JPH09100377A - 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物

Info

Publication number
JPH09100377A
JPH09100377A JP25796495A JP25796495A JPH09100377A JP H09100377 A JPH09100377 A JP H09100377A JP 25796495 A JP25796495 A JP 25796495A JP 25796495 A JP25796495 A JP 25796495A JP H09100377 A JPH09100377 A JP H09100377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
styrene
component
impact
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25796495A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Okada
明彦 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP25796495A priority Critical patent/JPH09100377A/ja
Publication of JPH09100377A publication Critical patent/JPH09100377A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 SPSが本来有する優れた耐熱性,耐薬品
性,機械的強度等の特性を保持しつつ、耐衝撃性及び伸
び(引張伸び)等を向上させた耐衝撃性ポリスチレン系
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (a)シンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体5〜97重量%、(b)(b-1) スチレ
ン成分を含有するゴム状弾性体97〜10重量%及びシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体3〜9
0重量%のブレンド物3〜95重量%又は(b-2) スチレ
ン成分を含有するゴム状弾性体97〜10重量%及びポ
リフェニレンエーテル3〜90重量%のブレンド物3〜
95重量%、および(c)スチレン成分及び極性基を有
するゴム状弾性体0〜10重量%、からなる耐衝撃性ポ
リスチレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体を主成分とする耐衝撃
性ポリスチレン系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、
耐熱性,耐水性,機械的強度,絶縁性等に優れるととも
に、成形加工時の熱安定性に優れるため、例えば、コネ
クタ,プリント基板等の電気・電子材料、産業構造材、
車両搭載用コネクター,ホイールキャップ,シリンダー
ヘッドカバー等の自動車部品、家庭電化製品、各種機械
部品、バイブ,シート,トレイ,フィルム等の産業用資
材の成形に好適な耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
(以下、「SPS」と略す場合がある。)は、優れた耐
熱性,耐薬品性等を有するが、耐衝撃性が低いため材料
としての適用範囲が限られていた。そこで、特開昭62
−257950号公報,特開平1−146944号公
報,特開平1−182344号公報,特開平1−279
944号公報,特開平2−64140号公報等に開示さ
れているように、ゴム状弾性体又は他の熱可塑性樹脂を
ブレンドすることにより、耐衝撃性の改良が行われてき
た。特に、特開平1−146944号公報では、ゴム状
弾性体としてスチレン系化合物を一成分として含有する
ものを使用することが提案されており、特開平1−27
9944号公報では、SPS/ゴム系に対し相溶化剤と
してアタクチックポリスチレン鎖を含むブロック又はグ
ラフト共重合体を添加することが提案されている。ま
た、特開平1−279944号公報では、SPS/ゴム
系に対してポリフェニレンエーテルを添加することが提
案されている。
【0003】しかしながら、これらの場合、非相溶なS
PSとゴム成分の相溶性を改良し、ゴム成分の分散性,
界面強度の向上を目的として、ゴム成分自体あるいは相
溶化剤としてアタクチックポリスチレン鎖を含むブロッ
ク又はグラフトポリマーを用いているため、相溶化効果
が不十分であり、その結果、衝撃強度の向上も不十分で
あった。また、ポリフェニレンエーテルを多量に添加す
ることにより耐衝撃性の改良を行う場合、組成物の色相
低下,長期耐熱性の低下,シンジオタクチックポリスチ
レンの結晶化の低下等の問題を避けることができなかっ
た。
【0004】かかる状況下で本発明者らは、上記問題点
を解消し、SPSが本来有する優れた特性を保持しつ
つ、耐衝撃性及び伸び(引張伸び)等を向上させた耐衝
撃性ポリスチレン系樹脂組成物を得るべく、鋭意検討を
行った。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、スチレン成分
を含有するゴム状弾性体と、SPS又はポリフェニレン
エーテルとを予備的ブレンドし、このブレンド物をSP
Sとブレンド(混合)することにより、全成分を一度に
ブレンドした場合と比較して、効果的に耐衝撃性及び伸
びを向上させたシンジオタクチックポリスチレン系樹脂
組成物が得られることを見出した。また、スチレン成分
及び極性基を含有するゴム状弾性体を少量添加すること
により、より効果的に耐衝撃性及び伸びを向上させたシ
ンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物が得られる
ことを見出した。さらに、上記組成物に対して無機充填
材を配合することにより、耐熱性,弾性率にも優れたシ
ンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物が得られる
ことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成
したものである。
【0006】即ち本発明は、 (a)シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体5〜97重量%、(b)(b-1) スチレン成分を含有す
るゴム状弾性体97〜10重量%及びシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体3〜90重量%のブレ
ンド物3〜95重量%または(b-2) スチレン成分を含有
するゴム状弾性体97〜10重量%及びポリフェニレン
エーテル3〜90重量%のブレンド物3〜95重量%、
(c)スチレン成分及び極性基を有するゴム状弾性体0
〜10重量%、からなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組
成物を提供するものである。ここで、上記(b)成分中
のスチレン成分を含有するゴム状弾性体は、スチレンブ
ロックとオレフィンブロックとを有するブロックポリマ
ーであることが好ましい。上記(c)成分は、極性基変
性したスチレンブロックとオレフィンブロックとを有す
るブロックポリマーであることが好ましく、さらに無水
マレイン酸基又はエポキシ基を有する水素添加スチレン
−ブタジエン−スチレン共重合体ゴムであるか、水素添
加スチレン−イソプレン−スチレン共重合体ゴムである
ことが好ましい。
【0007】また、本発明は上記樹脂組成物100重量
部に対し、(d)無機充填材0.5〜350重量部を含有
してなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物、あるいは
(d)無機充填材0.5〜350重量部、および(e)
(a)成分との相溶性又は親和性を有し、且つ極性基を
有する重合体0.3〜10重量部を含有してなる耐衝撃性
ポリスチレン系樹脂組成物を提供するものである。ここ
で、上記(e)成分が、極性基変性ポリフェニレンエー
テル又は極性基変性シンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体であることが好ましく、上記(e)成分
中の極性基が、無水マレイン酸,フマル酸又はそれらの
誘導体であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐衝撃性ポリスチ
レン系樹脂組成物について、更に詳細に説明する。本発
明に係る耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物において
は、(a)成分としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体が用いられる。ここでシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体におけるシンジオタ
クチック構造とは、立体構造がシンジオタクチック構
