JP2021014427A - ヘキサメチレンジアミンの製造方法 - Google Patents

ヘキサメチレンジアミンの製造方法 Download PDF

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Teppei Urayama
鉄平 浦山
恒松 義之
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義之 恒松
隆介 宮崎
Ryusuke Miyazaki
隆介 宮崎
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Abstract

【課題】制御が容易な穏和な条件下、1,6−ヘキサンジオールとアンモニアからヘキサメチレンジアミンを製造する方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、貴金属担持触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを溶媒存在下で反応させることを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ヘキサメチレンジアミンの製造方法に関する。
ヘキサメチレンジアミンは、ナイロン原料として非常に有用なモノマーであり、主要な製造方法のひとつとして、1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応が挙げられる。効率よくヘキサメチレンジアミンを製造するため、本アミノ化反応を促進する種々の触媒系が開発されてきた。
特許文献1及び2では、固体触媒による1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応が開示されている。特許文献1では、1,4−ジオキサン溶媒を使用し、卑金属触媒としてラネーニッケル触媒によるアミノ化反応を、特許文献2では、無溶媒条件下、ルテニウムを触媒活性種としたアミノ化反応を開示している。
米国特許第3,215,742号明細書 米国特許第2,754,330号明細書
特許文献1では、活性の低い卑金属触媒を機能させるため、2,000p.s.i.g.の高圧下で本反応を実施している。特許文献2では、およそ120℃で10MPaの蒸気圧を有するアンモニアを無溶媒条件、且つ、それぞれ100℃及び120℃以上の高温で反応させている。
これに対し、本発明者は、特許文献1及び2のような条件下で反応させると、必然的に高圧下での反応となるだけでなく、高い熱膨張率を有する気体アンモニアが系内で急激に膨張するため制御が困難な反応となることを見出した。
上記のように、既存技術では、1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応によりヘキサメチレンジアミンを製造するには、気体膨脹を伴う制御が困難な高圧条件が必要であり、これらの技術は工業的に好適でない。
そこで、本発明は、制御が容易な条件下で1,6−ヘキサメチレンジアミンを製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、本発明の課題を達成するために鋭意検討した結果、溶媒(例えば、アンモニアを溶解する溶媒)と貴金属触媒とを組み合わせた触媒系の下、1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させると、制御が容易な条件下において1,6−ヘキサンジオールのアミノ化反応が促進されることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
本発明のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、貴金属担持触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを溶媒存在下で反応させる工程を含む。
本発明によれば、制御が容易な条件下で1,6−ヘキサメチレンジアミンを製造することができる。また、本発明によれば、例えば、比較的穏和な条件下で1,6−ヘキサメチレンジアミンを製造でき、例えば、反応全圧を10MPa以下とすることができる。
本発明について、以下具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態(本実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ヘキサメチレンジアミンの製造方法]
本実施形態の1,6−ヘキサメチレンジアミン(以下、「ヘキサメチレンジアミン」ともいう。)の製造方法は、貴金属担持触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを溶媒存在下で反応させる工程(反応工程)を含む。
本発明者は、上述のように、特許文献1のように触媒として卑金属触媒を用いると、高圧化の条件が必須となり、反応に用いる気体アンモニアが系内で急激に膨張することに起因して制御が困難であることの知見を得た。また、本発明者は、特許文献2のように無溶媒条件下において、ルテニウム触媒を用いても、反応に用いる気体アンモニアが系内で急激に膨張することに起因して制御が困難であることの知見を得た。
