JP2612396B2 - 樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂成形体の製造方法

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JP2612396B2
JP2612396B2 JP4099124A JP9912492A JP2612396B2 JP 2612396 B2 JP2612396 B2 JP 2612396B2 JP 4099124 A JP4099124 A JP 4099124A JP 9912492 A JP9912492 A JP 9912492A JP 2612396 B2 JP2612396 B2 JP 2612396B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂成形体の製造方法に
関する。更に詳しくは、溶融粘度の差が著しい樹脂及
び、添加剤を溶融混合することにより優れた成形体を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエ−テル系樹脂は、優れ
た耐熱性、耐衝撃性を有するために自動車部品、家電部
品、OA機器部品を始めとする多岐の分野で使用されて
いる。近年かかる分野でより高性能化のために各種ポリ
マー添加剤が用いられている。例えば、加工性を改良す
るために流動パラフィン(ミネラルオイル)を添加した
り、また難燃性を付与するために有機リン化合物を混合
することが通常行なわれている。
【0003】そこで、本発明者らは、ポリフェニレンエ
−テル系樹脂の高機能化の一環として難燃化検討を行な
った結果、(イ)ゴム変性スチレン系樹脂、(ロ)ポリ
フェニレンエ−テル、(ハ)赤リン、(ニ)有機リン化
合物、及び(ホ)トリアジン骨格含有化合物を組み合わ
すことにより耐衝撃性を保持しつつ、難燃性を向上させ
ることを見出し、特願平3−182328号を出願し
た。
【0004】ところが、特願平3−182328号公報
の樹脂組成物から得られる成形体は、耐衝撃性は優れて
いるものの、引張特性、曲げ特性は充分でなく、また難
燃性及び外観も必ずしも満足できるものではかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、鋭意研究を進
めた結果、引張特性、曲げ特性等が充分でないのは、ス
チレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂および特定
添加剤を溶融混合して成形体を製造する際に、それぞれ
の溶融粘度が著しく異なるため、従来の方法では、溶融
混合が不十分であることが原因であることをつきとめ
た。即ち、本発明は、樹脂成形体の製造方法において、
溶融状態で、著しく粘度が異なるスチレン系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂及び、特定添加剤を十分溶融
混合することにより優れた成形体を得る製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(A)ス
チレン系樹脂、(B)ポリフェニレンエーレル系樹脂及
び(C)100℃で液状であるポリマー添加剤の十分な
溶融混合は、(A)成分と(B)成分からなる樹脂成分
のみを比較的高温で溶融押出法で混合した後、(C)成
分を比較的低温で溶融押出法で混合することにより達成
されるを見出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は、(A)スチレン系樹脂と
(B)ポリフェニレンエーテルとを200〜350℃で
溶融混合して得られた樹脂成分に、(C)100℃で液
状であるポリマー添加剤150〜250℃で溶融混合す
ることを特徴とする成形体の製造方法を提供するもので
ある。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。
【0009】上記(A)成分は成形用樹脂組成物の主成
分をなし、成形品の強度保持の役割を担い、(B)成分
は耐熱性と耐衝撃性を付与するための成分であり、
(C)成分は、ポリフェニレンエーテル系樹脂に難燃性
や流動性等の機能性を付与するための成分である。
【0010】本発明の上記(A)成分のポリスチレン系
樹脂としては、例えば、一般汎用ポリスチレン樹脂、ゴ
ム変性スチレン系樹脂等が挙げられるが、特にゴム変性
スチレン系樹脂が、好適に用いられる。
【0011】ゴム変性スチレン系樹脂とは、ビニル芳香
族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状共重合体が
粒子状に分散してなるグラフト重合体をいい、ゴム状重
合体の存在下に芳香族ビニル単量体及び必要に応じ、こ
れと共重合可能なビニル単量体を加えて単量体混合物を
公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、または乳化
重合することにより得られる。
【0012】このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポ
リスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられる。ここで、前記ゴム状重合
体は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であるこ
とが必要であり、−30℃を越えると耐衝撃性が低下す
る。
【0013】このようなゴム状重合体の例としては、ポ
リブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及
び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特
にジエン系ゴムが好ましい。
【0014】上記のゴム状重合体の存在下に重合させる
グラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族
