JP2021014429A - ヘキサメチレンジアミンの製造方法 - Google Patents
ヘキサメチレンジアミンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021014429A JP2021014429A JP2019129987A JP2019129987A JP2021014429A JP 2021014429 A JP2021014429 A JP 2021014429A JP 2019129987 A JP2019129987 A JP 2019129987A JP 2019129987 A JP2019129987 A JP 2019129987A JP 2021014429 A JP2021014429 A JP 2021014429A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hexamethylenediamine
- reaction
- mol
- hexanediol
- nitrogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】穏和な条件で機能するヘキサメチレンジアミンの製造方法を提供すること。【解決手段】本発明のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、含窒素有機化合物を添加し、貴金属触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させることを含む。【選択図】なし
Description
本発明は、ヘキサメチレンジアミンの製造方法に関する。
1,6−ヘキサメチレンジアミン(以下、ヘキサメチレンジアミン)は、ナイロン原料として非常に有用なモノマーである。ヘキサメチレンジアミンの主要な製造方法のひとつとして、1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応が挙げられる。
効率よくヘキサメチレンジアミンを製造するため、アミノ化反応を促進する種々の触媒系がこれまでに開発されてきた。特許文献1では、ラネーニッケル触媒による1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応を開示している。特許文献2では、アミノ化反応の反応液からヘキサメチレンジアミンを除去したリサイクル液(ヘキサメチレンイミンやオリゴマーが主成分)と1,6−ヘキサンジオールとの混合液を原料としてフィードしてラネーニッケル触媒によりアミノ化反応を行う製造方法が開示されている。特許文献3では、ヘキサメチレンイミンと1,6−ヘキサンジオールとの混合液のアミノ化反応をコバルトロッド触媒により促進するヘキサメチレンジアミンの製造方法が開示されている。
特許文献1、2及び3では、活性の低い卑金属触媒を機能させるため、それぞれ10MPa以上の高圧下で反応を実施している。このように、既存技術では1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応によりヘキサメチレンジアミンを製造するには高圧条件が必要であり、これらの技術は工業的に好適でない。
また、分子の両末端にアミノ基を有するヘキサメチレンジアミンへのアミノ化反応では、分子内環化反応によるヘキサメチレンイミンの副生や分子間縮合反応によるオリゴマーの副生が促進されるため、収率良くヘキサメチレンジアミンを得ることが困難となることを本発明者は見出した。これらの副反応は生成したヘキサメチレンジアミンが再び触媒活性種へと吸着し、活性化されることで促進される。
そこで、本発明は、穏和な反応条件において、収率良くヘキサメチレンジアミンを与えるヘキサメチレンジアミンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、貴金属触媒と、添加した含窒素有機化合物とを組み合わせた反応系の下、1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させると、穏和な反応条件下で1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応が選択的に促進されること、さらに、当該反応において収率良くヘキサメチレンジアミンを製造できることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
本発明のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、含窒素有機化合物を添加し、貴金属触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させることを含む。
本発明のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、含窒素有機化合物を添加し、貴金属触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させることを含む。
本発明によれば、穏和な条件の下、ヘキサメチレンジアミンを製造することができ、例えば、反応圧力を10MPa以下とすることができる。また、本発明によれば、例えば、収率良くヘキサメチレンジアミンを製造することができる。
本発明について、以下具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態(本実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ヘキサメチレンジアミンの製造方法]
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、含窒素有機化合物を添加し、貴金属触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させることを含む。なお、本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、上記工程を含むことにより、穏和な反応条件において収率と選択率に優れたヘキサメチレンジアミンの製造方法を提供することができる。
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、含窒素有機化合物を添加し、貴金属触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させることを含む。なお、本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、上記工程を含むことにより、穏和な反応条件において収率と選択率に優れたヘキサメチレンジアミンの製造方法を提供することができる。
この要因は、本実施形態の触媒が穏和な条件下においても効率的に機能する貴金属触媒であること、本実施形態の反応系が金属配位能の高い含窒素有機化合物を含むため生成物であるヘキサメチレンジアミンの触媒への再吸着が阻害されヘキサメチレンジアミンの逐次反応が抑制されること、が挙げられるが要因はこれらに限定されない。
[1]反応工程
