JP2855272B2 - 難燃性ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリアミド樹脂組成物

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JP2855272B2 JP63221289A JP22128988A JP2855272B2 JP 2855272 B2 JP2855272 B2 JP 2855272B2 JP 63221289 A JP63221289 A JP 63221289A JP 22128988 A JP22128988 A JP 22128988A JP 2855272 B2 JP2855272 B2 JP 2855272B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐熱性、剛性および耐衝撃性に優れ、自己
消火性の難燃性ポリアミド樹脂組成物に関する。更に詳
しくは、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂
および難燃剤から成る難燃性ポリアミド樹脂組成物およ
びそれらにエラストマーを加えて成る難燃性ポリアミド
樹脂組成物に関する。
[従来の技術] ポリアミド樹脂は、機械的強度、耐油性、耐摩耗性、
耐熱性などに優れ、代表的なエンジニアプラスチックの
一つとして用いられているが、寸法安定性、吸湿性など
に問題がある。
一方、ポリフェニレンエーテル樹脂は、機械的性質、
電気的性質、耐熱性などが優れており、しかも寸法安定
性がよい等の性質を備えているために広範囲の用途に用
いられているが、成形加工性、耐衝撃性、耐油性が劣る
ことが大きな欠点である。
近年、上記の両者の特徴を生かし、両者の欠点を相補
うことを目的として、両樹脂をブレンドすることが試み
られ、これまでにも多くの技術が開示されている。
例えば、特公昭45−997号公報、特公昭59−41663号公
報などには、ポリフェニレンエーテル樹脂にポリアミド
樹脂を単純に溶融混合した技術が開示されているが、ポ
リフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂は、本来相
溶しにくく、このような単純なブレンドでは機械的強度
に優れた成形品を得ることはできない。
ポリアミド樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂の相溶
性を改良する技術としては、例えば特公昭59−41663号
公報、特公昭59−33614号公報、特開昭59−66452号公
報、特開昭60−58463号公報、特開昭62−138553号公
報、特開昭62−270654号公報、特開昭62−500456号公
報、特開昭63−22855号公報などの技術が開示されてい
る。さらにこれらの耐衝撃性を改良するために、エラス
トマーを配合する技術も多数開示されている。例えば、
特開昭61−204261号公報、特開昭61−204262号公報、特
開昭62−68850号公報、特開昭63−10656号公報などが挙
げられる。
さらに、これらに難燃性を付与する技術も開示されて
いる。特開昭60−58463号公報には、有機リン酸エステ
ルを配合する技術が、また特開昭61−130368号公報に
は、特定のリン系化合物を配合する技術が開示されてい
る。また、特開昭60−155259号公報には、ハロゲン化ポ
リスチレンを配合する技術、特開昭62−236853号公報で
は、イソシアヌル酸などの窒素原子を含む複素環式化合
物を配合する技術が開示されている。しかしながら、こ
れらの技術では樹脂の耐熱性あるいは耐衝撃性などの物
性が低下するという問題があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者は、上記問題点に鑑み、難燃性を付与しつ
つ、耐熱性および耐衝撃性などの物性低下のない樹脂組
成物を見い出し、本発明を完成した。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は、(a)ポリアミド樹脂40〜90重量
%、(b)変性ポリフェニレンエーテル樹脂10〜50重量
%及び(c)エラストマー0〜30重量%からなる樹脂組
成物100重量部に対し、メラミンシアヌレート難燃剤又
は臭素化ポリスチレンと三酸化アンチモンを組み合わせ
た難燃剤から選ばれた少なくとも一種の難燃剤5〜50重
量部を含有し、ポリアミド樹脂が連続相をなし、該ポリ
アミド樹脂中に分散した変性ポリフェニレンエーテル樹
脂の分散相の直径が0.6μ以下であることを特徴とする
