JP4859940B2 - 乾式摩擦材 - Google Patents

乾式摩擦材 Download PDF

Info

Publication number
JP4859940B2
JP4859940B2 JP2009039816A JP2009039816A JP4859940B2 JP 4859940 B2 JP4859940 B2 JP 4859940B2 JP 2009039816 A JP2009039816 A JP 2009039816A JP 2009039816 A JP2009039816 A JP 2009039816A JP 4859940 B2 JP4859940 B2 JP 4859940B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction material
dry friction
recesses
dry
glass fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009039816A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010196731A (ja
Inventor
英雄 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Chemical Co Ltd filed Critical Aisin Chemical Co Ltd
Priority to JP2009039816A priority Critical patent/JP4859940B2/ja
Publication of JP2010196731A publication Critical patent/JP2010196731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4859940B2 publication Critical patent/JP4859940B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

本発明は、乾式の摩擦材、例えば、自動車等に用いられるトルクリミッター等を構成する乾式摩擦材に関し、特に、金属製の摩擦相手材との間に錆付きを発生させることがない乾式摩擦材に関するものである。
クラッチフェーシング、ダンパー、トルクリミッター等を始めとする乾式摩擦材を含むシステムにおいて、乾式摩擦材の製造方法としては、特許文献1に示されるように、基材となるガラス長繊維を束ねた繊維束(ガラスロービング)に熱硬化性樹脂を含む含浸液を含浸させて樹脂含浸紐を形成する樹脂含浸工程と、樹脂含浸紐に配合ゴムを付着させるゴム付着工程とを有し、前記含浸液の媒体は水であり、熱硬化性樹脂はメラミン配合率が30%以上80%以下の水性メラミン変性フェノール樹脂であることを特徴とする方法が知られている。この特許文献1の技術によれば、樹脂含浸工程でもゴム付着工程でも有機溶媒を使用することなしに、最終製品の乾式摩擦材(クラッチフェーシング等)の性能が低下しない摩擦材用素材を製造することができる。
しかし、上記特許文献1に記載の技術においては、乾式摩擦材であることから、ケーシングが湿式摩擦材の場合のようには密閉されていないために、隙間から外部の泥水・雨水等が浸入して、表面研摩によって摩擦面に露出したガラス繊維に吸収され、摩擦相手材としての鋼板との間に錆付きが生じてしまうという問題点があった。そこで、対策として、乾式摩擦材の成形時に、予め摩擦面に外周及び内周には達しない凹部を設けておくことによって、かかる凹部は表面研摩時に研摩されないため、これによってガラス繊維の露出率を減少させるという手段が考えられる。
このように摩擦材の摩擦面に外周及び内周には達しない凹部を設ける技術としては、平板状の乾式摩擦材ではないが、特許文献2及び特許文献3に記載の技術がある。特許文献2においては、電磁クラッチ・電磁ブレーキの摩擦面に磁気を遮断するための長孔形状の凹部が複数個円周方向に配列されている。特許文献3においては、バンドブレーキのフェーシング材のドラム接触面に、長孔形状に凹んだ油溜め部が形成されている。
特開2000−037797号公報 特開昭61−175630号公報 特開平03−078142号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術においても特許文献3に記載の技術においても、長孔形状の凹部が円周方向を長手方向として設けられており、同様に乾式摩擦材において凹部を円周方向に沿って設けると、ガラスロービングが円周方向に沿って巻かれていることから、ガラス繊維の露出率が大きくなって、外部から浸入した泥水等の水分がガラス繊維に吸収され易くなり、摩擦相手材としての鋼板との間に錆付きが生じ易くなるという問題点があった。
