JP2604601B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2604601B2
JP2604601B2 JP23350587A JP23350587A JP2604601B2 JP 2604601 B2 JP2604601 B2 JP 2604601B2 JP 23350587 A JP23350587 A JP 23350587A JP 23350587 A JP23350587 A JP 23350587A JP 2604601 B2 JP2604601 B2 JP 2604601B2
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太一 西尾
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住友化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は,射出成形や押出成形等により,成形品,シ
ートあるいはフィルム等として利用できる新規な熱可塑
性樹脂組成物に関するものである。
更に詳しくは,ポリフェニレンエーテルからなる分散
相と結晶性熱可塑性樹脂マトリックス相および相容化剤
からなる,耐熱性,機械的物性,加工性に優れた新規な
熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
<従来の技術> 一般にポリフェニルエーテルは,機械的性質,耐熱
性,電気的性質,耐薬品性,耐熱水性,耐炎性並びに寸
法安定性等の諸特性に優れた熱可塑性樹脂であるが,一
方その溶融粘度が高いために,加工性が悪く,また耐衝
撃性が比較的不良であるという欠点を有する。
ポリフェニレンエーテルの優れた諸特性を保持したま
ま,溶融粘度を低下せしめて,成形加工性を改善する方
法として,ポリフェニレンエーテルとポリスチレンとの
複合物が知られているが,実用的な加工性の付与により
ポリフェニレンエーテル本来の耐熱性,耐炎性及び耐薬
品性等の優れた特性が失なわれやすくなる。又,ポリフ
ェニレンエーテルの耐衝撃性は,ポリスチレンとの組合
せによってもまだ充分でない。
一方,結晶性熱可塑性樹脂は一般に,耐熱性,剛性,
強度,耐油性等に特長をもつが,耐衝撃性が不良の場合
が多い。衝撃強度を改良するため,ゴム成分をブレン
ド,共重合する事も行なわれているが,耐熱性や表面硬
度が著しく低下する問題点がある。さらに,結晶性熱可
塑性樹脂は溶融すると粘度が低くなり,成形しやすくな
るが,成形加工時,結晶固化温度を少しでも下まわる条
件では急速に固化し,成形条件巾がせまいという問題も
ある。又,実使用上,物性変化,寸法変化が著しく,一
層の改良が強く望まれている。又,耐熱性の結晶性熱可
塑性樹脂は多くの場合,吸水性が大きく,物性変化,寸
法安定性のみならず,外観不良を発生する等の問題点を
有している。
<発明が解決しようとする問題点> かかる観点より,ポリフェニレンエーテルと結晶性熱
可塑性樹脂とを配合し,両者の特長を有し,かつ成形加
工性,耐衝撃性を改良した樹脂組成物が得られたなら
ば,広汎な新規用途の可能性が期待されるところであ
る。
しかしながら従来より,ポリフェニレンエーテルと結
晶性熱可塑性樹脂は,溶融粘度が著しく異なり,相容分
散性の極めて乏しい組合せとされている。
事実,単純に混合しただけでは, 溶融ポリマーの粘度差が著しいため,押出ストラン
ドの安定した引取りは不可能に近く,成形作業性も著し
く不良である。
又,成形物の機械的物性,特に耐衝撃性は,各々単
独体の衝撃強度の加成性から予想される値よりも低い値
を示すことが多い。
などの問題点があった。
これらの問題点の解決のため,例えばポリフェニレン
エーテルとポリアミド系では特公昭60−11966号,特開
昭56−47432号,特開昭57−10642号及び特開昭60−5846
3号等の公報に記載されているように,反応性や相容性
をもつ添加剤による改良方法等が提案されている。とく
に特公昭60−11966号および特開昭56−47432号に記載さ
れた方法は,有効な効果を示すものであるが,衝撃強度
の向上効果が不充分であり,実用上の使用に限界をもた
らす。
さらに,特開昭56−49753号,特開昭57−10642号,特
開昭57−165448号および特開昭59−66452号などには,
編成したポリスチレン,ポリフェニレンエーテルやゴム
と反応性の添加剤を併用する記載もあるが,分散相の規
定が明確でなく,さらにポリフェニレンエーテルが分散
相となった場合でも,その粒径についての記載はなく,
かかる組成物は,耐衝撃性と耐熱性のバランスが不良に
なる事及び耐衝撃性の向上効果も今一歩である事などか
ら,実用上の使用に限界をもたらす等の問題点がある。
<問題点を解決するための手段> 本発明者は,かかる観点よりポリフェニレンエーテル
と結晶性熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物の改良に有
効な技術を開発すべく,広汎かつ緻密に探索,研究した
結果,ポリフェニレンエーテルからなる分散相と結晶性
熱可塑性樹脂マトリックス相および相容化剤を組合せ,
かつ該分散相の粒子径を特定することにより耐熱性,耐
衝撃性のバランスのいい,かつ耐衝撃性も著しく向上し
た成形性良好な樹脂組成物を見いだし,本発明に到達し
た。
すなわち、本発明は、 (A)一般式 (式中、R1、R2、R3、R4、R5は水素、ハロゲン原子、炭
化水素もしくは置換炭化水素基であり、少なくとも1つ
は必ず水素である。) で表わされるフェノール化合物を1種又は2種以上酸化
重合して得られる還元粘度が0.40〜0.60dl/gのポリフェ
ニレンエーテルからなる平均粒子径が0.1〜1.8μなる分
散相、 (B)結晶性熱可塑性樹脂マトリックス相および、 (C)(A)および/または(B)と相容化可能な、分
子内にカルボン酸基、酸無水物基、イミド基、カルボン
