JP2000344994A - 透明難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

透明難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JP2000344994A
JP2000344994A JP11158176A JP15817699A JP2000344994A JP 2000344994 A JP2000344994 A JP 2000344994A JP 11158176 A JP11158176 A JP 11158176A JP 15817699 A JP15817699 A JP 15817699A JP 2000344994 A JP2000344994 A JP 2000344994A
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rubber
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retardant
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Koichi Tabuse
浩一 田伏
Bunzo Mori
文三 森
Hiromitsu Aoki
寛充 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性に優れた透
明難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル、
シアン化ビニルおよび(メタ)アクリル酸エステルの中
から選ばれた1種以上の単量体を重合してなるグラフト
重合体(a−1)、または該グラフト重合体(a−1)
と芳香族ビニル、シアン化ビニルおよび(メタ)アクリ
ル酸エステルの中から選ばれた1種以上の単量体を重合
してなる(共)重合体(a−2)からなるゴム強化スチ
レン系樹脂(A)と難燃剤(B)からなり、樹脂成形品
とした時の全光線透過率が80%以上であり、かつヘイ
ズが6.0以下である透明難燃性熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性に優れ、
且つ成形加工性に優れた透明難燃性熱可塑性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】HIPS、ABSなどの名称にて製造・
販売されているゴム強化スチレン系樹脂は、外観、機械
的特性ならびに成形加工性に優れ、車両部品、電気製品
など種々の分野にて利用されている。しかしながら、こ
のようなゴム強化スチレン系樹脂は、可塑性材料である
ため、難燃性、例えば米国アンダーライターズ ラボラ
トリーズ(UL)規格94に基づく自己消化性(V−
0、V−1、V−2クラス)を必要とする電気・電子機
器への使用にあたっては制約を受けている。
【0003】難燃性付与のため、テトラブロモビスフェ
ノールA(TBBA)、デカブロムジフェニルエーテル
(DBDE)などのハロゲン化合物またはそれらとアン
チモン化合物との組み合わせ、更には各種燐化合物が用
いられている。これらの化合物を配合することにより難
燃化を図ることが出来るものの、その使用量を増加する
に伴い、高価な難燃剤によるコストアップやゴム強化ス
チレン系樹脂の特長である耐衝撃性等の物性が著しく低
下する。また、特にハロゲン化合物については、樹脂成
形時に熱分解して発生するガスが押出機のシリンダーや
金型を腐蝕させる原因となるなど、これらハロゲン化合
物を使用しない難燃樹脂材料が求められている。一方、
これら難燃樹脂材料については、その使用される用途、
例えば家電・OA機器等においては、透明性が要求され
る部品もあるが、現状、ゴム強化スチレン系樹脂をベー
スとする樹脂材料において、透明性を有する難燃樹脂材
料、特にノンハロゲン系の難燃樹脂材料は得られていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、該課題を解
決すべくなされたもので、耐衝撃性に優れ、かつ成形加
工性に優れた、ゴム強化スチレン系樹脂をベースとする
透明難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定構造のゴム強化ス
チレン系樹脂と、特定の難燃剤を特定の範囲で使用する
ことにより、耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性に優れた
透明難燃性熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明に達したものである。すなわち、本発明は、
(1)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体、
シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合
してなるグラフト重合体(a−1)、または該グラフト
重合体(a−1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビ
ニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量
体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる
(共)重合体(a−2)からなるゴム強化スチレン系樹
脂(A)と難燃剤(B)からなり、樹脂成形品とした時
の全光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが6.
0以下である透明難燃性熱可塑性樹脂組成物、(2)グ
ラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量
平均粒子径が0.05〜2.0μ、ゴム強化スチレン系
樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度が0.2〜0.
