JP2001158841A - 制振性難燃樹脂組成物 - Google Patents

制振性難燃樹脂組成物

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JP2001158841A
JP2001158841A JP34275599A JP34275599A JP2001158841A JP 2001158841 A JP2001158841 A JP 2001158841A JP 34275599 A JP34275599 A JP 34275599A JP 34275599 A JP34275599 A JP 34275599A JP 2001158841 A JP2001158841 A JP 2001158841A
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styrene
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JP34275599A
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Koji Ishikawa
浩司 石川
Takateru Imai
高照 今井
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Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、制振性および難燃性に優れ、広範囲の
用途に使用し得る制振性難燃樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂1〜96
重量%、(B)ガラス転移温度が110℃以上の耐熱ス
チレン系樹脂1〜96重量%、(C)tanδの主分散
ピークが−30〜+50℃の範囲にある重合体、および
tanδの主分散ピークが−30〜+50℃の範囲にあ
る重合体部分をその分子構造中に有する重合体の群から
選ばれた少なくとも1種の重合体1〜50重量%、
(D)難燃剤1〜30重量%、(E)無機充填材1〜6
0重量%、(F)難燃助剤0〜20重量%、ならびに
(G)上記(A),(B)および(C)成分以外の他の
熱可塑性重合体0〜90重量%を主成分とし、25℃の
損失係数が0.02以上である制振性難燃樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛性、制振性およ
び難燃性を要求される部材に好適な制振性難燃樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活環境の快適化を求める動きが
盛んになり、生活環境にある機器からの振動抑制、騒音
の低減が求められている。また、音響機器、家電用品に
おいては、さらに高品位の音質が求められる分野もあ
り、制振特性に優れた新素材の登場が期待されている。
また、これらの機器に関しては、薄肉軽量化の方向と安
全上の観点から、高剛性でかつ難燃化された材料が幅広
く用いられている。しかしながら、これらの剛性、難燃
性に加えて、制振性を併せ持つ材料は例がなく、その開
発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、剛性、制振性および
難燃性に優れ、広範囲の用途に使用し得る制振性難燃樹
脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ゴム質
重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物、または芳香族
ビニル化合物およびこれと共重合可能な他のビニル系単
量体からなる単量体成分を重合して得られるゴム変性ス
チレン系樹脂1〜96重量%、(B)芳香族ビニル化合
物、または芳香族ビニル化合物およびこれと共重合可能
な他のビニル系単量体からなる単量体成分を重合して得
られ、ガラス転移温度が110℃以上である耐熱スチレ
ン系樹脂1〜96重量%、(C)tanδの主分散ピー
クが−30〜+50℃の範囲にある重合体、およびta
nδの主分散ピークが−30〜+50℃の範囲にある重
合体部分をその分子構造中に有する重合体の群から選ば
れた少なくとも1種の重合体1〜50重量%、(D)難
燃剤1〜30重量%、(E)無機充填材1〜60重量
%、(F)難燃助剤0〜20重量%、ならびに(G)上
記(A),(B)および(C)成分以外の他の熱可塑性
重合体0〜90重量%〔ただし、(A)+(B)+
(C)+(D)+(E)+(F)+(G)=100重量
%〕を主成分とし、25℃の損失係数が0.02以上で
ある制振性難燃樹脂組成物に関する。ここで、上記
(G)成分は、ポリエステル樹脂であることが好まし
い。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の(A)ゴム変性スチレン
系樹脂は、本発明の組成物に耐衝撃性を付与する成分で
あって、ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合
物、または芳香族ビニル化合物およびこれと共重合可能
な他のビニル系単量体からなる単量体成分を重合して得
られるが、別途、上記単量体成分のみを(共)重合して
得られる(共)重合体を配合してもよい。この場合、上
記(共)重合体は、ガラス転移温度が110℃未満のも
のである。
【0006】ここで、本発明の(A)ゴム変性スチレン
系樹脂に使用されるゴム質重合体としては、ゴム成分の
tanδの主分散ピークが−30℃未満であるゴム質重
合体が好適に用いられる。このゴム質重合体としては、
