JP4863535B2 - 包接化合物、その製造方法及び使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包接化合物、その製造方法及び使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレン(以下「HHTP」という)は、ディスコチック液晶を始めとする機能性有機材料の原料として有用な化合物である。
【0003】
従来、HHTPは、例えば1,2−ジアルコキシベンゼンを塩化第二鉄の存在下(Synthesis,477,1994)又はp−クロラニルの存在下(J.Chem.Soc.,(C),1397,1971)で酸化カップリングさせて一旦、三量体である2,3,6,7,10,11−ヘキサアルコキシトリフェニレンを生成させ、引き続いてこれを三臭化ホウ素、臭化水素酸等の存在下に脱アルキル化する方法、或いはカテコールを原料とし、無水塩化第二鉄を用いてHHTPを得る方法(Synthesis,477,1994;特開平9−118642号公報)等により製造されている。
【0004】
しかしながら、前者の方法では、酸化カップリングの際に目的とする三量体以外に、三量体が更に酸化されたキノイド系の複雑な副生成物を多量に生成するため、目的物を純度及び外観共に優れた形で精製単離するのに多大な労力を必要とする。
【0005】
また、後者の方法では、目的物の外観が黒くなり、このような状態では機能性有機材料としての所望の性能が得られ難くなる。そのため目的物を更に精製する必要がある。
【0006】
そこで、これら精製の問題を解決するために、粗製のHHTPをまずカルボン酸エステル化し、次いでこれを加水分解及び/又はアルコール分解する(特開平9−301906号公報)か、或いは粗製のHHTPのキノン体を還元処理する(特開平9−118642号公報)方法が提案されている。
【0007】
しかしながら、これらの方法では、煩雑な処理工程が増え、HHTPの工業的製造法にはなり得ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の技術が抱える問題を解決し、簡便な操作で極めて高純度のHHTPを製造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
本発明は、上記方法で好適に使用される新規包接化合物及びその製造方法を提供することをも課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、HHTP(ホスト化合物)とゲスト化合物とが容易に包接化合物を形成すること、及び該包接化合物からゲスト化合物を簡単に除去でき、上記課題が解決できることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0011】
本発明によれば、HHTPをホスト化合物とし、これとゲスト化合物とからなる包接化合物が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、HHTPをゲスト化合物に溶解して、HHTPであるホスト化合物とゲスト化合物とからなる包接化合物を製造する方法が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、HHTPとゲスト化合物とからなる包接化合物からゲスト化合物を脱離させて、高度に精製されたHHTPを得ることを特徴とする包接化合物の使用方法が提供される。この方法は、具体的には、粗製のHHTPをゲスト化合物に溶解し、次いでこの溶液を冷却又は濃縮し、析出する結晶形態の包接化合物を取り出し、更に包接化合物からゲスト化合物を脱離させて、高度に精製されたHHTPを得る方法である。
【0014】
本発明の包接化合物を使用すれば、包接化合物を単に加熱するのみで容易にゲスト化合物を遊離するので、煩雑な操作や特別な装置を必要とすることなく、極めて高純度のHHTPを製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の包接化合物は、HHTPをホスト化合物とし、これとゲスト化合物とからなる包接化合物である。
【0016】
本発明の包接化合物を構成するHHTPは、公知の化合物である。
【0017】
また、本発明の包接化合物を構成するゲスト化合物は、HHTPに包接されるものであれば特に限定されるものではない。
【0018】
本発明の包接化合物を構成するゲスト化合物としては、水酸基、カルボニル基、エーテル基、エステル基、アミノ基、スルホニル基、ホルミル基、アミド基、ニトリル基及びニトロ基からなる群より選ばれた少なくとも1個、通常1〜3個、好ましくは1〜2個の官能基を有する常温で液状の化合物が好ましい。
【0019】
このようなゲスト化合物としては、例えば脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール、鎖状ケトン、環状ケトン、鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステル、環状エステル、ニトリル、脂肪族アミン、環状アミン、鎖状アミド、環状アミド、スルホキシド等を挙げることができる。
【0020】
脂肪族アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0021】
脂環式アルコールとしては、例えばシクロペンタノール、シクロヘキサノール等の炭素数3〜8の脂環式アルコール等が挙げられる。
【0022】
芳香族アルコールとしては、例えばベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、メチルフェニルカルビノール、シンナミルアルコール、フタリルアルコール等が挙げられる。
【0023】
鎖状ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2,5−ヘキサンジオン、2,4−ペンタンジオン等の炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状ケトン等が挙げられる。
