JP2011091090A - 電磁波シールド性透明積層体 - Google Patents

電磁波シールド性透明積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 エッチングプロセス工程を経て得られる電磁波シールド性透明積層体において、エッチング液に起因する接着剤層の変色のない電磁波シールド性透明積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】 接着剤層を介して導電性金属箔を透明プラスチックフィルムに貼り合わせてなる積層体の導電性金属箔を、ケミカルエッチングすることにより導電性金属箔の幾何学図形を形成した電磁波シールド性積層体において、接着剤層の吸水率が0.7%以下であることを特徴とした電磁波シールド性透明積層体。
接着剤層のTgが40℃以上であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電磁波シールド性透明積層体に関する。更に詳しくは、フォトリソエッチング法におけるケミカルエッチングプロセス工程を経て得られる電磁波シールド性透明積層体であって変色のない電磁波シールド性透明積層体に関する。
近年のプラズマディスプレイパネル(以下PDPと略す)は、大型化、高解像度化、ハイコントラスト化等の改良がモデル変更毎に実施されている。一方で、PDPはその発光原理から電磁波を放射するという欠点がある。この電磁波は、周辺の電磁機器へのノイズ混入の原因となる。欧米では、既に法規制がなされている。また日本では、欧米の法規制をもとにメーカーが自主規制を行っている。
これらの電磁波の遮蔽方法としては、機器筐体そのものを金属体にする、高導電体にしたり、回路基板と回路基板の間に金属板を挿入する、そしてケーブルに金属箔巻付ける等の方法がある。
一方、ディスプレイ前面から放射される電磁波は、透明性を低下させる事なく遮蔽する必要がある。この両者を高次に実現する手段としては、種々の方法が提案されているが、透明プラスチックフィルムと導電性金属箔の間に接着剤を介して接着し、導電材料にケミカルエッチングプロセスにより幾何学図形(単純には網目形状)を形成させたシールドフィルムをディスプレイ前面に配する方法が最も良い特性が得られる事が分かっている。この製造方法及び材料は、フレキシブル印刷配線板の製造法に準じたものであり、設備・手法としてはほぼ確立された工法である。
しかしながら、PDP用途に用いる電磁波シールドフィルムは、汎用のフレキシブルプリント基板を含む配線板と比べるとサイズが非常に大きいばかりでなく、光透過性の確保と表示品質を確保するために、高透明な材料を用いなければならない。また、電磁波シールド層のパターン加工には、非常に微細な細線を欠陥無く全面に形成する必要があり、この製造工程において歩留向上の障害となっており、価格低減の隘路となっている。また当然画像の歪みは発生してはならず、この目的のため、電磁波シールド層にも高い平坦性が要求される。
これに対応するために、特許文献1又は特許文献2に記載されるように、導電性金属箔上または透明プラスチックフィルム上のいずれかに活性化エネルギー線硬化型樹脂を塗布した後、もう一方をラミネート法により貼り合わせた3層構造を形成し、その直後、紫外線を照射する事により樹脂を硬化させて連続的に基材を作製する工法が提案された。しかしながらこの工法では、活性化エネルギー線硬化型樹脂を接着剤とするため、設計できる組成(樹脂種、骨格、官能基、分子量等)に制限があり、導電性金属箔あるいは透明プラスチックフィルムの異なる材料に対する接着性や光学特性等の全ての特性を両立する事が困難である。中でも、製造工程として、導電性金属箔に幾何学図形を形成するケミカルエッチングプロセス終了後において、高温度のエッチング液によって接着剤表面が変色してしまうという問題があった。
特開2005−191443号公報 特開2006−319246号公報
本発明は、かかる点に鑑み、エッチングプロセス工程を経て得られる電磁波シールド性透明積層体において、エッチング液に起因する接着剤層の変色のない電磁波シールド性透明積層体を提供することを目的とする。
本発明は、次にものに関する。
1. 接着剤層を介して導電性金属箔を透明プラスチックフィルムに貼り合わせた積層体の導電性金属箔をケミカルエッチングすることにより導電性金属箔の幾何学図形を形成してなる電磁波シールド性積層体において、接着剤層の吸水率が0.7%以下であることを特徴とした電磁波シールド性透明積層体。
2. 接着剤層のTgが40℃以上である請求項1に記載の電磁波シールド性透明積層体。
3. 接着剤層がウレタンアクリレートを含む活性化エネルギー線硬化型樹脂の硬化物である請求項1又は2のいずれかに記載の電磁波シールド性透明積層体。
本発明に係る電磁波シールド性透明積層体は、着色のない透明性に優れたものである。特に、エッチング工程を経て得られたものであってもエッチング液に起因する着色がない。本発明に係る電磁波シールド性透明積層体は、特に、PDP用に適している。
本発明に係る電磁波シールド性透明積層体は、ケミカルエッチングにより導電性金属箔の幾何学図形を形成するプロセスを含んだ製造工程を経て得られるものである。
