JP2001181468A - 透明難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

透明難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JP2001181468A
JP2001181468A JP37044099A JP37044099A JP2001181468A JP 2001181468 A JP2001181468 A JP 2001181468A JP 37044099 A JP37044099 A JP 37044099A JP 37044099 A JP37044099 A JP 37044099A JP 2001181468 A JP2001181468 A JP 2001181468A
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resin composition
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JP37044099A
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English (en)
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Koichi Tabuse
浩一 田伏
Bunzo Mori
文三 森
Keisuke Nishii
圭介 西井
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Original Assignee
Nippon A&L Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性に優れた透
明難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル、
シアン化ビニルおよび(メタ)アクリル酸エステルの中
から選ばれた1種以上の単量体を重合してなるグラフト
重合体(a−1)または(a−1)と芳香族ビニル系単
量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル
酸エステルの中から選ばれた1種以上の単量体を重合し
てなる(共)重合体(a−2)からなるゴム強化スチレ
ン系樹脂(A)、難燃剤(B)、難燃助剤(C)として
四酸化アンチモン及び/又は五酸化アンチモンからな
り、樹脂成形品とした時の全光線透過率が60%以上で
あり、かつヘイズが50.0以下である透明難燃性熱可
塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性および耐衝
撃性に優れ、且つ成形加工性に優れた透明難燃性熱可塑
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】HIPS、ABSなどの名称にて製造・
販売されているゴム強化スチレン系樹脂は、外観、機械
的特性ならびに成形加工性に優れ、車両部品、電気製品
など種々の分野にて利用されている。しかしながら、こ
のようなゴム強化スチレン系樹脂は、可塑性材料である
ため、難燃性、例えば米国アンダーライターズ ラボラ
トリーズ(UL)規格94に基づく自己消化性(V−
0、V−1、V−2クラス)を必要とする電気・電子機
器への使用にあたっては制約を受けている。
【0003】難燃性付与のため、テトラブロモビスフェ
ノールA(TBBA)、デカブロムジフェニルエーテル
(DBDE)などのハロゲン化合物またはそれらと難燃
助剤としてアンチモン化合物との組み合わせ、更には各
種燐化合物が用いられている。これらの化合物を配合す
ることにより難燃化を図ることが出来るものの、その使
用量を増加するに伴い、高価な難燃剤によるコストアッ
プやスチレン系樹脂の特長である耐衝撃性等の物性が著
しく低下する。一方、これら難燃樹脂材料については、
その使用される用途、例えば家電・OA機器等において
は、透明性が要求される部品もあるが、現状、ゴム強化
スチレン系樹脂をベースとする樹脂材料において、透明
性を有する難燃樹脂材料、特に難燃助剤としてアンチモ
ン化合物を使用する材料において透明難燃樹脂材料は得
られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決すべくなされたもので、難燃性および耐衝撃性に優
れ、かつ成形加工性に優れた、ゴム強化スチレン系樹脂
をベースとする透明難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定のゴム強化スチレ
ン系樹脂と特定の難燃剤、更に特定のアンチモン化合物
を使用することにより、耐衝撃性に優れ、かつ成形加工
性に優れた透明難燃性熱可塑性樹脂組成物が得られるこ
とを見出し、本発明に達したものである。すなわち、本
発明は、(1)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系
単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量
体を重合してなるグラフト重合体(a−1)または(a
−1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から
選ばれた1種以上の単量体を重合してなる(共)重合体
(a−2)からなるゴム強化スチレン系樹脂(A)、難
燃剤(B)、難燃助剤(C)として四酸化アンチモン及
び/又は五酸化アンチモンからなり、樹脂成形品とした
時の全光線透過率が60%以上であり、かつヘイズが5
0.0以下である透明難燃性熱可塑性樹脂組成物、
(2)グラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合
体の重量平均粒子径が0.05〜2.0μ、ゴム強化ス
チレン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度が0.
