JP4865708B2 - 不純物としてクロロラクタムを含むラクタムの接触水素化による精製方法 - Google Patents

不純物としてクロロラクタムを含むラクタムの接触水素化による精製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4865708B2
JP4865708B2 JP2007519846A JP2007519846A JP4865708B2 JP 4865708 B2 JP4865708 B2 JP 4865708B2 JP 2007519846 A JP2007519846 A JP 2007519846A JP 2007519846 A JP2007519846 A JP 2007519846A JP 4865708 B2 JP4865708 B2 JP 4865708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactam
chlorolactam
solvent
catalyst
amine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007519846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008505165A (ja
Inventor
ウブ,セルジュ
ラクルワ,エリック
ボネ,フィリップ
デビ,ミシェル
Original Assignee
アルケマ フランス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アルケマ フランス filed Critical アルケマ フランス
Publication of JP2008505165A publication Critical patent/JP2008505165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4865708B2 publication Critical patent/JP4865708B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D201/00Preparation, separation, purification or stabilisation of unsubstituted lactams
    • C07D201/16Separation or purification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D201/00Preparation, separation, purification or stabilisation of unsubstituted lactams
    • C07D201/14Preparation of salts or adducts of lactams

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Hydrogenated Pyridines (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)

Description

本発明は、不純物としてクロロラクタムを含む環式ラクタムの接触水素化反応による精製方法に関するものである。
高品質のポリアミドを製造するには純度の高いラクタムを用いる必要がある。ほとんど検出不可能な極めて少量の不純物が存在してもポリアミドの品質は低下する。汚染したラクタムを用いて製造したポリアミドは黄変する傾向を示し、分子量分布が広くなる。
不純物の種類は使用するラクタム製造プロセスに依存する。光−オキシム化で製造したラクタムはこの形式のプロセスに特有な塩素化不純物(クロロラクタム)を含む。こうした不純物が存在すると製造したポリマーの特性が低下する。従って、この塩素化不純物は除去する必要がある。
当業者に周知の精製方法の一つは水素化触媒を用いて水素でラクタムを処理することである。この方法では塩素をHClの形にして除去する。従って、クロロラクタムはラクタムへ変換される。
しかし、下記文献に記載のように、ラネーニッケルのような従来の水素化触媒は直ぐに不活性する。
特公昭47-37632号公報
上記特許の発明者は、この不活性の原因は従来から使用している反応媒体(ラクタム/有機溶剤)中へのHCl副成物の溶解度が低く、触媒の活性サイトをブロックすることにあるとしている。