ビニル単量体とは、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−
ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等で
あり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上
記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0015】また、ゴム変性スチレン系樹脂の成分とし
て必要に応じ、芳香族ビニル単量体に共重合可能な単量
体成分を一種以上導入することができる。耐油性を高め
る必要のある場合は、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル単量体を用いることができ
る。そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させる必要の
ある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基からなるアク
リル酸エステルを用いることができる。また更に、重合
体組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合は、α−
メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレ
イン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重合しても
よい。単量体混合物中に占める上記ビニル芳香族単量体
と共重合可能なビニル単量体の含量は0〜40重量%で
ある。
【0016】本発明のゴム変性スチレン系樹脂における
ゴム状重合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好ま
しくは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混
合物は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは
90〜50重量%の範囲にある。この範囲外では、目的
とする重合体組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが取れ
なくなる。更には、スチレン系重合体のゴム粒子径は、
0.1〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μ
mが好適である。上記範囲外では、耐衝撃性が低下する
傾向を生ずる。
【0017】本発明の(B)成分のポリフェニレンエ−
テル(以下PPEと略称する。)とは、下記式で示され
る結合単位からなるホモ重合体及び/又は共重合体であ
る。
【0018】
【化1】
【0019】但し、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞ
れ水素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群か
ら選択されるものであり、互いに同一でも異なっていて
もよい。このPPEの具体的な例としては、ポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6
−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノ
ールとの共重合体等が好ましく、中でも、ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好まし
い。かかるPPEの製造方法は特に限定されるものでは
なく、例えば、米国特許第3,306,874号明細書
記載の方法による第一銅塩とアミンのコンプレックスを
触媒として用い、例えば、2,6キシレノールを酸化重
合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特
許第3,306,875号明細書、米国特許第3、25
7,357号明細書、米国特許第3,257,358号
明細書、及び特公昭52−17880号公報、特開昭5
0−51197号公報に記載された方法で容易に製造で
きる。本発明にて用いる上記PPEの還元粘度(0.5
g/dl、クロロフォルム溶液、30℃測定)は、0.
20〜0.70dl/gの範囲にあることが好ましく、
0.30〜0.60dl/gの範囲にあることがより好
ましい。PPEの還元粘度に関する上記要件を満たすた
めの手段としては、前記PPEの製造の際の触媒量の調
整などを挙げることができる。
【0020】本発明の(C)成分は、ポリフェニレンエ
−テル系樹脂に特殊機能を付与するための成分であり、
特に100℃で液状であるポリマー添加剤である。ここ
で、ポリマー添加剤とは、可塑剤、安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、発泡剤、滑剤、香
料、老化防止剤等である。上記可塑剤の例としては、フ
タル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブ
チル等のフタル酸エステルやフタル酸ブチルベンジルエ
ステル等のフタル酸混基エステルやコハク酸ジイソデシ
ル、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族2塩基酸エステル
やジエチレングリコールジベンゾエート等のグリコール
エステルやオレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メ
チル等の脂肪酸エステルやエポキシ化大豆油、エポキシ
化アマニ油等のエポキシ可塑剤や、その他、トリメリッ
ト酸トリオクチルやエチルフタリルエチルグリコレート
やブチルフタリルブチルグリコレートやアセチルクエン
酸トリブチルや塩素化パラフィンやポリプロピレンアジ
ペートやポリエチレンセバケートやトリアセチンやトリ
ブチリンやトルエンスルホンアミドやアルキルベンゼン
