JP2670355B2 - 耐衝撃性と成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
耐衝撃性と成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
脂組成物に関するものである。更に詳しくは、グラフト
共重合体、濃硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度(η
rel)が25℃で1.7以上2.5未満であるポリアミド樹脂、
濃硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度(ηrel)が25
℃で2.5以上6.9未満であるポリアミド樹脂、および不飽
和カルボン酸またはその無水物をグラフトさせる事によ
り変性されたビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロ
ック共重合体の水素添加物を必須成分として含有する耐
衝撃性と成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関す
るものであり、自動車、電気、電子機械等の工業材料を
はじめとする広い分野に利用されるものである。
薬品性、耐磨耗性等に優れることから、機械部品、電気
・電子部品及び自動車部品等に広く使われているが、耐
衝撃性が低いこと、吸水による寸法変化や引張強度の低
下の問題がある。一方、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)は、自動車部品、事
務機器部品等によく使われており、耐衝撃性および寸法
安定性は優れているが、耐薬品性に劣るうえ、ゴム成分
の多い高衝撃グレードは、強度が低く成形性が悪いとい
う問題がある。
ながらそれらの短所を改良するために、ポリアミド樹脂
とABS樹脂をブレンドすることが提案されている(特公
昭38−23476号公報)が、ポリアミド樹脂とABS樹脂の相
溶性が悪く、成形品が相状剥離して衝撃強度が低い組成
物しか得られない。ポリアミド樹脂とABS樹脂の相溶性
を向上させるために、ポリアミド樹脂と反応するか又は
親和性を有する、カルボン酸エステル、カルボン酸を他
の単量体と共にゴム状重合体にグラフト共重合してなる
グラフト共重合体のブレンドも行われており、特開昭53
−12955号公報、特開昭63−179957号公報等がこれに該
当する。しかし官能基の導入による溶融流動性の低下や
耐衝撃性の改良が尚十分でないという問題点があった。
良の要求が一段と高まってきている。耐衝撃性は、通
常、アイゾット衝撃強度で表され、ナイロン単独の場
合、23℃で数kg・cm/cm〜10kg・cm/cm(ノッチ付き、絶
乾状態で測定)程度であるため、その用途が限定されて
いる。また、ポリアミド樹脂のアミド基と反応性のある
官能基を有する単量体を他の単量体と共にゴム状重合体
にグラフト共重合した前記グラフト共重合体とポリアミ
ド樹脂のブレンドの場合、ポリアミド樹脂との相溶性は
改善できるが、耐衝撃性は不十分なものしか得られてお
らず、また溶融粘度が高く成形加工性に劣っていた。
鋭意研究の結果、グラフト共重合体、ポリアミド樹脂の
ブレンド物に、耐衝撃性改良剤として不飽和カルボン酸
またはその無水物をグラフトさせる事により発生された
ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック共重合体
の水素添加物、又はこの変性されたビニル芳香族化合物
と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物と未変
性のビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック共重
合体の水素添加物との混合物を添加することにより、従
来素材よりも高度な耐衝撃性、成形性、耐薬品性および
成形物の寸法安定性等に優れた安価な熱可塑性樹脂組成
物が得られることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
50〜90重量%、シアン化ビニル単量体10〜50重量%およ
びこれらと共重合可能なビニル単量体0〜40重量%から
なる単量体混合物30〜95重量部をグラフトさせたグラフ
ト共重合体 20〜80重量部、 (B)濃硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度
(ηrel)が25℃で1.7以上2.5未満であるポリアミド樹
脂 10〜50重量部、 (C)濃硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度
