JP4860380B2 - パターン修正方法およびパターン修正装置 - Google Patents

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Description

この発明はパターン修正方法およびパターン修正装置に関し、特に、基板上に形成された微細パターンの欠陥部を修正するパターン修正方法およびパターン修正装置に関する。より特定的には、この発明は、フラットパネルディスプレイの製造工程において発生する電極のオープン欠陥を修正するパターン修正方法およびパターン修正装置に関する。
近年、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの大型化、高精細化に伴い、ガラス基板上に形成された電極や液晶カラーフィルタなどに欠陥が存在する確率が高くなっており、歩留まりの向上を図るため欠陥を修正する方法が提案されている。
たとえば、液晶ディスプレイのガラス基板の表面には電極が形成されている。この電極が断線している場合、塗布針先端に付着させた導電性の修正ペースト(修正液)を断線部に塗布し、電極の長さ方向に塗布位置をずらしながら複数回塗布して電極を修正する(たとえば、特許文献1参照)。
また、欠陥部を覆うようにフィルムを設け、欠陥部とフィルムとをレーザ光を用いて略同時に除去し、除去した部分にフィルムをマスクとして修正インク(修正液)を塗布し、その後、フィルムを剥離除去する方法がある(たとえば、特許文献2,3参照)。
特開平8−292442号公報 特開平11−125895号公報 特開2005−95971号公報
しかしながら、電極を修正する方法では、塗布針先端に導電性の修正ペーストを付着させ、断線部に修正ペーストを転写するため、その塗布径は塗布針先端の平坦面の寸法で決まり、10μm前後の塗布径を実現するのは困難であり、これを用いた細線形成も同様に難しかった。
一方、フィルムをマスクとして使用する方法では、10μm前後の細線で電極断線部などを修正することが可能であるが、修正インクを孔に塗布した時点で、フィルムと基板との隙間に毛細管現象で修正インク、あるいは、その溶媒が吸い込まれ、基板を汚染することも考えられる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、10μm前後の細線で電極断線部などを修正することができ、かつ、欠陥部周辺の汚染が小さなパターン修正方法およびパターン修正装置を提供することである。
この発明に係るパターン修正方法は、基板上に形成された微細パターンの欠陥部を修正するパターン修正方法において、フィルムに開けられた孔と欠陥部とを隙間を開けて対峙させ、孔を含む所定の範囲でフィルムを基板に押圧するとともに孔を介して欠陥部に修正液を塗布し、フィルムの復元力でフィルムを基板から剥離させることを特徴とする。
好ましくは、孔の開口部よりも大きな先端面を有する塗布針の先端部に修正液を付着させ、塗布針の先端面で孔を覆うようにしてフィルムを基板に押圧するとともに孔を介して修正液を欠陥部に塗布する。
また好ましくは、フィルムを基板に対して隙間を開けて略平行に張り渡すことにより、孔と欠陥部とを隙間を開けて対峙させる。
また好ましくは、各々が大径部と小径部を有する1対の固定ローラを欠陥部の両側に配置し、各固定ローラの大径部を基板の表面に接触または近接させ、1対の固定ローラの小径部でフィルムを支持する。
また好ましくは、フィルムの基板側の表面に凹部を形成し、凹部内に孔を形成し、孔と欠陥部とを位置合わせしてフィルムと基板を接触させることにより、孔と欠陥部とを隙間を開けて対峙させる。
また好ましくは、欠陥部の近傍にスペーサを配置し、孔を欠陥部に位置合わせしてフィルムをスペーサ上に配置することにより、孔と欠陥部とを隙間を開けて対峙させる。
また好ましくは、フィルムの孔よりも大きな他の孔を開けた他のフィルムを、他の孔の略中央にフィルムの孔が位置するようにしてフィルムと基板の間に配置することにより、孔と欠陥部とを隙間を開けて対峙させる。
また、この発明に係るパターン修正装置は、基板上に形成された微細パターンの欠陥部を修正するパターン修正装置において、フィルムに開けられた孔と欠陥部とを隙間を開けて対峙させ、孔を含む所定の範囲でフィルムを基板に押圧するとともに孔を介して欠陥部に修正液を塗布し、フィルムの復元力でフィルムを基板から剥離させることを特徴とする。