例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン
共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エ
チレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オ
レフィン−ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエ
ン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、水素化ブタジエン系重合体、シリコーンゴ
ム、エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。
【0007】なお、上記スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体に
は、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロ
ック型の構造を有するものなどが含まれる。また、上記
水素化ブタジエン系重合体には、上記ブロック共重合体
の水素化物のほかに、スチレンブロックとスチレン−ブ
タジエンランダム共重合体のブロック体の水素化物、ポ
リブタジエン中の1,2−ビニル結合含量が20重量%
以下のブロックと、1,2−ビニル結合含量が20重量
%を超えるポリブタジエンブロックからなる重合体の水
素化物などが含まれる。これらのゴム質重合体は、1種
単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用
いることもできる。本発明の(A)成分中のゴム質重合
体の使用量は、好ましくは1〜70重量%、耐衝撃性の
面からさらに好ましくは5〜70重量%、特に好ましく
は5〜60重量%である。
【0008】一方、(A)ゴム変性スチレン系樹脂に用
いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−
ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレ
ン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニル
ピリジン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジク
ロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタ
レンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、単独で
あるいは2種以上混合して用いられる。芳香族ビニル化
合物の使用量は、単量体成分中に好ましくは20〜10
0重量%、さらに好ましくは30〜90重量%、特に好
ましくは40〜80重量%であり、20重量%未満では
充分な成形加工性が得られない。
【0009】上記グラフト重合の際に、必要に応じて用
いられる、芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニ
ル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル化合物;メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリ
レート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルア
クリレート、オクタデシルアクリレート、フェニルアク
リレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸エス
テル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミ
ルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレー
ト、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸エス
テル;グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエ
ーテルなどのエポキシ化合物;アクリルアミン、メタク
リル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエチル、メタ
クリル酸アミノプロピル、アミノスチレンなどのアミノ
基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシ−1−プロペン、
4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−
2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、
3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ヒドロキシスチレンなどの水酸基含有不飽
和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサゾリン基含
有不飽和化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無
水シトラコン酸などの不飽和酸無水物;アクリル酸、メ
タクリル酸などの不飽和酸;マレイミド、N−メチルマ
レイミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフ
ェニル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボ
ン酸のイミド化合物;アクリルアミド、メタクリルアミ
ドなどの不飽和カルボン酸アミドなどが挙げられる。こ
れらのなかでも、アクリロニトリル、N−フェニルマレ
イミド、無水マレイン酸がより好ましい。これらの他の
ビニル系単量体は、1種単独であるいは2種以上を併用
することができる。
【0010】なお、本発明の(A)ゴム変性スチレン系
樹脂の分子量は、マトリックス成分であるメチルエチル
ケトン可溶分の固有粘度〔η〕(30℃、メチルエチル
ケトン中で測定)が、好ましくは0.1〜2.0dl/
g、さらに好ましくは0.2〜1.0dl/gである。
この固有粘度〔η〕が0.1dl/g未満であると、耐
衝撃性が劣り、一方2.0dl/gを超えると、流動性
が劣る。上記固有粘度〔η〕は、重合開始剤、連鎖移動
剤、乳化剤、溶剤などの種類や量、さらに重合時間、重
合温度などを変えることにより、容易に制御することが
できる。
【0011】また、(A)ゴム変性スチレン系樹脂のグ
ラフト率は、通常、10〜300重量%、好ましくは1
5〜150重量%である。グラフト率が10重量%未満
または300重量%を超えると、耐衝撃性が低くなる傾
向にあり、好ましくない。上記グラフト率は、ゴム質重
合体、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などの種類や
量、さらに重合時間、重合温度などを変えることによ
り、容易に制御することができる。ここで、グラフト率
(重量%)は、ゴム変性スチレン系樹脂1g中のゴム成
分重量をx、メチルエチルケトン不溶分重量をyとする
と、次式により求められた値である。 グラフト率(重量%)=〔(y−x)/x〕×100
【0012】(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、公知の
重合法である、乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重
合またはこれらの重合法を組み合わせた重合方法で製造
することができる。本発明の組成物における(A)ゴム
変性スチレン系樹脂の使用量は、1〜96重量%、好ま
しくは1〜90重量%、さらに好ましくは1〜50重量
%である。1重量%未満では、耐衝撃性が劣り、一方、
96重量%を超えると、制振性、難燃性、耐熱性が劣
る。
【0013】(B)耐熱スチレン系樹脂は、芳香族ビニ
ル化合物、または芳香族ビニル化合物およびこれと共重
合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分を重合
して得られるガラス転移温度が110℃以上の重合体で
あって、本発明の組成物に耐熱性を付与する成分であ
る。なお、本発明において、ガラス転移温度は、示差走
査熱量分析(DSC)によって測定されるガラス転移温
度である。(B)成分のガラス転移温度としては、11
5〜300℃が特に好ましい。(B)成分のガラス転移
温度が110℃未満では、得られる組成物の耐熱性が劣
るため好ましくない。(B)成分のガラス転移温度は、
芳香族ビニル化合物やこれと共重合可能な他のビニル系
単量体の種類や量を変えることにより、調整することが
できる。
【0014】(B)成分を構成する芳香族ビニル化合
物、および芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニ
ル系単量体としては、上記(A)成分を構成する化合物
と同じものが好適に用いられる。特に好ましくは、芳香
族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、他のビニル系単量体としては、アクリロニトリル、
無水マレイン酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、
N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドで
ある。上記(B)耐熱スチレン系樹脂は、公知の重合法
である乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重合または
これらの重合法を組み合わせた重合法で製造することが
できる。
【0015】なお、(B)耐熱スチレン系樹脂のメチル
エチルケトン可溶分の固有粘度〔η〕(30℃、メチル
エチレンケトン中で測定〕は、好ましくは0.1〜2.
0dl/g、さらに好ましくは0.15〜1.5dl/
gである。0.1dl/g未満では、耐熱性が充分でな
く、一方、2.0dl/gを超えると、流動性が劣るも
のとなる。上記固有粘度〔η〕も、(A)成分と同様、
重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶剤などの種類や
量、さらに重合時間、重合温度などを変えることによ
り、容易に制御することができる。また、単量体成分の
添加方法によっても、固有粘度〔η〕を変えることがで
きる。例えば、この添加方法としては、一括添加、分割
添加、連続添加、あるいはこれを組み合わせた方法が挙
げられる。
【0016】本発明の組成物における(B)成分の使用
量は、1〜96重量%、好ましくは1〜90重量%、さ
らに好ましくは1〜50重量%であり、1重量%未満で
は、耐熱性が劣り、一方、96重量%を超えると、制振
性、難燃性、流動性が劣る。
【0017】本発明の(C)成分は、(C)成分自体の
tanδの主分散ピークが−30〜+50℃の範囲にあ
