JP3456494B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法

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JP3456494B2 JP33156093A JP33156093A JP3456494B2 JP 3456494 B2 JP3456494 B2 JP 3456494B2 JP 33156093 A JP33156093 A JP 33156093A JP 33156093 A JP33156093 A JP 33156093A JP 3456494 B2 JP3456494 B2 JP 3456494B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリフェニレンエーテル
樹脂組成物に関するものである。更に詳しく言えば、本
発明はポリフェニレンエーテル樹脂に、ポリアミド樹
脂、ゴム質重合体、及び特定の不飽和カルボン酸エステ
ル、またはこれらの重合体、及び酸と水を配合してなる
ことを特徴とする成形加工性、耐溶剤性、耐油性及び耐
衝撃性の改善された熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂は、熱的性
質、機械的性質、電気的性質等に優れているが、溶融加
工温度が高く、かつ流動性が低いために成形加工性に劣
る欠点がある。また、酸、アルカリ等の無機系薬品に対
しては強い抵抗力を有するが、アセトン、ベンゼン、ト
ルエン、ハロゲン系炭化水素等の有機溶剤に対しては溶
解、膨潤等がおこり、耐溶剤性、耐油性の改善が強く求
められている。
【0003】特公昭60−11966号公報には、耐溶
剤性、耐油性を改善するために、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリアミド樹脂及び酸無水物基などの特定の官
能基を有する不飽和化合物を溶融混練する方法が提案さ
れている。しかしながら、開示された方法は上記の3成
分を同時に溶融混練する為、得られる組成物は、耐衝撃
性の点で必ずしも充分ではなく、また混練時に臭気が強
く、作業性が悪かった。さらに不飽和カルボン酸エステ
ルに関しては、単独に使用したのでは実質上、衝撃改良
効果が発揮されない。
【0004】特開昭61−204262号公報には、無
水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリア
ミド樹脂及びエラストマーブロック共重合体からなる樹
脂組成物が提案されている。しかし、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂の変性に使用される無水マレイン酸は開放系
では不安定で大気中の水分などにより化学変化を受け、
それを使用して得られた樹脂組成物の物性が低下すると
いう不都合を生じることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の有する前記問題点を解決して、良好な成形加工性
及び耐溶剤性、耐油性を有し、また、優れた耐衝撃性を
示す熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。さら
に、混練時に臭気が発生せず、作業性の低下を引き起こ
すことの無い熱可塑性樹脂の製造方法を提供することに
ある。
【0006】本発明者等は、ポリフェニレンエーテル樹
脂の保有している優れた性質を損なうことなく、その欠
点を改良・改善することを目的として、種々の実験検討
を行った結果、ポリフェニレンエーテル樹脂に、ポリア
ミド樹脂、ゴム質重合体及び特定の不飽和カルボン酸エ
ステル、またはこれらの重合体、及び酸と水を配合する
ことによって一挙に問題点を解決することができるとの
知見を得て、更に鋭意検討を行い本発明を完成させた。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、本発明を具体的に
説明する。本発明の樹脂組成物で用いられる(a)ポリ
フェニレンエーテル樹脂は、一般式化1で表される構造
単位を主鎖に持つ重合体であって、単独重合体であって
も、共重合体であってもよい。
【0008】
【化1】 (式中、R1は炭素数1〜3の低級アルキル基、R2、
R3は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル基で
ある。)
【0009】具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ
プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−
メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレ
ン)エーテル等があげられるが、特に、ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく用
いられる。
【0010】本発明に用いられる(b)ポリアミド樹脂
は、ポリマー主鎖に−CONH−結合を有するものであ
って、加熱溶融できるものであれば、特に制限はない。