この発明に係るパターン修正方法およびパターン修正装置では、フィルムに開けられた孔と欠陥部とを隙間を開けて対峙させ、孔を含む所定の範囲でフィルムを基板に押圧するとともに孔を介して欠陥部に修正液を塗布し、フィルムの復元力でフィルムを基板から剥離させる。したがって、孔を開けたフィルムをマスクとして用いるので、10μm前後の細線で電極断線部などを修正することができる。また、修正液を欠陥部に塗布するときのみフィルムを基板に接触させるので、毛細管現象によって修正液がフィルムと基板の隙間に侵入することを防止することができ、修正液によって欠陥部周辺の基板が汚染されるのを防止することができる。
この発明に係るパターン修正方法では、描画したい形状と同形状の孔をフィルムに開け、その孔を基板上に形成された微細パターンの欠陥部に位置合わせし、基板から一定距離だけ浮かせた状態でフィルムを配置する。浮かせる距離(隙間)は、フィルムを支持する支点間距離によって異なるが、たとえば10〜1000μm程度である。この状態で、塗布手段、たとえば、先端が平坦に加工された塗布針の先端部に修正ペーストを付着させ、その塗布針の先端面を孔の上からフィルムに押し付けると、フィルムが変形して、孔を含む微小範囲のフィルムが基板の欠陥部を含む微小範囲に接触し、孔を介して欠陥部に修正ペーストが塗布される。
修正ペーストがフィルムと基板との隙間に毛細管現象で流れる前に、塗布針をフィルムから退避させる。塗布針を上方に退避させると、孔を含む微小範囲のフィルムはフィルムの復元力によって基板から離れる。したがって、毛細管現象によって修正ペーストがフィルムと基板の隙間に侵入することを防止することができ、修正液ペーストによって欠陥部周辺の基板が汚染されるのを防止することができる。以下、この発明に係るパターン修正方法について図面を用いて詳細に説明する。
図1(a)は、この発明の実施の形態1によるパターン修正方法を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のIB−IB線断面図である。図1(a)(b)において、このパターン修正方法では、基板1の上方に孔3aの開いたフィルム3が配置される。基板1の表面には、図2に示すように、微細パターンである電極2が形成されており、電極2にはオープン欠陥部(断線部)2aが発生している。
図1(a)(b)に戻って、このパターン修正方法では、欠陥部2aに応じた形状の孔3aの開いたフィルム3がマスクとして使用される。孔3aが欠陥部2aに位置合わせされ、フィルム3が基板1に対して隙間Gを開けて対峙した状態で配置される。フィルム3は、たとえば薄膜のポリイミドフィルムであり、その幅はマスクとして使用するのに十分な幅があれば良く、たとえば、5mm〜15mm程度にスリットしたロール状フィルムを使用する。フィルム3の厚さFtは、その下が透けて見える程度のものが好ましく、たとえば10〜25μm程度である。
孔3aの開口部は、たとえば、短軸長がSw、長軸長がSlの長方形状であり、欠陥部2aの両端に位置する正常な電極面2bにも修正ペーストを塗布できるように、孔3aは欠陥部2aよりも長く形成される。これにより、修正部の抵抗値の低減化、修正部の密着性の向上などの効果的が期待できる。
孔3aは、フィルム3にレーザ光を照射することによって形成される。レーザとしては、YAG第3高調波レーザやYAG第4高調波レーザ、あるいはエキシマレーザなどのパルスレーザを用いる。図3に示すように、レーザ部4は観察光学系5の上部に固定され、レーザ部4から出射されたレーザ光は観察光学系5の下端に固定した対物レンズ6を介してフィルム3に照射される。孔3aは、たとえばレーザ部4に内蔵される可変スリット(図示せず)により整形され、対物レンズ6で集光されたレーザ光の断面形状になる。孔3aの形状および寸法は、可変スリットにより決定される。
フィルム3に孔3aを開ける工程は、欠陥部2aの位置から離れた位置で行なわれるか、あるいは、欠陥部2aにレーザ光が当たらないようにフィルム3単体で行なわれる。たとえば、加工台7から上方に離れた位置で、2本の固定ローラ8,9間にフィルム3を水平に張り渡し、固定ローラ8,9間のフィルム3の中央部にレーザ光を照射して孔3aを形成する。加工台7の代わりに基板1上で孔3aを加工してもよい。この場合は、レーザアブレーションにより発生する異物(ごみ)が基板1上に落下しないように遮蔽板10をフィルム3と基板1の間に挿入するとよい。
