JP2017199323A - タッチセンサー用導電シート、タッチセンサー用導電シートの製造方法、タッチセンサー、タッチパネル積層体、タッチパネル、透明絶縁層形成用組成物 - Google Patents

タッチセンサー用導電シート、タッチセンサー用導電シートの製造方法、タッチセンサー、タッチパネル積層体、タッチパネル、透明絶縁層形成用組成物 Download PDF

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晃 一木
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正樹 蜂谷
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悠輝 西島
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Abstract

【課題】タッチパネル等の作製時に用いられる粘着シートとの密着性に優れつつ、レベリング性にも優れた透明絶縁層を所定位置に有するタッチセンサー用導電シート及びその製造方法を提供する。また、タッチセンサー、タッチパネル積層体、タッチパネル、及び、透明絶縁層形成用組成物を提供する。【解決手段】基材と、上記基材上に配置された、金属細線からなるパターン状の導電部と、上記基材の導電部側の表面及び導電部を覆うように配置された透明絶縁層と、を備えるタッチセンサー用導電シートであって、上記透明絶縁層が、所定の化合物を含む透明絶縁層形成用組成物を用いて形成された層である、タッチセンサー用導電シート。【選択図】図1

Description

本発明は、タッチセンサー用導電シート、タッチセンサー用導電シートの製造方法、タッチセンサー、タッチパネル積層体、タッチパネル、及び、透明絶縁層形成用組成物に関する。
近年、携帯情報機器を始めとした各種の電子機器において、液晶表示装置等の表示装置と組み合わせて用いられ、画面に接触することにより電子機器への入力操作を行うタッチパネルの普及が進んでいる。
一般に、タッチパネルは、各部材(ガラス基板、タッチセンサー用導電シート、表示装置等)をOCA(Optical Clear Adhisive)フィルム等の粘着フィルムを介して貼り合わせることで製造されている。
タッチセンサー用導電シートは、通常、基材上に、検出電極(センサー電極)又は引き出し配線(周辺電極)となるパターン状の金属細線からなる導電部を有する。
昨今、ハンドリング性を向上させる目的で、或いは、検出電極又は引き出し配線となる導電部の耐擦傷性又は耐溶剤性を向上させる目的で、タッチセンサー用導電シートの導電部の表面に保護膜として透明絶縁層を形成する場合がある。この透明絶縁層は、製造工程時にタッチセンサー用導電シートの表面を一時的に保護するための剥離可能な保護フィルム(剥離フィルム)とは異なり、導電部の表面から剥離されない。つまり、例えば、導電部の表面を透明絶縁層で保護したタッチセンサー用導電シートを用いて静電容量式タッチパネルを作製する場合、この透明絶縁層上に粘着層を介してガラス基板が配置される。
例えば、特許文献1では「検知領域及び上記検知領域のエッジに位置する枠領域を含む本体と、上記本体の一側から延びるように形成され且つ上記本体の幅より小さい幅を有するフレキシブル基板とを含む透明ベースと、上記透明ベースに設けられる導通用配線と、互いに交差する第一導電ワイヤを含み且つ上記検知領域の一側に設けられる格子状の第一導電層と、互いに交差する第二導電ワイヤを含み且つ上記検知領域の上記第一導電層に対向する一側に設けられる格子状の第二導電層と、上記枠領域の一側に設けられ、上記第一導電層と上記導通用配線とを電気的に接続する第一リード線電極と、上記枠領域の他側に設けられ、上記第二導電層と上記導通用配線とを電気的に接続する第二リード線電極と、を含むことを特徴とする透明導電膜。」が開示されている。特許文献1は、段落[0056]に、タッチパネル作製時に検出電極となる第一導電層20及び第二導電層30、引き出し配線となる第一リード線電極40及び第二リード線電極50等を少なくとも部分的に被覆する透明保護層を設置してよい旨が記載されている。また、透明保護層の材料として紫外線硬化型接着剤(UV(ultra violet)接着剤)等が挙げられている。
特表2015−524961号公報
本発明者らは、特許文献1に記載されるような紫外線硬化型接着剤を用い、透明保護層(透明絶縁層)を配置したタッチセンサー用導電シートを作製して検討していたところ、特に、導電部が金属細線からなるメッシュパターンで構成されている場合に、透明絶縁層の表面のレベリング性(言い換えると、「平滑性に優れる」且つ「膜中にスポット的な非成膜領域なく、膜が全面に渡っている(はじき性に優れる)」)が不十分となったり、透明絶縁層がメッシュパターン上の所定位置に形成できない場合があることを知見するに至った。
透明絶縁層形成用組成物を付与する際、導電部はパターン形状を有することから、透明絶縁層形成用組成物は、基材の導電部側の表面(導電部が形成されていない領域)及び導電部を覆うように配される。つまり、例えば、導電部が金属細線からなるメッシュパターンで構成されている場合、金属細線からなるメッシュパターンが形成された領域は、基材に対して立体部(凸部)となっており、塗膜は、このメッシュパターンを構成する金属細線上と、メッシュパターンの形成されていない基材表面に接するように形成される。本発明者らの検討の結果、この構造及び金属細線と基材との表面自由エネルギー差に起因して、塗膜表面に凹凸ができたり、はじきにより塗膜中にスポット的に成膜されない非成膜領域が生じたり、或いは、塗膜が収縮してメッシュパターンの所定位置に膜が形成されない問題が生じることを確認した。特に、金属細線からなるメッシュパターンの厚みが大きい場合、より性能が落ちることを明らかとした。
このような塗膜を露光により硬化して得られる透明絶縁層は、結果として表面のレベリング性に劣り、また、メッシュパターン上の所定位置に膜が形成されないという欠点を有する。
一方で、本発明者らは、透明絶縁層のレベリング性を解消すべく表面改質剤を使用して検討を行ったところ、レベリング性は向上するものの、形成される透明絶縁層は、タッチパネル等の作製の際に用いられる粘着シートとの密着性が低下する問題が生じることを知見した。
そこで、本発明は、タッチパネル等の作製時に用いられる粘着シートとの密着性に優れつつ、レベリング性にも優れた透明絶縁層を所定位置に有するタッチセンサー用導電シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記タッチセンサー用導電シートを含む、タッチセンサー、タッチパネル積層体及びタッチパネルを提供することを目的とする。
また、本発明は、タッチパネル等の作製時に用いられる粘着シートとの密着性に優れつつ、レベリング性にも優れた透明絶縁層を所定位置に有するタッチセンサー用導電シートを与え得る、透明絶縁層形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、透明絶縁層を形成するための透明絶縁層形成用組成物が、特定構造を有する化合物を含有することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 基材と、
上記基材上に配置された、金属細線からなるパターン状の導電部と、
上記導電部上に配置された透明絶縁層と、を備えるタッチセンサー用導電シートであって、
上記透明絶縁層が、化合物Aを含む透明絶縁層形成用組成物を用いて形成された層であり、
上記化合物Aが、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位とを有し、さらに、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物であり、
上記ジメチルシロキサン構造単位の含有量が、上記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、上記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、上記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、30モル%以上である、タッチセンサー用導電シート。
(2) 上記化合物Aにおいて、上記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位の含有量が、上記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、上記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位及び上記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して10モル%以上である、(1)に記載のタッチセンサー用導電シート。
(3) 上記透明絶縁層形成用組成物が、さらに、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物と、重合開始剤とを含む、(1)又は(2)に記載のタッチセンサー用導電シート。
(4) 上記透明絶縁層形成用組成物の表面張力が、25℃において、35mN/m以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載のタッチセンサー用導電シート。
(5) 基材と、
上記基材上に配置された、金属細線からなるパターン状の導電部と、
上記導電部上に配置された透明絶縁層と、を備えるタッチセンサー用導電シートであって、
上記透明絶縁層が、化合物Bを含み、
上記化合物Bが、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位とを有し、
上記ジメチルシロキサン構造単位の含有量が、上記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、上記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、上記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、30モル%以上である、タッチセンサー用導電シート。
(6) 上記化合物Bにおいて、上記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位の含有量が、上記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、上記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、上記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、10モル%以上である、(5)に記載のタッチセンサー用導電シート。
(7) 基材と、
前記基材上に配置された、金属細線からなるパターン状の導電部と、
前記導電部上に配置された透明絶縁層と、を備えるタッチセンサー用導電シートであって、
前記透明絶縁層の表面において、シロキサン末端構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位と、エチレンオキサイド構造単位と、プロピレンオキサイド構造単位を含み、前記シロキサン末端構造単位に対する前記ジメチルシロキサン構造単位のモル比率が7以上であり、且つ、前記エチレンオキサイド構造単位に対する前記プロピレンオキサイド構造単位のモル比率が0.1以上である、タッチセンサー用導電シート。
(8) 上記透明絶縁層が、さらに、架橋構造を有する(メタ)アクリル樹脂を含む、(5)〜(7)のいずれかに記載のタッチセンサー用導電シート。
(9) 上記透明絶縁層の表面エネルギーが、25℃において、30mN/m以下である、(1)〜(8)のいずれかに記載のタッチセンサー用導電シート。
(10) 上記導電部が、上記基材の両面にそれぞれ配置され且つ銀細線からなるメッシュパターンを有する、(1)〜(9)のいずれかに記載のタッチセンサー用導電シート。
(11) (1)〜(10)のいずれかに記載のタッチセンサー用導電シートの製造方法であって、
上記基材及び上記導電部上に、スクリーン印刷法により透明絶縁層を形成する透明絶縁層形成工程を有する、タッチセンサー用導電シートの製造方法。
(12) (1)〜(10)のいずれかに記載のタッチセンサー用導電シートを含む、タッチセンサー。
