JP2006168846A - エレベータ装置および非常止め試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置および非常止め試験方法を提供する。
【解決手段】釣合錘3を収納する釣合錘収納枠6に脱着可能として設置される固定治具8aを備え、非常止め試験に際してジャッキ装置9により釣合錘収納枠6を持ち上げて上方向へ移動させるための固定治具8aを昇降路に配設される釣合錘用ガイドレール7に取り付ける固定治具用穴14からなる取付手段を釣合錘用ガイドレールに設けた。
【選択図】図2

Description

この発明は、エレベータ装置および非常止め試験方法、特に、かごの異常落下時にかごを強制的に停止させる非常止め装置を備えたエレベータ装置および非常止め試験方法に関するものである。
一般的に、エレベータは、竣工の際、エレベータの安全性の検証として「非常止めの試験」が行われる。この試験はエレベータのかごに取り付けられた非常止めを作動させ、かごが動かないようにした状態で、かごを下降方向に動かすべく巻上機用モータを回転させる。
この時、かごは動かないのでシーブは釣合錘からロープのみをかご側に繰り出そうとし、ロープが緩み、ついにはシーブが空転する。もし、非常止めのかごを保持する力が不十分だとロープの繰り込んだ分だけが下降することになる。このようにして、「非常止めの安全性」が検証される。
しかしながら、綱車を空転させるためには、綱車とロープとの摩擦力に打ち勝つための大きなトルクが必要である。そのために、巻上機用モータのトルクを大きくしなければならず、巻上機用モータを大型化し、あるいはインバータ容量を増加する必要があるという問題点があった。
従来技術においては、非常止め試験での巻上機用モータに必要なトルクを小さくするため、釣合錘を第1錘と第2錘とに分割し、非常止め試験時には第2錘を切り離すようにしたものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この従来技術では、重量が嵩む釣合錘を切り離すという面倒な操作を必要とする。
特開平2003−2564号公報
この発明は、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置および非常止め試験方法を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータ装置は、かごと、前記かごとの釣合いをとる釣合錘と、一端部が前記かごに接続され、他端部が前記釣合錘に接続されたロープと、前記ロープが巻き掛けされた綱車と、前記綱車を駆動して前記かごおよび前記釣合錘を昇降させる巻上機用モータと、前記かごに設けられ、前記かごの異常落下時にかごを強制的に停止させる非常止め装置とを備えたエレベータ装置であって、前記釣合錘を収納する釣合錘収納枠に設けられ非常止め試験に際し釣合錘収納枠を上方へ移動させる装置を備えたものである。
また、この発明に係るエレベータ装置の非常止め試験方法は、かごと、前記かごとの釣合いをとる釣合錘と、一端部が前記かごに接続され、他端部が前記釣合錘に接続されたロープと、前記ロープが巻き掛けされた綱車と、前記綱車を駆動して前記かごおよび前記釣合錘を昇降させる巻上機用モータと、前記かごに設けられ、前記かごの異常落下時にかごを強制的に停止させる非常止め装置とを備えたエレベータ装置の非常止め試験に際して、前記釣合錘を収納する釣合錘収納枠に設けられる装置によって前記釣合錘収納枠を上方へ移動させるようにしたものである。
この発明によれば、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置および非常止め試験方法を得ることができる。
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1から図3について説明する。図1は実施の形態1におけるエレベータ装置の全体構成を示す側面図である。図2は実施の形態1におけるエレベータ装置の釣合錘部分の構成を示す正面図である。図3は実施の形態1におけるエレベータ装置の固定治具を釣合錘用ガイドレールに固定する固定手段を示す斜視図である。