そこで、本発明は、乾式摩擦材の摩擦面に、成形時にガラス繊維の露出率を大きくすることなく、複数の凹部を設けることによって、表面研摩によるガラス繊維の露出率を低減させて、金属製の摩擦相手材との間の錆付きを確実に防止することができる乾式摩擦材の提供を課題とするものである。
請求項1の発明に係る乾式摩擦材は、円周方向に沿って巻かれたガラス繊維とガラス繊維含浸用合成樹脂と配合ゴムとを含有し、摩擦相手材が金属製である平板リング形状の乾式摩擦材であって、成形時にプレス加工によって前記平板リング形状の半径方向に伸び、前記摩擦面の外周及び内周には達しない複数の凹部を設けたものである。
ここで、「ガラス繊維含浸用合成樹脂」としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂を始めとする熱硬化性樹脂等を用いることができ、特に、メラミン変性フェノール樹脂を始めとする変性フェノール樹脂を用いることができる。また、「配合ゴム」とは、乾式摩擦材を構成する材料であって、合成ゴム・天然ゴム等のゴム、カーボンブラック等の顔料、硫黄、加硫促進剤、レジンダスト・炭酸カルシウム等の充填材を含有する、ゴムを主体とする混合物である。また、「合成ゴム」としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR,二トリルゴムとも言う)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を単独で、または混合して用いることができる。
請求項2の発明に係る乾式摩擦材は、請求項1の構成において、前記複数の凹部の占める面積の合計は、前記摩擦面の総面積の30%〜60%の範囲内であるものである。
請求項3の発明に係る乾式摩擦材は、請求項1または請求項2の構成において、前記複数の凹部の長手方向の両端面と前記摩擦面の外周及び内周との間隔は、それぞれ1.5mm〜3.0mmの範囲内であるものである。
請求項1の発明に係る乾式摩擦材は、摩擦相手材との摩擦面において平板リング形状の半径方向に伸び、摩擦面の外周及び内周には達しない複数の凹部を設けたことから、プレス成形時において円周方向に沿って巻かれたガラス繊維の露出率を小さくすることができるとともに、表面研摩時に複数の凹部は研摩されないことから、ガラス繊維の露出率を大幅に低減することができるため、摩擦面内に水分が浸入してもガラス繊維に吸収されるのを確実に防止することができ、摩擦面において金属製の摩擦相手材との間に錆付きが発生するのを確実に防止することができる。
このようにして、乾式摩擦材の摩擦面に、成形時にガラス繊維の露出率を大きくすることなく、複数の凹部を設けることによって、表面研摩によるガラス繊維の露出率を低減させて、金属製の摩擦相手材との間の錆付きを確実に防止することができる乾式摩擦材となる。
請求項2の発明に係る乾式摩擦材は、複数の凹部の占める面積の合計が、摩擦面の総面積の30%〜60%の範囲内であることから、請求項1に係る発明の効果に加えて、表面研摩時におけるガラス繊維の露出率をより一層小さくすることができ、摩擦面において金属製の摩擦相手材との間に錆付きが発生するのを確実に防止することができる。
請求項3の発明に係る乾式摩擦材は、複数の凹部の長手方向の両端面と摩擦面の外周及び内周との間隔がそれぞれ1.5mm〜3.0mmの範囲内であることから、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加えて、摩擦面の外周及び内周から凹部内に水分が浸入するのを確実に防止できるとともに、凹部の面積の合計を極力大きくすることができ、表面研摩によるガラス繊維の露出率を低減させる効果を確実に得ることができる。
図1は本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材を用いたトルクリミッターの概略構成を示す断面図である。 図2は本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材の製造工程を示すフローチャートである。 図3(a)は本発明の実施の形態の実施例1に係る乾式摩擦材の一部を示す部分平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 図4(a)は本発明の実施の形態の実施例2に係る乾式摩擦材の一部を示す部分平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 図5は本発明の実施の形態の実施例3に係る乾式摩擦材の一部を示す部分平面図である。 図6(a)は本発明の実施の形態の参考例に係る乾式摩擦材の一部を示す部分平面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