8dl/gである(1)の透明難燃性熱可塑性樹脂組成
物、(3)ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量部
に対して難燃剤(B)が1〜20重量部である(1)又
は(2)の透明難燃性熱可塑性樹脂組成物、(4)難燃
剤(B)が、燐含有量が20重量%以下の燐含有化合
物、フェノール系樹脂およびその誘導体から選ばれた1
種または2種以上のノンハロゲン系難燃剤である
(1)、(2)又は(3)の透明難燃性熱可塑性樹脂組
成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の透明難燃性熱可
塑性樹脂組成物につき詳細に説明する。
【0007】本発明において使用されるゴム強化スチレ
ン系樹脂(A)とは、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビ
ニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)
アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上
の単量体を重合してなるグラフト重合体(a−1)、ま
たは該グラフト重合体(a−1)と芳香族ビニル系単量
体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸
エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を
重合してなる(共)重合体(a−2)からなるゴム強化
スチレン系樹脂である。
【0008】ゴム強化スチレン系樹脂(A)におけるグ
ラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体として
は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−ス
チレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−イソ
プレン−スチレン共重合体、ポリクロロプレンなどのジ
エン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−プロピレン−非共役ジエン(エチリデンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン等)共重合体などのエチレン
−プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレートなどのア
クリル系ゴムなどが挙げられ、一種又は二種以上用いる
ことができる。
【0009】グラフト重合体(a−1)または(共)重
合体(a−2)を構成する芳香族ビニル系単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレ
ン等が挙げられ、一種または二種以上用いることができ
る。シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等が挙げられ、一種または二種
以上用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル
系単量体としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メ
チル等が挙げられ、一種または二種以上用いることがで
きる。また、本発明においては、上記芳香族ビニル系単
量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル
酸エステル系単量体と共に必要に応じて他の共重合可能
な単量体、例えばN−フェニルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル
酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸等を使用するこ
とも可能である。
【0010】本発明で用いるグラフト重合体(a−1)
を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径については
0.05〜2.0μ、またゴム強化スチレン系樹脂
(A)のアセトン可溶分の固有粘度は0.2〜0.8d
l/gの範囲にあることが好ましい。ここで、グラフト
重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量平均粒
子径が0.05μ未満では耐衝撃性に劣り、また2.0
μを超えると透明性が低下する。また、ゴム強化スチレ
ン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度が0.2d
l/g未満では耐衝撃性に劣り、また0.8dl/gを
超えると成形加工性が低下する。
【0011】上記ゴム強化スチレン系樹脂(A)を構成
するグラフト重合体(a−1)および共重合体(a−
2)の組成比率については特に制限はないが、グラフト
重合体(a−1)100〜10重量%および共重合体
(a−2)0〜90重量%であることが好ましい。ま
た、これらグラフト重合体(a−1)および共重合体
(a−2)は、公知の乳化重合、懸濁重合、塊状重合、
溶液重合およびこれらの組合せによる方法により製造す
ることができる。
【0012】難燃剤(B)は、ゴム強化スチレン系樹脂
(A)100重量部に対して1〜20重量部であること
が好ましい。難燃剤(B)が1重量部未満では、十分な
難燃性が得られず、また20重量部を超えると透明性が
低下する。
【0013】ここで用いることのできる難燃剤(B)と
しては、上記ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量
部に対して1〜20重量部の範囲で混合した際、得られ
た成形品の全光線透過率が80%以上であり、ヘイズが
6.0以下となるものである。このような難燃剤(B)
としては、特に燐含有量が20重量%以下の燐含有化合
物、フェノール系樹脂およびその誘導体から選ばれた1
種または2種以上のノンハロゲン系難燃剤であることが
好ましい。
【0014】具体的には、燐含有化合物としては、下記
式1で表わされる燐酸エステル系化合物、ポリフォスフ
ァゼン類等、フェノール系樹脂としては、フェノール型
ノボラック樹脂、クレゾール型ノボラック樹脂等、さら
にはフェノール系樹脂の誘導体としては、トリアジン構
造を有するフェノール型ノボラック樹脂が挙げられる。
【0015】
【化1】
【0016】(R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞ
れ互いに独立して選ばれる水素原子または有機基を表す
がR1 、R2 、R3 及びR4 全てが水素原子の場合
を除く。Xは2価以上の有機基であり、k、l、m及び
nはそれぞれ互いに独立して0又は1であり、Nは0〜
10の整数である)にて示される化合物である。上記式
1において有機基とは、置換されていてもよいアルキル
基、アリール基、シクロアルキル基が挙げられ、置換さ
れている場合の置換基としては例えばアルキル基、アル
コキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキ
シ基、アリールチオ基等が挙げられ、またこれら置換基
を組み合わせた基(アリールアルコキシアルキル基