【0024】
環状ケトンとしては、例えばシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン等の炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を置換基として有することのある炭素数3〜8の環状ケトン等が挙げられる。
【0025】
鎖状エーテルとしては、例えばジエチルエーテル等の炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状エーテル等が挙げられる。
【0026】
環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等の炭素数3〜8の環状エーテル等が挙げられる。
【0027】
鎖状エステルとしては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル等の炭素数3〜8の直鎖又は分枝鎖状エステル等が挙げられる。
【0028】
環状エステルとしては、例えばγ−ブチロラクトン等の炭素数3〜8の環状エステル等が挙げられる。
【0029】
ニトリルとしては、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等の炭素数3〜8のニトリル等が挙げられる。
【0030】
脂肪族アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン等の炭素数1〜4の脂肪族第一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の炭素数2〜8の脂肪族第二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の炭素数3〜12の脂肪族第三級アミン等が挙げられる。
【0031】
環状アミンとしては、例えばピロリジン、ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピリジン、インドール等の炭素数4〜10の環状アミン等が挙げられる。
【0032】
鎖状アミドとしては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の炭素数3〜8の直鎖又は分枝鎖状アミド等が挙げられる。
【0033】
環状アミドとしては、例えばピロリドン、N−メチルピロリドン等の炭素数4〜10の環状アミド等が挙げられる。
【0034】
スルホキシドとしては、例えばジメチルスルホキシド等の炭素数2〜8のスルホキシド等が挙げられる。
【0035】
これらゲスト化合物の中でも、減圧下に容易に留去される性質を有するものがより好ましい。
【0036】
本発明の包接化合物には、上記ゲスト化合物が1種又は2種以上包接されていてもよい。
【0037】
本発明の包接化合物は、例えばHHTPをゲスト化合物に溶解することにより製造される。
【0038】
本発明の方法で用いられるHHTPは、従来公知の各種製造法で得られるものでよい。例えば、前記した1,2−ジアルコキシベンゼンを塩化第二鉄の存在下又はp−クロラニルの存在下で酸化カップリングさせて一旦、三量体である2,3,6,7,10,11−ヘキサアルコキシトリフェニレンを生成させ、引き続いてこれを三臭化ホウ素、臭化水素酸等の存在下に脱アルキル化する方法で得た反応粗生成物を使用してもよいし、カテコールを原料にして無水塩化第二鉄等の酸化剤を作用させて一段階でHHTPを得る方法で得た反応粗生成物を使用してもよい。
【0039】
本発明で用いられる反応粗生成物の純度は、包接化合物を形成するために用いるゲスト化合物の種類にもよるが、反応粗生成物中のHHTPの含有率が1重量%以上、好ましくは10重量%以上であれば、所望の包接化合物を結晶として極めて純度よく得ることができる。
【0040】
HHTPをゲスト化合物に溶解させるに当たっては、特別な処理を行う必要がない。例えばゲスト化合物にHHTPを加えるだけで、HHTPはゲスト化合物に溶解する。ゲスト化合物の種類によっては、HHTPがゲスト化合物に容易に溶解し難い場合があるので、そのような場合にはHHTPとゲスト化合物との混合物を攪拌してもよいし、用いられるゲスト化合物の沸点を越えない範囲の温度まで加熱してもよい。また反応粗生成物中にゲスト化合物に不溶性の不純物が含まれる場合には、HHTPをゲスト化合物に溶解させた溶液を一旦濾紙等に通して不溶性の不純物を分離除去することが望ましい。
【0041】
上記ゲスト化合物に溶解させるHHTPの量としては、使用されるゲスト化合物の種類等により異なり一概には言えないが、通常ゲスト化合物1リットル当たり、1〜700g程度、好ましくは10〜500g程度とするのがよい。
【0042】
本発明では、HHTPをゲスト化合物に溶解させるに当たり、これら以外に水を用いることもできる。水にHHTPを加えた後にゲスト化合物を加えてもよいし、水とHHTPとの混合物にHHTPを加えてもよい。
【0043】
斯くして本発明の包接化合物が製造される。本発明の包接化合物は、例えば以下に示す方法に従い、単離、精製される。
【0044】
上記で調製されたHHTPをゲスト化合物に溶解させた溶液を、該溶液の液温以下の温度に冷却すれば、目的とする本発明の包接化合物が析出してくる。
【0045】
例えばゲスト化合物にHHTPを加えるだけで、HHTPがゲスト化合物に溶解する場合には、得られた溶液を例えば氷浴上で冷却する等の手段により、該溶液の温度を室温以下に下げればよい。また、ゲスト化合物にHHTPを加えるだけではHHTPがゲスト化合物に溶解せず、そのためHHTPとゲスト化合物との混合物をゲスト化合物の沸点を越えない範囲の温度まで加熱する場合には、そのまま室温で放置するか、又は氷浴上で冷却する等の強制冷却手段により、該溶液の温度を下げればよい。
【0046】
また、HHTPをゲスト化合物に溶解させた溶液に、n−ヘキサン等の貧溶媒を加えて、本発明の包接化合物を析出させてもよい。
