JP4859399B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、安全性の高いリチウムイオン二次電池に関し、より詳しくは電池特性が効率的に維持されるリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度の高い蓄電池であるため、各種ポータブル機器の主電源として用いられている。リチウムイオン二次電池のような化学電池は、一般に、正極、負極、ならびに正極と負極との間に配置されて、正極と負極とを電気的に絶縁しつつ電解液を保持する役目を有するセパレータを備える。
現在、リチウムイオン二次電池においては、主として、正極と負極とをセパレータを介して捲回してなる電極群が用いられている。一般に、このような電極群に用いられる正極は、アルミニウム箔のような正極集電体とその上に担持されたリチウム複合酸化物などからなる正極合剤層を有する。同様に、負極は、銅箔のような負極集電体とその上に担持された黒鉛などからなる負極合剤層を有する。セパレータとしては、ポリエチレン等の樹脂からなる微多孔性薄膜シート等が用いられている。
ところで、上記樹脂からなるシート状セパレータが過熱により溶融したり収縮したりすると、内部短絡が発生する。このとき、瞬時に発生する短絡反応熱により、セパレータがさらに収縮して短絡部が拡大し、さらに多大な反応熱が発生する。このようにして、異常過熱が促進されるという問題がある。
近年、このような不具合を回避するために、正極合剤層および負極合剤層の表面に、多孔質耐熱層を形成することが提案されている(特許文献1参照)。多孔質耐熱層は、微粒子と結着剤とを含む分散スラリーを、合剤層の表面に塗布および乾燥することにより形成される。
また、短絡反応は、正極集電体が負極集電体および負極合剤層と接触した場合に、最も激しくなることが知られている。よって、内部短絡が起こりやすい箇所にのみ、多孔質耐熱層を設けることが提案されている。具体的には、リード集電体を溶接するなどのために設けた正極集電体および負極集電体の露出部に、500℃以上の耐熱性を有する粉体とバインダ樹脂とからなる多孔質耐熱層を形成することが提案されている(特許文献2参照)。
特開平7−220759号公報 特開2004−63343号公報
特許文献1に記載される技術により、耐短絡性に優れたリチウムイオン二次電池を具現化することは可能である。しかしながら、上記多孔質耐熱層がイオン伝導性を有するとしても、そのイオン伝導率は小さいため、極板のイオン伝導性が低下し、反応抵抗が増加する。このため、そのような多孔質耐熱層を電極反応が行われる領域全体に設けると、充放電反応が生じにくくなる。
また、上記のように、特許文献2には、過熱による内部短絡が起こりやすい箇所のみに多孔質耐熱層を設けることが記載されている。しかしながら、現在、特許文献2に記載されるような箇所にて内部短絡が発生する確率はあまり高くないことがわかってきた。
そこで、本発明は、過熱による内部短絡を効率的に防ぎつつ、電池特性を維持できるように電池反応を確保することが可能である高性能なリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、帯状の正極、帯状の負極、およびセパレータを備え、正極と負極とをセパレータを介して捲回してなる電極群と、電極群が収容される有底缶と、を具備するリチウムイオン二次電池に関する。正極は、アルミニウム箔からなる帯状の正極集電体とその上に担持された正極合剤層とを有し、正極集電体の巻き終わり側末端の短辺に沿って、正極合剤層を担持しない正極集電体が露出した露出部を有する。負極は、帯状の負極集電体とその上に担持された負極合剤層とを有する。負極合剤層の短辺の幅は、正極合剤層の短辺の幅よりも大きい。正極合剤層と露出部との境界部はセパレータを介して負極合剤層と対向しており、境界部が対向する負極合剤層表面の一部の領域のみに多孔質耐熱層が配置されている。
上記リチウムイオン二次電池において、多孔質耐熱層の面積をAとし、負極合剤層の面積をB1としたとき、面積Aの面積B1に対する比:A/B1は0.02〜0.3であることが好ましい。
上記リチウムイオン二次電池において、多孔質耐熱層の厚さは1〜10μmであることが好ましい。
上記リチウムイオン二次電池において、多孔質耐熱層は絶縁性フィラーおよび結着剤を含むことが好ましい。
上記リチウムイオン二次電池において、絶縁性フィラーは、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、およびシリカよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記リチウムイオン二次電池において、結着剤は、アクリロニトリル単位を含む変性ゴム粒子およびポリフッ化ビニリデンのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
上記リチウムイオン二次電池において、多孔質耐熱層は、結着剤を、絶縁性フィラー100重量部あたり1〜5重量部含むことが好ましい。
本発明より、電池特性を低下させることなく、過熱による内部短絡を効率的に防止することができる。このため、リチウムイオン二次電池の信頼性を飛躍的に向上させることができる。
以下、本発明を図面を参照しながら説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、帯状の正極、帯状の負極、およびセパレータを備え、前記正極と前記負極とを前記セパレータを介して捲回してなる電極群と、前記電極群が収容される有底缶とを具備する。正極は、アルミニウム箔からなる帯状の正極集電体と正極集電体上に担持された正極合剤層を有し、正極集電体の巻き終わり側末端の短辺に沿って、正極合剤層を担持しない正極集電体が露出した露出部を有する。負極は、帯状の負極集電体と負極集電体上に担持された負極合剤層を有する。負極合剤層の短辺の幅は、正極合剤層の短辺の幅よりも大きい。前記正極合剤層と前記露出部との境界部は前記セパレータを介して前記負極合剤層と対向しており、前記境界部が対向する前記負極合剤層表面の一部の領域のみに多孔質耐熱層が配置されている。この構成により、電池特性を低下させることなく、過熱による内部短絡の発生を抑制することが可能となる。