酸エステル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート
基、オキサゾリン環を有する基及び水酸基を少なくとも
1種含有する化合物、変性ゴム様物質およびエポキシ化
合物から選ばれる少なくとも1種である相容化剤(但
し、芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体がカルボ
キシル基、酸無水物基、エポキシ基、ヒドロキシル基、
アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基で変性さ
れたものを除く) から得られる組成物であって、かつ、該組成物が、あら
かじめ(A)と(C)を溶融混練し、次いで(B)を溶
融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物に関
するものである。
本発明における,(A)ポリフェニレンエーテルと
は,一般式 (式中,R1,R2,R3,R4およびR5は水素,ハロゲン原子,炭
化水素基もしくは置換炭化水素基置換炭化水素基から選
ばれたものであり,そのうち少なくとも1つは水素原子
である。) で示されるフェノール化合物の1種又は2種以上と酸化
カップリング触媒を用い,酸素又は酸素含有ガスで酸化
重合せしめて得られる重合体である。
上記一般式におけるR1,R2,R3,R4およびR5の具体例と
しては,水素,塩素,臭素,フッ素,ヨウ素,メチル,
エチル,n−またはiso−プロピル,pri−,sec−またはt
−ブチル,クロロエチル,ヒドロキシエチル,フェニル
エチル,ベンジル,ヒドロキシメチル,カルボキシエチ
ル,メトキシカルボニルエチル,シアノエチル,フェニ
ル,クロロフェニル,メチルフェニル,ジメチルフェニ
ル,エチルフェニル,アルリなどが挙げられる。
上記一般式の具体例としては,フェノール,o−,m−,
またはp−クレゾール,2,6−,2,5−,2,4−,または3,5
−ジメチルフェノール,2−メチル−6−フェニルフェノ
ール,2,6−ジフェニルフェノール,2,6−ジエチルフェノ
ール,2−メチル−6−エチルフェノール,2,3,5−,2,3,6
−または2,4,6−トリメチルフェノール,3−メチル−6
−t−ブチルフェノール,チモール,2−メチル−6−ア
リルフェノールなどが挙げられる。更に,上記一般式以
外のフェノール化合物,たとえば,ビスフェノール−A,
テトラブロモビスフェノール−A,レゾルシン,ハイドロ
キノン,ノボラック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族
化合物と,上記一般式との共重合もよい。
これらの化合物の中で好ましいものとしては,2,6−ジ
メチルフェノールまたは2,6−ジフェニルフェノールの
単独重合体および大量部の2,6−キシレノールと少量部
の3−メチル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6
−トリメチルフェノールの共重合体が挙げられる。
フェノール化合物を酸化重合せしめる際に用いられる
酸化カップリング触媒は,特に限定されるものではな
く,重合能を有するいかなる触媒でも使用し得る。たと
えば,その代表的なものとしては,塩化第1銅−トリエ
チルアミン,塩化第1銅−ピリジンなど,第1銅塩と第
3級アミン類よりなる触媒,塩化第2銅−ピリジン−水
酸化カリウムなどの第2銅塩−アミン−アリカリ金属水
酸化物よりなる触媒,塩化マンガン−エタノールアミ
ン,酢酸マンガン−エチレンジアミンなどのマンガン塩
類と第1級アミン類よりなる触媒,塩化マンガン−ナト
リウムメチラート,塩化マンガン−ナトリウムフェノラ
ートなどのマンガン塩類とアルコラートあるいはフェノ
ラートからなる触媒,コバルト塩類と第3級アミン類と
の組合せよりなる触媒などが挙げられる。
ポリフェニレンエーテルを得る酸化重合の反応温度
は,40℃より高い温度で行なう場合(高温重合)と40℃
以下で行なう場合(低温重合)とでは,物性等で違いが
あることが知られているが,本発明においては,高温重
合,または低温重合のどちらでも採用することができ
る。
更に,本発明における(A)ポリフェニレンエーテル
は,前述のポリフェニレンエーテルに,スチレン系重合
体あるいは,他の重合体がグラフトしているものも含ま
れる。これらの製造法としては,特公昭47−47862号,
特公昭48−12197号,特公昭49−5623号,特公昭52−385
96号,特公昭52−30991号などに示されているように,
ポリフェニレンエーテルの存在下,スチレン単量体およ
び/または他の重合可能な単量体を有機パーオキシドグ
ラフト重合せしめる方法,あるいは,特開昭52−142799
号で示されているような,前述のポリフェニレンエーテ
ルとポリスチレン系重合体およびラジカル発生剤を溶融
混練する方法などが挙げられる。
本発明において,(A)ポリフェニレンエーテルの25
℃,0.5g/dl濃度のクロロホルム液で測定の還元粘度は,
0.40〜0.60dl/g、好ましくは0.45〜0.55dl/gである。還
元粘度が0.40dl/g未満または0.60dl/gを超えると耐衝撃
強度が低下して好ましくない。
本発明において,(B)結晶性熱可塑性樹脂マトリッ
クス相は,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミ
ド,熱可塑性ポリエステル,ポリアセタール,ポリフェ
ニレンスルフィドおよびポリエーテルエーテルケトンか
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂で形成されるものであ
る。
本発明におけるポリエチレンとは,結晶性のポリエチ
レンであり,低密度ポリエチレン,中密度ポリエチレ
ン,高密度ポリエチレン,または直鎖状低密度ポリエチ
レ等をいう。
本発明におけるポリプロピレンとは結晶性のポリプロ
ピレンであり,ポリピレンのホモポリマーのほかにプロ
ピレンと,たとえば,エチレン,ブテン−1などのα−
