JP3437657B2 - 難燃性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性スチレン系樹脂組成物

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JP3437657B2 JP25850494A JP25850494A JP3437657B2 JP 3437657 B2 JP3437657 B2 JP 3437657B2 JP 25850494 A JP25850494 A JP 25850494A JP 25850494 A JP25850494 A JP 25850494A JP 3437657 B2 JP3437657 B2 JP 3437657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性に優れたスチレン
系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、ハロゲン系難燃
剤を使用することなく、少量のホスフェート系化合物の
添加で燃焼時に炎を成形品から滴下除去しうる効果的な
溶融滴下物を生成させることによって、米国UL規格9
4V−2に適合する難燃性を有し、耐熱性、機械的性
質、流動性に優れ、金型汚染性が改善された難燃性スチ
レン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は成形性、寸法安定性、
耐衝撃性、剛性、電気絶縁性等に優れていることから、
家電部品、OA機器を始めとする多岐の分野で使用され
ている。近年、安全上これらの用途分野で難燃化の要請
が高く、難燃性樹脂は大きな位置を占めている。スチレ
ン系樹脂のような易燃性の樹脂に難燃性を付与する方法
として、種々の方法が考案されているが、一般的には難
燃効果の高い臭素化合物などのハロゲン系難燃剤及び、
必要に応じ酸化アンチモンを樹脂に添加する方法が採用
されている。しかしながら、ハロゲン系難燃剤を用いた
場合には燃焼時にハロゲン化合物の分解により、人体に
有害なガスを多量に発生する場合があるため、環境上問
題であった。
【0003】このためハロゲン系難燃剤を使用しないで
難燃化する方法が検討されている。かかる方法として、
樹脂に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの
水和金属化合物を添加する方法が知られているが。しか
しながら、上記水和金属化合物を添加したゴム変性スチ
レン系樹脂は、燃焼試験時に燃焼部分が容易に滴下しな
いために、米国UL規格94V−2に規定される難燃レ
ベルを満足するためには、水和金属化合物を多量に添加
する必要があり樹脂本来の特性が失われるという欠点を
有していた。
【0004】一方、このような水和金属化合物を使用し
ない方法として、特開昭55−16081号公報には、
ビニル芳香族重合体に特定のトリアリールホスフェート
を添加する方法が開示されている。そして、当該公開特
許公報に開示されている技術では、特定構造のトリアリ
ールホスフェートの揮発性が低いために、成形加工の際
の難燃剤の損失が少なく、最初に過剰の難燃剤を混入す
る必要がないことが開示されている。
【0005】しかしながら、当該公開特許公報では好適
なビニル芳香族重合体が種々記載されているが、本発明
の特定の構造因子(ゴム含有量、1, 4‐トランス含有
量、1, 2‐ビニル含有量、還元粘度、平均ゴム粒径)
を有するゴム変性スチレン系樹脂においてのみ、ポリフ
ェニレンオキシドを含有しなくても特に大きな難燃性の
改良効果が発現することについては記載されていない。
しかも、当該公開特許公報の実施例に開示されているの
は、本来難燃性の高いポリ‐2, 6‐ジメチル‐1, 4
‐フェニレンオキシドと耐衝撃性ポリスチレンのポリブ
レンド物に対して特定構造のホスフェート系化合物を配
合した場合のみにおいて、短い燃焼時間を達成できるこ
とであった。従って、当該公開公報に開示されている技
術ではポリ‐2, 6‐ジメチル‐1, 4‐フェニレンオ
キシドを含まないゴム変性スチレン系樹脂とホスフェー
ト系化合物との組成物に於いて、少量のホスフェート系
化合物の添加で燃焼時に炎を成形品から滴下除去しうる
効果的な溶融落下物を生じさせることによって米国UL
規格94V−2の基準に適合する難燃性を有するゴム変
性スチレン系樹脂の特定の構造因子については何ら示唆
されていない。
【0006】また、特開昭57−30737号公報に
は、特定の構造を持つ芳香族リン酸エステル混合物と可
燃性樹脂材料からなる樹脂組成物が開示されている。当
該公開特許公報には、難燃性樹脂組成物中の難燃剤混合
物の濃度は特に定まったものではなく、可燃性樹脂組成
物の燃焼性の程度にかなり依存することが記載されてい
る。また、当該公開公報では可燃性樹脂組成物が本来難
燃性の高いポリフェニレンエーテル及び難燃性の低いス
