JP4861334B2 - 高純度テレフタル酸を調製する方法 - Google Patents

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Description

本発明は高純度テレフタル酸を調製する方法に関する。
高純度テレフタル酸(PTA)は、商業的に大変重要な石油化学製品である。PTAは、様々な種類のポリマーの製造のために主要原料として用いられる。PTAの世界中の生産能力は、毎年2500万メートルトンである。ポリマーグレードすなわち高純度テレフタル酸は、ポリエステル繊維、ポリエステルフイルム、並びにボトルや同様の容器の樹脂のための主要なポリマーであるポリエチレンテレフタレートの出発材料である。高純度テレフタル酸は、比較的それほど純粋ではない工業グレードすなわち粗テレフタル酸(CTA)から工業生産される。粗テレフタル酸は、通常、様々な不純物を比較的多量に含有するp−キシレンの酸化により得られる。そのような不純物としては以下が挙げられるであろう。CTA中に存在する有機不純物としては、4−カルボキシベンズアルデヒド(約3000ppm)および4−カルボキシベンズアルデヒドの水素化生成物であるp−トルイル酸(約500ppm)などの部分酸化生成物が挙げられる。色の不純物としては、ベンジル、フルオレノンおよび/またはアントラキノン(約30ppm)が挙げられるであろう。金属不純物としては、鉄および他の金属(約85ppm)が挙げられる。さらに、水分(約0.2%)および灰分(約100ppm)も不純物として存在する。以下の表1は、粗および高純度のテレフタル酸の仕様を示している。PTAの仕様は、重合のための出発材料として有用であるために必要とされるものである。
Figure 0004861334
PTAは、炭素上に担持されたパラジウム触媒上での中間体の粗テレフタル酸の接触水素化により工業生産されることが多い。この水素化反応は、280℃の高温および80バールの高圧で水性溶媒中において行われる。この後に、結晶化、高温濾過、高温洗浄および乾燥が行われて、99.95%より高い純度のPTAが得られる。
特許文献1には、高純度テレフタル酸を製造するプロセスであって、水素化工程が連続固定床反応器内で行われ、その際に、スラリーが、排気冷却により温度が段階的に低下されている多数の晶析装置に供給されるプロセスが開示されている。
特許文献2には、バッチ式反応器において高純度テレフタル酸を製造するプロセスが開示されている。この場合もやはり、水素化反応器は、溶液から水を蒸発させ、溶液を冷却する圧力の解放により冷却され、それによって、テレフタル酸の結晶を沈殿させている。得られたテレフタル酸結晶は室温で濾過される。
さらに、特許文献3には、粗テレフタル酸をその液体分散体から精製する方法であって、水素化工程は含まれず、粗テレフタル酸は結晶化および濾過工程のみにより精製される方法が開示されている。
米国特許第5567842号明細書 米国特許第3584039号明細書 米国特許第5767311号明細書
高純度テレフタル酸を調製するための公知のプロセスは、ほとんど、CTAの接触水素化が固定床において行われ、供給物の濃度が低いことが要求されるという欠点に関連している。さらに、水素化および結晶化はしばしば異なる反応器中で別々に行われ、またいくつかのステージで結晶化が共通している。さらに、結晶化は、水性溶媒の蒸発冷却(減圧)により行われ、それによって、結晶化反応器の壁に沈着物が形成される。最後に、高温濾過および高温洗浄は、別々に行われ、高温濾過後に得られた固体生成物を再スラリー化することにより行われることが多い。したがって、材料の損失が生じ、廃水と廃熱の負担が生じる。
従来技術の欠点を克服した、高純度テレフタル酸を調製する方法を提供することが本発明の目的である。
この目的は、高純度テレフタル酸(PTA)を調製する方法であって、
i) 反応器内の水性媒質中に粗テレフタル酸(CTA)を溶解させ、
ii) 水素化触媒を用いて、約260〜320℃の温度およびゲージ圧で約1100〜1300psi(約7.6〜9.0MPa)の圧力でCTAを水素化し、
iii) 蒸発冷却せずに、溶液の温度を約160℃まで低下させることによって、反応器中のテレフタル酸を結晶化させ、
iv) 反応器の内容物を濾過ユニットに移送し、
v) 約140〜160℃の温度およびゲージ圧で約40〜100psi(約280〜690kPa)、好ましくは80〜100psi(約550〜690kPa)の圧力で、内容物を濾過して、濾過ケーキを得て、
vi) 得られた濾過ケーキを、濾過ユニット内において約140〜160℃の温度の水で洗浄し、
vii) 濾過ケーキを乾燥させる、
各工程を有してなる方法により達成される。
この方法は、バッチ式反応器内で行うことが好ましい。