エレベータ装置の全体構成を示す図1において、エレベータ装置1は、かご2と、このかご2と釣合いをとる釣合錘3と、一端部がかご2に接続され、他端部が釣合錘3に接続されている主ロープ4と、主ロープ4に巻き掛けされた綱車10とを備えている。さらに、エレベータ装置1は、綱車10に連結された巻上機用モータ11を備えており、この巻上機用モータ11が綱車10を回転させて、かご2および釣合錘3を昇降路12内で昇降させている。
非常止め装置5は、通常、かご2の下部に設けられており、かごガイドレールCRをつかむ非常止めシューESと、非常止めシューESを動作させる非常止めレバーELとを有している。この非常止めレバーELは、鉛直方向に設けられたガバナロープGRに固定されており、通常運転時にはガバナロープGRとともに移動している。昇降路12の上部には調速機(ガバナ)GMが設けられており、例えば巻上機が制御不能になり、かご2が増速して降下し、かご2の速度が定格速度の1.2倍から1.4倍になるとこの調速機(ガバナ)GMが動作し、ガバナシューGSでガバナロープGRを掴むようになっている。従って、何らかの原因で、かご2の下降速度が異常に大きくなると、調速機GMが動作しガバナロープGRを掴むことにより、非常止めレバーELを相対的に引き上げる。このようにして、非常止めレバーELを動作させることにより、非常止めシューESがかごガイドレールCRを掴み、その摩擦力でかご2を停止させる。
このように、非常止め装置5は大変重要な安全装置であり。この信頼性を維持するために、定期的に非常止め試験が行われる。非常止め試験は、JIS A 4302の基準を満たした条件および手順で行われる。即ち、まず、かご2内に錘を積まずに調速機のラッチを掛けガバナロープGRを固定して、非常止め装置5を動作させる。次に、巻上機用モータ11を駆動して綱車10をかご2が下降する向きに回転させる。かご2は非常止め装置5が動作して下降しないので、かご2を吊るしている主ロープ4が緩む。さらに綱車10は主ロープ4をかご2に繰り出そうとするが、綱車10と主ロープ4との静止摩擦力が釣合錘3の重さに耐えられなくなり、最後には綱車10が空転する。もし、非常止め装置5がかご2を保持する力が不十分であって、非常止めでかごを支えることができないと、綱車10が主ロープ4を繰り出した分だけ下降してしまうので、綱車10は空転しない。このようにして、非常止め装置5が正常か否かの検証をすることができるのである。
しかしながら、綱車10を空転させるためには、綱車10と主ロープ4との摩擦力に打ち勝つための大きなトルクが必要である。
非常止め試験時に綱車10を空転させるために必要なトルクTqは、次の(1)式のように表わされる。
Tq=T2S(1−1/eμkθ)・D/2 …………… (1)
ただし、T2Sは釣合錘3側の主ロープ4の張力、μは主ロープ4と綱車10との間の摩擦係数、kは綱車10の溝形状から決まる定数、θは綱車10上における主ロープ4の巻きつけ角度、Dは綱車10の直径である。
従って、綱車10を空転させるために巻上機用モータ11のトルクがトルクTqに比べて小さくならないようにしなければならず、そのために巻上機用モータ11を大型化し、あるいはインバータ容量を増加する必要があるという問題点があった。
図2および図3において、複数の釣合錘3を一式纏めて収納し昇降路12内を昇降する釣合錘収納枠6の下部には、ジャッキ装置9が設置されている。また、固定治具8aは、固定治具8aと釣合錘収納枠6とに両端を結合された鎖などからなる落下防止用金具13で釣合錘収納枠6と繋がれていて、常時は釣合錘収納枠7に収納されている。釣合錘用ガイドレール7には、固定治具8aを支えるために適切な位置にあけられた固定治具用穴14がある。
固定治具用穴14は、図3(a)に示すように、断面T字状の釣合錘用ガイドレール7を構成する中央突出辺7aから中央突出辺7aと直角方向へ左右に延在する両辺7b,7cのそれぞれに設けてもよく、図3(b)に示すように、釣合錘用ガイドレール7の中央突出辺7aに設けてもよい。
このような構成のエレベータ装置1は、以下のようにして非常止め試験が行われる。即ち非常止め装置5を動作させてかご2の落下方向の移動を止める。この時かご2と主ロープ4で結合されている釣合錘収納枠6は、上方向への移動が停止する。
この状態で、釣合錘収納枠6に収納されている固定治具8aを釣合錘収納枠6の下部にあって釣合錘用ガイドレール7の適切な位置にあけられた固定治具用穴14を利用して、釣合錘用ガイドレール7に固定する。
