JP4860804B2 - 難燃性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性スチレン系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、流動性、剛性、耐衝撃性、耐傷つき性等の物性のバランスのとれたノンハロゲンタイプの難燃性スチレン系樹脂組成物およびこの樹脂組成物を用いてなる電気・電子機器用ハウジングまたは内部部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビキャビネット、室内空調器前面カバー、その他電気製品の多くの部品に、難燃樹脂材料が用いられている。
ところで、これらの使用ずみ電気製品の廃棄処理における環境保全対策上、これまで主流であったハロゲン系難燃剤からノンハロゲン系難燃剤への切り替えが検討されるようになってきた。
【0003】
そして、これまでに、リン系難燃剤を用いた幾つかの樹脂組成物が提案されている。
たとえば、ポリカーボネート、ゴム変性ポリスチレン、リン酸エステル難燃剤、特定のゴム変性ポリスチレンおよびタルクからなる樹脂組成物(特開平8−239565号公報)、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体およびリン酸エステルからなる樹脂組成物(特開平9−31321号公報)、熱可塑性樹脂、リン系難燃剤および層状珪酸塩からなる樹脂組成物(特開平10−60160号公報)をが挙げることができる。
【0004】
しかしながら、対象とする成形品は、ますます大型化、薄肉化され、しかも塗装を施さないで製品に仕上げるという要請に対し、成形品の諸物性に偏重をきたすなどして、いまだ充分に応えられる成形材料は開発されていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に鑑み、流動性、剛性、耐衝撃性、耐傷つき性等の物性のバランスのとれたノンハロゲンタイプの難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれを用いて成形されたテレビハウジング等の電気・電子機器用ハウジングまたは内部部品を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、ベース樹脂とこれに配合する成分に着目し鋭意検討を重ねた結果、特定のベース樹脂を選択し、さらに用途に応じてゴムや無機充填剤を配合することによって諸物性上のバランスをとり、さらに特定のリン系難燃剤を組み合わせることによって上記目的が達成されるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0007】
すなわち本願における第1の発明は、(A)ゴム量が2〜15重量%で重量平均分子量が10万〜25万であるゴム変性ポリスチレン90〜80重量%および重量平均分子量が15万〜40万であるスチレン単独重合体10〜20重量%からなるスチレン系樹脂100重量部、(B)式(I)又は(II)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種であるリン系難燃剤5〜15重量部、(C)平均粒径2〜15μmのタルク1〜10重量部、(D)スチレン・ブタジエン・スチレンゴム1〜5重量部からなり、ASTM−D1238(5kg荷重、200℃)に準拠して測定したメルトインデックス(MI)が10g/10分以上であり、12.7×127×2mmの試験片5本をIEC−65(BS415)に準拠して測定した平均水平燃焼速度が45mm/分以下またはUL−94規格の燃焼試験において12.7×127×2mmの試験片5本の内3本以上がV−2ランクに適合する難燃性を有し、ASTM−D256に準拠して測定したアイゾット衝撃強度(23°C−ノッチ付)が5KJ/m2 以上であり、ASTM−D790に準拠して測定した曲げ弾性率が1800MPa以上、かつJIS−K7202に準拠して測定したロックウェル硬度が40以上であることを特徴とする電気・電子機器のハウジング用難燃性スチレン系樹脂組成物であり、本願における第2の発明は、第1の発明の難燃性スチレン系樹脂組成物を用いて成形してなることを特徴とする電気・電子機器用ハウジングである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願における第1の発明は、(A)ゴム量が2〜15重量%で重量平均分子量が8〜30万であるゴム変性ポリスチレン100〜40重量%および重量平均分子量が10〜50万であるスチレン単独重合体0〜60重量%からなるスチレン系樹脂100重量部、(B)リン系難燃剤2〜20重量部、(C)無機充填剤0〜20重量部、(D)ゴム0〜10重量部からなることを特徴とする難燃性スチレン系樹脂組成物である。