反応工程は、含窒素有機化合物を添加し、貴金属触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させる工程である。本実施形態の反応工程は、回分式、半回分式、連続式等の慣用の方法により行うことができる。また、本実施形態の反応工程はヘキサメチレンジアミンを精製する分離工程を含んでもよい。分離工程における方法としては、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離方法や、これらを組み合わせた分離方法が用いられる。
反応工程は、含窒素有機化合物を添加し、貴金属触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させる工程である。本実施形態の反応工程は、回分式、半回分式、連続式等の慣用の方法により行うことができる。また、本実施形態の反応工程はヘキサメチレンジアミンを精製する分離工程を含んでもよい。分離工程における方法としては、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離方法や、これらを組み合わせた分離方法が用いられる。
[2]貴金属触媒
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法では、触媒として貴金属触媒を使用する。ルテニウム触媒は、例えば、反応液に溶解可能な均一系触媒として機能する貴金属触媒であってもよく、反応液に溶解しない不均一系触媒として機能する貴金属触媒であってもよい。反応液からの分離性に優れる観点から、不均一系触媒として機能する貴金属触媒であることが好ましく、貴金属担持触媒であることがより好ましい。このような貴金属としては、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスニウム、イリジウム、白金、金などが挙げられ、この中でも、触媒活性に優れる観点から、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、白金及び金からなる群より選択される一種以上が好ましく、ルテニウムがより好ましい。
貴金属の担持量は、例えば、活性種の分散性に優れる観点から、触媒担体に対して0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることが更に好ましい。
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法では、触媒として貴金属触媒を使用する。ルテニウム触媒は、例えば、反応液に溶解可能な均一系触媒として機能する貴金属触媒であってもよく、反応液に溶解しない不均一系触媒として機能する貴金属触媒であってもよい。反応液からの分離性に優れる観点から、不均一系触媒として機能する貴金属触媒であることが好ましく、貴金属担持触媒であることがより好ましい。このような貴金属としては、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスニウム、イリジウム、白金、金などが挙げられ、この中でも、触媒活性に優れる観点から、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、白金及び金からなる群より選択される一種以上が好ましく、ルテニウムがより好ましい。
貴金属の担持量は、例えば、活性種の分散性に優れる観点から、触媒担体に対して0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることが更に好ましい。
触媒担体としては、金属酸化物や炭素質担体から任意のものを使用することができる。このような触媒担体としては、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化バリウム、窒化チタン、シリカ、ゼオライト、シリカアルミナ、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、有機ポリマー、活性炭などが挙げられ、この中でも、触媒活性に優れる観点から、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ヒドロキシアパタイト及び活性炭からなる群より選択される一種以上が好ましく、酸化ランタン、酸化セリウム、ヒドロキシアパタイト、活性炭からなる群より選択される一種以上がより好ましい。
貴金属触媒は、公知の方法で調製してもよく市販品を用いてもよい。貴金属の触媒担体への担持方法としては、特に限定するわけではないが、例えば、析出沈殿法、含浸法、イオン交換法などが適用可能である。市販品としては、例えば、エヌ・イーケムキャット社製品の「5%Ruカーボン粉末(含水品)」、「5%Ruアルミナ粉末」、「5%Rhカーボン粉末(含水品)」、「5%Ptカーボン粉末(含水品)」、「5%Pdカーボン粉末(含水品)」、和光純薬社製品の「ルテニウム(III)ヒドロキシアパタイト」などが挙げられる。
[3]原料
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを原料とすることを特徴とする。
アンモニアの添加量は、反応速度及び反応系の制御性に優れる観点から、例えば、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して、20〜20000質量部であることが好ましく、100〜15000質量部であることがより好ましく、100〜10000質量部であることが更に好ましい。
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを原料とすることを特徴とする。
アンモニアの添加量は、反応速度及び反応系の制御性に優れる観点から、例えば、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して、20〜20000質量部であることが好ましく、100〜15000質量部であることがより好ましく、100〜10000質量部であることが更に好ましい。
[4]含窒素有機化合物
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法では、含窒素有機化合物を添加し、1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応を行うことによりヘキサメチレンジアミンの選択性を向上させることができる。これらの含窒素有機化合物は生成物であるヘキサメチレンジアミンの触媒活性種への再吸着と、それに伴うヘキサメチレンジアミンの活性化及び逐次反応を阻害することを目的として添加する。含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式に示されるアミンが挙げられる。
(式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1以上の1価の炭化水素基(例えば、炭素数1以上アルキル基)を示す。また、炭化水素基上に置換基(例えば、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、スルホ基など)を有していてもよい。)
