JP4862335B2 - 電磁波シールド性光透過部材の製造方法 - Google Patents
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Description
各種ディスプレイの前面から発生する電磁波を遮蔽するためには、電磁波シールド性と透明性とを併せ持つ電磁波遮蔽構成体を各種ディスプレイに取り付け、該電磁波遮蔽構成体を接地のための外部電極と接続することが行われている。
この課題を克服する為に、特許第3480898号公報において、粗化された金属の凹凸面が転写した接着剤層を透明化したディスプレイ用電磁波シールド性フィルム、具体的には粗化された金属の凹凸面が転写した接着剤層の上に、加熱又は加圧により接着した透明層を設け、接着剤層の凹凸面を濡らすことにより透明化を図ったものが提案されている。
さらに、電磁波シールド層の幾何学図形(以下メッシュとする)は金属層をエッチングすることで形成されるため、接着剤層を介して金属層を接着しているプラスチックフィルムは、エッチング液等の各種薬液に曝され、かつ製造ラインを通過することで送りロール等の様々なロールを通過する。
また、ディスプレイとしてのコントラストを高めるために金属層表面は黒化処理されている。黒化処理とはプリント配線板分野で一般的に行われている方法をいう。黒化処理によって金属層表面に酸化膜を形成するが、同時に微細な針状結晶も生成する。その針状結晶が電磁波シールド層の被エッチング部(メッシュ部以外の金属層の開口部)へ付着すると、ディスプレイの欠陥になり歩留まりが低下する。
先のプラスチックフィルムの傷つきによる欠陥及び針状結晶等の異物付着による歩留まり低下が発生すると経済性も劣ることとなる。
さらに、本発明は、透過性に優れる電磁波シールドディスプレイの提供を目的とする。
さらに、上記の発明は、これらの電磁波シールド性光透過部材が、プラズマディスプレイの表面に貼り合わされている電磁波シールド性プラズマディスプレイに関する。
第一の製造方法は下記(1)〜(8)で表される。
(1)金属箔と、基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤を介して貼付すること、
(2)活性エネルギー線照射を少なくとも1回行うこと
(3)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成すること、
(4)前記金属箔または前記金属メッシュを黒化処理すること、
(5)活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤および金属メッシュを含有してなる積層体の金属メッシュ面と、剥離フィルムとを、粘着剤を介して貼付すること、
(6)前記基材フィルムを前記金属箔または前記金属メッシュから剥離すること、
(7a)前記基材フィルムを前記金属メッシュから剥離した剥離面と、新たな剥離フィルムとを、貼付する工程、及び
(8)露出したメッシュを粘着剤中へ埋め込む工程
第二の製造方法は下記(1)〜(8)で表される。
(1)金属箔と、基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤を介して貼付すること、
(2)活性エネルギー線照射を少なくとも1回行うこと
(3)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成すること、
(4)前記金属箔または前記金属メッシュを黒化処理すること、
(5)活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤および金属メッシュを含有してなる積層体の金属メッシュ面と、剥離フィルムとを、粘着剤を介して貼付すること、
(6)前記基材フィルムを前記金属箔または前記金属メッシュから剥離すること、
(7b)前記基材フィルムを前記金属メッシュから剥離した剥離面と、新たな剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体の粘着剤面とを、貼付する工程、及び
(8)露出したメッシュを粘着剤中へ埋め込む工程
特に、前記(2)や前記(3)を2回以上行うことが好ましい。
また、本発明の剥離フィルムとして、プラスチックフィルムなどの基材フィルムに後述する活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を塗布したものを用いることもできる。ただし、プラスチックフィルム上にシリコンやフッ素等によって公知の剥離処理を施したフィルムを用いることが好ましい。
電磁波シールド性光透過部材の両面に剥離フィルムを使わない場合には、製造工程においてメッシュ開口部に異物が付着するため、シールドが傷つき、透明性も低下する。また、薬液による損傷も増す。
導電性金属箔としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、クロム、チタン等の金属、あるいはそれらの2種以上を組み合わせた合金が挙げられる。なかでも、導電性や回路加工の容易さ、価格の面から銅、ニッケル、アルミニウム及びそれらの合金が好ましく、銅及び銅合金が更に好ましい。
(I) 予め上下(表裏)両面が黒化処理済みの基材を用い、金属メッシュ形成後に、さらに黒化処理を行うと、金属メッシュの裏表の両面(上下)と側面(左右)の全て(4面)が黒化処理された電磁波シールドメッシュを製造できる。
(II) 予め片面が黒化処理済みの基材を用い(黒化処理面が基材側、未黒化処理面が基材ではない側)、金属メッシュを形成後に、黒化処理を行い、転写用支持体との貼り合わせ(転写)を行うと、金属メッシュの裏表の両面(上下)と側面(左右)の全て(4面)が黒化処理された電磁波シールドメッシュを製造できる。
(III) 最初から黒化処理されていない金属箔を用い、金属メッシュを形成後に、黒化処理を行うと、裏面(下)側面(左右)が黒化処理された電磁波シールドメッシュを製造できる。その後、転写用支持体との貼り合わせ(転写)を行った後に、さらに黒化処理を行うと、金属メッシュの裏表の両面(上下)と側面(左右)の全て(4面)が黒化処理された電磁波シールドメッシュを製造できる。
上記(I)〜(III)において、表面(上面)や裏面(下面)は、つまり金属メッシュの片面を表す。本発明では(I)又は(II)が好ましい。
メッシュ形成に使用される薬液は、具体的にはエッチング液として塩化鉄、塩化銅等の水溶液が好ましい。レジスト剥離液はカセイソーダ水溶液が好ましい。中和は塩酸、硫酸、シュウ酸等の酸性溶液が好ましい。
