JP5028809B2 - 電磁波シールド材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
各種ディスプレイの前面から発生する電磁波を遮蔽するためには、電磁波シールド性と透明性とを併せ持つ電磁波遮蔽構成体を各種ディスプレイに取り付け、該電磁波遮蔽構成体を接地のための外部電極と接続することが行われている。
この課題を克服する為に、特許第3480898号公報において、粗化された金属の凹凸面が転写した接着剤層を透明化したディスプレイ用電磁波シールド性フィルム、具体的には粗化された金属の凹凸面が転写した接着剤層の上に、加熱又は加圧により接着した透明層を設け、接着剤層の凹凸面を濡らすことにより透明化を図ったものが提案されている。
さらに、電磁波シールド層の幾何学図形(以下メッシュとする)は金属層をエッチングすることで形成されるため、接着剤層を介して金属層を接着しているプラスチックフィルムは、エッチング液等の各種薬液に曝され、かつ製造ラインを通過することで送りロール等の様々なロールを通過する。
また、ディスプレイとしてのコントラストを高めるために金属層表面は黒化処理されている。黒化処理とはプリント配線板分野で一般的に行われている方法をいう。黒化処理によって金属層表面に酸化膜を形成するが、同時に微細な針状結晶も生成する。その針状結晶が電磁波シールド層の被エッチング部(メッシュ部以外の金属層の開口部)へ付着すると、ディスプレイの欠陥になり歩留まりが低下する。
先のプラスチックフィルムの傷つきによる欠陥及び針状結晶等の異物付着による歩留まり低下が発生すると経済性も劣ることとなる。
さらには、従来の粘接着剤では、メッシュ作成工程中にメッシュが剥がれ落ちると言う不具合を発生させてしまう。
剥離性基材の剥離性を有する面にポリマー数平均分子量が20万以上200万以下、ガラス転移点(Tg)が40℃以下、水酸基価が500KOHmg/g以下である樹脂を含む粘着剤又は接着剤を設ける工程、
該粘着剤又は接着剤上に金属薄膜を設ける工程、
該金属薄膜をエッチング法によりメッシュ状のパターンを形成する工程、
別の剥離性基材を該メッシュ状のパターン上にあて、加熱加圧しながら、前記メッシュ状のパターン側に前記粘着剤又は接着剤を染み出させて、貼り合わせる工程、
を有することを特徴とする電磁波シールド材の製造方法である。
本発明の剥離性基材は、剥離性、可とう性を有するものであれば特に限定はないが、プラスチックフィルムを用いたものであることが好ましい。例えば、プラスチックフィルム上にシリコンやフッ素等によって公知の剥離処理を施したフィルムをいう。剥離処理を施したことにより、剥離フィルムを基材などに貼付した場合でも、任意の方法で簡便に引き剥がすことが可能となる。剥離フィルムは単なる透明プラスチックフィルム等と区別して用いられる。市販されている剥離フィルムを用いることもできる。例えば、東洋紡製E7002、パナック社製再剥離フィルムNTなどである。
さらにガラス転移点が10℃以下であると良好な粘着性を付与することができる。また、粘着力と凝集力のバランスの面から重量平均分子量は20万〜200万が好ましく、更に40〜150万が好ましい。
また、メッシュ作成工程での耐性および金属との密着の点から水酸基価が500KOHmg/mg以下であること、特に300KOHmg/g以下が好ましい。
分子量、水酸基価がこの範囲内であることにより、耐アルカリ性、耐酸性などの耐性を備え、後述する金属薄膜のエッチング処理時や金属薄膜の黒化処理時に劣化しないものとなる。
他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエトチル等を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルトルエン等を挙げることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型粘着剤とは、アクリル系ポリマー、活性エネルギー線反応性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤及びその他添加剤から構成される。
活性エネルギー線硬化型粘着剤は一般的な粘着剤と違い硬化剤を含まない、あるいは硬化剤を含むときは極少量であるため、粘着剤の流動性が非常に高く、メッシュの埋め込みが容易である。さらにメッシュを転写シートへ埋め込み後に活性エネルギー線を照射して硬化を行うため、均一な粘着層が生成して比較的高い粘着力が発現する。
また、アクリル系ポリマーのガラス転移点は−60℃〜40℃であることが好ましく、更に−50〜10℃が好ましい。−60℃未満のときは凝集力が不足し、40℃を超えるときは粘着性が不足が生じる恐れがある。
アクリル系ポリマー合成に用いるモノマーを以下に挙げるがそれらには限定されず公知のモノマーを使用できる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエトチル等を挙げることができる。