以下に、本発明の好ましい実施形態を示す。本発明においては、過熱による内部短絡が発生しやすい箇所に、以下に示すように、効率的に多孔質耐熱層が設けられる。
実施の形態1
図1に、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池に用いられる電極群の巻き終わり側の一部を示す。
図1の電極群は、帯状の正極11、帯状の負極12、ならびに正極と負極との間に配置されたセパレータ13を備える。図1の電極群において、正極11は、正極集電体11aとその両面に担持された正極合剤層11bとからなる。負極12は、負極集電体12aとその両面に担持された負極合剤層12bとからなる。また、正極11と負極12とは、セパレータ13を介して捲回されている。さらに、正極合剤層の存在しない正極集電体の露出部15が、正極の巻き終わり側にある短辺に沿って設けられている。
図1の電極群では、正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部にセパレータ13を介して対向するように、負極合剤層上に多孔質耐熱層14が設けられている。
民生用途用の電池においては、一般的に、上記のように正極合剤層が存在しない集電体の露出部が正極の短辺の少なくとも一方に沿って設けられている。この場合、正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部およびその周辺で、過熱による短絡が発生しやすくなることがある。これは、以下のような理由による。すなわち、正極集電体には、例えば、アルミニウム箔が用いられる。このアルミニウム箔は軟らかいため、ひげ状突出物(以下、切断バリともいう)が発生しないように切断することが困難である場合がある。このため、切断バリを発生させることなく切断することができる正極合剤層と集電体露出部との間で切断性のアンバランスが生じ、正極集電体と正極合剤層との境界部において、正極集電体の切断バリが発生しやすくなる。
さらに、正極は、例えば、集電体の両面に活物質層を形成して、正極板を得、この正極板を長さ方向に沿って切断することにより作製することができる。このような場合、長距離にわたり正極合剤層を切断した後に集電体露出部を切断するため、上述したアンバランスは一層顕著化し、切断バリがさらに発生しやすくなる。
よって、正極集電体が、アルミニウム箔のような軟らかいものからなる場合、正極切断バリがより発生しやすくなり、その正極切断バリがセパレータを突き破って対向する負極合剤層と接することにより、内部短絡が発生しやすくなる。
このような場合、多孔質耐熱層を、正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部に沿って設けるか、あるいは、図1に示されるように、前記境界部にセパレータを介して対向するように、多孔質耐熱層を、負極上、特に、負極合剤層上に配置することが好ましい。このように、切断バリが発生しやすい部位に多孔質耐熱層を配置することにより、切断バリがセパレータ13を突き破った場合でも、その切断バリが負極合剤層に達しないため、過熱による内部短絡を回避することができる。さらに、セパレータが溶融等したとしても、多孔質耐熱層により、正極集電体(切断バリ)と負極合剤層とが接触することを防止することができる。
また、上記のように、前記境界部に沿って、あるいは前記境界部にセパレータを介して対向するように、多孔質耐熱層を設けたとしても、電池特性の低下を抑制することができる。これは、正極集電体の露出部には、集電リードが設けられるために、この周辺は電子伝導性が高くなるので、多孔質絶縁層が存在しても、電子の授受が活発に行われ、イオン伝導性の低下を抑えられるからである。
また、多孔質耐熱層は、前記境界部にセパレータを介して対向するように負極合剤層上に配置されることがさらに好ましい。これは、一般に、正極合剤層よりも負極合剤層の方が空孔比率が高いため、負極合剤層上に多孔質耐熱層を設けたとしても、イオン伝導性のバランスが良好に保たれるからである。
負極合剤層上に多孔質耐熱層を設ける場合、多孔質耐熱層の面積をAとし、負極合剤層の面積をB1としたとき、負極合剤層の面積B1に対する多孔質耐熱層の面積Aの比:A/B1は、0.02〜0.3であることが好ましい。比A/B1が0.3より大きくなると、多孔質耐熱層によりイオンの移動が阻害されるために、電池特性が低下することがある。比A/B1が0.02より小さくなると、耐内部短絡性が低下することがある。よって、比A/B1を0.02〜0.3とすることにより、電池特性と耐内部短絡性とのバランスを良好に保つことが可能となる。
なお、多孔質耐熱層が設けられた各負極合剤層において、比A/B1は、上記範囲にあることが好ましい。
また、多孔質耐熱層が負極合剤層上に設けられる場合、負極合剤層の幅方向の長さは、正極合剤層のそれよりも大きいことが好ましい。リチウムイオン二次電池においては、正極が容量規制極であるため、負極合剤層の幅方向の長さを、正極合剤層の幅方向の長さより長くすることにより、電池容量のロスを回避することができるからである。
また、多孔質耐熱層は、正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部に沿って、正極上に設けてもよい。この場合にも、上記と同様に、切断バリが発生したとしても、その切断バリが負極合剤層に達するのを防止することができる。
上記正極集電体の露出部は、図1に示されるように、正極の巻き終わり側の短辺に沿って設ける。
多孔質耐熱層の厚さは、1〜10μmであることが好ましい。多孔質耐熱層の厚さが1μmより薄くなると、内部短絡を抑える効果が低下することがある。多孔質耐熱層の厚さが10μmを超えると、反応抵抗が増して電池特性の低下が若干ながら発生することがある。よって、多孔質耐熱層の厚さを1〜10μmに調節することにより、多孔質耐熱層により内部短絡の発生を抑えるとともに、電池特性と耐内部短絡性とのバランスを良好に保つことができる。
多孔質耐熱層14としては、高耐熱性樹脂、例えば、溶融温度が250℃以上のアラミドやポリアミドイミドを濾紙状に成形したもの、絶縁性フィラーおよび結着剤からなるものなどを用いることができる。
濾紙状の高耐熱性樹脂からなる多孔質耐熱層は、例えば、正極と負極との間に配置される。絶縁性フィラーおよび結着剤とからなる多孔質耐熱層は、例えば、正極合剤層および/または負極合剤層の上に配置される。