マンガン変性ニッケルにHCl副成物を中和するためにアルカリ性水酸化物を加えたものをベースにした触媒を使用すると触媒系の寿命が改善するが、完全に満足にいくものではない。
下記文献はSiO2上にNiとBaF2を析出させたものをベースにした触媒を提案している。
特公昭47-37633号公報
この触媒の寿命は対照として引用した触媒よりは良いが、不活性化は観測される。
水素化による精製プロセスでは水素に対して不活性な溶媒が必要であり、特に芳香属化合物の使用は禁止される。しかし、この芳香属化合物は一般にラクタムの極めて優れた溶剤である。
下記文献には芳香族溶剤を用いた水素化方法が記載されている。
特公昭46-23743号公報
この特許では溶剤の水素化を避けるために芳香族溶剤の媒体に可溶なアミンを加えることを勧めている。アミンは溶剤の水素化を抑制するために用いるので、存在する塩素化不純物に対して少量だけ使用される。さらに、反応によって生じる酸性度を中和するために、少なくとも初期の有機塩素に対して化学量論量のアルカリ性の水酸化物を媒体に加える。
従って、水素化によるラクタムの精製ではアルカリ性水酸化物溶液の添加が必要であり、ラクタムの溶剤が芳香族の場合にはアミンの添加も必要であると思われる。しかし、これらの添加物が存在すると使用する触媒の不活性化を防ぐことができない。
理論に拘束されるものではないが、本発明者は上記触媒の不活性化は触媒上に形成される塩素塩の結晶化によるものと考える。
本発明の目的は、クロロラクタムの水素化によるラクタムの精製方法を改良し、特に、使用する水素化触媒の不活性化を防ぐというニーズに答えることにある。
本発明は、金属触媒、溶剤および−NH2、−NH−またはN<の残基を有する化合物の存在下での水素化反応による、不純物としてのクロロラクタムを含む6〜12の炭素原子を有する環式ラクタムの新規な精製方法を提供する。
本発明方法の特徴は下記にある:
(1)上記残基−NH2、−NH−または−N<が水素化反応で生じるHClを捕獲するアミンの残基であり、
(2)上記溶剤はアミンによるHClの捕獲で形成されたアミンクロロハイドレート(水和物)を可溶化することができる有機溶剤であり、
(3)クロロラクタムの形での有機塩素元素(chlore organique elementaire)のモル%に対するアミンのモル%のモル比は0.5以上にする。
本発明の一つの実施例では上記モル比は1〜100であり、好ましくは5〜40である。
本発明の一つの実施例では上記アミンは直鎖または分岐鎖を有する第一、第二および第三アルキルアミンR1NH2、R12NHおよびR123Nから成る群の中から選択される。ここで、R1=Cn2n+1、n=2〜12、R2=Cm2m+1、m=l〜3、R3=Cp2P+1、p=l〜3である。このアミンはtert-オクチルアミンであるのが好ましい。
本発明の一つの実施例では有機溶剤は非環式または環式の脂肪族飽和炭化水素溶剤、好ましくはシクロヘキサン、芳香族溶剤、イオン性液体から成る群の中から選択される。
本発明はさらに、金属触媒、溶剤および−NH−残基を有する化合物の存在下で水素化反応によって不純物としてのクロロラクタムを含む6〜12の炭素原子を有する環式ラクタムを精製する方法を提供する。
本発明のこの方法の特徴は上記残基−NH−が系中に存在するラクタムのものまたは水素化反応で生じたものであり、溶剤は生成したラクタムハイトレートを可溶化することができるイオン性有機液体である点にある。
本発明の一つの実施例では上記有機溶剤が下記の式(I)または(II)のジアルキルイミダゾリウム誘導体を含むイオン性液体から成る群の中から選択される:
Figure 0004865708
(ここで、
RはCH3、−(CH2n−CH3、−CH2−Cn2n+1、フェニルで、nは1〜10の整数、
AはAlCl3、SbCl32、TaCl5、TaF5、NbCl5、TiCl4で、
BはSbF6、BF4、PF6、CF3SO3を表す)
本発明の一つの実施例では上記イオン性液体が上記定義のRを有する式(I)のジアルキルイミダゾリウムのカチオンと、ヘキサフルオロボレートBF6またはヘキサフルオロホスフェイトPF6のアニオンとの間の組合せ(会合)よって形成される。
本発明の一つの実施例では上記反応は100〜250℃の温度で実施される。
本発明の一つの実施例では被精製ラクタムがラウリルラクタムまたはカプロラクタムである。
本発明の一つの実施例では被精製ラクタムは5重量%以下のクロロラクタムを含む。
本発明の一つの実施例では上記の水素化段階を、水素を含み、必要に応じてアミンをさらに含む溶剤に溶かしたラクタムの流れを触媒上に連続的に流して実施する。
本発明では不純物としてクロロラクタムを含む6〜12の炭素原子を有する環式ラクタムの精製を、金属触媒、水素化反応で生じるHClを捕獲するアミンおよび形成されたアミンクロロハイドレートを可溶化することができる溶剤の存在下での水素化反応によって除去する。
本発明方法を用いると収率が改善され、クロロラクタムのラクタムへの変換率が改善される。
精製すべきラクタム中の不純物としてのクロロラクタムの比率はラクタムの全重量の5重量%以下、好ましくは1重量%以下、さちに好ましくは0.1重量%以下である。
上記アミンは塩化水素酸との塩が使用する反応溶剤中に完全または部分的に可溶なものを選択する。形成された塩の溶解度は除去すべきクロロラクタムの量に依存する。すなわち、精製を行なう場合には、形成されるアミン塩の溶解度を超えないようにし、選択した溶剤中の精製すべきラクタムの濃度を適切に選択する。
こうしたアミンの存在で行うことで触媒の不活性化を避けることができる。すなわち、反応溶剤中のクロロハイドレートを上記溶解度にしたことと、触媒が不活性化されない、または、ほとんど不活性化されないことによって、形成されたアミンクロロハイドレートは触媒上に付着、析出することはない。
使用するアミンの量はクロロラクタムの形で媒体中に存在する有機塩素元素の量に依存する。そのため、アミンのモル%と溶液中に最初に存在する有機塩素元素のモル%との間の比に対応するモル比を定義する。
本発明では上記定義の比は0.5以上でなければならず、好ましくは1〜100の間、さらに好ましくは5〜40の間である。
本発明方法では、有機媒体中に可溶か一部可溶な任意のアミン、例えば直鎖または分岐鎖を有する第一、第二および第三アルキルアミンR1NH2、R12NHおよびR123Nが使用できる。ここで、R1=Cn2n+1、n=2〜12、R2=Cm2m+1、m=l〜3、R3=Cp2P+1、p=l〜3である。
本発明の一つの実施例では、アミンは使用する有機溶剤中に完全または部分的に可溶である。第一アミンが好ましく、tert-オクチルアミン[(CH2)3C-CH2-C(CH3)2NH2]が特に好ましい。
アミンのクロロハイドレートを可溶化する有機溶剤は一般に非環式または環式の脂肪族飽和炭化水素溶剤、芳香族溶剤、イオン性液体からなる群の中から選択される。
非環式または環式の脂肪族飽和炭化水素溶剤はヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、直鎖または分岐鎖を有するドデカン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、置換されていてもよいシクロドデカンおよびこれらの混合物の中から選択でき、好ましい有機溶剤はシクロヘキサンである。
芳香族溶剤はベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クメンおよびこれらの混合物の中から選択できる。
本発明で使用できるイオン性液体は例えば下記文献に記載されている。
国際特許第WO 01/83353号公報(第4頁および実施例)
イオン性液体は下記式(I)または(II)のジアルキルイミダゾリウム誘導体を含むのが好ましい:
Figure 0004865708
(ここで、
RはCH3、−(CH2n−CH3、−CH2−Cn2n+1、フェニルで、nは1〜10の整数、
AはAlCl3、SbCl32、TaCl5、TaF5、NbCl5、TiCl4
BはSbF6、BF4、PF6、CF3SO3を表す)
また、上記の定義のRを有する式(I)のジアルキルイミダゾリウムのカチオンと、ヘキサフルオロ硼酸塩BF6またはヘキサフルオロホスフェイトPF6のアニオンとの間の会合(association)で形成されるイオン性液体も好ましい。
本発明の一つの実施例では、非環式または環式の脂肪族飽和炭化水素溶剤または上記のイオン性液体からなる群の中から選択される溶剤が好ましく使用される。
本発明方法では支持体(担体)または固体上に析出した金属をベースにした任意の水素化触媒が使用できるが、アルミナ、シリカ、シリカアルミナまたは石炭上に析出させたNiまたはPdをベースにした触媒を使用するのが好ましい。
反応温度は一般にアミン塩の分解温度以下、好ましくは100〜250℃にする。圧力は1〜100バール、好ましくは5〜50バール、さらに好ましくは10〜40バールである。
本発明の精製方法は、不純物のクロロラクタムを含む環式のラクタム、特にポリアミド合成の基礎的なモノマーであるC6ラクタム(カプロラクタム)またはC12ラクタム(ラウリルラクタム)の精製に使用できる。すなわち、これらのラクタムの精製に本発明方法を用いることによってクロロラクタムが除去され、それをラクタムに変えることができ、しかも、アミンの存在によって、ラクタム自体の水素化時に生じるHClの捕獲を防ぐことができる。従って、本発明方法は、その塩が反応媒体中に不溶な場合、触媒上にラクタムのクロロハイドレートが析出するのを避けることができる。すなわち、アミンの存在によって触媒の不活性化が避けられ、クロロラクタムのラクタムへの変換収率が向上する。
本発明の他の実施例では、金属触媒と、溶剤と、−NH−残基を有する化合物との存在下で水素化反応によって、不純物としてのクロロラクタムを含む6〜12の炭素原子を有する環式ラクタムを精製する方法において、上記残基−NH−が系中に存在するラクタムの残基または水素化反応で生じた残基であり、上記溶剤が生成したラクタムハイトレートを可溶化することができるイオン性液体であることを特徴とする方法が提供される。上記のイオン性液体は、形成されたラクタムのクロロハイドレートを可溶化することができる。
イオン性液体を存在させることによって触媒の不活性化を避けることができ、クロロラクタムのラクタムへの変換収率が改善する。
本発明の好ましい実施例で使用される金属触媒はPd/CまたはNi/SiO2である。
好ましいイオン性液体はbmimPF6で、ラクタムとHClと間の水素化反応中に形成されるラクタムのクロロハイドレートは25℃で3%、100℃で35%可溶化される。そのため、可溶化したラクタムのクロロハイドレートが触媒上に析出することはない。従って、触媒の寿命、クロロラクタムのラクタムへの変換収率が改善される。
本発明の一つの実施例では、本発明のラクタム精製方法が連続法で行われる。この場合には必要に応じてアミンを含んだ溶剤中の精製すべきラクタムの流れを水素と一緒に触媒上に連続的に供給する。
単位時間当たりの容積速度は0.1〜10 hr-1にすることができるが、1〜5 hr-1にするのが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。比較例はアミンを含まないテストに対応する。
比較例1c
クロロラウリルラクタムの形で塩素を0.085重量%(有機塩素元素のモル数で0.024モル%)含むラウリルラクタム(PM 197)の10重量%シクロヘキサン溶液を調製した。
この溶液を水素(0.5 リットル/時)と一緒に20バールの圧力下に反応装置に連続的に供給した(86グラム/時)。反応装置は温度Tが150℃で、商業的水素化触媒のNi-NiO-SiO2-Al2O3を収容している(Qc量=40ml)。
反応装置から出た混合物は先ず最初に沈降分離で液相と気相とを分離し、溶剤を蒸発した後にラウリルラクタムを回収した。得られた結晶を水で洗浄して生じた塩を除去した。
水素処理後に、最初にラウリルラクタムの炭素原子に固定していた有機塩素はHCl形でラクタム自体に結合している。水で清浄することでHClを回収でき、このHClは塩化物の形で定量できる。
ラクタム中にクロロラウリルラクタムの形で存在する初期の有機塩素の量、ラクタムに固定されて残留する残留有機塩素元素の量および洗浄水中に回収された塩化物の量を測定する。これらの量は全て重量%で表す。
クロロラクタムの変換率は下記の比で求めた:
Figure 0004865708
総括塩素(総括Cl、bilan chlore)は下記の比で求めた:
Figure 0004865708
この総括塩素に不足(100%に対する差)がある場合には、その不足分は触媒上への製品の蓄積を表し、従って、触媒寿命の低下を意味する。
tert−オクチルアミン(PM=129)のアミンのモル%と溶液中に存在する初期有機塩素元素のモル%で表されるクロロラウリルラクタムの%との比に対応する比率を求めた。
下記の[表1]には各種パラメータ(温度T、モル比、アミンの重量%、触媒の種類と量、反応装置の連続運転時間)を関数にしたクロロラクタムのラクタムへの変換率と総括塩素の比率をまとめて示してある。
Figure 0004865708
実施例1(参考例)
比較例1cと同じ反応条件下で、0.2重量%のtert-オクチルアミン(0.155モル%)と、10重量%のラウリルラクタムとを含むシクロヘキサン溶液を供給した。
ラクタム中の最初の有機塩素の量は0.09重量%(従って、溶液中の塩素元素は0.025モル%)で、精製後の残留塩素の含有量は0.026重量%であった。洗浄水中の塩化物の量は0.01重量%であった。
従って、クロロラクタムの変換率は71%であり、総括塩素は40%である。
実施例2(参考例)
上記と同じ反応条件下で、1重量%(0.775モル%)のtert-オクチルアミンと、10重量%のラウリルラクタムとを含むシクロヘキサン溶液を供給した。
ラクタム中の最初の有機塩素の量は0.077重量%(従って、溶液中の塩素元素は0.022モル%)で、精製後の残留塩素の含有量は0.036重量%であった。洗浄水中の塩化物の量は0.025重量%であった。
従って、クロロラクタムの変換率は53%であり、総括塩素は80%である。
比較例3c
塩素を0.0565重量%含むラウリルラクタムの10重量%シクロヘキサン溶液を調製した。
この溶液を水素(0.5 リットル/時)と一緒に20バールの圧力下に反応装置に連続的に供給した(82グラム/時)。反応装置の温度Tは180℃で、商業的水素化触媒の40ml の0.5%Pd/Cを収容している。
反応装置から出た混合物は先ず最初に沈降分離で液相と気相とを分離し、溶剤を蒸発した後にラウリルラクタムを回収した。得られた結晶を水で洗浄して生じた塩を除去した。
ラクタム中の残留有機塩素量は0.0337重量%である(ガスクロマトグラフィCPGで測定)。洗浄水中の塩化物の量は0.01重量%である。
実施例3(参考例)
上記と同じ反応条件下で、1重量%(0.775モル%)のtert-オクチルアミンと、10重量%のラウリルラクタムとを含むシクロヘキサン溶液を供給した。
ラクタム中の最初の有機塩素の量は0.073重量%(従って、溶液中の塩素元素は0.020モル%)で、精製後の残留塩素の含有量は0.011重量%であった。洗浄水中の塩化物の量は0.063重量%であった。
クロロラクタムの変換率は85%で、総括塩素は100%である。
比較例4c
塩素を0.103重量%含むラウリルラクタムの10重量%シクロヘキサン溶液を調製した。
この溶液を水素(0.5 リットル/時)と一緒に20バールの圧力下に反応装置に連続的に供給した(82グラム/時)。反応装置の温度Tは180℃で、80mlの商業的水素化触媒のNi-NiO-SiO2-Al2O3を収容している。
反応装置から出た混合物を複数の時間後にサンプリングした。各混合物は先ず最初に沈降分離で液相と気相とを分離し、溶剤を蒸発した後にラウリルラクタムを回収した。得られた結晶を水で洗浄して生じた塩を除去した。
反応性能を反応剤との接触時間の関数で評価した。結果は下記の通り。
Figure 0004865708
反応装置の出口で回収した塩化物の量は、有機塩素の形で初期ラクタム中に存在していた塩素の一部のみ(<10%)で構成される。形成された塩化物は触媒上に蓄積し、触媒性能を劣化させる。
実施例4(参考例)
上記反応条件下で、1.2重量%(0.930モル%)のtert-オクチルアミンと、10重量%のラウリルラクタムとを含むシクロヘキサン溶液を供給した。ラクタム中の初期有機塩素量は0.1重量%である(すなわち溶液中に0.028モル%)。
20時間運転後の精製後の残留有機塩素含有量は0.003重量%である。洗浄水中の塩化物の量は0.095重量%である。
クロロラクタムの変換率は97%で、総括塩素は98%である。
250時間運転後の変換率は96%、総括塩素は97%である。
実施例5(イオン性液体)(アミンは含まない実施例)
湿気を除去するためにアルゴン雰囲気下に置いたステンレス鋼製オートクレーブ中に50gのbmimPF6と、2.64gのPd/C触媒と、5gの塩素化されたラクタム(全塩素量=0.17%)とを導入した。
オートクレーブに20バールの水素を入れて加圧し、反応媒体を20バールの水素圧下で攪拌下に100℃で6時間加熱した。
反応後、50gメタノールを加えて反応媒体を流動させ、濾過して触媒を分離した。
メタノールは減圧蒸発させ、結晶化したラクタムを濾過し、少量のアセトニトリルおよび水で洗浄し後、80℃の乾燥器中で乾燥した。
その全塩素含有量は0.005重量%である(処理前の初期の比率は0.17重量%)。従って、クロロラクタムのラクタムへの変換率は97%である。
比較例5c
実施例5の操作を繰り返したが、上記イオン性液体を50gのシクロヘキサンに代えた。
処理後かつ洗浄後の全塩素含有率は0.13%である(処理前の初期の比率は0.17重量%)。従って、クロロラクタムのラクタムへの変換率は23.5%である。