難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供するものである。
本発明において(a)成分として用いられるポリアミ
ド樹脂とは、通常射出成形に用いられる公知のポリアミ
ドでよく、主鎖中に−CONH−結合を有する重合体であ
り、加熱溶融できるものである。その代表的なものとし
ては、4−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、
4,6−ナイロン、12−ナイロン、6,10−ナイロン、テレ
フタル酸および/またはイソフタル酸とヘキサメチレン
ジアミンからのポリアミド、テレフタル酸とトリメチル
ヘキサメチレンジアミンからのポリアミド、アジピン酸
とメタキシリレンジアミンからのポリアミド、テレフタ
ル酸と4,4′−ジアミノジクロヘキシルメタンからのポ
リアミドなどが挙げられる。これらの中で、特に6−ナ
イロン、6,6−ナイロンが好適である。
本発明に於いて、(b)成分として用いられる変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂とは、例えばポリフェニレン
樹脂にラジカル発生剤の存在下、カルボン酸及びその誘
導体基またはエポキシ基を有する1,2−置換オレフィン
化合物を反応させることにより得られる。ここで用いる
ポリフェニルエーテル樹脂とは、 次の一般式 (式中R1、R2、R3、R4、R5、R6は、同一のまたは異なる
tert−ブチル基を除く炭素数1〜4のアルキル基、アリ
ール基、水素、ハロゲンなどの一価の残基であり、R5
R6は同時に水素ではない。) を繰り返し単位とし、構成単位が(I)または(I)お
よび(II)からなる単独重合体あるいは共重合体、およ
び該重合体にスチレンなどをグラフト重合させたグラフ
ト共重合体などである。その還元粘度(0.5g/dl、クロ
ロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70の範囲、より
好ましくは、0.20〜0.60の範囲である。
その具体例としては、ポリ(2,6−ジメチルフェニレ
ン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン
−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジブロムフェニレン−1,
4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニ
レン1,4−エーテル)、ポリ(2−クロル−6−メチル
フェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6
−イソプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ
(2,6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテ
ル)、ポリ(2−クロル−6−ブロムフェニレン−1,4
−エーテル)、ポリ(2−クロル−6−エチルフェニレ
ン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチルフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2−クロルフェニレン−1,4−
エーテル)、ポリ(2−フェニルフェニレン−1,4−エ
ーテル)、ポリ(2−ブロム−6−フェニルフェニレン
1,4−エーテル)など、それらの共重合体及びそれらの
スチレン系化合物グラフト共重合体である。ポリフェニ
レンエーテル樹脂と反応させるカルボン酸基、酸無水物
基またはエポキシ基を有する1,2−置換オレフィン化合
物の具体例としては、無水マレイン酸、マレイン酸、無
水イタコン酸、フマル酸、無水メチルナジック酸、無水
ジクロロマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリ
シジルメタクリレート等が挙げられる。
ラジカル発生剤は、公知の有機過酸化物、ジアゾ化合
物類を表し、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどが挙げられる。これらのラジカル発生剤
は二種以上組み合わせて使用することもできる。
本発明に用いられる変性ポリフェニレンエーテル樹脂
の製造法は、本発明を実施する上で制限されるものでは
なく、例えば次の方法を用いることができる。
1)特公昭52−30991号公報、特公昭52−19864号公報に
開示されるように、ポリフェニレンエーテル樹脂を含む
溶液にラジカル発生剤の存在下でカルボン酸基、酸無水
物基またはエポキシ基を有する1,2−置換オレフィン化