なお、加工台7は、フィルム3に孔3aを開ける際の加工領域であり、基板1とは異なる位置に配置されるが、省略することも可能であり、その場合には遮蔽板10のみを備える。または、フィルム3と基板1の間に加工台7を加工時のみ挿入する方式であってもよい。
このように、欠陥部2aにフィルム3を付着、あるいは密着した状態でレーザ光による孔3aの加工を行わないので、電極2や欠陥部2aの近傍を損傷することはない。また、フィルム3を浮かした状態で孔3aを開けるので、フィルム3の裏面に異物が付着することを抑制することができる。
孔3aの形成が終了した時点では、孔3a周りのフィルム3面には、孔3a部を除去(レーザアブレーション)した際に発生した異物が飛散しており、異物の除去のため、孔3aを中心としたその周りの広い範囲に弱いパワーでレーザ光を照射してもよい。このとき、レーザをYAG第2高調波レーザに切り替えて、弱いレーザパワーで孔3aを中心とする広い範囲にレーザ光を照射すれば、異物のみを除去することも可能であり、新たに異物が発生することを防止することができる。フィルム3の裏面も同様に処理してもよい。レーザ部4としては、孔3aを開けるためのレーザ光と、異物を除去するためのレーザ光の2種類のレーザ光のうちのいずれかのレーザ光を選択的に出射できるものを使用するとよい。
次に、たとえば画像処理結果に基づいて基板1に対してフィルム3を相対的に移動させ、図1(a)(b)に示すように、欠陥部2aの上方にフィルム3の孔3aを位置決めしてフィルム3と基板1が隙間Gを開けて対峙した状態にする。この工程は手動で行なっても構わない。フィルム3は一定の張力によって張られた状態にある。隙間Gは、フィルム3を支持する支点(たとえば図3に示した固定ローラ8,9)の間隔やフィルム3の厚さによって異なるが、たとえば10〜1000μm程度に設定される。基板1の表面に凹凸がある場合、基板1に対峙したフィルム3が、基板1とは接触しない程度の隙間Gを保ってもよいし、孔3aを含む微小範囲が、欠陥部2aと接触しないような隙間Gを保つようにしてもよい。
修正ペーストの塗布手段としては、たとえば、図4に示す塗布針11が用いられる。塗布針11の先端部は尖っているが、その先端は平坦に加工されている。塗布針11先端の平坦面11aの直径は、たとえば、30〜70μm程度であり、孔3aの大きさに合わせて最適な直径のものを選択して使用する。孔3aが平坦面11aにすべて収まるような塗布針11を選択して使用することが好ましい。このような塗布針11を用いれば、1回の塗布動作で孔3a全体に修正ペースト12を充填することができる。
塗布針11先端の平坦面11aの周りに修正ペースト12が付着した状態で、平坦面11aで孔3aの開口部を閉蓋するようにして塗布針11を上方から押し付けると、フィルム3が変形して孔3aの周りの微小範囲のフィルム3が欠陥部2aの周囲に付着し、欠陥部2aに修正ペースト12が充填される。塗布針11は、図示しないガイド(直動軸受)上を上下に進退可能にしたものであり、塗布針11を含む可動部の自重のみでフィルム3を押す。塗布針11が下降してフィルム3に接触した後もさらに下降させようとしても、塗布針11がガイドに沿って上方に退避するので、塗布針11の平坦面11aは過負荷とならない。塗布針11の駆動手段(図示せず)は、制御手段(図示せず)により、時間管理されて制御される。
孔3aを含む微小範囲のフィルム3が欠陥部2aの周囲に接触する時間は、塗布針11がフィルム3を押している間だけであり、修正ペースト12がフィルム3と基板1(欠陥部2a近傍)との隙間に毛細管現象で流れる前に、塗布針11を上方に退避させる。塗布針11がフィルム3から離れれば、フィルム3の弾性で元の状態に戻り、孔3aを含む微小範囲のフィルム3は欠陥部2aの周囲から離れる。そのため、フィルム3が基板1に接触する時間は極わずかである。
図5は、塗布針11を上方に退避した状態を示し、フィルム3は基板1から離れた状態に復帰しており、欠陥部2aには、孔3aの形状と略同形状の修正層12Aが残る。また、余分に塗布された修正ペースト12はフィルム3の表面に残る。このように、フィルム3をマスクとして修正を行なうので、塗布針11による塗布形状よりも微細な修正層12A(パターン)を得ることが可能となる。
塗布された修正ペースト12には、修正ペースト12の仕様に合わせて紫外線硬化、加熱硬化処理、あるいは乾燥処理が施される。図5の状態で硬化処理を行なってもよいし、欠陥部2aの上方からフィルム3を除去した後で硬化処理を行なってもよい。