チレン樹脂から成る場合、燃焼性の程度はほとんどスチ
レン樹脂の濃度及び種類に依存し、スチレン樹脂が低濃
度であるか又はスチレン樹脂の燃焼性が低い場合は、難
燃剤は低濃度で良いことが開示されている。
【0007】しかしながら、当該公開特許公報では好適
なビニル芳香族重合体が種々記載されているが、本発明
の特定の構造因子(ゴム含有量、1, 4‐トランス含有
量、1, 2‐ビニル含有量、還元粘度、平均ゴム粒径)
を有するゴム変性スチレン系樹脂においてのみ、ポリフ
ェニレンオキシドを含有しなくても特に大きな難燃性の
改良効果が発現することについては何ら開示されていな
い。しかも、当該公開特許公報の実施例に開示されてい
るのは、本来難燃性の高いポリ‐2, 6‐ジメチル‐
1, 4‐フェニレンオキシドと耐衝撃性ポリスチレンの
ポリブレンド物に対して特定構造のホスフェート系化合
物を配合した場合のみにおいて、短い燃焼時間を達成で
きることであった。
【0008】従って、当該公開特許公報に開示されてい
る技術にも、ポリ‐2, 6‐ジメチル‐1, 4‐フェニ
レンオキシドを含まないゴム変性スチレン系樹脂とホス
フェート系化合物との組成物に於いて、特定の構造因子
を有するゴム変性スチレン系樹脂に対する少量のホスフ
ェート系化合物の添加で燃焼時に炎を成形品から滴下除
去しうる効果的な溶融落下物を生じさせることによっ
て、米国UL規格94V−2の基準に適合した難燃性を
達成しうることは開示されていないし、予想さえできな
かった。
【0009】他方、特公平2−2538号公報には、特
定の構造を有するポリホスフェート化合物とポリスチレ
ン系樹脂からなる樹脂組成物が開示されている。当該公
開公報に開示されている技術では、特定の構造を有する
ポリホスフェート化合物が優れた難燃効果を有する上
に、燃焼滴下物を大幅に抑制することが開示されてい
る。しかし、当該公開公報のハロゲン系難燃剤を含まな
い実施例及び比較例に開示されている組成物の燃焼性の
程度は米国UL規格94V−2の基準に適合できない低
い難燃性レベルのものであった。そして、当該公開特許
公報では好適なビニル芳香族重合体が種々記載されてい
るが、本発明の特定の構造因子を有するゴム変性スチレ
ン系樹脂においてのみ、ポリフェニレンオキシドを含有
しなくても特に大きな難燃性の改良効果が発現すること
については記載されていない。しかも、当該公開特許公
報の実施例に開示されているのは、本来難燃性の高いポ
リ‐2, 6‐ジメチル‐1, 4‐フェニレンオキシドと
耐衝撃性ポリスチレンのポリブレンド物に対して特定構
造のホスフェート系化合物を配合した場合のみにおい
て、短い燃焼時間を達成できることであった。従ってこ
の当該公開特許公報に開示されている技術にも特定の構
造因子を有するゴム変性スチレン系樹脂に対する少量の
ホスフェート系化合物の添加によって、米国UL規格9
4V−2の基準に適合した難燃性を有する難燃性樹脂組
成物が得られることは何ら示唆されていなかった。
【0010】
【発明が解決しようする課題】本発明が解決しようとす
る課題はかかる現状に鑑み、ハロゲン系難燃剤を使用す
ることなく、少量のホスフェート系化合物の添加で、燃
焼時に炎を成形品から滴下除去しうる効果的な溶融滴下
物を生成させることによって、米国UL規格94V−2
に適合する難燃性を有し、耐熱性、機械的性質、流動性
に優れ、金型汚染性が改善された難燃性スチレン系樹脂
組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討を行なった結果、本発明者等はA)特定の構
造因子を有するゴム変性スチレン系樹脂100重量部、
B)特定の有機ホスフェート系化合物1〜25重量部か
らなる難燃性スチレン系樹脂組成物が、少量のホスフェ
ート系化合物の添加で燃焼時に炎を成形品から滴下除去
しうる効果的な溶融滴下物を生成させることによって、
米国UL規格94V−2に適合する難燃性を有し、耐熱
性、機械的性質、流動性に優れ、金型汚染性が改善され
た難燃性スチレン系樹脂組成物を得ることができること
を見いだし、本発明を完成させた。
【0012】本発明は次の通りである。 (1)(A)下記1)〜4)を満足してなるゴム変性ス
チレン系樹脂100重量部、 1)5重量%≦RC≦25重量% RC:ゴム変性スチレン系樹脂のゴム含有率(重量%) 2)30≦X+Y≦100 X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) 3)0.3≦Dw≦5.0 Dw:ゴム変性スチレン系樹脂の重量平均ゴム粒子径
(μm) 4)0.3≦ηSP/C≦0.8 ηSP/C:ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度(dl/
g) (0.04g/dl、トルエン溶液、30℃) (B)有機ホスフェート系化合物1〜25重量部、を配
合し、メルトフローレート(200℃、5kgf)が5.