合物を加え、50〜200℃の温度で数十分〜数時間撹拌す
る方法。
2)特公昭59−11605号公報に開示されるように、実質
的に溶媒を含まない系または少量の溶媒を含む系で、溶
融混練下に各成分を接触させる方法。
本発明においては、樹脂成分の(c)成分としてエラ
ストマーを用いてもよい。
本発明で用いることができるエラストマーは、耐衝撃
性等を向上させるために用いるものであり、0℃以下の
ガラス転移点を有する、室温でエラストマー状の物質で
ある。
例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリ
ル−スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−α−オ
レフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ポリエ
ン共重合体、アクリルゴム、ポリイソプレンなどのゴム
質重合体、さらにスチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレングラフ
トエチレン−プロピレンエラストマー、エチレン系アイ
オノマー樹脂などの熱可塑性エラストマーがあり、また
これらの重合体を、カルボキシル基、酸無水物基、エポ
キシ基、ヒドロキシル基、アミノ基などで変性したもの
でもよい。
好ましいエラストマーとしては、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−
ブタジエン共重合体などが挙げられ、これらをカルボキ
シル基、酸無水物基、エポキシ基などで変性したもの
が、より好ましい。
スチレン−ブタジエンブロック共重合体およびスチレ
ン−イソプレンブロック共重合体には、AB型、ABA型、A
BAテーパー型、ラジアルテレブロック型の構造を有する
ものなどが含まれる。
本発明で用いられる難燃剤は、ハロゲン化炭化水素、
ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化ビスフェノール系
化合物、ハロゲン化リン系化合物などのハロゲン含有難
燃剤、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォ
スフェート、クレジルジフェニルフォスフェートなどの
ハロゲン非含有リン系難燃剤、メラミン、シアヌル酸、
ジグアナミンなどの窒素含有難燃剤、三酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム、赤リンなどの無機系難燃剤な
ど、通常用いられる難燃剤の1種または2種以上を用い
ることができる。
本発明の樹脂組成物においては、ポリアミド樹脂、変
性ポリフェニレンエーテル樹脂および好ましくはエラス
トマーからなる樹脂組成物に対し、該樹脂組成物を自己
消火性とするに十分な量の難燃剤を含有する組成物であ
って、ポリアミド樹脂が連続相をなし、該ポリアミド樹
脂中に分散したポリフェニレンエーテル樹脂の分散相の
直径が0.6μ以下である。
好ましい樹脂成分の組成比は、ポリアミド樹脂の配合
量が、40〜90wt%、より好ましくは50〜85wt%の範囲で
ある。40wt%未満では、ポリアミド樹脂が連続相を形成
しにくくなり、耐油性の低下をもたらすことがあるので
好ましくない。90wt%をこえると、吸湿性が増加するの
で好ましくない。
変性ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量は、好まし
くは10〜50wt%、より好ましくは15〜45wt%の範囲であ
る。
10wt%未満では、低温耐衝撃性が不十分であり、50wt
%をこえると、成形加工性が低下するので好ましくな
い。
エラストマーの配合量は、好ましくは0〜30wt%、よ
り好ましくは5〜25wt%の範囲である。30wt%をこえる
と、剛性が低下するので好ましくない。
本発明において、難燃剤の配合量は、ポリアミド樹
脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂および好ましくは
エラストマーからなる樹脂組成物100重量部に対し、該
樹脂組成物を自己消火性とするに十分な量で、通常は5
〜50重量部、好ましくは8〜40重量部である。
本発明に樹脂組成物の分散構造は、四酸化オスミウム
および/または四酸化ルテニウムによる染色固定法で調
製された超薄切片を透過型電子顕微鏡で観察できる。本
発明の分散構造はポリアミド樹脂が連続相であり、ポリ
フェニレンエーテル樹脂が分散相を形成するものであ
る。
本発明の樹脂組成物におけるポリフェニレンエーテル
樹脂分散相の直径は、ポリフェニレンエーテル樹脂分散