工程i)〜iii)において、反応器の内容物は、約250〜400rpmで撹拌機により撹拌されることがさらに好ましい。
ある実施の形態において、反応器内に、水素化触媒を含有するバスケットが配置される。
そのバスケットは、チタンまたは二相ステンレス鋼から製造されていることが好ましい。
水素化触媒が、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、および白金からなる群より選択される白金族の金属、またはそのような金属の酸化物を含有することがさらに好ましい。
水素化触媒が担体に担持されていることが好ましい。
水素化触媒が、活性炭の担体上のパラジウムであることが最も好ましい。
ある実施の形態において、水性媒質は水、好ましくは、脱塩水である。
さらに、工程ii)における水素化の時間が、少なくとも6時間、好ましくは少なくとも7時間、最も好ましくは少なくとも8時間であることが有利である。
工程iii)において、温度の低下が、約1℃/分の割合で約160℃まで行われることが好ましい。
工程iii)において約160℃の温度に到達した後、反応器は蒸発によってゲージ圧で約100psi(約690kPa)の圧力まで減圧されることが最も好ましい。
約160℃の温度に到達した後、その温度を維持することがさらに好ましい。
ある実施の形態において、工程iv)における移送は、約180〜250℃の温度に維持されている移送ラインを通して行われる。
工程vi)において用いられる水が、ゲージ圧で約100psi(約690kPa)の圧力で反応器中で加熱されることが有利である。
工程iii)において、温度の低下が、冷却液を、反応器におよび/または反応器中に配置された冷却液循環コイルに通過させることによって行われることがさらに好ましい。
冷却液が、水、好ましくは約10〜15℃の温度を有する冷却水であることが好ましい。
最後に、工程i)におけるCTAの含有量が、CTAおよび水性媒質の総質量に基づいて、約5〜60質量パーセントの間にあることが好ましい。
意外なことに、本発明の方法に関して、その方法に、以下の工程:
蒸発冷却を用いずに温度を約160℃の温度まで低下させることによって、水素化反応器中でテレフタル酸を結晶化させ、
水素化反応器の内容物を、結晶化と洗浄の両方を行えるユニットに移送させる、
各工程を使用した場合、いくつかの利点が達成されるであろうことが分かった。さらに、従来技術に用いられた固定床反応器と対照的に、連続撹拌水素化反応器を使用することが都合良い。
水素化されたテレフタル酸溶液の冷却は、減圧によってではなく、反応温度の低下によって行われるので、水素化反応器の壁に沈着物は観察されない。さらに、高温濾過および高温洗浄は、得られた固体生成物の再スラリー化を必要とせずに、1つの濾過ユニット内で行われ、よって、材料損失が制御されるであろう。
先に概説したように、結晶化のための冷却は、減圧によってではなく、温度の低下によってのみ行われる。しかしながら、冷却中、圧力は、ゲージ圧で約250〜300psi(約1.7〜2.1MPa)に自動的に低下される。約160℃の冷却温度に到達した後、次いで、圧力は、100psi(約690kPa)への減圧によってさらに低下させることが好ましいであろう。これにより、衝撃冷却が避けられ、良好な品質を有する生成物、良好なモルホロジーを有する製品および高純度の生成物が生成される。PTAの粒径分布は狭く、わずかな微(塵埃)粒子である。それらの粒子は良好な強度を有する。さらに、低温での減圧には、結晶の通気管路への運搬が防がれ、それゆえ、ある工業プラントに共通の問題である閉塞が避けられることなどの他の利点もある。
また、移送ラインの温度が、結晶化反応器および高温濾過ユニットの温度より高く維持されることも好ましい。これにより、移送ラインにおけるフラッシュ冷却の結果としての閉塞が避けられる。
追加の利点および特徴は、添付の図面を参照して、高純度テレフタル酸を調製する方法の実施例の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
化学物質: CTAのPTAへの転化のために行った各バッチに用いた化学物質の量と供給源は以下のとおりである:水素化反応は、炭素担体(サドケミー(Sud-Chemie)社またはエンゲルハード(Engelhard)社から市販されている)上に32グラムのパラジウム触媒および1.25kgの市販のCTAを用いて、水素化反応器内で行った。使用した水素ガスの純度は99%であり、1未満の比導電率を有する脱塩水を用いた。