オレフィンとを共重合させたブロックまたはランダムコ
ポリマー等を含む。
該ポリプロピレンは,メルトインデックスが0.1〜100
g/10分,特に0.5〜40g/10分の範囲のものが好適であ
る。
プロピレンのホモポリマー,ブロックあるいはランダ
ムコポリマーは,たとえば,通常チーグラーナッタ型触
媒と呼称される三塩化チタンおよびアルキルアルミニウ
ム化合物との組合せ触媒の存在下に反応させて得ること
ができる。
本発明におけるポリアミドとは,3員環以上のラクタ
ム,重合可能なω−アミノ酸,2塩基酸とジアミンなどの
重縮合によって得られるポリアミドを用いることができ
る。具体的には,ε−カプロラクタム,アミノカプロン
酸,エナントラクタム,7−アミノヘプタン酸,11−アミ
ノウンデカン酸などの重合体,ヘキサメチレンジアミ
ン,ノナメチレンジアミン,ウンデカメチレンジアミ
ン,ドデカメチレンジアミン,メタキシリレンジアミン
などのジアミンと,テレフタル酸,イソフタル酸,アジ
ピンン酸,セバチン酸,ドデカン2塩基酸,グルタール
酸などのジカルボン酸と重縮合せしめて得られる重合体
またはこれらの共重合体が挙げられる。
具体例としては,ポリアミド6,ポリアミド6,6,ポリア
ミド6,10,ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,12
のような脂肪族ポリアミド,ポリヘキサメチレンジアミ
ンテレフタルアミド,ポリヘキサメチレンジアミンイソ
フタルアミド,キシレン基含有ポリアミドのような芳香
族ポリアミド等が挙げられ,これらは2種以上の混合物
または共重合体として用いることもできる。
本発明における熱可塑性ポリエステルとは,ジカルボ
ン酸成分の少なくとも40モル%がテレフタル酸であるジ
カルボン酸成分およびジオール成分からなり,上記テレ
フタル酸以外のジカルボン酸成分としては,アジピン
酸,セバシン酸,ドデカンジカルボン酸などの炭素数2
〜20の脂肪族ジカルボン酸,イソフタル酸,ナフタレン
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸,またはシクロ
ヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸の単独
ないしは混合物が挙げられ,上記ジオール成分としては
エチレングリコール,1,3−プロパンジオール,1,4−ブタ
ンジオール,1,6−ヘキサンジオール,1,10−デカンジオ
ール,1,4−シクロヘキサンジオールおよび4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルなどの脂肪族グリコール,脂環式グ
リコール,芳香族グリコールの単独又は混合物が挙げら
れる。
これら熱可塑性ポリエステルの中でも,特にポリブチ
レンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレート
の場合に本発明の効果がより望ましく発揮できる。また
これらの場合,溶媒としてo−クロロフェノールを用い
25℃で測定した固定粘度は0.5〜3.0の範囲であることが
好ましく,この固有粘度範囲以外のものを使用しても目
的とする機械的強度は望み難い。
本発明における(C)相容化剤とは,(A)ポリフェ
ニレンエーテルからなる分散相および/または(B)結
晶性の熱可塑性樹脂マトリックス相と相容化可能なもの
をいい,該各相を安定化させる機能を有し,実使用時に
不安定となり外観不良や物性低下をさせないものを言
う。
これには,低分子量の界面活性剤や石鹸類も用いるこ
とができるが,高分子量のものがより相の安定性におい
て望ましい。より望ましくは,相の安定性を強くするた
め低分子量のものでも,高分子量のものでも,単純な親
和性でなく,部分的にでも,各相のどちらか,又は両方
に反応するものが良い。さらに望ましくは,この相容化
剤自体が,(A)および/または(B)成分と親和性を
もつか,反応するもので,衝撃吸収能をもつものが良
い。
低分子量の相容化剤としては,分子内にカルボン酸
基,酸無水物基,イミド基,カルボン酸エステル基,エ
ポキシ基,アミノ基,イソシアネート基,オキサゾリン
環を含有する基及び水酸基を少なくとも1種含有する化
合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。具体
的には,脂肪族のカルボン酸,芳香族のカルボン酸ある
いは,これらの酸のエステル,酸無水物,又,これらの
カルボン酸及び/または酸無水物からのイミド物,ある
いは脂肪族のグリコールやフェノール類,あるいはトル
エンジイソシアネートやメチレンビス(4−フェニルイ
ソシアネート)に代表されるイソシアネート類,あるい
は2−ビニル−2−オキサゾリンに代表されるオキサゾ
リン類,あるいはエピクロルヒドリンやグリシジルメタ
クリレートに代表されるエポキシ化合物,あるいは脂肪
族アミン,脂肪族ジアミン,脂肪族トリアミン,脂肪族
テトラミン等やm−フェニレンジアミン,4,4′−メチレ
ンジアニリン,ベンジシン等の芳香族アミン類などであ
る。さらに,以下に示す不飽和化合物はより好ましい。
具体例としては,無水マレイン酸,マレイン酸,フマ
ール酸,マレイミド,マレイン酸ヒドラジド,無水マレ
イン酸とジアミンとの反応物たとえば (但し,Rは脂肪族,芳香族基を示す。) などで示される構造を有するもの,無水メチルナジック
酸,無水ジクロロマレイン酸,マレイン酸アミド,大豆
油,キリ油,ヒマシ油,アマニ油,麻実油,綿実油,ゴ
マ油,菜種油,落花性油,椿油,オリーブ油,ヤシ油,
イワシ油などの天然油脂類,アクリル酸,ブテン酸,ク
ロトン酸,ビニル酢酸,メタクリル酸,ペンテン酸,ア
ンゲリカ酸,チブリン酸,2−ペンテン酸,3−ペンテン
酸,α−エチルアクリル酸,β−メチルクロトン酸,4−
ペンテン酸,2−ヘキセン酸,2−メチル−2−ペンテン
酸,3−メチル−2−ペンテン酸,α−エチルクロトン
酸,2,2−ジメチル−3−ブテン酸,2−ヘプテン酸,2−オ