このような方法で欠陥部2aの修正を行なえば、塗布された修正ペースト12が基板1とフィルム3との隙間に毛細管現象で吸い込まれることも無く、孔3aよりも広い範囲に渡って基板1を汚染する心配もなくなる。また、塗布が終了した時点で、フィルム3は欠陥部2aや基板1から完全に離れているため、その後の工程でフィルム3を除去する際には、フィルム3が修正層12Aに接触して修正層12Aを崩す心配がない。
修正ペースト12の粘度が大きければ、基板1とフィルム3との隙間に毛細管現象で吸い込まれる可能性は低くなるが、逆に流動性が悪くなって、孔3a全体に入らないため、欠陥部2aに修正ペースト12が付着しないことも想定される。それに対して、本願発明では、塗布時のみ孔3a近傍のフィルム3を基板1に押圧するので、毛細管現象の影響を最小限に留めることができる。したがって、修正ペースト12の粘度は小さくても構わない。
また、1つの欠陥部2aを修正する際、1回の塗布で修正を完了する方が好ましい。その理由は、塗布回数が多くなると、孔3aに付着する修正ペースト12の量が多くなって、フィルム3と基板1との隙間に修正ペースト12が吸い込まれる、あるいは修正層12Aの形状が崩れる可能性も考えられるからである。一方、複数回同じ位置に塗布することで修正層12Aの膜厚を厚くすることもできるので、使用する修正ペースト12の仕様に合わせて塗布回数を決めることが望ましい。
また、修正ペースト12としては、電極2の欠陥部2aを修正する場合、金、銀などの金属ナノ粒子を用いた金属ナノペーストや金属錯体溶液、金属コロイドを用いることができる。
図6は、フィルム3の孔3aを基板1に対して一定の隙間を開けて対峙させる方法を示す図である。図6において、フィルム供給ロール13から出たフィルム3は、固定ローラ8,9を経由してフィルム巻き取りロール14に巻き取られる。2つの固定ローラ8,9の間でフィルム3を一定の張力で張った状態で、基板1と対峙させる。隙間が数10μmのように微小な場合には、固定ローラ8,9が基板1に接触する可能性もあるため、固定ローラ8,9を上下動自在に保持する保持手段を設けてもよい。
固定ローラ8,9が上下動自在に設けられている場合は、図7に示すように、固定ローラ8を小径部8aと大径部8bとが同軸状に配置された2段形状とし、小径部8aにフィルム3を接触させ、大径部ローラ8bを基板1に接触させる。固定ローラ9も固定ローラ8と同様に構成する。この場合、大径部8bと小径部8aとの半径差からフィルム3の膜厚を減算した寸法が隙間Gとなる。この方法によれば、フィルム3と基板1の隙間調整を容易に行なうことができる。
この実施の形態では、基板1からフィルム3を浮かせた状態で配置し、フィルム3に開けた孔3aおよびその周囲を塗布針11で押している間だけ、フィルム3に開けた孔3aを含む微小範囲が欠陥部2aおよびその周辺の基板1に接触するため、基板1とフィルム3との隙間に修正ペースト12が侵入することを防止することができ、安定して孔3aの形状と略同じ形状の微細パターンを得ることができる。
また、このパターン修正方法によれば、細線パターンを容易に形成することができるので、たとえば、液晶パネルのTFT(薄膜トランジスタ)パネルの電極修正のように、10μm以下のパターン形成が必要な場所に応用も可能となる。また、電極以外では、液晶カラーフィルタのブラックマトリックスは高精細化に伴い線幅が20μmを切っており、この修正にも適応が可能となる。
なお、この実施の形態では、直線状の欠陥部2aを修正する場合について説明したが、L字形やコの字形などのように直線状以外の形状の欠陥部であっても、その欠陥部に応じた形状の孔3aをフィルム3に開ければ修正可能であることは言うまでもない。
また、孔3aの開口部の短軸長(幅)Swとフィルム3の厚さFtとがFt>Swの関係を満たすようにすれば、孔3a内に入った修正ペースト12を孔3a内に留める力(付着力)F1が、フィルム3と基板1との隙間に作用する毛細管現象による吸引力F2よりも大きくなり、修正ペースト12がフィルム3と基板1との隙間に吸い込まれることを防止することができる。ただし、上記力F1,F2は修正ペースト12の表面張力や粘度、基板1やフィルム3の濡れ性に依存して変化するので、修正の安定性を増すためには、Ft/2>Swの関係を満たすようにする方がより好ましい。これらの式Ft>Sw,Ft/2>Swは、孔3aの形状が、L字やコの字形状であっても適用される。