黒化処理は、プリント配線板分野で行われている公知の方法により行うことができる。例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/リットル)、水酸化ナトリウム(15g/リットル)、燐酸三ナトリウム(12g/リットル)の水溶液中、95℃で2分間処理することにより、黒化処理を行うことができる。これらのエッチング液等の各種薬液や使用される条件は限定されず、公知のプリント配線板製造方法を用いることができる。
他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエトチル等を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルトルエン等を挙げることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型粘着剤とは、アクリル系ポリマー、活性エネルギー線反応性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤及びその他添加剤から構成される。
活性エネルギー線硬化型粘着剤は一般的な粘着剤と違い硬化剤を含まない、あるいは硬化剤を含むときは極少量であるため、粘着剤の流動性が非常に高く、メッシュの埋め込みが容易である。さらにメッシュを転写シートへ埋め込み後に活性エネルギー線を照射して硬化を行うため、均一な粘着層が生成して比較的高い粘着力が発現する。
また、アクリル系ポリマーのガラス転移点は−60℃〜−5℃であることが好ましく、更に−50〜−10℃が好ましい。−60℃未満のときは凝集力が不足し、−5℃を超えるときは粘着性が不足が生じる恐れがある。
アクリル系ポリマー合成に用いるモノマーを以下に挙げるがそれらには限定されず公知のモノマーを使用できる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエトチル等を挙げることができる。
反応性官能基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリルアミド、グリシジルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルトルエン等を挙げ
ることができる。
上記モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のモノマーを挙げることができるが特に限定はしない。
粘性や架橋密度等を調整するために、分子内に1個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するモノマーを含んでも良い。
上記オリゴマーとしては、公知のウレタンアクリレートオリゴマーを用いることができるが、特に限定はしない。粘着剤として使用された際の経時黄変を防ぐために、原料としてトリレンジイソシアネートを含まない無黄変型のウレタンアクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。
全面が黒化された電磁波シールドメッシュの一部が粘着剤から露出している場合とは、金属メッシュの埋め込み時に粘着剤が流動することにより、金属メッシュの一部が露出することをいう。具体的には、黒化処理されている面の一部又は全面が露出する場合である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
アルケニル基としてはビニル基、アリール基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;
メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基エトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;
メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、エトキシメトキシエトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基等の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;
アリールオキシ基;
フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;
メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルオニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、tert−ブチルスルホニルアミノ基、sec−ブチルスルホニルアミノ基、n−ペンチルスルホニルアミノ基、n−ヘキシルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;
メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカアルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、sec−ブトキシカルボニルオキシ基、n−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
結合しうる置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルキル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等のC1〜C5のアルコキシ基が挙げられ、低級アルキルとしては、例えばメチル基、エチル基等のC1〜C5のアルキル基が挙げられる。好ましくはA及びBが置換基を有していないか、ハロゲン原子(特に塩素原子、臭素原子)、メチル基もしくはシアノ基で置換されたのもが好ましい。なお、Bに置換基を有する場合は、4つのB環がすべて同じであるもの、更に、置換基の位置はフェニレンジアミン骨格に結合する窒素原子に対して、m−位であるものが合成上好ましい。更に環A及びBには1,4−位以外に置換基を有していないものが合成上好ましい。
パーフルオロアルカンスルホニル基が異なる(つまりnとn’が異なる整数)ペンタフルオロエタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホンヘプタフルオロプロパンスルホンイミド、ノナフルオロブタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド等が挙げられる。
吸収能を一定とすれば、形成される近赤外線吸収層の膜厚が薄い場合は、粘着剤中にジイモニウム系化合物を多く添加する必要があり、逆に形成される近赤外線吸収層の膜厚が厚い場合は、粘着剤中のジイモニウム系化合物の添加量は少なくて良い。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、粘着剤中のジイモニウム系化合物の量及び形成される近赤外線吸収層の膜厚を決定することができる。