そのため、電磁波シールド性透明積層体に使用する接着剤層の吸水率は0.7%以下である。接着剤層(硬化物)の吸水率が高い場合、ケミカルエッチングプロセスにて使用するエッチング液と親和するため、その液中の金属元素の色が付着してしまうからである。また、接着剤層(硬化物)のガラス転移点(以下、Tgと略す)は、40℃以上が好ましい。接着剤層のTgが低いと、ケミカルエッチングプロセスで用いられる高温度処理液によって軟化し、その液の色が付着する恐れがあるからである。一般的なケミカルエッチングプロセスでの処理液温度は40℃程度であり、硬化後の接着剤層のTgとしては、40℃程度あれば着色が起きる恐れがない。また、工程でのエッチング液温度を下げることによって、接着剤層の軟化が抑制され、色は付着しにくくなるが、エッチング工程の速度も伴って下げる必要が生じるので、生産性が劣ってしまう。
本発明の電磁波シールド性透明積層体に使用する接着剤としては、活性化エネルギー線硬化型樹脂が好ましく使用される。この樹脂の硬化系としては、ラジカル重合系、カチオン重合系などがある。紫外線硬化型樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等をベースとし、各々にラジカル重合性あるいはカチオン重合性官能基を付与させた材料が例示できる。ラジカル重合性官能基として、アクリル基(アクリロイル基)、メタクリル基(メタクリロイル基)、ビニル基、アリル基などの炭素−炭素二重結合があり、反応性の良好なアクリル基(アクリロイル基)が好適に用いられる。カチオン重合性官能基としては、エポキシ基(グリシジルエーテル、グリシジルアミン基)が代表的であり、高反応性の脂環エポキシ基が好適に用いられる。具体的な材料としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、エポキシ変性ポリブタジエン、エポキシ変性ポリエステル、等が挙げられる。
各材料をさらに詳細に説明すると、次の通りである。なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートの意味である。また、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタンアクリレート又はウレタンメタクリレートを意味する。
(1)ウレタン(メタ)アクリレート
多価イソシアネート化合物又はイソシアネート基を有するポリウレタンと水酸基を有する(メタ)アクリレート又はアクリル酸、メタクリル酸若しくはカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得ることができる。
多価イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、水素添加されたトリレンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等のジイソシアネート、さらには上記したジイソシアネートの重合体、又は、ジイソシアネートの尿素変性体、ビュレット変性体等がある。
上記ポリウレタンは、多価アルコール化合物と上記のような多価イソシアネート化合物とを多価イソシアネート化合物過剰で反応させて得られ、通常、両末端にイソシアネート基を有する。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリ1,2−ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール・ブロックコポリマー、エチレングリコール−テトラメチレングリコールコポリマー、メチルペンタンジオール変性ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール変性ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加体、水添ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加体等がある。
上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロシキアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、2−ヒドロキエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、エチレングリコール−プロピレングリコール・ブロックコポリマーモノアクリレート、エチレングリコール−テトラメチレングリコールコポリマーモノアクリレート、カプロラクトン変性モノアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル酸誘導体、2−ヒドロキエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコール−プロピレングリコール・ブロックコポリマーモノメタクリレート、エチレングリコール−テトラメチレングリコールコポリマーモノメタクリレート、カプロラクトン変性モノメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等のメタクリル酸誘導体等がある。
また、上記と同様のポリウレタンであるが、多価アルコール過剰で反応させて得られる末端に水酸基を有するポリウレタンを、アクリル酸、メタクリル酸若しくはカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、グリシシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートと反応させることによりを得ることもできる。