0(g/10min)以上であることを特徴とする難燃性
スチレン系樹脂組成物。
【0013】(2) 前項(1)記載の成分(B)が下
記一般式で示されるホスフェート系化合物である前項
(1)記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
【化3】 (式中、xは0,1または2を表わし、R1及びR2は炭
素数1〜9のアルキル基を示し、同一または異なっても
よい。R3,R4及びR5は水素原子または炭素原子数1
〜9のアルキル基を表わし、同一または異なっていても
よい。)
【0014】(3) 前項(1)記載の成分(B)が下
記一般式で示されるホスフェート系化合物である前項
(1)記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
【化4】 (式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独立して、水素
原子または有機基を表わすが、R1=R2=R3=R4=H
の場合を除く。X′は2価以上の有機基を表わし、pは
0又は1であり、q,rは共に1以上の整数を示す。)
【0015】(4) 前項(1)記載の成分(B)がト
リス(2,6‐ジメチルフェニル)ホスフェートである
前項(1)記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
【0016】以下、本発明を詳しく説明する。上記
(A)成分は難燃性樹脂組成物の主成分であり、樹脂組
成物の強度保持の役割を果たすばかりでなく、(B)成
分と相乗的に作用して難燃性を付与する役割を果たす成
分である。(B)成分は(A)成分に難燃性と流動性を
付与する成分である。ここで、特定の構造因子(ゴム含
有率、1, 4‐トランス含有量、1, 2‐ビニル含有
量、還元粘度、重量平均ゴム粒子径)を有する(A)成
分と(B)成分との相乗的な作用が重要である。この相
乗作用により燃焼時に炎を成形品から滴下除去しうる効
果的な溶融滴下物が生成し、少量のホスフェート系化合
物の添加でも米国UL規格94V−2に適合する優れた
難燃性を有する難燃性スチレン系樹脂組成物を得ること
ができるのである。
【0017】本発明で使用される(A)成分であるゴム
変性スチレン系樹脂とは、ビニル芳香族系重合体よりな
るマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してな
る重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル
単量体及び必要に応じ、これと共重合可能なビニル単量
体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、塊状懸濁重
合、溶液重合、または乳化重合することにより得られ
る。このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポリスチレ
ン、ABS樹脂(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチ
レン共重合体)等が挙げられる。
【0018】本発明で使用される(A)成分のゴム含有
率は5〜25重量%であることが必要である。好ましく
は、5〜15重量%であり、更に好ましくは7〜13重
量%である。ゴム含有率が5重量%より小さくなると、
燃焼時に炎を成形品より滴下除去しうる効果的な溶融滴
下物を形成しうる(A)成分と(B)成分との間の相乗
効果が小さくなるために、米国UL規格V−2の基準に
適合する難燃性を達成するには多量の(B)成分を配合
しなくてはならず、耐熱性及び機械物性の低下、金型汚
染性の増大を招くので好ましくない。
【0019】また、ゴム含有率が25重量%を越える
と、ゴム変性スチレン系樹脂の流動性が著しく低下する
ために燃焼時に容易に滴下せず、(B)成分を多量に配
合しなくてはならずコストが上昇し、樹脂本来の特性が
失われるので好ましくない。
【0020】次に、本発明の(A)成分のゴム成分とし
て含まれるポリブタジエンについて説明する。本発明の
(A)成分で使用されるポリブタジエンは下記式2)を
満足する必要がある。 2)30≦X+Y≦100 X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ポリブタジエン中の1, 4‐トランス型二重結合の含有
量と1, 2‐ビニル型二重結合の含有量の総和は30〜
100モル%であることが必要であり、50〜100モ
ル%であることが好ましい。
【0021】ポリブタジエン中の1, 4‐トランス型二
重結合の含有量と1, 2‐ビニル型二重結合の含有量の
総和が30モル%未満であると、(A)成分と(B)成
分の相乗作用が小さくなるため、米国UL規格V−2の
基準に適合する難燃性を達成するためには、(B)成分
を多量に配合しなくてはならず、耐熱性及び機械的性質
の低下、金型汚染性の増大を招くので好ましくない。本
発明の(A)成分であるゴム変性スチレン系樹脂で使用
されるポリブタジエンは上記2)式を満足すれば、一種
類のポリブタジエンでも1, 4‐トランス型二重結合含
有量及び/又は1, 2‐ビニル型二重結合含有量の異な
る二種以上のポリブタジエンの混合物であっても良い。
また、本発明の効果を損なわない範囲でポリブタジエン
以外のゴム状重合体を併用してもかまわない。このよう
なゴム状重合体の例としては、スチレン‐ブタジエン共
重合体、ポリイソプレン、ブタジエン- イソプレン共重
合体、天然ゴム、ジエン系ゴムを水素添加した飽和ゴ