より具体的には、本発明の近赤外線吸収用粘着剤は、シクロアルキル基含有単量体を必須の構成成分とする共重合体100重量部に対し、ジイモニウム系化合物を0.1〜10重量部配合することが好ましく、0.5〜5重量部配合することがより好ましい。
ジイモニウム系化合物の配合量が上記範囲未満の場合、所望の近赤外線吸収能を得るためには近赤外線吸収層の膜厚を相当厚くすることが好ましい。一方、ジイモニウム系化合物の配合量が上記範囲を超えると可視光の透過率が低下することがあるので、近赤外線吸収層の膜厚を相当薄くすることが好ましい。
本発明において用いられるフタロシアニン系化合物としては、フタロシアニン、フタロシアニン錯体、或いはフタロシアニン及びフタロシアニン錯体であってフタロシアニン骨格のベンゼン環上にOR、SR、NHR、又はNRR′のうちの1種以上有するものである。ここでR、R′は、同一もしくは異なって、置換基を有してもよいフェニル基、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。なお置換基のうちの1個がNHRで置換されたフタロシアニンであることが好ましい。
吸収能を一定とすれば、形成される近赤外線吸収層の膜厚が薄い場合は、粘着剤中にフタロシアニン系化合物を多く添加する必要があり、逆に形成される近赤外線吸収層の膜厚が厚い場合は、粘着剤中のフタロシアニン系化合物の添加量は少なくて良い。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、粘着剤中のフタロシアニン系化合物の量及び形成される近赤外線吸収層の膜厚を決定することができる。
より具体的には、本発明の近赤外線吸収用粘着剤は、シクロアルキル基含有単量体を必須の構成成分とする共重合体100重量部に対し、フタロシアニン系化合物を0.1〜10重量部配合することが好ましく、0.2〜5重量部配合することがより好ましい。
フタロシアニン系化合物の配合量が上記範囲未満の場合、所望の近赤外線吸収能を得るためには近赤外線吸収層の膜厚を相当厚くすることが好ましい。一方、フタロシアニン系化合物の配合量が上記範囲を超えると可視光の透過率が低下することがあるので、近赤外線吸収層の膜厚を相当薄くすることが好ましい。
また、ジイモニウム系化合物は、一般に他の色素と混合した場合に、その耐熱性が著しく低下することが知られているが、フタロシアニン系化合物との混合においてはジイモニウム系化合物の耐熱性を低下することは少なく、この点においても両者の併用は好ましい。
例えば、
未置換のアルキル基の水素がアルコキシ基に置換されたアルコキシアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアルコキシアルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアルコキシアルコキシアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がハロゲン原子に置換されたハロゲン化アルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアミノ基に置換されたアミノアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアルキルアミノ基に置換されたアルキルアミノアルキル基やジアルキルアミノアルキル基、
その他アルコキシカルボニルアルキル基、アルキルアミノカルボニルアルキル基、アルコキシスルホニルアルキル基等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基としては、クロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ2−プロピル基等が挙げられる。
例えば、置換フェニル基としては、
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、フロロフェニル基、ペンタフロロフェニル基、ヨウ化フェニル基等のハロゲン化フェニル基、
クロロナフチル基、ジクロロナフチル基、トリクロロナフチル基、ブロモナフチル基、フロロナフチル基、ペンタフロロナフチル基、ヨウ化ナフチル基等のハロゲン化ナフチル基、
また、特に好ましいMはニッケルである。
また、ジイモニウム系化合物は、一般に他の色素と混合した場合に、その耐熱性が著しく低下することが知られているが、ジチオール金属錯体化合物との混合においてはジイモニウム系化合物の耐熱性を低下することは少なく、この点においても両者の併用は好ましい。
吸収能を一定とすれば、形成される近赤外線吸収層の膜厚が薄い場合は、粘着剤中にジチオール金属錯体化合物を多く添加する必要があり、逆に形成される近赤外線吸収層の膜厚が厚い場合は、粘着剤中のジチオール金属錯体化合物の添加量は少なくて良い。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、粘着剤中のジチオール金属錯体化合物の量及び形成される近赤外線吸収層の膜厚を決定することができる。
より具体的には、本発明の近赤外線吸収用粘着剤は、シクロアルキル基含有単量体を必須の構成成分とする共重合体100重量部に対し、ジチオール金属錯体化合物を0.05〜10重量部配合することが好ましく、0.2〜5重量部配合することがより好ましい。
ジチオール金属錯体化合物の配合量が上記範囲未満の場合、所望の近赤外線吸収能を得るためには近赤外線吸収層の膜厚を相当厚くすることが好ましい。一方、ジチオール金属錯体化合物の配合量が上記範囲を超えると可視光の透過率が低下することがあるので、近赤外線吸収層の膜厚を相当薄くすることが好ましい。
(1)金属箔と、基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤を介して貼付すること、
(2)活性エネルギー線照射を少なくとも1回行うこと
(3)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成すること、
(4)前記金属箔または前記金属メッシュを黒化処理すること、
(5)活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤および金属メッシュを含有してなる積層体の金属メッシュ面と、剥離フィルムとを、粘着剤を介して貼付すること、
(6)前記基材フィルムを前記金属箔または前記金属メッシュから剥離すること、
(7a)前記基材フィルムを前記金属メッシュから剥離した剥離面と、新たな剥離フィルムとを、貼付する工程、及び
(8)露出したメッシュを粘着剤中へ埋め込む工程