等)、またはこれらの置換基を酸素、硫黄、窒素原子等
により結合して組み合わせた基(アリールスルホニルア
リール基等)が置換基であってもよい。また2価以上の
有機基とは、上記の有機基から炭素原子に結合している
水素原子の1個を除いてできる2価以上の基が挙げら
れ、例えばアルキレン基、置換基を有していてもよいフ
ェニレン基、多核フェノール類(ビスフェノール類)か
ら誘導される基が挙げられる。特に2価以上の有機基と
して好ましいものはヒドロキノン、レゾルシノール、ジ
フェニロールメタン、ジフェニロールジメチルメタン、
ジヒドロキシジフェニル、p,p’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられ
る。これらはぞぞれ1種または2種以上使用することが
できる。
【0017】これら燐酸エステル系化合物の具体例とし
ては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェ
ート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリオクチル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ヒドロ
キシフェニルジフェニルホスフェート、クレジルジフェ
ニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェー
ト、さらには、下記化2、化3、化4で示される化合物
等が挙げられる。
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】(式中、Rは水素またはメチル基を示
す。)
【0021】
【化4】
【0022】本発明は、上記のとおり、特定のゴム強化
スチレン系樹脂(A)と難燃剤(B)からなり、樹脂成
形品とした時の全光線透過率が80%以上であり、かつ
ヘイズが6.0以下である樹脂組成物である。該樹脂成
形品の全光線透過率を80%以上、かつヘイズを6.0
以下とするには、(A)におけるゴム状重合体と単量体
の種類およびその使用割合、グラフト重合体(a−1)
の重量平均粒子径、グラフト率、(A)のアセトン可溶
分の固有粘度、さらにこれら特定のゴム強化スチレン系
樹脂(A)と組み合せて使用する難燃剤(B)の種類に
よって設定することができる。
【0023】本発明における各成分の混合方法には特に
制限はなく、押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニ
ーダー等を用いて混合することができる。
【0024】また、本発明の透明難燃性熱可塑性樹脂組
成物には、公知の添加剤、例えば酸化防止剤〔2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メ
チルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、
2、2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−メチル
フェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
−3−メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオ
ネート、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト等
が例示される。〕、紫外線吸収剤〔p−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−
n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が例示
される。〕、滑剤〔パラフィンワックス、ステアリン
酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロア
ミド、エチレンビスステアロアミド、n−ブチルステア
レート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリ
ルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド
等が例示される。〕、着色剤〔例えば酸化チタン、カー
ボンブラック〕、充填剤〔例えば炭酸カルシウム、クレ
ー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等が
例示される。〕等を必要に応じて添加することができ
る。
【0025】さらに、本発明においてはポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリオキシメチレン、塩素化ポリ
エチレン等の他の熱可塑性樹脂を必要に応じて混合する
ことができる。
【0026】本発明をさらに具体的に説明するために以
下に実施例及び比較例を挙げて説明する。しかし、これ
らによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0027】〔実施例〕 −ゴム強化スチレン系樹脂(A)− グラフト重合体(a−1−1):窒素置換した反応器に
ポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.30
μ、ゲル含有量85%)50部(固形分)、水150
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、
硫酸第2鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒド
スルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、ア
クリロニトリル3部、スチレン12部、メタクリル酸メ
チル35部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.
2部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更
に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥
後、グラフト共重合体(a−1−1)を得た。得られた
グラフト共重合体のグラフト率およびアセトン可溶成分
の固有粘度はそれぞれ52%および0.50dl/gで
あった。
【0028】グラフト重合体(a−1−2):ポリブタ
ジエンラテックス(重量平均粒子径0.50μ、ゲル含
有量90%)20部、アクリロニトリル5部、スチレン
19部、メタクリル酸メチル56部、およびナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部、キュメン
ハイドロパーオキサイド0.3部に変更した以外は(a
−1−1)と同様にして、グラフト共重合体(a−1−
2)を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率お
よびアセトン可溶成分の固有粘度は、それぞれ60%お
よび0.45dl/gであった。
【0029】グラフト重合体(a−1−3):窒素置換
した反応器にポリブタジエンラテックス(重量平均粒子
径035μ、ゲル含有量90%)50部(固形分)、水
150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.