るか、またはtanδの主分散ピークが−30〜+50
℃の範囲にある重合体部分をその分子構造中に有するこ
とによって、本発明の組成物において、高い制振性能を
付与する。ここで、−30℃よりも低い温度または逆に
+50℃より高い温度にしか、ピークが無い場合には、
通常の使用温度領域において、充分な制振性能が得られ
ず好ましくない。
【0018】本発明の(C)成分としては、tanδの
主分散ピークが−30〜+50℃の範囲にある重合体お
よび/またはtanδの主分散ピークが−30〜+50
℃の範囲にある重合体部分をその分子構造中に有する重
合体であれば、いずれも使用することができる。上記の
温度範囲にtanδの主分散ピークを有するものとして
は、例えば分子鎖中に嵩高い側鎖を有するエラストマー
性重合体などが挙げられる。(C)成分の具体例として
は、1,2−結合および/または3,4−結合の含有量
(以下「ビニル結合含量」ともいう)の高い(以下「高
ビニル」ともいう)共役ジエン系重合体(部分)、α−
オレフィン含量の高いエチレン−α−オレフィン系重合
体(部分)などが挙げられる。また、本発明の(C)成
分としては、上記のtanδの主分散ピークが−30℃
〜+50℃の範囲にある重合体、および/またはtan
δの主分散ピークが−30℃〜+50℃の範囲にある重
合体部分をその分子構造中に有する重合体の存在下に、
芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物およびこ
れと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成
分を重合して得られるものも、好適に用いられる。ここ
で、芳香族ビニル化合物や他のビニル系単量体として
は、上記(A)成分の説明において記載したものと同じ
ものが好適に用いられる。
【0019】本発明の(C)成分としては、より具体的
には、高ビニルポリブタジエン、高ビニルポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体、アクリロニトリル−高ビニルブタジエン
共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合(以下「A
S」ともいう)ブロックと高ビニルポリブタジエンブロ
ックとのブロック共重合体、ASブロックと高ビニルポ
リイソプレンブロックとのブロック共重合体、高ビニル
ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン−高ビニルブタジエンブロック共重合体、スチレ
ン−高ビニルイソプレンブロック共重合体、水素化スチ
レン−高ビニルブタジエンブロック共重合体、水素化高
ビニルブタジエン系重合体、エチレン−α−オレフィン
系共重合体、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重
合体などが挙げられる。また、スチレン−高ビニルブタ
ジエンブロック共重合体、スチレン−高ビニルイソプレ
ンブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー
型、ラジアルテレブロック型などの構造を有するものな
どが含まれる。さらに、上記ブロック共重合体の水素化
物のほかに、スチレンブロックとスチレン−ブタジエン
ランダム共重合体のブロックからなるブロック共重合体
の水素化物などが含まれる。また、上記の各種重合体を
主鎖として、スチレンブロックまたはASブロックがグ
ラフトしたものや、スチレンブロックまたはASブロッ
クを主鎖として、上記の各種重合体がグラフトしたもの
も含まれる。これらグラフト重合体の具体例としては、
スチレン−高ビニルイソプレンブロック共重合体にAS
鎖をグラフトした重合体や、AS共重合体にスチレン−
高ビニルイソプレンブロック体がグラフトした重合体な
どが挙げられる。上記(C)重合体は、1種単独である
いは2種以上を併用することができる。
【0020】本発明の組成物における(C)成分の使用
量は、1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%、さ
らに好ましくは3〜40重量%である。1重量%未満で
は、得られる組成物の制振性が充分ではなく、一方、5
0重量%を超えると、剛性および難燃性が低下する。
【0021】次に、本発明の組成物に用いられる(C)
難燃剤としては、公知の難燃剤が全て使用できるが、好
ましくはハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、分子中にリ
ンとハロゲンを同時に含有する難燃剤、メラミン系難燃
剤などが挙げられる。これらのうち、ハロゲン系難燃剤
としては、まず、下記式(I)で表される両末端にエポ
キシ基を有するハロゲン含有化合物が挙げられる。
【0022】
【化1】
【0023】(式中、Xは臭素原子または塩素原子、a
〜dは1〜4の自然数、pは0または自然数である。) 上記式(I)で表される両末端にエポキシ基を有するハ
ロゲン含有化合物は、含ハロゲンビスフェノールAと含
ハロゲンビスフェノールA型エポキシ樹脂の反応生成物
として得られる。また、含ハロゲンビスフェノールAと
エピクロルヒドリンとの反応生成物として得られる。
【0024】ここで、含ハロゲンビスフェノールAとし
ては、例えばテトラブロモビスフェノールA、ジクロロ
ビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジ
ブロモビスフェノールAなどが挙げられる。また、含ハ
ロゲンビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例え
ばテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル、テトラクロロビスフェノールAのジグリシジルエー
テル、ジクロロビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル、ジブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル
などが挙げられる。特に好ましくは、テトラブロモビス
フェノールAとテトラブロモビスフェノールAのジグリ
シジルエーテルとの反応生成物、あるいはテトラブロモ
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応生成物
などがある。
【0025】また、ハロゲン系難燃剤として、下記式
(II)で表されるハロゲン含有化合物を挙げることがで
きる。
【0026】
【化2】
【0027】〔式(II)中、X,a〜d,pは、式
(I)に同じであり、eは1〜4の自然数である。〕 式(II)で表される難燃剤は、式(I)で表される難燃
剤を構成する、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂とトリブロモフェノール、ジブロモフェノール、ト
リクロロフェノール、ジクロロクレゾールなどのハロゲ
ン化フェノール類とを、塩素性触媒の存在下に加熱反応
させることによって得られる。
【0028】上記式(I)および式(II)で表される難
燃剤のブロムなどのハロゲン含有率は、好ましくは30
〜90重量%、さらに好ましくは40〜80重量%であ
る。また、これらの式(I)および式(II)で表される
難燃剤の軟化点あるいは融点は、好ましくは70〜35
0℃、さらに好ましくは80〜300℃である。さら
に、式(I)および式(II)の中間的な化合物である、
分子片末端がエポキシ基を有する化合物も使用できる。
また、式(I)および/または式(II)の化合物と、上
記分子片末端エポキシ基を有する化合物の混合物も使用
することができる。
【0029】さらに、ハロゲン系難燃剤として、下記式
(III)で表される繰り返し構造単位を有するハロゲン含
有スチレン系重合体を挙げることができる。
【0030】
【化3】
【0031】〔式(III)中、Xは臭素原子または塩素原
子、fは1〜5の自然数、nは自然数である。〕 式(III)で表される重合体としては、好ましくはポリス
チレンの後臭素化または臭素化スチレンを重合して得ら
れるブロム化ポリスチレンであり、ブロム含有率として
は、好ましくは68〜72重量%、さらに好ましくは6
8〜70重量%である。また、式(III)で表される重合
体のポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,500
〜15,000の範囲にあることが好ましい。
【0032】さらに、ハロゲン系難燃剤としては、下記
式(IV) で表されるハロゲン含有化合物を挙げることが
できる。
【0033】
【化4】
【0034】〔式(IV) 中、Xは臭素原子または塩素原
子、g〜hは1〜4の自然数である。〕
【0035】ハロゲン系難燃剤としては、そのほか、芳
香族ハロゲン化合物、ハロゲン化ポリカーボネート、ハ
ロゲン化ポリカーボネートオリゴマー、ハロゲン化シア
ヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェニレンエーテルなど
が挙げられ、好ましくはデカブロモジフェニルオキサイ
ド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールAのポリカーボネートオリゴマー、ブロム化
ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノ
ール系ポリカーボネート、ブロム化(架橋)ポリスチレ
ン、ブロム化ポリフェニレンエーテル、デカブロモジフ
ェニルオキサライド縮合物、含ハロゲン化リン酸エステ
ルなどが挙げられる。
【0036】リン系難燃剤としては、ポリリン酸アンモ
ニウムなどの無機系リン酸塩、トリフェニルホスフェー
トなどの芳香族系リン酸エステル、トリエチルホスフェ
ートなどのアルキルリン酸エステル、酸性リン酸エステ
ル、塩化ホスホニトリル誘導体などの含チッ素リン化合
物、ビニルホスフェート、アリルホスホネートなどの重
合性リン化合物、縮合リン酸エステルタイプ、および赤
リン系難燃剤が挙げられる。リン系難燃剤の融点は、好
ましくは200℃以下である。また、そのリン含有率
は、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは8〜
15重量%である。
【0037】分子中にリンとハロゲンを同時に含有する
難燃剤としては、トリスクロロエチルフォスフェート、
トリスクロロプロピルフォスフェート、トリスジクロロ
プロピルフォスフェート、トリス(トリブロモネオペン
チル)フォスフェート、トリス(トリブロモフェニル)
フォスフェート、トリス(ジブロモフェニル)フォスフ
ェートなどが挙げられる。メラミン系難燃剤としては、
リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ピロリン酸メラ
ミン、メラミンシアヌレートなどが挙げられる。これら
の(D)難燃剤は、1種単独で使用することも、あるい
は2種以上を混合して用いることもできる。
【0038】本発明の効果が特に発現される(D)難燃
剤としては、式(I)、式(II)で表される難燃剤、お
よびブロム化ポリカーボネート、ブロム化ポリカーボネ