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法では、含窒素有機化合物を添加し、1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応を行うことによりヘキサメチレンジアミンの選択性を向上させることができる。これらの含窒素有機化合物は生成物であるヘキサメチレンジアミンの触媒活性種への再吸着と、それに伴うヘキサメチレンジアミンの活性化及び逐次反応を阻害することを目的として添加する。含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式に示されるアミンが挙げられる。
式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素、又は置換基を有していてもよい炭素数6のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)において、R1及びR2が水素であり、かつR3が置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、R1及びR2が水素であり、かつR3が置換基を有していてもよい炭素数6のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)において、R1が水素であり、かつR2及びR3が、これらが結合するNと一緒に、置換基を有していてもよい3〜7員環を形成していることが好ましく、R1が水素であり、かつR2及びR3が、これらが結合するNと一緒に、置換基を有していてもよい7員環を形成していることがより好ましい。
式(1)において、R1及びR2が水素であり、かつR3が置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、R1及びR2が水素であり、かつR3が置換基を有していてもよい炭素数6のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)において、R1が水素であり、かつR2及びR3が、これらが結合するNと一緒に、置換基を有していてもよい3〜7員環を形成していることが好ましく、R1が水素であり、かつR2及びR3が、これらが結合するNと一緒に、置換基を有していてもよい7員環を形成していることがより好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、第一級脂肪族アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、エチレンジアミン、6−アミノヘキサノール、ヘキサメチレンジアミン、アリルアミン、3−アミノプロピオニトリル、アミノシクロブタン、(1−アミノエチル)ホスホン酸、2−アミノペンタン、シクロプロピルメチルアミン、o−ホスホリルエタノールアミン、1−アミノインダン、3−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、1−アミノアダマンタン、4−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、4−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、デシルアミン)、第二級脂肪族アミン(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、イミノジアセトニトリル、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−エチルイソプロピルアミン、N−エチル−2−メトキシエチルアミン、ビス(2−イソプロポキシエチル)アミン、3,3−イミノジプロピオン酸ジエチル、N−エチルヘプチルアミン、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−シクロブタノン)、第三級脂肪族アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、N−ヘキサメチレンジアミノヘキサメチレンイミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジメチルプロパギルアミン、N−メチル−2−ジメチルアミノアセトヒドロキサム酸、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、3,3´,3´´−ニトリロプロピオニトリル)、アミノアルコール(例えば、アミノメタノール、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、2−アミノ−1−メチルエタノール、4−アミノブタノール、3−アミノ−1−メチルプロパノール、3−アミノ−2−メチルプロパノール、5−アミノペンタノール、4−アミノ−1−メチルブタノール、3−アミノ−1,2−ジメチルプロパノール、3−アミノ−1−エチルプロパノール、6−アミノヘキサノール、5−アミノ−1−メチルペンタノール)、脂環族アミン(例えば、シクロペンチルアミン、ヘキサメチレンイミン(アゼパン)、シクロヘキシルアミン、ピロリジン、プリン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−エチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン、N−ブチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等が挙げられる。)
芳香族アミン(アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ナフチルアミン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、3,4,5−トリメトキシアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、4−(2−プロピニルオキシ)アニリン、N−プロピルアニリン、4−(メチルアミノ)アセトフェノン、3,4−メチレンジオキシ−N−エチルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロポキシアニリン、N−エチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N−(3−アミノプロピル)−N−メチルアニリン、5−アミノテトラリン)及びこれらの重合体が挙げられる。ここでいう「重合体」は、オリゴマーも包含する概念である。オリゴマーを構成するモノマーの数の下限は2である。これらの含窒素有機化合物は、1種を単独で、又は複数を組み合わせて用いられる。この中でも、前記一般式(1)で表されるアミンであって、炭素数が6である含窒素有機化合物及びこれらの重合物であることが好ましく、6−アミノヘキサノール、ヘキサメチレンイミン、ヘキサメチレンジアミン及びこれらの重合体からなる群より選択される一種以上がより好ましい。これのようなヘキサメチレンジアミンの生成中間体及び平行化合物を用いることにより、反応後の精製の容易性に優れるとともに、ヘキサメチレンジアミンの収率及び選択率に一層優れる傾向にある。