ム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレ
ン‐プロピレン‐ジエン三元共重合体等を挙げることが
できる。
【0022】本発明の(A)成分として使用されるゴム
変性スチレン系樹脂の重量平均ゴム粒子径は0.3〜
5.0μmの範囲にあることが必要である。更に好まし
くは0.2〜3.0μmである。特に好ましくは1.0
〜3.0μmである。重量平均ゴム粒子径が上記範囲外
となると、衝撃強度が低下するばかりでなく、(A)成
分と(B)成分の相乗効果が低下し、米国規格V−2の
基準に適合する難燃性を満足するためには(B)成分を
多量に使用しなくてはならないので好ましくない。
【0023】なお、本発明で用いるゴム変性スチレン系
樹脂のゴム粒子の構造は特に限定されるものでなく、サ
ラミ構造を有するものや単一オクルージョン構造を有す
るものなどが代表的である。また、本発明の範囲を越え
なければ、ゴムの平均粒子径分布が、小粒子部分と大粒
子部分との2つ以上の山からなる粒子径分布を有するも
のであってもよい。さらに、これらのゴム重合体に対し
てマトリックス樹脂部と相溶性に優れる樹脂がグラフト
共重合されていることが好ましいが、特に、本発明の範
囲を越えない程度であれば、マトリックス樹脂部とゴム
状重合体のドライブレンド物を、ヘンシェルミキサーや
バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機等の公知
の混練機によって混練したものでもよい。
【0024】本発明で用いるゴム変性スチレン系樹脂の
原料の1成分として用いられる芳香族モノビニル系単量
体としては、スチレン単独またはスチレンと共重合可能
な他のビニル系単量体の混合物を挙げることができる。
該共重合可能な単量体としては、例えばα‐メチルスチ
レン、o‐メチルスチレン、m‐メチルスチレン、p‐
メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレ
ン、ビニルナフタレン、等の芳香族モノビニル化合物、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイ
ン酸、あるいはフェニルマレイミド等が挙げられる。こ
れらの共重合可能な単量体は、その1種のみを用いても
良いし、2種以上を組み合わせて用いても良いが、スチ
レンを含む全芳香族モノビニル系単量体に対して、通常
40重量%以下、好ましくは20重量%以下、更に好ま
しくは10重量%以下の割合で用いられる。
【0025】本発明で使用するゴム変性スチレン系樹脂
の還元粘度(0.04g/dl、トルエン溶液、30℃)
は、0.3〜0.8dl/gの範囲にあることが必要であ
る。好ましくは、0.5〜0.7dl/gである。還元粘
度が0.3dl/gより小さいと、機械的物性が低下する
ので好ましくなく、0.8dl/gより大きいと、(A)
成分の流動性が著しく低下するために、燃焼時に容易に
滴下せず、(B)成分を多量に配合しなくてはならない
ので好ましくない。
【0026】本発明の(B)成分は一般式又は一般式
で表される有機ホスフェート系化合物又はトリス
(2,6‐ジメチルフェニル)ホスフェートである。
【化5】 (式中、xは0,1または2を表わし、R1及びR2は炭
素数1〜9のアルキル基を示し、同一または異なっても
よい。R3,R4及びR5は水素原子または炭素原子数1
〜9のアルキル基を表わし、同一または異なっていても
よい。) 上記式中、R3、R4、R5は環のどの位置にあってもよ
いが、2、4及び6‐位が望ましい。
【化6】 (式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は、それぞれ独立し
て、水素原子または有機基を表わすが、R1 =R2 =R
3 =R4 =Hの場合を除く。X′は2価以上の有機基を
表わし、pは0または1であり、qは1以上、例えば3
0以下の整数、rは1以上の整数を表わす。)
【0027】上記、一般式において、有機基とはたと
えば、置換されていてもいなくてもよいアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基等が挙げられる。また、置
換されている場合、置換基としては例えばアルキル基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリール
オキシ基、アリールチオ基等が挙げられ、またこれらの
置換基を組み合わせた基(例えばアリールアルコキシア
ルキル基等)またはこれらの置換基を酸素原子、イオウ
原子、窒素原子等により結合して組み合わせた基(例え
ばアリールスルホニルアリール基等)を置換基として用
いてもよい。また、2価以上の有機基とは上記した有機
基から、炭素原子に結合している水素原子の1 個以上
を除いてできる2価以上の基を意味する。例えばアルキ
レン基、及び好ましくは(置換)フェニレン基、多核フ
ェノール類例えばビスフェノール類から誘導するものが
挙げられ、2以上の遊離原子価の相対的位置は任意であ
る。特に好ましいものとして、ヒドロキノン、レゾルシ
ノール、ビスフェノール‐F、ビスフェノール‐A、ジ
ヒドロキシジフェニル、p,p′‐ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられ
る。
【0028】ホスフェート系化合物の具体例を以下に挙
げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。ト
リフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホス
フェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス
(2,6‐ジメチルフェニル)ホスフェート、ビス
(2,6‐ジメチルフェニル)フェニルホスフェート、
モノ(2,6‐ジメチルフェニル)ホスフェート、ビス
(2,6‐ジメチルフェニル)4‐第三ブチルフェニル
ホスフェート、ビス(2,6‐ジメチルフェニル)4‐
メチルフェニルホスフェート、ビス(2,6‐ジメチル
フェニル)3‐メチルフェニルホスフェート、ビス
(2,6‐ジメチルフェニル)4‐イソピルフェニルホ
スフェート、ビス(2,6‐ジメチルフェニル)2‐イ
ソピルフェニルホスフェート、レゾルシンビスホスフェ
ート、ビスフェノール‐Aビスホスフェート、ヒドロキ
ノンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフ
ェート等とこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、トリキシレニルホスフェート、トリス(2,6‐ジ
メチルフェニル)ホスフェートからなる群から選ばれる
1種以上のホスフェート系化合物である。耐熱性の点か
ら、特に好ましい例としてトリス(2,6‐ジメチルフ
ェニル)ホスフェートが挙げられる。
【0029】本発明に使用される有機ホスフェート化合
物は公知の方法によって製造することができる。例えば
適当なフェノール及び/又は多価フェノールをホスホリ
ル化剤と反応させることができる。ホスホリル化剤とし
ては、例えばオキシ塩化リンまたは五塩化リンが挙げら
れる。ホスホリル化反応は、塩化アルミニウム若しくは
塩化マグネシウムのような触媒の存在化またはピリジン
のような有機塩基の存在下で行うことができる。ホスフ
ェートはまたフェノール及び/又は多価フェノールとナ
トリウム塩とホスホリル化剤と反応させるかまたは相当
するリン酸エステルを公知の方法によって酸化させるこ
とによって製造することもできる。
【0030】(B)成分の添加量は(A)成分100重
量部に対して、1〜25重量部であることが必要であ
る。好ましくは3〜20重量部であり、さらに好ましく
は5〜20重量部である。(B)成分の添加量が1重量
部よりも低くなると、樹脂の難燃化の効果を達成するこ
とができないので好ましくない。また、(B)成分の添
加量が25重量部よりも大きいと、樹脂本来の特性が失
われるばかりでなく、コストの上昇、金型汚染性の増大
を招くので好ましくない。
【0031】本発明の樹脂組成物のメルトフローレート
(200℃、5kgf)は5.0(g/10min)以上であ
ることが必要である。好ましくは10.0(g/10mi
n)以上であり、さらに好ましくは15.0(g/10m
in)以上である。樹脂組成物のメルトフローレート(2
00℃、5kgf)が5.0(g/10min)より低いと、
樹脂組成物の流動性が低下するために、燃焼時に容易に
滴下せず、本発明の目的とする難燃性を達成できないた
め好ましくない。
【0032】本発明では、(A)成分と(B)成分とか
らなる樹脂組成物に対して、所望により滑剤を添加し、
(A)成分と(B)成分との相乗効果(燃焼時に炎を成
形品より滴下除去しうる効果的な溶融滴下物を形成しう
る(A)成分と(B)成分との間の相乗効果)をさらに
高めることができる。つまり、滑剤を添加することによ
り、(A)成分と(B)成分からなる樹脂組成物の流動
性を高め、燃焼時に於ける溶融滴下物の滴下を容易なら
しむることができるのである。本発明で使用できるこの
ような滑剤としては、ポリオレフィン系滑剤、金属石鹸
系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、アルコール系滑剤、脂
肪酸系滑剤、ポリシロキサン系滑剤、芳香族化合物オリ
ゴマー、流動パラフィン等及びこれらの混合物を挙げる
ことができる。滑剤の添加量は(A)成分100重量部
に対して通常10重量部以下であり、好ましくは5重量
部以下である。滑剤の添加量が10重量部を越えると、
樹脂本来の特性が失われるので好ましくない。
【0033】また、本発明難燃性樹脂組成物には所望に
より本発明の効果を損なわない範囲で前記以外の熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂を添加することができる。本発明
の(A)成分以外の樹脂としては、相溶性の点からゴム
成分を含有しないスチレン系樹脂が好適である。(A)
成分以外の樹脂成分の添加量は(A)成分100重量部
に対して通常100重量部以下であり、好ましくは50
重量部以下である。
【0034】本発明の難燃性樹脂組成物には本発明の目
的を損なわない範囲で、必要に応じて通常の添加剤、例
えば、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色
剤、表面改質剤、分散剤、金属石鹸、有機錫化合物、光
安定剤、加工助剤、発泡剤、リン系難燃剤、無機系難燃
剤、窒素系難燃剤、硝子繊維やタルクなどの無機充填剤
などを添加することができる。
【0035】本発明における難燃性樹脂組成物の製造方
法については、特に限定されないが、通常の方法、例え
ば押出機混練によるメルトブレンド等により製造するこ
とができる。このようにして得られた本発明の組成物を
例えば、射出成形、押出成形又は圧縮成形することによ
り、難燃性、機械的性質、外観に優れた成形品が得られ
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例に基づいて本発明