(ηrel)が25℃で2.5以上6.9未満であるポリアミド樹
脂 10〜50重量部、 (D)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさ
せる事により変性されたビニル芳香族化合物と共役ジエ
ンとのブロック共重合体の水素添加物、又はこの変性さ
れたビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック共重
合体の水素添加物及び未変性のビニル芳香族化合物と共
役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物の混合物3
〜30重量部 から成る(但し、(A)+(B)+(C)+(D)=10
0重量部である)ことを特徴とする耐衝撃性と成形加工
性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供しようとするもの
である。
常、共役ジエン系ゴム−芳香族ビニル−シアン化ビニル
グラフト共重合体単独またはこれに芳香族ビニル−シア
ン化ビニル共重合体を90重量%以下の量で配合してなる
ものであり、乳化・塊状懸濁あるいは連続塊状等どんな
重合方法で製造されたものでも良い。
ニルグラフト共重合体とは共役ジエンを必須成分として
なるゴム状重合体に芳香族ビニル化合物とシアン化ビニ
ルとを必須成分としてグラフト重合したグラフト共重合
体である。グラフト共重合体中のゴム状重合体とグラフ
ト重合用単量体混合物との組成比は、ゴム状重合体5〜
70重量%およびグラフト重合用単量体混合物95〜30重量
%である。ゴム状重合体成分含有量が5重量%未満にな
ると最終ブレンド組成物の耐衝撃性が乏しくなり、ま
た、70重量%を越えると最終組成物の耐熱性が上がらな
い。さらに、グラフト重合用単量体混合物は芳香族ビニ
ル単量体とシアン化ビニル単量体の他にこれらと共重合
可能なビニル単量体を含有していても良い。これらの単
量体の組成比は、芳香族ビニル単量体50〜90重量%、シ
アン化ビニル単量体10〜50重量%、これらと共重合可能
なビニル単量体0〜40重量%である。
る芳香族ビニルとシアン化ビニルとの組成比には特に制
限はないが、芳香族ビニル55〜85重量%およびシアン化
ビニル45〜15重量%であることが好ましく、極限粘度
(メチルエチルケトン中、30℃で測定)も、0.20〜0.75
の範囲が好ましい。
ン系ゴムとしては、ポリブタジエンやブタジエン−アク
リロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エステ
ル共重合体などのブタジエン系ゴム状重合体を挙げるこ
とができる。また、芳香族ビニルとしては、スチレン、
ハロゲン化スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレ
ンなどが例示され、特にスチレンが良く、シアン化ビニ
ルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
α−ハロゲン化アクリロニトリルなどが例示され、特
に、アクリロニトリルが良い。また、芳香族ビニル及び
シアン化ビニルと共重合可能なビニル単量体としては、
例えば(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、塩
化ビニルなどが挙げられ、特に(メタ)アクリル酸エス
テル類などが好ましい。
の重縮合物、α−アミノカルボン酸の自己縮合物、環状
ラクタムの開環重合物等であり、具体的な例としては、
ナイロン−6,6、ナイロン−6、ナイロン−4,6、ナイロ
ン−6,10、ナイロン−11、ナイロン−12等の脂肪族ポリ
アミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘ
キサメチレンイソフタルアミド、ポリテトラメチレンイ
ソフタルアミド等の脂肪族−芳香族ポリアミド、および
これらの共重合体、混合物が使用できる。これらのう
ち、ナイロン−6、ナイロン−6,6が好適に用いられ、
ナイロン−6が更に好適に用いられる。
硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度(ηrel)が25℃
で1.7以上2.5未満であるポリアミド樹脂と、濃硫酸中1
重量%濃度の溶液の相対粘度(ηrel)が25℃で2.5以上
6.9未満であるポリアミド樹脂を併用して用いる。
たものが使用される。通常は、ジアミンとジカルボン酸
の等モル重縮合反応、アミノカルボン酸の自己縮合反
応、またはラクタムの開環重合によって製造できる。
事により変性されたビニル芳香族化合物と共役ジエンと