供給物の調製: 水素化反応のための供給混合物は、反応器中に第1の水を供給し、真空に引くことによって調製した。この後、漏斗を用いて、反応器に1.25kgのCTA粉末を手作業で添加した。次いで、この混合物を320rpmで撹拌して、約13.5質量パーセントのテレフタル酸を含有するスラリーを得た。次いで、窒素ガスを、ゲージ圧で50psi(約340kPa)まで二度にわたり反応器に加え、反応混合物を5分間に亘り撹拌し、次いで、通気弁を開くことによって、ガスを放出し、反応器中ゲージ圧で10psi(約69kPa)の窒素圧を維持した。水素化反応器の内部では、水素化触媒を含有する触媒バスケットが、例えば、反応器内の冷却コイルに、固定されている。
水素化: 4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)の主要不純物をp−トルイル酸に転化するためのCTAの水素化は285℃の温度で行い、反応器の圧力はゲージ圧で1200psi(約1.4MPa)に、すなわち、水の分圧より高く維持して、水相を維持し、確実に水素を適切に供給した。水素化反応は、圧力をほぼ一定に維持するために、圧力が減少し水の分圧に到達したときに、水素が供給される期間である、異なる期間にわたり行った。
結晶化: 水素化反応の期間が終了した後、水素化反応器のヒータのスイッチをオフにし、水素化反応器にあるおよび/またはその反応器内にある水循環コイルに約10〜15℃の温度の冷却水を通過させることによって、反応器の温度を160℃まで低下させた。一般に、温度の減少は、毎分約1℃の割合で非常に遅い。結晶化中、撹拌機は320rpmに維持した。160℃の温度に到達したときに、ヒータのスイッチを再び入れて、さらに温度が低下するのを防いだ。160℃の温度に到達した後、減圧を行って、反応器の圧力を約100psi(約690kPa)にした。この温度での減圧により、PTA生成物は著しく損失せず、圧力を増加させるために加えた水素ガスが放出されるだけである。
高温濾過: テレフタル酸の水性スラリーからp−トルイル酸を除去するための高温濾過は、Sparklerフィルタユニットを用いて行った。最初に、窒素ガスをフィルタユニットに勢いよく通し、フィルタユニット内にゲージ圧で約80psi(約550kPa)の圧力を維持した。次いで、反応器の内容物を、移送ラインに通してフィルタユニットに移送した。反応器の内容物を連続的に供給したが、フィルタユニット内の圧力は、水素化反応器のドレン弁をゆっくりと調節することによって、ゲージ圧で80psi(約50kPa)に維持した。フィルタユニットは約140〜160℃の温度に維持し、移送ラインは約180〜200℃の温度に維持した。
高温洗浄: 約6リットルの脱塩水を、水素化反応器中で160℃の温度に加熱した。次いで、160℃の温度およびゲージ圧で100psi(約690kPa)の圧力で熱水を、濾過ケーキを含有するフィルタユニットに供給した。熱水はフィルタユニットに連続的に供給したが、反応器のドレン弁を調節することによって、フィルタユニット内の圧力はゲージ圧で約80psi(約550kPa)に維持した。また、洗浄工程において、移送ラインの温度は、約180〜200℃の温度に維持した。
洗浄工程後、得られた濾過ケーキを、フィルタユニットから取り出し、および/または所望の乾燥度まで乾燥させてもよい。
以下の記載において、要求される純度を有する高純度テレフタル酸(規格適合PTA)を製造する主要処理工程を最適化するための可能性が説明されている。
水素化条件の最適化: CTA中に存在する主要不純物は4−カルボキシベンズアルデヒドである。この4−CBAにより、重合中の熱不安定性の結果としてポリマーが望ましくなく着色されてしまう。したがって、4−CBAを減少させるためのパラメータを研究した。
図1は、2500ppm(規格外)から25ppm未満(規格適合)まで4−CBAの含有量を減少させるために、反応を変更することによって実施した、本発明の方法において得られたテレフタル酸の5つのバッチの結果を示している。
バッチ1およびバッチ2における水素化反応は、285℃の温度およびゲージ圧で1200psi(約8.3MPa)の圧力で4時間および6時間の期間にわたり行った。この分析により、水素化は両方のバッチにおいて不完全であることが示された。得られたPTA中に存在した4−CBA含有量は、それぞれ、500ppmおよび約60ppmであった。バッチ2において、4−CBAの含有量は、2時間の反応時間の増加によって著しく減少したが、その含有量はまだ規格外であった。バッチ3における水素化反応は、285℃の温度およびゲージ圧で1200psi(約8.3MPa)の圧力で8時間の期間にわたり行った。この分析により、水素化は完全であることが示された。得られたPTA中に存在した4−CBA含有量は、たった5ppmであった。バッチ4、バッチ5およびバッチ5aにおける水素化反応は、得られた最適化パラメータを確認するために、バッチ3におけるのと同様の動作条件下で行った。分析により、これらのバッチに関する4−CBAの含有量は、それぞれ、5.2、6.8および5.1ppmであることが示された。さらに、追加の実験において、1100psi(約7.6MPa)未満の圧力では水素化は不完全であり、4−CBAの含有量が25ppmよりも多いことが示された。約260〜320℃の範囲外の温度を用いても、同様の結果が得られるであろう。