(13) (1)〜(10)のいずれかに記載のタッチセンサー用導電シートと、粘着シートと、剥離シートとをこの順に備える、タッチパネル積層体。
(14) (12)に記載のタッチセンサーを含む、タッチパネル。
(15) タッチセンサー用導電シートの製造に用いられ、金属細線からなるパターン状の導電部の表面に塗布される透明絶縁層形成用組成物であって、
上記透明絶縁層形成用組成物が、化合物Aを含み
上記化合物Aが、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位とを有し、さらに、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有し、
上記ジメチルシロキサン構造単位の含有量が、上記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、上記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、上記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、30モル%以上である、透明絶縁層形成用組成物。
(16) 上記透明絶縁層形成用組成物の表面張力が、25℃において、35mN/m以下である、(15)に記載の透明絶縁層形成用組成物。
本発明によれば、タッチパネル等の作製時に用いられる粘着シートとの密着性に優れつつ、レベリング性にも優れた透明絶縁層を所定位置に有するタッチセンサー用導電シート及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記タッチセンサー用導電シートを含む、タッチセンサー、タッチパネル積層体及びタッチパネルを提供することができる。
また、本発明によれば、タッチパネル等の作製時に用いられる粘着シートとの密着性に優れつつ、レベリング性にも優れた透明絶縁層を所定位置に有するタッチセンサー用導電シートを与え得る、透明絶縁層形成用組成物を提供することができる。
本発明のタッチセンサー用導電シートの第1実施態様の一部断面図である。 本発明のタッチセンサー用導電シートの第1実施態様の一部平面図である。 本発明の静電容量式タッチパネルの断面図である。 静電容量式タッチセンサーの一実施形態の平面図である。 図4に示した切断線A−Aに沿って切断した断面図である。 第1検出電極の拡大平面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において光とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。また、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクリロイルの双方、又は、いずれかを表す。
〔タッチセンサー用導電シート〕
本発明のタッチセンサー用導電シートは、
基材と、
上記基材上に配置された、金属細線からなるパターン状の導電部と、
上記基材の導電部側の表面及び導電部を覆うように配置された透明絶縁層と、を備えるタッチセンサー用導電シートであって、
上記透明絶縁層が、後述する化合物Aを含む透明絶縁層形成用組成物を用いて形成された層である。
本発明のタッチセンサー用導電シートは、上記の構成とすることで、タッチパネル等の作製時に用いられる粘着シートとの密着性に優れつつ、レベリング性にも優れた透明絶縁層を所定位置に有する。
本発明のタッチセンサー用導電シートの特徴点は、透明絶縁層を、化合物Aを含む透明絶縁層形成用組成物を用いて形成した点にある。
化合物Aは、表面張力の低いジメチルシロキサン構造単位を、所定の構造単位の合計量に対して30モル%以上有し、さらに、親水性であるポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、疎水性であるポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位とを有する。このような化合物Aを用いることにより、透明絶縁層形成用組成物は、導電部が金属細線からなるメッシュパターンで構成されている場合においても、基材と基材に対して凸部となるメッシュパターンの双方に対して良好に塗れ広がる。この結果、形成される塗膜ははじき性に優れるほか、塗膜の収縮が抑制されることによりメッシュパターンの所定位置に透明絶縁層を形成することができる。また、表面張力の低いジメチルシロキサン構造単位が30モル%以上含まれるため、得られる塗膜は平滑性にも優れたものとなると推測される。
上記塗膜を硬化してなる透明絶縁層(後述する化合物Bを含む層)は、レベリング性に優れ、メッシュパターンの所定位置に配置することができる。また、タッチパネル等の作製の際に用いられる粘着シートとの密着性も良好であることを確認している。
また、今般、本発明者らは、形成された透明絶縁層(言い換えると、塗膜を露光により硬化して形成された透明絶縁層)の表面状態を評価することにより、レベリング性に優れた絶縁層を選定することができることを見出した。すなわち、上記透明絶縁層の表面において、シロキサン末端構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位と、エチレンオキサイド構造単位と、プロピレンオキサイド構造単位を含み、シロキサン末端構造単位に対するジメチルシロキサン構造単位のモル比率が7以上であり、且つ、エチレンオキサイド構造単位に対するプロピレンオキサイド構造単位のモル比率が0.1以上となる場合に、上記透明絶縁層のレベリング性に優れることを見出した。上記構成の透明絶縁層は、表面の自由エネルギーが均一に効果的に減少されるシロキサン構造が配置された構造であり、且つ、相溶性に優れた状態となっていると考えられ、この結果、均一なレベリング性が実現できていると推定される。
表面の各構造単位の量は、透明絶縁層表面のTOF−SIMS(Time-of-Flight Secondary Mass Spectrometry)解析により好ましく同定することができる。
以下、本発明のタッチセンサー用導電シートの好適態様について図面を参照して説明する。
図1に、本発明のタッチセンサー用導電シート10の第1実施態様の一部断面図を示す。また、図2は、タッチセンサー用導電シート10の第1実施態様の一部平面図を示す。なお、図1は、図2中の切断線A−Aに沿って切断した断面図である。タッチセンサー用導電シート10は、基材12と、基材12上に配置された、複数の金属細線14からなる導電部16と、導電部16上に配置された(言い換えると、基材12の表面及び導電部16と接するように配置された)透明絶縁層18とを備える。なお、図2に示すように、導電部16は、金属細線14より構成されるメッシュパターンを有する。
以下、タッチセンサー用導電シートを構成する各部材について詳述する。
<<基材>>
基材は、導電部を支持できればその種類は制限されず、透明基材であることが好ましく、プラスチックフィルムがより好ましい。
基材を構成する材料の具体例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)(258℃)、ポリシクロオレフィン(134℃)、ポリカーボネート(250℃)、(メタ)アクリル樹脂(128℃)、PEN(ポリエチレンナフタレート)(269℃)、PE(ポリエチレン)(135℃)、PP(ポリプロピレン)(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)、又は、TAC(トリアセチルセルロース)(290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、(メタ)アクリル樹脂、PET、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネートがより好ましく、上層となる透明絶縁層との密着性の観点からは(メタ)アクリル樹脂がさらに好ましい。( )内の数値は融点である。基材の全光線透過率は、85%〜100%であることが好ましい。
基材の厚みは特に制限されないが、タッチパネルへの応用の点からは、通常、25〜500μmの範囲で任意に選択することができる。なお、基材の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
基材の他の好適態様としては、その表面上に高分子を含む下塗り層を有することが好ましい。この下塗り層上に導電部が形成されることにより、導電部の密着性がより向上する。
下塗り層の形成方法は特に制限されないが、例えば、高分子を含む下塗り層形成用組成物を基材上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。下塗り層形成用組成物には、必要に応じて、溶剤が含まれていてもよい。溶剤の種類は特に制限されず、公知の溶剤が例示される。また、高分子を含む下塗り層形成用組成物として、高分子の微粒子を含むラテックスを使用してもよい。
下塗り層の厚みは特に制限されないが、導電部の密着性がより優れる点で、0.02〜0.3μmが好ましく、0.03〜0.2μmがより好ましい。
<<導電部>>
導電部16は、上記基材12上に配置され、複数の金属細線14からなるメッシュパターンを有する。導電部16は、主に、後述するように、タッチセンサーのセンサー部を構成することが好ましい。
図2に示すように、導電部16は、複数の金属細線14からなるメッシュパターンを有する。つまり、交差する金属細線14による複数の開口部(格子)36を含んでいる。
金属細線14の線幅Waは特に制限されないが、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、9μm以下が特に好ましく、7μm以下が最も好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。上記範囲であれば、低抵抗の電極を比較的容易に形成できる。
金属細線14の厚みは特に制限されないが、導電性と視認性との観点から、0.00001mm〜0.2mmから選択可能であるが、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、0.01〜9μmがさらに好ましく、0.05〜5μmが特に好ましい。
金属細線14の厚みが大きいほど、後述する透明絶縁層のレベリング性が低下する傾向がある。このため、金属細線14の厚みが0.0002mm以上、特に0.0004mm以上の場合に本発明の効果をより一層享受することができる。
開口部36は、金属細線14で囲まれる開口領域である。開口部36の一辺の長さWbは、800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、400μm以下がさらに好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上がさらに好ましい。金属細線14の配列ピッチは、上記Wbの数値範囲であることが好ましい。なお、本明細書において、金属細線の配列ピッチとは、上記Waと上記Wbとの合計長さ(金属細線の線幅と開口部の幅の合計の長さ)を意図する。
可視光透過率の点から、開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。開口率とは、導電部16中において金属細線14を除いた透過性部分(開口部)が全体に占める割合に相当する。
図2において、開口部36は、略ひし形の形状を有している。但し、その他、多角形状(例えば、三角形、四角形、六角形、ランダムな多角形)としてもよい。また、一辺の形状を直線状の他、湾曲形状でもよいし、円弧状にしてもよい。円弧状とする場合は、例えば、対向する2辺については、外方に凸の円弧状とし、他の対向する2辺については、内方に凸の円弧状としてもよい。また、各辺の形状を、外方に凸の円弧と内方に凸の円弧が連続した波線形状としてもよい。もちろん、各辺の形状を、サイン曲線にしてもよい。
さらに、図2においては、メッシュ状のパターンについて説明したが、金属細線のパターン形状はこの態様に限定されない。
金属細線14の材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属又は合金等が挙げられる。なかでも、金属細線14の導電性が優れる理由から、銀であることが好ましい。
金属細線14の中には、金属細線14と基材12との密着性の観点から、バインダーが含まれていることが好ましい。