クテン酸,4−デセン酸,9−ウンデセン酸,10−ウンデセ
ン酸,4−ドデセン酸,5−ドデセン酸,4−テトラデセン
酸,9−テトラデセン酸,9−ヘキサデセン酸,2−オクタデ
セン酸,9−オクタデセン酸,アイコセン酸,ドコセン
酸,エルカ酸,テトラコセン酸,マイコリペン酸,2,4−
ペンタジエン酸,2,4−ヘキサジエン酸,ジアリル酢酸,
ゲラニウム酸,2,4−デカジエン酸,2,4−ドデカジエン
酸,9,12−ヘキサデカジエン酸,9,12−オクタデカジエン
酸,ヘキサデカトリエン酸,リマール酸,リノレン酸,
オクタデカトリエン酸,アイコサジエン酸,アイコサト
リエン酸,アイコサテトラエン酸,リシノール酸,エレ
オステアリン酸,オレイン酸,アイコサペンタエン酸,
エルシン酸,ドコサジエン酸,ドコサトリエン酸,ドコ
サテトラエン酸,ドコサペンタエン酸,テトラコセン
酸,ヘキサコセン酸,ヘキサコジエン酸,オクタコセン
酸,トラアコンテン酸などの不飽和カルボン酸,あるい
はこれら不飽和カルボン酸のエステル,無水物,不飽和
オキサゾリン類あるいはアリルアルコール,クロチルア
ルコール,メチルビニルカルビノール,アリルカルビノ
ール,メチルプロペニルカルビノール,4−ペンテン−1
−オール,10−ウンデセン−1−オール,プロパルギル
アルコール,1,4−ペンタジエン−3−オール,1,4−ヘキ
サジエン−3−オール,3,5−ヘキサジエン−2−オー
ル,2,4−ヘキサジエン−1−オール,一般式CnH2n5O
H,CnH2n7OH,CnH2n9OH(但し,nは正の整数)で示さ
れるアルコール,3−ブテン−1,2−ジオール,2,5−ジメ
チル−3−ヘキセン−2,5−ジオール,1,5−ヘキサジエ
ン−3,4−ジオール,2,6−オクタジエン−4,5−ジオール
などの不飽和アルコールあるいはこのような不飽和アル
コールのOH基を,−NH2基に置き換えた不飽和アミンな
どが挙げられる。
また,トルエンジイソシアネートやメチレンジフェニ
ルジイソシアネート等のイソシアネート類も含まれる。
さらにこれらの相容化剤を導入した,低分子量(例えば
500〜10,000)の種類のポリマー,ゴムも含まれる。
又,高分子量の相容化剤としては,前述した低分子量の
相容化剤を導入した高分子量(例えば10,000以上)のポ
リマーを含むが,より好ましくは,ポリエチレン,ポリ
プロピレン,及びエチレン−プロピレン共重合体,エチ
レン−ブテン共重合体等のポリオレフィン共重合体,ポ
リスチレン,又は前述したポリアミド,熱可塑性ポリエ
ステル,又はポリフェニレンスルフィド,ポリアセター
ル,ポリエーテルエーテルケトンに低分子量の相容化剤
を導入したものが良い。これらのポリマーは,他の成分
が共重合されたものも含む。さらにより好ましくは,変
性ゴム様物質,及びエポキシ化合物から選ばれる少なく
とも1種のものが良い。
本発明において変性ゴム様物質とは,ゴム様物質を変
性して得られるものをいう。
本発明におけるゴム様物質とは,室温で弾性体である
天然及び合成の重合体材料をいう。
その具体例としては,天然ゴム,ブタジエン重合体,
ブタジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体,ブ
ロック共重合体,グラフト共重合体などすべて含まれ
る),イソプレン重合体,クロロブタジエン共重合体,
ブタジエン−アクリルニトリル共重合体,イソブチレン
重合体,イソブチレン−ブタジエン共重合体,イソブチ
レン−イソプレン共重合体,アクリル酸エステル共重合
体,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ブテン
共重合体,エチレン−プロピレン−非共役ジエン3元共
重合体,チオールゴム,多硫化ゴム,ポリウレタンゴ
ム,ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレンオキシド
等),エピクロルヒドリンゴム,ポリエステルエラスト
マー,ポリアミドエラストマーなどが挙げられる。
これらのゴム様物質は,いかなる製造法(例えば乳化
重合,溶液重合)いかなる触媒(例えば過酸化物,トリ
アルキルアルミニウム,ハロゲン化リチウム,ニッケル
系触媒)でつくられたものでもよい。
更に各種の架橋度を有するもの,各種の割合いのミク
ロ構造を有するもの(例えば,シス構造,トランス構
造,ビニル基など),あるいは各種の平均ゴム粒径を有
するものも使われる。
又,共重合体は,ランダム共重合体,ブロック共重合
体,グラフト共重合体など各種の重合体は,いづれも本
発明のゴム様物質として用いられる。
本発明において,ゴム様物質の変性は,前述の低分子
量の相容化剤を少なくとも1種を,どのような方法で導
入したものでもよく,一般的には,共重合(ランダム共
重合,ブロック共重合,グラフト共重合などすべて含ま
れる)や,分子の主鎖,側鎖,末端への反応などが挙げ
られる。
又,本発明においてエポキシ化合物とは,エポキシ樹
脂,その前駆体,及びエポキシ基含有共重合体などであ
る。
例えば、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂前駆体は、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹
脂、3官能型エポキシ樹脂、4官能型エポキシ樹脂及び
これらの前駆体などがある。又、反応性希釈剤などを入
れたエポキシ樹脂組成物も含む。
又、エポキシ基含有共重合体とは、不飽和エポキシ化
合物とエチレン系不飽和化合物とからなる共重合体やエ
ポキシ化ポリエステル、エポキシ化ポリアミドなどであ
る。
不飽和エポキシ化合物とエチレン系不飽和化合物とか
らなる共重合体については、不飽和エポキシ化合物とし
ては分子中にエチレン系不飽和化合物と共重合しうる不
飽和基と、それにエポキシ基をそれぞれ有する化合物で
ある。
たとえば、下記一般式(1),(2)等で表わされる
ような不飽和グリシジルエステル類、不飽和グリシジル