反応性官能基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリルアミド、グリシジルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルトルエン等を挙げることができる。
上記モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のモノマーを挙げることができるが特に限定はしない。
粘性や架橋密度等を調整するために、分子内に1個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するモノマーを含んでも良い。
上記オリゴマーとしては、公知のウレタンアクリレートオリゴマーを用いることができるが、特に限定はしない。粘着剤として使用された際の経時黄変を防ぐために、原料としてトリレンジイソシアネートを含まない無黄変型のウレタンアクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。
また、電磁波シールド層は1対の剥離性基材の法線方向において、粘着剤又は接着剤に完全に埋没していることが好ましい。実際に剥離して使用する際に別に粘着剤等を用いずとも簡単に対象物に貼り合わせることができるからである。
また、1対の剥離性基材の平行方向に電磁波シールド層の一部が粘着剤から露出している場合が好ましい。このようにすることで、簡単にアースを取ることができるからである。
本発明での粘着材は、金属箔をエッチングする際等の工程耐性を有するもので、分子量50万以上で反応性モノマーの混合や耐水性への配慮から水酸基価等も制御している。
また、必要に応じて、UVのような電離放射線反応性樹脂の混合も可能である。
紫外線吸収剤としては、無機系あるいは有機系のいずれも使用できるが、有機系の紫外線吸収剤が実用的である。有機系の紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よく吸収ものであり、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、オギザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、数種類組み合わせて用いることがより好ましい。また、上記紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤、あるいは酸化防止剤をブレンドすることで安定化が向上できる。
帯電防止剤としては、五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属化合物や、アンチモン含有複合酸化物やIn−Sn複合酸化物、リン系化合物などの複合金属化合物、第四級アンモニウム塩、アミンオサイド等のアミン誘導体、ポリアニリン等の導電性ポリマーなどを用いることができる。
これらの添加剤は、樹脂がペレット形状の状態または溶融状態にある段階で加えればよい。
但し、電離放射線硬化型の樹脂の場合、場合によっては開始剤が必要な場合もあり、その場合は紫外線吸収剤の使用には、その配合に注意が必要である。場合によっては硬化しない場合もあるためである。
参考例として、この積層体の電磁波シールド層側に、別に粘着剤または接着剤を剥離性を有する面に設けた剥離性基材の粘着剤または接着剤面を対向させ貼り合わせることで、電磁波シールド材を得ることができる。この時、最初にメッシュ状のパターン形状を有する電磁波シールド層を形成する、1枚目の剥離性基材に最初に設ける粘着剤又は接着剤は、ポリマー重量平均分子量が20万以上200万以下、ガラス転移点(Tg)が40℃以下、水酸基価が500KOHmg/g以下である樹脂を含むことが必要であるが、後から貼り合わせる2枚目の剥離性基材に設ける粘着剤又は接着剤は必ずしも前記特性を有していなくても良い。
また、前記積層体に、別の粘着剤または接着剤を有さない剥離性基材の剥離性を有する面を対向させ、加熱、加圧しながら貼り合わせることで、本発明の電磁波シールド材を得ることができる。
具体的には、剥離性基材の剥離性を有する面上に金属薄膜を設け、この金属薄膜をパターンエッチングすることにより形成することができる。
また、エッチング後の透明性を重視すると金属薄膜の塗工面は、出来る限り、光沢面(表面粗さが低い)方が好ましい。但し、接着の観点では、塗工面が粗面である方が、投錨効果で密着が良くなる場合もあり、透明性と密着性を加味し、適宜選択するとよい。
金属薄膜の厚みは、0.5〜40μmの範囲内であることが好ましい。40μmを越えると、細かいラインの形成が困難になったり、視野角が狭くなる。また、厚さ0.5μm未満では表面抵抗が大きくなり、電磁波遮蔽効果が劣る傾向にある。電磁波遮蔽性の観点から、1〜20μmが更に好ましい。
黒化処理を行うと、ディスプレイのコントラストを向上させることができる。
