JP4862244B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、巻上機にて牽引ロープを駆動して乗りかごとつり合いおもりとの昇降を行うエレベータ装置に関するものである。
背景技術
従来から、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて最上階の乗り場より上方に移動したときに、乗りかごがガイドレールから外れるのを防止するエレベータ装置が知られている。
以下、図4を用いて、既知のエレベータ装置について説明する。図4は、既知のエレベータ装置を示す概略断面図である。
同図に示すように、エレベータ装置は、主として、乗員等が乗り込み昇降路10内を昇降する乗りかご1、乗りかご1の昇降方向と相反する方向に昇降するつり合いおもり2、乗りかご1を一端側に懸架しつり合いおもり2を他端側に懸架する牽引ロープ3(主索)、滑車5を備えその滑車5に牽引ロープ3を巻き掛けて牽引ロープ3を駆動する巻上機4(巻上モータ)、乗りかご1の昇降を案内する乗りかご用のガイドレール8、つり合いおもり2の昇降を案内する図示せぬつり合いおもり用のガイドレール等で構成される。なお、巻上機4は、昇降路10の頂上部に設置された支持台11上に支持されている。
ここで、乗りかご1の上部には、ローラ部等を有する上部案内装置7(ガイド装置)が固設されており、上部案内装置7のローラ部がガイドレール8の表面に当接している。そして、乗りかご1の昇降を案内するガイドレール8の上端部には、上部案内装置7がガイドレール8から外れるのを防止するストッパ9が設けられている。
以上のように構成されたエレベータ装置において、滑車5での摩擦伝動による牽引ロープ3の駆動により、乗りかご1は、昇降路10内の所定の範囲を乗りかご用のガイドレール8に沿って昇降することになる。ここで、昇降路10内の所定の範囲とは、図示せぬ最下階の乗場から最上階の乗場6までの、乗りかご1の通常の昇降範囲をいう。
そして、例えば、巻上機4のブレーキ系が故障して滑車5の制動のタイミングが遅れた場合等に、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて、最上階の乗場6より上方に移動する場合がある。このとき、上部案内装置7はストッパ9に当接して、乗りかご1がガイドレール8から外れるのを防止する。
ところが、上述した既知のエレベータ装置においては、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて、上部案内装置7がストッパ9に当接したときに、装置の構成部材に不具合が生じる可能性があった。例えば、巻上機4のブレーキ系がまったく機能しなかった場合には、滑車5は回転速度を減じることなく通常の昇降時と同じスピードで回転することになる。したがって、その場合には、上部案内装置7は通常の乗りかご1の昇降のスピードと等速度で、ストッパ9に衝突することになる。この衝突による衝撃力により、上部案内装置7やストッパ9が損傷したり、ガイドレール8が変形する等の可能性があった。また、上部案内装置7とストッパ9との当接により、牽引ロープ3には通常時以上の張力がかかることになり、巻上機4や牽引ロープ3の損傷等を招く可能性があった。このような不具合が発生した場合には、その後の乗りかご1の乗り心地に影響するばかりか、装置の耐久性を低下させることにもなる。
特に、近年のエレベータ装置においては、省スペース化の要望を満足するために、昇降路内におけるガイドレール8の長さを必要最小限に設定しているものが多くみられる。すなわち、ガイドレール8を最上階の乗場6位置より僅かに長く設定することで、昇降路10の高さをなるべく低く押さえようとするものである。したがって、ガイドレール8の長さが短くなる分だけ、乗りかご1のガイドレール8からの外れに対する余裕度が小さくなるために、上述の問題がより一層クローズアップされることになる。
この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降する場合であっても、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合が生じない高品質で信頼性の高いエレベータ装置を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は、エレベータ装置において、昇降路内の所定の範囲をこえて乗りかごが昇降するときに、巻上機の滑車が牽引ロープに対して空転するようにしたものである。これによって、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降しようとしても、所定の範囲をこえての昇降を未然に防止して、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせないことができる。
また、本発明は、上述の改良されたエレベータ装置において、昇降路内の所定の範囲をこえて乗りかごが昇降するときに、牽引ロープの低摩擦領域を巻上機の滑車に巻き付けるようにしたものである。これによって、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降しようとしても、滑車から牽引ロープへの摩擦伝動はされないので、所定の範囲をこえての昇降を未然に防止して、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせないことができる。