本発明者は、このような知見に基づき、溶媒と貴金属触媒とを組み合わせた触媒系の下、1,6−ヘキサンジオールと、アンモニアとを反応させると、反応の制御が容易となり、例えば、高圧条件とすることなく穏和な条件で反応できることを見出した。
すなわち、本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、上記反応工程を含むことにより、制御が容易で、且つ、穏和な条件下におけるヘキサメチレンジアミンの製造方法を提供することができる。この要因は、アンモニアを吸収することで気体アンモニアの膨張及びそれに伴う高圧化を抑制できる溶媒と溶媒存在下で機能する貴金属担持触媒とが協奏的に作用するためと考えられるが、要因はこれに限定されない。
[1]反応工程
反応工程は、貴金属担持触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを溶媒存在下で反応させる工程である。本実施形態の反応工程は、回分式、半回分式、連続式等の慣用の方法により行うことができる。また、本実施形態の反応工程はヘキサメチレンジアミンを精製する分離工程を含んでもよい。分離工程における方法としては、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離方法や、これらを組み合わせた分離方法が用いられる。
[2]貴金属担持触媒
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、貴金属担持触媒を使用する。貴金属担持触媒とは、例えば、触媒担体に担持された貴金属を活性種とする反応液に溶解しない不均一系触媒である。このような貴金属としては、例えば、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスニウム、イリジウム、白金、金などが挙げられ、この中でも、触媒活性に優れる観点から、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、白金、及び金からなる群より選択される1種以上が好ましく、ルテニウム、ロジウム、レニウム、及び白金からなる群より選択される1種以上がより好ましい。
貴金属の担持量は、例えば、触媒担体に対して0.5〜50質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることが更に好ましい。
触媒担体としては、例えば、金属酸化物や炭素質担体から任意のものを使用することができる。このような触媒担体としては、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化バリウム、窒化チタン、シリカ、ゼオライト、シリカアルミナ、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、有機ポリマー、活性炭などが挙げられ、この中でも、触媒活性に優れる観点から、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、活性炭が好ましく、酸化ランタン、酸化セリウム、ヒドロキシアパタイト、活性炭がより好ましい。
貴金属触媒は、公知の方法で調製してもよく市販品を用いてもよい。貴金属の触媒担体への担持方法としては、特に限定するわけではないが、例えば、析出沈殿法、含浸法、イオン交換法などが適用可能である。市販品としては、例えば、エヌ・イーケムキャット社製品の「5%Ruカーボン粉末(含水品)」、「5%Ruアルミナ粉末」、「5%Rhカーボン粉末(含水品)」、「5%Ptカーボン粉末(含水品)」、「5%Pdカーボン粉末(含水品)」、和光純薬社製品の「ルテニウム(III)ヒドロキシアパタイト」などが挙げられる。
[3]原料
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを原料とすることを特徴とする。
アンモニアの添加量は、反応速度及び安全性に優れる観点から、例えば、1,6−ヘキサンジオール10質量部に対して、2〜2000質量部であることが好ましく、10〜1500質量部であることがより好ましく、10〜1000質量部であることが更に好ましい。
[4]反応生成物
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、反応工程によりヘキサメチレンジアミンを含む反応混合物を得ることができる。反応混合物に含まれる6−アミノヘキサノール及びヘキサメチレンイミンは、目的生成物であるヘキサメチレンジアミンと平衡関係にある化合物である。よって、6−アミノヘキサノールとヘキサメチレンイミンは一部を反応器にリサイクルをすることによって、ヘキサメチレンジアミンに変換可能な成分であり、以下、ヘキサメチレンジアミン、6−アミノヘキサノール及びヘキサメチレンイミンを有効成分として定義する。
[5]反応条件
触媒の使用量としては、反応速度に優れるとともに、反応後の触媒を分離性に優れる観点から、例えば、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して5〜1000質量部であることが好ましく、10〜750質量部であることがより好ましく、20〜500質量部であることが更に好ましい。
反応温度としては、例えば、0〜300℃であることが好ましく、50〜270℃であることがより好ましく、120〜250℃であることが更に好ましい。
反応全圧としては、反応速度及び安全性に優れる観点から、好ましくは10MPa以下(例えば、0.1〜10.0MPa)、より好ましくは0.1〜7.5MPa、特に好ましくは0.1〜5.0MPaである。