バインダーとしては、金属細線14と基材12との密着性がより優れる理由から、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体及びキトサン系重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、又は、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
金属細線14の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、後述する、ハロゲン化銀を使用した方法が挙げられる。この方法に関しては、後段で詳述する。
<<透明絶縁層>>
透明絶縁層18は、導電部16上に配置されている。より具体的には、透明絶縁層18は、基材12の表面(導電部16がない領域)及び導電部16上にこれらを覆うように配置されている。つまり、導電部16はパターン形状を有するため、透明絶縁層18は、基材12の表面と導電部16を構成するパターン部位とに接することになる。
この透明絶縁層18は、タッチセンサー用導電シート10を例えば後述するような静電容量式タッチパネルに用いる場合、この透明絶縁層18に粘着シート(粘着層)を介してガラス基板等の他部材が配置される。
透明絶縁層18は、耐溶剤性、耐擦傷性、折り曲げ耐性を有していることが好ましい。 以下、透明絶縁層を構成する各成分について説明する。
透明絶縁層の構成は、下記に示す第1の実施形態又は第2の実施形態が挙げられる。
以下、透明絶縁層の第1実施形態について説明する。
・透明絶縁層の第1実施形態
第1実施形態に係る透明絶縁層は、化合物Bを含む。
化合物Bは、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位とを有する。
ジメチルシロキサン構造単位の含有量は、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、30モル%以上である。上限は特に限定されないが60モル%以下であることが好ましく、45モル%以下であることがより好ましい。
また、化合物B中において、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位の含有量は、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して10モル%以上であることが好ましく、12モル%以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが60モル%以下であることが好ましく、45モル%以下であることがより好ましい。
化合物B中において、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位の含有量は、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して5モル%以上であればよく、本発明の効果をより一層優れたものとする観点から10モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが80モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましい。
化合物B中の含有量は、透明絶縁層の全質量に対して、0.001〜10質量%が好ましい。透明絶縁層中、化合物Bの含有量を0.01質量%以上とすることで、レベリング性により優れる。化合物Bの含有量は、透明絶縁層の全質量に対して、0.01〜5質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%がさらに好ましく、0.05〜0.15質量%が特に好ましい。
透明絶縁層は、下層となる基材及び導電部との密着性により優れ、さらに耐候性に優れる観点から、架橋構造を有する(メタ)アクリル樹脂を含むことが好ましい。また、その表面エネルギーは、レベリング性を発現しうる膜とする観点から、25℃において、30mN/m以下であることが好ましく、28mN/m以下であることがより好ましい。なお、密着力の観点から、上記表面エネルギーは低すぎないことが好ましく、10mN/m以上が好ましく、20mN/mがより好ましい。
透明絶縁層表面には、易接着性の保護フィルム又はOCAフィルムが貼り合わせられる場合があるが、適切な密着力が得られることが好ましい。具体的には、易接着性の保護フィルムが貼り合わされる場合、保護フィルムの密着力は0.1N/25mm以上であることが好ましい。また、OCAフィルムが貼り合わされる場合、OCAフィルムの密着力は10N/25mm以上であることが好ましい。
透明絶縁層の厚みは特に制限されないが、厚みが大きいと折り曲げた際にクラックが生じやすくなる。クラックを抑制しつつ、導電部の密着性により優れ、膜強度により優れる観点から、1〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。
透明絶縁層は、押し込み硬度が0.01MPa〜200MPaであることが好ましく、140MPa以下であることがより好ましい。上記範囲とすることで、透明絶縁層が柔軟性を有し、タッチセンサー用導電シートを折り曲げて使用しても透明絶縁層にクラックが生じにくい。
透明絶縁層の押し込み硬度は、微小硬度試験機(ピコデンタ―)により測定することができる。
透明絶縁層は、50〜90℃における弾性率が1×10Pa以上であることが好ましい。基材が熱膨張すると、基材上に形成された基材よりも膨張率の低い金属細線も同様に延び、これにより金属細線にクラックが生じることがある。特に、タッチセンサー用導電シートを折り曲げた状態で使用する場合には金属細線の断線に至ることもある。50〜90℃における透明絶縁層の弾性率を1×10Pa以上とすることで、上記クラック又は断線を抑制することができる。なお、透明絶縁層の弾性率は、微小硬度試験機(ピコデンタ―)により測定することができる。
透明絶縁層を含めたタッチセンサー用導電シートの全光線透過率は、可視光領域(波長400〜700nm)に対し、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、上記全光線透過率は、分光測色計CM−3600A(コニカミノルタ株式会社製)によって測定した値である。
なお、透明絶縁層自体の全光線透過率は、タッチセンサー用導電シートが上記全光線透過率を示すように調整されることが好ましく、少なくとも85%以上であることが好ましい。
基材、導電部、及び、透明絶縁層の線膨張率差に起因する導電率の低下を抑制するため、透明絶縁層の線膨張率と基材の線膨張率との差が小さいことが好ましく、差分が300ppm/℃以下であることが好ましく、150ppm/℃以下であることがさらに好ましい。
透明絶縁層は、導電部との密着性に優れることが好ましく、具体的には、3M社製「610」よるテープ密着力評価試験で剥離がないことがより好ましい。
また、透明絶縁層は、導電部だけでなく、基材(又は、下塗り層若しくはバインダー層)の導電部の形成されていない領域とも接するため、基材(又は、下塗り層若しくはバインダー層)との密着性に優れていることが好ましい。透明絶縁層の基材(又は、下塗り層若しくはバインダー層)への密着性が悪いと、透明絶縁層が導電部だけに密着するため、透明絶縁層の線膨張率>導電部の線膨張率である場合、導電部に力が加わり、導電部のパターン形状が変形する恐れがある。なお、バインダー層とは、基材上であって金属細線間に配置されるバインダーからなる層であり、ハロゲン化銀法により金属細線を製造する際に形成される場合が多い。
タッチセンサー用導電シートの表面反射を抑制する観点から、透明絶縁層の屈折率と、基材の屈折率との屈折率差が小さいほど好ましい。
また、導電部の金属細線にバインダー成分が含まれている場合には、透明絶縁層の屈折率と、上記バインダー成分の屈折率との屈折率差が小さいほど好ましく、透明絶縁層を形成する樹脂成分と、上記バインダー成分とが同じ材料であることがより好ましい。
なお、透明絶縁層を形成する樹脂成分と、上記バインダー成分とが同じ材料であるとは、バインダー成分及び透明絶縁層を形成する樹脂成分のいずれもが(メタ)アクリル系樹脂である場合が一例として挙げられる。
さらに、上述のとおりタッチセンサー用導電シートを例えばタッチパネルに適用する場合、タッチセンサー用導電シートの透明絶縁層に粘着シート(粘着層)を貼り合せることになる。透明絶縁層と粘着シートとの界面での光散乱を抑制するため、透明絶縁層の屈折率と粘着シートの屈折率との屈折率差は小さいほど好ましい。
基材及び導電部上に上述の第1実施形態の透明絶縁層を形成する方法は特に制限されない。例えば、基材及び導電部上に後述する化合物A及び任意で添加される各種成分を含んだ透明絶縁層形成用組成物を塗布して透明絶縁層を形成する方法(塗布法)、又は、仮基板上に透明絶縁層を形成して、導電部表面に転写する方法(転写法)等が挙げられる。なかでも、厚みの制御がしやすい観点からは、塗布法が好ましい。
以下、第1実施形態の透明絶縁層を形成し得る透明絶縁層形成用組成物の各成分、及び、第1実施形態の透明絶縁層の形成方法について詳述する。
<透明絶縁層形成用組成物>
以下、第1実施形態の透明絶縁層を形成し得る透明絶縁層形成用組成物の各成分について詳述する。
(化合物A)
透明絶縁層形成用組成物は、化合物Aを含有する。
化合物Aは、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位とを有し、さらに、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物ある。
化合物Aにおいて、ジメチルシロキサン構造単位の含有量は、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計(以下、「全シロキサン構造単位」ともいう。)に対して、30モル%以上である。上限は特に限定されないが60モル%以下であることが好ましく、45モル%以下であることがより好ましい。
化合物Aにおいて、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位の含有量は、全シロキサン構造単位に対して5モル%以上であればよく、本発明の効果をより一層優れたものとする観点から10モル%以上であることが好ましく、12モル%以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが60モル%以下であることが好ましく、45モル%以下であることがより好ましい。
化合物Aにおいて、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位の含有量は、全シロキサン構造単位に対して5モル%以上であればよく、本発明の効果をより一層優れたものとする観点から10モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが80モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましい。
ポリオキシエチレン鎖の鎖長は特に限定されないが、オキシエチレン単位を1〜200個有することが好ましく、1〜100個有することがより好ましい。
また、ポリオキシプロピレン鎖の鎖長は特に限定されないが、オキシプロピレン単位を1〜200個有することが好ましく、1〜100個有することがより好ましい。
化合物Aにおいて、(メタ)アクリロイル基の位置は特に限定されないが、側鎖に導入されていることが好ましい。
化合物Aとしては、なかでも下記式(1)〜式(3)で表されるシロキサン構造単位を有するものが好ましい。
式(1)〜式(3)
上記式(2)及び式(3)において、A及びAは、それぞれ独立に、単結合又は2価の有機基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはオキシエチレン基の個数を表し、POはオキシプロピレン基を表し、nはオキシプロピレン基の個数を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又は(メタ)アクリロイル基を表す。ただし、R及びRのうち、少なくとも1つは、(メタ)アクリロイル基である。