造、すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対し
て側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対
方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタク
ティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−
NMR法)により定量される。13C−NMR法により測
定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単
位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の
場合はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示
すことができるが、本発明に言うシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイア
ッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラ
セミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上の
シンジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ
(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポ
リ(ハロゲン化アルキルスチレン),ポリ(アルコキシ
スチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステル),これら
の水素化重合体及びこれらの混合物、あるいはこれらを
主成分とする共重合体を指称する。なお、ここでポリ
(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレ
ン),ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプロピルス
チレン),ポリ(ターシャリ−ブチルスチレン),ポリ
(フェニルスチレン),ポリ(ビニルナフタレン),ポ
リ(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化ス
チレン)としては、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブ
ロモスチレン),ポリ(フルオロスチレン) などがあ
る。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)として
は、ポリ(クロロメチルスチレン) など、また、ポリ
(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチ
レン),ポリ(エトキシスチレン)などがある。
【0009】これらのうち特に好ましいスチレン系重合
体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン) ,水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。なお、上記スチレン系
重合体は、一種のみを単独で、又は二種以上を組み合わ
せて用いることができる。このスチレン系重合体は、分
子量について特に制限はないが、重量平均分子量が好ま
しくは10000以上、より好ましくは50000以上
である。さらに、分子量分布についてもその広狭は制約
がなく、 様々なものを充当することが可能である。ここ
で、重量平均分子量が10000未満のものでは、得ら
れる組成物あるいは成形品の熱的性質,力学的物性が低
下する場合があり好ましくない。
【0010】このようなシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中、
又は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアル
キルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン
系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を
重合することにより製造することができる(特開昭62
−187708号公報)。また、ポリ(ハロゲン化アル
キルスチレン)については特開平1−46912号公
報、上記水素化重合体は特開平1−178505号公報
記載の方法などにより得ることができる。
【0011】本発明で(b)成分、即ち(b-1)又は(b-
2)成分として用いられるスチレン成分を含有するゴム状
弾性体とは、構造中にモノマー単位としてスチレンを有
するものであり、具体的には例えば、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体(SBR),水素添加スチレン−
ブタジエン(SEB,SEBC),スチレン−イソプレ
ンブチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(SBS),水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SEBS),スチレン−イソプレン
ブロック共重合体(SIR),水素添加スチレン−イソ
プレンブロック共重合体(SEP),スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体(SIS),水素添加
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(S
EPS),スチレングラフトエチレンプロピレンゴム,
スチレングラフトエチレンプロピレンジエンゴム等が挙
げられる。これらのうち、特にSEB,SEBS,SE
P,SEPSが好ましく用いられる。このような(b)
成分は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を併
用しても良い。
【0012】そして、(b-1)成分に用いられるSPSと
しては、上記(a)成分と同様な重合体が挙げられる。
また、(b-2)成分に用いられるポリフェニレンエーテル
は、公知の化合物であり、この目的のため、米国特許第
3,306,874号,同3,306,875号,同3,257,3
57号及び同3,257,358号の各明細書を参照するこ
とができる。ポリフェニレンエーテルは、通常、銅アミ
ン錯体、一種又はそれ以上の二箇所もしくは三箇所置換
フェノールの存在下で、ホモポリマー又はコポリマーを
生成する酸化カップリング反応によって調製される。こ
こで、銅アミン錯体としては、第一,第二及び第三アミ
ンから誘導される銅アミン錯体を使用できる。適切なポ
リフェニレンエーテルの例としては、ポリ(2,3−ジ
メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル),
ポリ(2−メチル−6−クロロメチル−1,4−フェニ
レンエーテル),ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエ
チル−1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−メチ
ル−6−n−ブチル−1,4−フェニレンエーテル),
ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニ
レンエーテル),ポリ(2−エチル−6−n−プロピル
−1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2,3,6−
トリメチル−1,4−フェニレンエーテル),ポリ〔2
−(4’−メチルフェニル)−1,4−フェニレンエー
テル〕,ポリ(2−ブロモ−6−フェニル−1,4−フ
ェニレンエーテル),ポリ(2−メチル−6−フェニル
−1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−フェニル
−1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−クロロ−
1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−メチル−
1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−クロロ−6
−エチル−1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−
クロロ−6−ブロモ−1,4−フェニレンエーテル),
ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン
エーテル),ポリ(2−メチル−6−イソプロピル−
1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−クロロ−6
−メチル−1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−
メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル),
ポリ(2,6−ジブロモ−1,4−フェニレンエーテ
ル),ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエ
ーテル),ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)などが挙げられる。
【0013】また、例えば前記ホモポリマーの調製に使
用されるようなフェノール化合物の二種又はそれ以上か
ら誘導される共重合体などの共重合体も適切である。さ
らに例えばポリスチレンなどのビニル芳香族化合物と前
述のポリフェニレンエーテルとのグラフト共重合体及び
ブロック共重合体が挙げられる。これらのうち特に好ま
しくはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)が用いられる。上記(b-2)成分中に用いられる
ポリフェニレンエーテルの分子量に特に制限はないが、
好ましくはクロロホルム中25℃で測定した固有粘度が
0.4dl/g以上、さらに好ましくは0.5dl/g以上
のものが用いられる。0.4dl/g未満では耐衝撃性改
良の効果が小さく好ましくない。
【0014】また、スチレン成分を含有するゴム状弾性
体に対する(b-1)成分中のSPS、又は(b-2)成分中の
ポリフェニレンエーテルの割合は3〜90重量%、さら
に好ましくは10〜50重量%である。SPS又はポリ
フェニレンエーテルの割合が3重量%未満では、耐衝撃
性改良の効果が小さく、90重量%を越えると耐衝撃性
改良のために多量に(b)成分を添加する必要があり好
ましくない。
【0015】本発明に係る耐衝撃性ポリスチレン系樹脂
組成物においては、組成物の耐衝撃性ををより向上させ
るため、必要に応じて(c)成分としてスチレン成分及
び極性基を有するゴム状弾性体が用いられる。この
(c)成分として具体的には、例えば、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(SBR),水素添加スチレン
−ブタジエンブロック共重合体(SEB,SEBC),
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(S
BS),水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体(SEBS),スチレン−イソプレンブロ
ック共重合体(SIR),水素添加スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体(SEP),スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体(SIS),水素添加スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEP
S)等のスチレン−オレフィン−スチレンブロック又は
グラフト共重合体を、極性基を有する変性剤により、変
性を行ったゴム等が挙げられる。これらの中で、特に、
無水マレイン酸変性SEBS、エポキシ変性SEBS、
SBR、SBSなどが好ましく用いられる。
【0016】このような(c)成分は、一種類のみを用
いてもよいし、二種類以上を併用しても良い。また、該
(c)成分の添加量は、本発明の樹脂組成物中0〜10
重量%、好ましくは0〜5重量%の範囲で用いられる。
この添加量が10重量%を超えると、樹脂組成物の弾性
率や耐熱性の低下が著しく好ましくない。
【0017】本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成
物においては、必要に応じて(d)成分として無機充填
剤が用いられる。この無機充填剤の形状としては、繊維
状,粒状,粉状等、様々なものが用いられる。例えば、
上記繊維状の無機充填剤の材質的種類としては、ガラス
繊維,炭素繊維,ウィスカー等が挙げられる。この繊維
状の無機充填剤の形状としては、クロス状,マット状,
集束切断状,短繊維状等の形態の他,ウィスカー自体が
あるが、集束切断状の場合には、長さが0.05〜50m
m,繊維径が5〜20μmのものが好ましい。一方、粒
状又は粉状の無機充填剤の材質としては、例えばタル
ク,カーボンブラック,グラファイト,二酸化チタン,
シリカ,マイカ,炭酸カルシウム,硫酸カルシウム,炭
酸バリウム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫
酸バリウム,オキシサルフェート,酸化スズ,アルミ
ナ,カオリン,炭化ケイ素,金属粉末,ガラスパウダ
ー,ガラスフレーク,ガラスビーズ等が挙げられる。こ
のような無機充填剤の中でも、特にガラス充填材、例え
ばガラスパウダー,ガラスフレーク,ガラスビーズ,ガ
ラスフィラメント,ガラスファイバー,ガラスロビン
グ,ガラスマットが好ましい。
【0018】また、(d)無機充填剤としては、樹脂と
の接着性を高めるために、カップリング剤等で表面処理
を施したものが好ましく用いられる。カップリング剤と
しては、シラン系カップリング剤,チタン系カップリン
グ剤の他、従来公知のカップリング剤の中から任意に選
択して用いることができる。中でも、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン,β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミ
ノシラン、エポキシシラン、イソプロピルトリ(N−ア
ミドエチル,アミノエチル)チタネートが好ましい。さ
らに、上記のカップリング剤とともにフィルム形成性物
質(フィルムフォーマー)を併用することができ、該フ
ィルム形成性物質としては、従来公知のものを特に制限
はなく用いられるが、中でもウレタン系,エポキシ系,
ポリエ−テル系等が好ましく用いられる。このような
(d)無機充填剤の配合量は、前記(a)成分100重
量部に対して0.5〜350重量部、好ましくは5〜20
0重量部配合する。無機充填剤の配合量が、0.5重量部
未満であると、充填剤としての充分な配合効果が認めら
れず、350重量部を越えると、分散性が悪く、成形が
困難になるという不都合が生じてしまう。以上詳述した
(d)無機充填剤は、一種類のみを用いてもよいが、必
要により二種類以上を併用してもよい。
【0019】本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成
物では、必要に応じて(e)成分として、上記(d)無
機充填剤と樹脂との接着性を向上させるために、(a)
成分であるSPSと相溶性又は親和性を有し、且つ極性
基を有する重合体が配合される。ここで、(e)成分で
ある上記重合体は、(a)成分との相溶性あるいは親和
性を示す連鎖をポリマー鎖中に含有するものであり、例
えば、シンジオタクチックポリスチレン,アタクチック
ポリスチレン,アイソタクチックポリスチレン,スチレ
ン系重合体,ポリフェニレンエーテル,ポリビニルメチ
ルエーテル等を主鎖,ブロック鎖又はグラフト鎖として
有する重合体が挙げられる。また、ここでいう極性基と
は、前記(d)無機充填材との接着性を向上させるもの
であればよく、具体的には、例えば酸無水物基,カルボ
ン酸基,カルボン酸エステル基,カルボン酸塩化物基,
カルボン酸アミド基,カルボン酸塩基,スルホン酸基,
スルホン酸エステル基,スルホン酸塩化物基,スルホン
酸アミド基,スルホン酸塩基,エポキシ基,アミノ基,
イミド基,オキサゾリン基などが挙げられる。
【0020】(e)成分の具体例としては、例えば、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体(SMA),スチレン
−グリシジルメタクリレート共重合体,末端カルボン酸
変性ポリスチレン,末端エポキシ変性ポリスチレン,末
端オキサゾリン変性ポリスチレン,末端アミン変性ポリ
スチレン,スルホン化ポリスチレン,スチレン系アイオ
ノマー,スチレン−メチルメタクリレート−グラフトポ
リマー,(スチレン−グリシジルメタクリレート)−メ
チルメタクリレート−グラフト共重合体,酸変性アクリ
ル−スチレン−グラフトポリマー,(スチレン−グリシ
ジルメタクリレート)−スチレン−グラフトポリマー,
ポリブチレンテレフタレート−ポリスチレン−グラフト
ポリマー,無水マレイン酸変性SPS,フマル酸変性S
PS,グリシジルメタクリレート変性SPS,アミン変
性SPS等の変性スチレン系ポリマー、(スチレン−無
水マレイン酸)−ポリフェニレンエーテル−グラフトポ
リマー,無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル,
フマル酸変性ポリフェニレンエーテル,グリシジルメタ
クリレート変性ポリフェニレンエーテル,アミン変性ポ
リフェニレンエーテル等の変性ポリフェニレンエーテル
系ポリマーなどが挙げられる。これらのうち特に、変性
SPS,変性ポリフェニレンエーテルが好適に用いられ
る。なお、上記重合体は、一種のみを単独で、又は二種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】また、(e)成分100重量%中の極性基