を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例およ
び比較例に限定されるものではない。なお、本発明の実
施例は次の評価方法にもとづき評価した。
【0037】還元粘度ηSP/Cの測定 ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度ηSP/Cは以下のよ
うにして求められる。ゴム変性スチレン系樹脂1gに調
整済みのMEK(メチルエチルケトン)/アセトン(5
0/50vol%)の混合溶液35ccを加え、スターラー
上で完全に溶解するまで撹拌後、10000rpmで30
分間遠心分離する。上澄み液を取り出しメタノールで樹
脂分を析出させた後、乾燥した。得られた樹脂をトルエ
ンに溶解し、濃度0.04g/dlの溶液に調整した。こ
の溶液をウベローデ粘度計を使用して、30℃でこの溶
液流下秒数t1を測定した。一方、別に、同じ粘度計で
純トルエンの流下秒数t0を測定し、以下の数式より算
出した。 ηSP/C=(t1/t0−1)/C (C:ポリマー濃度
g/dl)
【0038】ゴム重量平均粒子径Dw値の測定 Dw値の測定はコールターカウンター(コールター・マ
ルチライザーII型)において、当該ゴム変性ポリスチレ
ン系樹脂ペレットを、MEK/アセトンの50/50容
量%の混合溶液を用いて、マトリックスを形成するポリ
スチレン部分のみを溶解せしめた後、遠心分離器におい
て未溶解のゴム粒子部分と分離し、その後、DMF電解
質溶液に適度な濃度で分散させて測定した。
【0039】難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Burning)法によ
り評価した(1/8、1/12インチ試験片)。
【0040】アイゾット衝撃値 ASTM−D256に準拠した方法で23℃で測定した
(Vノッチ、1/4インチ試験片)。
【0041】荷重下たわみ温度(DTUL) ASTM−D648に準拠した方法で18.6kgf/cm2
で測定した。
【0042】メルトフローレート(MFR) ASTM−D246に準拠した方法で200℃、5kgf
の条件で測定した。
【0043】金型汚染性の測定 日本精工(株)製、PSE5ASE型40t射出成形機
を用いて、燃焼試験片を射出速度210℃で30ショッ
ト成形後、金型表面への難燃剤の付着状態を目視観察
し、異常がないものを○、付着のあるものを×とした。
【0044】(イ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−1)の重合 スチレン91重量部、ポリブタジエン((シス1, 4結
合/トランス1, 4結合/ビニル1,2結合含量=34
/52/14( モル%) )日本合成ゴム(株)製、BR
−71(SV値=178cp))9重量部を溶解した混合
液100重量部に対して、エチルベンゼン10重量部と
n‐ドデシルメルカプタン0.015重量部を添加して
溶解した原料液を完全撹拌混合槽型予熱器に連続的に供
給し100℃まで予熱した後、引き続き撹拌機付き塔型
プラグフロー反応器である第一反応器に連続的に装入し
て重合した。第一反応器内の重合温度は、100〜11
5℃の範囲で流れ方向に沿って温度が高くなるような温
度勾配が生じるように調節した。
【0045】次いで、スタティックミキサー型プラグフ
ロー反応器である第二反応器に上記重合液を連続的に装
入して重合を継続してスチレンの重合転化率88%にな
るまで重合を進行させ、この重合液を2軸押し出し機に
おいて230℃の加熱処理を施しながら減圧下揮発性成
分を除去した後にペレット化した。得られたゴム変性ス
チレン樹脂を分析した結果、ゴム含量RC=10重量
%、ゴムの重量平均粒子径は2.2μm、還元粘度は、
ηSP/Cは0.61dl/ gであった。
【0046】ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS−2〜
10)の重合 上記(イ)項記載の重合方法と同様の実験を行うことに
より下記のHIPS−2〜10の合成を行った。 (ロ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS−2) 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−7
1):8.1重量%、 シス1, 4結合含量=34モル% トランス1, 4結合含量=52モル% ビニル1,2結合含量=14モル% ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−25
H):0.9重量%、 シス1, 4結合含量=98モル% トランス1, 4結合含量=1モル% ビニル1,2結合含量=1モル% スチレン:91重量% ゴム含量RC=9.8重量%、 X+Y=59.4モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=2.3μm、 還元粘度ηSP/C=0.64dl/g、
【0047】(ハ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−3) 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−7
1):7.2重量%、 シス1, 4結合含量=34モル% トランス1, 4結合含量=52モル% ビニル1,2結合含量=14モル% ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−25