のブロック共重合体の水素添加物> 本発明で用いる不飽和カルボン酸またはその無水物を
グラフトさせる事により変性されたビニル芳香族化合物
と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加物は、ビ
ニル芳香族化合物重合体ブロックとオレフィン化合物重
合体ブロックとからなる共重合体であってオレフィン化
合物重合体ブロックの不飽和度が20%を越えない水素化
ブロック共重合体エラストマーであり、ラジカル開始剤
の存在下、カルボン酸または酸無水物基を有するα,β
−不飽和カルボン酸化合物とグラフト反応させて得られ
る官能基を含有する水添ブロック共重合体である。
事により変性された水添ブロック共重合体中の水添ブロ
ック共重合体成分は、ビニル芳香族化合物重合体ブロッ
クと共役ジエン系化合物重合体ブロックとより成るブロ
ック共重合体の共役ジエン部分を選択的に水素化するこ
とによって得られるものである。
ン系化合物重合体ブロックとより成るブロック共重合体
は、ビニル芳香族化合物重合体ブロック(X)と
(X′)と、共役ジエン系化合物重合体ブロック(Y)
(ただし、XとX′は同じであっても異なってもよい)
より成るブロック共重合体で(X−Y)n、X−Y−
X′、X−(Y−X−Y−)n−X、X−(Y−X−)
n−Y(式中nは1乃至10の整数である)で表される線
状ブロック共重合体、あるいは一般式〔(Y−X)
n−〕m+2−Z、〔(X−Y)n−〕m+2−Z、〔(Y−
X)n−Y〕m+2−Z、〔(X−Y)n−X〕m+2−Z、
(式中mは、1乃至4の整数であり、Zは例えば四塩化
ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤の残基、また
は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す)
で表されるラジカルブロック共重合体が挙げられる。
化合物には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルキ
シレン、エチルビニルキシレン、ビニルナフタレンおよ
びこれらの混合物が例示され、また、共役ジエン系化合
物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジ
エンまたは2,3−ジメチルブタジエンおよびこれらの混
合物が挙げられる。
っても異なっていてもよい。
800,000、好ましくは20,000〜500,000である。
有量は10〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜55
重量%である。本発明で使用する水添ブロック共重合体
は、前記ブロック共重合体の共役ジエン部分を選択的に
水素化することによって得られるものであり、例えば、
特公昭42−8704号公報記載の方法で、前記ブロック共重
合体を水素化することによって、ビニル芳香族化合物ブ
ロックの芳香族二重結合の20%を越えない部分および共
役ジエン化合物重合体ブロックの脂肪族二重結合の少な
くとも80%が水素添加されている水添ブロック共重合体
が合成されている。
和度とは、オレフィン化合物重合体ブロックに含まれる
炭素−炭素二重結合の割合を意味し、通常20%を越えな
い範囲である。これは、核磁気共鳴スペクトル(NM
R)、赤外線吸収スペクトル(IR)等の機器分析、ヨー
ド滴定法等の化学分析により測定される。
以上を混合して用いることもできる。
酸または酸無水物基を有するα,β−不飽和カルボン酸
化合物の具体例としては、無水マレイン酸、マレイン
酸、無水イタコン酸、フマル酸、無水メチルナジック
酸、無水ジクロロマレイン酸、アクリル酸、メタクリル
酸等が挙げられる。
は、公知の有機過酸化物、ジアゾ化合物類があり、具体
例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどが挙げられる。これらのラジカル開始剤は二種以
上組み合わせて使用することもできる。
トさせる事により変性された水添ブロック共重合体の製
造法に関しては、本発明において特に制限しないが、得
られた共重合体の溶融粘度が著しく増大して加工性が悪
化したりする製造方法は好ましくない。好ましい方法
は、押出機中で、ラジカル開始剤の存在下で、水添ブロ
ック共重合体と不飽和カルボン酸またはその無水物とを
グラフト反応させる方法である。
カルボン酸化合物の水添ブロック共重合体への付加量
は、水添ブロック共重合体100重量部あたり0.05〜10重
量部が好ましく、更には0.1〜5重量部が好ましい。付
加量が0.05重量部未満では、不飽和カルボン酸またはそ
の無水物をグラフトさせる事により変性された水添ブロ