その後、釣合錘収納枠6の下部にあるジャッキ装置9を動作させて、固定治具8aと釣合錘収納枠6の下部の隙間を広げる。固定治具8aは釣合錘用ガイドレール7に固定されているが、釣合錘収納枠6はジャッキ装置9の動作によって、上方向に移動する。これにより、かご2と釣合錘収納枠6間を結合している主ロープ4の張力が抜けて、綱車10と主ロープ4間の摩擦力が小さくなる。したがって、綱車10に機械的に結合されている巻上機用モータ11は、大きなトルクを発生することなく綱車10を空転することができる。
この結果、非常止め装置5の安全確認試験は、巻上機用モータの大型化およびインバータ容量増加を抑えた状態で実施することができる。
この発明による実施の形態1によれば、かご2と、前記かご2との釣合いをとる釣合錘3と、一端部が前記かご2に接続され、他端部が前記釣合錘3に接続された主ロープ4からなるロープと、前記主ロープ4からなるロープが巻き掛けされた綱車10と、前記綱車10を駆動して前記かご2および前記釣合錘3を昇降させる巻上機用モータ11と、前記かご2の下部に設けられ、前記かご2の異常落下時にかご2を強制的に停止させる非常止め装置5とを備えたエレベータ装置であって、単数または複数の前記釣合錘3を一式纏めて収納する釣合錘収納枠6に脱着可能として設置される固定治具8aからなる固定装置を備え、非常止め試験に際して前記釣合錘収納枠6を持ち上げて上方向へ移動させるための前記固定治具8aからなる固定装置を昇降路に配設される釣合錘用ガイドレール7に取り付ける固定治具用穴14からなる取付手段を前記釣合錘用ガイドレール7に設けたので、非常止め試験に際して釣合錘収納枠を上方向へ移動させるための固定装置の取付手段を釣合錘用ガイドレールに設けることにより、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置を得ることができる。
また、この発明による実施の形態1によれば、前項の構成において、前記釣合錘3を収納した釣合錘収納枠6に設けられるジャッキ装置9を備え、非常止め試験に際して前記釣合錘用ガイドレール7に取り付けられた前記固定治具8aからなる固定装置を支点としてジャッキ装置9により前記釣合錘収納枠6を持ち上げて上方向へ移動させるジャッキアップ動作を行なわせるようにしたので、非常止め試験に際して釣合錘用ガイドレールに取り付けられた固定装置を支点として釣合錘収納枠を上方向へ移動させるジャッキ装置を設けることにより、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置を得ることができる。
さらに、この発明による実施の形態1によれば、前項の構成において、前記固定治具8aからなる固定装置および前記ジャッキ装置9を前記釣合錘収納枠6に設けることにより、前記固定治具8aからなる固定装置および前記ジャッキ装置9の重量を前記釣合錘3に加重し通常運転時における前記釣合錘3の重量によるカウンタウエイト機能の一部を代替させるようにしたので、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるとともに、釣合錘を比較的小さくすることができるエレベータ装置を得ることができる。
そして、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記固定治具8aからなる固定装置に前記釣合錘収納枠6からの落下を防止する鎖などからなる落下防止用金具13で構成される落下防止手段を設けたので、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるとともに、固定装置の落下を確実に防止できるエレベータ装置を得ることができる。