【0009】
本発明に用いる(A)成分のスチレン系樹脂として、ゴム量が2〜15重量%、より好ましくは4〜13重量%で、重量平均分子量が8万〜30万、より好ましくは10万〜25万であるゴム変性ポリスチレン100〜40重量%、より好ましくは90〜50重量%および重量平均分子量が10万〜50万、より好ましくは15万〜40万であるスチレン単独重合体0〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%からなるスチレン系樹脂を好適に用いることができる。
【0010】
ゴム変性ポリスチレンは、ゴム成分としてポリブジエン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等を用い、スチレンの重合過程で相転移して分散させたグラフト重合体である。ゴムで変性することにより、耐衝撃性を改良したものである。
一方、スチレン単独重合体は、いわゆるスチレンモノマーをラジカル重合したホモポリマーであり、流動性にすぐれ、かつ剛性を有し、ゴム変性ポリスチレンとの併用により、本発明の樹脂組成物のベースを構成する。
【0011】
なお、ゴム変性ポリスチレンのゴム量が、2重量%より少なければ耐衝撃性が不充分となり、15重量%より多ければ剛性が不充分となる。
また、ゴム変性ポリスチレンの重量平均分子量が8万より小さければ、成形不良となる場合が生じるし、30万より大きければ流動性が不充分となる。
さらに、スチレン単独重合体の重量平均分子量が10万より小さければ、離型性不良となる場合が生じるし、50万より大きければ流動性が不良となる。
【0012】
また、ゴム変性ポリスチレンを主成分として、スチレン単独重合体を配合してベース樹脂を構成するが、スチレン単独重合体の配合比が60重量部を超えると耐衝撃性が不良となる。
本発明に用いる(B)成分の難燃剤として、リン系難燃剤を好適に用いることができる。
【0013】
具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート等のリン酸エステルやこれらを各種置換基で置換したリン酸エステル等の各種縮合タイプのリン酸エステル化合物を挙げることができる。
【0014】
これらの中にあって、式(I)、式(II) 、式(III)、式(IV) のタイプの縮合リン酸エステルが好ましく、これらリン系難燃剤からから選ばれた少なくとも1種が使用でき、特に式(I)のタイプのものがより好ましく使用できる。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
(nが1〜3またはこれらの混合物である。)
【0019】
【化7】
【0020】
本発明に用いる(C)成分の無機充填剤として、シリカ、ケイソウ土、バリウムフェライト、酸化ベリリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイト、硫酸カルシュム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、カーボンブラック、グラファイト、硫化モリブテン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなど、または亜鉛、銅、鉄、鉛、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、マンガン、スズ、白金、タングステン、金、マグネシウム、コバルト、ストロンチウムなどの金属およびこれらの金属酸化物、ステンレス鋼、ハンダ、真鍮などの合金、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、窒化アルミニウム、炭化チタンなどの金属系セラミックスなどの粉末、繊維が挙げられる。
【0021】
これらの無機充填材は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも特に平均粒径0.1〜50μm、好ましくは、1〜30μm、より好ましくは、2〜15μmのタルクが好適である。
平均粒径が0.1μmより小さければ剛性向上効果が少なく、50μmより大きければ耐衝撃性の低下や外観が悪化する。
【0022】