1部、硫酸第2鉄0.001部、ナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱
後、アクリロニトリル15部、スチレン35部およびキ
ュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物
を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重
合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合
体(a−1−1)を得た。得られたグラフト共重合体の
グラフト率およびアセトン可溶成分の固有粘度はそれぞ
れ55%および0.52dl/gであった。
【0030】共重合体(a−2−1):窒素置換した反
応器に、純水130部および過硫酸カリウム0.3部を
仕込んだ後、攪拌下に65℃に昇温した。その後、アク
リロニトリル10部、スチレン30部、メタクリル酸メ
チル60部およびt−ドデシルメルカプタン0.35部
からなる混合モノマー溶液および不均化ロジン酸カリウ
ム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々4時間に亘って
連続添加し、その後重合系を70℃に昇温し、2時間熟
成を行ない重合を終了した。塩析、脱水、乾燥後、固有
粘度0.50の共重合体C−1を得た。
【0031】共重合体(a−2−2):モノマーとして
アクリロニトリル30部およびスチレン70部とする以
外は(a−2−1)と同様の操作を行い、固有粘度0.
5の共重合体を得た。
【0032】−難燃剤(B)− B−1:トリフェニルホスフェート(大八化学工業株式
会社製、TPP 融点49℃) B−2:化2に示される化合物を主成分とする燐酸エス
テル系化合物(大八化学工業株式会社製、CR−733
S) B−3:化4に示される化合物を主成分とする燐酸エス
テル系化合物(大八化学工業株式会社製、PX−20
0) B−4:テトラブロモビスフェノールA B−5:三酸化アンチモン
【0033】〔実施例1〜4、比較例1〜5〕上記各成
分につき、表1に示された配合割合で混合し、40mm
二軸押出機を用いて200℃で溶融混練し、ペレットを
得た。また、得られたペレットにつき3.5オンス射出
成形機を用い、シリンダー設定温度220℃にて各試験
片を作成し、次の各評価を行った。評価結果を表1に示
す。なお、実施例及び比較例にて使用するゴム強化スチ
レン系樹脂の固有粘度については、上記の混合とは別
に、表1に示した割合にてグラフト重合体および共重合
体を押出機にて混合した後、アセトン可溶成分を抽出
し、固有粘度を測定した。
【0034】全光線透過率:厚さ3mmの試験片を用い
て、(株)村上色彩技術研究所製反射・透過率計HR−1
00で測定した。ヘイズ :全光線透過率測定と同一試験片を用いて、(株)
村上色彩技術研究所製反射・透過率計HR−100で測
定した。
【0035】耐衝撃性:ASTM D−256に準じて
ノッチ付アイゾット衝撃強度を測定。単位:kg・cm
/cm2成形加工性 :ASTM D−1238に準じてメルトフ
ローレイトを測定した。220℃×10kg、単位:g
/10min。難燃性 :UL94に準じて1.6mm厚みの試験片で難
燃性(自己消火性)を測定した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】上記のとおり、本発明の透明難燃性熱可
塑性樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性に
優れるものであり、透明性が要求され、かつ難燃性の必
要とされる家電・OA機器等の分野にて好適に使用する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25:04 61:06) Fターム(参考) 4J002 BC06X BC07X BN15W BN16W CC043 CC053 CC073 CQ013 EW046 FD010 FD070 FD090 FD133 FD136 FD170

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単
    量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル
    酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体
    を重合してなるグラフト重合体(a−1)、または該グ
    ラフト重合体(a−1)と芳香族ビニル系単量体、シア
    ン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル
    系単量体の中から選ばれた1種以上の単量体を重合して
    なる(共)重合体(a−2)からなるゴム強化スチレン
    系樹脂(A)と難燃剤(B)からなり、樹脂成形品とし
    た時の全光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが
    6.0以下である透明難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】グラフト重合体(a−1)を構成するゴム
    状重合体の重量平均粒子径が0.05〜2.0μ、ゴム
    強化スチレン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度
    が0.2〜0.8dl/gである請求項1記載の透明難
    燃性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量
    部に対して難燃剤(B)が1〜20重量部である請求項
    1又は2記載の透明難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】難燃剤(B)が、燐含有量が20重量%以
    下の燐含有化合物、フェノール系樹脂およびその誘導体
    から選ばれた1種または2種以上のノンハロゲン系難燃
    剤である請求項1、2又は3記載の透明難燃性熱可塑性
    樹脂組成物。
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JP2006328175A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Jsr Corp 環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体
JP2006328174A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Jsr Corp 環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体
US8829104B2 (en) 2010-03-19 2014-09-09 Asahi Kasei Chemicals Corporation Styrene-based resin composition, and resin molded article comprising same

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