次に、本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材について、図1乃至図5を参照して説明する。まず、本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材が用いられるトルクリミッターについて、図1を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材を用いたトルクリミッターの概略構成を示す断面図である。
図1に示されるように、本実施の形態に係る乾式摩擦材1は、外径φ220mm×内径φ190mm×厚さ2.5mmのリング状の成形体で、同じ外径とやや小さい内径を有する平板リング状の芯金2の両面に貼り付けて用いられる。本実施の形態に係るトルクリミッター10は、この乾式摩擦材1を芯金3の両面に貼り付けた乾式摩擦板4と、この乾式摩擦板4が押圧される摩擦相手材としての鋼板製のフライホイール5と、乾式摩擦板4と一体に回転する回転軸6を中心にして構成されている。
より詳しくは、図1に示されるように、カップリングケース7の中に、鋼板製のプレッシャープレート9と皿ばね8が収納されており、この皿ばね8の付勢力によって、プレッシャープレート9が乾式摩擦板4をフライホイール5に押し付けている。これによって、エンジンからの駆動力トルクがフライホイール5から乾式摩擦板4に伝達され、更に乾式摩擦板4と一体に回転する回転軸6によって、トランスミッション側に伝達される。
ここで、図1に示されるように、カップリングケース7とフライホイール5や回転軸6との間には隙間があるため、これらの隙間から泥水や雨水等がカップリングケース7内に浸入する。これらの浸入した水分が、露出したガラス繊維に吸収されることによって、摩擦相手材としての鋼板製のフライホイール5を錆びさせることになり、錆付きの原因となる。
次に、本実施の形態に係る乾式摩擦材1の製造方法について、図2を参照して説明する。図2は本発明の実施の形態に係る乾式摩擦材の製造工程を示すフローチャートである。まず、樹脂含浸工程において、ガラス繊維にガラス繊維含浸用合成樹脂としてのフェノール樹脂(より詳しくはメラミン変性フェノール樹脂)を含む含浸液を含浸させて樹脂含浸紐が形成される(ステップS10)。続いて、ゴム付着工程において、この樹脂含浸紐に配合ゴムを付着させ(ステップS11)、巻取り工程において、配合ゴムが付着した樹脂含浸紐が所定の大きさに巻取られる(ステップS12)。
ここで、「配合ゴム」としては、合成ゴム、カーボンブラック等の顔料、硫黄、加硫促進剤、レジンダスト・炭酸カルシウム等の充填材を含有するゴムを主体とする混合物を用いており、合成ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を混合して用いている。
そして、成形工程において、巻取り品が金型に押し込まれて加熱加圧成形されるが(ステップS13)、成形工程においては、面圧15MPa、温度165℃で、数回のガス抜きを行って、2分間加熱加圧成形して、摩擦面側に複数の凹部を同時に形成する。このとき、複数の凹部は半径方向に伸びて設けられるため、円周方向に沿って巻かれたガラス繊維が複数の凹部に露出することは、殆どない。この成形体を金型から取り出して、240℃で10時間熱処理を行い(ステップS14)、その後常温まで放冷してから、表裏両面を研摩して(ステップS15)、本実施の形態に係る乾式摩擦材1が完成する。
次に、本発明の実施の形態の実施例1に係る乾式摩擦材の構造について、図3を参照して説明する。図3(a)は本発明の実施の形態の実施例1に係る乾式摩擦材の一部を示す部分平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。図3(a)に示されるように、本実施の形態の実施例1に係る乾式摩擦材1は、摩擦面1aに複数の凹部2,2A,2Bが設けられている。また、所定の角度ごとに、乾式摩擦材1を芯金3にリベット止めするためのリベット孔11が穿設されている。
図3(b)に示されるように、凹部2,2A,2Bは摩擦面1aの中央に位置しており、乾式摩擦材1の幅W1=14mm,凹部2,2A,2Bの幅W2=9.4mmであり、凹部2,2A,2Bの長手方向の両端面と摩擦面1aの外周及び内周との間隔は、いずれも2.3mmとなっている。このように、当該間隔を1.5mm〜3.0mmの範囲内とすることによって、摩擦面1aの外周または内周からの水分の浸入を確実に防止できるとともに、凹部2,2A,2Bの面積を極力広くすることができる。
なお、凹部2A,2Bの特殊な形状は、凹部の面積をできるだけ大きくするとともに、リベット孔11から十分な距離を取ることによって、乾式摩擦材1の欠けを防止するためのものである。
上述したように、これらの複数の凹部2,2A,2Bは、研摩工程(図2のステップS15)の前に設けられているため、表面研摩されておらず、したがってガラス繊維の露出率が極めて小さい。これに対して、乾式摩擦材1の表面の凹部2,2A,2Bを除く部分は、当該研摩工程で表面研摩されているため、ガラス繊維の露出率が大きい。
