JP2009191139A - 難燃性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の難燃性樹脂組成物は、ジエン系ゴム質重合体(a1)28〜60質量部の存在下に、メタクリル酸メチル50〜95質量%を含むビニル系単量体(a2)72〜40質量部を重合して得られたゴム強化アクリル系樹脂と、各単位の合計を100質量%とした場合に、メタクリル酸メチル単位(b1)50〜90質量%、芳香族ビニル化合物単位(b2)10〜30質量%及び他のビニル系単量体単位(b3)0〜20質量%からなり、且つ、極限粘度が、上記ゴム強化アクリル系樹脂〔A〕におけるアセトンに可溶な成分の極限粘度より高いアクリル系樹脂と、特定の臭素化トリアジン化合物とを、20〜52質量%、40〜70質量%及び8〜20質量%含有する。
【選択図】なし
Description
一方、通常、不透明なABS樹脂を用いてなり、デザイン上の要求に応じて、透明性及び難燃性が達成された樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1には、ポリブタジエン及び/又はスチレン−ブタジエンコポリマーからなるゴム質重合体の存在下に、(メタ)アクリル酸エステル化合物40重量%以上を含む単量体成分をグラフト重合して得られるゴム強化重合体100重量部に対し、特定の構造を有する化合物を難燃剤として5〜20重量部と、エチレンオキサイド単位を35〜65重量%含む、ポリエーテルエステルアミド及びポリエーテルアミド、並びに/又は、芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体の水素添加物の群から選ばれた少なくとも1種0〜5重量部とを含有する難燃性熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
1.〔A〕ジエン系ゴム質重合体(a1)28〜60質量部の存在下に、メタクリル酸メチル50〜95質量%を含むビニル系単量体(a2)72〜40質量部(但し、(a1)+(a2)=100質量部)を重合して得られたゴム強化アクリル系樹脂と、
〔B〕各単位の合計を100質量%とした場合に、メタクリル酸メチル単位(b1)50〜90質量%、芳香族ビニル化合物単位(b2)10〜30質量%及び他のビニル系単量体単位(b3)0〜20質量%からなり、且つ、極限粘度が、上記ゴム強化アクリル系樹脂〔A〕におけるアセトンに可溶な成分の極限粘度より高いアクリル系樹脂と、
〔C〕下記一般式(I)で表される臭素化トリアジン化合物と、
を、それぞれ、20〜52質量%、40〜70質量%及び8〜20質量%の割合(但し、〔A〕+〔B〕+〔C〕=100質量%)で用いて溶融混練して得られ、上記ジエン系ゴム質重合体(a1)の含有量が、組成物全体に対して10〜20質量%であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
2.更に、エチレンオキサイド単位35〜65質量%を含むポリエーテルエステルアミド、エチレンオキサイド単位を35〜65質量%含むポリエーテルアミド、並びに、芳香族ビニル化合物単位及び共役ジエン化合物単位を含む共重合体の水素添加物の群から選ばれた少なくとも1種の耐衝撃性付与剤を含有し、該耐衝撃性付与剤の含有量が、上記ゴム強化アクリル系樹脂〔A〕、上記アクリル系樹脂〔B〕及び上記臭素化トリアジン化合物〔C〕の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部である上記1に記載の難燃性樹脂組成物。
3.曇価が15%以下であり、且つ、全光線透過率が75%以上である上記1又は2に記載の難燃性樹脂組成物。
4.UL94規格に準ずる燃焼性がV−2である上記1乃至3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
5.上記1乃至4のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形してなり、曇価が15%以下であり、且つ、全光線透過率が75%以上であることを特徴とする成形品。
本発明の難燃性樹脂組成物が、更に、〔D〕耐衝撃性付与剤を含有する場合には、難燃性及び透明性を低下させることなく、難燃性、透明性及び耐衝撃性のバランスに優れた成形品を形成することができる。
尚、本発明において、「(共)重合」とは、単独重合及び共重合を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味する。
本発明の難燃性樹脂組成物は、〔A〕ジエン系ゴム質重合体(a1)28〜60質量部の存在下に、メタクリル酸メチル50〜95質量%を含むビニル系単量体(a2)72〜40質量部(但し、(a1)+(a2)=100質量部)を重合して得られたゴム強化アクリル系樹脂(以下、「成分〔A〕」ともいう。)と、〔B〕各単位の合計を100質量%とした場合に、メタクリル酸メチル単位(b1)50〜90質量%、芳香族ビニル化合物単位(b2)10〜30質量%及び他のビニル系単量体単位(b3)0〜20質量%からなり、且つ、極限粘度が、上記ゴム強化アクリル系樹脂〔A〕におけるアセトンに可溶な成分の極限粘度より高いアクリル系樹脂(以下、「成分〔B〕」ともいう。)と、〔C〕下記一般式(I)で表される臭素化トリアジン化合物(以下、「成分〔C〕」ともいう。)と、