また、本発明は、上述の改良されたエレベータ装置において、昇降路内の所定の範囲をこえて乗りかごが昇降するときに、巻上機の滑車に対する牽引ロープの巻き付き角を減ずるようにしたものである。これによって、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降しようとしても、滑車から牽引ロープへの摩擦伝動はされないので、所定の範囲をこえての昇降を未然に防止して、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせないことができる。
また、本発明は、上述の改良されたエレベータ装置において、昇降路内の所定の範囲をこえて乗りかごが昇降するときに、牽引ロープが嵌合部を外れて凹凸部を備えた滑車に巻き付くようにしたものである。これによって、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降しようとしても、滑車から牽引ロープへのかみ合い伝動はされないので、所定の範囲をこえての昇降を未然に防止して、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせないことができる。
発明を実施するための形態
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるエレベータ装置を示す概略断面図である。
同図に示すように、本第1の実施の形態にかかるエレベータ装置は、主として、昇降路10内を昇降する乗りかご1、乗りかご1の昇降方向と相反する方向に昇降するつり合いおもり2、乗りかご1を一端側に懸架しつり合いおもり2を他端側に懸架する牽引ロープ3、滑車5を備えその滑車5に牽引ロープ3を巻き掛けて牽引ロープ3を駆動する巻上機4、乗りかご1の昇降を案内する乗りかご用のガイドレール8、つり合いおもり2の昇降を案内する図示せぬつり合いおもり用のガイドレール等で構成される。なお、巻上機4は、昇降路10の頂上部に設置された支持台11上に支持されている。また、乗りかご1の上部には、上部案内装置7が固設されており、上部案内装置7がガイドレール8に当接している。 ここで、牽引ロープ3は、長手方向(ロープ長に相当する方向である。)の一部に摩擦係数の低い低摩擦領域3aを有している。すなわち、牽引ロープ3は、滑車5での摩擦伝動に必要な通常の摩擦係数を有する領域と、その領域の摩擦係数よりも低い摩擦係数を有する低摩擦領域3aにて形成されている。この低摩擦領域3aを有する牽引ロープ3は、例えば、通常の牽引ロープ3の所望の位置に低摩擦部材を被覆又はコーティングすることにより形成されるものである。また、低摩擦領域3aは、牽引ロープ3の長手方向における乗りかご2寄りの位置に形成されている。そして、低摩擦領域3aの摩擦係数は、低摩擦領域3aが滑車5に巻き付いたときに、滑車5を空転させるのに充分な値となっている。
以上のように構成された本第1の実施の形態にかかるエレベータ装置は、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて、最上階の乗場6より上方に移動する場合に、牽引ロープ3の低摩擦領域3aが巻上機4の滑車5に巻き付くようにされている。そして、低摩擦領域3aが巻上機4の滑車5に巻き付いた場合には、滑車5は牽引ロープ3に対して相対的に滑ることになり、牽引ロープ3に摩擦による駆動力を伝達しないことになる。これにより、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて移動しようとしても、最上階の乗場6より上には移動しないか、移動しても僅かな距離しか移動しないことになり、乗りかご1がガイドレール8から外れるのを確実に防止することができる。
以上説明したように、本第1の実施の形態にかかるエレベータ装置によれば、乗りかご1が昇降路10内の所定の範囲をこえて昇降しようとすると、滑車5が牽引ロープ3に対して空転するようにされているため、ガイドレール8、乗りかご1、巻上機4、牽引ロープ3等の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせない高品質で信頼性の高いエレベータ装置を提供することができる。
なお、本第1の実施の形態では、巻上機4を昇降路10の頂上部に設置したエレベータ装置について説明したが、巻上機4をそれ以外の箇所、例えば、昇降路10の底部に設置したエレベータ装置であっても、本発明を適用することができる。その場合には、牽引ロープ3の低摩擦領域3aの位置を、それに対応した位置とすることになり、これにより本第1の実施の形態と同様の効果を奏することになる。
また、本第1の実施の形態では、乗りかご1が昇降路10内の所定の範囲をこえる場合を、乗りかご1が最上階より上に移動する場合としたが、本第1の実施の形態は、乗りかご1が最下階より下に移動する場合にも適用することができる。その場合には、牽引ロープ3の低摩擦領域3aの位置を、つり合いおもり2寄りの位置とすることになり、これにより本第1の実施の形態と同様の効果を奏することになる。
図2は、本発明の第2の実施の形態にかかるエレベータ装置を示す概略断面図である。
同図に示すように、本第2の実施の形態にかかるエレベータ装置は、前記第1の実施の形態と同様に、主として、乗りかご1、つり合いおもり2、牽引ロープ3、滑車5を備えた巻上機4、乗りかご用のガイドレール8、図示せぬつり合いおもり用のガイドレール等で構成される。