なお、無機充填材は必要に応じて、公知の表面処理剤により表面処理して用いることができる。この表面処理剤としては、例えばステアリン酸、パルミチン酸などの飽和高級脂肪酸又はその誘導体、オレイン酸などの不飽和高級脂肪酸又はその誘導体、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、高級アルコールなどが挙げられる。表面処理する方法については特に制限はなく、例えば、ヘンシェルミキサー内で、該無機粉末に表面処理剤を吹きつけ、混合攪拌して処理してもよいし、無機粉末の製造段階で同時に処理してもよい。
【0023】
本発明に用いる(D)成分のゴムとして、ポリブタジエンゴム、アクリレート及び/又はメタクリレートを含有するゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム(SBSブロック)、ブタジエン・アクリルゴム、ポリイソプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ブタジエンゴム(EPDM)等を挙げることができる。
【0024】
これらの中でも、ベース樹脂との相溶性のよいスチレン・ブタジエンゴム(SBR)が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記した(A)成分のスチレン系樹脂100重量部に、(B)リン系難燃剤2〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部、(C)無機充填剤0〜20重量部、より好ましくは0〜15重量部、(D)ゴム0〜10重量部、より好ましくは0〜5重量部を配合してなる難燃スチレン系樹脂組成物である。
【0025】
(B)成分のリン系難燃剤が2重量部より少なければ、難燃効果が充分ではなく、20重量部より多ければ耐熱性が不充分である。
また、(C)成分、(D)成分は、用途に応じて配合量を任意に調整し、物性のバランスをとることができる。
(C)成分については、難燃性、特に燃焼時の滴下性を向上させるために配合することが好ましいが、その場合は、通常、1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部、さらに好ましくは、2〜7重量部である。
【0026】
ウェルドマ−クが特に問題となる場合は、5重量部以下、好ましくは1〜5重量部とすることが望ましい。
(C)成分の無機充填剤が20重量部より多ければ耐衝撃性が不充分となる。
(D)成分は、通常、10重量部まで、好ましくは、1〜8重量部である。10重量部より多ければ剛性が不充分である。
【0027】
本発明の樹脂組成物は、上記配合比で示される各成分のほか必要に応じてフェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤、紫外線吸収剤ほか光安定剤、脂肪族カルボン酸エステル系、パラフィン系、シリコンオイル、ポリエチレンワックスなどの内部滑剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレン−ビス−ステアリルアミドなどの分散剤、帯電防止剤、他の無機充填剤や有機充填剤、着色剤などを配合することができる。
【0028】
配合・混練は、通常用いられている方法、例えばリボンタンブラー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュウ押出機、二軸スクリュウ押出機、コニーダ、多軸スクリュウ押出機などを用いる方法により行うことができる。
本願における第2の発明は、ゴム変性ポリスチレン、所望成分としてのスチレン単独重合体、リン系難燃剤、所望成分としての無機充填剤および所望成分としてのゴムからなる樹脂組成物であって、12.7×127×2mmの試験片5本をIEC−65(BS415)に準拠して測定した平均水平燃焼速度が45mm/分以下またはUL−94規格の燃焼試験において12.7×127×2mmの試験片5本の内3本以上がV−2ランクに適合する難燃性を有するものであり、ASTM−D256に準拠して測定したアイゾット衝撃強度(23°C−ノッチ付)が5KJ/m2 以上であり、ASTM−D790に準拠して測定した曲げ弾性率が1800MPa以上であることを特徴とする難燃性スチレン系樹脂組成物である。
【0029】
なお、ゴム変性ポリスチレン、スチレン単独重合体、リン系難燃剤、無機充填剤およびゴムについては、第1の発明において説明したとおりであり、この第2の発明に係る難燃性スチレン系樹脂組成物は、上記各成分を適宜配合することによって好ましく具体化され調製することができる。
この難燃性スチレン系樹脂組成物は、難燃性に優れ、耐衝撃性と剛性に富んだ樹脂組成物である。
【0030】