高温濾過条件の最適化: CTA中に存在するさらに別の主要な不純物はp−トルイル酸である。p−トルイル酸は、重合停止剤として作用し、重合速度を遅くし、ポリマーの平均分子量を減少させる。図2は、先に概説したように、本発明の方法において得られた異なるバッチに関して行った高温濾過実験の結果を示している。
バッチ6において、高温濾過を行わずにPTAを得た。このときの、p−トルイル酸含有量は約2200ppmであった。バッチ6における移送ラインは加熱も、外部加熱もされなかった。バッチ7において、高温濾過を行うことによって、PTAを得た。このときのp−トルイル酸の含有量は約800ppmであった。バッチ7において、移送ラインの温度は約100℃であった。分析により、高温濾過はうまくいかず、ある程度の量のp−トルイル酸がPTAと共に結晶化することが示された。バッチ8およびバッチ9は、移送ラインの温度を220℃に上昇させたことを除いて、同様の様式で行った。分析により、高温濾過後、p−トルイル酸の含有量は、それぞれ、160および220ppmに減少することが示された。これらの結果は、改良された高温濾過がうまくいき、p−トルイル酸の含有量が著しく減少するであろうことを示している。
高温洗浄条件の最適化: 規格適合PTAにおいて、p−トルイル酸の含有量は150ppm未満であるべきである。したがって、熱水によるPTAケーキの洗浄を行って、p−トルイル酸の量をさらに減少させた。図3は、本発明の方法において得られたいくつかのバッチについて行った高温濾過および高温洗浄の実験結果を示している。高温濾過後のバッチ8中のp−トルイル酸の含有量は、160ppmであり、高温洗浄後に約97ppmまで減少した。同様に、バッチ9中のp−トルイル酸の含有量は、高温濾過後に200ppmであり、高温洗浄後に約98ppmまで減少した。同様に、高温濾過および高温洗浄の両方を行うことによって、さらに実験を行い、得られたPTAの分析により、p−トルイル酸の含有量は常に規格適合(<150ppm)であることが示された。
金属不純物の除去: 金属不純物は、高純度テレフタル酸の重合反応中にアンチモン触媒の毒として作用する。高純度テレフタル酸において、総金属含有量は<10ppmであるべきである。図4は、触媒バスケットとして異なる金属材料、すなわち、SS−316、二相ステンレス鋼およびチタンを用いた本発明の方法において得られたいくつかのバッチの金属分析を示している。得られたPTAは、SS−316について非常に高い総金属含有量を示した。それは、SS−316は、粗テレフタル酸の精製プロセスを実施するための適切な構成材料ではないからである。触媒バスケットの材料としてチタンおよび二相ステンレス鋼を用いたものは、総金属含有量は規格適合であった。
色素不純物の除去: CTA中に存在する色素不純物は、ポリエステルの融点を低下させる、および/またはポリエステルを着色する。実際に、粗テレフタル酸中に含まれるある不純物は、発色前駆体である。したがって、本発明にしたがうバッチプロセスにおいて調製されたPTAへの公知と潜在的な色不純物の影響を調査した。3つの光学的性質、すなわち、デルタY、b値およびAPHA色を調査した。>10のデルタY値、>2.5のb値、および>10(HU)のAPHA色値は、その試料が重度に汚染されており、商業的に許容できる製品ではないことを示している。図5は、触媒バスケットに異なる材料を用いた、本発明の方法において得られたいくつかのPTAバッチに関する光学的性質、すなわち、デルタY、b値およびAPHA色の結果を示している。この点に関して、二相ステンレス鋼は、水素化反応中に用いた触媒バスケットの冶金(metallurgy)である。バスケットの容量は、水素化反応中に用いた触媒の量よりも大きい。したがって、高圧および撹拌の条件下では、触媒ペレットは、触媒バスケット内で動き、ある程度が粉砕し、生成物に色を与える。したがって、PTA生成物の色が影響を受ける。二相ステンレス鋼充填バスケットにおいて、ある程度不活性な材料を用いて、触媒ペレットが固定され移動できないように、触媒バスケット内の残りの空間を埋めた。
先の説明、特許請求の範囲および/または添付の図面に開示された特徴は、別々とその任意の組合せの両方で、本発明をその様々な形態で実施するための構成要素となろう。
本発明の方法において異なる水素化時間を用いた4−カルボキシベンズアルデヒド含有量を比較したグラフ 本発明の方法における高温濾過後のp−トルイル酸含有量を比較したグラフ 本発明の方法における高温洗浄後のp−トルイル酸含有量を比較したグラフ 本発明の方法における触媒バスケットの材料として異なる金属を用いた金属含有量を比較したグラフ 本発明の方法により得られた高純度テレフタル酸の色特性を比較したグラフ