また、昇降路10内の底部には、つり合いおもり2の荷重を受ける受け台12が設置されている。この受け台12は、乗りかご2が昇降路10内の所定範囲をこえて最上階の乗場6より上に移動して、それに対応してつり合いおもり2が所定範囲より下に移動したときに、そのつり合いおもり2と当接するように形成されたものである。さらに、受け台12は、つり合いおもり2が当接する際の衝撃を緩衝するために、例えば、防振ゴム等の衝撃吸収性を有する材料で形成されている。
また、巻上機4の設置された昇降路10の頂上部には、滑車5とつり合いおもり2との間で牽引ロープ3に当接する従動滑車16と、その従動滑車16を一端で支持して昇降路10の壁部に他端を支持された引張スプリング15とが設置されている。なお、従動滑車16を支持する引張スプリング15は、つり合いおもり2側の牽引ロープ3の張力が通常の大きさより小さくなったときに、牽引ロープ3を昇降路10内の壁側に引張るのに充分なスプリング力を有している。
以上のように構成された本第2の実施の形態にかかるエレベータ装置は、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲を昇降しているときには、従動滑車16が所定位置(図の二点鎖線で示す位置である。)にて牽引ロープ3に接して、牽引ロープ3の滑車5に対する巻き付き角は約180°に保たれる。これに対して、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて昇降しているときには、引張スプリング15のスプリング力により従動滑車16が所定位置から移動(図の実線で示す位置への矢印方向の移動である。)して、牽引ロープ3の滑車5に対する巻き付き角は減ぜられる。ここで、巻き付き角とは、滑車5に巻き掛けられる牽引ロープ3の範囲をいい、その範囲を滑車5の回動中心からみた角度にて示したものである。
すなわち、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて、最上階の乗場6より上方に移動する場合に、受け台12が、つり合いおもり2の荷重を受けて、つり合いおもり2側の牽引ロープ3の張力を減ずる。そして、引張スプリング15のスプリング力により、従動滑車16が、張力が減じたつり合いおもり2側の牽引ロープ3を、滑車5に対する牽引ロープ3の巻き付け角を減ずる方向に離脱させる。そして、つり合いおもり2側の牽引ロープ3には、乗りかご1側の張力とほぼ同等の張力が生じることになる。
このように、巻上機4の滑車5に対する牽引ロープ3の巻き付き角が減ぜられた場合には、滑車5と牽引ロープ3との接触面は通常時より小さくなるので、滑車5は牽引ロープ3に対して相対的に滑ることになり、牽引ロープ3に摩擦による駆動力を伝達しないことになる。これにより、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて移動しようとしても、最上階の乗場6より上には移動しないか、移動しても僅かな距離しか移動しないことになり、乗りかご1がガイドレール8から外れるのを確実に防止することができる。
以上説明したように、本第2の実施の形態にかかるエレベータ装置によれば、乗りかご1が昇降路10内の所定の範囲をこえて昇降しようとすると、滑車5が牽引ロープ3に対して空転するようにされているため、ガイドレール8、乗りかご1、巻上機4、牽引ロープ3等の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせない高品質で信頼性の高いエレベータ装置を提供することができる。
図3は、本発明の第3の実施の形態にかかるエレベータ装置を示す概略断面図である。
同図に示すように、本第3の実施の形態にかかるエレベータ装置は、前記各実施の形態と同様に、主として、乗りかご1、つり合いおもり2、乗りかご1とつり合いおもり2とを両端側にそれぞれ懸架する牽引ロープ19、牽引ロープ19を巻き掛ける滑車18を備えた巻上機4、乗りかご用のガイドレール8、図示せぬつり合いおもり用のガイドレール等で構成される。
ここで、巻上機4の滑車18は、円周方向に等ピッチで形成された凹凸部を備えた、例えば、スプロケットである。また、牽引ロープ19は、長手方向の一部に、滑車18の凹凸部にかみ合う嵌合部19bを備えた、例えば、スプロケットの歯形状に対応した歯付きベルトである。そして、牽引ロープ19の乗りかご1寄りの部分には、滑車18の凹凸部とは嵌合しない非嵌合部19aが形成されている。
以上のように構成された本第3の実施の形態にかかるエレベータ装置は、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲を昇降しているときには、牽引ロープ19の嵌合部19bが滑車18の凹凸部に嵌合して、かみ合い伝動により滑車18が牽引ロープ19を駆動して乗りかご1及びつり合いおもり2の昇降を行うことになる。
これに対して、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて、最上階の乗場6より上方に移動するときには、牽引ロープ19の非嵌合部19aが巻上機4の滑車18に巻き付くようにされている。そして、非嵌合部19aが巻上機4の滑車18に巻き付いた場合には、牽引ロープ19は滑車18の凸部に接触するだけなので、滑車18は牽引ロープ19に対して相対的に滑ることになり、牽引ロープ19にかみ合いによる駆動力を伝達しないことになる。これにより、乗りかご1が昇降路10内の所定範囲をこえて移動しようとしても、最上階の乗場6より上には移動しないか、移動しても僅かな距離しか移動しないことになり、乗りかご1がガイドレール8から外れるのを確実に防止することができる。