を、それぞれ、20〜52質量%、40〜70質量%及び8〜20質量%の割合(但し、〔A〕+〔B〕+〔C〕=100質量%)で用いて溶融混練して得られ、上記ジエン系ゴム質重合体(a1)の含有量が、組成物全体に対して10〜20質量%であることを特徴とする。
この成分〔A〕は、ジエン系ゴム質重合体(a1)28〜60質量部の存在下に、メタクリル酸メチル50〜95質量%を含むビニル系単量体(a2)72〜40質量部(但し、(a1)+(a2)=100質量部)を重合して得られた樹脂である。
上記酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ビニル系単量体(a2)に含まれる他の単量体の含有量は5〜50質量%、好ましくは15〜45質量%である。他の単量体は、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物の組合せとすることが好ましく、芳香族ビニル化合物を用いると、成形加工性が付与され、シアン化ビニル化合物を用いると、耐薬品性が付与される。これらの化合物を用いる場合、両者の割合は、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、好ましくは50〜90質量%及び10〜50質量%であり、より好ましくは55〜85質量%及び15〜45質量%である。
尚、上記成分〔A〕を製造する場合、ジエン系ゴム質重合体(a1)及びビニル系単量体(a2)は、反応系において、上記ジエン系ゴム質重合体(a1)全量の存在下に、上記ビニル系単量体(a2)を一括添加して重合を開始してよいし、分割して又は連続的に添加しながら重合を行ってもよい。また、上記ジエン系ゴム質重合体(a1)の一部存在下、又は、非存在下に、上記ビニル系単量体(a2)を一括添加して重合を開始してよいし、分割して又は連続的に添加してもよい。このとき、上記ゴム質重合体(a1)の残部は、反応の途中で、一括して、分割して又は連続的に添加してもよい。
尚、上記重合開始剤は、反応系に一括して、又は、連続的に添加することができる。
尚、上記連鎖移動剤は、反応系に一括して、又は、連続的に添加することができる。
尚、上記成分〔A〕が、2種以上のゴム強化アクリル系樹脂を含有した態様である場合には、各ラテックスから樹脂を単離した後、混合してもよいが、他の方法として、各樹脂をそれぞれ含むラテックスの混合物を凝固する等の方法がある。
上記成分〔A〕は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
グラフト率(質量%)={(y−x)/x}×100
上記成分〔A〕は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
この成分〔B〕は、各単位の合計を100質量%とした場合に、メタクリル酸メチル単位(b1)50〜90質量%、芳香族ビニル化合物単位(b2)10〜30質量%及び他のビニル系単量体単位(b3)0〜20質量%からなる共重合体である。
また、上記成分〔B〕を構成する他のビニル系単量体単位(b3)を形成することとなる化合物としては、1種又は2種以上であって、上記成分〔A〕の形成に用いることができる、他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、マレイミド系化合物、酸無水物等が挙げられる。これらのうち、シアン化ビニル化合物が好ましく、特に、アクリロニトリルが好ましい。尚、上記化合物は、アミノ基、エポキシ基、アミド基、カルボキシル基、オキサゾリン基等の官能基を有してもよい。
上記成分〔B〕は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、上記成分〔B〕の極限粘度は、上記成分〔A〕におけるアセトンに可溶な成分の極限粘度より高く、その差は、好ましくは0.01dl/g以上、より好ましくは0.02dl/g以上、更に好ましくは0.05dl/g以上である。尚、上限は、通常、0.5dl/gである。このような極限粘度差を有することで、透明性及び耐衝撃性の物性バランスに優れる。
この成分〔C〕は、下記一般式(I)で表される化合物であり、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、目的、用途等に応じて、添加剤を含有したものとすることができる。
上記添加剤としては、耐衝撃性付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、耐候剤、充填剤、抗菌剤、防かび剤、着色剤等が挙げられる。