さらにまた、この発明による実施の形態1によれば、かご2と、前記かご2との釣合いをとる釣合錘3と、一端部が前記かご2に接続され、他端部が前記釣合錘3に接続された主ロープ4からなるロープと、前記主ロープからなるロープ4が巻き掛けされた綱車10と、前記綱車10を駆動して前記かご2および前記釣合錘3を昇降させる巻上機用モータ11と、前記かご2の下部に設けられ、前記かご2の異常落下時にかご2を強制的に停止させる非常止め装置5とを備えたエレベータ装置の非常止め試験に際して、単数または複数の前記釣合錘3を一式纏めて収納する釣合錘収納枠6に脱着可能として設置され前記釣合錘収納枠6を持ち上げて上方向へ移動させるための固定治具8aからなる固定装置を昇降路に配設される釣合錘用ガイドレール7に取り付ける工程と、前記釣合錘用ガイドレール7に固定された固定治具8aからなる固定装置を支点としてジャッキ装置9により前記釣合錘収納枠を持ち上げて上方向に移動させるジャッキアップ動作を行う工程と含むことを特徴とするエレベータ装置の非常止め試験方法を提供しているので、簡潔かつ適切な作業により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置の非常止め試験方法を得ることができる。
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図4について説明する。図4は実施の形態2におけるエレベータ装置の釣合錘部分の構成を示す側面図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
図4において、釣合錘収納枠6は非常止め試験時に停止した位置にある。固定治具8bは昇降路内壁面17に据付けられていて、非常止め試験時に停止している釣合錘収納枠6の上方の位置に配置されている。固定治具8bは、通常状態では、2点鎖線に示すように、昇降路12内の壁面17に収められて固定治具倒れ防止用金具16で固定されており、非常止め試験時に非常止め装置5が動作後に固定治具倒れ防止用金具16を外して、実線で示すように、昇降路内12側の釣合錘用ガイドレール7の付近まで移動させる。吊上げ装置15は、通常状態では、釣合錘収納枠6に収納されていて、非常止め試験時に固定治具8bと釣合錘収納枠6間に繋がれる。そして、吊上げ装置15は、通常状態において、実施の形態1における図2に示す、鎖などからなる落下防止金具13と同様の落下防止金具により、釣合錘収納枠6に繋がれている。
このような構成のエレベータ装置1は、以下のようにして非常止め試験が行われる。即ち非常止め装置5を動作させてかご2の落下方向の移動を止める。この時かご2と主ロープ4で結合されている釣合錘収納枠6は、上方向への移動が停止する。
この状態で、昇降路内壁面17に収納されている固定治具8bを固定治具倒れ防止用金具16を外して昇降路内12側に移動させる。その後釣合錘収納枠6に収納されている吊上げ装置15を固定治具8bと釣合錘収納枠6間に繋げて、吊上げ装置15を動作させることによって釣合錘収納枠6が上方向に移動する。これにより、かご2と釣合錘収納枠6間を結合している主ロープ4の張力が抜けて、綱車10と主ロープ4間の摩擦力が小さくなる。この結果、綱車10に機械的に結合されている巻上機用モータ11は、大きなトルクを発生することなく綱車10を空転することができる。
この結果、非常止め装置5の安全確認試験は、巻上機用モータ11の大型化およびインバータ容量増加を抑えた状態で実施することができる。
以上のように、この発明では、非常止め試験のように短時間低速過負荷運転をする時に、固定治具から釣合錘収納枠をジャッキアップもしくは引き上げることにより、かごと釣合錘間のロープが緩み、綱車にかかる負荷が小さくなるので、小さいトルクで綱車を空転することができるため、インバータ装置の容量を大きくする必要がないばかりでなく、巻上機用モータも非常に大きなトルクを出す必要がないため構造的に強度アップする必要もなくなり、経済的なエレベータ装置を構成することができる。
この発明による実施の形態2によれば、かご2と、前記かご2との釣合いをとる釣合錘3と、一端部が前記かご2に接続され、他端部が前記釣合錘3に接続された主ロープ4からなるロープと、前記主ロープ4からなるロープが巻き掛けされた綱車10と、前記綱車10を駆動して前記かご2および前記釣合錘3を昇降させる巻上機用モータ11と、前記かご2の下部に設けられ、前記かご2の異常落下時にかご2を強制的に停止させる非常止め装置5とを備えたエレベータ装置であって、前記釣合錘3が通過する空間に対向する昇降路12の壁面17に出し入れ可能に設けられた固定治具8bからなる固定装置と、前記釣合錘収納枠6に収納される吊り上げ装置15とを備え、非常止め試験に際し前記釣合錘が通過する空間に対向する昇降路の壁面に突出された前記固定治具8bからなる固定装置を支点にして前記吊り上げ装置15により前記釣合錘収納枠6を引き上げて上方向へ移動させるようにしたので、釣合錘収納枠に収納される吊り上げ装置を備え、非常止め試験に際して釣合錘が通過する空間に対向する昇降路の壁面に突出された固定装置を支点にして吊り上げ装置により釣合錘収納枠を上方向へ移動させることによって、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置を得ることができる。