含有量は、好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ま
しくは0.05〜10重量%の範囲である。この含有量が
0.01重量%未満では無機充填材との接着効果を発揮さ
せるために、(e)成分を多量に配合する必要があり、
その結果組成物の力学物性,耐熱性,成形性が低下し、
好ましくない。また、20重量%を超えると、(a)成
分との相溶性が低下するため好ましくない。該(e)成
分の配合量は、樹脂成分〔(a)+(b)+(c)〕の
全重量100重量部中に好ましくは0.1〜10重量部、
さらに好ましくは0.5〜8重量部の範囲で用いられる。
この配合量が、0.1重量部未満では(d)無機充填材と
の接着効果が少なく、10重量%を超えると(a)成分
の結晶性を低下させ、組成物の耐熱性及び成形性が著し
く低下するため好ましくない。
【0022】以下に、上記(e)成分として好適に用い
られる(e')変性SPS及び(e'')変性ポリフェニレ
ンエーテルについて説明する。先ず、(e')変性SPS
は、例えば前記(a)に示すSPSを変性剤を用いて変
性することにより得ることができるが、本発明の目的に
使用可能であれば、この方法に限定されるものではな
い。
【0023】変性に用いるSPSについては特に制限は
なく、前記(a)に示す重合体を用いることが可能であ
るが、SPSとの相溶性の観点から、スチレン単独重合
体,又はスチレンと置換スチレンとの共重合体が好まし
く用いられる。該共重合体の組成比については特に制限
はないが、置換スチレン単位の含有量が50モル%以下
が好ましい。この含有量が50モル%を超えると、SP
Sとの相溶性が低下するため好ましくない。特に好まし
いコモノマーの具体例としては、例えばメチルスチレ
ン,エチルスチレン,イソプロピルスチレン,ターシャ
リーブチルスチレン,ビニルスチレンなどのアルキルス
チレン,クロロスチレン,ブロモスチレン,フルオロス
チレンなどのハロゲン化スチレン、クロロメチルスチレ
ンなどのハロゲン化アルキルスチレン、あるいはメトキ
シスチレン,エトキシスチレンなどのアルコキシスチレ
ンなどが挙げられる。これらのコモノマーは一種用いて
もよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。また、
(a)成分の5重量%以下の使用量である場合には、ア
タクチック構造を有する上記重合体の使用も可能であ
る。5重量%以上使用すると、組成物の耐熱性を低下さ
せるため好ましくない。
【0024】上記SPSの変性に用いる変性剤として
は、同一分子内にエチレン性二重結合と極性基とを有す
る化合物が使用できる。このような変性剤としては、例
えば無水マレイン酸,マレイン酸,マレイン酸エステ
ル,マレイミド及びそのN置換体,マレイン酸塩等のマ
レイン酸誘導体、フマル酸,フマル酸エステル,フマル
酸塩等のフマル酸誘導体、無水イタコン酸,イタコン
酸,イタコン酸エステル,イタコン酸塩等のイタコン酸
誘導体、アクリル酸,アクリル酸エステル,アクリル酸
アミド,アクリル酸塩等のアクリル酸誘導体、メタクリ
ル酸,メタクリル酸エステル,メタクリル酸アミド,メ
タクリル酸塩,グリシジルメタクリレート等のメタクリ
ル酸誘導体などが挙げられる。これらのうち、特に無水
マレイン酸、フマル酸又はグリシジルメタクリレートが
好ましく用いられる。上記各種の変性剤は一種用いても
よいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】(e')変性SPSは、例えば溶媒や他樹脂
の存在下、又は不存在下に上記SPSと変性剤とを反応
させることにより得られる。変性の方法については特に
制限はなく、公知の方法、例えばロールミル,バンバリ
ミキサー,押出機などを用いて150〜350℃の範囲
の温度において溶融混練し、反応させる方法、あるいは
ベンゼン,トルエン,キシレンなどの溶媒中で加熱反応
させる方法などを用いることができる。さらに、これら
の反応を容易にするために、反応系にベンゾイルパーオ
キサイド,ジ−t−ブチルパーオキサイド,ジクミルパ
ーオキサイド,t−ブチルパーオキシベンゾエート,ア
ゾビスイソブチロニトリル,アゾビスイソバレロニトリ
ル,2,3−ジフェニル−2,3−ジメチルブタンなど
のラジカル発生剤を存在させることは有効である。ま
た、好ましい変性方法としては、ラジカル発生剤の存在
下に溶融混練する方法である。そして、変性の際には、
他樹脂を添加してもよい。これら(e')変性SPSの中
で、特に無水マレイン酸変性SPS,フマル酸変性SP
S,及びグリシジルメタクリレート変性SPSが好まし
く用いられる。
【0026】次に、(e'')変性ポリフェニレンエーテ
ルは、例えば前記(b-2)成分に用いられるポリフェニレ
ンエーテルと同様なものを変性剤を用いて変性すること
により得ることができるが、本発明の目的に使用可能で
あれば、この方法に限定されるものではない。
【0027】前記(b-2)に示すポリフェニレンエーテル
の変性に用いられる変性剤としては、同一分子内にエチ
レン性二重結合と極性基とを有する化合物が挙げられ、
具体的には例えば無水マレイン酸,マレイン酸,マレイ
ン酸エステル,マレイミド及びそのN置換体,マレイン
酸塩等のマレイン酸誘導体、フマル酸,フマル酸エステ
ル,フマル酸塩等のフマル酸誘導体、無水イタコン酸,
イタコン酸,イタコン酸エステル,イタコン酸塩等のイ
タコン酸誘導体、アクリル酸,アクリル酸エステル,ア
クリル酸アミド,アクリル酸塩等のアクリル酸誘導体、
メタクリル酸,メタクリル酸エステル,メタクリル酸ア
ミド,メタクリル酸塩,グリシジルメタクリレート等の
メタクリル酸誘導体などが挙げられる。これらのうち、
特に無水マレイン酸、フマル酸又はグリシジルメタクリ
レートが好ましく用いられる。上記各種の変性剤は一種
用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0028】(e'')変性ポリフェニレンエーテルは、
例えば溶媒や他樹脂の存在下、あるいはこれらの非存在
下、前記(b-2)に示すポリフェニレンエーテルと上記変
性剤とを反応させることにより得られる。変性の方法に
ついては特に制限はなく、公知の方法、例えばロールミ
ル,バンバリミキサー,押出機などを用いて150〜3
50℃の範囲の温度において溶融混練し、反応させる方
法、あるいはベンゼン,トルエン,キシレンなどの溶媒
中で加熱反応させる方法などを用いることができる。さ
らに、これらの反応を容易にするために、反応系にベン
ゾイルパーオキサイド;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド;ジクミルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート;アゾビスイソブチロニトリル;アゾビスイ
ソバレロニトリル;2,3−ジフェニル−2,3−ジメ
チルブタンなどのラジカル発生剤を存在させることは有
効である。このうち特に、2,3−ジフェニル−2,3
−ジメチルブタンが好適に用いられる。また、好ましい
変性方法としては、ラジカル発生剤の存在下に溶融混練
する方法である。そして、変性の際には、他樹脂を添加
してもよい。これらのポリフェニレンエーテルの中で、
特に無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル又はフ
マル酸変性ポリフェニレンエーテルが好ましく用いられ
る。
【0029】本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を阻
害しない範囲で、各種添加成分、例えば酸化防止剤,核
剤,可塑剤,離型剤,難燃剤,難燃助剤,顔料,カーボ
ンブラック,帯電防止剤などの添加剤、あるいはその他
のゴム状弾性体,熱可塑性樹脂を配合することができ
る。
【0030】核剤としては、アルミニウムジ(p−t−
ブチルベンゾエート)をはじめとするカルボン酸の金属
塩,メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノー
ル)アシッドホスフェートナトリウムをはじめとするリ
ン酸の金属塩,タルク,フタロシアニン誘導体など、公
知のものから任意に選択して用いることができる。な
お、これらの核剤は一種のみを単独で用いることも、又
は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0031】可塑剤としては、ポリエチレングリコー
ル,ポリアミドオリゴマー,エチレンビスステアロアマ
イド,フタル酸エステル,ポリスチレンオリゴマー,ポ
リエチレンワックス,ミネラルオイル,シリコーンオイ
ルなど、公知のものから任意に選択して用いることがで
きる。なお、これらの可塑剤は一種のみを単独で用いる
ことも、又は二種以上を組み合わせて用いることもでき
る。
【0032】離型剤としては、ポリエチレンワックス,
シリコーンオイル,長鎖カルボン酸,長鎖カルボン酸塩
など、公知のものから任意に選択して用いることができ
る。なお、これらの離型剤は一種のみを単独で用いるこ
とも、又は二種以上を組み合わせて用いることもでき
る。