上記式(2)及び式(3)において、A及びAが表す2価の有機基としては、置換若しくは無置換の2価の脂肪族炭化水素基(例えば、炭素数1〜8。例えば、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基等のアルキレン基)、置換若しくは無置換の2価の芳香族炭化水素基(例えば、炭素数6〜12。例えば、フェニレン基)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、又はこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、又はアルキレンカルボニルオキシ基等)等が挙げられる。
上記式(2)及び式(3)において、m及びnは、それぞれ独立して、1〜200であることが好ましく、1〜100であることがより好ましい。
また、オキシプロピレン基(PO)は、直鎖及び分岐のいずれであってもよい。
及びRが表すアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがより好ましい。R及びRが表すアルキル基としては、例えば、メチル基又はエチル基が挙げられる。
化合物Aは、上記式(1)〜式(3)で表されるシロキサン構造単位以外の構造単位をさらに有していてもよいが、上記式(1)〜式(3)で表されるシロキサン構造単位の合計含有量が、全構造単位に対して50モル%以上であることが好ましく、全構造単位に対して80モル%以上であることがより好ましく、全構造単位に対して90モル%以上であることがさらに好ましい。
本発明で用いることができる化合物Aは、例えば、具体的には、BYK−UV3500等が挙げられる。
透明絶縁層形成用組成物中の化合物Aの含有量は特に制限されないが、全固形分量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%がさらに好ましく、0.05〜0.15質量%が特に好ましい。
また、化合物Aは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
((メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物)
透明絶縁層形成用組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物を含有することが好ましい。ただし、上述した化合物Aは、上記(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物には含まれない。
重合性化合物(重合性基含有化合物)としては、重合性基としてアクリロイル基又はメタクリロイル基を有していれば特に限定されず、モノマー、オリゴマー及びポリマーから選ばれるいずれの形態であってもよい。つまり、重合性化合物は、重合性基を有するオリゴマーであっても、重合性基を有するポリマーであってもよい。
なお、モノマーとしては分子量が1,000未満である化合物が好ましい。
また、オリゴマー及びポリマーは、有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体である。オリゴマーとは重量平均分子量が3000以下である化合物であり、ポリマーとは重量平均分子量が3000である化合物である。
重合性化合物は、1種であっても、複数種を併用してもよい。
また、重合性化合物としては、単官能であっても、多官能であってもよい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の長鎖アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等の環状構造を有する(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、及び、ジエチエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及び、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル等が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、1,3ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、及び、ビスフェノールAテトラエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
3官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、εカプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、及び、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
4官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及び、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
5官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及び、ポリペンタエリスリトールポリアクリレート等が挙げられる。
さらに、上述のとおり、重合性化合物は(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー又はポリマーであってもよい。また、重合性基の数は1つであっても、2以上であってもよく、本発明の効果をより優れたものとする観点から2以上であることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー又はポリマーは、プレポリマーとして機能する。言い換えると、他のモノマー又は多官能化合物と重合し得るものである。
上記プレポリマーの製造方法は特に制限されないが、例えば、上述した単官能(メタ)アクリレートと、光重合開始剤又は熱重合開始剤と、溶剤とを混合した溶液中で重合する方法等が挙げられる。プレポリマーの形成方法は熱重合であるのが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物のなかでも、ウレタン(メタ)アクリレート化合物又はエポキシ(メタ)アクリレート化合物が好ましい。耐候性の観点からウレタン(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。黄変を抑制する観点からは、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、詳しくは、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、及び、メタクリロイル基からなる群から選ばれる光重合性基を1分子中に2つ以上含み、かつ、ウレタン結合を1分子中に1つ以上含む化合物であることが好ましい。このような化合物は、例えば、イソシアネートとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とのウレタン化反応によって製造することができる。なお、ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、いわゆるオリゴマーであっても、ポリマーであってもよい。
上記光重合性基は、ラジカル重合可能な重合性基である。光重合性基を1分子中に2つ以上含む多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物は、高硬度な透明絶縁層を形成するうえで有用である。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物1分子中に含まれる光重合性基の数は、少なくとも2つであることが好ましく、例えば、2〜10つがより好ましく、2〜6つがさらに好ましい。なお、ウレタン(メタ)アクリレート化合物に含まれる2つ以上の光重合性基は同一のものであっても、異なるものであってもよい。
光重合性基としては、中でも、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基が好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物1分子中に含まれるウレタン結合の数は、1つ以上であればよく、形成される透明絶縁層の硬度がより高くなる点で、2つ以上が好ましく、例えば、2〜5つがより好ましい。
なお、1分子中にウレタン結合を2つ含むウレタン(メタ)アクリレート化合物において、光重合性基は一方のウレタン結合のみに直接又は連結基を介して結合していてもよく、2つのウレタン結合にそれぞれ直接又は連結基を介して結合していてもよい。
一態様では、連結基を介して結合している2つのウレタン結合に、それぞれ1つ以上の光重合性基が結合していることが、好ましい。
上述したように、ウレタン(メタ)アクリレート化合物中において、ウレタン結合と光重合性基は直接結合していてもよく、ウレタン結合と光重合性基との間に連結基が存在していてもよい。連結基は特に限定されるものではなく、直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の炭化水素基、環状基、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる基、等を挙げることができる。上記炭化水素基の炭素数は、例えば、2〜20程度であるが、特に限定されるものではない。また、環状基に含まれる環状構造としては、一例として、脂肪族環(シクロヘキサン環など)、芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)などが挙げられる。上記の基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。
なお、本明細書において、特記しない限り、記載されている基は置換基を有してもよく無置換であってもよい。ある基が置換基を有する場合、置換基としては、アルキル基(例えば、炭素数1〜6のアルキル基)、ヒドロキシ基、アルコキシル基(例えば、炭素数1〜6のアルコキシル基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アシル基、カルボキシル基等を挙げることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、公知の方法で合成することができる。また、市販品として入手することも可能である。
合成方法の一例としては、例えば、アルコール、ポリオール、及び/又はヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有化合物とイソシアネートとを反応させる方法が挙げられる。また、必要に応じて、上記反応によって得られたウレタン化合物を(メタ)アクリル酸でエステル化する方法を挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸を包含する意味で用いるものとする。
上記イソシアネートとしては、例えば、芳香族系、脂肪族系、及び、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、及び、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種でもよく2種以上を併用してもよい。
上記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び、シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等が挙げられる。これらは1種でもよく2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、下記のものに限定されるものではないが、例えば、共栄社化学社製UA−306H、UA−306I、UA−306T、UA−510H、UF−8001G、UA−101I、UA−101T、AT−600、AH−600、AI−600、新中村化学社製U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−32P、U−15HA、UA−1100H、日本合成化学工業社製紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EAを挙げることができる。また、日本合成化学工業社製紫光UV−2750B、共栄社化学社製UL−503LN、大日本インキ化学工業社製ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA、ダイセルUCB社製EB−1290K、トクシキ製ハイコープAU−2010、同AU−2020等も挙げられる。
