JP7177046B2 - ドウ組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ドウ組成物に関する。
パン、スポンジケーキ、クッキー、ドーナッツ、おかき、そば、うどんなどの製造工程においては、まずドウ組成物を製造し、これを一定の重量、形状に成型し、その後焙焼、油揚、茹で上げなどの加熱工程により製品を得る、という手順で進められる。
この様なドウ組成物は、グリアジンやグルテニンを含む小麦などの澱粉含有穀物粉を加水した後、捏ねることにより、グルテンが生成し、ドウ組成物に特有の弾性や伸展性が得られることが知られている。
特にパン等のイーストを添加して発酵工程を行うものについては、発酵による炭酸ガスによりドウ組成物が膨張する。その後、熱を加えることでドウ組成物がさらに膨張し、焼き上げたのちもグルテンの網目状組織が熱変性で硬化する。その為、焼き上げ後の成型を維持できることが知られている。
ゆえに発酵工程を行うドウ組成物については、加水量を増やす(以下、「多加水」ともいう」)ことにより、しっかりとグルテンを生成し、発酵による体積の膨張や成型性、食感の向上を得ることが望まれている。
そのような多加水製のドウ組成物としては、例えばこんにゃく粉と澱粉と水とを、アルカリ性凝固剤とこんにゃく粉のグルコマンナンによる水和ゲル反応によってゼリー状固体に形成し、かつ酸溶液に浸漬してpHを中性から酸性の範囲に調整した多加水パン用有形水を製パン配合水の一部として用いる多加水パンの製造方法(特許文献1)が提案されている。また、強力小麦粉100部と活性小麦グルテン1~10部を含む原料粉に、ドライイースト3~8部と、卵10~60部および水35~90部を前記強力小麦粉に対する水分量が80~100重量%になるように加えて攪拌混合し、30℃~40℃の温度に20分~60分保持した後、焼成するパン類の製法(特許文献2)などが提案されている。
またさらにドウ組成物としては、焼成やレンジ等で温め直すなどの加熱処理した際にも、元の形状の保持や、シワなどが形成されなく、きれいに加熱を行うことができる耐熱保形性があることが望まれている。
その様な耐熱保形性を得るために、油脂と、炭水化物と、乳タンパク質素材と、メチルセルロースと、その他の水性成分とを混合乳化する方法が提案されている(特許文献3)。
特開2006-320207号公報 特開昭58-101636号公報 特開2015-171357号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、こんにゃく粉を使用しているために保水力が劣り、多加水にすればするほど、生地(ドウ組成物)にべたつきが生じ、作業性が困難となり、またザラついた食感になりやすいため改善点がある。
また、特許文献2の製法も、生地のベタツキが大きく、作業性に劣っているという課題がある。
特許文献3の方法では、特定の原料の配合が必須であるために各種のドウ組成物に用いるには改善が必要な場合がある。加えて、例えばレンジアップした際のシワの発生など耐熱保形性についても改善の余地がある。
そこで本発明では、多加水においても作業性に優れ(ベタツキが少なく)、発酵や加熱による膨張性に優れる、及び/又は、食感や成型性、さらに耐熱保形性に優れるドウ組成物を提供することを課題とする。
本発明は、以下の(1)~(6)である。
(1)澱粉含有穀物粉末100重量%に対し、水成分を60~150重量%、且つグルコース単位当たりのカルボキシメチルエーテル基置換度が0.01~0.4の範囲にあるカルボキシメチルセルロースを0.1~5重量%、含むドウ組成物。
(2)前記カルボキシメチルエーテル基置換度が0.2~0.4の範囲にある(1)に記載のドウ組成物。
(3)前記澱粉含有穀物粉末100重量%に対し、発酵成分を0.1~10重量%、さらに含む(1)又は(2)に記載のドウ組成物。
(4)前記カルボキシメチルセルロースが、平均粒径1.0~70.0μmである(1)~(3)のいずれかに記載のドウ組成物。
(5)澱粉含有穀物粉末として、小麦粉、スターチ類、米粉、そば粉のうちの一種または数種を混合して使用する(1)~(4)のいずれかに記載のドウ組成物。
(6)(1)~(5)のいずれかに記載のドウ組成物からなるベーカリー食品組成物。
本発明によれば、多加水においても作業性に優れ(ベタツキが少なく)、発酵や加熱による膨張性に優れる、及び/又は、食感や成型性、さらに耐熱保形性に優れるドウ組成物を提供することができる。
本発明の実施形態について以下に説明する。但し、以下に説明する実施形態は、本発明の好ましい実施形態の例示であり、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書中、特に記載のない限り、「AA~BB%」等という記載は、「AA%以上BB%以下」を意味するものとする。