ック共重合体として効果が少なく、組成物とした場合、
十分な耐衝撃性が得られない。また付加量が10重量部を
越えても、それ以下に比べて変性の効果の増加がほとん
どみられない。
ク共重合体の水素添加物> 本発明においては、必要により、未変性のビニル芳香
族化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素添加
物を使用する。
ブロック共重合体の水素添加物は、ビニル芳香族化合物
重合体ブロックとオレフィン化合物重合体ブロックとか
らなる共重合体であってオレフィン化合物重合体ブロッ
クの不飽和度が20%を越えない水素化ブロック共重合体
エラストマーである水添ブロック共重合体である。
合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとよ
り成るブロック共重合体の共役ジエン部分を選択的に水
素化することによって得られるものである。
ン系化合物重合体ブロックとより成るブロック共重合体
は、ビニル芳香族化合物重合体ブロック(X)と
(X′)と、共役ジエン系化合物重合体ブロック(Y)
(ただし、XはX′は同じであっても異なってもよい)
より成るブロック共重合体で(X−Y)n、X−Y−
X′、X−(Y−X−Y−)n−X、X−(Y−X−)
n−Y(式中nは1乃至10の整数である)で表される線
状ブロック共重合体、あるいは一般式〔(Y−X)
n−〕m+2−Z、〔(X−Y)n−〕m+2−Z、〔(Y−
X)n−Y〕m+2−Z、〔(X−Y)n−X〕m+2−Z
(式中mは、1乃至4の整数であり、Zは例えば四塩化
ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤の残基、また
は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す)
で表されるラジカルブロック共重合体が挙げられる。
化合物には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルキ
シレン、エチルビニルキシレン、ビニルナフタレンおよ
びこれらの混合物が例示され、また、共役ジエン系化合
物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジ
エンまたは2,3−ジメチルブタジエンおよびこれらの混
合物が挙げられる。
っても異なっていてもよい。
800,000、好ましくは20,000〜500,000である。
有量は10〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜55
重量%である。本発明で使用する水添ブロック共重合体
は、前記ブロック共重合体の共役ジエン部分を選択的に
水素化することによって得られるものであり、例えば、
特公昭42−8704号公報記載の方法で、前記ブロック共重
合体を水素化することによって、ビニル芳香族化合物ブ
ロックの芳香族二重結合の20%を越えない部分および共
役ジエン化合物重合体ブロックの脂肪族二重結合の少な
くとも80%が水素添加されている水添ブロック共重合体
が合成されている。
和度とは、オレフィン化合物重合体ブロックに含まれる
炭素−炭素二重結合の割合を意味し、通常20%を越えな
い範囲である。これは、核磁気共鳴スペクトル(NM
R)、赤外線吸収スペクトル(IR)等の機器分析、ヨー
ド滴定法等の化学分析により測定される。
以上を混合して用いることもできる。
重合体と、ポリアミド樹脂のブレンド物と、不飽和カル
ボン酸またはその無水物をグラフトさせる事により変性
された水添ブロック共重合体、又はこの変性された水添
ブロック共重合体と未変性の水添ブロック共重合体との
混合物とから成る樹脂組成物である。これらの混合割合
は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分
の合計量100重量部に対して、 (A)グラフト共重合体 20〜80重量部 (B)相対粘度(ηrel)が25℃で1.7以上2.5未満であ
るポリアミド樹脂 10〜50重量部 (C)相対粘度(ηrel)が25℃で2.5以上6.9未満であ
るポリアミド樹脂 10〜50重量部 (D)変性された水添ブロック共重合体、又はこの変性
された水添ブロック共重合体と未変性のブロック共重合
体との混合物3〜30重量部である。
物の耐衝撃性や寸法安定性が十分でなく、80重量部を越
えると最終組成物の耐薬品性に乏しい。(B)相対粘度
(ηrel)が25℃で1.7以上2.5未満であるポリアミド樹
脂が10重量部未満では最終組成物の成形性が十分でな
く、一方50重量部を越えると最終組成物の耐衝撃性が低
い。また、(C)相対粘度(ηrel)が25℃で2.5以上6.