含窒素有機化合物にヘキサメチレンイミンが含まれる場合、ヘキサメチレンイミンの含有量は、含窒素有機化合物を基準として、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましい。ヘキサメチレンイミンの含有量の上限は特に限定されないが、例えば、100質量%、50質量%、30質量%等としてもよい。
含窒素有機化合物の添加量は、反応速度に優れる観点から、例えば、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して、10〜10000質量部であることが好ましく、50〜5000質量部であることがより好ましく、50〜1000質量部であることが更に好ましい。
[5]反応条件
触媒の使用量としては、反応速度に優れるとともに、反応後の触媒を分離性に優れる観点から、例えば、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して5〜1000質量部であることが好ましく、10〜750質量部であることがより好ましく、20〜500質量部であることが更に好ましい。
触媒の使用量としては、反応速度に優れるとともに、反応後の触媒を分離性に優れる観点から、例えば、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して5〜1000質量部であることが好ましく、10〜750質量部であることがより好ましく、20〜500質量部であることが更に好ましい。
反応温度としては、例えば0〜250℃、好ましくは50〜230℃、特に好ましくは120〜200℃である。反応温度が50℃以上であることにより、1,6−ヘキサンジオール転化率及びヘキサメチレンジアミンの収率及び選択率が一層向上する傾向にあり、反応温度が230℃以下であることにより、反応器内の圧力の制御が一層容易になる傾向にある。
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、原子効率及び安全性に優れる観点から、例えば、水素非共存下で行うことが好ましい。ただし、水素共存下においても実施することができ、水素の圧力としては、反応速度及び反応系の制御性に優れる観点から、例えば、絶対圧力表示で、0〜10.0MPaであることが好ましく、0〜5.0MPaであることがより好ましく、0〜1.0MPaであることが更に好ましい。
反応全圧としては、反応速度と反応系の制御性に優れる観点から、例えば、絶対圧力表示で、0.1〜10.0MPaであることが好ましく、0.1〜7.5MPaであることがより好ましく、0.1〜5.0MPaであることが更に好ましい。
[6]溶媒
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法では、無溶媒条件下において実施することができるが、反応系制御の容易さに優れる観点から、反応条件においてアンモニア分子を溶解する化合物を溶媒として実施することが好ましい。このような溶媒としては、例えば、水、炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ペンタン、ヘキサン)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン)、アルコール系溶媒(例えば、エチレングリコール、エタノール、メタノール、t−ブタノール)、アミド系溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリフルオロトルエン)、アミン系溶媒(例えば、トリエチルアミンなどの第3級アミン系溶媒)などが挙げられる。また、これらの化合物の混合物を溶媒として用いてもよい。
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法では、無溶媒条件下において実施することができるが、反応系制御の容易さに優れる観点から、反応条件においてアンモニア分子を溶解する化合物を溶媒として実施することが好ましい。このような溶媒としては、例えば、水、炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ペンタン、ヘキサン)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン)、アルコール系溶媒(例えば、エチレングリコール、エタノール、メタノール、t−ブタノール)、アミド系溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリフルオロトルエン)、アミン系溶媒(例えば、トリエチルアミンなどの第3級アミン系溶媒)などが挙げられる。また、これらの化合物の混合物を溶媒として用いてもよい。
なお、本実施形態の製造方法では、含窒素有機化合物を溶媒として用いてもよい。この場合、溶媒として用いられる含窒素有機化合物としては、上記アミン系溶媒などが挙げられる。
溶媒に使用する化合物は、気体アンモニアの吸収性能に優れるという観点から、アンモニア溶解度が高い溶媒が好ましく、例えば、20℃における溶解度が10g/dm3以上でることが好ましく、100g/dm3以上であることがより好ましく、500g/dm3以上であることが更に好ましい。特に限定されないが、例えば、アンモニア溶解度が100g/dm3以上の溶媒としてはトルエン、500g/dm3以上の溶媒としては水が挙げられる。
溶媒量は、気体アンモニアの吸収効率に優れるという観点から、反応系のアンモニアを溶解させる十分な量が好ましく、例えば、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して、50〜10000質量部であることが好ましく、100〜5000質量部であることがより好ましく、500〜2500質量部であることが更に好ましい。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって制限されるものではない。
[実施例1]
耐圧反応器に、1,6−ヘキサンジオール0.55g、含窒素有機化合物0.45g(ヘキサメチレンイミン0.08g及び6−アミノヘキサノール0.37gから成る混合物)、5%Ruカーボン粉末(含水品)Bタイプ(Ru/C)触媒(エヌ・イー ケムキャット社製品)をドライ換算で0.4g、水11g、アンモニア4gを加え、水素を1.0MPa張った後、180℃で1時間反応を行った。この時、反応全圧は3.7MPaであった。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率61モル%、ヘキサメチレンジアミン収率35モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率57%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。なお、生成物の収率はガスクロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。