【0033】酸化防止剤としては、リン系,フェノール
系,イオウ系など、公知のものから任意に選択して用い
ることができる。なお、これら酸化防止剤は、一種のみ
を単独で用いることも、又は二種以上を組み合わせて用
いることもできる。
【0034】難燃剤としては、臭素化ポリスチレン,臭
素化シンジオタクチックポリスチレン,臭素化ポリフェ
ニレンエーテルをはじめとする臭素化ポリマー、臭素化
ジフェニルアルカン,臭素化ジフェニルエーテルなど臭
素化芳香族化合物等の公知のものから任意に選択して用
いることができる。また、難燃助剤としては、三酸化ア
ンチモンをはじめとするアンチモン化合物、その他のも
のから、それぞれ任意に選択して用いることができ、一
種のみを単独で用いることも、又は二種以上を組み合わ
せて用いることもできる。
【0035】ゴム状弾性体としては、例えば、天然ゴ
ム,ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリイソブチレ
ン,ネオプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴ
ム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エ
ビクロロヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体(SBR),水素添加スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体(SEB,SEBC),スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体(SBS),水素添
加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(SEBS),スチレン−イソプレンブロック共重合体
(SIR),水素添加スチレン−イソプレンブロック共
重合体(SEP),スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体(SIS),水素添加スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体(SEPS),エチレ
ンプロピレンゴム(EPR),エチレンプロピレンジエ
ンゴム(EPDM)、あるいはブタジエン−アクリロニ
トリル−スチレン−コアシェルゴム(ABS),メチル
メタクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴ
ム(MBS),メチルメタクリレート−ブチルアクリレ
ート−スチレン−コアシェルゴム(MAS),オクチル
アクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MABS),アルキルアクリレート−ブタジエン−ア
クリロニトリル−スチレンコアシェルゴム(AAB
S),ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SB
R)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレートシロ
キサンをはじめとするシロキサン含有コアシェルゴム等
のコアシェルタイプの粒子状弾性体、又はこれらを変性
したゴム等が挙げられる。これらの中で、特に、SB
R、SEB,SEBC、SBS、SEBS、SIR,S
EP、SIS、SEPS、コアシェルゴム、EPM、E
PDM、またはこれらを変性したゴム等が好ましく用い
られる。なお、これらゴム状弾性体は、一種のみを単独
で用いることも、又は二種以上を組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0036】熱可塑性樹脂としては、直鎖状高密度ポリ
エチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,高圧法低密度ポ
リエチレン,アイソタクチックポリプロピレン,シンジ
オタクチックポリプロピレン,ブロックポリプロピレ
ン,ランダムポリプロピレン,ポリブテン,1,2−ポ
リブタジエン,環状ポリオレフィン,ポリ−4−メチル
ペンテンをはじめとするポリオレフィン系樹脂、ポリス
チレン,HIPS,ABS,ASをはじめとするポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレートをはじめとする
ポリエステル系樹脂、ポリアミド6,ポリアミド6,6 を
はじめとするポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル,ポリフェニレンスルフィドなど、公知のものから任
意に選択して用いることができる。なお、熱可塑性樹脂
は、一種のみを単独で用いることも、又は二種以上を組
み合わせて用いることもできる。
【0037】本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成
物は、上記各配合成分を上記の割合で混合すれば得られ
る。混合方法は特に制限されず、例えば添加順序,混合
方式等の条件は任意に設定できるが、耐衝撃性に特に優
れたポリスチレン系樹脂組成物を得るには、前記(b)
成分を予備的ブレンドした後、他の(a)成分等とブレ
ンドすることが必要である。該樹脂組成物には、各配合
成分を混合後、溶融混練したものも含まれる。この形態
のものは、単に混合しただけのものと比べて、成形体用
材料としてより適している。溶融混練の方法も特に制限
されず、通常行われている公知の方法を利用できる。
【0038】本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成
物は、樹脂成形体用の材料として用いることができる。
本発明の樹脂組成物を使用したポリスチレン系樹脂成形
体は、全成分を単純にブレンドした場合に比べて、耐衝
撃性,伸び等に優れる。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定され
るものではない。また、後述の実施例及び比較例で得ら
れた各試験片について、機械的性質を調べるため、下記
項目の測定を行った。 (1)アイゾット衝撃強さ :JIS K7110に準拠 (2)引張伸び :JIS K7113に準拠
【0040】製造例1((a)成分の製造) 先ず、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメ
トキシド90μモル,ジメチルアニリニウムテトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート90μモル,トルエン
29.1ミリモル及びトリイソブチルアルミニウム1.8ミ
リモルを混合して予備混合触媒を調製した。次いで、内
容積2リットルの反応容器に、精製スチレン1.0リット
ル,トリエチルアルミニウム1ミリモルを加え、80℃
に加熱した後、上記予備混合触媒16.5ミリリットルを
添加し、80℃で5時間重合を行った。反応終了後、生
成物をメタノールで繰り返し洗浄し、乾燥して重合体3
80グラムを得た。1,2,4-トリクロロベンゼンを溶媒と
し、130℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーにて、この重合体の重量平均分子量を測定したところ
270,000であった。また、重合平均分子量/数平均
分子量は2.80であった。さらに、融点及び13C−NM
R測定により、この重合体はシンジオタクチック構造の
ポリスチレン(SPS)であることを確認した。
【0041】製造例2(無水マレイン酸変性SPS) 製造例1のSPS1キログラム,無水マレイン酸30
g,ラジカル発生剤としてクメンヒドロキシパーオキサ
イド10グラムをドライブレンドし、30mm二軸押出
機を用いてスクリュー回転数200rpm,設定温度3
00℃で溶融混練を行った。ストランドを冷却後ペレッ
ト化し、無水マレイン酸変性SPSを得た。変性率測定
のため、得られた無水マレイン酸変性SPS1グラムを
エチルベンゼンに溶解後、メタノールに再沈し、回収し
たポリマーをメタノールでソックスレー抽出し、乾燥後
IRスペクトルのカルボニル吸収の強度及び滴定により
変性率を求めた。この際、変性率は1.04重量%であっ
た。
【0042】製造例3(フマル酸変性ポリフェニレンエ
ーテルの製造) ポリフェニレンエーテル(固有粘度0.45デシリットル
/g,クロロホルム中,25℃)1キログラム,フマル
酸30グラム,ラジカル発生剤として2,3−ジメチル
−2,3−ジフェニルブタン〔日本油脂(株)製,ノフ
マーBC,商品名〕20グラムをドライブレンドし、3
0mm二軸押出機を用いてスクリュー回転数200rp
m,設定温度300℃で溶融混練を行った。この時樹脂
温度は約330℃であった。ストランドを冷却後ペレッ
ト化し、フマル酸変性ポリフェニレンエーテルを得た。
変性率測定のため、得られたフマル酸変性ポリフェニレ
ンエーテル1グラムをエチルベンゼンに溶解後、メタノ
ールに再沈し、回収したポリマーをメタノールでソック
スレー抽出し、乾燥後IRスペクトルのカルボニル吸収
の強度及び滴定により変性率を求めた。この際、変性率
は1.6重量%であった。