本発明のドウ組成物は、先ず、パン、スポンジケーキ、クッキー、ドーナッツなどのドウを製造するのに供する小麦粉などの所定量の澱粉含有穀物粉末、水、そしてグルコース単位当たりのカルボキシメチルエーテル基置換度0.01~0.4の範囲にあるカルボキシメチルセルロースを必須成分とする。さらに発酵成分を含むことが好ましく、必要に応じて食塩、砂糖、ベーキングパウダー、バター、ショートニング、マーガリン、卵製品、乳製品、増粘多糖類、澱粉類、グルテンの他に、イーストフード、ドウコンディショナー、香料、着色剤等を添加してもよい。
<澱粉含有穀物粉末>
本発明では、澱粉含有穀物粉末(主原料)として、通常、製パン等に用いる小麦粉のいずれもが使用できる。このような小麦粉として、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉を挙げることができる。中でも、強力粉、準強力粉、デュラム小麦粉が好ましい。さらに小麦粉以外の穀粉として、ライ麦粉、ライ小麦粉、コーンフラワー、スターチ類、米粉、そば粉、各種澱粉類、それらの混合粉など目的とするパン等のドウ組成物の種類などに応じて適宜選択して使用することができる。
これらは、一種または数種を混合して使用することができる。
<発酵成分>
発酵成分とは、通常ドウ組成物に用いられるものであれば特に制限されない。発酵成分としては、例えば、サワー種、ルバン種等の各種発酵種やイースト(生イースト、ドライイースト等)などを挙げることができる。
発酵成分は、澱粉含有穀物粉末100重量%に対し、0.1~10重量%含むことが好ましく、0.5~5重量%含むことがより好ましく、1~5重量%含むことがさらに好ましい。
<水成分>
水成分とは、水及び卵などに含まれる水成分の総量をいう。その様な水成分は、澱粉含有穀物粉末100重量%に対し、60~150重量%の範囲で含むことが重要であり、好ましくは60~120重量%、より好ましくは70~120重量%、更に好ましくは75~120重量%である。水成分が60重量%以上であると、ドウ組成物の発酵や加熱による膨張性を確保し得る。また、水成分が150重量%以下であると、過度のベタツキを抑制し、作業性を確保し得るとともに食感も確保し得る。
<カルボキシメチルセルロース>
カルボキシメチルセルロース又はその塩は、セルロース原料にカルボキシメチル化反応を行うことで製造することができる。セルロース原料としては、晒又は未晒木材パルプ、精製リンター、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロースや、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等、何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸された再生セルロース、及び上記セルロース系素材の加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等によって処理した微細セルロース又は機械的に処理した微細セルロースが例示される。
カルボキシメチルセルロース又はその塩は公知の方法で製造し得る。例えば、セルロースを出発原料にし、溶媒として重量換算で、3~20倍の低級アルコール、具体的には、メタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールの混合割合は、60~95重量%である。マーセル化剤としては、出発原料のグルコース残基当たり、モル換算で、0.5~20倍のアルカリ金属の水酸化物、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。出発原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0~70℃、好ましくは10~60℃、かつ反応時間15分~8時間、好ましくは30分~7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり、モル換算で0.05~2.0倍添加し、反応温度30~90℃、好ましくは40~80℃、かつ反応時間30分~10時間、好ましくは1時間~4時間、エーテル化反応を行う。
本発明では、グルコース残基当たりカルボキシメチル基置換度(以下、「CM-DS」ともいう)が、0.01~0.40の範囲にあるカルボキシメチルセルロース又はその塩であることが重要である。CM-DSは、0.20~0.40の範囲にあることが好ましい。CM-DSが0.40以内であると、水溶性部分が過度に多くなく、水への溶解性の増大を防止し、十分な保水性や保形性が得られなくなることを防止し得る。また、べたつきにくくなり、食感も悪くなるという不具合も防止し得る。一方、CM-DSが0.01以上であると、水に膨潤あるいは溶解しにくくなるため、保水性や保形性を確保すると共に、未溶解物が存在するため食感が悪くなるという不具合を防止し得る。また、0.20以上であると、水に膨潤あるいは溶解性が変化するのを防止でき、食感に影響することを予防し得る。また、保水性を確保し得るので、特にレンジアップなどの加熱処理した際の耐熱保形性が劣ることを防止し得る。