(2)エポキシ(メタ)アクリレート
エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、例えば、ポリエチレングリコール、ポリブロピレングリコール、ポリブチレングリコ−ル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテルなどの分子内にエポキシ基を2個有するエポキシ樹脂とアクリル酸、メタクリル酸若しくはカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート又は水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる。エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、ポリアルキレングリコールと、過剰なエポキシ樹脂(エポキシ基を分子内に2個有するもの)を反応させて得られる末端にエポキシ基を有する化合物にアクリル酸、メタクリル酸若しくはカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート又は水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させてもエポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが得られる。この場合も、エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(3)ポリエステル(メタ)アクリレート
末端が水酸基であるポリエステルの(メタ)アクリレート;詳しくは、ポリエステルポリオールを、飽和酸と多価アルコールを反応させて製造する。飽和酸としては、アゼライン酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸があり、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等がある。このようなポリエステルポリオールとアクリル酸、メタクリル酸若しくはカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを反応させることによりポリエステルの(メタ)アクリレートを得ることができる。両末端が水酸基であるポリエステルのジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、飽和酸と多価アルコールを反応させてポリエステルポリカルボン酸を作製し、水酸基を有する(メタ)アクリレート又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート又はグリシシジル(メタ)アクリレートを反応させることによりポリエステルの(メタ)アクリレートを得ることができる。この場合も、ポリエステルのジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(4)ポリブタジエン(メタ)アクリレート
ポリブタジエンジオールとアクリル酸、メタクリル酸若しくはカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとを反応させることにより得ることができる。ポリブタジエンジオールのジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明の電磁波シールド性透明積層体に使用する接着剤としては、ウレタン(メタ)アクリレートを含んだ樹脂系を用いることが特に好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートは、使用する原料の構造及び生成分子量や官能基濃度を制御することで、導電性金属箔あるいは透明プラスチックフィルムの異なる材料に対する接着性を発現するために必要なゴム弾性を有する塗膜や高伸度を実現するのに好ましい。また、その構造上高い凝集力と水素結合を有するため、紫外線硬化性も高く、それらの硬化塗膜は強靭で耐久性に優れるといった利点もある。
接着剤には、希釈用モノマーとして、粘度の調整等のために、適宜、アクリル酸若しくはメタアクリル酸又はこれらの誘導体〔「(メタ)アクリル酸誘導体」という〕が配合される。
(メタ)アクリル酸誘導体として、重合性不飽和結合を分子内に1個有する化合物があり、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールエチルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、トリエチレングリコールブチルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、ジプロピレングリコールメチルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、ヘキサエチレングリコールフェニルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート、前記した水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド等が挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を併用することができる。なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートの意味であり、たとえば、メチル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレート又はメチルアクリレートを意味する。