エーテル類等が挙げられる。
(Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の炭
化水素基である。) (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の炭
化水素基であり、Xは−CH2−O−,または である。) 具体的にはグリシジルアクリレート,グリシジルメタ
クリレート,イタコン酸グリシジルエステル類,アリル
グリシジルエーテル,2−メチルアリルグリシジルエーテ
ル,スチレン−p−グリシジルエーテル等が例示され
る。
エチレン系不飽和化合物とはオレフィン類、炭素数2
〜6の飽和カルボン酸のビニルエステル類,炭素数1〜
8の飽和アルコール成分とアクリル酸またはメタクリル
酸とのエステル類およびマレイン酸エステル類およびメ
タクリル酸エステル類およびフマル酸エステル類,ハロ
ゲン化ビニル類,スチレン類,ニトリル類,ビニルエー
テル類およびアクリルアミド類などが挙げられる。
具体的にはエチレン,プロピレン,ブテン−1,酢酸ビ
ニル,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,メタクリ
ル酸メチル,マレイン酸ジエチル,フマル酸ジエチル,
塩化ビニル,塩化ビニリデン,スチレン,アクリロニト
リル,イソブチルビニルエーテルおよびアクリルアミド
等が例示される。これらの単独体又は2種以上の混合物
でもよい。これらのうちでも特にエチレンが好ましい。
エポキシ基含有共重合体の組成比に特に制限はない
が,不飽和エポキシ化合物が0.1〜50重量%,好ましく
は1〜30重量%共重合されたものが望ましい。
エポキシ基含有共重合体は種々の方法でつくることが
できる。不飽和エポキシ化合物が共重合体の主鎖中に導
入されるランダム共重合方法および不飽和エポキシ化合
物が共重合体の側鎖として導入されるグラフト共重合方
法のいずれをも採りうる。製造方法としては、具体的に
不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存
在下,500〜4,000気圧,100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移
動剤の存在下,または不存在下に共重合させる方法,ポ
リプロピレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発
生剤を混合し,押出機の中で溶融グラフト共重合させる
方法,あるいは不飽和エポキシ化合物とエチレン系不飽
和化合物とを水または有機溶剤等の不活性溶媒中,ラジ
カル発生剤の存在下共重合させる方法等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中で,特に不飽和エポキシ
化合物とエチレン系不飽和化合物とからなる共重合体が
好ましく,特に,エチレンと不飽和エポキシ化合物から
なる共重合体および/またはエチレン,エチレン以外の
エチレン系不飽和化合物および不飽和エポキシ化合物か
らなる共重合体がより好ましい。
本発明における(A)ポリフェニレンエーテルからな
る分散相,(B)結晶性熱可塑性マトリックス相および
(C)(A)および/または(B)と相容化可能な相容
化剤からなる樹脂組成物において,これらの組成比は,
好ましくは,(A)は1〜60重量%,(B)は35〜98.9
重量%,(C)は0.1〜50重量%である。
(A)が1重量%未満では,耐熱性,寸法安定性,成
形加工性が不良となり,60重量%を超えた場合は,
(A)が分散相を形成せず,衝撃強度,成形加工性が不
良となる。(B)が35重量%未満では,マトリックス相
を形成する事ができず,衝撃強度が低下し,加工性も不
良となる。又,98.9重量%を超えた場合は,耐熱性,寸
法安定性,吸湿性,成形加工性が改良されない。さらに
(C)が0.1重量%未満では,相が不安定となり,衝撃
強度が低下する。50重量%を超えた場合は,ゲル化が進
み,成形性が不良となる。又,(B)がマトリックス相
を形成しにくくなり,相が不安定となり衝撃強度が低下
する。
又,本発明における(A)ポリフェニレンエーテルか
らなる分散相の平均粒径は,0.01〜10μが適当である。
好ましくは0.05〜5μであり,より好ましくは0.05〜3
μである。さらにより好ましくは0.1〜2μであり,も
っとも好ましくは0.1〜1.8μである。粒径が上記範囲外
では衝撃強度が低下して好ましくない。
本発明の樹脂組成物は,上記配合物以外にさらに,
(D)成形品中におけるアスペクト比(長軸と短軸の
比)が10以上の,ガラス繊維,カーボン繊維,ポリアミ
ド繊維及び金属ウイスカーなどの繊維状の強化複合材,
または,(E)平均粒径が10μ以下のシリカ,アルミ
ナ,炭酸カルシウム,タルク,マイカ,カーボンブラッ
ク,TiO2およびZnOのような無機充てん剤(繊維状物を除
く)を配合することができる。
該(D)繊維状の強化複合材または,(E)無機充て
ん剤を配合する場合その配合量は,(A)ポリフェニレ
ンエーテルからなる分散相,(B)結晶性熱可塑性樹脂
マトリックス相および,(C)相容化剤からなる樹脂組
成物100重量部に対して,1〜50重量部である。
さらに,本発明においてはSb2O3のような難燃剤ある
いは,難燃助剤,その他滑剤,核剤,可塑剤,染料,顔
料,帯電防止剤,酸化防止材,耐候性付与剤等を添加し
た複合材として使うことが好ましい態様の一つである場
合がある。
本発明の樹脂組成物を製造する方法に特に制限はな
く,通常の公知の方法を用いることができる。
溶液状態で混合し,溶剤を蒸発させるか,非溶剤中に
沈澱させる方法も効果的であるが,工業的見地からみて
実際には溶融状態で混練する方法がとられる。溶融混練
には一般に使用されている一軸又は二軸の押出機,各種
のニーダー等の混練装置を用いることができる。特に二
軸の高混練等が好ましい。
混練に際しては,各樹脂成分はいずれも粉末ないしは
ペレットの状態であらかじめタンブラーもしくはヘンシ