【0043】実施例1 (a)成分として製造例1で得られたSPS(重量平均
分子量270,000,重量平均分子量/数平均分子量
2.80)60重量%、及び(b1)成分としてSEBS
(シェル化学(株)製,KratonG−1651)2
0重量%と製造例1のSPS20重量%とを予備的溶融
ブレンドしたもの40重量%からなる合計100重量部
に対して、核剤としてメチレンビス(2,4-ジ−t−ブチ
ルフェノール)アシッドフォスフェートNa塩(旭デン
カ(株)製,NA−11)0.5重量部、酸化防止剤とし
て(2,6-ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト(旭デンカ(株)製,P
EP−36)0.1重量部、テトラキス(メチレン−3−
(3',5'-ジ−t−ブチル-4'-ヒドロキシフェニル))プロ
ピオネート(アデカ・アーガス社製,MARKAO6
0)0.1重量部を加えヘンシェルミキサーでドライブレ
ンドした後、二軸押出機にて溶融混練を行い、ペレット
化した。得られたペレットを射出成形機にて、射出成形
を行って引張試験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片
を得た。得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃強
度,引張伸びを測定した。結果を第1表に示す。
【0044】実施例2〜4 実施例1において、(a)成分及び(b)成分の配合組
成を第1表に示すように代えた以外は、実施例1と同様
にして行い、アイゾット衝撃強度,引張伸びを測定し
た。結果を第1表に示す。
【0045】実施例5 (a)成分として製造例1で得られたSPS(重量平均
分子量270,000,重量平均分子量/数平均分子量
2.80)60重量%、(b1)成分としてSEBS(シ
ェル化学(株)製,KratonG−1651)16重
量%と製造例1のSPS20重量%とを予備的溶融ブレ
ンドしたもの36重量%、及び(c)成分として無水マ
レイン酸変性SEBS(旭化成(株)製,タフチックM
1962)4重量%からなる合計100重量部に対し
て、核剤としてメチレンビス(2,4-ジ−t−ブチルフェ
ノール)アシッドフォスフェートNa塩(旭デンカ
(株)製,NA−11)0.5重量部、酸化防止剤として
(2,6-ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト(旭デンカ(株)製,PE
P−36)0.1重量部、テトラキス(メチレン−3−
(3',5'-ジ−t−ブチル-4'-ヒドロキシフェニル))プロ
ピオネート(アデカ・アーガス社製,MARKAO6
0)0.1重量部を加えヘンシェルミキサーでドライブレ
ンドした後、二軸押出機にて溶融混練を行い、ペレット
化した。得られたペレットを射出成形機にて、射出成形
を行って引張試験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片
を得た。得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃強
度,引張伸びを測定した。結果を第1表に示す。
【0046】実施例6〜8 実施例5において、(a)成分及び(b)成分の配合組
成を第1表に示すように代えた以外は、実施例5と同様
にして行い、アイゾット衝撃強度,引張伸びを測定し
た。結果を第1表に示す。
【0047】実施例9 (a)成分として製造例1で得られたSPS(重量平均
分子量270,000,重量平均分子量/数平均分子量
2.80)60重量%、及び(b2)成分としてSEBS
(シェル化学(株)製,KratonG−1651)2
0重量%とポリフェニレンエーテル([η]=0.5dl/
g,CHCl3中,25℃)20重量%とを予備的溶融
ブレンドしたもの40重量%からなる合計100重量部
に対して、核剤としてメチレンビス(2,4-ジ−t−ブチ
ルフェノール)アシッドフォスフェートNa塩(旭デン
カ(株)製,NA−11)0.5重量部、酸化防止剤とし
て(2,6-ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト(旭デンカ(株)製,P
EP−36)0.1重量部、テトラキス(メチレン−3−
(3',5'-ジ−t−ブチル-4'-ヒドロキシフェニル))プロ
ピオネート(アデカ・アーガス社製,MARKAO6
0)0.1重量部を加えヘンシェルミキサーでドライブレ
ンドした後、二軸押出機にて溶融混練を行い、ペレット
化した。得られたペレットを射出成形機にて、射出成形
を行って引張試験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片
を得た。得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃強
度,引張伸びを測定した。結果を第1表に示す。
【0048】実施例10〜12 実施例9において、(a)成分及び(b)成分の配合組
成を第1表に示すように代えた以外は、実施例9と同様
にして行い、アイゾット衝撃強度,引張伸びを測定し
た。結果を第1表に示す。
【0049】実施例13 (a)成分として製造例1で得られたSPS(重量平均
分子量270,000,重量平均分子量/数平均分子量
2.80)60重量%、(b2)成分としてSEBS(シ
ェル化学(株)製,KratonG−1651)16重
量%とポリフェニレンエーテル([η]=0.5dl/g,C
HCl3中,25℃)20重量%とを予備的溶融ブレン
ドしたもの36重量%、及び(c)成分として無水マレ
イン酸変性SEBS(旭化成(株)製,タフチックM1
962)4重量%からなる合計100重量部に対して、
核剤としてメチレンビス(2,4-ジ−t−ブチルフェノー
ル)アシッドフォスフェートNa塩(旭デンカ(株)
製,NA−11)0.5重量部、酸化防止剤として(2,6-
ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト(旭デンカ(株)製,PEP−3
6)0.1重量部、テトラキス(メチレン−3−(3',5'-
ジ−t−ブチル-4'-ヒドロキシフェニル))プロピオネー
ト(アデカ・アーガス社製,MARKAO60)0.1重
量部を加えヘンシェルミキサーでドライブレンドした
後、二軸押出機にて溶融混練を行い、ペレット化した。
得られたペレットを射出成形機にて、射出成形を行って
引張試験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片を得た。
得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃強度,引張伸
びを測定した。結果を第1表に示す。
【0050】実施例14〜16 実施例13において、(a)成分及び(b)成分の配合
組成を第1表に示すように代えた以外は、実施例13と
同様にして行い、アイゾット衝撃強度,引張伸びを測定
した。結果を第1表に示す。
【0051】比較例1〜10 実施例9において、(b)成分の予備的溶融ブレンドを
行わず、さらに(a)成分及び(b)成分の配合組成を
第1表に示すように代えた以外は、実施例9と同様にし
て行い、アイゾット衝撃強度,引張伸びを測定した。結
果を第1表に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】 第1表から明らかなように、予備的溶融ブレンドを行っ
た(b)成分を用いることにより、同一組成分量で予備
的溶融ブレンドせずにブレンドした場合と比較して、衝
撃強度,引張伸びが著しく向上することがわかった。ま
た、(c)成分を併用することにより、さらに衝撃強
度,引張伸びが向上することがわかった。
【0058】実施例17 (a)成分として製造例1で得られたSPS(重量平均
分子量270,000,重量平均分子量/数平均分子量
2.80)80重量%、及び(b1)成分としてSEBS
(シェル化学(株)製,KratonG−1651)1
0重量%と製造例1のSPS10重量%とを予備的溶融
ブレンドしたもの20重量%からなる合計100重量部
に対して、(e)成分として製造例3のフマル酸変性ポ
リフェニレンエーテル1重量部、核剤としてメチレンビ
ス(2,4-ジ−t−ブチルフェノール)アシッドフォスフ
ェートNa塩(旭デンカ(株)製,NA−11)0.5重
量部、酸化防止剤として(2,6-ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
(旭デンカ(株)製,PEP−36)0.1重量部、テト
ラキス(メチレン−3−(3',5'-ジ−t−ブチル-4'-ヒ
ドロキシフェニル))プロピオネート(アデカ・アーガス
社製,MARKAO60)0.1重量部を加えヘンシェル
ミキサーでドライブレンドした後、二軸押出機にて
(d)成分としてガラスファイバー(旭ファイバーグラ
ス社製,FT−712、10μm/3mm)43重量部
をサイドフィードしながら溶融混練を行い、ペレット化
した。得られたペレットを射出成形機にて、射出成形を
行って引張試験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片を
得た。得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃強度,