本実施の形態の実施例1に係る乾式摩擦材1においては、凹部2,2A,2Bの占める面積の合計が、摩擦面1aの総面積の40%となるようにしているため、ガラス繊維の露出率は14%となり、凹部2,2A,2Bを設けない従来の乾式摩擦材(ガラス繊維の露出率:35%)と比較して、ガラス繊維の露出率が約60%低減されている。これによって、浸入した水分の吸収を抑えることができ、乾式摩擦材1の摩擦面1aと摩擦相手材であるフライホイール7との錆付きを防止することができる。
次に、本発明の実施の形態の実施例2に係る乾式摩擦材の構造について、図4を参照して説明する。図4(a)は本発明の実施の形態の実施例2に係る乾式摩擦材の一部を示す部分平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。図4(a)に示されるように、本実施の形態の実施例2に係る乾式摩擦材1Aには、複数の凹部2が設けられるとともに、所定の角度ごとに、凹部2A,2Bと異なる形状の凹部2Cが設けられており、凹部2Cの内部に、乾式摩擦材1Aを芯金3にリベット止めするためのリベット孔11が穿設されている。
図4(b)に示されるように、凹部2,2Cは摩擦面の中央に位置しており、乾式摩擦材1Aの幅W1=14mm,凹部2,2Cの幅W2=9.4mmであり、凹部2,2Cの長手方向の両端面と摩擦面の外周及び内周との間隔は、いずれも2.3mmとなっている。このように、当該間隔を1.5mm〜3.0mmの範囲内とすることによって、摩擦面の外周または内周からの水分の浸入を確実に防止できるとともに、凹部2,2Cの面積を極力広くすることができる。
上述したように、これらの複数の凹部2,2Cは、研摩工程(図2のステップS15)の前に設けられているため、表面研摩されておらず、したがってガラス繊維の露出率が極めて小さい。これに対して、実施例2に係る乾式摩擦材1Aの表面の凹部2,2Cを除く部分は、当該研摩工程で表面研摩されているため、ガラス繊維の露出率が大きい。
本実施の形態の実施例2に係る乾式摩擦材1Aにおいては、凹部2,2Cの占める面積の合計が、摩擦面の総面積の50%となるようにしているため、ガラス繊維の露出率は10%となり、凹部2,2Cを設けない従来の乾式摩擦材(ガラス繊維の露出率:35%)と比較して、ガラス繊維の露出率が約71%低減されている。これによって、浸入した水分の吸収を抑えることができ、乾式摩擦材1Aの摩擦面と摩擦相手材であるフライホイール7との錆付きを、より確実に防止することができる。
次に、本発明の実施の形態の実施例3に係る乾式摩擦材の構造について、図5を参照して説明する。図5は本発明の実施の形態の実施例3に係る乾式摩擦材の一部を示す部分平面図である。図5に示されるように、本実施の形態の実施例3に係る乾式摩擦材1Bには、複数の凹部2が設けられるとともに、所定の角度ごとに、乾式摩擦材1Bを芯金3にリベット止めするためのリベット孔11が穿設されている。
そして、図5に示されるように、凹部2は摩擦面の中央に位置しており、乾式摩擦材1Bの幅W1=14mm,凹部2の幅W2=9.4mmであり、凹部2の長手方向の両端面と摩擦面の外周及び内周との間隔は、いずれも2.3mmとなっている。このように、当該間隔を1.5mm〜3.0mmの範囲内とすることによって、摩擦面の外周または内周からの水分の浸入を確実に防止できるとともに、凹部2の面積を極力広くすることができる。
上述したように、これらの複数の凹部2は、研摩工程(図2のステップS15)の前に設けられているため、表面研摩されておらず、したがってガラス繊維の露出率が極めて小さい。これに対して、実施例3に係る乾式摩擦材1Bの表面の凹部2を除く部分は、当該研摩工程で表面研摩されているため、ガラス繊維の露出率が大きい。
本実施の形態の実施例3に係る乾式摩擦材1Bにおいては、凹部2の占める面積の合計が、摩擦面の総面積の45%となるようにしているため、ガラス繊維の露出率は11%となり、凹部2,2Cを設けない従来の乾式摩擦材(ガラス繊維の露出率:35%)と比較して、ガラス繊維の露出率が約69%低減されている。これによって、浸入した水分の吸収を抑えることができ、乾式摩擦材1Bの摩擦面と摩擦相手材であるフライホイール7との錆付きを、より確実に防止することができる。
このようにして、本実施の形態に係る乾式摩擦材1,1A,1Bにおいては、成形時にガラス繊維の露出率を大きくすることなく、外周及び内周には達しない凹部を設けることによって、表面研摩によるガラス繊維の露出率を低減させて、金属製の摩擦相手材であるフライホイール7との間の錆付きを確実に防止することができる。