また、この実施の形態では、フィルム3に孔3aを開けた後に孔3aを欠陥部2aに対して一定の隙間を開けて対峙させたが、欠陥部2aを含む範囲にフィルム3を付着させた状態でレーザ光を照射して孔3aを開けてから、フィルム3を一定の距離だけ上昇させて隙間Gを確保しても構わない。この場合には、レーザ光が欠陥部2aを含む近傍を傷つけたり、レーザアブレーションによるごみの付着が問題とならない場合に適用可能とされる。
また、塗布手段として塗布針11を挙げたが、塗布時に孔3aを含む微小範囲のフィルム3を基板1側に接触させることが可能であればよく、塗布手段は塗布針11に限定されない。塗布手段として、たとえばディスペンサを用いてもよい。また、孔3aを含む微小範囲のフィルム3上に修正ペースト12を塗布した後で、孔3aを含む微小範囲のフィルム3を一定時間、基板1側に接触させるような手段を用いてもよい。
以下、この実施の形態の種々の変更例について説明する。図8の変更例では、フィルム3の基板1に接触する面に凹部3bが形成され、凹部3bの略中央に孔3aが形成される。凹部3bの幅Wや深さDは、フィルム3が塗布時に変形して、孔3aを含む微小範囲のフィルム3が、欠陥部2aに付着可能な範囲に設定される。たとえば、12.5μm厚のフィルム3であれば、幅Wは100μm〜300μm前後、深さDは1μm〜5μm程度である。凹部3bは、予めフィルム3に加工してあってもよく、加工手段としては、レーザや、機械的な手段(たとえば金型の転写)を用いる。なお、凹部3bはフィルムの延在方向に連続して形成してもよいし、断続的に形成しても構わない。
図9は、図8で示したフィルム3に孔3aを形成した後で、孔3aを欠陥部2aに位置合わせしてフィルム3を基板1上に配置した状態を示している。このように、フィルム3の基板1に接する側に凹部3bを形成したので、フィルム3を基板1上に直接置くだけで、孔3aと欠陥部2aを一定の隙間を開けて対峙させることができる。この場合、フィルム3に一定の張力をかけないで、緩ました状態にあってもよい。
図10(a)は、この実施の形態の他の変更例を示す平面図であり、図10(b)は図10(a)のXB−XB線断面図である。この変更例では、フィルム3の基板1に接触する面の中央部に四角形の凹部3cが形成され、孔3aは凹部3cの中央に形成される。凹部3cの面積や深さは、塗布針11で塗布した際にフィルム3が変形して、孔3aを含む微小範囲のフィルム3が基板1の欠陥部2aに付着可能な範囲に設定される。凹部3cは、レーザアブレーションにより形成されるが、その際に発生するごみが多く飛散している場合には、凹部3cを含む範囲を弱いレーザパワーでレーザ光を照射する工程を入れてもよい。このとき、YAG第2高調波レーザに切り替えて、弱いレーザパワーで照射すれば、ごみのみを除去することも可能であり、新たにごみが発生することを防止することができる。この場合も、フィルム3に一定の張力をかけないで、緩ました状態にしてもよい。
図11は、この実施の形態のさらに他の変更例を示す断面図である。図11において、孔3aと欠陥部2aを一定の隙間を開けて対峙させることができるように、孔3aを持つフィルム3と基板1との間にスペーサ15を介在させている。スペーサ15としては、フィルム3と同じフィルムを用いてもよい。
図12(a)は、この実施の形態のさらに他の変更例を示す平面図であり、図12(b)は図12(a)のXIIB−XIIB線断面図である。この変更例では、一定の間隔で孔16aが開いたフィルム16の上にフィルム3が重ねられる。孔16aは、パンチなどで事前に開けられており、孔16aの略中央のフィルム3に孔3aを開ける。孔3aを欠陥部2aに位置合わせしてフィルム16,3を基板1上に配置する。フィルム16がスペーサとなって孔3aと欠陥部2aは一定の隙間を開けて対峙される。この変更例では、図10(a)(b)で示した凹部3cを形成する必要がないので、凹部3cの形成時に発生するごみを無くすことができ、また、加工時間の短縮化を図ることができる。
