメトキシル基の置換度、ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数、ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、該ヒドロキシプロポキシル基の水酸基が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(A)の比(A/B)と、重量平均重合度、溶解温度、熱可逆ゲル強度を表1に実施例及び比較例ごとに示した。
また、実施例1と同様にして、これらのヒドロキシプロピルメチルセルロース及びセルロースパウダー、その他多糖類、食塩、砂糖、イースト、ショートニングを使用して調製した穀物パンを試作した。得られたパンについて、実施例1と同様にして、気泡の目視観察、焼成2時間後のクラム部分及びクラスト部分の固さをレオメーターを用いて測定した。その結果を表2に示す。
焼成2時間後のクラム部分の固さは、固さ応力が固いもの程固くなるが、表2に示すように実施例では柔らかく、比較例は固いものが得られた。また、実施例では直径5mm以下の小さな気泡が殆どであったが、比較例では直径10mm以上の大きな気泡が多く見られ、パンが膨らみすぎて、腰折れしたり、内部に大きな穴が開いて、見た目も食感も悪かった。
[実施例8及び比較例4〜5]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース以外の添加剤として、ザンタンガム(三晶社製)、グアガム(三晶社製)を単独で使用し、実施例1と同様にパンを作成して、目視観察、固さ、食感を評価し表3に示した。
表3に示すように、ザンタンガム及びグアガムのみを用いて作成したパンは、実施例1により作成したパンに比べてボリューム感に欠け、また食感も固かった。
Figure 0004866398
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Claims (4)

  1. ヒドロキシプロポキシル基の置換モル数が0.05〜0.3で、メトキシル基の置換度が1.4〜1.9であり、重量平均重合度が100〜1200である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、該ヒドロキシプロポキシル基は、該ヒドロキシプロポキシル基の水酸基部分が更にメトキシル基で置換された置換ヒドロキシプロポキシル基と、置換されていない非置換ヒドロキシプロポキシル基とに分けられ、該非置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(B)に対する、該置換ヒドロキシプロポキシル基のモル分率(A)の比(A/B)が0.4〜0.8である水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、グルテンを含まない穀粉類と、水とを少なくとも含んでなるパン製造用ドウ組成物。
  2. 上記水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、上記グルテンを含まない穀粉類100質量部に対して、0.1〜3質量部含まれる請求項1に記載のパン製造用ドウ組成物。
  3. 上記水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、アルカリセルロ−スをヒドロキシプロピルエ−テル化剤と反応させた後に、メチルエ−テル化剤と反応させて製造されたものであるか、アルカリセルロ−ス中にヒドロキシプロピルエ−テル化剤を仕込み、仕込まれたこのエ−テル化剤のストイチオメトリック量の60質量%以上反応が終了した時点においても、メチルエーテル化剤のストイチオメトリック量の40質量%以上反応が終了していないように、ヒドロキシプロピルエ−テル化剤及びメチルエーテル化剤を仕込み製造されたものである請求項1又は請求項2に記載のパン製造用ドウ組成物
  4. 熱可逆ゲル強度が、40〜200g/cm である請求項1〜3のいずれかに記載のパン製造用ドウ組成物
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