(1)金属箔と、基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤を介して貼付すること、
(2)活性エネルギー線照射を少なくとも1回行うこと
(3)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成すること、
(4)前記金属箔または前記金属メッシュを黒化処理すること、
(5)活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤および金属メッシュを含有してなる積層体の金属メッシュ面と、剥離フィルムとを、粘着剤を介して貼付すること、
(6)前記基材フィルムを前記金属箔または前記金属メッシュから剥離すること、
(7b)前記基材フィルムを前記金属メッシュから剥離した剥離面と、新たな剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体の粘着剤面とを、貼付する工程、及び
(8)露出したメッシュを粘着剤中へ埋め込む工程
反応性官能基を有する弾性重合体としては、アクリル系ポリマーとウレタン系ポリマーが好ましく、反応性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミド基、グリシジル基、イソシアネート基等が挙げられる。
アクリル系ポリマーとしては、反応性官能基を有するモノマーと、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの共重合体、反応性官能基を有するモノマーと、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、前記モノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体を用いることができる。アクリル系ポリマーは公知の方法により合成される。アクリル系ポリマーは、粘着性を付与するために、ガラス転移点が−20℃以下であることが好ましい。また、アクリル系ポリマーの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した。以下同様とする。)は粘着力と凝集力のバランスの点から20万〜200万が好ましく、更に40〜150万が好ましい。
他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエトチル等を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルトルエン等を
挙げることができる。
上記ポリオールとしては、公知のポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオールの酸成分してはテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられ、グリコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、ポリオール成分としてはグリセリン、トチメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のものが用いられる。ポリエステルポリオール及びポリエステルポリオールの重量平均分子量は1000〜5000が好ましく、更に2500〜3500が好ましい。重量平均分子量が1000以下のポリエステルポリオール及びポリエステルポリオールでは反応が早くゲル化しやすくなり、5000以上のポリエステルポリオール及びポリエステルポリオールは反応性が低くなり凝集力も低くなる。ポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させる際には、多価アミン類を併用できる。
上記有機ポリイソシアネートには、上記有機ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。
ウレタン系ポリマー重量平均分子量は、粘着力と凝集力のバランスの点から5,000〜300,000が好ましく、更に10,000〜200,000が好ましい。
上記モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができるがこれには限定されず公知のモノマーが使用できる。
上記オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられる。ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、ポリオール例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等と有機ポリイソシアネート、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアネート等や、それらの変性物や重合物を反応させて得られる末端イソシアネートプレポリマーに、水酸基を有するアクリレートあるいはメタクリレート、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を反応させて得られるものを使用できる。また末端イソシアネートプレポリマーにトリメチロールプロパンやペンタエリスリトール等の3〜4官能水酸基含有化合物とを反応させて末端水酸基を増やしたのち水酸基を有するアクリレートあるいはメタクリレートを反応させる法も挙げられるが、これらの方法には限定されず公知の方法で合成されたウレタンオリゴマーが使用できる。ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は500〜30,000が好ましく、更に600〜20,000が好ましい。ウレタンアクリレートオリゴマーは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を2〜15個有することが好ましく、更に4〜15個有することが好ましく、特に6〜15個有することが好ましい。
また高分子量化光重合開始剤を用いて、光重合開始剤に対してエッチング液やアルカリ溶液等の薬液への耐溶出性を持たせることも好ましい。
光重合開始剤は、重量平均分子量1,000〜200万、より好ましくは3,000〜200万、さらに好ましくは5,000〜200万、特に好ましくは1万〜200万の高分子量化光重合開始剤であることが好ましい。重量平均分子量1,000〜200万の高分子量化光重合開始剤は、分子量が大きいため、薬液への溶出がない。重量平均分子量1,000未満のときは、薬液への光重合開始剤の溶出が生じる恐れがあり、200万を超えるときは粘度の面から合成が難しい。