ートオリゴマー、トリフェニルホスフェート、含ハロゲ
ンリン酸エステルである。本発明の組成物における
(D)難燃剤の使用量は、1〜30重量%、好ましくは
5〜30重量%、さらに好ましくは5〜25重量%であ
る。1重量%未満では、難燃性が発現されず、一方、3
0重量%を超えると、熱安定性が劣る。
【0039】本発明の(E)無機充填材としては、公知
の無機充填材がすべて使用される。(E)成分を配合す
ることによって、成形品に良好な機械的物性(例えば、
引張強さ、曲げ弾性率、耐衝撃性など)を付与すること
ができる。これらの(E)無機充填材としては、ガラス
繊維、炭素繊維、金属繊維、金属フレーク、ガラスビー
ズ、ワラストナイト、ガラスのミルドファイバー、ロッ
クフィラー、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、タル
ク、マイカ、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モ
リブデン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化亜鉛ウィ
スカー、チタン酸カリウムウィスカー、ガラスバルー
ン、セラミックバルーンなどが挙げられ、1種単独で使
用することも、あるいは2種以上を混合して用いること
もできる。
【0040】(E)無機充填材として特に好ましくは、
鱗片状を有する無機充填材である。好ましい例として
は、雲母、グラファイト、ガラスフレーク、タルクなど
が挙げられる。これらの鱗片状無機充填材は、1種単独
であるいは2種以上を併用することができる。本発明の
組成物における(E)無機充填材の使用量は、1〜60
重量%、好ましくは3〜55重量%、さらに好ましくは
5〜50重量%である。1重量%未満では、成形品の剛
性が低下し、一方、60重量%を超えると、成形品の制
振性能や剛性はそれほど低下しないものの、樹脂組成物
を熱溶融した際に、流動性が不足して成形加工性が不良
となり易い。
【0041】(F)難燃助剤としては、三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、塩素化ポリ
エチレン、テトラフルオロエチレン重合体などがあり、
1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
本発明の組成物における(F)難燃助剤の使用量は、0
〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、さらに好ま
しくは1〜10重量%であり、20重量%を超えると、
熱安定性、成形品表面外観が劣る。
【0042】本発明の組成物は、上記(A)〜(F)成
分を主成分とするが、さらに必要に応じて、(G)上記
(A),(B)および(C)成分以外の他の熱可塑性重
合体を配合することで、機械的性質や成形性をさらに向
上させることができる。 (G)他の熱可塑性重合体としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナ
イロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン12などのポ
リアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアク
リレートなどのアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリスチレン、AS樹脂、AS−ポリスチレンブロック
共重合体、AS−ポリスチレングラフト共重合体などの
スチレン系樹脂で、ガラス転移温度が110℃未満のも
の、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール、塩
化ビニル系樹脂、ポリスルホン、PPS、ポリエーテル
スルホン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、EVOH、ポリアミド系
エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げ
られる。これらの(G)他の熱可塑性重合体は、1種単
独であるいは2種以上を併用することができる。これら
のなかでも、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ
アミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーが
好ましい。特に好ましい(G)成分は、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂であり、組成物に高い制振特
性、機械的制振、成形性を付与する。本発明の組成物に
おける(G)成分の使用量は、0〜90重量%、好まし
くは1〜80重量%、さらに好ましくは1〜50重量
%、特に好ましくは1〜20重量%である。90重量%
を超えると、制振性、難燃性、機械的性質のバランスが
劣る。
【0043】本発明の制振性難燃樹脂組成物の25℃に
おける損失係数は、0.02以上、好ましくは0.03
以上、さらに好ましくは0.03〜0.1である。損失
係数が0.02未満では、通常の使用温度領域におい
て、充分な制振性能が得られず好ましくない。なお、損
失係数の測定法については、下記の実施例において詳述
する。また、本発明の樹脂組成物における損失係数は、
(A)〜(G)成分の種類や量を変えることにより、調
整することができる。
【0044】本発明の制振性難燃樹脂組成物には、公知