相の大部分が0.6μ以下である。0.6μを越える粒子が数
多くなると、耐衝撃性が低下する。
ポリフェニレンエーテル樹脂分散相の測定は、写真倍
率10000倍で実施し、楕円形のときはその長径および長
径の中央に垂線をたて、楕円体との交点間の距離を短径
として測定し、 式 D=(長径+短径)/2 から求めたDを分散相の直径とする。
本発明の樹脂組成物の製造法としては、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂にカルボン酸およびその誘導体基または
エポキシ基を結合させた変性ポリフェニレンエーテル樹
脂と、ポリアミド樹脂および難燃剤を溶融混練する方法
が好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造においては、必要に応じ
て、上記の成分の他にエラストマーを用いることが好ま
しい。好ましいエラストマーは、カルボキシル基、酸無
水物基、エポキシ基などで変性されたエラストマーであ
り、例えば特開昭58−7443号公報に記載の方法など公知
の方法により製造できるものである。
本発明の樹脂組成物には、その成形性、物性を損なわ
ない範囲に於て、他の成分、例えば顔料、染料、熱安定
剤、酸化防止剤、耐候剤、核剤、滑剤、可塑剤、帯電防
止剤、強化充填剤、他の重合体等を任意の製造・成形過
程において添加することができる。
本発明の樹脂組成物は、一般の高分子物質の混合にも
ちいられる各種混合装置により、溶融状態で混合するこ
とにより調整できる。それらの混合装置として好適なも
のは、例えば一軸または他軸のスクリュー型押出機、ミ
キシングロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラ
ベンダー等の混合装置が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、従来公知の任意の成形加工方
法、例えば射出成形法、押出成形法などによって各種形
状の成形物に容易に加工できる。
以上の構成からなる本発明の樹脂組成物は、難燃性、
耐衝撃性に優れており、他の機械的特性の低下のないも
のである。
本発明の樹脂組成物は、フィルム、シート、射出成形
物、圧縮成形物など、極めて多種多様にわたる実用上有
用な製品にすることができる。
[実施例] 以下に、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。例中「部」は「重
量部」を示す。
尚、実施例中の樹脂組成物の物性測定はつぎの方法で
行った。
1)耐衝撃性 1/8″厚みのノッチ付き試験片を用い、23℃、絶乾状
態にて,ASTM D−256により、アイゾット衝撃強度を測
定した。
2)耐熱性 1/8″厚みの射出成形片を用い、ASTM D−648により、
絶乾状態にて、18.6Kg/cm2における熱変形温度を測定し
た。
3)剛性 1/8″厚みの射出成形片を用い、ASTM D−790−80に
より、絶乾状態、23℃にて、曲げ弾性率を測定した。
4)難燃性 厚さ1/16″の射出成形片を用い、Underwriters Labo
ratory(UL)Bulletin No.94規格に従って、難燃性を
評価した。
参考例1 変性ポリフェニレンエーテル樹脂Aの製造 数平均重合度140のポリ(2,6−ジメチルフェニレン−
1,4−エーテル)(以下PPEと称する)100部に対し、ジ
−t−ブチルパーオキサイド1部および無水マレイン酸
3部を、室温下でドライブレンドした後、口径30mmφ、
L/D=30の異方向回転式のベント付き二軸押出機を用
い、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数75rpmで溶
融し、滞留時間1分で押し出し、水冷した後、ペレット
化し、無水マレイン酸変性ポリ(2,6−ジメチルフェニ
レン−1,4−エーテル)(以下、変性ポリフェニレンエ
ーテル樹脂Aと称する。)を得た。得られた変性ポリフ
ェニレンエーテル樹脂Aのペレットをクロロホルムに溶
解した後、約10倍量のアセトン中に再沈して精製した。
この精製した変性ポリフェニレンエーテル樹脂Aを乾燥
した後、50mgを採取し、クロロホルムに溶解して厚さ約
50μのキャストフィルムを作成した。次いで、このフィ
ルムを乾燥し、赤外分光測定用試料とした。この試料中
の無水マレイン酸との反応に由来する−(CD)2O−構造
の存在を赤外吸収スペクトルの1780cm-1付近の吸収ピー
クにより確認した。
1780cm-1と960cm-1(PPEの吸収)の吸光度比は、0.14
であった。
参考例2 変性ポリフェニレンエーテル樹脂Bの製造 数平均重合度140のPPE 100部に対し、ジ−t−ブチル