[6]水素圧力
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、例えば、原子効率に優れる観点から、水素非共存下で行うことが好ましい。ただし、水素共存下においても実施することができ、水素の圧力としては、反応速度及び安全性に優れる観点から、例えば、絶対圧力表示で、0〜10.0MPaであることが好ましく、0〜5.0MPaであることがより好ましく、0〜1.0MPaであることが更に好ましい。
[7]溶媒
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法では、例えば、反応条件においてアンモニア分子を溶解する溶媒を使用することが好ましい。このような溶媒としては、例えば、水、炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、デカン)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン)、アルコール系溶媒(エチレングリコール、エタノール、メタノール、t−ブタノール)、アミド系溶媒(ジメチルアセトアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、ハロゲン系溶媒(ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリフルオロトルエン)などが挙げられる。
溶媒としては、気体アンモニアの吸収性能に優れる観点から、アンモニア溶解度が高い溶媒が好ましい。20℃におけるアンモニア溶解度が10g/dm3以上であることが好ましく、100g/dm3以上であることがより好ましく、500g/dm3以上であることが更に好ましい。特に限定されないが、例えば、アンモニア溶解度が10g/dm3以上100g/dm3未満の溶媒としてはデカンが挙げられ、アンモニア溶解度が100g/dm3以上500g/dm3未満の溶媒としてはトルエンが挙げられ、アンモニア溶解度が500g/dm3以上の溶媒としては水が挙げられる。この中でも、環境調和性に優れる観点から、例えば、水を溶媒として使用することが好ましい。
溶媒量(溶媒の添加量)は、気体アンモニアの吸収効率に優れる観点から、反応系内のアンモニアを溶解させる十分な量が好ましく、例えば、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して、50質量部以上であり、好ましくは100〜10000質量部、より好ましくは100〜5000質量部、更に好ましくは500〜2500質量部である。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって制限されるものではない。
[実施例1]
耐圧反応器に、5%Ruカーボン粉末(含水品)Bタイプ(Ru/C)触媒(エヌ・イー ケムキャット社製品)をドライ換算で0.4g、1,6−ヘキサンジオール1.0g、水11g、アンモニア4gを加え、水素を1.0MPa張った後、180℃で4時間反応を行った。昇温時、圧力の急激な上昇は観察されず、反応全圧は3.7MPaであった。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率94.0モル%、有効成分が収率59.9モル%(ヘキサメチレンジアミン23.4モル%、6−アミノヘキサノール17.0モル%、ヘキサメチレンイミン19.5モル%)で得られた。なお、生成物の収率はガスクロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。
分析条件
装置 島津製作所製 GC−2010plus
カラム CP−Volamine
条件 インジェクション温度:200℃、ディテクション温度:300℃
キャリアガス:窒素(カラム流量70.8ml/min、SP比50)
昇温速度:80℃〜(15℃/min)〜150℃(31分保持)〜
(10℃/min)〜210℃(3.3分保持)〜
(15℃/min)〜290℃(2.7分保持)
内標 アニソール
[比較例1]
比較例1は、溶媒である水を添加せず無溶媒条件とした以外は実施例1と同様にして実施した。しかしながら、反応温度である180℃まで昇温する過程において、反応器内でアンモニアが急激に膨張し、制御が困難となり、反応の実施を中止した。実施例1と比較例1との比較より、無溶媒条件では反応圧力の制御が困難であることが明らかである。
[比較例2]
比較例2は、触媒をラネーニッケルに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析したが、ヘキサメチレンジアミンは検出されなかった。
[実施例2]
実施例2は、水素圧を0MPaとした以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率87.7モル%、有効成分が収率56.0モル%(ヘキサメチレンジアミン16.9モル%、6−アミノヘキサノール26.3モル%、ヘキサメチレンイミン12.8モル%)で得られた。実施例1と実施例2との比較より、本発明では水素を添加していない条件においても、効率的にアミノ化反応が進行することがわかる。
[実施例3]