【0047】
析出した本発明の包接化合物は特別な装置を必要とすることなく、減圧下もしくは加圧下で濾過するか、又は遠心分離器に供して濾液と分離するのみで簡単に単離できる。
【0048】
本発明では、上記で得られた包接化合物を更にゲスト化合物に溶解させ、次いでゲスト化合物を除去するという操作を繰り返すことにより、目的とする包接化合物の純度をより一層高めることができる。
【0049】
得られた本発明の包接化合物におけるHHTPとゲスト化合物との組成は、通常前者1モルに対して後者が1〜3モルである。
【0050】
HHTPとシクロペンタノンとからなる本発明の包接化合物の一部を平面的に表した化学構造式(推定)を下記に示す。
【0051】
【化1】
【0052】
本発明の包接化合物は、充分高純度であるので、そのまま機能性有機材料の原料として使用することができる。
【0053】
本発明の包接化合物は、これを形成するゲスト化合物の種類にもよるが、通常は常温で極めて安定である。ところが、本発明包接化合物を、一旦これを形成するゲスト化合物が包接化合物から脱離し始める温度以上に加熱した場合には極めて容易に包接化合物からゲスト化合物のみを選択的に脱離させることができ、その結果HHTPを極めて純度よく製造することができる。
【0054】
本発明の包接化合物からゲスト化合物のみを選択的に脱離させるための温度は、これを形成するゲスト化合物の種類により異なり一概に言えるものではない。例えばゲスト化合物が鎖状ケトンや環状ケトンの場合には50℃以上、ゲスト化合物が脂肪族アルコールや脂環式アルコールの場合には70℃以上、ゲスト化合物が鎖状アミド、環状アミド、スルホキシドアミド等の高極性のゲスト化合物の場合には90℃以上に加熱すればよい。
【0055】
本発明の方法によれば、HHTPを単離するために特別な装置を必要とすることはなく、例えば減圧乾燥器等の中で加熱と同時に減圧条件に本発明の包接化合物を曝せば一層容易に高純度のHHTPを得ることができる。
【0056】
このようにして得たHHTPは、極めて高純度であるので、そのまま機能性有機材料の原料として好適に使用することができる。
【0057】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明をより一層明らかにする。以下の各実施例で得られたヘキサヒドロキシトリフェニレンの純度の確認は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で行った(カラム:TOSOH TSK−GEL ODS−80TS 4.6×150mm、移動相:メタノール/水(H3PO4:0.5モル/l、NaH2PO4:0.5モル/l)、流速1.0ml/分)。また各実施例で得られた包接化合物の確認は、X線結晶解析と熱分析もしくはNMRにより行った。
【0058】
実施例1
カテコール15g(0.136モル)及びFeCl3・6H2O 146.8g(0.544モル)の混合物を50〜60℃で7時間撹拌した。得られた反応混合物を希塩酸200ml、水、飽和重曹水の順で洗浄し、乾燥を行い、HHTPを含む黒色固体17g(含量5.03g、0.015モル、純度29.6%)を得た。
【0059】
得られた黒色固体をシクロペンタノン100mlに加熱溶解した後、熱時濾過を行い、濾液を減圧濃縮すると、粗結晶のヘキサヒドロキシトリフェニレンとシクロペンタノンとからなる本発明の包接化合物6.13g(含量4.31g、0.013モル、純度70.3%)が得られた。
【0060】
これをシクロペンタノンで熱時に再溶解させた後、室温に冷却すると、HHTP1分子に対してシクロペンタノン3分子が包接された結晶7.13g(0.012モル、包接化合物の回収率93.0%)が得られた。
【0061】
この結晶のIRスペクトル図を図1に示す。このIRスペクトル図によれば、HHTPの吸収の他に、シクロペンタノンに由来する1720cm-1が観測された。また、HHTPの水酸基の吸収は、低波数シフトとして3260cm-1に観測された。尚、IR分析はヌジョール法に従った。以下の実施例でも同じである。
【0062】
このものは80℃以下の温度では何時間放置しても事実上重量の減少は認められなかったが、80℃以上に加熱すると重量の減少が認められた。このものを熱分析に付したところ、80℃付近で重量減が始まり、150℃で44%の重量減になった状態で完全に重量減が停止した。この結果を図2に示す。
【0063】
重量の減量はHHTP1分子に対してちょうど3分子のシクロペンタノンが包接された化合物からシクロペンタノン3分子が完全に脱離した量に相当した。重量減少後のサンプルのIRスペクトル図を図3に示す。
【0064】
重量減少後のサンプルのIRスペクトルは、完全にHHTPのIRスペクトルに一致した。同じく、HHTPの水酸基の吸収は3480cm-1及び3420cm-1に観測された。
【0065】
これらのことから、得られた結晶は、HHTP1分子とシクロペンタノン3分子とから形成された包接化合物であると決定した。この結果はX線結晶解析によっても支持された。
【0066】
実施例2〜16
シクロペンタノンの代わりに表1に記載した各種ゲスト化合物を用いる以外は、実施例1と同様に反応及び処理を行って、HHTPと各種ゲスト化合物との包接化合物を得た。得られた包接化合物の結晶型、ホスト化合物とゲスト化合物との分子比(組成比)、及び包接化合物の回収率(%)を表1に示す。包接化合物の回収率(%)とは、粗結晶中のHHTPの含量を基準にした時の包接化合物としてのHHTPの回収率を意味する。
【0067】
【表1】
【0068】
表1における各包接化合物のIRスペクトルを以下に示す。
【0069】
実施例2:
3431,1623,1539,1442,1378,1280,1222,1182,1148cm-1
実施例3:
3458,3197,1628,1597,1528,1462,1440,1380,1339,1276,1229,1179,1140cm-1
実施例4:
3431,1624,1541,1444,1378,1279,1226,1182,1143cm-1
