JP2022112396A - ヘキサメチレンジアミンの製造方法 - Google Patents

ヘキサメチレンジアミンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱いが容易な固体触媒により穏和な条件下で収率良くヘキサメチレンジアミンを製造する方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、担持型金属触媒により1,6-ヘキサンジオールとアンモニアとを溶媒存在下で反応させることを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ヘキサメチレンジアミンの製造方法に関する。
ヘキサメチレンジアミンは、ナイロン原料として非常に有用なモノマーであり、主要な製造方法のひとつとして、1,6-ヘキサンジオールのアミノ化反応が挙げられる。効率よくヘキサメチレンジアミンを製造するため、本アミノ化反応を促進する種々の触媒系が開発されてきた。
特許文献1、2及び3では、固体触媒による1,6-ヘキサンジオールのアミノ化反応が開示されている。特許文献1は卑金属触媒としてラネーニッケル触媒を、特許文献2はルテニウムを活性種とした固体触媒を、特許文献3はレニウムを触媒活性種とした合金触媒を使用した技術である。
米国特許第3,215,742号明細書 米国特許第2,754,330号明細書 中国特許第106,810,454A号明細書
特許文献1では、触媒活性の低い卑金属触媒を機能させるため、2,000p.s.i.g.(ca. 13.78MPaG)の高圧下で本反応を実施している。特許文献2では、120℃でおよそ10MPaGの蒸気圧を有するアンモニアを無溶媒条件、且つ、100℃及び120℃以上で反応させている。この特許文献2のような条件下で反応を行うと、必然的に10MPaGと高圧下での反応となる。特許文献3では、貴金属であるReを使用することで特許文献1および2と比較して低圧下での化学変換を可能としているが、最も良好な成績を与えた20MPaGでの実施例と比べて2MPaGではHMD収率が低下するなど良好な成績を達成するには依然として20MPaG程度の圧力が必須となる。
また、特許文献1で使用されるラネーニッケル触媒や特許文献2で使用されるルテニウムカーボン触媒は高い発熱性を示すため取り扱いには注意を要する。特許文献3で使用されるレニウムは酸素存在下において簡易に酸化されることに加え、レニウム酸化物が揮発性を示すため、反応プロセスや生成物の汚染を引き起こす。
上記のように、既存技術では、1,6-ヘキサンジオールのアミノ化反応によりヘキサメチレンジアミンを収率良く製造するには高圧条件が必要であり、また、本反応に適用される固体触媒の一部は反応後高い発熱性を有し、取り扱いに注意が求められるなど、これらの技術は工業的に好適でない。そこで、本発明は、取り扱いが容易な固体触媒により穏和な条件下で収率良くヘキサメチレンジアミンを製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、本発明の課題を達成するために鋭意検討した結果、周期表の第8族、第9族、第10族及び第11族元素の中から選ばれた1種類の金属元素を含む活性成分と、希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種以上の金属を含む担体とで構成された固体触媒の存在下、1,6-ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させると、穏和な条件下で1,6-ヘキサンジオールのアミノ化反応により、ヘキサメチレンジアミンが収率良く得られることを見出した。また、当該固体触媒は、反応後の発熱性も抑制され、取り扱いが容易であることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]
周期表の第8族、第9族、第10族及び第11族元素の中から選ばれた1種類の金属元素を含む活性成分と、希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種類以上の金属元素を含む担体とを含む固体触媒の存在下で、1,6-ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させることを含むヘキサメチレンジアミンの製造方法。
[2]
前記固体触媒の活性成分が白金族元素又は鉄族元素である[1]に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
[3]
前記担体が希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種類以上の金属の酸化物である[1]又は[2]に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
[4]
前記活性成分の含有量が、前記担体の重量に対して、30wt%以下である[1]~[3]のいずれかに記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
[5]
反応全圧が10MPaG以下である[1]~[4]のいずれかに記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
本発明によれば、取り扱いが容易な固体触媒により穏和な条件下で収率良くヘキサメチレンジアミンを製造することができる。また、本発明によれば、例えば、比較的穏和な条件下で収率良くヘキサメチレンジアミンを製造でき、例えば、反応全圧を10MPaG以下とすることができる。また、本発明によれば、例えば、活性化された触媒であっても、発熱性が抑制され、取り扱いが容易である。
本発明について、以下具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態(本実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、本明細書において重量%をwt%と表記することがある。
[ヘキサメチレンジアミンの製造方法]
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、周期表の第8族、第9族、第10族及び第11族元素の中から選ばれた1種類の金属元素を含む活性成分と、希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種以上の金属を含む担体とで構成された固体触媒により1,6-ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させること(以下、「反応工程」ともいう)を含む。