なお、上記のような多孔質耐熱層のうちでも、絶縁性フィラーおよび結着剤とからなる多孔質耐熱層が好ましい。これは、絶縁性フィラーを主材料とし、これを結着剤にて相互に結合しているために、構造的強度が高くなるからである。
多孔質耐熱層に用いられる絶縁性フィラーとしては、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニアおよびシリカよりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これらのアルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカのような無機酸化物は、熱伝導性が高く、また電気化学的に安定であるからである。また、1000℃以下では溶融あるいは燃焼しない高耐熱性の樹脂ビーズなどを、絶縁性フィラーとして用いてもよい。
多孔質耐熱層に用いられる結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する)、およびアクリロニトリル単位を含む変性ゴムのうちの少なくとも1つを用いることが好ましい。一般に、結着剤は、電池構成後に電解液を吸って膨潤するので、その添加量は少ないほど良いが、PVDFおよびアクリロニトリル単位を含む変性ゴムは、少量でも結着効果を示すからである。
アクリロニトリル単位を含む変性ゴムの一例としては、粒子状のもの(例えば、コア−シェル構造を有する、日本ゼオン(株)製のBM−500B)や、多孔質耐熱層を作製するときに用いられる溶剤に可溶なもの(例えば、アクリロニトリル単位とCH2単位とからなる、日本ゼオン(株)製のBM−720H)等が挙げられる。
例えば、結着剤としてPVDFを用いる場合は、前駆体であるペーストに適度な粘性を持たせて、均質な多孔質耐熱層を形成することが可能となる。また、粒子状のアクリロニトリル単位を含む変性ゴム(例えば、BM−500B)は、増粘性のある結着剤、具体的にはPVDFやカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記する)、ポリエチレンオキシド(以下、PEOと略記する)、他のアクリロニトリル単位を含む変性ゴム(例えば、BM−720H)などと組み合わせて用いることが好ましい。
多孔質耐熱層に含まれる結着剤の量は、絶縁性フィラー100重量部あたり、1〜5重量部であることが好ましい。上記のように結着剤は電池構成後に電解液を吸って膨潤するため、結着剤の量が5重量部を超えると、結果的に多孔質耐熱層内の空孔が小さくなり、イオン伝導性が低下する場合がある。結着剤の量が1重量部より少なくなると、多孔質耐熱層の機械的強度が低下することがある。よって、結着剤の量を上記範囲に調節することにより、多孔質耐熱層に適度なイオン伝導性を持たせつつ、多孔質耐熱層の構造的強度を強くすることができる。
正極合剤層に含まれる正極活物質としては、リチウム複合酸化物を用いることができる。リチウム複合酸化物の例としては、組成式LiMO2あるいはLiM24で示されるものが挙げられる。ここで、元素Mは、Co、Mn、Ni、Feのような遷移金属元素の少なくとも1種である。また、上記の遷移金属元素の一部を、Al、Mgなどの典型元素で置換したものを、正極活物質として用いてもよい。
正極集電体としては、正極電位下において安定な材料からものを、特に限定することなく用いることができる。そのような正極集電体としては、アルミニウム箔からなるものが用いられる。
負極合剤層に含まれる負極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出することができる材料を用いることができる。その例としては、黒鉛、シリサイド、チタン合金材料などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
負極集電体としては、負極電位下において安定な材料からなるものを、特に限定することなく用いることができる。そのような負極集電体としては、例えば、銅箔からなるものが用いられる。
セパレータとしては、電解液の保持力が高く、正極および負極のいずれの電位下においても安定な微多孔性フィルムからなるものが用いられる。このようなセパレータとしては、例えば、ポリプロピレン(以下、PPと略記する)からなるもの、ポリエチレンからなるもの、ポリイミドからなるもの、ポリアミドからなるものなどが挙げられる。
実施の形態2
図2に、参考として、別の実施形態に係るリチウムイオン二次電池に用いられる負極の第1側面図(a)および第2側面図(b)を示し、図3に、図2に示される負極を用いて作製された電極群の縦断面図を示す。本実施形態においても多孔質耐熱層などは、上記実施の形態1と同様なものが用いられる。
本実施形態において、帯状の正極21は、正極集電体21aとその両面に担持された正極合剤層21bとからなる。帯状の負極22は、負極集電体22aとその両面に担持された負極合剤層22bとからなる。ここで、正極の一方の長辺に沿って、正極合剤層が設けられていない正極集電体の露出部25が設けられている。同様に、図2に示されるように、負極の一方の長辺に沿って、負極合剤層が設けられていない負極集電体の露出部26が設けられている。正極集電体の露出部25には正極集電端子が溶接され、負極集電体の露出部26には負極集電端子が溶接される。
このような正極21と負極22とを、セパレータ23を介して捲回することにより、図3に示されるような電極群が構成される。ここで、負極は、図2に示される第1側面図(a)が内周側を向き、第2側面図(b)が外周側を向き、β側の端部が巻き始め側の端部となり、α側の端部が巻き終わり側となるように捲回されている。なお、負極合剤層の幅方向の長さは、正極合剤層の幅方向の長さよりも長くなっている。
高出力用途用などの電池においては、上記のように、正極合剤層が担持されていない正極集電体の露出部が正極の長辺の少なくとも一方に沿って帯状に形成され、負極合剤層が担持されていない負極集電体の露出部が、負極の長辺の少なくとも一方に沿って帯状に設けられる。この場合、正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部の少なくとも一方、および負極合剤層と負極集電体の露出部との境界部の少なくとも一方で、過熱による短絡が発生しやすい。これは、以下のような理由によると考えられる。すなわち、集電体の露出部と集電端子との溶接条件に不備があった場合、溶接時の熱が伝播して、セパレータが溶融することがある。その熱の伝播の程度が大きい場合には、セパレータの溶融が、集電体の露出部を越えて、合剤層の端部に達することがある。このような場合、正極合剤層と負極合剤層とが広範囲において接触し、大規模な内部短絡が発生することがある。