H):1.8重量%、 シス1, 4結合含量=98モル% トランス1, 4結合含量=1モル% ビニル1,2結合含量=1モル% スチレン:91重量%、 ゴム含量RC=10.1重量%、 X+Y=54.7モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=2.0μm、 還元粘度ηSP/C=0.57dl/g、
【0048】(ニ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−4) 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−25
H):8.0重量%、 シス1, 4結合含量=98モル% トランス1, 4結合含量=1モル% ビニル1,2結合含量=1モル% スチレン:92重量%、 ゴム含量RC=9.2重量%、 X+Y=2.3モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=2.8μm、 還元粘度ηSP/C=0.69dl/g、
【0049】(ホ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−5) 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−7
1):9.0重量%、 シス1, 4結合含量=34モル% トランス1, 4結合含量=52モル% ビニル1,2結合含量=14モル% スチレン:91重量%、 ゴム含量RC=9.9重量%、 X+Y=66.0モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=2.5μm、 還元粘度ηSP/C=0.78dl/g、
【0050】(ヘ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−6) 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−7
1):9.0重量%、 シス1, 4結合含量=34モル% トランス1, 4結合含量=52モル% ビニル1,2結合含量=14モル% スチレン:91重量%、 ゴム含量RC=10.0重量%、 X+Y=66.0モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=2.3μm、 還元粘度ηSP/C=1.08dl/g、
【0051】(ト)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−7) 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−7
1):8.0重量%、 シス1, 4結合含量=34モル% トランス1, 4結合含量=52モル% ビニル1,2結合含量=14モル% スチレン:92重量%、 ゴム含量RC=9.1重量%、 X+Y=66.0モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=0.21μm、 還元粘度ηSP/C=0.76dl/g、
【0052】(チ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−8) 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−7
4):5.0重量%、 シス1, 4結合含量=34.7モル% トランス1, 4結合含量=52.8モル% ビニル1,2結合含量=12モル% スチレン:95重量%、 ゴム含量RC=5.9重量%、 X+Y=68.3モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=2.2μm、 還元粘度ηSP/C=0.66dl/g、
【0053】(リ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−9)の重合 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−7
4):13.0重量%、 シス1, 4結合含量=34.7モル% トランス1, 4結合含量=52.8モル% ビニル1,2結合含量=12モル% スチレン:87重量%、 ゴム含量RC=14重量%、 X+Y=68.3モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=2.5μm、 還元粘度ηSP/C=0.59dl/g、
【0054】(ヌ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−10) 組成: ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR−7
4):2.0重量%、 シス1, 4結合含量=34.7モル% トランス1, 4結合含量=52.8モル% ビニル1,2結合含量=12モル% スチレン:98重量%、 ゴム含量RC=2.6重量%、 X+Y=68.3モル% X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) ゴムの重量平均粒子径Dw=2.8μm、 還元粘度ηSP/C=0.71dl/g、
【0055】実施例−1 (A)成分としてHIPS−1を100重量部、(B)
成分としてトリス(2、6ジメチルフェニル)ホスフェ
ート(ホスフェート‐1:大八化学(株)製、PX−1
30)を11.0重量部、その他の成分として流動パラ
フィン(滑剤−1:エッソ石油化学(株)製、クリスト