2〜0.8dl/gである(1)記載の透明難燃性熱可
塑性樹脂組成物、(3)ゴム強化スチレン系樹脂(A)
100重量部に対して難燃剤(B)が5〜50重量部、
難燃助剤(C)が0.1〜5重量部である(1)記載の
透明難燃性熱可塑性樹脂組成物、(4)ゴム強化スチレ
ン系樹脂(A)100重量部に対して難燃剤(B)が5
〜50重量部、難燃助剤(C)が0.1〜5重量部、さ
らに透明性改良剤(D)を0.05〜5重量部配合して
なる(3)記載の透明難燃性熱可塑性樹脂組成物、
(5)ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重量部に対
して難燃剤(B)が5〜50重量部、難燃助剤(C)が
0.1〜5重量部、さらにエポキシ系安定剤(E)0.
05〜5重量部を配合してなる(3)記載の透明難燃性
熱可塑性樹脂組成物、(6)ゴム強化スチレン系樹脂
(A)100重量部に対して難燃剤(B)が5〜50重
量部、難燃助剤(C)が0.1〜5重量部、さらに透明
性改良剤(D)が0.05〜5重量部、エポキシ系安定
剤(E)0.05〜5重量部を配合してなる(3)記載
の透明難燃性熱可塑性樹脂組成物、(7)難燃剤(B)
がハロゲン化トリアジン化合物である(1)又は(3)
〜(6)何れかに記載の透明難燃性熱可塑性樹脂組成
物、(8)透明性改良剤(D)が燐酸エステル系化合物
である(4)又は(6)何れかに記載の透明難燃性熱可
塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の透明難燃性熱可
塑性樹脂組成物につき詳細に説明する。
【0007】本発明において使用されるゴム強化スチレ
ン系樹脂(A)とは、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビ
ニル系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)
アクリル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上
の単量体を重合してなるグラフト重合体(a−1)また
は(a−1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル
系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の
中から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる(共)
重合体(a−2)からなるゴム強化スチレン系樹脂であ
る。
【0008】ゴム強化スチレン系樹脂(A)におけるグ
ラフト重合体(a−1)を構成するゴム状重合体として
は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−ス
チレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−イソ
プレン−スチレン共重合体、ポリクロロプレンなどのジ
エン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−プロピレン−非共役ジエン(エチリデンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン等)共重合体などのエチレン
−プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレートなどのア
クリル系ゴムなどが挙げられ、一種又は二種以上用いる
ことができる。
【0009】グラフト重合体(a−1)または(共)重
合体(a−2)を構成する芳香族ビニル系単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレ
ン、等が挙げられ、一種または二種以上用いることがで
きる。シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等が挙げられ、一種または二
種以上用いることができる。(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸
メチル等が挙げられ、一種または二種以上用いることが
できる。また、本発明においては、上記芳香族ビニル系
単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体と共に必要に応じて他の共重合可
能な単量体、例えばN−フェニルマレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリ
ル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸等を使用する
ことも可能である。
【0010】本発明で用いるグラフト重合体(a−1)
を構成するゴム状重合体の重量平均粒子径については
0.05〜2.0μ、またゴム強化スチレン系樹脂
(A)のアセトン可溶分の固有粘度は0.2〜0.8d
l/gの範囲にあることが好ましい。ここで、グラフト
重合体(a−1)を構成するゴム状重合体の重量平均粒
子径が0.05μ未満では耐衝撃性に劣り、また2.0
μを超えると透明性が低下する。また、ゴム強化スチレ
ン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘度が0.2d
l/g未満では耐衝撃性に劣り、また0.8dl/gを
超えると成形加工性が低下する。
【0011】また、難燃剤(B)は、ゴム強化スチレン
系樹脂(A)100重量部に対して5〜50重量部であ
ることが好ましい。難燃剤(B)が5重量部未満では、
十分な難燃性が得られず、また50重量部を超えると透
明性及び耐衝撃性が低下する。
【0012】ここで用いることのできる難燃剤(B)と
しては、例えば、臭素化エポキシ系化合物、ハロゲン化
燐酸エステル、ハロゲン化縮合燐酸エステル等が挙げら
れるが、特に下記一般式化1で示されるハロゲン化トリ
アジン化合物であることが好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】(R1、R2、R3は、異種又は同種の炭
素数1〜20のハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリ
ール基又はハロゲン化アルキルアリール基を示す)。特
にこのような化合物としては、トリス−(トリブロモフ
ェノキシ)−S−トリアジン、2,4,6−トリス
(2,4,6−トリブロモフェノキシ)1,3,5−ト
リアジンが好ましい。
【0015】本発明において難燃助剤(C)として用い
られる四酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンは、公
知のものを使用することができる。ここで、市販品にお
いては、一部三酸化アンチモンが少量含まれるものがあ
り、難燃助剤(C)として使用可能な範囲は、5重量部
までである。一方、処理剤・安定剤などの改質剤の量に
ついては、特に制限されるものではない。五酸化アンチ
モンは通常、金属アンチモンの濃硝酸による酸化、三酸
化アンチモンの過酸化水素による酸化、アンチモン酸塩
の酸分解などの方法で、また四酸化アンチモンは五酸化
アンチモンの熱還元などの方法で工業的に製造されてい
る。これらは何れも無水物であることが好ましい。これ
ら四酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンは、通常そ
の平均粒子径は0.01〜1μ程度であるが、本発明に
おいては、0.01〜0.5μのものを使用することが
好ましい。ここで、本発明で使用する四酸化アンチモン
または五酸化アンチモンの平均粒子径とは、1次粒子径
のことである、。これら難燃助剤(C)は、ゴム強化ス
チレン系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜5重
量部であることが好ましい。難燃助剤(C)が0.1重
量部未満では、十分な難燃性が得られず、また5重量部
を超えると透明性及び耐衝撃性が低下する。
【0016】本発明においては、上記(A)、(B)お
よび(C)からなる組成物に対し、さらに透明性改良剤
(D)を配合することにより、さらに透明性に優れた組
成物が得られるものである。これら透明性改良剤(D)
を使用する場合、その使用割合については、ゴム強化ス
チレン系樹脂(A)100重量部に対して0.05〜5
重量部であることが好ましい。透明性改良剤(D)が
0.05重量部未満では透明性改良剤としての十分な効
果が得られず、また5重量部を超えるとかえって透明性
が低下する。本発明にて使用される透明性改良剤(D)
としては、上記(A)、(B)および(C)成分からな
る組成物に対してさらに透明性を向上させる化合物であ
れば特に制限はないが、具体的には、下記一般式化2で
表わされる燐酸エステル、その他、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、セバシ
ン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル等が挙げ
られるが、これらのうち特に燐酸エステルが好ましい。
【0017】
【化2】
【0018】(R1 、R2 、R3及びR4はそれぞれ
互いに独立して選ばれる水素原子または有機基を表すが
R1 、R2 、R3及びR4全てが水素原子の場合を除
く。Xは2価以上の有機基であり、k、l、m及びnは
それぞれ互いに独立して0又は1であり、Nは0〜10
の整数である)にて示される化合物である。上記式1に
おいて有機基とは、置換されていてもよいアルキル基、
アリール基、シクロアルキル基が挙げられ、置換されて
いる場合の置換基としては例えばアルキル基、アルコキ
シ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ
基、アリールチオ基等が挙げられ、またこれら置換基を
組み合わせた基(アリールアルコキシアルキル基等)、
またはこれらの置換基を酸素、硫黄、窒素原子等により
結合して組み合わせた基(アリールスルホニルアリール
基等)が置換基であってもよい。また2価以上の有機基
とは、上記の有機基から炭素原子に結合している水素原
子の1個を除いてできる2価以上の基が挙げられ、例え
ばアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン
基、多核フェノール類(ビスフェノール類)から誘導さ
れる基が挙げられる。特に2価以上の有機基として好ま
しいものはヒドロキノン、レゾルシノール、ジフェニロ
ールメタン、ジフェニロールジメチルメタン、ジヒドロ
キシジフェニル、p,p’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。これ
らはぞぞれ1種または2種以上使用することができる。
【0019】これら燐酸エステルの具体例としては、ト
リメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ
プロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ
ペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、ト
リシクロヘキシルホスフェート、トリオクチルホスフェ
ート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフ
ェート、トリキシレニルホスフェート、ヒドロキシフェ
ニルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホス
フェート、キシレニルジフェニルホスフェート、さらに
は、下記化3、化4、化5で示される化合物等が挙げら
れる。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】(式中、Rは水素またはメチル基を示
す。)
【0023】
【化5】
【0024】本発明における、上記の成分(A)、
(B)および(C)、または(A)、(B)、(C)お
よび(D)からなる組成物は、難燃性および機械的性質
が良好であるが、これらにさらにエポキシ系安定剤
(E)を配合することにより熱安定性に優れた透明難燃
性熱可塑性樹脂組成物が得られるものである。
【0025】本発明で用いられるエポキシ系安定剤
(E)としては、ハロゲンを含まずオキシラン環を有す
る化合物であり、例えば大豆油、綿実油、牛脂油、ラー
ド等のジアセトモノグリセリドをエポキシ化したもの、
エポキシステアリン酸のブチル、ヘキシル、ベンジル、