この成分〔D〕としては、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミド、芳香族ビニル化合物単位及び共役ジエン化合物単位を含む共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
組み合わせの、グラフト反応物やブロック反応物等が挙げられる。
本発明においては、耐衝撃性の改良効果が優れることから、エチレンオキサイド単位の含有量が、重合体の全体に対して35〜65質量%であるポリエーテルエステルアミドが特に好ましい。
また、上記ポリエーテルエステルアミドの屈折率は、好ましくは1.49〜1.53であり、より好ましくは1.51〜1.52である。
本発明においては、耐衝撃性の改良効果が優れることから、エチレンオキサイド単位の含有量が、重合体の全体に対して35〜65質量%であるポリエーテルアミドが特に好ましい。
また、上記ポリエーテルアミドの屈折率は、好ましくは1.49〜1.53であり、より好ましくは1.51〜1.52である。
水素添加前の共重合体を構成する芳香族ビニル化合物単位は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等から形成されたものとすることができ、共役ジエン化合物単位は、ブタジエン、イソプレン等から形成されたものとすることができる。水素添加前の共重合体の構成は、好ましくは、下記一般式(II)で表される。
[X]i[Y]j[Z]k (II)
(式中、Xは、芳香族ビニル化合物単位、Yは、共役ジエン化合物単位、Zは、Sn、Si等のカップリング剤残基であり、i及びjは、それぞれ、1〜5の整数であり、kは0又は1である。)
尚、上記水素添加物の屈折率は、好ましくは1.49〜1.53であり、より好ましくは1.50〜1.52である。
上記老化防止剤の含有量は、上記の成分〔A〕及び〔B〕の合計を100質量部とした場合に、通常、0.05〜5質量部である。
ヒンダードフェノール類としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、tert−ブチルヒドロキシアニソール、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−N−オクタデシルプロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
リン系化合物としては、ペンタエリスリトールジホスファイト、アルキルジアリールホスファイト等が挙げられる。
上記酸化防止剤の含有量は、上記の成分〔A〕及び〔B〕の合計を100質量部とした場合に、通常、0.1〜5質量部である。
上記紫外線吸収剤の含有量は、上記の成分〔A〕及び〔B〕の合計を100質量部とした場合に、通常、0.01〜5質量部である。
上記可塑剤の含有量は、上記の成分〔A〕及び〔B〕の合計を100質量部とした場合に、通常、0.5〜5質量部である。
上記耐候剤の含有量は、上記の成分〔A〕及び〔B〕の合計を100質量部とした場合に、通常、0.01〜5質量部である。
上記充填剤の含有量は、上記の成分〔A〕及び〔B〕の合計を100質量部とした場合に、通常、1〜30質量部である。
上記抗菌剤の含有量は、上記の成分〔A〕及び〔B〕の合計を100質量部とした場合に、通常、0.01〜5質量部である。
上記着色剤の含有量は、上記の成分〔A〕及び〔B〕の合計を100質量部とした場合に、通常、0.1〜10質量部である。
また、全光線透過率が好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上であり、光の透過性に優れる。
また、ISO 179に準じて測定されるシャルピー衝撃強度が好ましくは5kJ/m2以上、より好ましくは7kJ/m2以上であり、耐衝撃性に優れる。
本発明の成形品は、上記本発明の難燃性樹脂組成物を成形して得られたものであり、曇価が15%以下、好ましくは10%以下であり、且つ、全光線透過率が75%以上、好ましくは80%以上であることを特徴とする。また、UL94規格に準ずる燃焼性がV−2であるものとすることができ、ISO 179に準じて測定されるシャルピー衝撃強度が5kJ/m2以上であるものとすることができる。
組成物の製造に用いた成分を以下に示す。
1−1.成分〔A〕
(1)A−1
ポリブタジエンゴム45部の存在下、メタクリル酸メチル38.5部、スチレン12.7部及びアクリロニトリル3.8部からなる単量体55部を乳化重合し、重合転化率98%にて得られたゴム強化アクリル系樹脂である。このゴム強化アクリル系樹脂は、グラフト率が41%、ポリブタジエンゴムの含有量が45.9%である。また、アセトン可溶成分の極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.31dl/gである。
(2)A−2