エッチングレジストパターンの形成に利用されるマイクロリソグラフ法としては、フォトリソグラフ法、X線リソグラフ法、電子線リソグラフ法、イオンビームリソグラフ法などがある。これらの中でも、その簡便性、量産性の点からフォトリソグラフ法が最も効率がよい。なかでもケミカルエッチングを用いたフォトリソグラフ法は、その簡便性、経済性、金属メッシュ加工精度などの点から最も好ましい。
フォトリソグラフ法には、ネガ型、ポジ型のいずれのエッチングレジストも使用することができる。エッチングレジストインキは、硬化物が金属のエッチング処理に対して、耐性を有するものであればよく、一般的に知られている、フォトレジスト組成物、感光性樹脂組成物、熱硬化樹脂組成物がある。
黒化処理は、例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/リットル)、水酸化ナトリウム(15g/リットル)、燐酸三ナトリウム(12g/リットル)の水溶液中、80℃で2分間処理することにより、行うことができる。
対象物としては、プラズマディスプレイなどの各種ディスプレイの前面に直接貼りあわせて用いることができる。また、アクリル板、ガラス板などに貼り合せて、さらにディスプレイの前面などに貼り合せて用いることができる。また直接窓ガラスなどに貼り合せて用いても良い。
機能層としては、導電性、反射防止性、反射低減性、ハードコート性、防眩性、防汚機能、近赤外線吸収機能、紫外線吸収機能、Neカット機能、色補正機能、放熱機能、耐衝撃緩衝機能、ガラス飛散防止機能のいずれか1つ以上の機能を有する層である。
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサントリオール、トリメリロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸とエチレングリコールとの縮重合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基をもつ(メタ)アクリレート類としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリテート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類としては、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。
塗工法としては、バーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の方法を用いることができる。
活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線あるいは、通常20〜2000KeVの電子線加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。このようにして形成される傷つき防止層は、通常1〜50μm、好ましくは3〜20μmの厚みとする。
また熱硬化性の材料を用いている場合は、過熱工程により硬化させることができる。
例えば、支持体の片面または両面に薄膜の低屈折率層、または屈折率の異なる多層薄膜を形成し薄膜の表面反射光と界面における屈折反射光との光の干渉により反射率を低減する方法等が一般的である。
中屈折率層としては、Al2O3(屈折率:約1.65)、MgO(屈折率:約1.63)などの金属化合物やAl−Zr複合酸化物(屈折率:約1.7〜1.85)などの複合金属化合物を用いることができる。
高屈折率層としては、TiO2(屈折率:約2.3)、ZrO2(屈折率:約2.05)、Nb2O5(屈折率:約2.25)、Ta2O5(屈折率:約2.15)、CeO(屈折率:約2.15)などの金属化合物やIn−Sn複合酸化物(屈折率:約1.7〜1.85)などの複合金属化合物を用いることができる。
特に低屈折率層として、MgF2、SiO2等の低屈折微粒子を紫外線および電子線硬化型樹脂や珪素アルコキシド系のマトリックスに分散させたものを用いることができる。低屈折微粒子は多孔質であると屈折率がより低くなり好ましい。
低屈折率層は、前記低屈折微粒子を含むマトリックスにより形成する場合、低屈折微粒子を含むマトリックスを、膜厚が0.01〜1μmになるように塗工し、必要に応じて、乾燥処理、紫外線照射処理、電子線照射処理を行うことで形成できる。
塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法を用いることができる。
例えば樹脂バインダーと微粒子を含む層からなるものなどが挙げられる。
粒子としては、二酸化ケイ素、アクリル、ウレタン、メラミン等の粒径0.1〜10μm程度の微粒子を用いることができる。
樹脂バインダーとしては、アクリル系などの樹脂を用いることができる。