シクロヘキシル、メトキシエチル、イソオクチル、フェ
ニル、t−ブチルフェニルの各エステル、エポキシシク
ロヘキサンカルボン酸の各種エステルおよびそれら相互
間のエステル等のエポキシ化エステル(例えば3,4−
エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−
エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレー
ト)又は、ポリアリルグリシジルエーテル、ポリアルキ
レングリコールのグリシジルエーテル、グリセリンのジ
グリシジルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンのエピクロロヒドリン又は、2−メチ
ルエピクロロヒドリンによるジグリシジルエーテル化変
性物、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ベ
ンゼン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)
ヘキサン、1,4−ビス(3,4−エポキシブトキシ)
シクロヘキサン等のエポキシエーテル等が例示される。
これらのうち、特にエポキシ化大豆油、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエピクロロヒド
リンによるジグリシジルエーテルか変性物が好ましい。
上記エポキシ系安定剤(E)は、ゴム強化スチレン系樹
脂(A)100重量部に対して0.05〜5重量部であ
ることが好ましい。0.05重量部以下では、いわゆる
安定剤としての効果が低く、また5重量部を超えるとブ
リードアウトが著しくなり、また高価になるため好まし
くない。
【0026】本発明は、上記のとおり、特定のゴム強化
スチレン系樹脂(A)と難燃剤(B)および難燃助剤
(C)、またはこれらと透明性改良剤(D)および/ま
たはエポキシ系安定剤(E)からなり、樹脂成形品(成
形品厚み3mm)とした時の全光線透過率が60%以上
であり、かつヘイズが50.0以下である樹脂組成物で
ある。該樹脂成形品の全光線透過率を60%以上、かつ
ヘイズを50.0以下とするには(A)におけるゴム状
重合体と単量体の種類およびその使用割合、グラフト重
合体(a−1)の重量平均粒子径、(A)のアセトン可
溶分の固有粘度、さらにこれら特定のゴム強化スチレン
系樹脂(A)と組み合せて使用する難燃剤(B)、難燃
助剤(C)、さらには透明性改良剤および/またはエポ
キシ系安定剤(C)の種類およびその使用割合によって
設定することができる。
【0027】本発明における各成分の混合方法には特に
制限はなく、押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニ
ーダー等を用いて混合することができる。
【0028】また、本発明の透明難燃性熱可塑性樹脂組
成物には、公知の添加剤、例えば酸化防止剤〔2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メ
チルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、
2、2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−メチル
フェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
−3−メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオ
ネート、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト等
が例示される。〕、紫外線吸収剤〔p−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−
n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が例示
される。〕、滑剤〔パラフィンワックス、ステアリン
酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロア
ミド、エチレンビスステアロアミド、n−ブチルステア
レート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリ
ルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド
等が例示される。〕、着色剤〔例えば酸化チタン、カー
ボンブラック〕、充填剤〔例えば炭酸カルシウム、クレ
ー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等が
例示される。〕等を必要に応じて透明性を保持する範囲
内の添加領域にて添加することができる。さらに、本発
明においてはポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
オキシメチレン、塩素化ポリエチレン等の他の熱可塑性
樹脂を必要に応じて透明性を保持する範囲内の添加領域
にて混合することができる。
【0029】本発明をさらに具体的に説明するために以
下に実施例及び比較例を挙げて説明する。しかし、これ
らによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0030】〔実施例〕 −ゴム強化スチレン系樹脂(A)− グラフト重合体(a−1−1):窒素置換した反応器に
ポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.35
μ、ゲル含有量90%)50部(固形分)、水150
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、
硫酸第2鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒド
スルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、ア
クリロニトリル3部、スチレン12部、メタクリル酸メ
チル35部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.