の各種添加剤を添加してもよい。例えば、カップリング
剤、抗菌剤、防カビ剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑
剤、帯電防止剤、耐候(光)剤、シリコンオイルなどの
添加剤を配合することができる。本発明の制振性難燃樹
脂組成物は、各種押し出し機、バンバリーミキサー、ニ
ーダー、ロール、フィーダールーダーなどを用い、各成
分を混練りすることにより得られる。好ましい製造方法
は、押し出し機を用いる方法である。混練り温度は、好
ましくは180〜300℃、さらに好ましくは200〜
270℃である。また、各成分を混練りするに際して
は、各成分を一括して混練りしてもよく、数回に分けて
添加混練りしてもよい。混練りは、押し出し機で多段添
加式で混練りしてもよく、またバンバリーミキサー、ニ
ーダーなどで混練りし、その後、押し出し機でペレット
化することもできる。
【0045】このようにして得られる本発明の制振性難
燃樹脂組成物は、射出成形、シート押し出し、真空成
形、異形成形、発泡成形、インジェクションプレス、プ
レス成形、ブロー成形などによって、各種成形品に成形
することができる。上記成形法によって得られる各種成
形品は、その優れた性質を利用して、OA・家電分野、
電気・電子分野、通信機器分野、サニタリー分野、自動
車分野、雑貨分野などの各種パーツ、ハウジング、シャ
ーシー、トレーなどに使用することができる。特に、モ
ーターなどの回転や振動する装置を組み入れるハウジン
グ材料やその部品、あるいは適度な制振特性と剛性が要
求されるスピーカー振動板またはスピーカー本体のハウ
ジング、そのほか、使用環境で振動が伴いそれを低減し
ようと考えられるOA・家電分野、電気・電子分野、雑
貨分野、サニタリー分野などの各種パーツなどに好適で
ある。
【0046】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に何等制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らない限り重量基準である。ま
た、実施例中の各種評価は、次のようにして測定したも
のである。
【0047】平均粒径 大塚電子(株)製、レーザー粒径解析システムLPA−
3100を用いて、平均粒径を測定した。グラフト率 本文中に記載固有粘度〔η〕 重合体をメチルエチルケトンに投入し、振とう機で6時
間振とうし、これを、遠心分離機(回転数23,000
rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分
離し、この可溶分を真空乾燥機で充分乾燥する。次い
で、この可溶分を、メチルエチルケトンに溶解させ、濃
度の異なるものを5点作り、ウベローデ粘度管を用い、
30℃で各濃度の還元粘度を測定した結果から、固有粘
度〔η〕を求めた。
【0048】tanδ 粘弾性測定装置〔東洋ボールドウイン(株)製、DDV
III EP〕を用い、周波数11Hz、測定温度−
110℃〜+100℃、昇温速度2℃/minで測定し
た。メルトフローレート ASTM D1238に準じて測定した。測定温度,条
件は、特に断らないかぎり、240℃,10kg荷重で
行なった。単位は、g/10分である。
【0049】曲げ試験 機械的性質の指標として、JIS K7203に準じ
て、曲げ弾性率を測定した。単位は、kg/cm2 であ
る。制振性 複素弾性係数測定装置(B&K社製)を用い、片持ち梁
共振法によって、25℃での2次共振周波数における損
失係数を求めた。熱変形温度(HDT) 耐熱性の指標として、ASTM D648に準じて、熱
変形温度(HDT)を測定した。
【0050】難燃性 UL94規格に基づいて、肉厚1/16″の垂直燃焼試
験を行った。V−0相当であるものはV−0と、V−0
に相当しないものはNGとした。熱安定性 外部加熱タイプのホットランナー金型230℃設定を用
い、射出成形のシリンダー設定温度230℃で連続10
0ショット成形した。各成形品について、焼け異物の発
生状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。 ○;ほとんど焼け異物が発生しなかった。 ×;焼け異物が多発した。
【0051】参考例1〔ゴム質重合体a−1〜a−3、
c−1〜c−2の調製〕 本発明の(A)成分および(C)成分に用いるゴム質重
合体として、表1のものを用いた。
【0052】
【表1】
【0053】参考例2〔重合体A−1〜A−4、重合体
B−1〜B−2、重合体C−3〜C−4の調製〕 上記ゴム質重合体の存在下に単量体成分を重合した樹
脂、およびゴム質重合体を存在させずに単量体成分を重
合した樹脂をそれぞれ得た。これらの樹脂の組成を表2
に示す。
【0054】
【表2】
【0055】参考例3〔(C)〜(G)成分の調製〕 (C)〜(G)成分として、以下のものを用いた。(C)成分 C−1;スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体〔(株)クラレ製、ハイブラーVS−1、tanδ
のピーク温度=25℃〕 C−2;ポリブタジエン樹脂〔JSR(株)製、RB8
20、tanδのピーク温度=−10℃〕 C−3〜C−4;表2に記載の樹脂
【0056】(D)成分 D−1;テトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンとからなる、分子両末端の少なくとも80%以上
をトリブロモフェノール化した、分子量20,000の
もの。 D−2;テトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンとからなる、分子両末端の少なくとも80%以上