なお、本実施形態において、電極は、例えば、以下のように作製することができる。まず、帯状の集電体の長さ方向に平行な辺に沿って集電体の露出部が形成されるように合剤層を設けて、電極板を得る。次に、その帯状の集電体の幅方向と平行に、電極板を切断することにより、所定の大きさの電極を作製することができる。この場合、切断する距離が短い、つまり応力がかかる距離が短いため、上記実施の形態1の場合とは異なり、切断バリによる影響は無視できる。
そこで、負極集電体の両面に設けられた各負極合剤層と負極集電体の露出部との境界部に沿って、またはその境界部にセパレータを介して対向するように、多孔質耐熱層を設けることが好ましい。同様に、正極集電体の両面に設けられた各正極合剤層と正極集電体との境界部に沿って、またはその境界部にセパレータを介して対向するように、多孔質耐熱層を設けることが好ましい。図2には、負極集電体の両面に設けられた各負極合剤層と負極集電体の露出部との境界部に沿って、多孔質耐熱層を設けた場合について示している。
このように多孔質絶縁層が設けられているため、集電端子を集電体の露出部に溶接するときの熱が伝播して、セパレータが溶融したり収縮したりした場合でも、正極合剤層と負極合剤層とが直接接触することを防ぐことができる。つまり、過熱による内部短絡を回避することができる。
なお、本実施形態においても、合剤層上の所定の位置に、多孔質耐熱層を設けても電池特性は、ほとんど低下しない。これは、上記実施の形態1と同様の理由による。
本実施形態において、多孔質耐熱層は、正極または負極の一方に設けてもよいし、正極と負極の両方に設けてもよい。
正極および/または負極において、2つの長辺のそれぞれに沿って、集電体の露出部が設けられる場合には、合剤層と集電体の露出部との各境界部に沿って、あるいは各境界部にセパレータを介して対向する位置に、多孔質耐熱層を設けることが好ましい。
また、正極および/または負極において、一方の長辺のみに沿って集電体の露出部が設けられており、他方の長辺側に集電体の露出部が設けられていない場合には、その集電体の露出部が設けられていない方の合剤層の長辺に沿って、多孔質耐熱層を設けてもよい。例えば、図2の負極においては、合剤層と集電体の露出部との境界部および露出部が設けられていない方の合剤層の長辺に沿って、多孔質耐熱層が設けられている。
また、例えば、負極が電極群の最外周にくる場合、負極の第2側面側において、セパレータを介して正極と対向しない部分には、多孔質耐熱層を設けてもよいし、あるいは図2および3に示されるように、多孔質耐熱層は設けなくてもよい。
また、負極合剤層上に多孔質合剤層が設けられる場合には、上記実施の形態1と同様に、比A/B1は0.02〜0.3であることが好ましい。
また、本実施形態においては、図3に示されるように、電極群の一方の端面に正極集電体の露出部が配置され、他方の端面に負極集電体の露出部が配置されることが好ましい。これにより、正極集電端子と負極集電端子とを、互いに接触させることなく設けることが可能となる。
実施の形態3
図4に、参考として、別の実施形態に係るリチウムイオン二次電池に用いられる正極、セパレータ、および負極を示す。なお、本実施形態においても多孔質耐熱層などは、上記実施の形態1と同様なものが用いられる。
図4(a)に示されるように、正極31は、正極集電体31aとその両面に担持された正極合剤層31bを含む。負極32は、負極合剤層32aとその両面に担持された負極活物質層32bを含む。さらに、正極31および負極32の各合剤層の上には、その巻き始め側の端部から所定の位置まで、多孔質絶縁層34が設けられている。一例として、負極のセパレータと接する面とは反対側の面の模式図を図4(b)に示す。
用途および構成によらず、正極と負極をセパレータを介して捲回して構成した電極群の芯部周辺では、過熱による短絡が発生しやすい。これは、以下のような理由からである。すなわち、正極および負極を製造する場合、正極および負極の材料自体に導電性の高い材料が用いられている。さらに、その製造設備にも、導電性の高い材料が用いられている。これら材料の破片(以下、導電性異物ともいう)のうち、誤って正負極およびセパレータ上に付着したまま、電極群中に残留するものは、概して直径数μm程度の大きさのものである。正極と負極との間の間隔がセパレータの初期厚み(10〜30μm)どおりに確保されていれば、内部短絡は生じにくい。しかしながら、電極群の芯部周辺、つまり正極および負極の巻き始め側は、充放電による激しい膨張収縮の影響を最も受けやすく、そのため、セパレータが押し潰されて、その初期厚さを保てなくなる。そうするとわずか数μm程度の直径の導電性異物であっても、導電性異物が電極群の芯部付近に存在すると、当該箇所周辺で、導電性異物がセパレータが突き破り、正極合剤層と負極合剤層とが接触して、内部短絡が発生する。この短絡により発熱が生じ、セパレータが溶融し、短絡がさらに広がってしまう。
本実施形態においては、上記のように、各合剤層の巻き始め側の端部から、所定の位置まで多孔質耐熱層が設けられている。ここで、多孔質耐熱層の面積をAとし、合剤層の面積をBとした場合、面積Aの面積Bに対する比A/Bは、0.02〜0.3であることが好ましい。これは、上記と同様の理由による。
このように電極の巻き始め側の端部に多孔質耐熱層を設けることにより、種々の応力によりセパレータの厚さが薄くなった場合でも、導電性異物による正極と負極との短絡を防止することができる。さらには、厚さが薄くなり電解液保持材としての機能が低下したセパレータに代わり、多孔質耐熱層が電解液を保持して、イオン伝導性を確保することが可能となる。このため、合剤層上に多孔質耐熱層を設けたとしても、電池特性の低下を抑制することができる。
本実施形態において、多孔質耐熱層は、正極または負極のいずれか一方に設けてもよいし、正極および負極の両方に設けてもよい。また、本実施形態においても、負極合剤層の幅方向の長さは、正極合剤層の幅方向の長さより長いことが好ましい。