図13は、この実施の形態のさらに他の変更例を示す断面図である。図13において、この変更例は、図10(a)(b)の変更例と図11または図12(a)(b)の変更例とを組み合わせたものである。フィルム3裏面に凹部3cを形成し、さらにフィルム3と基板1の間にスペーサ15またはフィルム16を設ける。この変更例でも、孔3aと欠陥部2aを隙間を開けて対峙させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の一実施の形態によるパターン修正方法を示す図である。 図1で示した基板を示す図である。 図1で示したフィルムに孔を開ける工程を示す断面図である。 図1で示したフィルムの孔を介して欠陥部に修正ペーストを塗布する工程を示す断面図である。 欠陥部に修正ペーストを塗布した後にフィルムが復帰した状態を示す断面図である。 フィルムと基板を対峙させる方法を示す図である。 フィルムと基板を対峙させる方法を示す他の図である。 この実施の形態の変更例を示す図である。 図8に示したフィルムの使用方法を示す断面図である。 この実施の形態の他の変更例を示す図である。 この実施の形態のさらに他の変更例を示す図である。 この実施の形態のさらに他の変更例を示す図である。 この実施の形態のさらに他の変更例を示す図である。
符号の説明
1 基板、2 電極、2a オープン欠陥部、3,16 フィルム、3a,16a 孔、3c 凹部、4 レーザ部、5 観察光学系、6 対物レンズ、7 加工台、8,9 固定ローラ、8a 小径部、8b 大径部、10 遮蔽板、11 塗布針、11a 平坦面、12 修正ペースト、12A 修正層、13 フィルム供給ロール、14 フィルム巻き取りロール、15 スペーサ。

Claims (8)

  1. 基板上に形成された微細パターンの欠陥部を修正するパターン修正方法において、
    フィルムに開けられた孔と前記欠陥部とを隙間を開けて対峙させ、
    前記孔を含む所定の範囲で前記フィルムを前記基板に押圧するとともに前記孔を介して前記欠陥部に修正液を塗布し、
    前記フィルムの復元力で前記フィルムを前記基板から剥離させることを特徴とする、パターン修正方法。
  2. 前記孔の開口部よりも大きな先端面を有する塗布針の先端部に前記修正液を付着させ、前記塗布針の先端面で前記孔を覆うようにして前記フィルムを前記基板に押圧するとともに前記孔を介して前記修正液を前記欠陥部に塗布することを特徴とする、請求項1に記載のパターン修正方法。
  3. 前記フィルムを前記基板に対して隙間を開けて略平行に張り渡すことにより、前記孔と前記欠陥部とを隙間を開けて対峙させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のパターン修正方法。
  4. 各々が大径部と小径部を有する1対の固定ローラを前記欠陥部の両側に配置し、
    各固定ローラの前記大径部を前記基板の表面に接触または近接させ、
    前記1対の固定ローラの前記小径部で前記フィルムを支持することを特徴とする、請求項3に記載のパターン修正方法。
  5. 前記フィルムの前記基板側の表面に凹部を形成し、前記凹部内に前記孔を形成し、前記孔と前記欠陥部とを位置合わせして前記フィルムと前記基板を接触させることにより、前記孔と前記欠陥部とを隙間を開けて対峙させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のパターン修正方法。
  6. 前記欠陥部の近傍にスペーサを配置し、前記孔を前記欠陥部に位置合わせして前記フィルムを前記スペーサ上に配置することにより、前記孔と前記欠陥部とを隙間を開けて対峙させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のパターン修正方法。
  7. 前記フィルムの前記孔よりも大きな他の孔を開けた他のフィルムを、前記他の孔の略中央に前記フィルムの前記孔が位置するようにして前記フィルムと前記基板の間に配置することにより、前記孔と前記欠陥部とを隙間を開けて対峙させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のパターン修正方法。
  8. 基板上に形成された微細パターンの欠陥部を修正するパターン修正装置において、
    フィルムに開けられた孔と前記欠陥部とを隙間を開けて対峙させ、
    前記孔を含む所定の範囲で前記フィルムを前記基板に押圧するとともに前記孔を介して前記欠陥部に修正液を塗布し、
    前記フィルムの復元力で前記フィルムを前記基板から剥離させることを特徴とする、パターン修正装置。
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