本発明でいう活性化エネルギー線とは、紫外線、α線、β線、γ線、中性子線、加速電子線のようなものをいう。紫外線の場合、波長範囲は約180〜460nmであり、適当な発生源としては、メタルハライドランプ、低圧〜超高圧の水銀ランプ、水銀アークなどがある。設備投資のコスト、安全性、管理の容易さ等を考慮すると、活性化エネルギー線の中でも紫外線硬化が最も好ましい。
また、これらに、必要に応じて光増感剤あるいは光開始剤を加えた組成物を用いる。活性化エネルギー線が紫外線である場合、紫外線照射による硬化に適した光増感剤あるいは光開始剤としては、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイン系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、ハロニウム塩等の公知の材料を使用する事ができる。
光増感剤あるいは光開始剤は、硬化性の化合物成分の全量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。
ここで、光増感剤あるいは光開始剤に、必要に応じて、過酸化物系熱重合開始剤、アゾ系熱重合開始剤等の熱重合開始剤を含有していてもよく、場合により、光増感剤あるいは光開始剤の代わりに熱重合開始剤を配合して熱硬化性樹脂としてもよい。このとき、さらに、ナフテン酸コバルトやジメチルアニリンなど分解促進剤を併用してもよい。熱重合開始剤は、硬化性の化合物成分の全量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。
本発明で使用する接着剤(未硬化物)の25℃における溶液粘度は、100〜5000mPa・sが好ましく、200〜2500mPa・sであれば更に好ましい。この粘度範囲を越えると、搬送途中での樹脂の流れ、樹脂への気泡混入等の問題が発生するため好ましくない。
接着剤層の吸水率を0.7%以下にするための調整方法としては、水酸基やカルボキシルキ等の吸水性の官能基が多くならないようにする。特に、希釈用モノマーとして、水酸基やカルボキシル基などの吸水性の基を有するものを使用しないか使用量を少なくする。また、接着剤の硬化時の架橋密度を高くするためには、前記した希釈性モノマーのように重合性二重結合が1個の化合物の使用量を少なくすることが好ましい。
接着剤層のTgを40℃以上にするための調整方法としては、接着剤の硬化時の架橋密度を高くするよう調整することが好ましい。
本発明で用いる導電性金属箔としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、金、銀、チタンなど、又はこれらの合金も使用することができる。電磁波シールド性、エッチング加工、価格などの観点から、銅が好ましい。銅箔の厚みは、6μm以上が好ましく、9〜12μmであれば更に好ましい。6μm以下になると加工の際の搬送性などのハンドリング性が劣る可能性がある。また、12μm以上となると、材料の均質性、前述のエッチング加工性などの観点から画像劣化の原因になる恐れがあるため好ましくない。
本発明に適した透明プラスチックフィルムは、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等があるが、それらは単層であっても2層以上でも良い。中でも、透明性、フィルムの平滑性、取り扱い性、価格等からポリエステルフィルム(以下、PETと略す)が最適と考えられる。ここでの透明とは、可視光線(380〜780nm)平均透過率87%以上のものを言う。また、前述の波長範囲において特定の波長における透過率が87%以下であってもかまわない。厚さは25〜250μmが好ましく、50〜150μmがより好ましい。
接着剤層を介して導電性金属箔を透明プラスチックフィルムに貼り合わせてなる積層体は、透明プラスチックフィルムと導電性金属箔のどちらか又はその両方に前記した接着剤を塗布し、貼り合わせることにより行うことができる。
接着剤の塗布は、ロールコータ、ダイコータ、グラビアコータ、ドクターブレード等を用いる方法により行うことができるが、これらに限定されるものではなく、その他の公知の方法を用いても行うことができる。
本発明の電磁波シールド性透明積層体は、導電性金属箔、接着剤層及び透明プラスチックフィルムからなる積層体の導電性金属箔をエッチングしてメッシュを形成してなる。その方法としては、エッチング精度、効率を勘案するとマイクロリソグラフ法が好ましい。この方法には、フォトリソグラフ、X線リソグラフ、電子線リソグラフ、イオンビームリソグラフ法などがある。これらの中でも、その簡便性、量産性の点からフォトリソグラフ法が最も効率が良い。メッシュの形状には限定はない。メッシュを構成する単位のピッチは100〜500μmが好ましく、150〜300μmであれば更に好ましい。また、構成単位のラインの幅は、5〜25μmが好ましく、7〜20μmであれば更に好ましい。