その様なカルボキシメチル基置換度は、例えば試料中のカルボキシメチルセルロースを中和するのに必要な水酸化ナトリウム等の塩基の量を測定して確認することができる。この場合、カルボキシメチルセルロース又はその塩のカルボキシメチルエーテル基が塩の形態である場合には、測定前に予めカルボキシメチルセルロースに変換しておく。測定の際には、塩基、酸を用いた逆滴定、フェノールフタレイン等の指示薬を適宜組み合わせて行うことができる。
より詳細には、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度の測定は、例えば、次の方法による。すなわち、1)カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。2)メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(カルボキシメチル化セルロース)をカルボキシル基を有するカルボキシメチル化セルロース(以下、「酸型カルボキシメチル化セルロース」ともいう)にする。3)酸型カルボキシメチル化セルロース(絶乾)を1.5~2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。4)80%メタノール15mLで酸型カルボキシメチル化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。5)指示薬としてフェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定する。6)カルボキシメチル置換度(CM-DS)を、下式(1)によって算出する。
(1):A=[(100×F’-(0.1NのHSO)(mL)×F)×0.1]/(酸型カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量(g))
CM-DS=0.162×A/(1-0.058×A)
A:酸型カルボキシメチル化セルロース1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F:0.1NのHSOのファクター
F’:0.1NのNaOHのファクター
本発明において、カルボキシメチルセルロース又はその塩の純度をあげるため、公知の方法、例えば、溶媒として重量換算で3~20倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用し、純分99%まで精製処理した後、乾燥を行ってもよい。
他の素材との均一な混合を目的に、精製したカルボキシメチルセルロース又はその塩を機械的処理により微粉砕化、及び/又は、分級を行っても良い。機械的処理とは、具体的には、カッティング式ミル単独、あるいは、カッティング式ミル、衝撃式ミル、気流式ミルを単独あるいは併用して、さらには同機種で数段処理することが挙げられる。カッティング式ミルとしては、メッシュミル(ホーライ社製)、アトムズ(山本百馬製作所製)、ナイフミル(パルマン社製)、グラニュレータ(ヘルボルト社製)、ロータリーカッターミル(奈良機械製作所製)等が例示される。
また、衝撃式ミルとしては、パルペライザ(ホソカワミクロン社製)、ファインインパクトミル製(ホソカワミクロン社製)、スーパーミクロンミル(ホソカワミクロン社製)、サンプルミル(セイシン社製)、トルネードミル(日機装社製)、ターボミル(ターボ工業社製)、ベベルインパクター(相川鉄工社製)等が例示される。一方、気流式ミルとしては、CGS型ジェットミル(三井鉱山社製)、ジェットミル(三庄インダストリー社製)、エバラジェットマイクロナイザ(荏原製作所製)、セレンミラー(増幸産業社製)が例示される。さらに、媒体ミルとしては、振動ボールミル等が例示される。一方、湿式粉砕機としては、マスコロイダー(増幸産業社製)等が例示される。
乾式粉砕工程においては、粉砕後に分級工程を設けることによって、微細部分と粗砕部分を分別することもできる。また、分級工程は、湿式粉砕又は摩砕物を乾燥した後の乾燥物に対しても設定することができる。
上記、いずれかの粉砕機により微粉砕化されたカルボキシメチルセルロース又はその塩の粉砕後の平均粒子径は、特に制限はないが、好ましくは1.0~70μmであり、より好ましくは1.0~60μmであり、さらに好ましくは5~45μmである。1.0μm以上であると、製造上の過度の煩雑さを防止し得る。70μm以内であると、ドウ組成物との均一な混合を容易にし得る。
なお、本発明でいう平均粒子径とは、体積平均粒子径のことをいい、例えばメタノールを分散媒としてレーザー回折・散乱式粒度分布計で測定される体積累計50%粒子径の値から得る。