引張伸びを測定した。結果を第2表に示す。
【0059】実施例18〜21 実施例17において、(a)成分,(b)成分及び
(e)成分の配合組成を第2表に示すように代えた以外
は、実施例17と同様にして行い、アイゾット衝撃強
度,引張伸びを測定した。結果を第2表に示す。
【0060】実施例22 (a)成分として製造例1で得られたSPS(重量平均
分子量270,000,重量平均分子量/数平均分子量
2.80)80重量%、(b1)成分としてSEBS(シ
ェル化学(株)製,KratonG−1651)8重量
%と製造例1のSPS10重量%とを予備的溶融ブレン
ドしたもの18重量%、及び(c)成分として無水マレ
イン酸変性SEBS(旭化成(株)製,タフテックM1
962)2重量%からなる合計100重量部に対して、
(e)成分として製造例3のフマル酸変性ポリフェニレ
ンエーテル1重量部、核剤としてメチレンビス(2,4-ジ
−t−ブチルフェノール)アシッドフォスフェートNa
塩(旭デンカ(株)製,NA−11)0.5重量部、酸化
防止剤として(2,6-ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭デンカ
(株)製,PEP−36)0.1重量部、テトラキス(メ
チレン−3−(3',5'-ジ−t−ブチル-4'-ヒドロキシフ
ェニル))プロピオネート(アデカ・アーガス社製,MA
RKAO60)0.1重量部を加えヘンシェルミキサーで
ドライブレンドした後、二軸押出機にて(d)成分とし
てガラスファイバー(旭ファイバーグラス社製,FT−
712、10μm/3mm)43重量部をサイドフィー
ドしながら溶融混練を行い、ペレット化した。得られた
ペレットを射出成形機にて、射出成形を行って引張試験
片,曲げ試験片及びアイゾット試験片を得た。得られた
試験片を用いて、アイゾット衝撃強度,引張伸びを測定
した。結果を第2表に示す。
【0061】実施例23〜26 実施例22において、(a)成分,(b)成分及び
(e)成分の配合組成を第2表に示すように代えた以外
は、実施例22と同様にして行い、アイゾット衝撃強
度,引張伸びを測定した。結果を第2表に示す。
【0062】実施例27 (a)成分として製造例1で得られたSPS(重量平均
分子量270,000,重量平均分子量/数平均分子量
2.80)80重量%、及び(b1)成分としてSEBS
(シェル化学(株)製,KratonG−1651)1
0重量%とポリフェニレンエーテル([η]=0.5dl/
g,CHCl3中,25℃)10重量%とを予備的溶融
ブレンドしたもの20重量%からなる合計100重量部
に対して、(e)成分として製造例3のフマル酸変性ポ
リフェニレンエーテル1重量部、核剤としてメチレンビ
ス(2,4-ジ−t−ブチルフェノール)アシッドフォスフ
ェートNa塩(旭デンカ(株)製,NA−11)0.5重
量部、酸化防止剤として(2,6-ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
(旭デンカ(株)製,PEP−36)0.1重量部、テト
ラキス(メチレン−3−(3',5'-ジ−t−ブチル-4'-ヒ
ドロキシフェニル))プロピオネート(アデカ・アーガス
社製,MARKAO60)0.1重量部を加えヘンシェル
ミキサーでドライブレンドした後、二軸押出機にて
(d)成分としてガラスファイバー(旭ファイバーグラ
ス社製,FT−712、10μm/3mm)43重量部
をサイドフィードしながら溶融混練を行い、ペレット化
した。得られたペレットを射出成形機にて、射出成形を
行って引張試験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片を
得た。得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃強度,
引張伸びを測定した。結果を第2表に示す。
【0063】実施例28〜31 実施例27において、(a)成分,(b)成分及び
(e)成分の配合組成を第2表に示すように代えた以外
は、実施例27と同様にして行い、アイゾット衝撃強
度,引張伸びを測定した。結果を第2表に示す。
【0064】実施例32 (a)成分として製造例1で得られたSPS(重量平均
分子量270,000,重量平均分子量/数平均分子量
2.80)80重量%、(b1)成分としてSEBS(シ
ェル化学(株)製,KratonG−1651)8重量
%とポリフェニレンエーテル([η]=0.5dl/g,CH
Cl3中,25℃)10重量%とを予備的溶融ブレンド
したもの18重量%、及び(c)成分として無水マレイ
ン酸変性SEBS(旭化成(株)製,タフテックM19
62)2重量%からなる合計100重量部に対して、
(e)成分として製造例3のフマル酸変性ポリフェニレ
ンエーテル1重量部、核剤としてメチレンビス(2,4-ジ
−t−ブチルフェノール)アシッドフォスフェートNa
塩(旭デンカ(株)製,NA−11)0.5重量部、酸化
防止剤として(2,6-ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭デンカ
(株)製,PEP−36)0.1重量部、テトラキス(メ
チレン−3−(3',5'-ジ−t−ブチル-4'-ヒドロキシフ
ェニル))プロピオネート(アデカ・アーガス社製,MA
RKAO60)0.1重量部を加えヘンシェルミキサーで
ドライブレンドした後、二軸押出機にて(d)成分とし
てガラスファイバー(旭ファイバーグラス社製,FT−
712、10μm/3mm)43重量部をサイドフィー
ドしながら溶融混練を行い、ペレット化した。得られた
ペレットを射出成形機にて、射出成形を行って引張試験
片,曲げ試験片及びアイゾット試験片を得た。得られた
試験片を用いて、アイゾット衝撃強度,引張伸びを測定
した。結果を第2表に示す。
【0065】実施例33〜36 実施例32において、(a)成分,(b)成分及び
(e)成分の配合組成を第2表に示すように代えた以外
は、実施例32と同様にして行い、アイゾット衝撃強
度,引張伸びを測定した。結果を第2表に示す。
【0066】比較例11〜24 実施例27において、(b)成分の予備的溶融ブレンド
を行わず、さらに(a)成分,(b)成分及び(e)成
分の配合組成を第2表に示すように代えた以外は、実施
例27と同様にして行い、アイゾット衝撃強度,引張伸
びを測定した。結果を第2表に示す。
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】 第2表から明らかなように、(d)成分である無機充填
材を添加した系においても、予備的溶融ブレンドを行っ
た(b)成分を用いることにより、同一組成分量で予備
的溶融ブレンドせずにブレンドした場合と比較して、衝
撃強度,引張伸びが著しく向上することがわかった。ま
た、(c)成分を併用することにより更に衝撃強度,引
張伸びを向上させることがわかった。
【0074】
【発明の効果】以上の如く、本発明の耐衝撃性ポリスチ
レン系樹脂組成物は、高い耐熱性,弾性率,成形性を有
するとともに、耐衝撃性及び伸び性に優れており、成形
法に捕らわれることなく優れた物性を有する成形品を提
供することができる。従って、本発明の耐衝撃性ポリス
チレン系樹脂組成物は、例えば、射出成形による各種成
形品、押出成形によるシート,フィルム等、押出成形及
び熱成形による容器,トレイ等、押出成形及び延伸によ
る一軸あるいは二軸延伸フィルム,シート等、紡糸によ
る繊維状成形品等の製造に有効な利用が期待される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9/06 LBR C08L 9/06 LBR 53/00 LLY 53/00 LLY LLZ LLZ 71/12 LQN 71/12 LQN LQP LQP

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)シンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体5〜97重量%、(b)(b-1) スチレ
    ン成分を含有するゴム状弾性体97〜10重量%及びシ
    ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体3〜9
    0重量%のブレンド物3〜95重量%、および(c)ス
    チレン成分及び極性基を有するゴム状弾性体0〜10重
    量%、からなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)シンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体5〜97重量%、(b)(b-2) スチレ
    ン成分を含有するゴム状弾性体97〜10重量%及びポ
    リフェニレンエーテル3〜90重量%のブレンド物3〜
    95重量%、および(c)スチレン成分及び極性基を有
    するゴム状弾性体0〜10重量%、からなる耐衝撃性ポ
    リスチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(b)成分中のスチレン成分を含有