形成方法は樹脂、粒子、溶剤などを含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法を用いることができる。
また、樹脂バインダーにエンボス加工を施すものなどでも良い。
また、これらの粒子を前記ハードコート層に混入したり、前記ハードコート層の表面にエンボス加工しても構わない。
樹脂バインダーとしては、アクリル系のバインダーを公的に用いることができる。シリカバインダーとしては、RxSi(OR)yで表される珪素アルコキシド、有機珪素アルコキシドを加水分解して得られるものを用いることができる。
導電性の帯電防止剤としては、五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属化合物や、アンチモン含有複合酸化物やIn−Sn複合酸化物、リン系化合物などの複合金属化合物、第四級アンモニウム塩、アミンオサイド等のアミン誘導体、ポリアニリン等の導電性ポリマーなどを用いることができる。
形成方法は樹脂、これらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
なお、これらの帯電防止材料を前記ハードコート層や、防眩層に混入して用いても構わない。
また、これらの材料を最表面の他の機能層に混入しても構わない。例えば、反射防止層や防眩層のバインダーに混入することにより、防汚機能を持たせても良い。
近赤外線吸収層としては、例えば、樹脂バインダに近赤外線吸収性の色素又は顔料を混入させたものや、In−Sn複合酸化物などの近赤外線吸収性薄膜を用いることができる。
このような近赤外線吸収剤としては、ジイモニウム系、フタロシアニン系、ジチオール金属錯体系、シアニン系、金属錯体系、金属微粉、金属酸化物微粉が挙げられ、樹脂も含めた組み合わせは自在であるが、拮抗作用、相乗作用を見極めて、適宜使用するとよい。
前記の式(1)で表わされるジイモニウム系化合物は、近赤外域の遮断が大きく、遮断域も広く、可視域の透過率も高い。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素が、アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−シアノプロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基などが、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが、アリール基としてはフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、トリル基、ジエチルアミノフェニル、ナフチル基などが、アラルキル基としては、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、p−クロロフェニル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基などが、アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げられる。
X−は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、下記式(2)で表わされるテトラフェニルホウ酸イオン(環Cは置換基を有していても良い)、または下記式(3)で表わされるスルホンイミド(R13及びR14はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、それぞれフルオロアルキル基を示すかそれらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基)などが挙げられる。ただし、本発明では上記で挙げたものに限定されるものではない。これらの一部は市販品として入手可能であり、例えば日本化薬社製KayasorbIRG−068、日本カーリット社製CIR−RL等を好適に用いることができる。
また、市販品として、みどり化学社製MIR‐101等が好適に用いることができる。上記近赤外線遮断剤は一例であり、これらに限定されるものではない。
形成方法はこれらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
また、近赤外線吸収剤を前記ハードコート層、防眩層、帯電防止層などに混入して用いても構わない。
樹脂バインダーとしては、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリスチレン系、シクロオレフィン系、ポリアリレート系、ポリサルホン系などを使用できる。