具体的には、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12のような
脂肪族ナイロン、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタ
ルアミド、メタキシレンジアミンとアジピン酸から得ら
れるような芳香族ナイロンからなる群から選ばれた1種
以上のポリアミドが好適に使用できる。
【0011】ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)と
ポリアミド樹脂(PA)の両成分の重量混合比は、PP
E/PA=30/70〜80/20の範囲内なら制限は
ないが、好ましくは、35/65〜65/35の範囲で
ある。ポリフェニレンエーテル樹脂を上述した範囲より
少ない量で含有する組成物は、ポリフェニレンエーテル
樹脂が本来有する優れた熱的性質、機械的性質、電気的
性質等の特性が失われるようになる。また、ポリフェニ
レンエーテル樹脂を上述した範囲より多い量で含有する
組成物は、耐溶剤性、耐油性の改良効果が小さく好まし
くない。
【0012】本発明に用いられる(c)ゴム質重合体
は、共役ジエン化合物の単独重合体あるいはジエン化合
物とオレフィン及びビニル化合物の少なくとも一種以上
の組み合わせから得られる重合体で室温でゴム弾性を有
するゴム質重合体である。
【0013】具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、ポリクロロプレン、ポリクロロブタジエン、エチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合
体、グラフト共重合体等全てを含む)、またはその水素
添加物、イソブチレン−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体、ブチルアクリレート−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、またはその水素添加物、スチレン−ブタジエン−
スチレンテレブロック共重合体、またはその水素添加
物、スチレン−イソプレン−スチレンテレブロック共重
合体、またはその水素添加物、メチルメタアクリレート
−ブタジエン共重合体、ブチルメタアクリレート−ブタ
ジエン共重合体等があげられる。
【0014】本発明におけるゴム質重合体の添加量は、
(a)ポリフェニレンエーテル樹脂と(b)ポリアミド
樹脂からなる組成物100重量部に対して、3〜30重
量部、好ましくは5〜15重量部である。3重量部以下
では、耐衝撃性の改善が不十分であり、30重量部以上
では、ゴム質重合体の分散性が不良となり、成形品の平
滑性等の外観特性及び機械的性質も低下する傾向を示
す。
【0015】本発明で用いられる(d)不飽和ジカルボ
ン酸のジエステルは、エチレン性二重結合を有するジカ
ルボン酸の2つの炭素数1〜8のアルキル基とのジエス
テルであり、この2つのアルキル基は同一でも互いに異
なっていても良い。不飽和ジカルボン酸ジエステルの重
合体は、前記した不飽和ジカルボン酸ジエステルを重合
して得られる重合体である。(d)不飽和ジカルボン酸
のジエステルの具体例としては、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸およ
びこれらのメチル、エチル、イソプロピル、ブチルまた
はt−ブチルのジエステルが例示され、特にイタコン酸
ジメチルが好ましく用いられる。不飽和ジカルボン酸ジ
エステルの重合体の具体例としては、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸お
よびこれらのメチル、エチル、イソプロピル、ブチルま
たはt−ブチルのジエステルを重合して得られた適当な
重合度の重合体が例示され、特にフマル酸ジ−t−ブチ
ル重合体が好ましく用いられる。
【0016】本発明における(d)不飽和ジカルボン酸
のジエステルまたは、不飽和ジカルボン酸ジエステルの
重合体の添加量としては、0.05〜15重量部の範囲
であり、好ましくは0.1〜10重量部である。添加量
が0.05重量部未満では、耐衝撃性の改善が不十分で
あり、15重量部を越えると、成形品の流動性及び平滑
性等の外観特性が低下する。
【0017】本発明に用いられる(e)酸は、一般的な
無機及び有機の酸であれば特に制限はなく、具体的に
は、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、亜硫酸、しゅう酸、亜硝
酸、酢酸、フタル酸、安息香酸、アクリル酸、p−トル
エンスルホン酸、ぎ酸、炭酸、次亜塩素酸、ほう酸等が
挙げられ、特にp−トルエンスルホン酸が好ましく用い
られる。本発明における(e)酸の添加量としては、
0.05〜2重量部の範囲であり、好ましくは0.1〜
1.5重量部である。添加量が0.05重量部未満で
は、耐衝撃性の改善が不十分であり、2重量部を越える
と、成形品の外観不良や変色が起こり、好ましくない。
【0018】本発明の樹脂組成物の製造に用いられる
(f)水の添加量は、0.05〜2重量部の範囲であ
り、好ましくは0.2〜1重量部である。添加量が0.