2部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更
に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥
後、グラフト共重合体(a−1−1)を得た。得られた
グラフト共重合体のグラフト率およびアセトン可溶成分
の固有粘度はそれぞれ55%および0.52dl/gで
あった。
【0031】グラフト重合体(a−1−2):ポリブタ
ジエンラテックス(重量平均粒子径0.50μ、ゲル含
有量90%)20部、アクリロニトリル5部、スチレン
19部、メタクリル酸メチル56部、およびナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート0.4部、キュメン
ハイドロパーオキサイド0.3部に変更した以外は(a
−1−1)と同様にして、グラフト共重合体(a−1−
2)を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率お
よびアセトン可溶成分の固有粘度は、それぞれ60%お
よび0.45dl/gであった。
【0032】グラフト重合体(a−1−3):窒素置換
した反応器にポリブタジエンラテックス(重量平均粒子
径0.30μ、ゲル含有量85%)50部(固形分)、
水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩
0.1部、硫酸第2鉄0.001部、ナトリウムホルム
アルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に
加熱後、アクリロニトリル15部、スチレン35部およ
びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混
合物を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時
間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共
重合体(a−1−3)を得た。得られたグラフト共重合
体のグラフト率およびアセトン可溶成分の固有粘度はそ
れぞれ52%および0.52dl/gであった。
【0033】共重合体(a−2−1):窒素置換した反
応器に、純水130部および過硫酸カリウム0.3部を
仕込んだ後、攪拌下に65℃に昇温した。その後、アク
リロニトリル10部、スチレン30部、メタクリル酸メ
チル60部およびt−ドデシルメルカプタン0.35部
からなる混合モノマー溶液および不均化ロジン酸カリウ
ム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々4時間に亘って
連続添加し、その後重合系を70℃に昇温し、2時間熟
成を行ない重合を終了した。塩析、脱水、乾燥後、固有
粘度0.50の共重合体(a−2−1)を得た。
【0034】共重合体(a−2−2):使用する単量体
として、アクリロニトリル30部およびスチレン70部
とする以外は(a−2−1)と同様の操作を行い、固有
粘度0.5の共重合体(a−2−2)を得た。
【0035】−難燃剤(B)− B−1:2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモ
フェノキシ)1,3,5−トリアジン(第一工業製薬株
式会社製、ピロガード SR−245) −三酸化アンチモン(C)− C−1:四酸化アンチモン(三国製錬株式会社製 AT
E−H:平均粒子径 0.2〜0.5μ) C−2:五酸化アンチモン(日産化学工業株式会社製
サンエポックNA−4800:平均粒子径 0.02〜
0.03μ) C−i:三酸化アンチモン (住友金属鉱山株式会社製
KU級:平均粒子径 1〜2μ) −透明性改質剤(D)− D−1:トリフェニルホスフェート(大八化学工業株式
会社製 TPP 融点49℃) D−2:化5に示される化合物を主成分とする燐酸エス
テル(大八化学工業株式会社製 PX−200) −エポキシ系安定剤(E)− E−1:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンのエピクロロヒドリンによるジグリシジルエーテル
化変性物(旭電化社製 アデカサイザー EP−22)
【0036】〔実施例1〜5、比較例1〜5〕上記各成
分につき、表1に示された配合割合で混合し、40mm
二軸押出機を用いて200℃で溶融混練し、ペレットを
得た。また、得られたペレットにつき3.5オンス射出
成形機を用い、シリンダー設定温度220℃にて各試験
片を作成し、次の各評価を行った。評価結果を表1に示
す。なお、実施例及び比較例にて使用するゴム強化スチ
レン系樹脂の固有粘度については、上記の混合とは別
に、表1に示した割合にてグラフト重合体および共重合
体を押出機にて混合した後、アセトン可溶成分を抽出
し、固有粘度を測定した。
【0037】全光線透過率:厚さ3mmの試験片を用い
て、(株)村上色彩技術研究所製 反射・透過率計HR
−100で測定した。ヘイズ :全光線透過率測定と同一試験片を用いて、