水酸基を有する光重合開始剤としては、例えば1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンや、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等が挙げられる。カルボキシル基を有する光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン−2−カルボン酸等が挙げられる。反応性官能基を有する光重合開始剤の中では、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
また、2個の水酸基または2個のカルホキシル基を有する光重合開始剤に対して、前者へは2官能の有機酸(例えば、アジピン酸)、後者へは2官能のポリオール(例えば、エチレングリコール)を反応させて、ポリエステルを合成することでポリマー主鎖へ光重合開始剤を組み込む方法も挙げられる。
これは、粘着シートを作成した後に金属箔と貼り合わせる方法であり、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤に使用される硬化剤の架橋が終了した後に金属箔と貼り合わせることとなる。
(ア)基材フィルムに直接、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を塗布して剥離フィルムを貼り合わせる方法である。
(イ)剥離フィルム上に活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を塗布し、基材フィルムと貼り合わせる方法である。
塗工時金属箔ラミネート法は剥離フィルムを使用せず、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤に使用される硬化剤の架橋開始直後に金属箔を貼り合わせるため、粘着剤の流動性が高く、金属箔との密着性が前述の方法と比較して非常に高い。そのためマイクロリソグラフ法によるメッシュ形成工程中において、エッチング液やレジスト剥離液等の薬液が粘着剤と金属箔との界面に液浸入することで生じる金属箔の剥がれが起こりにくい。したがって、後工程におけるラミネートが不要となり、工程の簡略化や低コスト化、及び剥離フィルム未使用による低コストが図られる。
塗工時金属箔ラミネート法においては、金属箔と粘着剤層が充分な密着を得るために必要に応じて加温、加圧、又は真空のような条件を単独若しくは2種類以上併用してラミネートしても良い。
その他のメッシュ形成シートの製造方法として、平板プレス法を用いることもできる。
活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の厚みは、0.5μm〜50μm程度であることが好ましい。粘着剤の厚みが0.5μm未満であると十分な接着性が得られず、また50μmを越えると経済的に不利である。
活性エネルギー線はエネルギーを有する電磁波を意味し、電子線、紫外線、放射線等が含まれる。そのなかでも、装置の安価さやランニングコストから紫外線が好ましい。
紫外線照射装置としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプ、半導体レーザー、Arレーザー、パルスUVランプ等が挙げられる。
例えば、前記(3)のエッチング以降の工程の前後で照射してもよい。また、前記(5)工程と連動して行い、転写シートとメッシュ形成シートとの貼り合わせの前、同時または後に照射しても良い。
メッシュ形成シートの金属箔に幾何学図形等のメッシュを形成する方法は前述した通りである。
前記(4)は2回以上行うことが好ましい。2回以上の黒化処理により、前記(I)〜(III)のような全面が黒化された電磁波シールドメッシュを得ることが容易になるからである。
図1で示した転写シートは、剥離フィルムに粘着剤を塗布し、当該粘着剤面に新たな剥離フィルムを貼付することで作製できる。剥離フィルム上に粘着剤を塗布する方法としては、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を塗布する方法と同様に公知の方法を用いることができる。
また、粘着剤は前述した通り、分子中にカルボキシル基、水酸基、アミド基、グリシジル基、アミノ基の少なくとも1種類以上の反応性官能基を有するアクリル系ポリマー、及び前記反応性官能基と反応しうる硬化剤からなり、活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いることもできる。
転写シートとメッシュ形成シートとの貼り合わせは、転写シートの一方の剥離フィルムを剥がし、露出した粘着面をメッシュ形成シートのメッシュに貼り合わせることで行われる。なお、貼り合わせにはラミネーターを用いることが好ましい。
前記(7a)または(7b)よって、基材フィルムを剥離した金属メッシュ面側に新たな剥離フィルムを貼り合わせることとなり、2枚の剥離フィルム間に全面が黒化された電磁波シールドメッシュが挟まれる。
前記(7b)は、基材フィルムを金属メッシュから剥離する剥離面と、新たな剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体の粘着剤面とを、貼り合わせる場合(以下、二層法という。)に関する。
二層埋め込み法における新たな剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体は、剥離フィルム上に粘着剤を塗工したものでもよいし、転写シートの片面の剥離フィルムを剥がしたものでもよい。
一層法又は二層法における貼り合わせには、前述した任意の貼り合せ法を用いることができる。例えば、加熱・加圧による方法、平板プレス法、ラミネーターなどである。
メッシュを埋め込んだ際には、メッシュの一方の面が粘着剤層へ埋め込まれていても、露出していても良い。用いる転写シートの粘着剤層の厚さはメッシュの厚みより厚くなければならない。メッシュを形成する金属箔の厚さが0.5〜40μmであるため、粘着剤は好ましくは1〜300μm、更に好ましくは5〜200μ、更に好ましくは5〜100μmの厚さに塗布すればよい。厚さが5μm未満のとき埋め込み性が悪く、300μmを超えると経済的に不利である。