上記実施の形態2および実施の形態3において、多孔質耐熱層としては、実施の形態1と同様なものを用いることができる。また、多孔質耐熱層の厚さ、多孔質耐熱層に含まれる結着剤の量なども、実施の形態1の場合と同様である。
以下、正極、負極および多孔質耐熱層の作製方法について、説明する。
正極は、例えば、以下のようにして作製することができる。
上記のような正極活物質を、導電剤、バインダー、分散媒等と混練して、正極ペーストを調製する。得られた正極ペーストを正極集電体に塗布し、乾燥して、正極集電体上に正極合剤層を形成された正極板を得る。得られた正極板を、所定の厚さに圧延し、所定の寸法に切断して、正極を得ることができる。ここで、上記導電剤としては、アセチレンブラック(以下、ABと略記する)などのカーボンブラックや、黒鉛材料、正極電位下において安定な金属微粉末を用いることができる。バインダーとしては、正極電位下において安定な材料、例えばPVDF、アクリロニトリル単位を含む変性ゴム、ポリテトラフルオロエチレンなどを用いることができる。さらには、正極ペーストを安定化させるために、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記する)などのセルロース樹脂を増粘剤として正極ペーストに添加してもよい。
負極は、例えば、以下のようにして作製することができる。
上記のような負極活物質を、バインダー、分散媒等と混練し、負極ペーストを調製する。得られた負極ペーストを、負極集電体の所定の位置に露出部が存在するように、負極集電体に塗布し、乾燥して、負極集電体上に負極合剤層が形成された負極板を得る。得られた負極板を、所定の厚さに圧延し、所定の寸法に切断して、負極を得ることができる。ここで、バインダーとしては、負極電位下において安定な材料、例えば、PVDFやスチレン−ブタジエンゴム共重合体(以下、SBRと略記する)などを用いることができる。また、負極ペーストを安定化させるために、CMCなどのセルロース樹脂を増粘剤として負極ペーストに添加してもよい。
絶縁性フィラーを主成分とする多孔質耐熱層は、例えば、以下のようにして作製することができる。
絶縁性フィラー、結着剤、分散媒等を、双椀式練合機などを用いて、攪拌して、ペーストを得る。得られたペーストをドクターブレードやダイコートなどの方法で、上記実施の形態1〜3で示されるような部分に塗布し、その塗布したペーストを遠赤外線や熱風などで乾燥することにより、多孔質耐熱層を形成することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
(電池1−1)
(正極の作製)
100重量部のコバルト酸リチウムと、4重量部のPVDFと、3重量部のABと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて混合し、正極ペーストを作製した。得られた正極ペーストを、15μm厚のアルミニウム箔からなる正極集電体(厚さ15μm)の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、集電体とその両面に担持された合剤層を備える正極板を得た。このとき、切断して得られる正極の巻き終わり側に、正極集電体の露出部がくるように、正極集電体上に正極ペーストを塗布した。また、圧延は、正極板の総厚が160μmとなるように行った。
次に、得られた正極板を、幅53mm、全長580mmに切断して、正極を得た。ここで、集電体の両面に形成された合剤層の長さは、2つの面の各々において550mmとし、集電体の露出部が正極の巻き終わり側の端部にくるようにした。また、正極を切断する際、2枚の切断刃の間隔を200μmとし、高さ50〜100μmの切断バリが、正極集電体の露出部の切断部に生じるようにした。
(負極の作製)
100重量部の人工黒鉛と、固形分で1重量部のSBRと、固形分で1重量部のCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて混合し、負極ペーストを作製した。得られた負極ペーストを、銅箔からなる集電体(厚さ10μm)の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、集電体とその両面に担持された合剤層を備える負極板を得た。圧延は、負極板の総厚が180μmとなるように行った。
次いで、得られた負極板を、幅55mm、全長650mmに切断して、負極を得た。ここで、集電体の両面に形成された合剤層の長さは、2つの面の各々において620mmとし、集電体の露出部が負極の巻き終わり側の端部にくるようにした。
(多孔質耐熱層の形成)
図1に示されるように、電極群を構成したときに、正極の巻き終わり側に設けられた正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部にセパレータを介して対向するように、負極合剤層上に多孔質耐熱層を形成した。多孔質耐熱層は、以下のようにして形成した。
平均粒子径0.5μmのアルミナ粒子100重量部あたり3重量部のPVDFを加え、さらに、適量のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう)を添加して、混合物を得た。その混合物を、双腕式練合機にて攪拌した後、直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、アルミナ粒子およびPVDFをビーズミル分散して、形成用ペーストを得た。得られたペーストを、前記境界部とセパレータを介して対向するように、負極合剤層上に10mmの長さで塗布し、乾燥して、多孔質耐熱層を得た。ここで、多孔質耐熱層の厚さは5μmとした。また、多孔質耐熱層の幅は、負極合剤層の幅と同じとした。
(電池の組立)
上記のようにして得られた正極と負極とを、PP製微多孔性フィルムからなるセパレータ(厚さ23μm)を介して捲回して、電極群を得た。
次に、得られた電極群を、直径18mm、高さ65mmの円筒型有底金属缶に挿入し、電解液を加えた。ここで、電解液としては、EC:DEC:DMC=20:40:40(重量比)の溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解させたものを用いた。