耐圧反応器に、1,6−ヘキサンジオール0.55g、含窒素有機化合物0.45g(ヘキサメチレンイミン0.08g及び6−アミノヘキサノール0.37gから成る混合物)、5%Ruカーボン粉末(含水品)Bタイプ(Ru/C)触媒(エヌ・イー ケムキャット社製品)をドライ換算で0.4g、水11g、アンモニア4gを加え、水素を1.0MPa張った後、180℃で1時間反応を行った。この時、反応全圧は3.7MPaであった。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率61モル%、ヘキサメチレンジアミン収率35モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率57%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。なお、生成物の収率はガスクロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。
分析条件
装置 島津製作所製 GC−2010plus
カラム CP−Volamine
条件 インジェクション温度:200℃、ディテクション温度:300℃
キャリアガス:窒素(カラム流量70.8ml/min、SP比50)
昇温速度:80℃〜(15℃/min)〜150℃(31分保持)〜
(10℃/min)〜210℃(3.3分保持)〜(15℃/min)〜
290℃(2.7分保持)
内標 アニソール
装置 島津製作所製 GC−2010plus
カラム CP−Volamine
条件 インジェクション温度:200℃、ディテクション温度:300℃
キャリアガス:窒素(カラム流量70.8ml/min、SP比50)
昇温速度:80℃〜(15℃/min)〜150℃(31分保持)〜
(10℃/min)〜210℃(3.3分保持)〜(15℃/min)〜
290℃(2.7分保持)
内標 アニソール
[比較例1]
比較例1は、含窒素有機化合物を添加せずに行う以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率67モル%、ヘキサメチレンジアミン収率13モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率19%であった。実施例1と比較例1との比較により、含窒素有機化合物の添加でヘキサメチレンジアミン選択性の向上したことがわかる。
比較例1は、含窒素有機化合物を添加せずに行う以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率67モル%、ヘキサメチレンジアミン収率13モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率19%であった。実施例1と比較例1との比較により、含窒素有機化合物の添加でヘキサメチレンジアミン選択性の向上したことがわかる。
[比較例2]
比較例2は、触媒を卑金属触媒であるラネーニッケルで行う以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率12モル%、ヘキサメチレンジアミン収率0モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率0%であった。実施例1と比較例2との比較により、穏和な本反応条件においてアミノ化を促進するには貴金属触媒が有効であることがわかる。
比較例2は、触媒を卑金属触媒であるラネーニッケルで行う以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率12モル%、ヘキサメチレンジアミン収率0モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率0%であった。実施例1と比較例2との比較により、穏和な本反応条件においてアミノ化を促進するには貴金属触媒が有効であることがわかる。
[実施例2]
実施例2は、含窒素有機化合物をトリエチルアミン0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率42モル%、ヘキサメチレンジアミン収率16モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率38%であった。この時、反応前後において、トリエチルアミンの含量は変化しなかった。
実施例2は、含窒素有機化合物をトリエチルアミン0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率42モル%、ヘキサメチレンジアミン収率16モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率38%であった。この時、反応前後において、トリエチルアミンの含量は変化しなかった。
[実施例3]
実施例3は、含窒素有機化合物をジエチルアミン0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率53モル%、ヘキサメチレンジアミン収率18モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率34%であった。この時、反応前後でジエチルアミンが10モル%分消失した。
実施例3は、含窒素有機化合物をジエチルアミン0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率53モル%、ヘキサメチレンジアミン収率18モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率34%であった。この時、反応前後でジエチルアミンが10モル%分消失した。
[実施例4]
実施例4は、含窒素有機化合物をペンチルアミン0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率59モル%、ヘキサメチレンジアミン収率18モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率31%であった。この時、反応前後でペンチルアミンが15モル%分消失した。
実施例4は、含窒素有機化合物をペンチルアミン0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率59モル%、ヘキサメチレンジアミン収率18モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率31%であった。この時、反応前後でペンチルアミンが15モル%分消失した。
[実施例5]
実施例5は、含窒素有機化合物を6−アミノヘキサノール0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率61モル%、ヘキサメチレンジアミン収率24モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率39%であった。この時、反応前後において、6−アミノヘキサノールは初期添加量に対して14モル%減少し、ヘキサメチレンイミンが1,6−ヘキサンジオールに対して10モル%生成していた。
実施例5は、含窒素有機化合物を6−アミノヘキサノール0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率61モル%、ヘキサメチレンジアミン収率24モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率39%であった。この時、反応前後において、6−アミノヘキサノールは初期添加量に対して14モル%減少し、ヘキサメチレンイミンが1,6−ヘキサンジオールに対して10モル%生成していた。
[実施例6]
実施例6は、含窒素有機化合物をビスヘキサメチレントリアミン0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率56モル%、ヘキサメチレンジアミン収率30モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率54%であった。この時、反応前後において、ビスヘキサメチレントリアミンは初期添加量に対して10モル%減少し、ヘキサメチレンイミンが1,6−ヘキサンジオールに対して14モル%生成していた。
実施例6は、含窒素有機化合物をビスヘキサメチレントリアミン0.45gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率56モル%、ヘキサメチレンジアミン収率30モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率54%であった。この時、反応前後において、ビスヘキサメチレントリアミンは初期添加量に対して10モル%減少し、ヘキサメチレンイミンが1,6−ヘキサンジオールに対して14モル%生成していた。
[実施例7]
実施例7は、触媒を5%Rhカーボン粉末(含水品)触媒(エヌ・イー ケムキャット社製品)に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率21モル%、ヘキサメチレンジアミン収率10モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率48%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例7は、触媒を5%Rhカーボン粉末(含水品)触媒(エヌ・イー ケムキャット社製品)に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率21モル%、ヘキサメチレンジアミン収率10モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率48%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例8]
実施例8は、触媒を5%Ptカーボン粉末(含水品)触媒(エヌ・イー ケムキャット社製品)に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率15モル%、ヘキサメチレンジアミン収率7モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率47%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例8は、触媒を5%Ptカーボン粉末(含水品)触媒(エヌ・イー ケムキャット社製品)に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率15モル%、ヘキサメチレンジアミン収率7モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率47%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例9]
実施例9は、反応温度を150℃に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率35モル%、ヘキサメチレンジアミン収率20モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率57%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例9は、反応温度を150℃に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率35モル%、ヘキサメチレンジアミン収率20モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率57%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例10]
実施例10は、アンモニア添加量を4gから2gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率67モル%、ヘキサメチレンジアミン収率30モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率45%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例10は、アンモニア添加量を4gから2gに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率67モル%、ヘキサメチレンジアミン収率30モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率45%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例11]
実施例11は、アンモニア添加量を4gから8gに変更した以外は実施例1と同様にして実施したところ、反応器内の圧力は5.6MPaになった。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率51モル%、ヘキサメチレンジアミン収率33モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率64%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例11は、アンモニア添加量を4gから8gに変更した以外は実施例1と同様にして実施したところ、反応器内の圧力は5.6MPaになった。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率51モル%、ヘキサメチレンジアミン収率33モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率64%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例12]