アクリル酸ブチル85.3重量部、アクリル酸メチル15重量部、アクリル酸4重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.7重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.03重量部、アセトン190部、トルエン110重量部からなる原料用いて、窒素雰囲気下で加熱還流して8時間反応させて、重量平均分子量110万の反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分25重量%)を得た。合成した反応性官能基を有する弾性重合体溶液100重量部に、トリレンジイソシアネートのアダクト体(住化バイエルウレタン製硬化剤「スミジュールL−75」)0.7重量部、2−メチル−1(4−メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製光重合開始剤「イルガキュア907」)0.75重量部を配合して、6官能のウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセルUCB製「Ebecryl1290K」、重量平均分子量1,000)15重量部を配合して活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を得た。
次に、厚さ25μmのPETフィルム(東洋紡績製「E5100」)の片面に、ポリエステルポリウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン製「AD−335AE」)を厚さ(乾燥膜厚)0.2μmに塗布し、その上に得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、剥離フィルム(東洋紡製「E7002 厚さ25μm」、以下の剥離フィルムは本フィルムを用いた。)を貼り合わせ粘着シートを得た。得られた粘着シートは40℃雰囲気中で3日間エイジングを行った。
エイジング後の剥離フィルムを剥がし、粘着シートの粘着剤面と、厚さ10μmの片面黒化された銅箔(日本電解・PBR−10A)の黒化面とを、ラミネーターにより温度80℃、圧力0.4MPa/cm、貼りあわせ速度0.8m/minでラミネートして、銅箔ラミネート体を得た。
銅箔ラミネート体にフォトリソグラフ法(レジストフィルム貼り付け→露光→現像→ケミカルエッチング→レジストフィルム剥離→中和→黒化処理)によって黒化処理まで行い、ライン幅12μm、ラインピッチ300μmのメッシュを形成し、全面が黒化処理されたメッシュ付き粘着シートを得た。
電磁波シールドメッシュ作成例1で作成した活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を用いて、厚さ25μmのPETフィルムの片面に、アンカーコート剤「AD−335AE」を厚さ(乾燥膜厚)0.2μmに塗布し、その上に得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、粘着シートの粘着剤面と、厚さ10μmの片面黒化された銅箔(日本電解・PBR−10A)の黒化面とを、ラミネーターにより温度23℃、圧力0.05MPa/cm2でラミネートして、銅箔ラミネート体を得た。得られた銅箔ラミネート体を40℃雰囲気中で3日間エイジングを行った。
銅箔ラミネート体にフォトリソグラフ法によって黒化処理まで行い、ライン幅10μm、ラインピッチ300μmのメッシュを形成し、全面が黒化処理されたメッシュ付き粘着シートを得た。
メタクリル酸メチル88重量部、アクリル酸エチル9重量部、アクリルアミド3重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.44重量部、トルエン260重量部からなる原料用いて、窒素雰囲気下で加熱還流して3時間反応させたのち、メタノールで再沈殿させて得られたポリマーをろ過後減圧乾燥して重量平均分子量70万の接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物100重量部に、トルエン450重量部、酢酸エチル10重量部を配合して接着剤溶液を得た。接着剤溶液を厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡製「A−4100」)へ乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、さらに接着剤面へ厚さ10μmの電解銅箔(三井金属製・NS−VLP)をラミネーターにより温度180℃、圧力0.4Mpa/cm2、でラミネートして銅箔ラミネート体を得た。
銅箔ラミネート体にフォトリソグラフ法によって黒化処理まで行い、ライン幅10μm、ラインピッチ300μmのメッシュを形成し、全面が黒化処理されていないメッシュ付き接着シートを得た。
電磁波シールドメッシュ作成例1で作成した活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を用いて、厚さ25μmのPETフィルムの片面に、アンカーコート剤「AD−335AE」を厚さ(乾燥膜厚)0.2μmに塗布し、その上に得られた活性エネルギー線粘着力消失型感圧接着剤を乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、粘着シートの粘着剤面と、厚さ10μmの黒化処理されていない銅箔(三井金属製・NS−VLP)とを、ラミネーターにより温度23℃、圧力0.05MPa/cm2でラミネートして、銅箔ラミネート体を得た。得られた銅箔ラミネート体を40℃雰囲気中で3日間エイジングを行った。
銅箔ラミネート体にフォトリソグラフ法によって黒化処理まで行い、ライン幅10μm、ラインピッチ300μmのメッシュを形成し、全面が黒化処理されていないメッシュ付き粘着シートを得た。
アクリル酸ブチル90重量部、アクリル酸メチル10重量部、メタクリル酸2ヒドロキシエチル5重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.04重量部、酢酸エチル186重量部の原料を用い窒素雰囲気下で加熱還流して7時間反応させて、重量平均分子量55万の反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分35重量%)を得た。
得られた反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液100重量部に「スミジュールL−75」0.9重量部を配合して剥離フィルムに乾燥後の厚さが60μmになるように塗布して、さらに剥離フィルムを貼り合わせて転写シートを得た。
転写シートの乾燥後の厚さを10μmに塗布したほかは、転写シート作成例1と同様の方法で転写シートを得た。
転写シートの乾燥後の厚さを40μmに塗布したほかは、転写シート作成例1と同様の方法で転写シートを得た。
アクリル酸ブチル79重量部、アクリル酸メチル20重量部、アクリル酸2ヒドロキシエチル1.0重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.02重量部、アセトン190部、トルエン210重量部からなる原料用いて、窒素雰囲気下で加熱還流して8時間反応させて、重量平均分子量150万のアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分20重量%)を得た。