9未満であるポリアミド樹脂が10重量部未満では最終組
成物の耐衝撃性が低く、一方50重量部を越えると最終組
成物の成形性が十分でない。
この変性された水添ブロック共重合体と未変性のブロッ
ク共重合体との混合物が3重量部未満では最終組成物の
耐衝撃性が低く、30重量部を越えると最終組成物の耐熱
性が低く、またコストも高くなる。また、変性された水
添ブロック共重合体と未変性のブロック共重合体との混
合物を用いる場合、変性された水添ブロック共重合体と
未変性のブロック共重合体との割合は変性物/未変性物
=30/70=70/30(重量比)が好ましい。
と、ポリアミド樹脂のブレンド物と、不飽和カルボン酸
またはその無水物をグラフトさせる事により変性された
水添ブロック共重合体、又はこの変性された水添ブロッ
ク共重合体と水添ブロック共重合体の混合物とを通常の
ブレンド方法、例えば押出機、ニーダー、ロール等を利
用して溶融・混練すれば良い。
状原料を混合しこれを押出機を用いて加熱・溶融させて
押出し、ペレット状にカットする方法によって得られ
る。
各種の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、安定剤、無
機充填剤、ガラス繊維等の補強剤、顔料染料等を選択し
て使用することもできる。
維等の補強剤の充填量においては、(A)成分、(B)
成分、(C)成分、(D)成分の合計量100重量部に対
して、100重量部以下に抑える必要がある。これを以上
添加すると樹脂表面外観が非常に低下する。
ることもできる。難燃剤としては、リン酸トリフェニル
等のリン系化合物、またはデカブロモジフェニルオキシ
ド等のハロゲン化合物、Mg(OH)2等の金属酸化物が用
いられる。
(C)成分、(D)成分の合計量100重量部に対して、4
0重量部以下に抑える必要がある。これ以上添加すると
最終組成物の物性が低下する。
の添加割合は、全て重量部である。
−607,AN/ST重量比36/64,共役ジエン系ゴム含有量30重
量%)を48重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ(株)
製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=2.3)を
24重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ(株)製ナイロ
ン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.4)を24重
量部、不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさ
せる事により変性された水添ブロック共重合体(シェル
化学(株)製FG1901X,ST/ゴム重量比28/72,無水マレイ
ン酸付加率2重量%)を4重量部を含む合計100重量部
に対して、安定剤としてイルガノックス1076を0.5重量
部添加してヘンシェルミキサーでよく混合した。この樹
脂混合物を大阪精製(株)40mmφ押出機でペレットにし
た。押出し温度240℃である。次いでこのペレットを乾
燥し、日精製樹脂工業(株)製射出成型機(TS−100)
を用いて、物性評価用試験片を作成した。
す。
強度はASTMD−256(1/4″幅ノッチ付、23℃)、熱変形
温度はASTM D−648(荷重18.56kg/cm2)、メルトフロー
レートはASTM D−1238(250℃×5kg)に基づいた試験法
を用いて測定した。
−607)を47重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を23.5重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel
=3.4)を23.5重量部、不飽和カルボン酸またはその無
水物をグラフトさせる事により変性された水添ブロック
共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を6重量部用
いる以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同
様に物性を評価した。
−607)を45重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を22.5重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel
=3.4)を22.5重量部、不飽和カルボン酸またはその無
水物をグラフトさせる事により変性された水添ブロック
共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部用
いる以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同
様に物性を評価した。
−607)を45重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を22.5重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1050,数平均分子量48000,ηrel=
6.0)を22.5重量部、不飽和カルボン酸またはその無水
物をグラフトさせる事により変性された水添ブロック共
重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部用い
る以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同様
に物性を評価した。
−607)を63重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を13.5重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel
=3.4)を13.5重量部、不飽和カルボン酸またはその無
水物をグラフトさせる事により変性された水添ブロック
共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部用
いる以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同
様に物性を評価した。
−607)を27重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を31.5重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel
=3.4)を31.5重量部、不飽和カルボン酸またはその無
水物をグラフトさせる事により変性された水添ブロック
共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部用
いる以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同
様に物性を評価した。
−611,AN/ST重量比25/75,共役ジエン系ゴム含有量40重
量%)を45量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ(株)製
ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=2.3)を2
2.5重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ(株)製ナイ
ロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.4)を22.