本実施の形態においては、ガラス繊維含浸用合成樹脂としてメラミン変性フェノール樹脂を用いた場合について説明したが、その他の変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂を始めとするその他の熱硬化性樹脂等を用いることもできる。特に、メラミン変性フェノール樹脂は容易に入手できるとともに耐熱性に優れているため、乾式摩擦材の材料としてのガラス繊維含浸用合成樹脂として好ましい。
また、本実施の形態においては、複数の凹部として、半径方向に沿って伸びる凹部2,2A,2B,2Cを設けた場合について説明したが、これに限られるものではなく、巻かれたガラス繊維が摩擦相手材との摩擦面とは反対方向に押し下げられたものであれば、円周方向に沿って伸びる複数の凹部を設けても良い。
具体的に、本発明の実施の形態の変形例の構造について、図6を参照して説明する。図6(a)は本発明の実施の形態の変形例に係る乾式摩擦材の一部を示す部分平面図、(b)は(a)のC−C断面図である。図6に示されるように、本実施の形態の変形例に係る乾式摩擦材1Dには、円周方向に沿って複数の凹部2Dが設けられるとともに、所定の角度ごとに、乾式摩擦材1Dを芯金3にリベット止めするためのリベット孔11が穿設されている。乾式摩擦材1Dにおいては、成形時に巻かれたガラス繊維が摩擦面とは反対方向に押し下げられているため、円周方向に沿って複数の凹部2Dを設けても、ガラス繊維の露出率を小さくすることができる。
本発明を実施するに際しては、乾式摩擦材のその他の部分の組成、成分、配合量、材質、大きさ、製造方法等についても、本実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、その全てが臨界値を示すものではなく、ある数値は実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
1,1A,1B,1D 乾式摩擦材
2,2A,2B,2C,2D 凹部

Claims (3)

  1. 円周方向に沿って巻かれたガラス繊維とガラス繊維含浸用合成樹脂と配合ゴムとを含有し、摩擦相手材が金属製である平板リング形状の乾式摩擦材であって、
    成形時にプレス加工によって前記平板リング形状の半径方向に伸び、前記摩擦面の外周及び内周には達しない複数の凹部を設けたことを特徴とする乾式摩擦材。
  2. 前記複数の凹部の占める面積の合計は、前記摩擦面の総面積の30%〜60%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の乾式摩擦材。
  3. 前記複数の凹部の長手方向の両端面と前記摩擦面の外周及び内周との間隔は、それぞれ1.5mm〜3.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乾式摩擦材。
JP2009039816A 2009-02-23 2009-02-23 乾式摩擦材 Expired - Fee Related JP4859940B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009039816A JP4859940B2 (ja) 2009-02-23 2009-02-23 乾式摩擦材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009039816A JP4859940B2 (ja) 2009-02-23 2009-02-23 乾式摩擦材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010196731A JP2010196731A (ja) 2010-09-09
JP4859940B2 true JP4859940B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=42821662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009039816A Expired - Fee Related JP4859940B2 (ja) 2009-02-23 2009-02-23 乾式摩擦材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4859940B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020045995A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 多摩川精機株式会社 回転機ブレーキ用摩擦材、回転機ブレーキ、および回転機

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5586925A (en) * 1978-12-26 1980-07-01 Nippon Valqua Ind Ltd Method of manufacturing clutch facing