実施例12は、水素添加量を0MPaとしたこと以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率60モル%、ヘキサメチレンジアミン収率31モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率52%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例12は、水素添加量を0MPaとしたこと以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率60モル%、ヘキサメチレンジアミン収率31モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率52%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例13]
実施例13は、水素を5.0MPaまで添加したこと以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率61モル%、ヘキサメチレンジアミン収率37モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率61%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例13は、水素を5.0MPaまで添加したこと以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率61モル%、ヘキサメチレンジアミン収率37モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率61%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例14]
実施例14は、水素を10.0MPaまで添加したこと以外は実施例1と同様にして実施したところ、反応器内の圧力は12.5MPaとなった。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率70モル%、ヘキサメチレンジアミン収率38モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率54%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例14は、水素を10.0MPaまで添加したこと以外は実施例1と同様にして実施したところ、反応器内の圧力は12.5MPaとなった。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率70モル%、ヘキサメチレンジアミン収率38モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率54%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例15]
実施例15は、窒素ガスの封入により全圧を15MPaに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率59モル%、ヘキサメチレンジアミン収率31モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率52%であった。
実施例1と実施例15を比較すると、反応の全圧が実施例15の方が高いにもかかわらず、実施例1の方が、高いヘキサメチレンジアミン収率を得る結果となった。
実施例15は、窒素ガスの封入により全圧を15MPaに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率59モル%、ヘキサメチレンジアミン収率31モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率52%であった。
実施例1と実施例15を比較すると、反応の全圧が実施例15の方が高いにもかかわらず、実施例1の方が、高いヘキサメチレンジアミン収率を得る結果となった。
[実施例16]
実施例16は、反応溶媒を水からトルエンへと変更したこと以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率79モル%、ヘキサメチレンジアミン収率40モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率51%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例16は、反応溶媒を水からトルエンへと変更したこと以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率79モル%、ヘキサメチレンジアミン収率40モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率51%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
[実施例17]
実施例17は、反応溶媒を水からトリエチルアミンへと変更したこと以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率47モル%、ヘキサメチレンジアミン収率25モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率53%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
実施例17は、反応溶媒を水からトリエチルアミンへと変更したこと以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率47モル%、ヘキサメチレンジアミン収率25モル%、ヘキサメチレンジアミン選択率53%であった。この時、反応前後において、ヘキサメチレンイミン及び6−アミノヘキサノールの含量は変化しなかった。
Claims (5)
- 含窒素有機化合物を添加し、貴金属触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させる工程を含む、ヘキサメチレンジアミンの製造方法。
- 前記含窒素有機化合物がヘキサメチレンイミン、6ーアミノヘキサノール、ヘキサメチレンジアミン及びこれらの化合物の重合体からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
- 前記含窒素有機化合物が、ヘキサメチレンイミンを含み、前記含窒素有機化合物中のヘキサメチレンイミンの含有量が、1質量%以上である、請求項1又は2に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
- 前記貴金属触媒を構成する貴金属が、ルテニウムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
- 前記工程において、反応時の全圧が10MPa以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019129987A JP2021014429A (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | ヘキサメチレンジアミンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019129987A JP2021014429A (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | ヘキサメチレンジアミンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021014429A true JP2021014429A (ja) | 2021-02-12 |