Claims (18)

  1. 高純度テレフタル酸(PTA)を調製する方法であって、
    i) 反応器内の水性媒質中に粗テレフタル酸(CTA)を溶解させ、
    ii) 水素化触媒を用いて、260〜320℃の温度および絶対圧で7.6839.062MPaの圧力でCTAを水素化し、
    iii) 蒸発冷却せずに、その溶液の温度を160℃まで低下させることによって、前記反応器中のテレフタル酸を結晶化させ、前記温度の低下が前記反応器の減圧によってではなく冷却によってのみ影響され、
    iv) 該反応器の内容物を濾過ユニットに移送し、
    v) 140〜160℃の温度および絶対圧で373.8787.5kPaの圧力で、前記内容物を濾過して、濾過ケーキを得て、
    vi) 得られた濾過ケーキを、濾過ユニット内において140〜160℃の温度の水で洗浄し、
    vii) 前記濾過ケーキを乾燥させる、
    各工程を有してなる方法。
  2. 前記方法をバッチ式反応器内で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 工程i)〜iii)において、前記反応器の内容物を、250〜400rpmで撹拌機により撹拌することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 前記反応器内に、前記水素化触媒を収容するバスケットを配置することを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
  5. 前記バスケットがチタンまたは二相ステンレス鋼から製造されていることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 前記水素化触媒が、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、および白金からなる群より選択される白金族の金属、またはそのような金属の酸化物を含有することを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の方法。
  7. 前記水素化触媒が担体上に担持されていることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記水素化触媒が活性炭の担体上に担持されたパラジウムであることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 前記水性媒質が水であることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の方法。
  10. 工程ii)における水素化の時間が少なくとも6時間であることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の方法。
  11. 工程iii)において、前記温度の低下が、1℃/分の割合で160℃まで行われることを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載の方法。
  12. 工程iii)において160℃の温度に到達した後、前記反応器を蒸発によって絶対圧で787.5kPaの圧力まで減圧することを特徴とする請求項1から11いずれか1項記載の方法。
  13. 160℃の温度に到達した後、この温度を維持することを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載の方法。
  14. 工程iv)における移送が、180〜250℃の温度に維持された移送ラインにより行われることを特徴とする請求項1から13いずれか1項記載の方法。
  15. 工程vi)において用いた前記水が、絶対圧で787.5kPaの圧力で前記反応器中で加熱されることを特徴とする請求項1から14いずれか1項記載の方法。
  16. 工程iii)において、前記温度の低下が、前記反応器に配置されたおよび/または該反応器内に配置された冷却液循環コイルに冷却液を通過させることによって行われることを特徴とする請求項1から15いずれか1項記載の方法。
  17. 前記冷却液が水であることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 工程i)におけるCTAの含有量が、CTAおよび水性媒質の総質量に基づいて、5〜60質量パーセントの間にあることを特徴とする請求項1から17いずれか1項記載の方法。
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