紫外線吸収剤としては、無機系あるいは有機系のいずれも使用できるが、有機系の紫外線吸収剤が実用的である。有機系の紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よく吸収ものであり、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、オギザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、数種類組み合わせて用いることがより好ましい。また、上記紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤、あるいは酸化防止剤をブレンドすることで安定化が向上できる。また、紫外線吸収剤を含有する(練り込み等)プラスチックフィルムを基材として使用することで、紫外線吸収剤層の代替とすることもできる。
形成方法はこれらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
また、紫外線吸収剤を前記ハードコート層、防眩層、帯電防止層などに混入して用いても構わない。また、近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を両方混入させても良い。
樹脂バインダーとしては、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリスチレン系、シクロオレフィン系、ポリアリレート系、ポリサルホン系などを使用できる。
色補正用色素としては、用途によって様々なものを用いることができるが、シアニン(ポリメチン)系、キノン系、アゾ系、インジゴ系、ポリエン系、スピロ系、ポルフィリン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、シアニン系等の色素が挙げられるがこれに限られたものではない。また、プラズマディスプレイにおける、ネオン等からでる波長580〜610nmのオレンジ光をカットする目的であれば、シアニン系、ポルフィリン系、ピロメテン系などを用いることができる。
形成方法はこれらの材料を含む塗液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダー法、キャスト法を用いることができる。
また、色補正用色素を前記ハードコート層、防眩層、帯電防止層などに混入して用いても構わない。また、近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を両方混入させても良い。
NDフィルター層としては、透過率は一般に40〜80%になるような層であれば何でも良く、公知の材料を公知の手法を用いて形成できる。
プラズマディスプレイ、CRT、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような蛍光体を用いる表示装置では、塗布した蛍光体に電子線や紫外線を照射して、蛍光体を発光させ、蛍光面を透過あるいは反射した光により表示を行う。蛍光体は一般に白色で反射率が高いため、蛍光面での外部光の反射が多い。そのため、外部光の写り込みによる表示コントラストの低下問題は、蛍光体を用いる表示装置において、問題になるが、NDフィルター層を設けることで低減できる。
これを適度な粘度に適宜合わせ、ダイコート法により乾燥膜厚30μmとなるよう塗布乾燥させ、高光沢の電解銅箔をラミネートし養生した。
この様にして得た銅箔付き樹脂フィルムに対し、ドライフィルムレジスト(サンフォートAQ1558:旭化成エレクトロニクス社製)を100℃の熱ロールを使用してラミネートし、さらに幾何学図形のパターンをUV露光機を用い約50mJ/cm2露光、3%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。さらに、液温50℃、比重1.50の塩化第ニ鉄溶液を用い、銅箔のエッチングを行い、幾何学図形を得た。その後、5%苛性ソーダ水溶液で硬化レジストを剥離し、水洗した。その後、表面の銅部を黒色化するため、酸化剤含有の水溶液にて、銅格子部の黒化処理を行った。その後、上記で使用した表面処理されたフィルム(50μm厚)をメッシュ側に充てて、ラミネート機にて、温度80℃、圧力10MPa、速度5m/minにて、加熱加圧処理を施し、30μ厚の粘着材でメッシュ開口部を包埋し、メッシュ側に粘着材を染み出させて電磁波遮蔽材を作製した。
これを適度な粘度に適宜合わせ、ダイコート法により乾燥膜厚15μmとなるよう塗布乾燥させ、高光沢の電解銅箔をラミネートし養生した。
この様にして得た銅箔付き樹脂フィルムに対し、ドライフィルムレジスト(サンフォートAQ1558:旭化成エレクトロニクス社製)を100℃の熱ロールを使用してラミネートし、さらに幾何学図形のパターンをUV露光機を用い約50mJ/cm2露光、3%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。さらに、液温50℃、比重1.50の塩化第ニ鉄溶液を用い、銅箔のエッチングを行い、幾何学図形を得た。その後、5%苛性ソーダ水溶液で硬化レジストを剥離し、水洗した。その後、表面の銅部を黒色化するため、酸化剤含有の水溶液にて、銅格子部の黒化処理を行った。その後、上記で使用した表面処理されたフィルム(50μm厚)に上記同粘着剤が15μm厚塗布された部材を用い、当該フィルムをメッシュ側に充てて、ラミネート機にて、温度80℃、圧力10MPa、速度5m/minにて、加熱加圧処理を施し、合計30μ厚の粘着材でメッシュ開口部を包埋し、メッシュ側に粘着材を染み出させて電磁波遮蔽材を作製した。