得られたアクリル系ポリマー溶液100重量部に、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学製活性エネルギー線反応線化合物「ライトエステルTMP」)1重量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製光重合開始剤「イルガキュア184」)0.05重量部、ヒドロキノン(精工化学製重合禁止剤)0.001重量部を配合して剥離フィルムに乾燥後の厚さが40μmになるように塗布して、さらに剥離フィルムを貼り合わせて活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いた転写シートを得た。
転写シート作成例1で合成した反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分35重量%)に100重量部に「スミジュールL−75」0.9重量部、及び近赤外線吸収物としてジイモニウム系化合物(日本化薬製「K−1032」)1.0重量部、フタロシアニン系化合物(日本化薬製「イーエックスカラーIR−14」)0.5重量部を配合した活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いて剥離フィルムへ塗布した他は、転写シート作成例1と同様に転写シートを作成した。
転写シート作成例4で合成した反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分35重量%)に100重量部に、「ライトエステルTMP」1重量部、「イルガキュア184」0.05重量部、ヒドロキノン0.001重量部、及び近赤外線吸収物としてスルホンイミドをアニオン成分に持つジイモニウム系化合物(日本カーリット製「CIR−RL」)1.0重量部、フタロシアニン系化合物(日本化薬製「イーエックスカラーIR−14」)0.5重量部を配合した活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いて剥離フィルムへ塗布した他は、転写シート作成例4と同様に転写シートを作成した。
電磁波シールドメッシュ作成例1で作成したメッシュ付粘着シートへ、転写シート作成例1で作成した転写シートの一方の剥離フィルムを剥離して貼り合わせた。この積層体のメッシュ付粘着シート側からメタルハライドランプ120Wを用いて積算光量700mJ/cm2の紫外線を照射して、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を消失させて活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を剥離した。転写シート上のメッシュへ剥離フィルムを貼り合わせ、さらにラミネーターを用いて温度120℃、圧力5kg/cm2でメッシュを転写シートへ埋め込み、全面が黒化された電磁波シールド部材を作成した。電子顕微鏡を用いてメッシュ面が、粘着剤に覆われているか観察したところ、メッシュの金属面は一部が粘着剤から露出していた。
電磁波シールドメッシュ作成例2で作成したメッシュ付粘着シートへ、メッシュ付粘着シート側からメタルハライドランプ120Wを用いて積算光量700mJ/cm2の紫外線を照射して、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を消失させた。この電磁波シールドメッシュへ転写シート作成例2で作成した転写シートの一方の剥離フィルムを剥離して貼り合わせた。その後、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力が消失している活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を剥離した。転写シート上のメッシュに対して、転写シート作成例3で作成した転写シートの片面の剥離フィルムを剥離して粘着層を貼り合わせた。さらにラミネーターを用いて温度120℃、圧力5kg/cm2でメッシュを転写シートへ埋め込み、全面が黒化された電磁波シールド部材を作成した。電子顕微鏡を用いてメッシュ面が、粘着剤に覆われているか観察したところ、メッシュの金属面は完全に粘着剤に覆われていた。
電磁波シールドメッシュ作成例2で作成したメッシュ付粘着シートの基材フィルム側からメタルハライドランプ120Wを用いて積算光量700mJ/cm2の紫外線を照射して活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を消失させた。転写シート作成例4で作成した転写シートの片面の剥離フィルムを剥離してメッシュと貼り合わせ、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の剥離を行った。転写シート上のメッシュへ剥離フィルムを貼り合わせ、さらにラミネーターを用いて温度120℃、圧力5kg/cm2でメッシュを転写シートへ埋め込んだ後、メタルハライドランプ120Wを用いて積算光量400mJ/cm2の紫外線を照射して、活性エネルギー線硬化型粘着剤を硬化させて凝集力を付与して、全面が黒化された電磁波シールド部材を作成した。電子顕微鏡を用いてメッシュ面が、粘着剤に覆われているか観察したところ、メッシュの金属面は一部が粘着剤から露出していた。
実施例1で使用した、転写シート作成例1で作成した転写シートの代わりに、転写シート作成例5で作成した転写シートを使用したほかは、実施例1と同様に行い電磁波シールド部材を作成した。
実施例2で使用した、転写シート作成例4で作成した転写シートの代わりに、転写シート作成例6で作成した転写シートを使用したほかは、実施例2と同様に行い電磁波シールド部材を作成した。
電磁波シールドメッシュ作成例4で作成したメッシュ付粘着シートへ、メッシュ付粘着シート側からメタルハライドランプ120Wを用いて積算光量700mJ/cm2の紫外線を照射して、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を消失させた。この電磁波シールドメッシュへ転写シート作成例2で作成した転写シートの一方の剥離フィルムを剥離して貼り合わせた。その後、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力が消失している活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を剥離した。その後、未黒化部分を黒化処理し、転写シート上のメッシュに対して、転写シート作成例3で作成した転写シートの片面の剥離フィルムを剥離して粘着層を貼り合わせた。さらにラミネーターを用いて温度120℃、圧力5kg/cm2でメッシュを転写シートへ埋め込み、全面が黒化された電磁波シールド部材を作成した。電子顕微鏡を用いてメッシュ面が、粘着剤に覆われているか観察したところ、メッシュの金属面は完全に粘着剤に覆われていた。