また、この発明による実施の形態2によれば、前項の構成において、前記吊り上げ装置15を前記釣合錘収納枠7に設けることにより、前記吊り上げ装置15の重量を前記釣合錘3に加重し通常運転時における前記釣合錘3の重量によるカウンタウエイト機能の一部を代替するようにしたので、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるとともに、釣合錘を比較的小さくすることができるエレベータ装置を得ることができる。
さらに、この発明による実施の形態2によれば、前項の構成において前記吊り上げ装置15に前記釣合錘収納枠6からの落下を防止する鎖などからなる落下防止金具13(図2参照)で構成される落下防止手段を設けたので、簡潔かつ適切な構成内容により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置を得ることができる。
そして、この発明による実施の形態2によれば、かご2と、前記かご2との釣合いをとる釣合錘3と、一端部が前記かご2に接続され、他端部が前記釣合錘3に接続された主ロープ4からなるロープと、前記主ロープ4からなるロープが巻き掛けされた綱車10と、前記綱車10を駆動して前記かご2および前記釣合錘3を昇降させる巻上機用モータ11と、前記かご2の下部に設けられ、前記かご2の異常落下時にかご2を強制的に停止させる非常止め装置5とを備えたエレベータ装置の非常止め試験に際して、単数または複数の前記釣合錘3を一式纏めて収納する釣合錘収納枠6を引き上げて上方向へ移動させるための固定治具8bからなる固定装置を前記釣合錘3が通過する空間に対向する昇降路の壁面に突出させる工程と、前記釣合錘3が通過する空間に対向する昇降路の壁面に突出された前記固定治具8bからなる固定治具を支点として前記釣合錘収納枠6に収納される吊り上げ装置15により前記釣合錘収納枠6を引き上げ上方向へ移動させる引き上げ動作を行う工程と含むことを特徴とするエレベータ装置の非常止め試験方法を提供しているので、非常止め試験に際して釣合錘が通過する空間に対向する昇降路の壁面に突出された固定装置を支点にして釣合錘収納枠に収納される吊り上げ装置によって釣合錘収納枠を上方向へ移動させることにより、簡潔かつ適切な作業により、非常止め試験時に綱車を空転させるために必要なトルクを小さくして、巻上機用モータの大型化およびインバ−タ容量の増加を抑えるエレベータ装置の非常止め試験方法を得ることができる。
この発明による実施の形態1におけるエレベータ装置の全体構成を示す側面図である。 この発明による実施の形態1におけるエレベータ装置の釣合錘部分の構成を示す正面図である。 この発明による実施の形態1におけるエレベータ装置の固定治具を釣合錘用ガイドレールに固定する固定手段を示す斜視図である。 この発明による実施の形態2におけるエレベータ装置の釣合錘部分の構成を示す正面図である。
符号の説明
1 エレベータ装置、2 かご、3 釣合錘、4 ロープ、5 非常止め装置、6 釣合錘収納枠、7 釣合錘用ガイドレール、8a、8b 固定治具、9 ジャッキ装置、10 綱車、11 巻上機用モータ、12 昇降路、13 落下防止用金具、14 固定治具用穴、15 吊上げ装置、16 固定治具倒れ防止用金具、17 昇降路内壁面。

Claims (9)