本発明者は、上述の通り、特許文献1のように触媒として非担持型の卑金属を用いると、高圧条件が必須となり、反応に用いる気体アンモニアが系内で急激に膨張することに起因して制御が困難であることの知見を得た。また、本発明者は、特許文献2のような有機物担体を用いると、反応後、活性化された金属により急激な発熱があることの知見を得た。また、本発明者は、特許文献3のように、10MPaG以下の低圧条件において反応を促進する触媒においても、低圧条件では20MPaG程度の高圧条件と比べてヘキサメチレンジアミンの収率が低下することの知見を得た。
本発明者は、このような知見に基づき、所定の固体触媒の存在下、1,6-ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させると、反応の制御が容易となり、例えば、高圧条件とすることなく穏和な条件でアミノ化反応を促進でき、さらに触媒の発熱性が抑制されるために取り扱いが容易となることを見出した。
すなわち、本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、上記反応工程を含むことにより、取り扱いが容易な固体触媒で、且つ、穏和な条件下におけるヘキサメチレンジアミンの製造方法を提供することができる。この要因は、活性成分である金属元素と高い親和性を示す担体とを組み合わせることで高活性な状態の活性成分を固体触媒として安定に保持できるためと考えられるが、要因はこれに限定されない。
[1]反応工程
反応工程は、固体触媒の存在下で、1,6-ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させる工程である。本実施形態の反応工程は、回分式、半回分式、連続式等の慣用の方法により行うことができる。また、本実施形態の反応工程はヘキサメチレンジアミンを精製する分離工程を含んでもよい。分離工程における方法としては、例えば、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶等の分離方法や、これらを組み合わせた分離方法が用いられる。
[2]固体触媒
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、固体触媒を使用する。固体触媒は、周期表の第8族、第9族、第10族及び第11族元素の中から選ばれた1種類の金属元素を含む活性成分と、希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種以上の金属元素を含む担体とを含む。これらの固体触媒は、反応後の発熱性が低いため、取り扱いが容易であり、且つ、穏和な条件下で収率良くヘキサメチレンジアミンを製造することができる。また、これらの固体触媒を用いることで、ヘキサメチレンジアミンの収率のみならず、ヘキサメチレンジアミン、1-アミノヘキサノール、及びヘキサメチレンイミンの合計収率を向上させることが可能となる。1-アミノヘキサノール、及びヘキサメチレンイミンは、ヘキサメチレンジアミンへ誘導しやすく、これらの化合物は精製することで、再度ヘキサメチレンジアミン原料として用いることができる。以下、ヘキサメチレンジアミン、6-アミノヘキサノール及びヘキサメチレンイミンを有効成分として定義する。
活性成分に含まれる金属元素としては鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金が挙げられる。この中でも、触媒活性に優れる観点から、活性成分は白金族元素(ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、及び白金から選ばれる1種)又は鉄族元素(鉄、ニッケル、又はコバルトから選ばれる1種)を含むことが好ましく、ルテニウム、イリジウム、ニッケル又はコバルトを含むことがより好ましい。
固体触媒の活性成分の含有量は、担体の重量に対して、好ましくは0.5~50wt%であり、触媒活性に優れる観点から、より好ましくは1~40wt%である。
固体触媒の活性成分の含有量は、触媒回転頻度(TOF)に優れる観点から、例えば、担体の重量に対して、50wt%以下であることが好ましく、30wt%以下であることがより好ましい。
なお、金属含有量については担体の重量を100wt%とした場合の各金属のwt%を示している。例えば、10wt%M1*5wt%M2/担体と表記される触媒は、M1:M2:担体=10:5:100の重量比を有する。
また、固体触媒における金属元素等の含有量は蛍光X線装置を使用した検量線法で測定する。蛍光X線装置としては、例えば、リガク社製「ZSXPrimusII」が用いられる。
触媒担体は希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種類以上の金属元素を含む化合物である。このような化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、ニオブ酸、酸化セリウム-酸化ジルコニウム固溶体、酸化ランタン、水酸化ランタン、水酸化ジルコニウム、窒化チタン、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。この中でも、担体は、活性成分の金属元素との親和性に優れる観点から、希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種以上の金属の酸化物であることが好ましい。このような化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、酸化セリウム-酸化ジルコニウム固溶体、酸化セリウム、酸化ランタンが挙げられる。
固体触媒は、公知の方法で調製してもよい。金属の触媒担体への担持方法としては、特に限定するわけではないが、例えば、析出沈殿法、含浸法、イオン交換法などが適用可能である。
[3]原料
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、1,6-ヘキサンジオールとアンモニアとを原料とすることを特徴とする。
アンモニアの添加量は、反応速度及び安全性に優れる観点から、例えば、1,6-ヘキサンジオール10質量部に対して、2~1000質量部であることが好ましく、10~500質量部であることがより好ましく、10~100質量部であることが更に好ましい。
[4]反応生成物
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法は、反応工程によりヘキサメチレンジアミンを含む反応混合物を得ることができる。
[5]反応条件
触媒の使用量としては、反応速度に優れるとともに、反応後の触媒の分離性に優れる観点から、例えば、1,6-ヘキサンジオール100質量部に対して5~1000質量部であることが好ましく、10~750質量部であることがより好ましく、20~500質量部であることが更に好ましい。