JPS6117720A (ja) * 1984-07-04 1986-01-25 Toyota Motor Corp クラツチフエ−シング
JPS6121426A (ja) * 1984-07-06 1986-01-30 Toyota Motor Corp クラツチフエ−シング
JPS6121425A (ja) * 1984-07-06 1986-01-30 Toyota Motor Corp クラツチフエ−シング
JPS6188027A (ja) * 1984-10-05 1986-05-06 Taiho Kogyo Co Ltd 摩擦クラツチ装置
JPS63140132A (ja) * 1986-12-01 1988-06-11 Aisin Chem Co Ltd クラツチフエ−シング材
JPH0361731A (ja) * 1989-07-26 1991-03-18 Hitachi Chem Co Ltd クラッチ被動板
JPH07109226B2 (ja) * 1988-11-22 1995-11-22 日立化成工業株式会社 クラッチ被動板及びその製造法
JPH02278021A (ja) * 1989-04-18 1990-11-14 Mazda Motor Corp 車両用クラッチの構造
JPH03102628A (ja) * 1989-09-14 1991-04-30 Konica Corp 磁気記録媒体
DE4010543C2 (de) * 1990-04-02 1998-07-09 Mannesmann Sachs Ag Kupplungsscheibe mit optimierten Reibbelägen
US8474590B2 (en) * 2007-08-15 2013-07-02 Borgwarner Inc. Frictional part with a zig-zag or undulating circumferential groove in the frictional surface

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010196731A (ja) 2010-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5604906B2 (ja) トルク変動吸収装置
JP4894467B2 (ja) トルク変動吸収装置
EP2317173A2 (en) Torque fluctuation absorbing apparatus
JP2012102755A (ja) 車両用トルクリミッタ装置
KR20110096486A (ko) 건식 클러치용 환형 마찰 라이닝
JP5906056B2 (ja) 車両用ディスクロータ組立体
US11692594B2 (en) Wet friction plate and wet multiple disc clutch device provided with wet friction plate
US20110226570A1 (en) Brake rotor
EP2600024B1 (en) Dry friction material and method for manufacturing same
JP4859940B2 (ja) 乾式摩擦材
JP4632044B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
KR20140122641A (ko) 무여자 작동형 브레이크용 로터
JP6130276B2 (ja) クラッチ用摩擦材
JP2009257414A (ja) プーリ付き軸受
GB1604918A (en) Friction material for clutches brakes and the like and a process for producing friction linings using the material
JP2006194265A (ja) トルク変動吸収ダンパ
WO2015034033A1 (ja) クラッチ用摩擦材
JP2010223294A (ja) 乾式摩擦材
US8256596B2 (en) Outer housing geometry for aligning clutch plates
JP2013113334A (ja) ブレーキパッド
US11655864B2 (en) Noise reducing brake pads
JP5041877B2 (ja) 乾式摩擦材
TWM541538U (zh) 機車離合器外蓋結構改良
JP2009174641A (ja) プーリ
JP5835550B2 (ja) トーショナルダンパ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4859940

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees