JP2676017B2 - ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリフェニレンサルファイド樹脂組成物及び
その製造法に関し、特にポリフェニレンサルファイド
(以下PPSと云うことがある)樹脂の衝撃に対する脆さ
が改良され、良好な外観及び耐熱性を有する樹脂組成物
の製造法及びそれにより製造された樹脂組成物に関す
る。
〔従来の技術〕
PPS樹脂は耐熱性、難燃性、耐薬品性、高剛性に優
れ、エンジニアリングプラスチックとして極めて有用な
樹脂であるが、衝撃に対して脆いという欠点をも有して
いる。このためPPSの優れた特性を利用しようとする樹
脂組成物、あるいはその欠点を改良しようとする樹脂組
成物が提案されている。
例えば、特開昭50−156561号公報にはポリフェニレン
エーテル(以下PPEと云うことがある)の成形性、難燃
性を改良するためにPPSを添加したところのPPEとPPSと
からなる樹脂組成物が開示されている。
また特開昭53−69255号公報はPPS及びポリアミドを含
有するポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を開示し
ている。これはPPSの脆さを改良しようとするものであ
る。
さらに、特開昭59−213758号公報は、PPSとPPEの相溶
性を改良するためにポリアミド樹脂及びエポキシ樹脂を
PPSとPPEとのブレンド物に混合した樹脂組成物を提案し
ている。
〔発明が解決しようとする課題) 本発明は、PPSの脆さを改善するためにPPSにPPE及び
ポリアミドを配合しようとするものである。しかし、PP
SとPPEとは本質的に相溶性が悪く単に混合しただけで得
られた樹脂は脆く、外観も優れたものとは云えない。PP
SとPPEとの相溶性をポリアミド及びエポキシ樹脂の添加
によって改良する場合には、エポキシ樹脂とポリアミド
及びPPSとの反応が起り溶融流動特性が一定しないとい
う問題点がある。PPSにポリアミドを混合した場合にもP
PSとポリアミドとの相溶性が不十分であり、PPSの脆さ
の改良が十分でないばかりか層分離という新たな問題点
を引き起す。
したがって、本発明はPPS,PPE及びポリアミドの三者
を用いながら、前記問題がなく、高い耐衝撃性、良好な
外観及び耐熱性を持つポリフェニレンサルファイド樹脂
組成物の製造法及びそれにより製造された樹脂組成物を
提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
(a)クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸及びこれらの
誘導体 (b)分子内に(イ)炭素−炭素二重結合又は三重結合
及び(ロ)カルボン酸基、酸無水物基、酸アミド基、イ
ミド基、カルボン酸エステル基、アミノ基又は水酸基を
有する化合物、及び (c)カルボキシル基又は酸無水物基及び酸ハライド基
を持つ化合物 より選ばれた少なくとも一つの化合物をポリフェニレン
エーテル及びポリアミドと溶融混練して、ポリフェニレ
ンエーテルとポリアミドを予め相溶化した後、更にポリ
フェニレンサルファイドと溶融混練することを特徴とす
るポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の製造法、及
びカルボキシル基又は酸無水物基を有する酸クロライド
とポリフェニレンエーテルとを混練した後、ポリアミド
と更に混練して、ポリフェニレンエーテルとポリアミド
を予め相溶化した後、更にポリフェニレンサルファイド
と溶融混練することを特徴とするポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂組成物の製造法である。
本発明の方法により製造された樹脂組成物は好ましく
は、ポリフェニレンサルファイドが連続相を形成し、該
連続相中にポリアミドが分散し、かつ該ポリアミド分散
相中にポリフェニレンエーテルが分散している。
本発明に使用するPPSとしては一般式 で示される構成単位を70モル%以上含むものがすぐれた
特性の組成物をもたらすので好ましい。PPSの重合方法
としては、p−ジクロルベンゼンを硫黄と炭酸ソーダの
存在下で重合させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリウム
あるいは水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウム又は硫化
水素と水酸化ナトリウムの存在下で重合させる方法、p
−クロルチオフェノールの自己縮合などがあげられる
が、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなど
のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫
化ナトリウムとp−ジクロルベンゼンを反応させる方法
が適当である。この際に重合度を調節するためにカルボ
ン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸
化アルカリを添加することは好ましい方法である。共重
合成分として30モル%未満であればメタ結合 オルト結合 エーテル結合 スルホン結合 ビフェニル結合 置換フェニルスルフィド結合 ここでRはアルキル、ニトロ、フェニル、アルコキシ、
カルボン酸又はカルボン酸の金属塩基を示す)、3官能
フェニルスルフィド結合 などを含有していてもポリマーの結晶性に大きく影響し
ない範囲でかまわないが、好ましくは共重合成分は10モ
ル%以下がよい。特に3官能性以上のフェニル、ビフェ
ニル、ナフチルスルフィド結合などを共重合に選ぶ場合
は3モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下がよ
い。
かかるPPSは一般的な製造法、例えば(1)ハロゲン
置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(米国特許第
2513188号明細書、特公昭44−27671号及び特公昭45−33
68号参照)、(2)チオフェノール類のアルカリ触媒又
は銅塩等の共存下における縮合反応(米国特許第327416
5号、英国特許第1160660号参照)、(3)芳香族化合物
と塩化硫黄とのルイス酸触媒共存下に於ける縮合反応
(特公昭46−27255号、ベルギー特許第29437号参照)等
により合成されるものであり、目的に応じ任意に選択し
得る。
PPSは現在フィリプスペトロリアム(株)、及び東ソ
ー・サスティール(株)、(株)トープレン社及び呉羽
化学(株)から市場に供せられている。架橋密度及び粘
度に応じて各種のグレードがあり本発明には架橋構造の
少ないPPSが好ましい。
PPEは、例えば一般式(A) (式中R1,R2,R3,並びにR4は水素、ハロゲン、アルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子とフェニル環との間
に少くとも2個の炭素原子を有するハロアルキル基及び
ハロアルコキシ基で第3級α−炭素を含まないものから
選んだ一価置換基を示し、nは重合度を表わす整数であ
る) で表わされる重合体の総称であって、上記一般式で表わ
される重合体の一種単独であっても、二種以上が組合わ
された共重合体であってもよい。好ましい具体例ではR1
及びR2は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R3,R4
は水素もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基である。
例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4
−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4
−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロ
ピル−1,4−フェニレン)エーテル、などが挙げられ
る。またPPE共重合体としては上記ポリフェニレンエー
テル繰返し単位中にアルキル三置換フェノール例えば2,
3,6−トリメチルフェノールを一部含有する共重合体を
挙げることができる。またこれらのPPEに、スチレン系
化合物がグラフトした共重合体であってもよい。スチレ
ン系化合物グラフト化ポリフェニレンエーテルとしては
上記PPEにスチレン系化合物として、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン
などをグラフト重合して得られる共重合体である。
本発明において用いるポリアミドとしては、例えばナ
イロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン
−12、ナイロン−6,10などが挙げられるが、これらに限
定されない。本発明において好ましくは、ポリアミドの
末端アミノ基量が末端カルボキシル基量に比較して多い
ポリアミドを用いる。このようなポリアミドは、ポリア
ミドの重合の際に例えばカルボキシル基と反応する基を
持つ化合物例えばジアミンを余分に添加することによっ
て得ることができる。あるいは、ポリアミドの重合の後
に、例えばカルボキシル基と反応する基を有する化合物
と反応させることによっても得ることができる。
本発明において末端アミノ基量対末端カルボキシル基
の比は、好ましくは1.01以上であり、より好ましくは1.