本発明では、澱粉含有穀物粉末100重量%に対し、カルボキシメチルセルロース0.1~5.0重量%の範囲で含むことが重要であり、好ましくは0.1~3.0重量%であり、より好ましくは0.1~2.0重量%であり、更に好ましくは0.5~2.0重量%添加することが好ましい。添加量が0.1重量%以上であると、保水性を確保し得るため、多加水によるベタツキを改善し、作業性を向上し得る。添加量が5.0重量%以内であると、ドウの伸展性を確保し得、加熱による膨張性を確保し、食感が悪くなるという不具合も防止し得る。
<副原料>
本発明のドウ組成物は、上記原料成分以外の副原料を必要に応じて含有してもよい。その様な副原料としては、例えばイーストフード;砂糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、麦芽糖、乳糖等の糖類;卵または卵粉;脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズ粉末、ヨーグルト粉末、ホエー粉末などの乳製品;ショートニングやバター、マーガリンやその他の動植物油等の油脂類;乳化剤;膨張剤;増粘剤;甘味料;香料;着色料;アスコルビン酸;食塩等の無機塩類;グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ等の酵素類;食物繊維などを挙げることができる。
<実施形態>
本発明のドウ組成物は、パン、スポンジケーキ、クッキー、ドーナッツ等のベーカリー食品組成物;そば、うどん、パスタ、素麺、ラーメン等の麺類;春巻きの皮、餃子の皮、小龍包の皮等の中華料理の材料;おかき等に利用し得る。これらの中でも、多加水においても作業性に優れ(ベタツキが少なく)、発酵や加熱による膨張性に優れる、及び/又は、食感や成型性、さらに耐熱保形性に優れるという効果に鑑み、ベーカリー食品組成物として利用することが好ましい。
本発明のベーカリー食品組成物は、本発明のドウ組成物からなるものである。より詳細には、ベーカリー食品組成物は、例えば、澱粉含有穀物粉末、カルボキシメチルセルロース、及び砂糖や発酵成分、食塩等の副原料を含む混合物Aに対し、水成分及び卵等の副成分を含む混合物Bを加え、均一になるようかき混ぜた生地(ドウ組成物)を、発酵させた後、焼成して得られる。なお、ベーカリー食品組成物の製造方法は、これに限定されるものではなく、適宣、変更してもよい。
以下実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の例示に限定されるものではない。また、特に断りがない限り、各種物性値は、上段に説明した方法で測定した値である。なお、特に断りがない限り、「部」は質量部を表す。
<CMCの製造>
(CMC1の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダ―にイソプロピルアルコール(IPA)500部と水酸化ナトリウム31部を水200部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間撹拌、混合しマーセル化セルロースを調整した。更に撹拌しつつ90%IPA45部に溶解したモノクロロ酢酸20部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CMC-DS0.21のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC1)を得た。
(CMC2の製造)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダ―にイソプロピルアルコール(IPA)800部と水酸化ナトリウム33部を水150部に溶解したものを加え、市販の溶解パルプを絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間撹拌、混合しマーセル化セルロースを調整した。更に撹拌しつつ90%IPA45部に溶解したモノクロロ酢酸27部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して、CMC-DS0.38のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC2)を得た。
(実施例1~4)
500ml容積のステンレスボウルに、表1に示す処方Aの配合となるようにはかりとり、均一になるまでよく混合した。その後、よくかき混ぜた処方Bを、ステンレスボウルに注ぎ、処方Aと処方Bが均一になじむまでかき混ぜ、生地を得た。
得られた生地を台の上で伸ばして、手で40分間空気が入るようによく捏ね合わせ、その後表1の分量となるようにマーガリンを加え、更に均一になるまで30分間捏ね合わせ、直径10cmの球状としたドウ組成物1~4を得た。なお、各実施例で用いたカルボキシメチルセルロースの種類を表2に記す。
Figure 0007177046000001
Figure 0007177046000002
(比較例1)
表3の配合処方とした以外は、実施例1~4と同様にしてドウ組成物5を得た。
Figure 0007177046000003
<評価方法>
<作業性>