実施例3は、反応時間を1時間とした以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率66.8モル%、有効成分が収率52.5モル%(ヘキサメチレンジアミン13.0モル%、6−アミノヘキサノール31.2モル%、ヘキサメチレンイミン8.3モル%)で得られた。
[実施例4]
実施例4は、反応温度を150℃とした以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率54.8モル%、有効成分が収率42.2モル%(ヘキサメチレンジアミン8.7モル%、6−アミノヘキサノール29.6モル%、ヘキサメチレンイミン3.9モル%)で得られた。
[実施例5]
実施例5は、アンモニアを2gとした以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率89.1モル%、有効成分が収率44.8モル%(ヘキサメチレンジアミン10.3モル%、6−アミノヘキサノール19.1モル%、ヘキサメチレンイミン15.4モル%)で得られた。
[実施例6]
実施例6は、アンモニアを8gとした以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率71.3モル%、有効成分が収率46.6モル%(ヘキサメチレンジアミン13.0モル%、6−アミノヘキサノール28.8モル%、ヘキサメチレンイミン4.8モル%)で得られた。
[実施例7]
実施例7は、溶媒をトルエンに変更した以外は実施例2と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率96.7モル%、有効成分が収率55.3モル%(ヘキサメチレンジアミン4.4モル%、6−アミノヘキサノール19.1モル%、ヘキサメチレンイミン31.8モル%)で得られた。
[実施例8]
実施例8は、溶媒をデカンに変更した以外は実施例2と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率71.7モル%、有効成分が収率33.7モル%(ヘキサメチレンジアミン2.4モル%、6−アミノヘキサノール13.1モル%、ヘキサメチレンイミン18.2モル%)で得られた。
[実施例9]
触媒調製:RuCl3(Ru:40重量%)1.26g、水150g、酸化セリウム(和光純薬社製品)10gを攪拌し、1M水酸化ナトリウム60mLを加えた。6時間攪拌後、濾過により固体分を回収し、酸化セリウム担持ルテニウム(Ru/CeO2)触媒を得た。
実施例9は、触媒をRu/CeO2に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率72.1モル%、有効成分が収率48.9モル%(ヘキサメチレンジアミン11.7モル%、6−アミノヘキサノール31.4モル%、ヘキサメチレンイミン5.8モル%)で得られた。
[実施例10]
実施例10は、溶媒をジメトキシエタンに変更した以外は実施例9と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率91.2モル%、有効成分が収率59.9モル%(ヘキサメチレンジアミン8.2モル%、6−アミノヘキサノール15.0モル%、ヘキサメチレンイミン36.8モル%)で得られた。
[実施例11]
触媒調製:RuCl3(Ru:40重量%)1.26g、水150g、活性炭PW−D(クラレ社製品)10gを攪拌し、1M水酸化ナトリウム60mLを加えた。6時間攪拌後、濾過により固体分を回収し、活性炭担持ルテニウム(Ru/C―PR)触媒を得た。
実施例11は、触媒をRu/C―PRに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率52.3モル%、有効成分が収率37.4モル%(ヘキサメチレンジアミン6.2モル%、6−アミノヘキサノール27.5モル%、ヘキサメチレンイミン3.7モル%)で得られた。
[実施例12]
触媒調製:RuCl3(Ru:40重量%)1.26g、水150g、活性炭PW−D(クラレ社製品)10gを攪拌し、6時間攪拌後、エバポレータにより固体分を回収し、活性炭担持ルテニウム(Ru/C―IM)触媒を得た。
実施例12は、触媒をRu/C―IMに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率26.4モル%、有効成分が収率20.1モル%(ヘキサメチレンジアミン1.7モル%、6−アミノヘキサノール17.3モル%、ヘキサメチレンイミン1.2モル%)で得られた。
[実施例13]
触媒調製:RuCl3(Ru:40重量%)1.26g、水150g、酸化ランタン(和光純薬社製品)10gを攪拌し、1M水酸化ナトリウム60mLを加えた。6時間攪拌後、濾過により固体分を回収し、酸化ランタン担持ルテニウム(Ru/La23)触媒を得た。
実施例13は、触媒をRu/La23に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率34.6モル%、有効成分が収率26.9モル%(ヘキサメチレンジアミン2.5モル%、6−アミノヘキサノール23.4モル%、ヘキサメチレンイミン1.0モル%)で得られた。
[実施例14]
触媒調製:RuCl3(Ru:40重量%)1.26g、水150g、酸化チタン(和光純薬社製品)10gを攪拌し、1M水酸化ナトリウム60mLを加えた。6時間攪拌後、濾過により固体分を回収し、酸化チタン担持ルテニウム(Ru/TiO2)触媒を得た。