05重量部未満では、樹脂組成物の耐衝撃性の改善効果
が不十分であり、2重量部を越えると、樹脂組成物の押
出時にサージングが起き、また成形品に外観不良が発生
するので好ましくない。
【0019】本発明の樹脂組成物には、他の熱可塑性樹
脂、例えば、PC、PBT、PET、PE、PP、マレ
イン化PP、POM、PMMA、MS、MBS、AS、
AAS、AES、AMBS、PS、HIPS、スチレン
・マレイン酸共重合樹脂(アメリカ・アーコケミカル社
製、商品名ダイラーク)、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどを
配合する事ができる。
【0020】本発明の樹脂組成物には所望に応じて、公
知の種々の添加剤類の配合が可能である。例えば、補強
材、充填材、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑
剤、離型剤、染料、顔料等があげられる。また、ベンゾ
イルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、アゾビスイ
ソブチロニトリル等の公知の有機過酸化物、ジアゾ化合
物をラジカル発生剤として適当量用いる事は、本発明の
目的上好ましい。
【0021】前述の充填剤、補強剤の例としては、ガラ
ス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維ク
ロス、ガラス繊維マット、グラファイト、炭素繊維、炭
素繊維クロス、炭素繊維マット、カーボンブラック、炭
素フレーク、アルミ、ステンレス、真鍮および銅から作
った金属繊維や金属フレーク、金属粉末、有機繊維、針
状チタン酸カリウム、マイカ、タルク、クレー、(針
状)酸化チタン、ウォラストナイト、炭酸カルシュウム
から選ばれた1種以上の強化剤を添加しても良い。剛性
・強度を上げて、さらに成形品の外観や平滑性を向上す
るためには、繊維の径を細くすれば良い。繊維径の細い
ガラス繊維としては、日本無機(株)製のE−FMW−
800(平均繊維径0.8μm)やE−FMW−170
0(平均繊維径0.6μm)を例示できる。
【0022】上記強化剤の表面を公知の表面処理剤、例
えばビニルアルキルシラン、メタクリロアルキルシラ
ン、エポキシアルキルシラン、アミノアルキルシラン、
メルカプトアルキルシラン、クロロアルキルシラン、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネートのようなチ
タネート系カップリング剤、ジルコアルミネートカップ
リング剤などで表面処理を行っても良い。さらに繊維類
の集束剤として、公知のエポキシ系、ウレタン系、ポリ
エステル系、スチレン系などの集束剤を用いても良い。
【0023】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
難燃剤としてトリフェニールホスヘートやトリクレジル
ホスヘート、あるいはそれらの重縮合体、または赤リン
のような公知のリン化合物を添加できる。また、デカブ
ロムジフェニールエーテル、ブロム化ポリスチレン、低
分子量ブロム化ポリカーボネート、ブロム化エポキシ化
合物のようなハロゲン化合物を難燃剤として添加でき
る。三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、酸化ジルコ
ニウムのような難燃剤助剤もハロゲン化合物と併用でき
る。
【0024】本発明の樹脂組成物は、加熱溶融混練する
事によって得られるが、溶融混練する温度及び時間に
は、特に制限はない。混練には、押出機、バンバリーミ
キサー、ニーダー等が用いられるが、操作性から押出機
が好ましく用いられる。本発明の樹脂組成物の製造に際
して、好ましい方法は、(a)ポリフェニレンエーテル
樹脂と(d)不飽和ジカルボン酸のジエステルまたは不
飽和ジカルボン酸ジエステルの重合体、(e)酸および
(f)水を混合しあらかじめ溶融混練した後、(b)ポ
リアミド樹脂と(c)ゴム質重合体を追加添加して溶融
混練する方法、および、(a)ポリフェニレンエーテル
樹脂と(d)不飽和ジカルボン酸のジエステルまたは不
飽和ジカルボン酸ジエステルの重合体、(e)酸、
(f)水および(c)ゴム質重合体をあらかじめ混合し
溶融混練した後、(b)ポリアミド樹脂を追加添加して
溶融混練する方法である。
【0025】
【実施例】以下、本発明について実施例および比較例を
示して、その効果を具体的かつ詳細に説明する。なお、
以下に示す実施例は、具体的に説明するためのものであ
って、本発明の実施態様や発明の範囲を限定するもので
はない。 実施例1 固有粘度が30℃、クロロホルム中、0.45dl/g
である三菱瓦斯化学(株)製ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテル(PPE)粉末を50重
量部、ゴム質重合体である旭化成工業(株)製スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体水素添加物8