6官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、根上工業(株)製のアートレジンUN−3320HA、アートレジンUN−3320HC、アートレジンUN−3320HS、アートレジンUN−904、日本合成化学(株)製の紫光UV−1700B、紫光UV−7605B、紫光UV−7610B、紫光UV−7630B、紫光UV−7640B、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−6PA、NKオリゴU−10HA、NKオリゴU−10PA、NKオリゴU−1100H、NKオリゴU−15HA、NKオリゴU−53H、NKオリゴU−33H、ダイセル・サイテック(株)製のKRM8452、EBECRYL1290、KRM8200、EBECRYL5129、KRM8904、日本化薬(株)製のUX−5000等を挙げることができる。
また、2〜3官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、ナトコ(株)製のナトコUV自己治癒、DIC株式会社製のEXP DX−40等も挙げることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の分子量(重量平均分子量Mw)は、300〜10,000の範囲が好ましい。分子量がこの範囲であれば、柔軟性に優れ、且つ、表面硬度に優れた透明絶縁層を得ることができる。
また、エポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、ポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応により得られるものをいい、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個有している場合が多い。
(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物は、耐溶剤性、密着性、レベリング性、又は、硬度の観点から、ウレタン(メタ)アクリレート化合物又はエポキシ(メタ)アクリレート化合物と、多官能化合物として2官能以上の(メタ)アクリレートモノマー(ただし、上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物又はエポキシ(メタ)アクリレート化合物は含まない。)とを少なくとも含むことが好ましく、さらに希釈性モノマーとして、単官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことも好ましい。なお、ここでいう耐溶剤性とは、溶剤付着に際し変質(白化)しないことを意味する。溶剤膨張により、透明絶縁層中でポリマー成分が陽動して膜質変性を生じる現象を抑制する特性と推測される。
透明絶縁層形成用組成物中におけるウレタン(メタ)アクリレート化合物及びエポキシ(メタ)アクリレート化合物の合計含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、透明絶縁層形成用組成物中の全固形分に対して、10〜70質量%が好ましく、30〜65質量%がより好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物及びエポキシ(メタ)アクリレート化合物は、1種を単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用できる。なお、これらが2種以上含まれる場合には、その合計量が上記範囲に含まれることが好ましい。
重合性化合物が多官能化合物として2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含有する場合、重合性化合物の全質量に対する2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は特に制限されないが、0〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。
上記多官能化合物の中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、若しくは、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、又は、これらの混合物が、耐擦傷性の点から好ましい。
上記多官能化合物は、1種を単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
重合性化合物が、希釈性モノマーとして、単官能モノマーを含有する場合、重合性化合物の全質量に対する単官能モノマーの含有量は特に制限されないが、少ない方が好ましく、40質量%以下がより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
上記希釈性モノマーの中でも、密着性や硬化速度の観点から、長鎖アルキル(メタ)アクリレート又は環状構造を有する(メタ)アクリレート等が好ましく、中でも、ラウリル(メタ)アクリレート又はヘキサデシル(メタ)アクリレート等の長鎖アルキル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート又はジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の環状構造を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
上記希釈性モノマーは、1種を単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
(重合開始剤)
透明絶縁層形成用組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤は、光重合開始剤及び熱重合開始剤のいずれでもよいが、光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤の種類は特に制限されず、公知の光重合開始剤(ラジカル光重合開始剤、カチオン光重合開始剤)を使用できる。例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、メチルベンゾイルホルメート、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンソフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン等のカルボニル化合物、及び、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物等が挙げられる。
重合開始剤は、1種を単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
透明絶縁層形成用組成物中、重合開始剤の含有量は特に制限されないが、透明絶縁層の硬化性の点から、組成物全質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。なお、重合開始剤が2種以上使用される場合は、重合開始剤の総含有量が上記範囲にあることが好ましい。
(その他の添加物)
透明絶縁層形成用組成物には、上記以外にも、表面潤滑剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機若しくは有機の充填剤、金属粉、顔料等の粉体、粒子状、又は、箔状物等の従来公知の各種の添加剤を使用する用途に応じて適宜添加することができる。それらの詳細については、例えば特開2012−229412号公報段落0032〜0034を参照できる。ただしこれらに限らず、光重合性組成物に一般に使用され得る各種添加剤を用いることができる。また、組成物への添加剤の添加量は適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。
<第1実施形態の透明絶縁層の形成方法>
第1の実施形態の透明絶縁層を形成し得る透明絶縁層形成用組成物は、化合物Aのほか、(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物、及び、光重合開始剤を少なくとも含むことが好ましい。
また、透明絶縁層形成用組成物は、取扱い性の点から溶剤を含んでいてもよいが、VOC(揮発性有機化合物)抑制の観点及びタクトタイムの低減の観点から、無溶剤系とすることが好ましい。上記透明絶縁層形成用組成物は、化合物A中に含まれる疎水性のポリオキシプロピレン鎖により、溶剤を含まずとも、(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物、及び、光重合開始剤との相溶性に優れる。
なお、透明絶縁層形成用組成物が溶剤を含有する場合、使用できる溶剤は特に限定されず、例えば、水及び有機溶剤が挙げられる。
塗布法の場合に、透明絶縁層形成用組成物を基材及び導電部上に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、グラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーター、ダイコーター若しくはロールコーター等の塗布法式、インクジェット方式、又は、スクリーン印刷方式等)を使用できる。特に、スクリーン印刷方式を使用した場合に、本発明の効果をより享受することができる。スクリーン印刷方式は、バー塗布等と比較すると、印刷時に塗膜表面に原理的に凹凸が形成される。化合物Aを含有する透明絶縁層形成用組成物によれば、スクリーン印刷方式を使用した場合においても、レベリング性の高い塗膜を形成することができる。
また、基材及び導電部への濡れ性をより向上させて本発明の効果をより一層優れたものとする観点から、透明絶縁層形成用組成物の表面張力は、25℃において35mN/m以下であることが好ましく、30mN/m以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、15mN/m以上が好ましい。
取り扱い性及び製造効率の観点からは、組成物を基材及び導電部上に塗布し、必要に応じて乾燥処理を行って残存する溶剤を除去して、塗膜を形成する態様が好ましい。
なお、乾燥処理の条件は特に制限されないが、生産性がより優れる点で、室温〜220℃(好ましくは50〜120℃)で、1〜30分間(好ましく1〜10分間)実施することが好ましい。生産性の観点からは、さらに、透明絶縁層形成用組成物は溶剤成分を含まず、乾燥工程がない状況が好ましい。
乾燥処理後、露光を行うことが好ましい。
露光する方法は特に制限されないが、例えば、活性光線又は放射線を照射する方法が挙げられる。活性光線による照射としては、UV(紫外線)ランプ、及び、可視光線等による光照射等が用いられる。光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、及び、カーボンアーク灯等が挙げられる。また、放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、及び、遠赤外線等が挙げられる。塗膜を露光することにより、塗膜中の化合物に含まれる重合性基が活性化され、化合物間の架橋が生じ、層の硬化が進行する。露光エネルギーとしては、10〜8000mJ/cm程度であればよく、好ましくは50〜3000mJ/cmの範囲である。
・透明絶縁層の第2実施形態
以下、透明絶縁層の第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係る透明絶縁層は、その表面状態が、シロキサン末端構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位と、エチレンオキサイド構造単位と、プロピレンオキサイド構造単位を含み、シロキサン末端構造単位に対するジメチルシロキサン構造単位のモル比率が7以上であり、且つ、エチレンオキサイド構造単位に対する、プロピレンオキサイド構造単位のモル比率が0.1以上である。
表面の各構造単位の量は、上記のとおり、透明絶縁層表面のTOF−SIMS(Time-of-Flight Secondary Mass Spectrometry)解析により好ましく同定することができる。