実施例5:
3408,1629,1540,1446,1378,1339,1283,1277,1179,1166,1158cm-1
実施例6:
3472,3304,1619,1501,1448,1398,1365,1262,1171,1143,1058cm-1
実施例7:
3375,1699(CO),1689,1626,1595,1528,1437,1377,1336,1265,1222,1162cm-1
実施例8:
3368,1718(CO),1628,1599,1537,1457,1439,1378,1339,1278,1178,1152cm-1
実施例9:
3255,1724(CO),1627,1608,1538,1457,1379,1283,1253,1164,1150cm-1
実施例10:
3318,1692(CO),1621,1598,1538,1454,1395,1311,1265,1181,1147,1118cm-1
実施例11:
3335,1719(CO),1689,1627,1598,1523,1440,1377,1339,1276,1178,1150cm-1
実施例12:
3317,1697(CO),1625,1599,1536,1452,1385,1311,1266,1181,1147,1117cm-1
上記のIRスペクトルにおいて、3000cm-1以上は水酸基のピークである。
【0070】
実施例17
実施例1で得た包接化合物6.00g(0.010モル)を減圧下、95℃で12時間乾燥することにより、HHTPを白色結晶として3.37g(0.010モル、純度99.5%以上、回収率100%)を得た。
【0071】
実施例18〜32
実施例2〜16で得られた各包接化合物についても、熱分析における重量減少開始温度近辺に加熱して減圧下で乾燥を行うことにより、純度99.5%以上のHHTPをほぼ白色の結晶として定量的に得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた包接化合物のIRスペクトル図である。
【図2】実施例1で得られた包接化合物の熱分析図である。
【図3】実施例1において、シクロペンタノンが脱離した後のHHTPのIRスペクトル図である。
Claims (5)
- 2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンをホスト化合物とし、これとゲスト化合物とからなる包接化合物の結晶であって、
前記ゲスト化合物が、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、2,5−ヘキサンジオン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、γ−ブチロラクトン及びジメチルホルムアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である、
包接化合物の結晶。 - ゲスト化合物が、シクロペンタノンである請求項1に記載の包接化合物の結晶。
- 2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンをゲスト化合物に溶解して、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンであるホスト化合物とゲスト化合物とからなる包接化合物の結晶を得ることを特徴とする包接化合物の結晶の製造方法であって、
前記ゲスト化合物が、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、2,5−ヘキサンジオン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、γ−ブチロラクトン及びジメチルホルムアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である、
包接化合物の結晶の製造方法。 - 2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンとゲスト化合物とからなる包接化合物の結晶からゲスト化合物を脱離させて、高度に精製された2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンを得ることを特徴とする包接化合物の結晶の使用方法であって、
前記ゲスト化合物が、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、2,5−ヘキサンジオン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、γ−ブチロラクトン及びジメチルホルムアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である、
包接化合物の結晶の使用方法。 - 粗製の2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンをゲスト化合物に溶解し、次いでこの溶液を冷却又は濃縮し、析出する包接化合物の結晶を取り出し、更に包接化合物の結晶からゲスト化合物を脱離させて、高度に精製された2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンを得ることを特徴とする請求項4に記載の包接化合物の結晶の使用方法。
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JP7086010B2 (ja) | 2019-01-25 | 2022-06-17 | 鹿島建設株式会社 | ワーゲン総重量計測方法、張出架設方法、及びワーゲン総重量計測システム |
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JPH11255690A (ja) | 1999-09-21 |
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