やビフェニルや部分水添ターフェニルやショウノウ等を
挙げることができる。
【0021】上記安定剤の例としては、金属石ケン、鉛
安定剤、有機すず安定剤、複合安定剤、エポキシ化合物
等が挙げられる。上記発泡剤の例としては、アゾビスフ
ォルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾア
ミノベンゼン等のアゾ系発泡剤や、N,N′ジメチル
N,N′ジニトロンテレフタルアミド、N,N′ジニト
ロソペンタメチレンテトラミン等のN−ニトロソ系発泡
剤やベンゾンスルフォニルヒドラジド、トルエン4スル
フォニルヒドラジド、ベンゼン1,3ジスルフォニルヒ
ドラジド等のスルフォニルヒドラジッド等を挙げること
ができる。
【0022】上記滑剤の例としては、流動パラフィン等
の炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑
剤、アルコール系可塑剤、金属石ケン類等を挙げること
ができる。そして、上記難燃剤の例としては、有機リン
化合物を挙げることができ、例えば、ホスフィン、ホス
フィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホス
フィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル等を挙
げることができる。より具体的には、トリフェニルフォ
スフェート、メチルネオペンチルフォスファイト、ペン
タエリスリトールジェチルジフォスファイト、メチルネ
オペンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフ
ォスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォ
スフェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェー
ト、ジネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピ
ロカテコールフォスファイト、エチルピロカテコールフ
ォスフェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェー
トなどを挙げることができる。
【0023】ここで特にヒドロキシル基含有芳香族リン
酸エステルが好ましく、上記ヒドロキシル基を含有して
いない有機リン化合物と併用してもよい。上記、ヒドロ
キシル基含有芳香族系リン酸エステルとは、トリクレジ
ルホスフェートやトリフェニルホスフェートやそれらの
縮合リン酸エステル等に1個または2個以上のフェノー
ル性水酸基を含有したリン酸エステルであり、例えば下
記の化合物である。
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】(但し、Ar1 、Ar2 、Ar3 、A
4 、Ar5 、Ar6 はフェニル基、キシレニル基、エ
チルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェ
ニル基から選ばれる芳香族基であり、(B)リン酸エス
テル中に少なくとも1個のヒドロキシル基が上記芳香族
基に置換されている。また、nは0〜3の整数を表わ
し、mは1、2、3、4、又は、それ以上の整数を表わ
す。)本発明の(C)ヒドロキシル基含有芳香族系リン
酸エステルの中でも特に、下記式のジフェニルレゾルシ
ニルフォスフェートが好ましく、その製造方法は、例え
ば特開平1−223158号公報に開示されており、フ
ェノール、ヒドロキシフェノール、塩化アルミニウム及
びオキシ塩化リンの反応により得られる。
【0027】
【化4】
【0028】また、本発明の成形体の難燃性を更に向上
させるために必要に応じて、(D)赤リン、(E)トリ
アジン骨格含有化合物を配合することができる。上記
(D)成分の赤リンとは、一般の赤リンの他に、その表
面をあらかじめ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸
化物の皮膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンよ
り選ばれる金属水酸化物及び熱硬化性樹脂よりなる皮膜
で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金
属水酸化物の皮膜の上に熱硬化性樹脂の皮膜で二重に被
覆処理されたものなども好適に用いることができる。
【0029】上記(E)成分のトリアジン骨格含有化合
物は、含リン化合物の難燃助剤として作用し、その具体
例としては、メラミン、サクシノグアナミン、アジポグ
アナミン、メチルグルタログアナミン等を挙げることが
できるが、メラミンが最も好ましい。そして、流動性を
更に向上させるために必要に応じて、(F)高級脂肪酸
アミド化合物を配合することができる。
【0030】上記(F)成分の高級脂肪酸アミド化合物
は、高級脂肪酸と、(イ)ジアミン類または(ロ)アミ
ノアルコール類との反応物である。ここで、高級脂肪酸
とは炭素数11〜21のアルキル基またはアルケニル基
を有する脂肪酸であり、特にステアリン酸が好ましい。
また、上記ジアミン類とは炭素数2〜10の炭化水素の
ジアミン類であり、特にエチレンジアミンが好ましい。
【0031】更には、上記アミノアルコール類とは炭素
数2〜10の炭化水素のアミノアルコール類であり、例
えばモノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノ
ール、4−アミノ−1−ブタノール等が挙げられる。本
発明の(F)成分の高級脂肪酸アミド化合物としては特
に、エチレン・ビス・ステアリルアミド(Ethyle
nebisstearamide)が好ましく、難燃性
と耐熱性と耐衝撃性を保持しつつ、流動性を向上させ
る。
【0032】本発明の製造方法によって得られる成形体
において、(A)ポリスチレン系樹脂及び(B)ポリフ
ェニレンエーテルが樹脂成分を形成するが、上記樹脂成