Claims (6)

  1. 不純物としてのクロロラクタムを含む6〜12の炭素原子を有する環式ラクタムを、金属触媒と溶との存在下で、水素化反応によって精製する方法において、
    記溶剤が下記の式(I)または(II)
    Figure 0004865708
    (ここで、
    RはCH 3 、−(CH 2 n −CH 3 、−CH 2 −C n 2n+1 、フェニルで、nは1〜10の整数、
    AはAlCl 3 、SbCl 3 2 、TaCl 5 、TaF 5 、NbCl 5 、TiCl 4
    BはSbF 6 、BF 4 、PF 6 、CF 3 SO 3 を表す)
    のジアルキルイミダゾリウム誘導体を含むイオン性液体から成る群の中から選択されるイオン性液体であることを特徴とする方法。
  2. 上記イオン性液体が式(II)のジアルキルイミダゾリウムカチオンと、ヘキサフルオロホスフェイトPF6アニオンとの組合せから成る請求項1に記載の方法。
  3. 反応温度を100〜250℃にする請求項1または2に記載の方法。
  4. ラクタムがラウリルラクタムまたはカプロラクタムである請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 精製すべきラクタムのクロロラクタム含有量が5重量%以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 上記の水素化段階を、アミンを含んでいてもよい剤中に溶かしたラクタム流を上記触媒上に連続的に流し、水素を用いて実施する請求項1〜のいずれか一項に記載の精製方法。
JP2007519846A 2004-07-16 2005-07-12 不純物としてクロロラクタムを含むラクタムの接触水素化による精製方法 Active JP4865708B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0407918 2004-07-16
FR0407918A FR2873117A1 (fr) 2004-07-16 2004-07-16 Procede de purification par hydrogenation catalytique de lactame contenant des impuretes chlorolactames
PCT/FR2005/001794 WO2006016060A2 (fr) 2004-07-16 2005-07-12 Procede de purification par hydrogenation catalytique de lactame contenant des impuretes chlorolactames