なお、実施例2は参考例である。
厚み75μm厚の表面をシリコーン処理されたのポリエステルフィルムに対し、アクリル酸ブチル85重量部、アクリル酸メチル15重量部、アクリル酸4重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル4重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.03重量部、アセトン190部、トルエン110重量部からなる原料用いて、窒素雰囲気下で加熱還流して反応させて、重量平均分子量110万、ガラス転移点25、水酸基価700の反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分25重量%)を得た。合成した反応性官能基を有する弾性重合体溶液100重量部に、トリレンジイソシアネートのアダクト体(住化バイエルウレタン製硬化剤「スミジュールL−75」)0.7重量部を配合し粘着剤を得た。
この様にして得た銅箔付き樹脂フィルムに対し、ドライフィルムレジスト(サンフォートAQ1558:旭化成エレクトロニクス社製)を100℃の熱ロールを使用してラミネートし、さらに幾何学図形のパターンをUV露光機を用い約50mJ/cm2露光、3%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。さらに、液温50℃、比重1.50の塩化第ニ鉄溶液を用い、銅箔のエッチングを行い、幾何学図形を得た。その後、5%苛性ソーダ水溶液で硬化レジストを剥離し、水洗した。その後、表面の銅部を黒色化するため、酸化剤含有の水溶液にて、銅格子部の黒化処理を行った。その後、上記で使用した光学用ポリエステルフィルム(50μm厚)をメッシュ側に充てて、ラミネート機にて、温度80℃、圧力10MPa、速度5m/minにて、加熱加圧処理を施し、30μ厚の粘着材でメッシュ開口部を包埋し、メッシュ側に粘着材を染み出させて電磁波遮蔽材を作製した。
厚み75μの易接着処理済みの光学用ポリエステルフィルムの面に対し、アクリル酸ブチル85重量部、アクリル酸メチル15重量部、アクリル酸4重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.7重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.03重量部、アセトン190部、トルエン110重量部からなる原料用いて、窒素雰囲気下で加熱還流して反応させて、重量平均分子量110万、ガラス転移点25、水酸基価300の反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分25重量%)を得た。合成した反応性官能基を有する弾性重合体溶液100重量部に、トリレンジイソシアネートのアダクト体(住化バイエルウレタン製硬化剤「スミジュールL−75」)0.7重量部を配合し粘着剤を得た。
それをダイコート法により乾燥膜厚30μmとなるよう塗布乾燥させ、高光沢の電解銅箔をラミネートし養生した。
この様にして得た銅箔付き樹脂フィルムに対し、ドライフィルムレジスト(サンフォートAQ1558:旭化成エレクトロニクス社製)を100℃の熱ロールを使用してラミネートし、さらに幾何学図形のパターンをUV露光機を用い約50mJ/cm2露光、3%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。さらに、液温50℃、比重1.50の塩化第ニ鉄溶液を用い、銅箔のエッチングを行い、幾何学図形を得た。その後、5%苛性ソーダ水溶液で硬化レジストを剥離し、水洗した。その後、表面の銅部を黒色化するため、酸化剤含有の水溶液にて、銅格子部の黒化処理を行った。その後、上記で使用した光学用ポリエステルフィルム(50μm厚)をメッシュ側に充てて、ラミネート機にて、温度80℃、圧力10MPa、速度5m/minにて、加熱加圧処理を施し、30μ厚の粘着材でメッシュ開口部を包埋し、メッシュ側に粘着材を染み出させて電磁波遮蔽材を作製した。