パーオキサイド0.1部および無水マレイン酸1部を、室
温下でドライブレンドした後、参考例1と同様にして、
無水マレイン酸変性ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−
1,4−エーテル)(以下、変性ポリフェニレンエーテル
樹脂Rと称する。)を得た。得られた変性ポリフェニレ
ンエーテル樹脂Bのペレットを参考例1と同様にして、
赤外吸収スペクトルを測定した。
1780cm-1と960cm-1(PPEの吸収)の吸光度比は、0.05
であった。
参考例3 エラストマーAの製造 水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体(シェル
・ケミカル・カンパニー製,Kraton G1652,スチレン含
量29%,SEBS型,ここでSは、スチレン、EBは、エチレ
ンブチレンを表す。)100重量部に対して1.2重量部の無
水マレイン酸、0.3重量部のパーヘキサ25B(日本油脂
製)を均一に混合した後、二軸押出機(スクリュー径45
mm;L/D=33、ベント付き)に供給し、ベント口から吸引
して未反応の無水マレイン酸を除去しながら、シリンダ
ー温度260℃でマレイン酸付加反応を行った。この変性
エラストマーを加熱減圧乾燥後、分析したところ無水マ
レイン酸の付加量は、0.6重量%であった。尚、無水マ
レイン酸の付加量は、ナトリウムメチラートによる滴定
により求めた。
参考例4 エラストマーBの製造 エチレン−プロピレン共重合体(三井石油化学(株)
製、タフマーP0180、MI 4.5g/10分))100重量部に対し
て2.0重量部の無水マレイン酸、0.5重量部のパーヘキサ
25B(日本油脂製)を均一に混合した後、二軸押出機
(スクリュー径45mm:L/D=33、ベント付き)に供給し、
ベント口から吸引して未反応の無水マレイン酸を除去し
ながら、シリンダー温度260℃でマレイン酸付加反応を
行った。この変性エラストマーを加熱減圧乾燥後、分析
したところ無水マレイン酸の付加量は、0.8重量%であ
った。尚、無水マレイン酸の付加量は、ナトリウムメチ
ラートによる滴定により求めた。
実施例1 ナイロン6、6(旭化成工業(株)製、レオナ1300
S)70部、参考例1で得た変性ポリフェニレンエーテル
樹脂A30部をドライブレンドした後、シリンダー温度280
℃に設定した同方向回転二軸押出機(池貝鉄工(株)
製、口径45mmφ、L/D=33)を用いて溶融混練し、冷却
した後ペレット化して、ペレット状の樹脂組成物を得
た。
この樹脂組成物を、80℃で8時間乾燥した後、樹脂組
成物100部に対し、難燃剤として、メラミンシアヌレー
ト(日産化学社(株)製)6部をドライブレンドした
後、シリンダー温度280℃に設定した同方向回転二軸押
出機(池貝鉄工(株)製、口径45mmφ、L/D=33)を用
いて溶融混練し、冷却した後ペレット化して、ペレット
状の樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、80℃で8時間乾燥した後、シリン
ダー温度290℃で射出成形して物性測定用試験片を作成
し、評価を行った。
アイゾット衝撃強度は、5.5Kg・cm/cm、曲げ弾性率は
27000Kg/cm2、熱変形温度は120℃、難燃性はV−0であ
り、耐熱性、剛性、耐衝撃性に優れ、難燃性も良好であ
った。
この組成物の分散相の芳香族ポリエーテル樹脂の粒径
は、大部分0.6μ以下であり、0.6μを越える粒子は3個
であった。
比較例1 実施例1で用いたポリアミド樹脂70部、数平均重合度
140のポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテ
ル)30部および難燃剤6部を用い、実施例1と同様にし
て、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を実施例1と同
様にして、評価した。耐熱性、剛性、難燃性は同等であ
ったが、耐衝撃性が1.5Kg・cm/cmと劣っていた。この組
成物の分散相の芳香族ポリエーテル樹脂の粒径は、大部
分5〜15μであった。
比較例2 実施例1で用いたポリアミド樹脂70部、参考例2で得
た変性ポリフェニレンエーテル樹脂B30部、および難燃
剤6部を用い、実施例1と同様にして、樹脂組成物を得
た。この樹脂組成物を実施例1と同様にして、評価し
た。耐熱性、剛性、難燃性は同等であったが、耐衝撃性
が3.1Kg・cm/cmと劣っていた。この組成物の分散相のポ
リフェニレンエーテル樹脂の粒径は、大部分1〜3μで
あった。
実施例2 ナイロン6,6(旭化成工業(株)製、レオナ1300S)60