シロキサン末端構造単位に対するジメチルシロキサン構造単位のモル比率は、レベリング性をより一層優れたものとする観点から、8以上が好ましく、10以上がより好ましい。また、エチレンオキサイド構造単位に対する、プロピレンオキサイド構造単位のモル比率は、レベリング性をより一層優れたものとする観点から、0.12以上が好ましく、0.15以上がより好ましい。
上述のような透明絶縁層は、例えば第1実施形態で説明した化合物Aを含む透明絶縁層形成用組成物を用いることにより形成することができる。例えば、化合物Aを含む透明絶縁層形成用組成物を用いて第2実施形態の透明絶縁層を形成した場合、そのシロキサン末端構造単位としては、例えば、下記式(4)に示す構造が挙げられる。
また、第2実施形態の透明絶縁層を形成し得る透明絶縁層形成用組成物中には、上記化合物A以外の成分を含んでもよく、例えば第1実施形態の透明絶縁層を形成し得る透明絶縁層形成用組成物中に含まれる化合物A以外の成分が挙げられ、また、その好適態様も同じである。
式(4)
図1においてタッチセンサー用導電シートの第1実施態様について詳述したが、タッチセンサー用導電シートの構成はこの態様には限定されない。
図1においては、基材12上の片面のみに導電部16が配置されたタッチセンサー用導電シートを説明したが、本発明のタッチセンサー用導電シートは、基材12上の両面に導電部16及び透明絶縁層18が配置されていてもよい。
〔タッチセンサー、タッチパネル積層体、タッチパネル〕
また、タッチセンサー用導電シートは、タッチパネルに適用される。タッチセンサー用導電シートがタッチパネルに適用される場合、上記タッチセンサー用導電シートはタッチセンサーの一部として機能する。上記タッチセンサー用導電シートを含むタッチパネルの好適態様としては、図3に示すような静電容量式タッチパネルが挙げられる。図3に示す静電容量式タッチパネル100は、保護基板20と、粘着シート15と、静電容量式タッチセンサー180と、粘着シート15と、表示装置50とを備える。後述するように、静電容量式タッチセンサー180は、本発明のタッチセンサー用導電シートで構成され、導電部が検出電極として機能する。
以下、静電容量式タッチパネル100で使用される各種部材について詳述する。
なお、以下では、静電容量式のタッチパネルについて説明するが、本発明のタッチセンサー用導電シートは他の形式のタッチパネルに適用されてもよい。
図4に、静電容量式タッチセンサー180の平面図を示す。図5は、図4中の切断線A−Aに沿って切断した断面図である。静電容量式タッチセンサー180は、基材22と、基材22の一方の主面上(表面上)に配置される第1検出電極24と、第1引き出し配線26と、基材22の他方の主面上(裏面上)に配置される第2検出電極28と、第2引き出し配線30と、フレキシブルプリント配線板32と、第1検出電極24及び第1引き出し配線26を覆うように配置される第1透明絶縁層40と、第2検出電極28及び第2引き出し配線30を覆うように配置される第2透明絶縁層42とを備える。なお、第1検出電極24及び第2検出電極28がある領域は、使用者によって入力操作が可能な入力領域EI(物体の接触を検知可能な入力領域(センシング部))を構成し、入力領域EIの外側に位置する外側領域EOには第1引き出し配線26、第2引き出し配線30及びフレキシブルプリント配線板32が配置される。
なお、静電容量式タッチセンサー180の基材22が上述したタッチセンサー用導電シートの基材に相当し、静電容量式タッチセンサー180の第1検出電極24及び第2検出電極28が上述したタッチセンサー用導電シートの導電部に相当し、静電容量式タッチセンサー180の第1透明絶縁層40及び第2透明絶縁層42が上述したタッチセンサー用導電シートの透明絶縁層に相当する。
以下では、上記構成について詳述する。
基材22は、入力領域EIにおいて第1検出電極24及び第2検出電極28を支持する役割を担うと共に、外側領域EOにおいて第1引き出し配線26及び第2引き出し配線30を支持する役割を担う部材である。
基材22の定義及び好適態様は、上述した基材12と同義である。
第1検出電極24及び第2検出電極28は、静電容量の変化を感知するセンシング電極であり、感知部(センサー部)を構成する。つまり、指先をタッチパネルに接触させると、第1検出電極24及び第2検出電極28の間の相互静電容量が変化し、この変化量に基づいて指先の位置をIC回路(集積回路)によって演算する。
第1検出電極24は、入力領域EIに接近した使用者の指のX方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指との間に静電容量を発生する機能を有している。第1検出電極24は、第1方向(X方向)に延び、第1方向と直交する第2方向(Y方向)に所定の間隔をあけて配列された電極であり、後述するように所定のパターンを含む。
第2検出電極28は、入力領域EIに接近した使用者の指のY方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指との間に静電容量を発生する機能を有している。第2検出電極28は、第2方向(Y方向)に延び、第1方向(X方向)に所定の間隔をあけて配列された電極であり、後述するように所定のパターンを含む。図4においては、第1検出電極24は5つ、第2検出電極28は5つ設けられているが、その数は特に制限されず複数あればよい。
図4中、第1検出電極24及び第2検出電極28は、金属細線により構成される。図6に、第1検出電極24の一部の拡大平面図を示す。図6に示すように、第1検出電極24は、金属細線34により構成され、交差する金属細線34による複数の開口部36を含んでいる。なお、第2検出電極28も、第1検出電極24と同様に、交差する金属細線34による複数の開口部36を含んでいる。つまり、第1検出電極24及び第2検出電極28が、上述した複数の金属細線からなるメッシュパターンを有する導電部に該当する。
第1検出電極24及び第2検出電極28は、上述した導電部16に該当し、複数の金属細線からなるメッシュパターンを有する。第1検出電極24及び第2検出電極28を構成する金属細線34の定義及び好適態様は、上述した金属細線14と同義である。また、開口部36の定義は上述の通りである。
第1引き出し配線26及び第2引き出し配線30は、それぞれ上記第1検出電極24及び第2検出電極28に電圧を印加するための役割を担う部材である。
第1引き出し配線26は、外側領域EOの基材22上に配置され、その一端が対応する第1検出電極24に電気的に接続され、その他端はフレキシブルプリント配線板32に電気的に接続される。
第2引き出し配線30は、外側領域EOの基材22上に配置され、その一端が対応する第2検出電極28に電気的に接続され、その他端はフレキシブルプリント配線板32に電気的に接続される。
なお、図4においては、第1引き出し配線26は5本、第2引き出し配線30は5本記載されているが、その数は特に制限されず、通常、検出電極の数に応じて複数配置される。
第1引き出し配線26及び第2引き出し配線30を構成する材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)若しくは銅(Cu)等の金属、又は、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ガリウム若しくは酸化チタン等の金属酸化物等が挙げられる。なかでも、導電性が優れる理由から、銀であることが好ましい。また、銀ペースト又は銅ペースト等の金属ペーストを用いて作製してもよい。さらに、アルミニウム(Al)若しくはモリブデン(Mo)等の金属、又は、合金薄膜で構成されていてもよい。金属ペーストの場合は、スクリーン印刷又はインクジェット印刷法で、金属又は合金薄膜の場合は、スパッタ膜をフォトリソグラフィー法等のパターニング方法が好適に用いられる。
なお、第1引き出し配線26及び第2引き出し配線30中には、基材22との密着性がより優れる点から、バインダーが含まれていることが好ましい。バインダーの種類は、上述の通りである。
フレキシブルプリント配線板32は、基板上に複数の配線及び端子が設けられた板であり、第1引き出し配線26のそれぞれの他端及び第2引き出し配線30のそれぞれの他端に接続され、静電容量式タッチセンサー180と外部の装置(例えば、表示装置)とを接続する役割を果たす。
第1透明絶縁層40は、第1検出電極24及び第1引き出し配線26を覆うように基材22上に配置される層である。また、第2透明絶縁層42は、第2検出電極28及び第2引き出し配線30を覆うように基材22上に配置される層である。
第1透明絶縁層40及び第2透明絶縁層42の定義は、上述した透明絶縁層と同義である。
なお、第1透明絶縁層40及び第2透明絶縁層42は、上述したフレキシブルプリント配線板32が配置される領域以外の基材22上に配置される。
〔静電容量式タッチセンサーの製造方法〕
静電容量式タッチセンサー180の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。
まず、基材上に検出電極及び引き出し配線を形成する方法としては、例えば、基材の両主面上に形成された金属箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する金属箔をエッチングする方法が挙げられる。また、基材の両主面上に金属微粒子又は金属ナノワイヤーを含むペーストを印刷し、ペーストに金属めっきを行う方法が挙げられる。
さらに、上記方法以外にハロゲン化銀を使用した方法が挙げられる。より具体的には、特開2014−209332号公報の段落0056〜0114に記載の方法が挙げられる。
上記手順によって、金属細線からなるパターン状の導電部を有する基材が製造される。次に、得られた導電部を覆うように、透明絶縁層が配置される。
透明絶縁層の形成方法は、上述した、透明絶縁層形成用組成物を用いる方法が挙げられる。
<<粘着シート>>
粘着シート(粘着層)15は、静電容量式タッチセンサー180と、保護基板20又は表示装置50を貼り合せるために配置される。粘着シート(粘着層)15としては特に限定されず、公知の粘着シートを使用することができる。
<<保護基板>>
保護基板20は、粘着シート上に配置される基板であり、外部環境から後述する静電容量式タッチセンサー180を保護する役割を果たすと共に、その主面はタッチ面を構成する。
保護基板20として、透明基板であることが好ましく、プラスチックフィルム、プラスチック板、及び、ガラス板等が用いられる。基板の厚みはそれぞれの用途に応じて適宜選択することが望ましい。
上記プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA(酢酸ビニル共重合ポリエチレン)等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、及び、シクロオレフィン系樹脂(COP)等を用いることができる。
また、保護基板20としては、偏光板、円偏光板等を用いてもよい。
<<表示装置>>
表示装置50は、画像を表示する表示面を有する装置であり、表示画面側に各部材が配置される。
表示装置50の種類は特に制限されず、公知の表示装置を使用することができる。例えば、陰極線管(CRT)表示装置、液晶表示装置(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)表示装置、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)、及び、電子ペーパー(E−Paper)等が挙げられる。
以上、本発明のタッチセンサー用導電シートをタッチセンサーの一部として機能させて用いたタッチパネルの一例を説明したが、本発明のタッチセンサー用導電シートは、タッチパネル積層体として構成されていてもよい。タッチパネル積層体としては、例えば、タッチセンサー用導電シートと、粘着シートと、剥離シートとを備えた構成が挙げられる。剥離シートは、タッチパネル積層体を搬送時に、タッチセンサー用導電シートに傷などがつくのを防止するための保護シートとして機能する。
また、本発明のタッチセンサー用導電シートは、例えば、タッチセンサー用導電シート、粘着シート、及び、保護基板をこの順で有する複合体の形態で取り扱われてもよい。
〔透明絶縁層形成用組成物〕
本発明の透明絶縁層形成用組成物は、タッチセンサー用導電シートの製造に用いられ、金属細線からなるパターン状の導電部の表面に塗布される透明絶縁層形成用組成物であり、化合物Aを含む。