をトリブロモフェノール化した、分子量3,000のも
の。 D−3;リン系難燃剤として、トリフェニルホスフェー
トを用いた。(E)成分 E−1;マイカ〔(株)山口雲母工業所製、A−21〕 E−2;マイカ〔(株)クラレ製、スゾライトマイカ
60S〕 E−3;ガラス繊維〔繊維径=10μm、繊維長=3m
m〕
【0057】(F)成分 F−1;三酸化アンチモン(G)成分 G−1;テレフタル酸とブタンジオールとの反応から得
られた固有粘度1.0のPBT G−2;ビスフェノールAからなる粘度平均分子量=2
2,000のポリカーボネート G−3;テレフタル酸とエチレングリコールとの反応か
ら得られた固有粘度1.0のPET G−4;ポリスチレンブロック70%とアクリロニトリ
ル−スチレン共重合ブロック30%からなるブロック共
重合体
【0058】実施例1〜11、比較例1〜7 (A)〜(G)成分を、表3〜4の配合処方で混合し、
ベント付き二軸押し出し機を用いて、230℃で溶融混
練りし、ペレット化した。得られたペレットの水分量を
0.1%まで乾燥し、射出成形によりテストピースを成
形し、上記評価法で評価した。結果を表3〜4に示す。
本発明の組成物は、いずれも剛性、制振性および難燃性
に優れている。これに対し、比較例1は、本発明の
(C)成分の使用量が本発明の範囲外で少ない例であ
り、制振性が劣る。比較例2は、本発明の(C)成分の
使用量が本発明の範囲外で多い例であり、剛性、耐熱性
および難燃性が劣る。比較例3は、本発明の(B)成分
が本発明の範囲外の例であり、耐熱性が劣る。比較例4
は、本発明の(D)成分の使用量が本発明の範囲外で少
ない例であり、難燃性が劣る。比較例5は、本発明の
(D)成分の使用量が本発明の範囲外で多い例であり、
熱安定性が劣る。比較例6は、本発明の(E)成分の使
用量が本発明の範囲外で少ない例であり、機械的性質が
劣る。比較例7は、本発明の(E)成分の使用量が本発
明の範囲外で多い例であり、溶融混練りによるペレット
化自体が困難であり、評価不可能であった。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】本発明の制振性難燃樹脂組成物は、制振
性、難燃性および剛性に優れ、広範囲の用途、例えばO
A・家電機器分野、電気・電子分野、通信機器分野、サ
ニタリー分野、自動車分野、雑貨分野などの各パーツ、
ハウジング、シャーシーなどに有用である。特に、モー
ターなどの回転や振動をする装置に組み入れるハウジン
グ材料やその部品、あるいは、適度な制振特性と剛性を
要求されるスピーカー振動板、またはスピーカー本体の
ハウジング、そのほか、使用環境で振動を伴い、それを
低減しようと考えられるOA・家電分野、電気・電子分
野などの各種パーツなどに好適である。
フロントページの続き Fターム(参考) 3J048 AA01 BA01 BD04 BD07 EA13 4J002 AC03Y AC06Y AC07Y AC08Y BB05Y BB24U BC03X BC04X BC05Y BC06X BC09X BC11Z BD15U BN14W BN14Y BP01Y BP03Y CD12Z CD20Z CG03Z CH07Z DA017 DA027 DA056 DA067 DE077 DE107 DE128 DE187 DE237 DG027 DG047 DH056 DJ007 DJ037 DJ047 DJ057 DL007 EB106 ED076 EJ056 EU026 EW046 FA017 FA047 FA067 FA087 FA107 FD017 FD13U FD13Z FD136 FD138 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム質重合体の存在下に、芳香族
    ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物およびこれと
    共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分を
    重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂1〜96重量
    %、 (B)芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物
    およびこれと共重合可能な他のビニル系単量体からなる
    単量体成分を重合して得られ、ガラス転移温度が110
    ℃以上である耐熱スチレン系樹脂1〜96重量%、 (C)tanδの主分散ピークが−30〜+50℃の範
    囲にある重合体、およびtanδの主分散ピークが−3
    0〜+50℃の範囲にある重合体部分をその分子構造中
    に有する重合体の群から選ばれた少なくとも1種の重合
    体1〜50重量%、 (D)難燃剤1〜30重量%、 (E)無機充填材1〜60重量%、 (F)難燃助剤0〜20重量%、ならびに (G)上記(A),(B)および(C)成分以外の他の
    熱可塑性重合体0〜90重量%〔ただし、(A)+
    (B)+(C)+(D)+(E)+(F)+(G)=1
    00重量%〕を主成分とし、25℃の損失係数が0.0
    2以上である制振性難燃樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (G)成分が、ポリエステル樹脂である
    請求項1記載の制振性難燃樹脂組成物。
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