部、参考例1で得た変性ポリフェニレンエーテル樹脂A4
0部、および難燃剤として、臭素化ポリスチレン(フェ
ロコーポレーション製、パイロチェック68PB)25部およ
び三酸化アンチモン5部を用い、実施例1と同様にし
て、樹脂組成物を得、評価した。
アイゾット衝撃強度は4.5Kg・cm/cm、曲げ弾性率は26
500Kg/cm2、熱変形温度は155℃、難燃性V−0と、耐熱
性、剛性、耐物の分散相のポリフェニレンエーテル樹脂
の粒径は、大部分0.6μ以下であり、0.6μを越える粒子
は3個であった。
比較例3 ナイロン6,6(旭化成工業(株)性、レオナ1300S)60
部、参考例2で得た変性ポリフェニレンエーテル樹脂B4
0部、および難燃剤として、臭素化ポリスチレン(フェ
ロコーポレーション製、パイロチェック68PB)25部およ
び三酸化アンチモン5部を用い、実施例1と同様にし
て、樹脂組成物を得、評価した。
曲げ弾性率と難燃製は、実施例2と同等であったが、
アイゾット衝撃強度は2.2Kg・cm/cm、熱変形温度は145
℃と劣っていた。この組成物の分散相のポリフェニレン
エーテル樹脂の粒径は、1.5〜5μであった。
実施例3 ナイロン6,6(旭化成工業(株)製、レオナ1300S)45
部、参考例1で得た変性ポリフェニレンエーテル樹脂A3
0部、参考例4で得たエラストマーA20部、ガラス繊維
(旭ファイバーグラス製、MA−416)25部、難燃剤とし
て、メラミンシアヌレート6部を用い、実施例1と同様
にして評価した。
アイゾット衝撃強度は14.1Kg・cm/cm、曲げ弾性率は5
7000Kg/cm2、熱変形温度230℃、難燃性V−1と、耐熱
性、剛性、耐衝撃性に優れ、かつ難燃性も良好であっ
た。この組成物の分散相のポリフェニレンエーテル樹脂
の粒径は、大部分0.6μ以下であり、0.6μを越える粒子
は4個であった。
比較例4 ナイロン6,6(旭化成工業(株)製、レオナ1300S)45
部、数平均重合度140のポリ(2,6−ジメチルフェニレン
−1,4−エーテル)30部、参考例4で得たエラストマーA
20部、ガラス繊維(旭ファイバーグラス製、MA−416)2
5部、難燃剤として、メラミンシアヌレート6部を用
い、実施例1と同様にして評価した。
曲げ弾性率と難燃性は実施例3と同等であったが、ア
イゾット衝撃強度は8.5Kg・cm/cm、熱変形温度223℃と
おとっていた。この組成物の分散相のポリフェニレンエ
ーテル樹脂の粒径は、2〜6μであった。
比較例5 ナイロン6,6(旭化成工業(株)製、レオナ1300S)45
部、参考例2で得た変性ポリフェニレンエーテル樹脂B3
0部、参考例4で得たエラストマーA20部、ガラス繊維
(旭ファイバーグラス製、MA−416)25部、難燃剤とし
て、メラミンシアヌレート6部を用い、実施例1と同様
にして評価した。
曲げ弾性率、耐熱性及び難燃性は実施例3と同等であ
ったが、アイゾット衝撃強度は9.5Kg・cm/cmとおとって
いた。この組成物の分散相のポリフェニレンエーテル樹
脂の粒径は、1〜4μであった。
以上のように、分散相のポリフェニレンエーテル樹脂
の分散粒径が、0.6μをこえ本発明の範囲外の場合は、
耐衝撃性、耐熱性などが劣っている。
[発明の効果] 以上から明らかなように、本発明によれば、耐熱性、
剛性、耐衝撃性に優れ、難燃性の良好な難燃性ポリアミ
ド樹脂組成物を提供することができる。
本発明の樹脂組成物は、フィルム、シート、射出成形
物、圧縮成形物など、極めて多種多様にわたる電気、電
子用、自動車用など実用上有用な製品にすることができ
る。例えば、電子レンジ、ジューサーミキサー、食器乾
燥機、冷蔵庫、エアコンなどの家電製品ハウジング、エ
アコン吹き出し口、コンピューターおよび関連部品、ビ
デオカメラ、カメラ、ファクシミリ、複写機、電話機な
どのハウジングやシャーシー等に用いることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリアミド樹脂40〜90重量%、
    (b)変性ポリフェニレンエーテル樹脂10〜50重量%及
    び(c)エラストマー0〜30重量%からなる樹脂組成物
    100重量部に対し、メラミンシアヌレート難燃剤又は臭
    素化ポリスチレンと三酸化アンチモンを組み合わせた難
    燃剤から選ばれた少なくとも一種の難燃剤5〜50重量部
    を含有し、ポリアミド樹脂が連続相をなし、該ポリアミ
    ド樹脂中に分散した変性ポリフェニレンエーテル樹脂の
    分散相の直径が0.6μ以下であることを特徴とする難燃
    性ポリアミド樹脂組成物。
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