反応温度としては、例えば、0~300℃であることが好ましく、50~270℃であることがより好ましく、120~250℃であることが更に好ましい。
反応全圧としては、反応速度及び安全性に優れる観点から、好ましくは10MPaG以下(例えば、0.1~10.0MPaG)、より好ましくは0.5~7.5MPaG、特に好ましくは0.5~6.0MPaGである。
[6]水素圧力
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法においては、例えば、原子効率に優れる観点から、水素非共存下で行うことが好ましい。ただし、水素共存下においても実施することができ、水素の圧力としては、反応速度及び安全性に優れる観点から、例えば、絶対圧力表示で、0~10.0MPaであることが好ましく、0~5.0MPaであることがより好ましく、0~1.0MPaであることが更に好ましい。
[7]溶媒
本実施形態のヘキサメチレンジアミンの製造方法では、例えば、反応工程においてアンモニア分子を溶解する溶媒を使用することが好ましい。アンモニア分子を溶解する溶媒を使用することにより、気相に存在するアンモニア分子の量が下がり、反応圧力を下げることができる。このような溶媒としては、例えば、水、炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、デカン)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン)、アルコール系溶媒(エチレングリコール、エタノール、メタノール、t-ブタノール)、アミド系溶媒(ジメチルアセトアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン)、ハロゲン系溶媒(ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリフルオロトルエン)などが挙げられる。
溶媒としては、気体アンモニアの吸収性能に優れる観点から、アンモニア溶解度が高い溶媒が好ましい。20℃におけるアンモニア溶解度が10g/dm3以上であることが好ましく、100g/dm3以上であることがより好ましく、500g/dm3以上であることが更に好ましい。特に限定されないが、例えば、アンモニア溶解度が10g/dm3以上100g/dm3未満の溶媒としてはデカンが挙げられ、アンモニア溶解度が100g/dm3以上500g/dm3未満の溶媒としてはトルエンが挙げられ、アンモニア溶解度が500g/dm3以上の溶媒としては水が挙げられる。この中でも、環境調和性に優れる観点から、例えば、水を溶媒として使用することが好ましい。
溶媒量(溶媒の添加量)は、気体アンモニアの吸収効率に優れる観点から、反応系内のアンモニアを溶解させる十分な量が好ましく、例えば、1,6-ヘキサンジオール100質量部に対して、50質量部以上であり、好ましくは100~10000質量部、より好ましくは100~2500質量部である。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって制限されるものではない。
(蛍光X線分析)
装置:リガク社製、蛍光X線分析装置(ZSXPrimusII)
条件:検量線法
・各触媒調製時に使用したacac錯体、塩化物、又は硝酸塩などを標準物質として用い、各触媒調製時に使用した担体と混合し、標準試料を作成した。前記標準試料を用いて、蛍光X線分析を行い、検量線を作成した。
・検量線作成用の標準試料は、実施例および比較例に記載する各触媒の上限を超える濃度範囲となるように調製した。
(GC分析)
装置 島津製作所製 GC-2010plus
カラム CP-Volamine
条件 インジェクション温度:200℃、ディテクション温度:300℃
キャリアガス:窒素(カラム流量70.8ml/min、SP比50)
昇温速度:80℃~(15℃/min)~150℃(31分保持)~
(10℃/min)~210℃(3.3分保持)~
(15℃/min)~290℃(2.7分保持)
内標 アニソール
[実施例1]
触媒調製:塩化ルテニウムを水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)にアンモニアを使用した析出沈殿法で担持させた。得られた粉末を大気下で回収し、5wt%Ru/ZrO2を得た。触媒の金属担持量は蛍光X線装置を使用した検量線法で測定した。
反応:耐圧反応器に5wt%Ru/ZrO2を1.0g、1,6-ヘキサンジオール2.0g、水11g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して65.34当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で2時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.8MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を5wt%Ru/ZrO2と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。なお、生成物の収率はガスクロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した。結果、1,6-ヘキサンジオールの転化率(表中、HDL転化率)が98.9mol%、ヘキサメチレンジアミン(表中、HMD)が収率36.3mol%、6-アミノヘキサノール(表中、AHL)が収率14.2mol%、ヘキサメチレンイミン(表中、HMI)が収率18.8mol%、これら3成分の合計収率が69.3mol%であった。
[実施例2]
触媒調製:塩化ルテニウムを水溶媒に溶解させた後、水酸化ランタン担体(富士フイルム和光純薬社製品)にアンモニアを使用した析出沈殿法で担持させた。得られた粉末を大気下で回収し、5wt%Ru/La(OH)3を得た。
反応:耐圧反応器に5wt%Ru/La(OH)3を0.8g、1,6-ヘキサンジオール1.0g、水11g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して27.88当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で8時間反応を行った。反応中の反応全圧は3.8MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例3]
触媒調製:硝酸ニッケル六水和物を水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)に含浸法で担持させた。得られた粉末を300℃で2時間空気焼成した後、水素流通下、300℃で2時間加熱した。その後、粉末を大気下で回収し、10wt%Ni/ZrO2を得た。