5重量部、不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフ
トさせる事により変性された水添ブロック共重合体(シ
ェル化学(株)製FG1901X)を10重量部用いる以外は、
実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同様に物性を評
価した。
を50重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ(株)製ナイ
ロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=2.3)を25重量
部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ(株)製ナイロン6,A1
030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.4)を25重量部、
そして不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさ
せる事により変性された水添ブロック共重合体を添加し
ない以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同
様に物性を評価した。
を70重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ(株)製ナイ
ロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=2.3)を15重量
部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ(株)製ナイロン6,A1
030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.4)を15重量部用
いる以外は比較例1と同様にして樹脂組成物を得、同様
に物性を評価した。
−607)を45重量部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)
製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.
4)を45重量部、不飽和カルボン酸またはその無水物を
グラフトさせる事により変性された水添ブロック共重合
体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部用いる以
外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同様に物性
を評価した。
−607)を45重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1050,数平均分子量48000,ηrel=
6.0)を45重量部、不飽和カルボン酸またはその無水物
をグラフトさせる事により変性された水添ブロック共重
合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部用いる
以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得、同様に物
性を評価した。
−607)を50重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を25重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ(株)
製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.
4)を25重量部、不飽和カルボン酸またはその無水物を
グラフトさせる事により変性された水添ブロック共重合
体(シェル化学(株)製FG1901X)を6.5重量部、未変性
水添ブロック共重合体(シェル化学(株)製G1652,ST/
ゴム重量比29/71)を3.5重量部用いる以外は実施例1と
同様にして樹脂組成物を得、同様に物性を評価した。
−607)を50重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を25重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ(株)
製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.
4)を25重量部、不飽和カルボン酸またはその無水物を
グラフトさせる事により変性された水添ブロック共重合
体(シェル化学(株)製FG1901X)を5重量部、未変性
水添ブロック共重合体(シェル化学(株)製G1652)を
5重量部用いる以外は実施例1と同様にして樹脂組成物
を得、同様に物性を評価した。
−607)を50重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を25重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ(株)
製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.
4)を25重量部、不飽和カルボン酸またはその無水物を
グラフトさせる事により変性された水添ブロック共重合
体(シェル化学(株)製FG1901X)を3.5重量部、未変性
水添ブロック共重合体(シェル化学(株)製G1652)を
6.5重量部用いる以外は実施例1と同様にして樹脂組成
物を得、同様に物性を評価した。
−607)を63重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を13.5重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel
=3.4)を13.5重量部、不飽和カルボン酸またはその無
水物をグラフトさせる事により変性された水添ブロック
共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を3.5重量部、
未変性水添ブロック共重合体(シェル化学(株)製G165
2)を6.5重量部用いる以外は実施例1と同様にして樹脂
組成物を得、同様に物性を評価した。
−607)を50重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を25重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ(株)
製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel=3.