分の100重量部中に占める(B)成分の割合は、10
〜70重量部の範囲が好ましい。(B)成分が10重量
部未満では、耐熱性、耐衝撃性が充分でなく、70重量
部を越えると流動性が低下し、好ましくない。(B)成
分のより好ましい範囲は10〜50重量部である。
【0033】(A)と(B)の成分の合計100重量部
に対して、(C)ポリマー添加剤が5〜40重量部、
(D)赤リンが0〜20重量部、(E)トリアジン骨格
含有化合物が0〜30重量部、(F)高級脂肪酸アミド
化合物が0〜20重量部の範囲にあることが好ましい。
上記範囲で、本願製造方法によって得られた成形体は、
流動性、難燃性等の機能性と耐熱性と機械的特性のバラ
ンスが優れる。
【0034】
【0035】本発明の目的である十分な溶融混合は、
(A)成分と(B)成分からなる樹脂成分のみを200
〜350℃(好ましくは250〜300℃)で溶融押出
法で混合した後、上記樹脂成分と添加剤成分(C)(必
要に応じて(D)、(E)、(F)成分)を150〜2
50℃(好ましくは、200〜250℃)で溶融押出法
で混合することにより達成される。ここで、樹脂成分と
上記添加剤成分を同時に溶融押出法で混合すると、ガラ
ス転移温度の高い樹脂と融点の低い有機化合物が同時に
存在するために混練状態が著しく低下し、本発明の分散
状態が得られない。
【0036】本発明の分散状態を達成する方法として、
まず樹脂成分を溶融押出しした後に、上記添加剤成分を
溶融押出しする逐次的押出法や、3ゾーンからなる押出
機で第1ゾーンで樹脂成分を比較的高温で溶融し、第2
ゾーンで樹脂温度を低下させ、第3ゾーンで上記添加剤
成分を比較的低温で溶融押出しする一段押出法を採用す
ることができる。
【0037】本発明は、上記各重合体を市販の単軸押出
機あるいは、二軸押出機などで溶融混練することなどに
より行うことができ、その際にBHT等の酸化防止剤、
紫外線吸収剤、錫系熱安定剤、ステアリン酸、ステアリ
ン酸亜鉛等の滑剤、充填剤、補強剤、染料、顔料等を必
要に応じて添加することができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもので
はない。なお、実施例、比較例における測定は、以下の
方法もしくは測定機器を用いて行った。 (1)ゴム重量平均粒子径:ゴム変性スチレン系樹脂の
重量平均粒子径は、樹脂組成物の超薄切片法により撮影
した透過型電子顕微鏡写真中のブタジエン系重合体粒子
径を求め、次式により算出する。
【0039】 重量平均粒子径=ΣNi・Di4 /ΣNi・Di3 (ここにNiは、粒子径がDiであるブタジエン系重合
体粒子の個数である。 (2)還元粘度ηsp/c ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18
mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2
時間振盪し、5℃、18000rpmで30分間遠心分
離する。上澄み液を取り出しメタノールで樹脂分を析出
させた後、乾燥した。
【0040】このようにして得られた樹脂0.1gをト
ルエンに溶解し、濃度0.5g/dlの溶液とし、この
溶液10mlをキャノン−フェンスケ型粘度計に入れ、
30℃でこの溶液流下秒数t1 を測定した。一方、別に
同じ粘度計で純トルエンの流下秒数t0 を測定し、以下
の数式により算出した。 (3)引張強さ、引張伸度:ASTM−D638に準拠
した方法で測定した。 (4)曲げ強さ、曲げ弾性率:ASTM−D790に準
拠した方法で測定した。 (5)アイゾット衝撃強度:ASTM−D256に準拠
した方法で測定した(Vノッチ、1/4”試験片) (6)ビカット軟化温度:ASTM−D1525に準拠
した方法で測定し、耐熱性の尺度とした。 (7)メルトフローレイト(MFR):流動性の指標で
ASTM−D−1238に準拠した方法で測定した。荷
重5kg、溶融温度200℃の条件で10分間あたりの
押出量(g/10min)から求めた。 (8)難燃性及びドリップ性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した(1/8インチ試験片での
評価)。 (9)成形品外観 目視による判定を行なった。 (10)成形品中の分散状態 倒立型金属顕微鏡(OLYMPUS(株)製 PEN
3)で分散状態を観察した。
【0041】具体的には、成形品表面の4mm2 の視野
100枚の顕微鏡撮影を行ない、50μm以上の平均粒
子直径の分散粒子数をカウントしここで平均粒子直径と
は、真球状のものはその直径を言い、歪んだ球状のもの
は最大長と最短長の算術平均を言う。
【0042】
【実施例1】 (イ)熱可塑性樹脂 ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS):ゴム変性スチレ
ン系樹脂として市販のHIPSを用いた。 a)HIPS−1(旭化成工業(株)製 スタイロンH
8117) 組成: ポリブタジエン[(シス1,4結合/トランス1,4結合/ビニル1,2結 合=95/2/3(重量比)] 12.3 重量% ポリスチレン 87.53重量% ミネラルオイル 0.17重量% 還元粘度 ηsp/c=0.79 ゴムの重量平均粒子径 1.25μm b)HIPS−2(旭化成工業(株)製 スタイロンH
9010) 組成: ポリブタジエン[HIPS−1と同一] 9.5 重量% ポリスチレン 88.5 重量% ミネラルオイル 2.0 重量% 還元粘度 ηsp/c=0.61 ゴムの重量平均粒子径 1.85μm (ロ)ポリフェニレンエ−テル(PPE)の製造 酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイ
ル、攪拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジーn−
ブチルアミン1110g、及びトルエン20リットル、
n−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの
混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解し
て反応機に仕込んだ。攪拌しながら反応機内部に酸素を
吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら180分間
重合を行った。重合終了後、析出したポリマーをろ別し
た。これにメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー
中の残存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分
洗浄した後乾燥し、粉末状のポリフェニレンエ−テルを
得た(PPEと称する。)。還元粘度は0.55dl/
gであった。
【0043】また、このPPEとポリスチレン(旭化成
工業(株)製 商品名スタイロン685)を重量比で7
0/30で混合し、2軸押出機で350℃で溶融押出を
行なった。得られたペレットをPPE−MBと称す。 (ハ)ポリマー添加剤(有機リン化合物) a)ヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エステルを含有
した有機リン化合物の製造 フェノール122.7重量部(モル比2.0)、塩化ア
ルミニウム0.87重量部(モル比0.01)をフラス
コに取り90℃でオキシ塩化リン100重量部(モル比
1.0)を1時間かけて滴下した。生成した中間体にレ
ゾルシン71.7重量部(モル比1.0)を加え更に反
応させた。反応を完結させるために、徐々に昇温し最終
的には180℃まで温度を上げてエステル化を完了させ
た。次いで反応生成物を冷却し、水洗して触媒及び塩素
分を除去してリン酸エステル混合物(以下FRと称す
る)を得た。この混合物をGPC(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー)により分析したところ、ジフェ
ニルレゾルシニルホスフェート(以下TPP−OHと称
する)とトリフェニルホスフェート(以下TPPと称す
る)と、芳香族縮合リン酸エステル(以下TPPダイマ
ーと称する)からなり、重量比がそれぞれ54.2/1
8.3/27.5であた。
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】(ニ)トリアジン骨格含有化合物 トリアジン骨格含有化合物として、市販のメラミン(平
均粒子径1.6μm三井東圧化学(株)製、商品名微粉
メラミン)を用いた。(MLと称する。) (ホ)高級脂肪酸アミド 高級脂肪酸アミドとして、市販のエチレンビスステアリ
ルアミド(花王(株)製 商品名花王ワックスEB F
F)を用いた(EBSと称する)。 (ヘ)組成物の調整及び評価 上記HIPS−1/HIPS−2/PPE−MBを重量
比で36/36/28(合計100)の比率で混合し、
30mmφ2軸押出機(ナカタニ機械(株)製型式AS
30)で260℃で溶融押出しし、ペレットを作製し
た。
【0047】そして、得られたペレット100重量部に
対して、上記FR/ML/EBSを重量比で20/16
/2の比率で混合し、上記2軸押出機で220℃で溶融
押出しし、ペレットを作製した。このようにして得られ
たペレットを射出成形機(東芝機械(株)製 型式IS
80A)でシリンダー温度200℃、金型温度60℃の
条件で試験片を作製し、各種物性評価を行なった。表1
にその結果を示す。
【0048】また、試験片の分散状態の代表的な顕微鏡
写真の模式図を図1に示す。
【0049】
【比較例1】実施例1と同一組成物(HIPS−1/H
IPS−2/PPE−MB/FR/ML/EBS=36
/36/28/20/16/2(重量比))を2軸押出
機で同時に260℃で溶融押出しし、実施例1と同一の
実験を繰り返した。表1にその結果を示す。
【0050】また、試験片の分散状態の代表的な顕微鏡
写真の模式図を図2に示す。
【0051】
【比較例2】比較例1で溶融押出ししたペレットを再
度、260℃で同様に2軸押出機で溶融押出しし、以
下、比較例1と同一の実験を繰り返した。表1にその結
果を示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】上記実施例及び、比較例に示すように5
0μm以上の分散粒子数が1個を越えると、引張特性、
曲げ特性等の機械的特性と上記機能性が低下する。とり
わけ、大粒子の存在によるノッチ効果により引張伸度が
大幅に低下することがわかる。本発明によって、スチレ
ン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂及び100℃で
液状であるポリマー添加剤は十分溶融混合され50μm
以上の分散粒子数が1個以下となり、耐衝撃性、引張特
性、曲げ特性等の機械的特性及び外観の優れた成形体を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の成形体の表面の代表的な倒立型金属
顕微鏡写真の模式図である。
【図2】比較例1の成形体の表面の代表的な倒立型金属
顕微鏡写真の模式図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系樹脂と(B)ポリフ
    ェニレンエーテルとを200〜350℃で溶融混合して
    得られた樹脂成分に、(C)100℃で液状であるポリ
    マー添加剤150〜250℃で溶融混合することを特徴
    とする成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 (C)成分が100℃で液状である有機
    リン化合物であることを特徴とする請求項1の成形体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 (C)成分がヒドロキシル基含有芳香族
    リン酸エステルを有する有機リン化合物であることを特
    徴とする請求項1の成形体の製造方法。
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