実施例14は、触媒をRu/TiO2に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率66.6モル%、有効成分が収率45.8モル%(ヘキサメチレンジアミン9.8モル%、6−アミノヘキサノール30.8モル%、ヘキサメチレンイミン5.1モル%)で得られた。
[実施例15]
実施例15は、Rhカーボン粉末(含水品)(エヌ・イー ケムキャット社製品)を使用し、貴金属活性種のルテニウムをロジウムに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率23.6モル%、有効成分が収率12.8モル%(ヘキサメチレンジアミン0.6モル%、6−アミノヘキサノール11.4モル%、ヘキサメチレンイミン0.8モル%)で得られた。
[実施例16]
実施例16は、Ptカーボン粉末(含水品)(エヌ・イー ケムキャット社製品)を使用し、貴金属活性種のルテニウムを白金に変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率26.3モル%、有効成分が収率9.3モル%(ヘキサメチレンジアミン0.3モル%、6−アミノヘキサノール8.2モル%、ヘキサメチレンイミン0.8モル%)で得られた。
[実施例17]
実施例17は、Pdカーボン粉末(含水品)(エヌ・イー ケムキャット社製品)を使用し、貴金属活性種のルテニウムをパラジウムに変更した以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率11.3モル%、有効成分が収率7.3モル%(ヘキサメチレンジアミン2.3モル%、6−アミノヘキサノール4.2モル%、ヘキサメチレンイミン0.8モル%)で得られた。
[実施例18]
実施例18は、水素圧を15MPaとした以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率90.7モル%、有効成分が収率50.0モル%(ヘキサメチレンジアミン13.9モル%、6−アミノヘキサノール24.3モル%、ヘキサメチレンイミン12.8モル%)で得られた。
[実施例19]
実施例19は、水素圧を5MPaとした以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率89.1モル%、有効成分が収率56.0モル%(ヘキサメチレンジアミン14.9モル%、6−アミノヘキサノール30.3モル%、ヘキサメチレンイミン10.8モル%)で得られた。
[実施例20]
実施例20は、窒素を追加添加することで全圧を15MPaとした以外は実施例1と同様にして実施した。反応液を分析すると、1,6−ヘキサンジオール転化率93.0モル%、有効成分が収率59.1モル%(ヘキサメチレンジアミン21.4モル%、6−アミノヘキサノール19.0モル%、ヘキサメチレンイミン18.7モル%)で得られた。

Claims (10)

  1. 貴金属担持触媒により1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとを溶媒存在下で反応させる反応工程を含むヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  2. 前記溶媒が、20℃におけるアンモニア溶解度が10g/dm3以上の溶媒である請求項1に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  3. 前記溶媒が、20℃におけるアンモニア溶解度が100g/dm3以上の溶媒である請求項1に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  4. 前記溶媒が、20℃におけるアンモニア溶解度が500g/dm3以上の溶媒である請求項1に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  5. 前記貴金属がルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、白金、及び金からなる群より選択される1種以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  6. 前記貴金属担持触媒の触媒担体が、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ヒロドキシアパタイト、及び活性炭からなる群より選択される1種以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  7. 前記反応工程を水素圧10MPa以下で実施する請求項1〜6のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  8. 前記反応工程の全圧が10MPa以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  9. 前記溶媒が水である請求項1〜8のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  10. 前記溶媒の量が、1,6−ヘキサンジオール100質量部に対して、100〜10000質量部である請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
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