1以上である。特に末端基比は1.3以上であることができ
る。
PPEとポリアミドとを互に相溶化する一つの方法は (a)クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸及びこれらの
誘導体 (b)分子内に(イ)炭素−炭素二重結合又は三重結合
及び(ロ)カルボン酸基、酸無水物基、酸アミド基、イ
ミド基、カルボン酸エステル基、アミノ基又は水酸基を
有する化合物、及び (c)カルボキシル基又は酸無水物基及び酸ハライド基
を持つ化合物 より選ばれた少くとも一つの化合物と共にポリフェニレ
ンエーテル及びポリアミドを溶融混練することである。
上記の(a)クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸及び
これらの誘導体は、特表昭61−502195号公報に記載され
ており、該公報に一般式で示される化合物は本発明で行
いうるが、特に上記のものが好ましい。誘導体として
は、エステル化合物、アミド化合物、無水物、水加物及
び塩などが挙げられる。酸エステル化合物として、クエ
ン酸のアセチルエステル、モノ又はジステアリルエステ
ルなどが挙げられる。酸アミド化合物として、クエン酸
のN,N′−ジエチルアミド、N,N′−ジ・プロピルアミ
ド、N−フェニルアミド、N−ドデシルアミド、N,N′
−ジドデシルアミド、また、リンゴ酸のN−ドデシルア
ミドなどが挙げられる。塩としては、リンゴ酸カルシウ
ム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カリウム、クエン酸
カリウムなどが挙げられる。
上記の(b)の化合物は、特開昭56−49753号公報に
記載されており、具体例としては、無水マレイン酸、マ
レイン酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラ
ジド、無水マレイン酸とジアミンとの反応物たとえば (但し、Rは脂肪族、芳香族基を示す。)などで示され
る構造を有するもの、無水メチルナジック酸、無水ジク
ロロマレイン酸、マレイン酸アミド、大豆油、キリ油、
ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ油、菜種
油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イワシ油な
どの天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、
ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ
酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α
−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペン
テン酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン
酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン
酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、
2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10
−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4
−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデ
セン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、ア
イコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、
マイコリペン酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジ
エン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエ
ン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン
酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン
酸、リノール酸、リノレン酸、オクタデカトリエン酸、
アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテト
ラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイ
ン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエ
ン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサ
ペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキ
サコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸など
の不飽和カルボン酸、あるいはこれら不飽和カルボン酸
のエステル、酸アミド、無水物、あるいはアリルアルコ
ール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノー
ル、アリルカルビノール、メチルプロペニルカルビノー
ル、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−
オール、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン
−3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,5−
ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン−1−
オール、一般式CnH2n-5OH,CnH2n-7OH,CnH2n-9OH(但
し、nは正の整数)で示されるアルコール、3−ブテン
−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5
−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,6
−オクタジエン−4,5−ジオールなどの不飽和アルコー
ル、あるいはこのような不飽和アルコールのOH基が、−
NH2基に置き換った不飽和アミン、あるいはブタジエ
ン、イソプレンなどの低重合体(たとえば平均分子量が
500から10000ぐらいのもの)あるいは高分子重合体(た
とえば平均分子量が10000以上のもの)に無水マレイン
酸、フェノール類を付加したもの、あるいはアミノ基、
カルボン酸基、水酸基などを導入したものなどが挙げら
れる。本発明における化合物(b)には、(イ)群の官
能基を2個以上、(ロ)群の官能基を2個以上(同種又
は異種)含んだ化合物も含まれる。
化合物(c)は特表昭62−50056号公報に記載されて
おり、特に無水トリメリット酸クロライド、クロルホル
ミルこはく酸無水物、クロルエタノイルこはく酸無水
物、テレフタル酸モノクロライドなどが挙げられる。
化合物(a),(b)及び(c)は従来はPPE/ポリア
ミドポリマーアロイにおいて耐衝撃性などを改善すると
して知られている。しかし、PPS/PPE/ポリアミドを混合
すると、通常はPPS中にPPEとポリアミドが別々に夫々数
μ及び1μ以下の大きさで分散するのに対し、本発明の
樹脂組成物においては好ましくは、ポリフェニレンサル
ファイドが連続相を形成し、この連続相中にポリアミド
が分散し、かつこのポリアミド分散相中にポリフェニレ
ンエーテルが分散している。多くの場合、ポリアミド分
散相は比較的大きな不定形であり、その中に小さな球状
のポリフェニレンエーテルが1個、又は複数個含まれて
いる。このような形態は、成形品の断面をギ酸(ポリア
ミドを溶解する)又は塩化メチレン(PPEを溶解する)
でエッチングしてから走査形電子顕微鏡で観察すること
により確かめられた。本発明に従いこれらが前述のよう
な分散状態を作る働きをすることは予想されなかったこ
とである。
化合物(a),(b)及び(c)は一般に、PPE及び
ポリアミドの合計100重量部当り0.01〜10重量部、好ま
しくは0.1〜3重量部の量で用いる。これより少いと、
意図する効果が小さくなり、一方、これより多いと成形
品の耐熱性が大きく低下する。
PPEとポリアミドとを相溶化する別の方法は、ポリア
ミドと反応する基をPPEの末端に導入し、次にポリアミ
ドと溶融混練して反応させることである。ポリアミドと
反応する基としては、カルボキシル基及び酸無水物基が
挙げられる。
末端基のカルボキシル化及び酸無水物化については、
例えば特表昭62−500456号公報に記載されている、末端
カルボキシル化又は酸無水物化ポリフェニレンエーテル
は、カルボキシル基又は酸無水物基をもつ酸クロライ
ド、例えばトリメリット酸無水物クロライドとポリフェ
ニレンエーテルとを反応させることによって得られる。
本発明において用いるポリフェニレンエーテルは、必ず
しもそのすべてが末端基を変性したものである必要はな
く、本発明の樹脂組成物は末端基未変性のポリフェニレ
ンエーテルを含むことができる。
以上、相溶化に関しては下記の公報を参考にできる。
特開昭56−16525、同56−26913、同56−47432、同56−4
9753、同57−10642、同60−58463、特表昭61−502195、
同62−500456、特開昭63−10655、同63−125525。
本発明の樹脂組成物の製造法において、PPSは20〜80
重量部、好ましくは30〜70重量部、予め相溶化したPPE
とポリアミドは、合計して20〜80重量部、好ましくは30
〜70重量部で溶融混練される。PPSが20重量部より少い
場合にはPPS樹脂本来の特性に由来する剛性、耐熱性、
及び難燃性が低下するので好ましくない。PPS及びPPE/
ポリアミドの合計に対してPPE部分が10重量部より少い
場合にはポリアミドの吸水による物性への影響が多くき
なり、耐熱性及び剛性が低下するので好ましくない。ま
たポリアミド部分が10重量部より少い場合には外観が悪
くなり、PPS樹脂の欠点である脆さが十分に改良されな
いので好ましくない。
本発明の方法により製造された組成物は耐衝撃強度を
更に向上させるための任意的成分としてゴム状物質を、
PPS、PPE/ポリアミドの合計100重量%に対し例えば15重
量%以下の量で含むことができる。
ゴム様物質は、室温で、弾性体である天然および合成
の重合体材料である。その具体例としては、天然ゴム、
ブタジエン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体(ラ
ンダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体
などすべて含まれる。)、イソプレン重合体、クロロブ
タジエン重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、イソブチレン重合体、イソブチレン−ブタジエン共
重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル
酸エステル重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体、チオコールゴ
ム、多硫化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム
(たとえば、ポリプロピレンオキシドなど)、エピクロ
ロヒドリンゴムなどが挙げられる。