次いで、金属缶の開口部を封口板を用いて封口し、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池の公称容量は2Ahであった。このようにして作製した電池を電池1−1とした。
(電池1−2〜1−5)
多孔質耐熱層の厚みを、0.8μm、1μm、10μm、または12μmとしたこと以外は、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、それぞれ、実施例1−2〜1−5とした。
(電池1−6〜1−10)
多孔質耐熱層を作製するときに、アルミナ粒子の代わりに、同一径のマグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカまたはアラミドからなるフィラーを用いたこと以外、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ電池1−6〜1−10とした。
(電池1−11)
多孔質耐熱層を作製するときに、PVDFの代わりに、同重量のアクリロニトリル単位を含む変性ゴム混合物(日本ゼオン(株)製のBM−500BとBM−720Hとの混合物(混合比(重量比)1:1))(以下、変性ゴム混合物ともいう)を用いたこと以外、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、電池1−11とした。
(電池1−12〜1−15)
多孔質耐熱層を作製するときに、アルミナ粒子100重量部あたりのPVDFの量を、0.8重量、1重量部、5重量部、または7重量部としたこと以外、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ1−12〜1−15とした。
(実施例1−16〜1−20)
多孔質耐熱層の長さを、12.4mm、49.6mm、186mm、または248mmとしたこと以外は、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ電池1−16〜1−19とした。
(参考電池1−1)
多孔質耐熱層を、負極合剤層の全面に形成したこと以外、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を参考電池1−1とした。
(比較電池1−1)
多孔質耐熱層を設けなかったこと以外、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を比較電池1−1とした。
(比較電池1−2)
多孔質耐熱層を正極集電体の露出部のみに設けたこと以外、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を比較電池1−2とした。
(比較電池1−3)
多孔質耐熱層を負極集電体の露出部のみに設けたこと以外、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を比較電池1−3とした。
(比較電池1−4)
多孔質耐熱層の代わりに、PP製の樹脂テープ(厚み25μm)を用い、このPP製の樹脂テープを正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部に沿って設けたこと以外、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を比較電池1−4とした。
得られた各電池に対し、以下のような評価を行った。
(短絡検査)
各電池を、20個ずつ、400mAの電流値で4.1Vに達するまで充電した後、45℃環境下で7日間保存した。保存前後で開回路電圧が300mV以上低下した電池を短絡電池とした。短絡電池の割合を百分率値として以下の表1〜5に示す。
(容量確認)
上記短絡検査で異常が見られなかった各電池を、1個ずつ、400mAの電流値で3.0Vに達するまで放電した。
次に、放電後の電池を、2Aの定電流値で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、4.2Vの定電圧で電流値が50mAまで充電した。次いで、充電後の電池を、400mAの定電流値で電池電圧が3.0Vになるまで放電した。このような充放電サイクルを2回繰り返した。2サイクル目の放電容量(放電容量)を以下の表1〜5に示す。
(ハイレート特性評価)
上記容量確認の後の電池について、以下に示す充放電を行った。
各電池を、2Aの定電流値で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、4.2Vの定電圧値で電流値が50mAまで充電した。次いで、充電後の電池を、4Aの定電流値で電池電圧が3.0Vになるまで放電し、ハイレート放電容量を求めた。上記容量確認で求めた放電容量に対するハイレート放電容量の割合を百分率値で表した値(ハイレート放電容量比)を表1〜5に示す。
(異常昇温試験)
上記ハイレート特性評価の後の各電池を、400mAの電流値で4.25Vに達するまで充電した後、120℃の環境下で6時間放置した。このとき、電池外部の温度が130℃を超えた場合に過熱が発生したと判断した。各電池の過熱の有無を表1〜3および5に示す。
(サイクル寿命特性)
電池1−16〜1−19については、容量維持率を測定した。
各電池を、45℃の環境下で、2Aの定電流値で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、4.2Vの定電圧値で電流値が50mAまで充電した。次いで、充電後の電池を、2Aの定電流値で電池電圧が3.0Vになるまで放電した。このような充放電サイクルを500回繰り返した。上記容量確認時の容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を百分率値として表した値(容量維持率)を表4に示す。
なお、表2〜3においては、電池1−1のデータも示す。また、表4には、比A/B1を同時に示す。
Figure 0004859399