    するゴム状弾性体が、スチレンブロックとオレフィンブ
    ロックとを有するブロックポリマーであることを特徴と
    する請求項1又は2記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記(c)成分が、極性基変性したスチ
    レンブロックとオレフィンブロックとを有するブロック
    ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記(c)成分が、無水マレイン酸基又
    はエポキシ基を有する水素添加スチレン−ブタジエン−
    スチレン共重合体ゴム、または水素添加スチレン−イソ
    プレン−スチレン共重合体ゴムであることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の耐衝撃性ポリスチレン
    系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組
    成物100重量部に対し、(d)無機充填材0.5〜35
    0重量部を含有してなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組
    成物100重量部に対し、(d)無機充填材0.5〜35
    0重量部、および(e)(a)成分との相溶性又は親和
    性を有し、且つ極性基を有する重合体0.3〜10重量部
    を含有してなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記(e)成分が、極性基変性ポリフェ
    ニレンエーテル又は極性基変性シンジオタクチック構造
    を有するスチレン系重合体であることを特徴とする請求
    項7に記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記(e)成分中の極性基が、無水マレ
    イン酸,フマル酸又はそれらの誘導体であることを特徴
    とする請求項7又は8に記載の耐衝撃性ポリスチレン系
    樹脂組成物。
JP25796495A 1995-10-04 1995-10-04 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物 Pending JPH09100377A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25796495A JPH09100377A (ja) 1995-10-04 1995-10-04 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25796495A JPH09100377A (ja) 1995-10-04 1995-10-04 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09100377A true JPH09100377A (ja) 1997-04-15

Family

ID=17313664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25796495A Pending JPH09100377A (ja) 1995-10-04 1995-10-04 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09100377A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004011230A1 (ja) * 2002-07-31 2004-02-05 Shikoku Kakoki Co., Ltd. 冷間成形用樹脂シート及び冷間成形加工品
US6762218B2 (en) * 2000-04-03 2004-07-13 Basf Aktiengesellschaft Impact resistant thermoplastic molding materials comprised of syndiotactic polystyrene, glass fibers and thermoplastic elastomer (tpe) impact modifiers
JP2011207951A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリスチレン系樹脂組成物
JP2012164601A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Yazaki Corp コネクタ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6762218B2 (en) * 2000-04-03 2004-07-13 Basf Aktiengesellschaft Impact resistant thermoplastic molding materials comprised of syndiotactic polystyrene, glass fibers and thermoplastic elastomer (tpe) impact modifiers
WO2004011230A1 (ja) * 2002-07-31 2004-02-05 Shikoku Kakoki Co., Ltd. 冷間成形用樹脂シート及び冷間成形加工品
JP2011207951A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリスチレン系樹脂組成物
JP2012164601A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Yazaki Corp コネクタ
US8979582B2 (en) 2011-02-09 2015-03-17 Yazaki Corporation Connector

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100403071B1 (ko) 신디오탁틱폴리스티렌계수지조성물
JP3255243B2 (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JP3292320B2 (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH08104785A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JP3805105B2 (ja) スチレン系樹脂組成物及びその製造方法、スチレン系樹脂成形品の製造方法
JP3901752B2 (ja) 難燃性ポリスチレン系樹脂組成物及びポリスチレン系樹脂成形体
US5760105A (en) Styrenic resin composition
US6657008B2 (en) Flame retardant polystyrenic resin composition
JPH11302481A (ja) スチレン系樹脂組成物及び半導体搬送用治具
JP3591559B2 (ja) シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物
JPH0762175A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3705624B2 (ja) 酸変性ポリフェニレンエーテルの製造法
JP3264462B2 (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JP3531683B2 (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JPH09100377A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JP3533534B2 (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JP3264468B2 (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JP3080752B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH11302480A (ja) スチレン系樹脂組成物
JPH111589A (ja) 樹脂の組成物およびic用耐熱トレー
JPH08151492A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH08143729A (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JP2004269899A (ja) シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物
JP2000073992A (ja) ファン
JPH11279349A (ja) スチレン系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041130