厚み75μの表面コロナ処理された非光学用ポリエステルフィルムに対しの、アクリル酸ブチル85重量部、アクリル酸メチル15重量部、アクリル酸4重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.7重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.03重量部、アセトン190部、トルエン110重量部からなる原料用いて、窒素雰囲気下で加熱還流して反応させて、重量平均分子量110万、ガラス転移点25、水酸基価300の反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液(不揮発分25重量%)を得た。合成した反応性官能基を有する弾性重合体溶液100重量部に、トリレンジイソシアネートのアダクト体(住化バイエルウレタン製硬化剤「スミジュールL−75」)0.7重量部を配合し粘着剤を得た。
それをダイコート法により乾燥膜厚30μmとなるよう塗布乾燥させ、高光沢の電解銅箔をラミネートし養生した。
この様にして得た銅箔付き樹脂フィルムに対し、ドライフィルムレジスト(サンフォートAQ1558:旭化成エレクトロニクス社製)を100℃の熱ロールを使用してラミネートし、さらに幾何学図形のパターンをUV露光機を用い約50mJ/cm2露光、3%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。さらに、液温50℃、比重1.50の塩化第ニ鉄溶液を用い、銅箔のエッチングを行い、幾何学図形を得た。その後、5%苛性ソーダ水溶液で硬化レジストを剥離し、水洗した。その後、表面の銅部を黒色化するため、酸化剤含有の水溶液にて、銅格子部の黒化処理を行った。その後、上記で使用した非光学用のポリエステルフィルム(50μ厚)をメッシュ側に充てて、ラミネート機にて、温度80℃、圧力10MPa、速度5m/minにて、加熱加圧処理を施し、30μ厚の粘着材でメッシュ開口部を包埋し、メッシュ側に粘着材を染み出させて電磁波遮蔽材を作製した。
厚み75μの光学用ポリエステルフィルムに対しの、接着剤(AD76−P1(主剤)/CAT85(硬化剤))=100部/10部:東洋モートン(株)製)を適度な粘度に適宜合わせ、ダイコート法により乾燥膜厚30μmとなるよう塗布乾燥させ、高光沢の電解銅箔をラミネートし養生した。
この様にして得た銅箔付き樹脂フィルムに対し、ドライフィルムレジスト(サンフォートAQ1558:旭化成エレクトロニクス社製)を100℃の熱ロールを使用してラミネートし、さらに幾何学図形のパターンをUV露光機を用い約50mJ/cm2露光、3%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。さらに、液温50℃、比重1.50の塩化第ニ鉄溶液を用い、銅箔のエッチングを行い、幾何学図形を得た。その後、5%苛性ソーダ水溶液で硬化レジストを剥離し、水洗した。その後、表面の銅部を黒色化するため、酸化剤含有の水溶液にて、銅格子部の黒化処理を行った。その後、上記で使用した光学用のポリエステルフィルム(50μ厚)をメッシュ側に充てて、ラミネート機にて、温度80℃、圧力10MPa、速度5m/minにて、加熱加圧処理を施し、30μ厚の粘着材でメッシュ開口部を包埋し、メッシュ側に粘着材を染み出させて電磁波遮蔽材を作製した。
(1)層数:メッシュ状金属層、接着剤層、基材層等の層の数を比較した。(剥離できるフィルムは剥離しての層数)
(2)全光線透過率:濁度計(日本電飾工業(株)製)を用い、作製した電磁波遮蔽材を測定した。(剥離できるフィルムは剥離した状態で測定)
(3)Haze:濁度計(日本電飾工業(株)製)を用い、作製した電磁波遮蔽材を作した。(フィルムを剥離しない状態で測定)
(4)剥離フィルムの剥離性:剥離フィルムと粘着材との剥離強度を引っ張り試験機で測定した。(剥離速度:300mm/min、剥離角度:180°、25mm幅)
(5)メッシュ工程耐性:エッチングおよびレジスト剥膜、黒化処理等のメッシュ作成工程で、メッシュの浮きが生じるか否か目視判断した。(×:浮き発生、○:浮きなし)
なお、前述のとおり実施例2は参考例である。
2 粘着または接着剤
3 メッシュ状パターン形状の電磁波シールド層
Claims (2)
- 1対の剥離性基材間に、粘着剤又は接着剤と、電磁波シールド層を有してなる電磁波シールド材の製造方法であって、
剥離性基材の剥離性を有する面にポリマー数平均分子量が20万以上200万以下、ガラス転移点(Tg)が40℃以下、水酸基価が500KOHmg/g以下である樹脂を含む粘着剤又は接着剤を設ける工程、
該粘着剤又は接着剤上に金属薄膜を設ける工程、
該金属薄膜をエッチング法によりメッシュ状のパターンを形成する工程、
別の剥離性基材を該メッシュ状のパターン上にあて、加熱加圧しながら、前記メッシュ状のパターン側に前記粘着剤又は接着剤を染み出させて、貼り合わせる工程、
を有することを特徴とする電磁波シールド材の製造方法。 - 前記メッシュ状のパターンに形成された金属薄膜よりなる電磁波シールド層が、前記1対の剥離性基材の法線方向において、粘着剤又は接着剤に完全に埋没していることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
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