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多孔質耐熱層を設けなかった比較電池1−1は、意図的に設けた切断バリの影響を受けて、ほぼ全数が短絡を起こす結果となった。また、正極の集電体の露出部に多孔質耐熱層を設けた比較電池1−2および負極の集電体露出部に多孔質耐熱層を設けた比較電池1−3は、比較電池1−1と比較して、若干短絡は少なくなったが、殆ど効果は見られなかった。この理由としては、比較電池1−2および比較電池1−3では、切断バリが発生しやすい箇所に対向する適切な位置に、多孔質耐熱層が設けられていないことが挙げられる。
正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部に対向するように、多孔質耐熱層を負極合剤層上に設けた電池1−1〜1−19では、短絡電池の割合が低かった。これは、多孔質耐熱層により、切断バリが負極合剤層に達することを低減することができるからである
アルミナの代わりに、マグネシア、チタニア、ジルコニア、またはシリカを絶縁性フィラーとして用いた電池1−6〜1−9は、容量に若干の差異があるものの、短絡電池の割合は低く、十分な耐熱性を有していた。また、絶縁性フィラーとしてアラミドを用いた電池1−10も、同様に、短絡電池の割合は低かった。
多孔質耐熱層に換えて樹脂テープを用いた比較電池1−4の電池容量は、他の電池と比較して、公称容量(2Ah)よりも大きく低下していた。これは、正極合剤層の樹脂テープで覆われた部分のイオン伝導が不可能になり、その面積分だけ電池容量が小さくなったためと考えられる。
多孔質耐熱層を負極合剤層の全面に設けた参考電池1−1は、電池1−1〜1−19と比較してハイレート特性が低下した。この理由として、負極合剤層の全面に多孔質耐熱層を設けたために、反応抵抗の上昇が顕著化したことが挙げられる。
多孔質耐熱層の厚さが0.8μmである電池1−2は、短絡電池の割合が多少高く、異常昇温時の過熱も見られた。これは、多孔質耐熱層が薄く、さらにその多孔質耐熱層に微細なピンホールが多数観察されたことから、短絡箇所が多くなり、内部短絡の発生を十分に抑えることができなかったためと考えられる。よって、多孔質耐熱層の厚さが薄いと、十分な耐熱性が得られないことがある。
一方、多孔質耐熱層の厚さが12μmである電池1−5は、放電特性が若干低下する傾向が見られた。これは、形成された多孔質耐熱層の厚さが厚く、反応抵抗が増加したためと考えられる。よって、多孔質耐熱層の厚さは1〜10μmであることが望ましい。
PVDFの代わりに、変性ゴム混合物を結着剤として用いた電池1−11は、十分な耐熱性が有していた。また、上記変性ゴムが膨潤することによる電池特性の劣化も見られなかった。さらに、電池1−11において、短絡電池の割合は極めて少なかった。これは、変性ゴム混合物を用いることにより、多孔質耐熱層の柔軟性が多少向上したためと考えられる。
また、絶縁性フィラー100重量部あたりの結着剤の量が0.8重量部である電池1−12は、短絡電池の割合が多少多く、また異常昇温試験時に過熱が見られた。よって、結着剤の量が少ないと、十分な耐熱性を得られないことがある。なお、異常昇温試験において異常過熱が生じた電池(電池1−2や電池1−12)を分解して観察したところ、多孔質耐熱層が負極合剤層から広範囲にわたって剥がれ落ち、その部分で、短絡が生じていることが確認された。
一方、結着剤の量が7重量部である電池1−15は、十分な耐熱性を有していたが、ハイレート特性が多少低下していた。これは、多孔質耐熱層に含まれる結着剤の量が多く、反応抵抗が増加したためと考えられる。よって、結着剤の量は、絶縁性フィラー100重量部あたり1〜5重量部であることが望ましい。
電池1−16〜電池1−19は、電極群の最外周部に多孔質耐熱層が設けられているため、多孔質耐熱層の長さを変えても、容量維持率の改善は見られなかった。しかしながら、多孔質耐熱層の長さに関係なく、短絡電池の割合が低減していた。また、ハイレート放電特性は高く維持されていた。
参考例2
(参考電池2−1)
(正極の作製)
100重量部のコバルト酸リチウムと、4重量部のPVDFと、3重量部のABと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて混合し、正極ペーストを作製した。得られた正極ペーストを15μm厚のアルミニウム箔からなる正極集電(厚さ15μm)に塗布し、乾燥し、圧延して、集電体とその両面に担持された合剤層を備える正極板を得た。このとき、正極板の一方の長辺に沿って、幅5mmの集電体の露出部が連続的に形成されるように、正極ペーストを正極集電体に塗布した。圧延は、正極板の総厚が80μmとなるように行った。
次に、その正極板を、幅53mm、長さ960mmに切断して、正極を得た。なお、得られた正極において、集電体の露出部の幅は5mmであり、正極合剤層の幅方向の長さは48mmであった。
(負極の作製)
100重量部の人造黒鉛と、固形分で1重量部のSBRと、固形分で1重量部のCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて混合し、負極ペーストを作製した。得られたペーストを、銅箔からなる負極集電体(厚さ10μm)に塗布し、乾燥し、圧延して、集電体とその両面に担持された合剤層を備える負極板を得た。このとき、負極板の一方の長辺に沿って、集電体の両面に幅5mmの露出部が連続的に形成されるように、負極ペーストを負極集電体に塗布した。また、圧延は、負極板の総厚が100μmとなるように行った。
次に、その負極板を、幅55mm、長さ1020mmに切断して、負極を得た。なお、得られた負極において、集電体の露出部の幅は5mmであり、負極合剤層の幅方向の長さは50mmであった。
(多孔質耐熱層の形成)
図2に示されるように、各負極合剤層の2つの長辺の各々に沿って、多孔質耐熱層を連続的に形成した。多孔質耐熱層の形成は、以下のように行った。
平均粒子径0.5μmのアルミナ粒子100重量部あたり、3重量部のPVDFを加え、さらに、適量のNMPを添加して、混合物を得た。その混合物を双腕式練合機にて攪拌した後、直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、アルミナ粒子およびPVDFをビーズミル分散して、形成用ペーストを得た。得られたペーストを、各負極合剤層の2つの長辺のそれぞれに沿って、5mmの幅で塗布し、乾燥して、多孔質耐熱層を得た。ここで、多孔質耐熱層の厚さは5μmとした。