重量部、イタコン酸ジメチル(酸エステル)1.5重量
部、酸としてp−トルエンスルホン酸0.5重量部およ
び水1重量部をミキサーで混合した後、二軸押出機を用
いて290℃にて溶融混練し、押出してペレットを得
た。次に、上記ペレット60重量部と三菱化成(株)製
ポリアミド6(PA)50重量部とをミキサーで混合
し、二軸押出機を用いて290℃で溶融混練し、押出し
てペレットを得た。溶融混練時において臭気がなく、作
業性が良好であった。得られたペレットを、105℃で
20時間減圧乾燥し、射出成形により各種試験片を成形
した。この試験片を用いて測定した各種物性値を表2に
示した。なお、DTULは0.45MPaの荷重下で、
Izod強さは23℃で測定した。
【0026】実施例2 イタコン酸ジメチルの使用量を表−1に示す量に変えて
実施例1と同様にペレット化し、成形した。この試験片
を用いて測定した各種物性値を表2に示した。なお、溶
融混練時において臭気がなく、作業性が良好であった。
【0027】実施例3 p−トルエンスルホン酸の使用量を表−1に示す量に変
えて実施例1と同様にペレット化し、成形した。この試
験片を用いて測定した各種物性値を表2に示した。な
お、溶融混練時において臭気がなく、作業性が良好であ
った。
【0028】実施例4 p−トルエンスルホン酸に代えて燐酸0.5重量部を使
用した以外は、実施例1と同様に混合ペレット化し、成
形を行った。この試験片を用いて測定した各種物性値を
表2に示した。
【0029】実施例5〜6 イタコン酸ジメチルをイタコン酸ジエチルに代えて実施
例5では5重量部を、実施例6では10重量部を使用し
て、表−1に示す配合内容で混合、実施例1と同様にペ
レット化し、成形した。この試験片を用いて測定した各
種物性値を表2に示した。
【0030】実施例7〜8 イタコン酸ジメチルをイタコン酸ジブチルに代えて実施
例7ではp−トルエンスルホン酸の使用量を変え、実施
例8では水の使用量を変え、表−1に示す配合内容で混
合、実施例1と同様にペレット化し、成形した。この試
験片を用いて測定した各種物性値を表2に示した。
【0031】実施例9〜10 イタコン酸ジメチルを、実施例9ではイタコン酸ジメチ
ル重合体(数平均分子量が約19000の単独重合体)
に、実施例10ではフマル酸−ジ−tert−ブチル重
合体(重合度 約50の単独重合体)に代え、表−1に
示す配合内容で混合、実施例1と同様にペレット化し、
成形した。この試験片を用いて測定した各種物性値を表
2に示した。
【0032】実施例11 フラスコに入れて蓋をせずに21日間放置したイタコン
酸ジメチルを用い、実施例1と同様にペレット化し、成
形した。この試験片を用いて測定した各種物性値を表2
に示した。実施例1と比較して物性の低下は、ほとんど
無かった。なお、溶融混練時において臭気がなく、作業
性が良好であった。
【0033】比較例1 イタコン酸ジメチルに代えて、フラスコ中で21日間放
置した無水マレイン酸を1.5重量部使用し、p−トル
エンスルホン酸およびと水は使用せずに表−1に示す配
合内容で実施例1と同様に混合、ペレット化し、成形し
た。この試験片を用いて測定した各種物性値を表2に示
した。得られた組成物はIzod衝撃強度が弱く、成形
品の外観が悪かった。
【0034】比較例2 イタコン酸ジメチルを用いてp−トルエンスルホン酸と
水を使用せず、表−1に示す配合内容で実施例1と同様
に混合、ペレット化し、成形した。この試験片を用いて
測定した各種物性値を表2に示した。この組成物はIz
od衝撃強度が弱く、成形品の外観が悪いため、実用性
の無い物であった。
【0035】比較例3〜8 イタコン酸ジメチルの使用量、p−トルエンスルホン酸
の使用量、水の使用量を各々、表−1に示す配合内容に
変えて実施例1と同様に混合、ペレット化し、成形し
た。この試験片を用いて測定した各種物性値を表2に示
した。比較例8については、1回目の押出時に発泡が起
きて不安定となり、さらに成形品の外観が悪いため、実
用性の無い物であった。
【0036】比較例9 スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体水素
添加物の使用量を1重量部に変えた以外は、表−1に示
す配合内容で実施例1と同様に混合ペレット化し、成形
を行った。この試験片を用いて測定した各種物性値を表
2に示した。
【0037】
【発明の効果】本発明の構成を採用することにより、良
好な成形加工性及び耐溶剤性、耐油性を有し、また、優
れた耐衝撃性を示す樹脂組成物を得ることができる。さ
らに、その製造工程において臭気が発生せず、作業性の
低下を引き起こすことが無い。
【0038】