ポリブタジエンゴム45部の存在下、メタクリル酸メチル44部、スチレン6.7部及びアクリロニトリル4.3部からなる単量体55部を乳化重合し、重合転化率98%にて得られたゴム強化アクリル系樹脂である。このゴム強化アクリル系樹脂は、グラフト率が45%、ポリブタジエンゴムの含有量が45.9%である。また、アセトン可溶成分の極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.35dl/gである。
(3)A−3
ポリブタジエンゴム45部の存在下、メタクリル酸メチル22部、スチレン25.3部及びアクリロニトリル7.7部からなる単量体55部を乳化重合し、重合転化率98%にて得られたゴム強化アクリル系樹脂である。このゴム強化アクリル系樹脂は、グラフト率が48%、ポリブタジエンゴムの含有量が45.9%である。また、アセトン可溶成分の極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.35dl/gである。
(4)A−4
ポリブタジエンゴム17部の存在下、メタクリル酸メチル58.1部、スチレン19.1部及びアクリロニトリル5.8部からなる単量体83部を乳化重合し、重合転化率98%にて得られたゴム強化アクリル系樹脂である。このゴム強化アクリル系樹脂は、グラフト率が55%、ポリブタジエンゴムの含有量が17.3%である。また、アセトン可溶成分の極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.45dl/gである。
(1)B−1
メタクリル酸メチル単位量72%、スチレン単位量21%及びアクリロニトリル単位量7%の3元共重合体である。極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.51dl/gである。
(2)B−2
メタクリル酸メチル単位量80%、スチレン単位量16%及びアクリロニトリル単位量4%の3元共重合体である。極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.45dl/gである。
(3)B−3
メタクリル酸メチル単位量40%、スチレン単位量46%及びアクリロニトリル単位量14%の3元共重合体である。極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.45dl/gである。
(4)B−4
メタクリル酸メチル単位量98%及びアクリル酸単位量2%の2元共重合体である。極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.51dl/gである。
(5)B−5
メタクリル酸メチル単位量82%、スチレン単位量8%及びアクリロニトリル単位量10%の3元共重合体である。極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.51dl/gである。
(6)B−6
メタクリル酸メチル単位量60%、スチレン単位量35%及びアクリロニトリル単位量5%の3元共重合体である。極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.52dl/gである。
(7)B−7
メタクリル酸メチル単位量72%、スチレン単位量21%及びアクリロニトリル単位量7%の3元共重合体である。極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.30dl/gである。
(1)C−1
2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン(商品名「SR−245」、第一工業製薬社製)を用いた。
(2)C−2
トリブロモフェノールで末端封止されたテトラブロモビスフェノールAのオリゴマー(臭素含有量56%、分子量約2000)を用いた。
1−4.成分〔D〕
ナイロン6及びポリエチレンオキサイドを、テレフタル酸でエステル化して得られた、エチレンオキサイド単位量が50%であるポリエーテルエステルアミドを用いた。
実施例1〜8及び比較例1〜12
上記の成分〔A〕〜〔D〕を、表1及び表2に記載の割合で、ヘンシェルミキサーに供給し、室温で3分間混合した後、ナカタニ機械社製50mm径押出機「NVC50」(型式名)を用いて溶融混練(シリンダー温度230℃)した。その後、これをペレット(難燃性樹脂組成物)とした。
<成形条件>
・成形装置 : JSW社製射出成形機「J−100E」(型式名)
・成形温度 : NH(200℃),H1(200℃),H2(200℃),H3(200℃)
・スクリュー回転数: 80rpm
・射出速度 : 50%
・射出圧力 : 30%
・保圧 : 15%
・冷却時間 : 25秒
・金型温度 : 50℃
UL94規格の燃焼試験に準じて、長さ5×幅1/2×厚さ1/16インチの試験片を用いて評価した。この試験において、V−2を達成できなかった場合は、表1及び表2において、「NG」と表記した。
(2)曇価
ASTM D1003に準じて、厚さ2.4mmの試験片を用いて測定した。
(3)全光線透過率
ASTM D1003に準じて、厚さ2.4mmの試験片を用いて測定した。
(4)シャルピー衝撃強さ