反応:耐圧反応器に水11g、10wt%Ni/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して48.93当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で2時間反応を行った。反応中の反応全圧は6.1MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例4]
触媒調製:硝酸ニッケル六水和物を水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)に含浸法で担持させた。得られた粉末を300℃で2時間空気焼成した後、水素流通下、300℃で2時間加熱した。その後、粉末を大気下で回収し、25wt%Ni/ZrO2を得た。
反応:耐圧反応器に水11g、25wt%Ni/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して30.24当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で2時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.6MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例5]
触媒調製:実施例4と同様にして25wt%Ni/ZrO2を調製した。
反応:耐圧反応器に25wt%Ni/ZrO2を2.5g加え、水素10MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して32.11当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で4時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.5MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例6]
触媒調製:硝酸ニッケル六水和物を水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)に含浸法で担持させた。得られた粉末を300℃で2時間空気焼成した後、水素流通下、300℃で2時間加熱した。その後、粉末を大気下で回収し、40wt%Ni/ZrO2を得た。
反応:耐圧反応器に水11g、40wt%Ni/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して31.46当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で4時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.4MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。本実施例と実施例6との比較により、担持量を25wt%から40wt%へと上げてもほとんど活性が向上しないことがわかる。
[実施例7]
触媒調製:硝酸コバルト六水和物を水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)に含浸法で担持させた。得られた粉末を300℃で2時間空気焼成した後、水素流通下、300℃で2時間加熱した。その後、粉末を大気下で回収し、25wt%Co/ZrO2を得た。
反応:耐圧反応器に水11g、25wt%Co/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して19.10当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で4時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.1MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例8]
触媒調製:実施例7と同様にして25wt%Co/ZrO2を調製した。
反応:耐圧反応器に水11g、25wt%Co/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して32.67当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で4時間反応を行った。反応中の反応全圧は6.5MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例9]
触媒調製:実施例7と同様にして25wt%Co/ZrO2を調製した。
反応:耐圧反応器に水11g、25wt%Co/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して31.91当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で8時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.8MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例10]
触媒調製:硝酸白金アンモニウムを水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)に含浸法で担持させた。得られた粉末を300℃で2時間空気焼成した後、水素流通下、300℃で2時間加熱した。その後、粉末を大気下で回収し、1wt%Pt/ZrO2を得た。
反応:耐圧反応器に水11g、1wt%Pt/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して33.02当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で8時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.6MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例11]
触媒調製:硝酸白金アンモニウムを水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)に含浸法で担持させた。得られた粉末を300℃で2時間空気焼成した後、水素流通下、300℃で2時間加熱した。その後、粉末を大気下で回収し、5wt%Pt/ZrO2を得た。