本発明の透明絶縁層形成用組成物の構成は、タッチセンサー用導電シートの構成において説明した透明絶縁層形成用組成物の構成と同様であり、またその好適態様も同様である。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔実施例1〕
<<タッチセンサー用導電シートの作製>>
<導電部の形成>
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液及び3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液及び5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液及び3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、粒子を0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
1液:
水 750ml
ゼラチン 8.6g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法にしたがってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、上記で得られた溶液の温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返して(第三水洗)、水洗及び脱塩工程を終了した。水洗及び脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、ゼラチン2.5g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施した。その後、さらに、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
(感光性層形成用組成物の調製)
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
上記塗布液に、含有するゼラチンに対して、下記式(P−1)で表されるポリマーとジアルキルフェニルPEO(polyethylene glycol)硫酸エステルからなる分散剤を含有するポリマーラテックス(分散剤/ポリマーの質量比が2.0/100=0.02)とをポリマー/ゼラチン(質量比)=0.5/1になるように添加した。
さらに、架橋剤としてEPOXY RESIN DY 022(商品名:ナガセケムテックス社製)を添加した。なお、架橋剤の添加量は、後述するハロゲン化銀含有感光性層中における架橋剤の量が0.09g/m2となるように調整した。
以上のようにして感光性層形成用組成物を調製した。
なお、下記式(P−1)で表されるポリマーは、特許第3305459号及び特許第3754745号を参照して合成した。
(感光性層形成工程)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに上記ポリマーラテックスを塗布して、厚み0.05μmの下塗り層を設けた。
次に、下塗り層上に、上記ポリマーラテックスとゼラチンとを混合したハロゲン化銀不含有層形成用組成物を塗布して、厚み1.0μmのハロゲン化銀不含有層を設けた。なお、ポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は2/1であり、ポリマーの含有量は0.65g/m2であった。
次に、ハロゲン化銀不含有層上に、上記感光性層形成用組成物を塗布し、厚み2.5μmのハロゲン化銀含有感光性層を設けた。なお、ハロゲン化銀含有感光性層中のポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は0.5/1であり、ポリマーの含有量は0.22g/m2であった。
次に、ハロゲン化銀含有感光性層上に、上記ポリマーラテックスとゼラチンとを混合した保護層形成用組成物を塗布して、厚み0.15μmの保護層を設けた。なお、ポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は0.1/1であり、ポリマーの含有量は0.015g/m2であった。
(露光及び現像処理)
上記で作製した感光性層に、図2に示すメッシュパターンの現像銀像を与えうるフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。具体的には、導電部の厚みが1μmであり、且つ、導電性細線/非導電部が4μm/300μmの導電パターンを与える格子(正方形)状のフォトマスクを用いた。露光後、下記の現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、純水でリンスし、その後乾燥した。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
(加熱処理)
さらに、120℃の過熱蒸気槽に130秒間静置して、加熱処理を行った。
(ゼラチン分解処理)
さらに、下記のとおり調製したゼラチン分解液(40℃)に120秒浸漬し、その後、温水(液温:50℃)に120秒間浸漬して洗浄した。
ゼラチン分解液の調製:
タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼ30L)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%)に、トリエタノールアミン、硫酸を加えてpHを8.5に調製した。
(高分子架橋処理)
さらに、カルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡株式会社製)1%水溶液に30秒浸漬し、水溶液から取り出し、純水(室温)に60秒間浸漬し、洗浄した。
このようにして、PETフィルム上に導電部を形成したフィルムAを得た。
<透明絶縁層の形成>
2官能以上の多官能化合物としてPETA(ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート、(商品名KAYARAD PET=30)日本化薬株式会社製)40wt%、(メタ)アクリレートオリゴマーとしてナトコUV自己治癒(ナトコ株式会社製)56.9wt%、レベリング剤(化合物A)としてBYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン社製)0.1wt%、光重合開始剤としてIrgacure184(BASF社製)3wt%の混合液を、スクリーン印刷により、上記で作製したフィルムAの導電部である銀メッシュパターン上に塗布し、塗膜を形成した。次いで、上記塗膜を、Fusion社製Dバルブを用いて照射強度160mW/cmで、積算照度が1000mJ/cmとなるように露光し、厚み10μmの硬化膜である透明絶縁層を形成した。
なお、第1表において「Siユニット」はジメチルシロキサン構造単位、「EOユニット」はポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、「POユニット」はポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位を意味する。また、「Siユニット量」、「EOユニット量」及び「POユニット量」は、上記「Siユニット」、「EOユニット」及び「POユニット」の各モル量の合計に対する各構造単位の含有量(モル%)を意味する。
<<各物性測定>>
<レベリング剤の同定>
レベリング剤(化合物A)の組成は、レベリング剤のNMR(核磁気共鳴)の測定により同定した。また、透明絶縁層中のレベリング剤の組成は、透明絶縁層表面をSIMS法(Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定することによりで同定した。
各種同定方法は、下記の通りである。
レベリング剤(化合物A)のNMR(核磁気共鳴)測定:NMRにてSiユニット、EOユニット、POユニットに帰属されるピーク強度比からmol数を算出する。
透明絶縁層中の化合物BのSIMS法による測定:TOF−SIMS装置について、Bi3+の一次イオンを用いて、各構造単位のそれぞれの二次イオンの信号強度をTotal ion強度(または規格化に適した成分由来の質量ピークの信号強度)で規格化することにより測定した。同定結果を第1表中の「透明絶縁層中に含まれる化合物A、Bの組成(第1実施形態)」欄に示す。
透明絶縁層表面のSIMS法による測定:TOF−SIMS装置について、Bi3+の一次イオンを用いて、シロキサン末端構造単位、エチレンオキサイド構造単位、プロピレンオキサイド構造単位及びジメチルシロキサン構造単位のそれぞれの二次イオンの信号強度をTotal ion強度(または規格化に適した成分由来の質量ピークの信号強度)で規格化することにより測定した。同定結果を第1表中の「透明絶縁層の表面状態(第2実施形態)」欄に示す。
<透明絶縁層形成用組成物の表面張力>
透明絶縁層形成用組成物の表面張力は、FTA製の接触角計FTA1000を用いて、25℃にて測定した。
<透明絶縁層の表面エネルギー>
透明絶縁層の表面エネルギーは、協和界面科学(株)製の自動接触角計DM−300を用いて、25℃にて測定した。
<全光線透過率>
得られたタッチセンサー用導電シートの可視光領域(波長400〜700nm)に対する全光線透過率を測定した(なお、測定位置は、透明絶縁層が形成された領域である)。測定には、分光測色計CM−3600A(コニカミノルタ株式会社製)を用いた。この結果、実施例1のタッチセンサー用導電シートの全光線透過率は95%であった。また、実施例2〜11、比較例1〜6についても同様の測定を行い、いずれのタッチセンサー用導電シートにおいても全光線透過率が95%程度であることを確認した。
<<評価>>
得られたタッチセンサー用導電シートについて、各種評価を行った。
<レベリング性の評価>
レベリング性の評価は、上記タッチセンサー用導電シートの作製工程において、フィルムA上に配置された透明絶縁層形成用組成物(塗布液)の露光前の塗膜を観察することにより、「平滑性」及び「はじき性」の2つの観点で行った。以下、各評価方法について説明する。
(1)平滑性
上記した手順により、フィルムAに透明絶縁層形成用組成物(塗布液)を塗布して塗膜を形成した後、10分間室温下に静置した。静置後、目視により塗膜の平滑性を観察し、下記の評価基準により判定した。結果を第1表に示す。実用上、平滑性は、「4」以上であることが好ましい。
「5」:ほぼ平滑
「4」:わずかに凹凸が見られる
「3」:はっきりした凹凸が見られる
「2」:大きな凹凸が見られる
「1」:非常に大きい凹凸が見られる
(2)はじき性評価
上述した手順により、フィルムAに透明絶縁層形成用組成物(塗布液)を塗布して塗膜を形成した後、10分間室温下に静置した。静置後、目視により塗膜のはじき性を観察し、下記の評価基準により判定した。結果を第1表に示す。実用上、はじき性は、「3」以上であることが好ましい。
「5」:はじきがない
「4」:はじきかけが少しあるが、スポット的な非成膜領域は形成されていない
「3」:はじきかけが多くあるが、スポット的な非成膜領域は形成されていない
「2」:スポット的な非成膜領域が一部見られる
「1」:一面にスポット的な非成膜領域が見られる
<膜収縮性の評価>
タッチセンサー用導電シートの膜収縮性の評価は、上記タッチセンサー用導電シートの作製工程において、フィルムA上に配置された透明絶縁層形成用組成物(塗布液)の露光前の塗膜を観察することにより行った。
具体的には、上述した手順により、フィルムAに透明絶縁層形成用組成物(塗布液)を塗布して塗膜を形成した後、10分間室温下に静置した。静置後、定規と目視により塗膜の膜収縮性を観察し、下記の評価基準により判定した。結果を第1表に示す。実用上、膜収縮性は、「3」以上であることが好ましい。
「5」:収縮が全く見られない
「4」:端部に少しだけ盛り上がりが見られるが、寸法変化はない
「3」:端部に盛り上がりが見られるが、寸法変化はない
「2」:端部の一部に寸法変化が見られる
「1」:端部の全面に寸法変化が見られる
<密着性評価>
得られたタッチセンサー用導電シートの透明絶縁層の上に、粘着層付き保護フィルムである剥離用フィルム(商品名「SRL−0753」、リンテック社製)を貼り付けた。具体的には、タッチセンサー用導電シートの透明絶縁層の上に、2kgローラーを用いて上記の剥離用フィルムを貼り合わせ、オートクレーブ(40℃、0.5MPa)で20分間処理し、24時間放置した。続いて、島津製作所社製オートグラフを用いて剥離フィルムの一端を把持して、180度ピール試験(引張速度300cm/分)を行い、密着力(N/mm)を測定した。結果を第1表に示す。実用上、密着力は、0.12N/mm以上であることが好ましい。