上述のようにして得られた導電性金属メッシュの接着剤層表面にできた凹凸を埋めることによって透明にするためと、導電性金属メッシュを保護する目的から、表面に樹脂層を形成することが好ましい。樹脂層の形成方法に限定はない。樹脂層の形成方法を例示すると、(1)透明基材あるいは透明基材に樹脂層を形成したものを、導電性金属メッシュ面に圧着する方法、(2)活性化エネルギー線で硬化可能な樹脂を、導電性金属メッシュ表面に塗布する事で凹凸を埋めて、次いで活性化エネルギー線で硬化する方法等がある。このような樹脂層の形成のために、前記した接着剤、その他の透明な接着剤等を使用することができる。
透明プラスチックフィルムとして、厚さ125μmのポリエチレンテレフタラート(東洋紡績製、A−4100、以下PETフィルムと略す)、導電性金属箔として厚さ10μmの電解銅箔(日本電解製、PBR−10A、以下銅箔と略す)を選定した。UV硬化型ウレタンアクリレート系接着剤(日立化成工業製、ヒタロイド7921−9#9(52T))をPET上に均一に塗布し、塗布面と銅箔をロールラミネートし、メタルハライドランプで1,000mJ/cmの紫外線を透明プラスチックフィルム側から照射して、接着剤を硬化させ、3層構造の基材を得た。この接着剤層(硬化物)の吸水率は0.55%、Tgは45.9℃である。接着剤層(硬化物)厚みは20μmであった。ラミネート条件は下記の通り。
ラミネート温度:25℃ ラミネート圧力:0.05MPa
ライン速度:5m/min
次に上述のとおり得られた基材の銅箔を、温度40℃、圧力0.2MPaの塩化第二鉄溶液のシャワーによりケミカルエッチングしてメッシュを得た。ケミカルエッチングの工程は以下の通りである。銅箔へのドライフィルムラミネート(ドライフィルムレジスト(日立化成工業製、HY−920)、ラミネート条件(ラミネートロール温度90℃、ラミネート圧力:0.3MPa、ラミネート速度:1.5m/min)−ガラスマスクを用いてのパターン露光(高圧水銀灯、60mJ/cm)−現像(1.0%炭酸ナトリウム水溶液)−エッチング(塩化第二鉄、塩酸水溶液)−ドライフィルムレジスト剥離(3.0%水酸化ナトリウム水溶液)−水洗−乾燥。メッシュピッチ:300μm、ライン幅10μmの銅の格子が形成した。
メッシュ面に紫外線硬化型樹脂(日立化成工業製、ヒタロイド7851)を均一に塗布後、紫外線照射(メタルハライドランプ、2000mJ/cm)により硬化させ、電磁波シールド性透明積層体を得た。
接着剤として、UV硬化型ウレタンアクリレート系接着剤(日立化成工業製、ヒタロイド7921−9#10(52T))を使用したこと以外は、実施例1と同様にして3層構造の基材、並びに電磁波シールド性透明積層体を得た。この接着剤層(硬化物)の吸水率は0.30%、Tgは55.5℃である。
接着剤として、UV硬化型ウレタンアクリレート系接着剤(日立化成工業製、ヒタロイド7921−4(6T))を使用した以外は、実施例1と同様にして3層構造の基材、並びに電磁波シールド性透明積層体を得た。この接着剤層(硬化物)の吸水率は0.65%、Tgは50.9℃である。
(比較例1)
接着剤として、UV硬化型ウレタンアクリレート系接着剤(日立化成工業製、ヒタロイド7921−2(6T))を使用したこと以外は、実施例1と同様にして3層構造の基材、並びに電磁波シールド性透明積層体を得た。この接着層(硬化物)の吸水率は0.78%、Tgは37.4℃である。
前記実施例及び比較例で得られた電磁波シールド性透明積層体の特性を表1に示す。
(試験方法)
なお、試験方法は下記のように実施した。
[接着剤層の吸水率測定]
シリコンPET(東洋紡績製、E7002、38μm)の軽剥離面側に接着剤を膜厚300μmとなるように塗布した後、シリコンPETの軽剥離面側を接着剤面にラミネートし、メタルハライドランプで1,000mJ/cmの紫外線を照射して、シリコンPET/接着剤/シリコンPETの測定用サンプルを作製した。次いで、得られたサンプルからシリコンPETを剥がして接着剤単層とし、40mm×40mm□となるようにカットした後、加熱加湿試験(80℃95%RH3時間)に投入し、所定時間処理した後のサンプルを得た。加熱加湿試験前後のサンプルの重量を測定し、吸水率を算出した。算出式は下記の通り。
A:加熱加湿試験後サンプルの重量 B:加熱加湿試験前サンプルの重量
吸水率(%) = (A−B)/B×100
[接着剤層のTgの測定]
上記と同様の方法にて厚さ20μmの接着剤層単層を作製し、5mm×40mmに切り出し、粘弾性測定装置(RSA−II、レオメトリック社製)を用いてTgを測定した。測定条件は下記の通り。
昇温速度:5℃/min 正弦波の周波数:1Hz
[エッチング液による着色]
実施例及び比較例で作製して得られた電磁波シールド性透明積層体を分光測色計(CM−508d、ミノルタ製)を用いて色調(x、y)を測定した。測定条件は下記の通り。
光源:C光源 視野角:10°
以上より、得られた結果を表1に示す。
Figure 2011091090

Claims (3)

  1. 接着剤層を介して導電性金属箔を透明プラスチックフィルムに貼り合わせた積層体の導電性金属箔をケミカルエッチングすることにより導電性金属箔の幾何学図形を形成してなる電磁波シールド性積層体において、接着剤層の吸水率が0.7%以下であることを特徴とした電磁波シールド性透明積層体。
  2. 接着剤層のTgが40℃以上である請求項1に記載の電磁波シールド性透明積層体。
  3. 接着剤層がウレタンアクリレートを含む活性化エネルギー線硬化型樹脂の硬化物である請求項1又は2のいずれかに記載の電磁波シールド性透明積層体。
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