ISO 179に準じて測定した。
(5)メルトマスフローレート(MFR)
ISO 1133に準じて、温度220℃及び荷重97Nの条件で測定した。
比較例1は、成分〔B〕として、メタクリル酸メチル単位量が40%と少ない成分B−3を用いた例であり、曇価が高く且つ全光線透過率が低く、透明性が劣っていた。比較例2は、成分〔B〕として、メタクリル酸メチル単位量が98%と高いB−4を用いた例であり、難燃性及び耐衝撃性が劣っていた。比較例3は、成分〔A〕の形成に用いたビニル系単量体に含まれるメタクリル酸メチルの使用量が40%と、本発明の範囲外で少ない例であり、曇価が高く且つ全光線透過率が低く、透明性が劣っていた。比較例4は、組成物全体に対する、ジエン系ゴム質重合体の含有量が、本発明の範囲に入るものの、成分〔A〕であるA−4の形成に際して用いたポリブタジエンゴムの使用量が17部と少ない例(特開2000−256528の発明に相当)であり、組成物全体に対するポリブタジエンゴムの含有量が本発明の範囲内であっても、耐衝撃性に劣っていた。そして、難燃性、透明性及び耐衝撃性の物性バランスが劣る。比較例5は、成分〔C〕の使用量が、本発明の範囲外で少ない例であり、難燃性が劣っていた。比較例6は、成分〔C〕の使用量が、本発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性が劣っていた。比較例7は、ジエン系ゴム質重合体の含有量が、本発明の範囲外で少ない例であり、耐衝撃性に劣っていた。比較例8は、ジエン系ゴム質重合体の含有量が、本発明の範囲外で多い例であり、成形加工性及び難燃性が劣っていた。比較例9は、本発明の範囲外の難燃剤を用いた例であり、曇価が高く且つ全光線透過率が低く、透明性が劣っていた。比較例10は、成分〔B〕として、スチレン単位量が8%と低いB−5を用いた例であり、難燃性及び耐衝撃性が劣っていた。比較例11は、成分〔B〕として、スチレン単位量が35%と高いB−6を用いた例であり、曇価が高く且つ全光線透過率が低く、透明性が劣っていた。また、比較例12は、成分〔B〕の極限粘度が、成分〔A〕におけるアセトンに可溶な成分の極限粘度より低い、成分〔A〕及び〔B〕を組み合わせた例であり、耐衝撃性が劣り、透明性及び耐衝撃性の物性バランスが劣る。
一方、実施例1〜8は、いずれも、本発明の難燃性樹脂組成物の例であり、本発明の目的とする性能が得られた。
Claims (5)
- 〔A〕ジエン系ゴム質重合体(a1)28〜60質量部の存在下に、メタクリル酸メチル50〜95質量%を含むビニル系単量体(a2)72〜40質量部(但し、(a1)+(a2)=100質量部)を重合して得られたゴム強化アクリル系樹脂と、
〔B〕各単位の合計を100質量%とした場合に、メタクリル酸メチル単位(b1)50〜90質量%、芳香族ビニル化合物単位(b2)10〜30質量%及び他のビニル系単量体単位(b3)0〜20質量%からなり、且つ、極限粘度が、上記ゴム強化アクリル系樹脂〔A〕におけるアセトンに可溶な成分の極限粘度より高いアクリル系樹脂と、
〔C〕下記一般式(I)で表される臭素化トリアジン化合物と、
を、それぞれ、20〜52質量%、40〜70質量%及び8〜20質量%の割合(但し、〔A〕+〔B〕+〔C〕=100質量%)で用いて溶融混練して得られ、上記ジエン系ゴム質重合体(a1)の含有量が、組成物全体に対して10〜20質量%であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。 - 更に、エチレンオキサイド単位35〜65質量%を含むポリエーテルエステルアミド、エチレンオキサイド単位を35〜65質量%含むポリエーテルアミド、並びに、芳香族ビニル化合物単位及び共役ジエン化合物単位を含む共重合体の水素添加物の群から選ばれた少なくとも1種の耐衝撃性付与剤を含有し、該耐衝撃性付与剤の含有量が、上記ゴム強化アクリル系樹脂〔A〕、上記アクリル系樹脂〔B〕及び上記臭素化トリアジン化合物〔C〕の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部である請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
- 曇価が15%以下であり、且つ、全光線透過率が75%以上である請求項1又は2に記載の難燃性樹脂組成物。
- UL94規格に準ずる燃焼性がV−2である請求項1乃至3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形してなり、曇価が15%以下であり、且つ、全光線透過率が75%以上であることを特徴とする成形品。
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-
2008
- 2008-02-13 JP JP2008032326A patent/JP2009191139A/ja active Pending
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