(株)村上色彩技術研究所製反射・透過率計HR−10
0で測定した。
【0038】耐衝撃性:ASTM D−256に準じて
ノッチ付アイゾット衝撃強度を測定。単位:kg・cm
/cm2成形加工性 :ASTM D−1238に準じてメルトフ
ローレイトを測定した。200℃×5kg、単位:g/
10min。難燃性 :UL94に準じて3.2mm厚みの試験片で難
燃性を評価した。熱安定性 :厚さ3mmの試験片作成金型を用い、上記試
験片作成条件にて、シリンダー滞留時間を30分とし、
滞留後得られた成形品と未滞留にて得られた成形品の色
差(黄変度:ΔYI)を(株)村上色彩技術研究所製
色差計CMS−35SPで測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】上記のとおり、本発明の透明難燃性熱可
塑性樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性に
優れるものであり、透明性が要求され、かつ難燃性が必
要とされる家電・OA機器等の分野にて好適に使用する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BC062 BC072 BN061 BN121 BN141 BN151 BN161 CD023 CD024 CD043 CD044 CD122 CD123 CD183 CD184 DE126 EH097 EH147 EL048 EU186 EW046 EW047 FD010 FD033 FD034 FD038 FD070 FD090 FD132 FD133 FD136 FD170 FD207 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系
    単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリ
    ル酸エステル系単量体の中から選ばれた1種以上の単量
    体を重合してなるグラフト重合体(a−1)または(a
    −1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
    体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の中から
    選ばれた1種以上の単量体を重合してなる(共)重合体
    (a−2)からなるゴム強化スチレン系樹脂(A)、難
    燃剤(B)、難燃助剤(C)として四酸化アンチモン及
    び/又は五酸化アンチモンからなり、樹脂成形品とした
    時の全光線透過率が60%以上であり、かつヘイズが5
    0.0以下である透明難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 グラフト重合体(a−1)を構成するゴ
    ム状重合体の重量平均粒子径が0.05〜2.0μ、ゴ
    ム強化スチレン系樹脂(A)のアセトン可溶分の固有粘
    度が0.2〜0.8dl/gである請求項1記載の透明
    難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重
    量部に対して難燃剤(B)が5〜50重量部、難燃助剤
    (C)が0.1〜5重量部である請求項1記載の透明難
    燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重
    量部に対して難燃剤(B)が5〜50重量部、難燃助剤
    (C)が0.1〜5重量部、さらに透明性改良剤(D)
    を0.05〜5重量部配合してなる請求項3記載の透明
    難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重
    量部に対して難燃剤(B)が5〜50重量部、難燃助剤
    (C)が0.1〜5重量部、さらにエポキシ系安定剤
    (E)0.05〜5重量部を配合してなる請求項3記載
    の透明難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ゴム強化スチレン系樹脂(A)100重
    量部に対して難燃剤(B)が5〜50重量部、難燃助剤
    (C)が0.1〜5重量部、さらに透明性改良剤(D)
    が0.05〜5重量部、エポキシ系安定剤(E)0.0
    5〜5重量部を配合してなる請求項3記載の透明難燃性
    熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 難燃剤(B)がハロゲン化トリアジン化
    合物である請求項1又は3〜6何れかに記載の透明難燃
    性熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 透明性改良剤(D)が燐酸エステル系化
    合物である請求項4又は6何れかに記載の透明難燃性熱
    可塑性樹脂組成物。
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