電磁波シールドメッシュ作成例3で作成したメッシュ付き接着シートのメッシュ面へ厚さ3mmのアクリル板(クラレ製「コモグラス」)を合わせて、熱プレス機を用いて100℃、30kg/cm2、30分加熱圧着して電磁波シールド部材を得た。
電磁波シールドメッシュ作成例4で作成したメッシュ付粘着シートへ、メッシュ付粘着シート側からメタルハライドランプ120Wを用いて積算光量700mJ/cm2の紫外線を照射して、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を消失させた。この電磁波シールドメッシュへ転写シート作成例2で作成した転写シートの一方の剥離フィルムを剥離して貼り合わせた。その後、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力が消失している活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を剥離した。転写シート上のメッシュに対して、転写シート作成例3で作成した転写シートの片面の剥離フィルムを剥離して粘着層を貼り合わせた。さらにラミネーターを用いて温度120℃、圧力5kg/cm2でメッシュを転写シートへ埋め込み、全面が黒化されていない電磁波シールド部材を作成した。電子顕微鏡を用いてメッシュ面が、粘着剤に覆われているか観察したところ、メッシュの金属面は完全に粘着剤に覆われていた。
[粘着力]
引っ張り試験機(テスター産業製「TE-503」)を使用してJIS Z 0237で規定された方法(幅25mm、剥離角180°、剥離速度300mm/min)で3mmのアクリル板(クラレ製「コモグラス」)を被着体として測定した。なお比較例1は接着剤使用のため被着体へ熱プレス後の数値を粘着力とした。
[電磁波シールド性]
スペクトルアナライザー(アドバンテスト製「MS2601B」)、標準信号発生器(アドバンテスト製「MG3602B」)、測定用(アドバンテスト製「MA8602B」)を使用して10MHz〜1GHzの周波数範囲のうち、100MHz〜1GHzの周波数範囲の電磁波シールド性を測定した。代表値として100MHzと1GHzの数値を表記した。
[可視光透過率]
分光光度計(日本分光製「V−570」)を使用して400nm〜700nmの範囲で透過率の平均値を測定した。
[電磁波シールド部材の歩留まり]
42インチサイズの電磁波シールド部材100枚を製造して、歩留まり率を調べた。
(A)基材フィルムの傷つきによる廃棄枚数:電磁波シールド部材製造後に基材フィルム表面を目視で観察して、製造ライン通過時のロール送りによる傷つきが確認できた部材はディスプレイ用途で使用できないため廃棄した。なお活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を使用して製造した電磁波シールド部材は、メッシュ形成時に基材フィルムへ傷つきが発生した場合でも、その後剥離するため傷つきによる廃棄は0枚であった。
(B)メッシュ開口部への異物付着による廃棄枚数:電磁波シールド部材製造後にメッシュ部以外の被エッチング部(開口部)の異物付着を倍率10のルーペによる全数観察を行い、電磁波シールド部材の開口部に1個以上の異物を発見したときはディスプレイ用途で使用できないため廃棄した。なお活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を使用して製造した電磁波シールド部材は、開口部に異物が確認された場合もメッシュ形成後に活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を剥離するため、異物が残存しないので廃棄は0枚であった。
以上の(A)と(B)による廃棄枚数の合計から、製造した電磁波シールド部材100枚に対する歩留まり率を計算した。
2:粘着剤層
3:電磁波シールド層
Claims (3)
- 下記の(1)〜(8)を任意の順序で行い、電磁波シールドメッシュの全面を黒化処理することを特徴とする電磁波シールド性光透過部材の製造方法。
(1)金属箔と、基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤を介して貼付すること、
(2)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成すること、
(3)前記金属箔または前記金属メッシュを黒化処理すること、
(4)活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤および金属メッシュを含有してなる積層体の金属メッシュ面と、剥離フィルムとを、粘着剤を介して貼り付けること、
(5)前記基材フィルムを前記金属メッシュから剥離すること、
(6)活性エネルギー線照射を少なくとも(4)〜(5)の間で、1回行うこと
(7a)前記基材フィルムを前記金属メッシュから剥離した剥離面と、新たな剥離フィルムとを、粘着剤を介して貼り付つけること、及び
(8)露出したメッシュを粘着剤中へ埋め込むこと - 下記の(1)〜(8)を任意の順序で行い、電磁波シールドメッシュの全面を黒化処理することを特徴とする電磁波シールド性光透過部材の製造方法。
(1)金属箔と、基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤を介して貼付すること、
(2)活性エネルギー線照射を少なくとも1回行うこと
(3)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成すること、
(4)前記金属箔または前記金属メッシュを黒化処理すること、
(5)活性エネルギー線粘着力消失型感圧性接着剤および金属メッシュを含有してなる積層体の金属メッシュ面と、剥離フィルムとを、粘着剤を介して貼り付けること、
(6)前記基材フィルムを前記金属箔または前記金属メッシュから剥離すること、
(7b)前記基材フィルムを前記金属メッシュから剥離した剥離面と、新たな剥離フィルムとを、粘着剤を介して貼り付けること、及び
(8)露出したメッシュを粘着剤中へ埋め込むこと - 前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成すること、を2回以上行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波シールド性光透過部材の製造方法。
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