本願における第3の発明は、ゴム変性ポリスチレン、所望成分としてのスチレン単独重合体、リン系難燃剤、所望成分としての無機充填剤および所望成分としてのゴムからなる樹脂組成物であって、12.7×127×2mmの試験片5本をIEC−65(BS415)に準拠して測定した平均水平燃焼速度が45mm/分以下またはUL−94規格の燃焼試験において12.7×127×2mmの試験片5本の内3本以上がV−2ランクに適合する難燃性を有するものであり、ASTM−D256に準拠して測定したアイゾット衝撃強度(23°C−ノッチ付)が5KJ/m2 以上であり、JIS−K7202に準拠して測定したロックウェル硬度が40以上であることを特徴とする難燃性スチレン系樹脂組成物である。
【0031】
なお、ゴム変性ポリスチレン、スチレン単独重合体、リン系難燃剤、無機充填剤およびゴムについては、第1の発明において説明したとおりであり、この第3の発明に係る難燃性スチレン系樹脂組成物は、上記各成分を適宜配合することによって好ましく具体化され調製することができる。
この難燃性スチレン系樹脂組成物は、難燃性に優れ、耐衝撃性に富み、かつ高硬度の樹脂組成物である。
【0032】
これら第2および第3の発明においては、ASTM−D790に準拠して測定した曲げ弾性率が1800MPa以上であり、ASTM−D1238(5kg荷重、200°C)に準拠して測定したメルトインデックス(MI)が10g/10分以上である難燃性スチレン系樹脂組成物であることが好ましい。
この難燃性スチレン系樹脂組成物は、難燃性に優れ、耐衝撃性に富み、高硬度を有し、しかも流動性の良好な樹脂組成物である。
【0033】
本願の第1〜3の発明に係る難燃スチレン系樹脂組成物は、難燃性能に優れると共に流動性、耐衝撃性、剛性のバランスがよく、さらに耐傷つき性に優れることから、大型(金型投影面積が5000cm2 以上)・薄肉部品(平均厚さ1.5〜2.5mm)であっても充分にフル充填が可能であり、かつ表面が固く、塗装処理を省略しうるなどの利点がある。
【0034】
このため、熱成形することにより大型テレビのハウジング(キャビネやバックカバー)のほか、パソコン本体のハウジング、複写機、プリンタ−、ファクシミリ−等の給紙カセット、カセットテレコキャビネ本体等、多くの電子・電気機器のハウジングやシャーシ、トナーカートリッジなどの内部部品を得ることできる。
【0035】
本願における第4の発明は、第1〜3の発明のいずれかの燃性性スチレン系樹脂組成物を用いて成形してなる電気・電子機器用ハウジングまたは内部部品である。
中でも、本燃性性スチレン系樹脂組成物は、テレビハウジング成形材料として好適なものである。
【0036】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
なお、実施例で用いる試験方法は、以下のとおりである。
(1)ポリスチレンの重量平均分子量の測定
GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で測定した。
(2)流動性(メルトフローレート)の測定
ASTM−D1238(5Kg荷重、200°C)により測定した。
(3)難燃性の測定
▲1▼射出成形により得られた試験片(寸法12.7mm×127mm×2mm)をIEC−65(BS415)に準拠して、水平燃焼速度(mm/分)を測定した(実施例1〜7、比較例1〜3)。
【0037】
▲2▼上記▲1▼の試験片をUL−94に準拠して、垂直燃焼試験を実施した(実施例8〜17)。
n/5NG:5本中、n本がV−2に不適合。
V−2:5本中、5本がV−2に適合。
(4)耐衝撃性の測定
アイゾット衝撃強度をASTM−D256により、23℃でノッチ付き試験片を用いて測定した。
(5)剛性の測定
曲げ弾性率をASTM−D790により測定した。
(6)耐傷つき性の測定
ロックウエル硬度(Lスケール)をJIS K 7202により測定した。
(7)耐熱性の測定
荷重たわみ温度(アニ−ルなし。120°C/hr、1.82MPa)をASTM−D649により測定した。
(8)テレビバックカバ−の評価
33インチテレビバックカバ−を、1800トン射出成形機により、230°Cにて射出成形し、成形性(離型性)と成形品の表面外観(視認による)を評価した。
【0038】
成形性:○:金型の型汚れやかじりは認められなかった。
成形性:△:金型の型汚れやかじりが認められた。
外 観:○:成形品にウェルドマ−クやフロ−マ−クはほとんど認められな かった。
外 観:△:成形品にウェルドマ−クやフロ−マ−クが目立った。
【0039】
また、実施例、比較例で用いる樹脂組成物の各成分について以下のとおりである。
(a1)重量平均分子量(Mw) が14万5000であるゴム変性ポリスチレン(ゴム量9重量%)(出光石油化学(株)製 PS IT44)
(a2)重量平均分子量(Mw) が19万5000であるゴム変性ポリスチレン(ゴム量9重量%)(出光石油化学(株)製 PS HT52)
(a3)重量平均分子量(Mw) が25万であるホモポリスチレン(GPPSと略称)(出光石油化学(株)製 PS HH30)
(a4)重量平均分子量(Mw) が22万であるGPPS(出光石油化学(株)製 PS NF20)
(b)リン系難燃剤は、次のとおりである。
(b1) 式(I)で示される縮合型リン酸エステル(大八化学PX−200)
【0040】
【化8】
【0041】
(b2) 式(II)で示される縮合型リン酸エステル(大八化学CR−733S
)
【0042】
【化9】
【0043】
(b3) 式(III)で示される縮合型リン酸エステル(大八化学CR−741)
【0044】
【化10】
【0045】
(b4) トリフェニルホスフェート
(c)タルク(浅田製粉JM−156)
(d)SBSゴム(シェル化学クレイトンD−1155JP)
実施例1,2、参考例1〜5
実施例1,2、及び参考例1〜5として、表1に示す成分を表1に示す配合量(重量部)により、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した後、二軸押出機(TEM35)にて樹脂温度200〜220℃で溶融混練し、ペレット10kgを得た。
【0046】
得られたペレットについて評価を行った。
その評価結果を表1に示す。
比較例1〜3
表1に示す成分を表1に示す配合量(重量部)により、実施例と同様にして実施し評価した。
【0047】
その評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
実施例3〜5、参考例6〜12
実施例3〜5、及び参考例6〜12として、表2に示す成分を表2に示す配合量(重量部)により、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した後、二軸押出機(TEM35)にて樹脂温度200〜220℃で溶融混練し、ペレット10kgを得た。得られたペレットについて評価を行った。
【0050】
その評価結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
以上
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、難燃性、流動性、剛性、耐衝撃性および硬度等の諸物性のバランスのとれた難燃性ポリスチレン系樹脂組成物が提供されると共に、この樹脂組成物を用いてなる電気・電子機器用ハウジング等、殊に優れたテレビハウジングが提供され、樹脂製造工業および電気・電子機器製造工業の分野に多大の寄与をなすものである。
Claims (4)
- (A)ゴム量が2〜15重量%で重量平均分子量が10万〜25万であるゴム変性ポリスチレン90〜80重量%および重量平均分子量が15万〜40万であるスチレン単独重合体10〜20重量%からなるスチレン系樹脂100重量部、(B)式(I)又は(II)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種であるリン系難燃剤5〜15重量部、(C)平均粒径2〜15μmのタルク1〜10重量部、(D)スチレン・ブタジエン・スチレンゴム1〜5重量部からなり、ASTM−D1238(5kg荷重、200℃)に準拠して測定したメルトインデックス(MI)が10g/10分以上であり、12.7×127×2mmの試験片5本をIEC−65(BS415)に準拠して測定した平均水平燃焼速度が45mm/分以下またはUL−94規格の燃焼試験において12.7×127×2mmの試験片5本の内3本以上がV−2ランクに適合する難燃性を有し、ASTM−D256に準拠して測定したアイゾット衝撃強度(23°C−ノッチ付)が5KJ/m2 以上であり、ASTM−D790に準拠して測定した曲げ弾性率が1800MPa以上、かつJIS−K7202に準拠して測定したロックウェル硬度が40以上であることを特徴とする電気・電子機器のハウジング用難燃性スチレン系樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の難燃性スチレン系樹脂組成物を用いて成形してなることを特徴とする電気・電子機器用ハウジング。
- 電気・電子機器用ハウジングが、テレビハウジングである請求項3に記載の電気・電子機器用ハウジング。
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