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008505165A JP2008505165A (ja) 2008-02-21
JP4865708B2 true JP4865708B2 (ja) 2012-02-01

Family

ID=34947952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007519846A Active JP4865708B2 (ja) 2004-07-16 2005-07-12 不純物としてクロロラクタムを含むラクタムの接触水素化による精製方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20080071081A1 (ja)
EP (1) EP1773765B1 (ja)
JP (1) JP4865708B2 (ja)
KR (1) KR20070033464A (ja)
CN (1) CN101018767A (ja)
AT (1) ATE393143T1 (ja)
DE (1) DE602005006286T2 (ja)
FR (1) FR2873117A1 (ja)
WO (1) WO2006016060A2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007017872A1 (de) * 2007-04-13 2008-10-16 Linde Ag Verfahren zur Inertisierung eines sauerstoffempfindlichen Katalysators
EP3498759A1 (de) 2017-12-13 2019-06-19 Evonik Degussa GmbH Verfahren zur herstellung von polymeren aus monomeren umfassend laurinlactam
EP3498758A1 (de) 2017-12-13 2019-06-19 Evonik Degussa GmbH Verfahren zur herstellung von polymeren aus monomeren umfassend laurinlactam

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03135958A (ja) * 1989-08-02 1991-06-10 Basf Ag カプロラクタムの連続精製法
JP2003313171A (ja) * 2002-04-23 2003-11-06 Kuraray Co Ltd N−アルキル−n’−アルキルイミダゾリウム塩の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0737633B2 (ja) * 1986-06-12 1995-04-26 麒麟麦酒株式会社 ホツプ精油の香気改良方法
JPH0623743B2 (ja) * 1989-06-29 1994-03-30 株式会社島津製作所 試料導入装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03135958A (ja) * 1989-08-02 1991-06-10 Basf Ag カプロラクタムの連続精製法
JP2003313171A (ja) * 2002-04-23 2003-11-06 Kuraray Co Ltd N−アルキル−n’−アルキルイミダゾリウム塩の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101018767A (zh) 2007-08-15
FR2873117A1 (fr) 2006-01-20
DE602005006286D1 (de) 2008-06-05
DE602005006286T2 (de) 2009-05-20
KR20070033464A (ko) 2007-03-26
WO2006016060A2 (fr) 2006-02-16
WO2006016060A3 (fr) 2006-04-20
EP1773765B1 (fr) 2008-04-23
JP2008505165A (ja) 2008-02-21
EP1773765A2 (fr) 2007-04-18
US20080071081A1 (en) 2008-03-20
ATE393143T1 (de) 2008-05-15
WO2006016060A8 (fr) 2007-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20010033766A (ko) 수소화촉매의 재생방법 및 니트릴 관능기함유 화합물의수소화방법
JP4865708B2 (ja) 不純物としてクロロラクタムを含むラクタムの接触水素化による精製方法
KR101527296B1 (ko) 비스(아미노메틸)사이클로헥세인류의 제조 방법
TWI237629B (en) Process for production of perfluoroalkadienes
CN101959862B (zh) 改进的制备2,3-二氯吡啶的方法
KR20020009601A (ko) 일차 알코올로부터 카르복실산 염들의 제조방법
KR20140131817A (ko) 요오드의 재활용이 가능한 페닐렌다이아민의 제조공정
CN1345300A (zh) 杀虫剂中间体的制备方法
JPH03184944A (ja) ハロゲン化アミノ芳香族誘導体の製造方法
US6509495B1 (en) Selective hydrodehalogenation method
JP3422331B2 (ja) N,n−ジ置換エチレンジアミンの製造方法
JP3849149B2 (ja) 2−イミダゾリン類の製造法
SK113397A3 (en) A process for the manufacture of carbazole
JPH0940651A (ja) 2−イミダゾリン類の製造法
EP0893431B1 (en) A method for the purification of dinitroanilines
JPS6044034B2 (ja) 触媒残渣を含む廃水の処理方法
JP4473150B2 (ja) 低塩素3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法
JPH09151168A (ja) β−アラニン塩の製造方法
JPH05194330A (ja) 3,5−ジクロルアニリンの製造方法
JP2004189629A (ja) レジスト用モノマーの精製方法
JP2021014429A (ja) ヘキサメチレンジアミンの製造方法
GB2118172A (en) Preparation of a 2-alkyl-4- amino-5-aminomethylpyrimidine
EP1963309B1 (en) Method for producing metal salts of losartan
JP2606113B2 (ja) シクロヘキセンの製造方法
JP2004083495A (ja) 2−アミノメチルピリミジン及びその塩の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101124

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110405

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110705

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110706

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110712

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4865708

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250