ェルミキサーのような装置で均一に混合することが好ま
しいが,必要な場合には混合を省き,混練装置にそれぞ
れ別個に定量供給する方法も用いることができる。
混練された樹脂組成物は射出成形,押出成形その他各
種の成形法によって成形されるが,本発明はまた,あら
かじめ混練の過程を経ず,射出成形や押出成形時にドラ
イブレンドして溶融加工操作中に直接混練して成形加工
品を得る方法をも包含する。
本発明において混練順序に特に制限はなく,(A),
(B),および(C)を一括混練してもよく,あらかじ
め(A)と(B)を混練し,次いで(C)を混練しても
よく,またあらかじめ(A)と(C)を混練し,次いで
(B)を混練してもよい。またその他の混練順序も採り
得る。ただし,(B)と(C)とをあらかじめ混練し,
次いで(A)を混練するという方法はゲル化を生じ,好
ましい最終樹脂組成物が得られないので避けなければな
らない。
本発明の樹脂組成物は,射出成形や押出成形により成
形品,シート,チューブ,フィルム,繊維,積層物,コ
ーティング材として用いられるものである。特に自動車
用部品,例えば,バンパー,インパネ,フェンダー,ト
リム,ドアーパネル,ホィールカバー,サイドプロテク
ター,ガーニッシュ,トランクリッド,ボンネット,ル
ーフ等,内装・外装材料,さらには耐熱性の要求される
機械部品に用いられる。又,二輪車用部品として,例え
ば,カバリング材,マフラーカバー,レッグシールド等
に用いられる。さらに,電気,電子部品として,ハウジ
ング,シャーシ,コネクター,プリント基板,プーリ
ー,その他,強度及び耐熱性の要求される部品に用いら
れる。
<実施例> 以下実施例により本発明を説明するが,これらは単な
る例示であり,本発明はこれに限定されることはない。
なお,実施例中の荷重たわみ温度試験(H.D.T.)はJIS
K7207に従って実施した。アイゾット衝撃強度(厚さ3.2
mm)はJIS K7110による試験結果である。また,M.I.はJI
S K7210により測定を行なった。
本実施例及び比較例で用いたポリフェニレンエーテ
ル,エポキシ化合物,変性ゴム様物質は,以下の処方で
得た。結晶性熱可塑性樹脂,エポキシ化合物の内,エポ
キシ樹脂は,市販のものを用いた。
ポリフェニレンエーテル 2,6−ジメチルフェノールをトルエン及びメタノール
に溶かし,塩化マンガン−エチレンジアミンを添加,酸
素雰囲気下で,反応温度30℃にて酸化重合する事によっ
て得た。
変性ゴム様物質 エチレンプロピレンゴムと無水マレイン酸及びターシ
ャリーブチルパーオキシラウレートを予め混合した。ス
クリュー径30mmφL/D=28の押出機をバレル温度230℃に
設定しスクリュー回転数60rpmで押出機反応を行ないダ
イスより吐出された変性ゴムストランドを水冷後ペレッ
ト化した。
エポキシ化合物 グリシジルメタクリレート−エチレン−酢酸ビニル共
重合体を,特開昭47−23490号公報および特開昭48−113
88号公報記載の方法を参考にして製造した。すなわち,
供給口と取り出し口および撹拌機を備え,温度制御ので
きる40のステンレス製の反応器を用い,グリシジルメ
タクリレート,エチレン,酢酸ビニル,ラジカル開始剤
および連鎖移動剤を連続的に供給しながら撹拌下,1,400
〜1,600気圧,180〜200℃の条件で共重合を行なった。
ポリアミド ポリアミド6.6:UBEナイロン 2020B(宇部興産(株)
製) ポリアミド6:UBEナイロン 1013B(宇部興産(株)製) ポリエステル ポリブチレンテレフタレート:タフペットPBT N−100
0(三菱レーヨン(株)製) ポリエチレンテレフタレート:ユニチカポリエステルMA
2101 (ユニチカ(株)製) エポキシ樹脂 スミエポキシ ELM−434住友化学工業(株)製,4官能
型エポキシ樹脂,エポキシ当量110〜130g/eq オレイン酸アミド 「デノンSL−1 」 丸菱油化(株)製 比較例4 ポリフェニレンエーテル(ηsp/c=0.47dl/g,0.5g/dl
濃度のクロロホルム中,25℃で測定した還元粘度)40wt
%とポリアミド66「UBEナイロン 2020B」50wt%と無水
マレイン酸グラフトエチレンプロピレンゴム(無水マレ
イン酸グラフト量0.7wt%対エチレンプロピレンゴム)1
0wt%を連続二軸混練機(TEX−44 日本製鋼所製)で樹
脂温度310℃,スクリュー回転数500rpmで溶融混練後,
造粒し,射出成形機(東芝製,IS−150)でテストピース
を成形後物性測定を行なった。
物性測定結果を第1表に示した。又,アイゾット衝撃
試験片のテスト前のものの断面をミクロトームで端面仕
上げし,ポリフェニレンエーテルの良溶媒である四塩化
炭素に30分間(常温),試験片を浸漬し,ポリフェニレ
ンエーテルをエッチングした。この試験片を走査型電子
顕微鏡で観察し,ポリフェニレンエーテルの分散粒子径
を測定した。この粒子径は各々の分散粒子の最大径を測
定し,重量平均で算出した。その結果を第1表に示し
た。
比較例1 比較例4において,ポリフェニレンエーテルをηsp/c
=0.25のものに変更し,他は同様の方法で実施した。結
果を第1表に示した。
比較例5 ポリフェニレンエーテル(ηsp/c=0.51)50wt%とポ
リブチレンテレフタレート「タフペットPBT N−100
6」50wt%からなる組成物100重量部に対し,相容化剤と
してエポキシ樹脂「スミエポキシELM434 」を1重量部
添加し,小型バッチ式二軸混練機「ラボプラストミ
」(東洋精機製)を用い,温度260℃,ローター回
転数90rpm,5分間溶融混練した。得られた組成物を270℃
でプレス成形し,アイゾット衝撃試験片及び荷重たわみ
温度試験片を作製した。物性測定結果及び比較例4の方
法で測定したポリフェニレンエーテルの平均分散粒子径
を第2表に示した。
比較例2 比較例5の相容化剤であるエポキシ樹脂の代りに,オ
レイン酸アミド「デノンSL−1 」(丸菱油化(株)
製)を1重量部添加し,他は同様の方法で実施した。結
果を第2表に示した。