  1. かごと、前記かごとの釣合いをとる釣合錘と、一端部が前記かごに接続され、他端部が前記釣合錘に接続されたロープと、前記ロープが巻き掛けされた綱車と、前記綱車を駆動して前記かごおよび前記釣合錘を昇降させる巻上機用モータと、前記かごに設けられ、前記かごの異常落下時にかごを強制的に停止させる非常止め装置とを備えたエレベータ装置であって、前記釣合錘を収納する釣合錘収納枠に脱着可能として設置される固定装置を備え、非常止め試験に際して前記釣合錘収納枠を上方向へ移動させるための前記固定装置を釣合錘用ガイドレールに取り付ける取付手段を前記釣合錘用ガイドレールに設けたことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記釣合錘を収納した釣合錘収納枠に設けられるジャッキ装置を備え、非常止め試験に際して前記釣合錘用ガイドレールに取り付けられた前記固定装置を支点として前記ジャッキ装置により前記釣合錘収納枠を上方向へ移動させるジャッキアップ動作を行なわせるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. かごと、前記かごとの釣合いをとる釣合錘と、一端部が前記かごに接続され、他端部が前記釣合錘に接続されたロープと、前記ロープが巻き掛けされた綱車と、前記綱車を駆動して前記かごおよび前記釣合錘を昇降させる巻上機用モータと、前記かごに設けられ、前記かごの異常落下時にかごを強制的に停止させる非常止め装置とを備えたエレベータ装置であって、前記釣合錘が通過する空間に対向する昇降路の壁面に出し入れ可能に設けられた固定装置と、前記釣合錘収納枠に収納される吊り上げ装置とを備え、非常止め試験に際し前記釣合錘が通過する空間に対向する昇降路の壁面に突出された前記固定装置を支点にして前記吊り上げ装置により前記釣合錘収納枠を上方向へ移動させるようにしたことを特徴とするエレベータ装置。
  4. 前記固定治具および前記ジャッキ装置を前記釣合錘収納枠に設けることにより、前記固定治具および前記ジャッキ装置の重量を前記釣合錘に加重し通常運転時における前記釣合錘の一部機能の代替とすることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ装置。
  5. 前記吊り上げ装置を前記釣合錘収納枠に設けることにより、前記吊り上げ装置の重量を前記釣合錘に加重し通常運転時における前記釣合錘の一部機能の代替とすることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ装置。
  6. 前記固定装置に前記釣合錘収納枠からの落下を防止する落下防止手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ装置。
  7. 前記吊り上げ装置に前記釣合錘収納枠からの落下を防止する落下防止手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載のエレベータ装置。
  8. かごと、前記かごとの釣合いをとる釣合錘と、一端部が前記かごに接続され、他端部が前記釣合錘に接続されたロープと、前記ロープが巻き掛けされた綱車と、前記綱車を駆動して前記かごおよび前記釣合錘を昇降させる巻上機用モータと、前記かごに設けられ、前記かごの異常落下時にかごを強制的に停止させる非常止め装置とを備えたエレベータ装置の非常止め試験に際して、前記釣合錘を収納する釣合錘収納枠に脱着可能として設置され前記釣合錘収納枠を上方向へ移動させるための固定装置を釣合錘用ガイドレールに固定する工程と、前記釣合錘用ガイドレールに固定された固定装置を支点としてジャッキ装置により前記釣合錘収納枠を上方向へ移動させるジャッキアップ動作を行う工程と含むことを特徴とするエレベータ装置の非常止め試験方法。
  9. かごと、前記かごとの釣合いをとる釣合錘と、一端部が前記かごに接続され、他端部が前記釣合錘に接続されたロープと、前記ロープが巻き掛けされた綱車と、前記綱車を駆動して前記かごおよび前記釣合錘を昇降させる巻上機用モータと、前記かごに設けられ、前記かごの異常落下時にかごを強制的に停止させる非常止め装置とを備えたエレベータ装置の非常止め試験に際して、前記釣合錘を収納する釣合錘収納枠を上方向へ移動させるための固定装置を前記釣合錘が通過する空間に対向する昇降路の壁面に突出させる工程と、前記釣合錘が通過する空間に対向する昇降路の壁面に突出された前記固定装置を支点として前記釣合錘収納枠に収納される吊り上げ装置により前記釣合錘収納枠を上方向へ移動させる引き上げ動作を行う工程と含むことを特徴とするエレベータ装置の非常止め試験方法。
JP2004359700A 2004-12-13 2004-12-13 エレベータ装置および非常止め試験方法 Pending JP2006168846A (ja)

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