実施例1~4及び比較例1で生地を得たのち、用いたステンレスボウルを30cm以上上方から目視で観察し、ステンレスボウルに付着している生地残留物の有無からベタツキ性(作業性)を下記の基準で評価した。
○:ステンレスボウルに生地残留物がほとんど付着していなく、作業性良好である。
×:ステンレスボウルに生地残留物が全体的に付着しており、作業性に劣る。
<発酵膨張性>
実施例1~4及び比較例1で得られた直径10cmの球状のドウ組成物を、それぞれ縦25cm×横20cmのステンレスパンに載せ、温度30℃/湿度50%で60分間静置した後、発酵膨張後のドウ組成物1~4の直径Aとドウ組成物5の直径Bを計測した。
ドウ組成物1~4のドウ組成物5に対する発酵膨張性を、A/B×100(%)で求めた。
実施例1~4及び比較例1の評価試験の結果を下記表4に記す。
Figure 0007177046000004
(実施例5~7、比較例2)
表5記載の処方A、Bの材料をすべて計量し、計量した処方Aの材料を全量ミキサーに入れ、水に溶解したイーストも投入した。24℃条件下で適度に捏ね上げた後、発酵室(温度27~28℃、湿度75%前後)で適度な時間発酵させ生地Aを得た。
生地Aと、油脂(マーガリンなど)を除く処方Bの材料とを全量ミキサーに投入し、適度にミキシングした。その後油脂を全量投入し、27℃にて、捏ね上げ実施例5~7及び比較例2のドウ組成物(生地)を得た。
約30分のフロアタイムを取り、得られたドウ組成物(生地)を60gに分割した。分割した生地を適度な大きさに丸めて、約30分のベンチタイムをとり、適度な大きさの円形バンズ型に成型し、温度35℃、湿度85%で、60分間最終発酵を行った。
その後190℃弱火/235℃中火で、各15分間づつデッキオーブンにて焼成し、円形バンズを得た。
なお、各実施例で用いたカルボキシメチルセルロースの種類等を表6に記す。
Figure 0007177046000005
Figure 0007177046000006
<評価方法>
実施例5~7、及び比較例2で得られた円形バンズを、常温又は冷蔵庫にて、それぞれラップに包み、24時間もしくは48時間保管した。
その後円形バンズをレンジアップ(600W、30秒)し、5名からなるパネラーにてその食感の評価や、レンジアップ前後の比較で表面のしわ発生(耐熱保形性)の目視評価を行い、その平均値について表7に記載した。
<食感>
○:くちゃつきやパサつきがほとんどない、
△:くちゃつきやパサつきがややあり
×:くちゃつきやパサつきが強い
<シワの発生(耐熱)>
○:レンジアップ後に円形バンズ表面にシワがほとんどみられず耐熱保形性に優れる。
△:レンジアップ後に円形バンズ表面にシワが若干発生した。
×:レンジアップ後に円形バンズ表面にシワの発生量が大きかった。
Figure 0007177046000007
以下、本発明のドウ組成物からなるベーカリー食品組成物及び本発明のドウ組成物に該当しないドウ組成物からなるベーカリー食品組成物の実施例を記す。
(実施例8~10及び比較例3:ホットケーキ)
市販のホットケーキミックスに牛乳、卵、カルボキシメチルセルロースを混ぜ合わせた。5分間静置した後、ホットプレートで焼成(160℃、5分)し、ホットケーキを得た。得られたホットケーキについて、冷蔵庫にて48時間保管した。レンジアップした際の食感、及び表面のしわ発生を上記と同様に評価した。評価結果を表10に記す。また、各実施例で用いたカルボキシメチルセルロースの種類を表9に記す。
Figure 0007177046000008
Figure 0007177046000009
Figure 0007177046000010

Claims (5)

  1. 澱粉含有穀物粉ルボキシメチルエーテル基置換度が0.01~0.4の範囲にあり、平均粒径50.0~60.0μmであるカルボキシメチルセルロース、及び発酵成分を含む副原料の混合物Aに対し、水成分及び卵を含む副成分を含む混合物Bを加えて混合することを含み、
    水成分の添加量が、澱粉含有穀物粉末100重量%に対し60~150重量%、
    カルボキシメチルセルロースの添加量が、澱粉含有穀物粉末100重量%に対し1~2重量%である
    ドウ組成物の製造方法
  2. 前記カルボキシメチルエーテル基置換度が0.2~0.4の範囲にある請求項1に記載の製造方法
  3. 前記発酵成分の添加量が、澱粉含有穀物粉末100重量%に対0.1~10重量%である、請求項1又は2に記載の製造方法
  4. 澱粉含有穀物粉末として、小麦粉、スターチ類、米粉、そば粉のうちの一種または数種を混合して使用する請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法
  5. ウ組成物がベーカリー食品用である、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法
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