Family
ID=74531823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019129987A Pending JP2021014429A (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | ヘキサメチレンジアミンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021014429A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5132601B1 (ja) * | 1966-10-28 | 1976-09-14 | ||
JP2017502128A (ja) * | 2013-12-13 | 2017-01-19 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | ポリアミド66の製造方法 |
JP2017502949A (ja) * | 2013-12-13 | 2017-01-26 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | ヘキサメチレンジアミンの製造方法 |
JP2017504594A (ja) * | 2013-12-13 | 2017-02-09 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | アジピン酸又は当該アジピン酸の少なくとも1種の反応生成物の製造法 |
JP2017523024A (ja) * | 2014-04-29 | 2017-08-17 | レノビア インコーポレイテッド | カーボンブラック系成形多孔質製品 |
-
2019
- 2019-07-12 JP JP2019129987A patent/JP2021014429A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5132601B1 (ja) * | 1966-10-28 | 1976-09-14 | ||
JP2017502128A (ja) * | 2013-12-13 | 2017-01-19 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | ポリアミド66の製造方法 |
JP2017502949A (ja) * | 2013-12-13 | 2017-01-26 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | ヘキサメチレンジアミンの製造方法 |
JP2017504594A (ja) * | 2013-12-13 | 2017-02-09 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | アジピン酸又は当該アジピン酸の少なくとも1種の反応生成物の製造法 |
JP2017523024A (ja) * | 2014-04-29 | 2017-08-17 | レノビア インコーポレイテッド | カーボンブラック系成形多孔質製品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
USRE44175E1 (en) | Process for preparing 4-aminodiphenylamines | |
JP5256024B2 (ja) | 4−アミノジフェニルアミンの製造方法 | |
US3644522A (en) | Catalytic hydrogenation of nitrogen containing compounds over supported ruthenium catalysts | |
CN106034401A (zh) | 含有所选择的卤素的底物的还原胺化和选择性氢化的改进方法 | |
JP2017025012A (ja) | メチルアミノ基を有する芳香族化合物又はフラン誘導体の製造法 | |
JP2005526589A (ja) | ニトロ芳香族化合物を水素化するための担持触媒 | |
JP5017964B2 (ja) | 芳香環含有アミノ化合物の製造方法および触媒 | |
US5840981A (en) | Process for producing N-methyl-2(3,4 dimethoxyphenyl)-ethylamine | |
JP2021014429A (ja) | ヘキサメチレンジアミンの製造方法 | |
TW593229B (en) | Process for preparing 6-aminocaproamide | |
KR20030078038A (ko) | 디아민의 제조 방법 | |
JPH10251207A (ja) | 4−アミノジフエニルアミンの製造法 | |
CA2250052C (en) | Amination process | |
WO2019017468A1 (ja) | 2,5-ビス(アミノメチル)フランの製造方法 | |
TW201130785A (en) | Process for preparing 2,2-difluoroethylamine by hydrogenating 1,1-difluoro-2-nitroethane | |
JP3541396B2 (ja) | 4−アミノジフェニルアミンの製造方法 | |
JPH02279657A (ja) | アニリンの製造方法 | |
JPH0920735A (ja) | アルコールのアミノ化方法 | |
JP5911468B2 (ja) | 気相中での非対称第二級tert−ブチルアミンの製造方法 | |
JP2022522886A (ja) | 還元的アミノ化によるポリアルキレン-ポリアミンの調製 | |
JPH06306019A (ja) | 芳香族アミン環水素化相当物を製造するための芳香族アミンの水素化 | |
JP2021014427A (ja) | ヘキサメチレンジアミンの製造方法 | |
JP2022112398A (ja) | ヘキサメチレンジアミンの製造方法 | |
CN110746377B (zh) | 负载型金属催化合成1-取代的吡咯烷/哌啶衍生物的方法 | |
EP0690042A1 (en) | Process for producing aliphatic amines |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210421 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220202 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220728 |