反応:耐圧反応器に水11g、5wt%Pt/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して32.44当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で4時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.2MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例12]
触媒調製:塩化イリジウムを水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)に含浸法で担持させた。得られた粉末を300℃で2時間空気焼成した後、水素流通下、300℃で2時間加熱した。その後、粉末を大気下で回収し、5wt%Ir/ZrO2を得た。
反応:耐圧反応器に水11g、5wt%Ir/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して32.61当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、180℃で4時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.2MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
[実施例13]
触媒調製:塩化金酸四水和物を水溶媒に溶解させた後、ジルコニア担体(第一稀元素化学工業社製品 RC-100)にアンモニアを使用した析出沈殿法で担持させた。得られた粉末を300℃で2時間空気焼成し、5wt%Au/ZrO2を得た。
反応:耐圧反応器に水11g、5wt%Au/ZrO2を2.5g加え、水素1MPaG、180℃で還元処理工程を行った。その後、1,6-ヘキサンジオールを2.0g、アンモニアを1,6-ヘキサンジオールに対して31.94当量を加え、水素を室温で1.0MPa充填した後、200℃で4時間反応を行った。反応中の反応全圧は5.8MPaGであった。反応後、大気中で、反応液を固体触媒と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。反応成績は表1に記載した。
Figure 2022112396000001
表中の略語等の意味は以下のとおりである。
HDL:1,6-ヘキサンジオール
HMD:ヘキサメチレンジアミン
AHL:1-アミノヘキサノール
HMI:ヘキサメチレンイミン
有効成分の収率:HMD、AHL、HMIの合計収率
[比較例1]
触媒を和光純薬社製品の5wt%Ru/Carbonを固形分換算で1.0g使用した以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応中の反応全圧は5.9MPaGであった。反応後、大気下で、反応液を5wt%Ru/Carbonと加圧濾過により分離しようと試みたが、触媒が急激に発熱し発火の兆候が観察されたため実験を中止した。本比較例から、Ru/Carbon触媒は大気下で取り扱うことが困難で工業的に好適でないことがわかる。
[比較例2]
触媒を和光純薬社製品のスポンジニッケルをdry換算で1.0g使用した以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応中の反応全圧は5.6MPaGであった。反応後、大気下で、反応液をスポンジニッケルと加圧濾過により分離しようと試みたが、触媒が急激に発熱し発火の兆候が観察されたため実験を中止した。本比較例から、スポンジニッケル触媒は大気下で取り扱うことが困難で工業的に好適でないことがわかる。
[比較例3]
触媒調製:特許文献3(中国特許第106,810,454A号明細書)と同様の調製法で15wt%Ni*1.6wt%Re*1.2wt%B/Al23を調製した。具体的には、硝酸ニッケル六水和物、過レニウム酸アンモニウム、ホウ酸を50mLの水に溶解させ、10gのAl23(STERM CHEMICAL社製品)に金属溶液の半量を含浸した。得られた粉末を500℃、4時間大気焼成した。焼成後の粉末に残りの半量の金属溶液を含浸させ、再度、500℃、4時間大気焼成した。得られた粉末を水素流通下、375℃で4時間還元処理し、大気に晒さずに反応工程に用いた。
反応:触媒に15wt%Ni*1.6wt%Re*1.2wt%B/Al23を使用し、反応中の反応全圧が6.3MPaGとなるようにアンモニアを添加した以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応後、大気中で、反応液を5wt%Ru/ZrO2と加圧濾過により分離してGC分析に用いた。この時、固体触媒に酸素と接触することによる発熱は観られなかった。結果、1,6-ヘキサンジオールの転化率(表中、HDL転化率)が52.1mol%、ヘキサメチレンジアミン(表中、HMD)が収率6.6mol%、6-アミノヘキサノール(表中、AHL)が収率32.3%、ヘキサメチレンイミン(表中、HMI)が収率1.6mol%、これら3成分の合計収率が40.5mol%であった。本比較例の結果より、15wt%Ni*1.6wt%Re*1.2wt%B/Al23は6.3MPaGという穏和な条件下では効率的に機能しないことがわかった。

Claims (5)

  1. 周期表の第8族、第9族、第10族及び第11族元素の中から選ばれた1種類の金属元素を含む活性成分と、希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種類以上の金属元素を含む担体とを含む固体触媒の存在下で、1,6-ヘキサンジオールとアンモニアとを反応させることを含むヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  2. 前記固体触媒の活性成分が白金族元素又は鉄族元素である請求項1に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  3. 前記担体が希土類、第4族元素及び第5族元素の中から選ばれた1種類以上の金属の酸化物である請求項1又は2に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  4. 前記活性成分の含有量が、前記担体の重量に対して、30wt%以下である請求項1~3のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
  5. 反応全圧が10MPaG以下である請求項1~4のいずれか一項に記載のヘキサメチレンジアミンの製造方法。
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WO2024093816A1 (zh) * 2022-10-31 2024-05-10 中国石油化工股份有限公司 制备己二胺的方法

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