ール262)2.0重量部を配合し、池貝鉄鋼(株)製
の30mmφ2軸押出機を用いて、混練温度200℃で混
練を行った。得られた組成物について、燃焼性、アイゾ
ット衝撃値、DTUL、金型汚染性について評価を行っ
た。これらの結果を表1に示す。
【0056】実施例−2〜6、比較例−1〜5 ゴム変性スチレン系樹脂の種類及び/又はホスフェート
系化合物の添加量を変えたこと以外は実施例−1と同一
の実験を繰り返した。表1、2にその結果を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】実施例−7 滑剤−1の添加量及びホスフェート系化合物の添加量を
変えたこと以外は実施例−1と同一の実験を繰り返し
た。表3にその結果を示す。
【0060】実施例−8 滑剤種類をポリエチレンワックス(滑剤−2:三井石油
化学(株)製、三井ハイワックス400P)とし、そし
てホスフェート系化合物の添加量を変えたこと以外は実
施例−1と同一の実験を繰り返した。表3にその結果を
示す。
【0061】実施例−9 ホスフェート系化合物の種類をトリフェニルホスフェー
ト(ホスフェート‐2:大八化学(株)製、TPP)に
変えたこと以外は実施例−1と同一の実験を繰り返し
た。表3にその結果を示す。
【0062】実施例−10 ホスフェート系化合物の種類をレゾルシンビスホスフェ
ート(ホスフェート-3:大八化学(株)製、CR−7
33S)に変えたこと以外は実施例−1と同一の実験を
繰り返した。表3にその結果を示す。
【0063】実施例−11 ゴム不含有スチレン系樹脂として、ポリスチレン(GP
PS−1:新日鐵化学(株)製、エスチレンG−32)
及びホスフェート系化合物の添加量を変えたこと以外は
実施例−1と同一の実験を繰り返した。表3にその結果
を示す。
【0064】実施例−12 ゴム不含有スチレン系樹脂として、スチレン‐無水マレ
イン酸共重合体(SMA−1:積水化学(株)製、ダイ
ラーク332)及びホスフェート系化合物の添加量を変
えたこと以外は実施例−1と同一の実験を繰り返した。
表3にその結果を示す。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】燃焼時に炎を成形品から滴下除去し効果
的な溶融滴下物を生成させることによって、米国UL規
格94V−2に適合する難燃性を有し、耐熱性、機械的
性質、流動性に優れ、金型汚染性が改善された難燃性ス
チレン系樹脂組成物を得る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−84111(JP,A) 特開 昭55−16081(JP,A) 特開 昭54−85246(JP,A) 特開 平5−140391(JP,A) 特開 平5−132607(JP,A) 特開 平6−9887(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04 C08K 5/523

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記1)〜4)を満足してなるゴム
    変性スチレン系樹脂100重量部、 1)5重量%≦RC≦25重量% RC:ゴム変性スチレン系樹脂のゴム含有率(重量%) 2)30≦X+Y≦100 X:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
    4‐トランス型二重結合含有量(モル%) Y:ポリブタジエンゴム成分中の二重結合に占める1,
    2‐ビニル型二重結合含有量(モル%) 3)0.3≦Dw≦5.0 Dw:ゴム変性スチレン系樹脂の重量平均ゴム粒子径
    (μm) 4)0.3≦ηSP/C≦0.8 ηSP/C:ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度(dl/
    g) (0.04g/dl、トルエン溶液、30℃) (B)有機ホスフェート系化合物1〜25重量部、 を配合し、メルトフローレート(200℃、5kgf)が
    5.0(g/10min)以上であることを特徴とする難
    燃性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成分(B)が下記一般式
    で示されるホスフェート系化合物である請求項1記載
    の難燃性スチレン系樹脂組成物。 【化1】 (式中、xは0,1又は2を表わし、R1及びR2は炭素
    数1〜9のアルキル基を示し、同一または異なってもよ
    い。R3,R4及びR5は水素原子または炭素原子数1〜
    9のアルキル基を表わし、同一または異なっていてもよ
    い。)
  3. 【請求項3】 請求項1記載の成分(B)が下記一般式
    で示されるホスフェート系化合物である請求項1記載
    の難燃性スチレン系樹脂組成物。 【化2】 (式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独立して、水素
    原子または有機基を表わすが、R1=R2=R3=R4=H
    の場合を除く。X′は2価以上の有機基を表わし、pは
    0又は1であり、q,rは共に1以上の整数を示す。)
  4. 【請求項4】 請求項1記載の成分(B)がトリス
    (2,6‐ジメチルフェニル)ホスフェートである請求
    項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
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