本発明の方法により製造された組成物には、その物性
を損なわない限りにおいて樹脂の混合時、成形時に他の
樹脂、及び添加剤、例えば顔料、染料、補強剤(ガラス
繊維、炭素繊維など)、充填剤(カーボンブラック、シ
リカ、酸化チタンなど)、耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐
候剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤、流動
性改良剤、帯電防止剤等を添加することができる。
本発明の樹脂組成物の製造法においては、少量の溶剤
の使用も可能であるが、一般に必要ない。装置としては
特に押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー
等を例として挙げることができ、これらを回分的又は連
続的に運転する。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に説明する。以下にお
いて各成分の量は、重量部により示す。PPSとして300
℃、剪断速度200sec-1で測定した溶融粘度が3900ポイズ
のポリ−p−フェニレンサルファイドを用いた。
PPEとして、固有粘度(クロロホルム、30℃)が0.46d
l/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテ
ルを用いた。
ポリアミドとして、8.4×10-5モル/gの末端アミノ基
と1.8×10-5モル/gの末端カルボキシル基をもつ分子量1
3,000のポリアミド−6を用いた。
実施例1〜4 PPEとポリアミドの相溶化は二つの方法で行った。
(1)PPE、ポリアミド及び無水マレイン酸を表1に示
す割合で300℃に設定した押出機で押出した。
(2)PPEと無水トリメリット酸クロライドを反応させ
てPPEの末端変性を行った。これをPPE−IIと呼ぶ。次に
PPE−IIとポリアミドとを溶融混練した。
次に、かくして相溶化したPPE/ポリアミドとPPSとを3
00℃に設定した2軸押出機(スクリュー経50mm)で押出
しペレット化した。このペレットを乾燥後、320℃で射
出成形して試験片を作り、物性を測定した。結果を表1
に示す。
比較例 PPS、PPE及びポリアミドを表1に示す量で実施例1と
同様に溶融混練し、以下同様に物性を測定した。
参考例1 PPS、PPE、ポリアミド及び無水マレイン酸を同時に溶
融混練し、以下同様に物性を測定した。
参考例2 PPS、PPE−II及びポリアミドを同時に溶融混練し、以
下同様に物性を測定した。
表1から判るように、実施例の樹脂組成物は比較例に
比べて良好な衝撃強度を与える。実施例1及び3と同じ
成分を用いたがPPEとポリアミドとを予め相溶化しなか
った参考例1及び2(非公知の組成)においても、比較
例より優れた衝撃強度が得られたが、メルトインデック
スが小さく、即ち溶融安定性に劣る。
実施例の成形品においてはPPS中にPAが分散し、更にP
A中にPPE又はPPE−IIが分散していた。比較例ではPPS中
にPAとPPEが別れて分散していた。
実施例5〜7 任意的なゴム状物質としてSEBS(部分的水素添加した
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)を更に加え
た。組成及び結果を表2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−183954(JP,A) 特開 昭63−205358(JP,A) 特開 昭59−213758(JP,A) 特開 昭63−128076(JP,A) 特開 平3−20355(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸
    及びこれらの誘導体 (b)分子内に(イ)炭素−炭素二重結合又は三重結合
    及び(ロ)カルボン酸基、酸無水物基、酸アミド基、イ
    ミド基、カルボン酸エステル基、アミノ基又は水酸基を
    有する化合物、及び (c)カルボキシル基又は酸無水物基及び酸ハライド基
    を持つ化合物 より選ばれた少なくとも一つの化合物をポリフェニレン
    エーテル及びポリアミドと溶融混練して、ポリフェニレ
    ンエーテルとポリアミドを予め相溶化した後、更にポリ
    フェニレンサルファイドと溶融混練することを特徴とす
    るポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  2. 【請求項2】カルボキシル基又は酸無水物基を有する酸
    クロライドとポリフェニレンエーテルとを混練した後、
    ポリアミドと更に混練して、ポリフェニレンエーテルと
    ポリアミドを予め相溶化した後、更にポリフェニレンサ
    ルファイドと溶融混練することを特徴とするポリフェニ
    レンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  3. 【請求項3】予め相溶化したポリフェニレンエーテル及
    びポリアミド20〜80重量部とポリフェニレンサルファイ
    ド80〜20重量部とを溶融混練する請求項1又は2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】ポリフェニレンサルファイドが連続相を形
    成し、該連続相中にポリアミドが分散し、かつ該ポリア
    ミド分散相中にポリフェニレンエーテルが分散している
    請求項1〜3記載の方法により製造した樹脂組成物。
JP1045489A 1988-11-08 1989-02-28 ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法 Expired - Lifetime JP2676017B2 (ja)

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