【表1】 実施例 PPE ゴム質 酸エス 酸 水 PA /比較例 重合体 テル等 実施例1 50 8 1.5 0.5 1.0 50 実施例2 50 8 0.2 0.5 1.0 50 実施例3 50 8 1.5 1.5 1.0 50 実施例4 50 8 1.5 0.5 1.0 50 実施例5 50 8 5.0 0.75 1.5 50 実施例6 50 8 10.0 0.75 1.5 50 実施例7 50 8 1.5 0.1 1.0 50 実施例8 50 8 1.5 0.5 0.1 50 実施例9 50 8 3.0 0.75 1.5 50 実施例10 50 8 3.0 0.75 1.5 50 実施例11 50 8 1.5 0.5 1.0 50 比較例1 50 8 *1.5 0 0 50 比較例2 50 8 1.5 0 0 50 比較例3 50 8 0.03 0.5 1.0 50 比較例4 50 8 18.0 0.75 1.5 50 比較例5 50 8 1.5 0.03 1.0 50 比較例6 50 8 1.5 0.5 0.03 50 比較例7 50 8 1.5 2.5 1.0 50 比較例8 50 8 1.5 0.5 2.5 50 比較例9 50 1 1.5 0.5 1.0 50 *:無水マレイン酸 なお、表中の部数は、重量基準で表されている。
【0039】
【表2】 実施例 引張降伏強さ 破断伸び DTUL Izod強さ /比較例 (MPa) (%) (℃) (J/m) 実施例1 54 102 188 237 実施例2 56 92 187 135 実施例3 55 65 172 228 実施例4 59 100 186 221 実施例5 53 84 176 185 実施例6 51 66 169 141 実施例7 56 89 185 184 実施例8 58 67 184 203 実施例9 57 104 189 169 実施例10 56 69 183 215 実施例11 56 89 185 209 比較例1 41 7 175 78 比較例2 36 3 178 14 比較例3 39 2 170 15 比較例4 51 57 170 85 比較例5 44 6 168 17 比較例6 48 21 171 39 比較例7 40 12 181 102 比較例8 (成形品不良のため測定できず) 比較例9 58 15 183 67
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 77/00 C08L 77/00 (72)発明者 本田 典昭 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三菱瓦斯化学株式会社 プラスチックス センター内 (56)参考文献 特開 平6−248172(JP,A) 特開 平3−84062(JP,A) 特開 平3−33155(JP,A) 特開 平2−209960(JP,A) 特表 昭64−500275(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 71/12 C08L 77/00 - 77/12 C08K 3/00 - 5/59 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンエーテル樹脂30〜
    80重量部、(b)ポリアミド樹脂70〜20重量部、
    ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂の合計1
    00重量部に対して(c)ゴム質重合体3〜30重量
    部、(d)不飽和ジカルボン酸のジエステルまたは不飽
    和ジカルボン酸ジエステルの重合体0.05〜15重量
    部、および(e)酸0.05〜2重量部からなる熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(a)ポリフェニレンエーテル樹脂30〜
    80重量部、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド
    樹脂の合計100重量部に対して(c)ゴム質重合体3
    〜30重量部、(d)不飽和ジカルボン酸のジエステル
    または不飽和ジカルボン酸ジエステルの重合体0.05
    〜15重量部、(e)酸0.05〜2重量部および
    (f)水0.05〜2重量部をあらかじめ溶融混練した
    後、(b)ポリアミド樹脂70〜20重量部を追加添加
    して溶融混練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】(a)ポリフェニレンエーテル樹脂30〜
    80重量部、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド
    樹脂の合計100重量部に対して(d)不飽和ジカルボ
    ン酸のジエステルまたは不飽和ジカルボン酸ジエステル
    の重合体0.05〜15重量部、(e)酸0.05〜2
    重量部および(f)水0.05〜2重量部をあらかじめ
    溶融混練した後、(b)ポリアミド樹脂70〜20重量
    部および(c)ゴム質重合体3〜30重量部を追加添加
    して溶融混練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法。
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