以上説明したように、本第3の実施の形態にかかるエレベータ装置によれば、乗りかご1が昇降路10内の所定の範囲をこえて昇降しようとすると、滑車18が牽引ロープ19に対して空転するようにされているため、ガイドレール8、乗りかご1、巻上機4、牽引ロープ19等の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせない高品質で信頼性の高いエレベータ装置を提供することができる。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。また、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明にかかるエレベータ装置は、昇降路内の所定の範囲をこえて乗りかごが昇降するときに、巻上機の滑車が牽引ロープに対して空転するようにしたものである。これによって、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降しようとしても、所定の範囲をこえての昇降を未然に防止することができるので、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせない高品質で信頼性の高いエレベータ装置として有用である。
また、本発明にかかるエレベータ装置は、昇降路内の所定の範囲をこえて乗りかごが昇降するときに、牽引ロープの低摩擦領域を巻上機の滑車に巻き付けるようにしたものである。これによって、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降しようとしても、滑車から牽引ロープへの摩擦伝動はされずに、所定の範囲をこえての昇降を未然に防止することができるので、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせない高品質で信頼性の高いエレベータ装置として有用である。
また、本発明にかかるエレベータ装置は、昇降路内の所定の範囲をこえて乗りかごが昇降するときに、巻上機の滑車に対する牽引ロープの巻き付き角を減ずるようにしたものである。これによって、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降しようとしても、滑車から牽引ロープへの摩擦伝動はされずに、所定の範囲をこえての昇降を未然に防止することができるので、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせない高品質で信頼性の高いエレベータ装置として有用である。
また、本発明にかかるエレベータ装置は、昇降路内の所定の範囲をこえて乗りかごが昇降するときに、牽引ロープが嵌合部を外れて凹凸部を備えた滑車に巻き付くようにしたものである。これによって、乗りかごが昇降路内の所定の範囲をこえて昇降しようとしても、滑車から牽引ロープへのかみ合い伝動はされずに、所定の範囲をこえての昇降を未然に防止することができるので、装置の構成部材に変形、損傷等の不具合を生じさせない高品質で信頼性の高いエレベータ装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明にかかる好ましい第1のエレベータ装置を示す概略断面図である。
図2は、この発明にかかる好ましい第2のエレベータ装置を示す概略断面図である。
図3は、この発明にかかる好ましい第3のエレベータ装置を示す概略断面図である。
図4は、既知のエレベータ装置を示す概略断面図である。

Claims (3)

  1. 昇降路内の所定の範囲をそれぞれのガイドレールに沿って昇降する乗りかごとつり合いおもりとを両端側にそれぞれ懸架する牽引ロープと、
    回動可能な滑車を備えるとともに上記牽引ロープを上記滑車に巻き掛けて上記牽引ロープを駆動する巻上機とを備えたエレベータ装置であって、
    上記牽引ロープは、長手方向の一部に摩擦係数の低い低摩擦領域を有し、上記昇降路内の所定の範囲をこえて上記乗りかごが昇降するときに、上記牽引ロープの上記低摩擦領域が上記滑車に巻き付いて、上記巻上機の上記滑車が上記牽引ロープに対して空転するようにしたことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 上記昇降路内の所定の範囲をこえて上記乗りかごが昇降するときに、上記つり合いおもりの荷重を受けて上記つり合いおもり側の上記牽引ロープの張力を減ずる受け台と、
    上記張力が減じたつり合いおもり側の上記牽引ロープを、上記滑車に対する上記牽引ロープの巻き付き角を減ずる方向に離脱させる従動滑車とを備えたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のエレベータ装置。
  3. 上記滑車は、円周方向に等ピッチで形成された凹凸部を備え、
    上記牽引ロープは、長手方向の一部に上記滑車の凹凸部とかみ合う嵌合部を有し、
    上記昇降路内の所定の範囲をこえて上記乗りかごが昇降するときに、上記牽引ロープが上記嵌合部を外れて上記滑車に巻き付くようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のエレベータ装置。
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