〔実施例2〜11、比較例1〜5〕
下記表1に示すように導電部材料又は透明絶縁層形成用組成物の組成若しくは配合を変更した以外は上記実施例1と同様の方法により、実施例2〜11、比較例1〜5のタッチセンサー用導電シートを作製し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
以下、実施例1〜11、比較例1〜5で使用する各種材料を示す。
((メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物)
(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、下記に示すものを用いた。
・2官能以上の多官能化合物
「PETA」:ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート(商品名KAYARAD PET=30)日本化薬株式会社製
「DPHA」:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名KAYARAD DPHA)日本化薬株式会社製
・ウレタン(メタ)アクリレート化合物
「ナトコUV自己治癒」:ウレタンアクリレート化合物(ナトコ株式会社製)
「EXP DX−40」:ウレタンアクリレート化合物(DIC株式会社製)
「AH−300」:ウレタンアクリレート化合物(共栄化学株式会社製)
「UA−300H」:ウレタンアクリレート化合物(共栄化学株式会社製)
・希釈用単官能(メタ)アクリレートモノマー
「HDDA」:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)
「IBXA」:イソボニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)
(レベリング剤)
レベリング剤(化合物A)としては、下記に示すものを用いた。なお、各レベリング剤中に含まれる「Siユニット量」、「EOユニット量」及び「POユニット量」は、H−NMR(核磁気共鳴法)により同定した。その結果、レベリング剤中に含まれる各種ユニット量は、表中に示した透明絶縁層の膜のSIMS法(「透明絶縁層中に含まれる化合物A,Bの組成(第1実施形態)」欄)による同定値と略一致することが確認された。
・「BYK−UV3500」:(ビックケミー・ジャパン社製)
・「BYK−302」:(ビックケミー・ジャパン社製)
・「BYK−UV3510」:(ビックケミー・ジャパン社製)
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、下記に示すものを用いた。
・「Irgacure184」:(BASF社製)
(導電部材料)
導電部材料としては、下記に示すものを用いた。
・「Agメッシュパターン」:Agメッシュパターンは、実施例1のタッチセンサー用導電シートで詳述した通りである。
・「Cuメッシュパターン」:
まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにスパッタリング法により厚さ5nmのNi層を成膜した後、抵抗加熱による真空蒸着法で銅蒸着して厚さ2μmのCu平膜を形成した。次いで、通常のフォトリソグラフィー法により、実施例1で作製したAgメッシュパターンと同様のパターニングを実施し、基材上にCuメッシュパターンからなる導電部を有するフィルムを作製した。
・「Agナノワイヤー」:
特開2009−215594号公報に記載の方法に準じてAgナノワイヤーを作製し、厚さ1μmの塗膜を形成した。次いで、通常のフォトリソグラフィー法により、実施例1で作製したAgメッシュパターンと同様のパターニングを実施し、基材上にAgワイヤーからなる導電部を有するフィルムを作製した。
(表1)
(表1つづき)
(表1つづき)
表1の結果から、実施例のタッチパネル用導電シートの透明絶縁層は、レベリング性に優れ、また塗膜時の収縮が抑制されていることにより、導電部の所定位置に形成されていることが確認された。また、粘着シートとの密着性も良好であることが確認された。
一方、比較例のタッチパネル用導電シートの透明絶縁層は、いずれもレベリング性が悪く、また塗膜時の収縮により導電部の所定位置において被覆されていない箇所があった。
10 タッチセンサー用導電シート
12、22 基材
14、34 金属細線
15 粘着層(粘着シート)
16 導電部
18、40、42 透明絶縁層
20 保護基板
24 第1検出電極
26 第1引き出し配線
28 第2検出電極
30 第2引き出し配線
32 フレキシブルプリント配線板
36 開口部
50 表示装置
100 静電容量式タッチパネル
180 静電容量式タッチセンサー

Claims (16)

  1. 基材と、
    前記基材上に配置された、金属細線からなるパターン状の導電部と、
    前記導電部上に配置された透明絶縁層と、を備えるタッチセンサー用導電シートであって、
    前記透明絶縁層が、化合物Aを含む透明絶縁層形成用組成物を用いて形成された層であり、
    前記化合物Aが、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位とを有し、さらに、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物であり、
    前記ジメチルシロキサン構造単位の含有量が、前記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、前記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、前記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、30モル%以上である、タッチセンサー用導電シート。
  2. 前記化合物Aにおいて、前記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位の含有量が、前記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、前記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位及び前記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して10モル%以上である、請求項1に記載のタッチセンサー用導電シート。
  3. 前記透明絶縁層形成用組成物が、さらに、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物と、重合開始剤とを含む、請求項1又は2に記載のタッチセンサー用導電シート。
  4. 前記透明絶縁層形成用組成物の表面張力が、25℃において、35mN/m以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタッチセンサー用導電シート。
  5. 基材と、
    前記基材上に配置された、金属細線からなるパターン状の導電部と、
    前記導電部上に配置された透明絶縁層と、を備えるタッチセンサー用導電シートであって、
    前記透明絶縁層が、化合物Bを含み、
    前記化合物Bが、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位とを有し、
    前記ジメチルシロキサン構造単位の含有量が、前記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、前記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、前記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、30モル%以上である、タッチセンサー用導電シート。
  6. 前記化合物Bにおいて、前記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位の含有量が、前記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、前記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、前記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、10モル%以上である、請求項5に記載のタッチセンサー用導電シート。
  7. 基材と、
    前記基材上に配置された、金属細線からなるパターン状の導電部と、
    前記導電部上に配置された透明絶縁層と、を備えるタッチセンサー用導電シートであって、
    前記透明絶縁層の表面において、シロキサン末端構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位と、エチレンオキサイド構造単位と、プロピレンオキサイド構造単位を含み、前記シロキサン末端構造単位に対する前記ジメチルシロキサン構造単位のモル比率が7以上であり、且つ、前記エチレンオキサイド構造単位に対する前記プロピレンオキサイド構造単位のモル比率が0.1以上である、タッチセンサー用導電シート。
  8. 前記透明絶縁層が、さらに、架橋構造を有する(メタ)アクリル樹脂を含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載のタッチセンサー用導電シート。
  9. 前記透明絶縁層の表面エネルギーが、25℃において、30mN/m以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタッチセンサー用導電シート。
  10. 前記導電部が、前記基材の両面にそれぞれ配置され且つ銀細線からなるメッシュパターンを有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のタッチセンサー用導電シート。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のタッチセンサー用導電シートの製造方法であって、
    前記基材及び前記導電部上に、スクリーン印刷法により透明絶縁層を形成する透明絶縁層形成工程を有する、タッチセンサー用導電シートの製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のタッチセンサー用導電シートを含む、タッチセンサー。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のタッチセンサー用導電シートと、粘着シートと、剥離シートとをこの順に備える、タッチパネル積層体。
  14. 請求項12に記載のタッチセンサーを含む、タッチパネル。
  15. タッチセンサー用導電シートの製造に用いられ、金属細線からなるパターン状の導電部の表面に塗布される透明絶縁層形成用組成物であって、
    前記透明絶縁層形成用組成物が、化合物Aを含み
    前記化合物Aが、ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位と、ジメチルシロキサン構造単位とを有し、さらに、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有し、
    前記ジメチルシロキサン構造単位の含有量が、前記ポリオキシエチレン鎖を有するシロキサン構造単位、前記ポリオキシプロピレン鎖を有するシロキサン構造単位、及び、前記ジメチルシロキサン構造単位の各モル量の合計に対して、30モル%以上である、透明絶縁層形成用組成物。
  16. 前記透明絶縁層形成用組成物の表面張力が、25℃において、35mN/m以下である、請求項15に記載の透明絶縁層形成用組成物。
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CN113330051A (zh) * 2019-02-27 2021-08-31 帝人株式会社 热塑性树脂和光学构件

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