4)を25重量部、未変性水添ブロック共重合体(シェル
化学(株)製G1652)を10重量部用いる以外は実施例1
と同様にして樹脂組成物を得、同様に物性を評価した。
−607)を63重量部、ポリアミド樹脂A(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1025,数平均分子量14000,ηrel=
2.3)を13.5重量部、ポリアミド樹脂B(ユニチカ
(株)製ナイロン6,A1030BRT,数平均分子量25500,ηrel
=3.4)13.5重量部、未変性水添ブロック共重合体(シ
ェル化学(株)製G1652)を10重量部用いる以外は実施
例1と同様にして樹脂組成物を得、同様に物性を評価し
た。
粘度ナイロンと高粘度ナイロンを併用した効果が明白に
わかる。
することである。更に詳しくは、従来非相容の〔ABS/ナ
イロン〕に対し、衝撃改良剤として働く不飽和カルボン
酸またはその無水物をグラフトさせる事により変性され
た水添ブロック共重合体、又はこの変性された水添ブロ
ック共重合体と未変性の水添ブロック共重合体の混合物
を添加すると、驚くべきことに相溶化剤としても働き従
来より耐衝撃性が良い組成物が得られる。
ので、この組成物は耐薬品性が良好であり、種々のナイ
ロンが混合できるので、成形加工性が良好である。
ン酸またはその無水物をグラフトさせる事により変性さ
れた水添ブロック共重合体を多量に混合できるので、ナ
イロンの吸湿性を低減すると共に寸法安定性を向上させ
る効果もある。
Claims (2)
- 【請求項1】(A)ゴム状重合体5〜70重量部に芳香族
ビニル単量体50〜90重量%、シアン化ビニル単量体10〜
50重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体0〜
40重量%からなる単量体混合物30〜95重量部をグラフト
させたグラフト共重合体 20〜80重量部、 (B)濃硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度
(ηrel)が25℃で1.7以上2.5未満であるポリアミド樹
脂 10〜50重量部、 (C)濃硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度
(ηrel)が25℃で2.5以上6.9未満であるポリアミド樹
脂 10〜50重量部、 (D)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさ
せる事により変性されたビニル芳香族化合物と共役ジエ
ンとのブロック共重合体の水素添加物 3〜30重量部 から成る(但し、(A)+(B)+(C)+(D)=10
0重量部である)ことを特徴とする耐衝撃性と成形加工
性に優れた熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】(A)ゴム状重合体5〜70重量部に芳香族
ビニル単量体50〜90重量%、シアン化ビニル単量体10〜
50重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体0〜
40重量%からなる単量体混合物30〜95重量部をグラフト
させたグラフト共重合体 20〜80重量部、 (B)濃硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度
(ηrel)が25℃で1.7以上2.5未満であるポリアミド樹
脂 10〜50重量部、 (C)濃硫酸中1重量%濃度の溶液の相対粘度
(ηrel)が25℃で2.5以上6.9未満であるポリアミド樹
脂 10〜50重量部、 (D)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさ
せる事により変性されたビニル芳香族化合物と共役ジエ
ンとのブロック共重合体の水素添加物、及び未変性のビ
ニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の
水素添加物の混合物 3〜30重量部 から成る(但し、(A)+(B)+(C)+(D)=10
0重量部である)ことを特徴とする耐衝撃性と成形加工
性に優れた熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1166065A JP2670355B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 耐衝撃性と成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1166065A JP2670355B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 耐衝撃性と成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0331355A JPH0331355A (ja) | 1991-02-12 |
JP2670355B2 true JP2670355B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=15824326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1166065A Expired - Fee Related JP2670355B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 耐衝撃性と成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2670355B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101678308B1 (ko) * | 2015-07-07 | 2016-12-06 | 광성(주) | 결빙 방지용 루버를 갖는 선박용 공기 통풍 장치 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2723956B2 (ja) * | 1989-03-15 | 1998-03-09 | ダイセル化学工業株式会社 | 耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
-
1989
- 1989-06-28 JP JP1166065A patent/JP2670355B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0331355A (ja) | 1991-02-12 |
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