比較例6 ポリフェニレンエーテル(ηsp/c=0.55)を30wt%と
ポリエチレンテレフタレート「ユニチカポリエステルMA
2101 」56wt%と,グリシジルメタクリレート−エチレ
ン−酢酸ビニル(GMA−E−VA)共重合体14wt%を比較
例5の方法と同様にして実施した。物性測定結果及びポ
リフェニレンエーテルの分散平均粒子径を第3表に示し
た。
比較例3 比較例6と同一組成のものを,まず,第1段目でポリ
エチレンテレフタレート「ユニチカポリエステルMA2101
」80wt%とGMA−E−VA共重合体20wt%とラボプラス
トミル で溶融混練し,次いでこの組成物70wt%とポリ
フェニレンエーテル30wt%を再びラボプラストミル
比較例6と同様な方法で混練,成形し,物性を測定し
た。結果を第3表に示した。
比較例7 ポリフェニレンエーテル(ηsp/c=0.52)を40wt%と
ポリアミド6「UBEナイロン 1013B」50wt%と無水マレ
イン酸グラフトエチレンプロピレンゴム10wt%を比較例
5と同様の方法にて実施した。結果を第4表に示した。
比較例8 比較例7のポリアミド6の代りに,ポリアミド66「UB
Eナイロン 2020B」を用い,他は比較例7と同様にして
実施した。結果を第4表に示した。
これらの例より,ポリフェニレンエーテルからなる分
散相の平均粒子径が小さい程,Izod衝撃値が高くなる
事,及び10μをこえると,実用上問題となると思われる
低いIzod衝撃値となり,ポリフェニレンエーテルからな
る分散相の粒子径が重要な因子である事がわかる。
そしてこの分散粒子径は,ポリフェニレンエーテルの
分子量や,相容化剤,混練方法により変化する事を見い
だした。これらの事実は,従来のポリフェニレンエーテ
ル組成物の技術では容易に推定できない驚くべきことで
あった。
比較例9 比較例4において,ポリフェニレンエーテルをηsp/c
=0.55のものを用いた他は,比較例4と同様に実施し
た。結果を第1表に示した。
比較例10 比較例4において,ポリフェニレンエーテルをηsp/c
=0.57のものを用いた他は,比較例4と同様に実施し
た。結果を第1表に示した。驚くべき事に第1表より,
ポリフェニレンエーテルの還元粘度には適切な領域があ
り,0.40未満となると分散粒子径が大きくなり,Izod衝撃
値を低下し好ましくないことがわかる。また還元粘度が
0.60に近くなると,分散粒子径が大きくなる傾向にあ
る。
比較例11 ポリフェニレンエーテル(ηsp/c=0.47dl/g)を40wt
%とポリアミド66「UBEナイロン 2020B」50wt%と無水
マレイン酸グラフトエチレンプロピレンゴム(無水マレ
イン酸グラフト量0.7wt%対エチレン−プロピレンゴ
ム)10wt%を,小型バッチ式二軸混練機「ラボプラスト
ミル 」で260℃5分間,ローター回転数90rpmに混練
し,プレス成形(270℃)にて試験片を作製し物性を測
定した。結果を第5表に示した。
比較例12 比較例11の混練条件で,温度を280℃に変更して実施
した。結果を第5表に示した。
比較例11,12より,同一組成でも混練条件が異なる
と,ポリフェニレンエーテルよりなる分散相の粒子径が
変化し,衝撃強度が著しく変化することがわかる。すな
わち,分散粒子径の重要性を明確にあらわしていると考
えられる。
比較例13 比較例9において,ポリアミド66の組成を45wt%と
し,グリシジルメタクリレート−エチレン−酢ビ共重合
体(グリシジルメタクリレート含有量10wt%対共重合
体)を5wt%に変更し,他は同様の方法で実施した。結
果を第1表に示した。
実施例1 ポリフェニレンエーテル(ηsp/c=0.47dl/g)50wt%
と無水マレイン酸グラフトエチレンプロピレンゴム(無
水マレイン酸グラフト量0.7wt%対エチレンプロピレン
ゴム)10wt%及び無水マレイン酸0.6重量部(対全組成
物)を連続二軸混練機(TEX−44 日本製鋼所製)の第
1ホッパーから投入し,第1ホッパーとベント孔との中
間に設けた第2ホッパーよりポリアミド6「UBEナイロ
1013B」40wt%を投入し,樹脂温度310℃から340
℃,スクリュー回転数380rpmで溶融混練後,造粒した。
その後射出成形機(東芝機械社製IS−150E型)でテス
トピースを成形し,物性測定を行った。
結果を第6表に示した。
実施例2 実施例1において無水マレイン酸グラフトエチレンプ
ロピレンゴムの代わりに,エチレンプロピレンゴムを用
いた他は実施例1と同様の方法で実施した。
結果を第6表に示した。
実施例3 実施例2において,無水マレイン酸0.6重量部の代わ
りに2−ビニル−2−オキサゾリンをグラフトしたポリ
スチレン(Dow社「RPS 」)を10wt%とし,ポリフェニ
レンエーテルを40wt%にした他は実施例2と同様の方法
で実施した。
結果を第6表に示した。
これらの実施例,比較例より,ポリフェニレンエーテ
ルと結晶性熱可塑性樹脂と相容化剤の組成物において,
ポリフェニレンエーテルよりなる分散相の粒子径は,衝
撃強度に驚くべき効果を示し,0.01〜10μである事が望
ましい。好ましくは0.05〜5μ,より好ましくは0.05〜
3μ,さらに好ましくは0.1〜2μ,もっとも好ましく
は0.1〜1.8μである事を見いだした。
<発明の効果> 以上説明したように,本発明による樹脂組成物は,ポ
リフェニレンエーテルよりなる分散相と結晶性熱可塑性
樹脂マトリックス相及び両者又はどちらか一方に相容化
可能な相容化剤からなり,かつ,ポリフェニレンエーテ
ルよりなる分散相の粒子径を特定する事により,従来技
術では容易に達成しえなかった衝撃強度向上を耐熱性を
ほぼ低下せずに可能せしめた。
特に,ポリフェニレンエーテルを用いた組成物におい
て,今までに分散粒子径が,衝撃強度に大きく作用する
事に注目した事がなく,従来,衝撃強度向上のために
は,ゴム成分を多用しなくてはならず,その分,耐熱性
の低下を来たしていた。
本発明は,ポリフェニレンエーテルよりなる分散相の
粒径を特定し,その特定粒子径を得るための助けとなる
相容化剤,ポリフェニレンエーテルの分子量などの規定
により,より容易に優れた高衝撃性と耐熱性のバランス
をもつ新規な組成物の発明に至った。
そして,本発明により,提供される新規な組成物は,
熱可塑性樹脂に用いられている成形加工法,例えば,射
出成形,押出成形等により,成形品,シート,フィル
ム,チューブ,コート材などに加工され,耐熱性,耐衝
撃性,加工性,寸法安定性等の物性バランスが極めて良
好な製品を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細田 覚 千葉県市原市姉崎海岸5―1 住友工業 化学株式会社内 (72)発明者 長岡 健二 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 岡田 隆行 千葉県市原市姉崎海岸5―1 住友化学 工業株式会社内 (56)参考文献 特表 昭61−502195(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 (式中、R1、R2、R3、R4、R5は水素、ハロゲン原子、炭
    化水素もしくは置換炭化水素基であり、少なくとも1つ
    は必ず水素である。) で表わされるフェノール化合物を1種又は2種以上酸化
    重合して得られる還元粘度が0.40〜0.60dl/gのポリフェ
    ニレンエーテルからなる平均粒子径が0.1〜1.8μなる分
    散相、 (B)結晶性熱可塑性樹脂マトリックス相および、 (C)(A)および/または(B)と相容化可能な、分
    子内にカルボン酸基、酸無水物基、イミド基、カルボン
    酸エステル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート
    基、オキサゾリン環を有する基及び水酸基を少なくとも
    1種含有する化合物、変性ゴム様物質およびエポキシ化
    合物から選ばれる少なくとも1種である相容化剤 (但し、芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体がカ
    ルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、ヒドロキシル
    基、アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基で変
    性されたものを除く) から得られる組成物であって、かつ、該組成物が、あら
    かじめ(A)と(C)を溶融混練し、次いで(B)を溶
    融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)ポリフェニレンエーテルの25℃クロ
    ロホルム液で測定の還元粘度が0.45〜0.55dl/gである特
    許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B)熱可塑性樹脂マトリクス相がポリエ
    チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、熱可塑性ポリエ
    ステル、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィドお
    よびポリエーテルエーテルケトンから選ばれる少なくと
    も1種の樹脂で形成される特許請求の範囲第1項記載の
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(C)相容化剤としての変性ゴム様物質
    が、分子内にカルボン酸基、酸無水物基、イミド基、カ
    ルボン酸エステル基、アミノ基、イソシアネート基およ
    び水酸基を少なくとも1種含有する化合物から選ばれる
    少なくとも1種により変性されたゴム様物質である特許
    請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】分子内にカルボン酸基、酸無水物基、イミ
    ド基およびアミノ基を少なくとも1種含有する化合物が
    アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、無水マレイン
    酸、マレイン酸ヒドラジドまたはマレイミドである特許
    請求の範囲第1項または第4項記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(C)相容化剤としてのエポキシ化合物
    が、エポキシ樹脂および/またはその前駆体である特許
    請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(C)相容化剤としてのエポキシ化合物
    が、エチレンと不飽和エポキシ化合物からなる共重合体
    および/またはエチレン、エチレン系不飽和化合物(エ
    チレンを除く)および不飽和エポキシ化合物からなる共
    重合体である特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(A)ポリフェニレンエーテルからなる分
    散相が1〜60重量%、 (B)結晶性熱可塑性樹脂マトリックス相が35〜98.9重
    量%、および (C)相容化剤が0.1〜50重量% である特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】(A)成分、(B)成分および(C)成分
    の合計量100重量部に対して更に、(D)アスペクト比
    (長軸と短軸の比)が10以上の繊維状の強化複合材また
    は、(E)平均粒径が10μ以下の無機充填剤(繊維状物
    を除く)を1〜50重量部を含む特許請求の範囲第1項記
    載の樹脂組成物。
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