上記のようにして得られた正極と負極とをPP製微多孔性フィルムからなるセパレータ(厚さ23μm)を介して捲回して、電極群を得た。このとき、正極集電体の露出部が電極群の上側の端面に配置され、負極集電体の露出部が電極群の下側の端面に配置されるように、正極と負極とを捲回した。
次に、正極集電体の露出部に正極集電端子を、負極集電体の露出部に負極集電端子を、それぞれ、抵抗溶接した。このとき、抵抗溶接用の電極上に、酸化銅の粉末を付着させ、溶接時にスパークが発生しやすい条件とした。
このような集電端子を溶接した電極群を用い、上記電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、参考電池2−1とした。なお、得られた電池の公称容量は、1.3Ahであった。
(参考電池2−2〜2−5)
多孔質耐熱層の厚さを、0.8μm、1μm、10μm、または12μmとしたこと以外は、参考電池2−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ参考電池2−2〜2−5とした。
(参考電池2−6〜2−10)
多孔質耐熱層を作製するときに、アルミナ粒子の代わりに、同一径のマグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカまたはアラミドからなるフィラーを用いたこと以外は、電池2−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ参考電池2−6〜2−10とした。
(参考電池2−11)
多孔質耐熱層を作製するときに、PVDFの代わりに、同重量のアクリロニトリル単位を含む変性ゴム混合物(日本ゼオン(株)製のBM−500BとBM−720Hとの混合物(混合比(重量比)1:1))を用いたこと以外は、参考電池2−1の作製方法を同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を参考電池2−11とした。
(参考電池2−12〜2−15)
多孔質耐熱層を作製するときに、アルミナ粒子100重量部あたりのPVDFの量を、0.8重量部、1重量部、5重量、または7重量部としたこと以外は、参考電池2−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ参考電池2−12〜2−15とした。
(参考電池2−16〜2−20)
多孔質耐熱層の幅を0.5mm、1mm、10mm、15mm、または20mmとしたこと以外は、参考電池2−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ参考電池2−16〜2−20とした。
(参考電池2−21
多孔質耐熱層を負極合剤層の全面に形成したこと以外は、参考電池2−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を参考電池2−21とした。
(比較電池2−1)
多孔質耐熱層を設けなかったこと以外は、参考電池2−1の作製方法と同様の電池を作製した。これを比較例2−1の電池とする。
(比較電池2−2)
多孔質耐熱層を正極集電体の露出部のみに設けたこと以外は、参考電池2−1の作製方法を同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を比較電池2−2とした。
(比較電池2−3)
多孔質耐熱層を負極集電体の露出部に設けたこと以外は、参考電池2−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を比較電池2−3とした。
(比較電池2−4)
多孔質耐熱層の代わりに、ポリイミド製の樹脂テープ(5mm幅、厚さ25μm)を用い、このPP製の樹脂テープを正極合剤層と正極集電体の露出部との境界部に沿って設けたこと以外は、参考電池2−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を比較電池2−4とした。
得られた各電池に対し、以下のような評価を行った。
(短絡検査)
各電池を、20個ずつ、260mAの電流値で4.1Vに達するまで充電した後、45℃環境下で7日間保存した。保存前後で開回路電圧が300mV以上低下した電池を短絡電池とした。短絡電池の割合を百分率値として表6〜10に示す。
(容量確認)
上記短絡検査で異常が見られなかった各電池を、1個ずつ、260mAの電流値で3.0Vに達するまで放電した。
次に、放電後の電池を、1.3Aの定電流値で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、4.2Vの定電圧で電流値が50mAまで充電した。次いで、充電後の電池を、260mAの定電流値で電池電圧が3.0Vになるまで放電した。このような充放電サイクルを2回繰り返した。2サイクル目の放電容量(放電容量)を表6〜10に示す。
(ハイレート特性評価)
上記容量確認の後の電池について、以下に示す充放電を行った。
各電池を、1.3Aの定電流値で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、4.2Vの定電圧値で電流値が50mAまで充電した。次いで、充電後の電池を、5.2Aの定電流値で電池電圧が3.0Vになるまで放電し、ハイレート放電容量を求めた。上記容量確認で求めた放電容量に対するハイレート放電容量の割合を百分率値として表した値(ハイレート放電容量比)を表6〜10に示す。
なお、表7〜9には、参考電池2−1のデータも示す。また、表9には、比A/B1の値も同時に示す。
Figure 0004859399
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多孔質耐熱層を設けなかった比較電池2−1は、ほぼ全数の電池が短絡していた。これは、溶接時に意図的に発生させたスパークの影響を受けてセパレータが溶融したためである。また、正極集電体の露出部に多孔質耐熱層を設けた比較電池2−1および負極集電体の露出部に多孔質耐熱層を設けた比較電池2−3は、比較電池2−1と比較して、短絡電池の割合は若干低下したものの、顕著な効果は見られなかった。これは、比較電池2−2および比較電池2−3において、多孔質耐熱層の形成位置が不適切であったために、スパークによるセパレータの溶融が正極合剤層の端部および負極合剤層の端部まで及んだ際に、正極と負極との絶縁を保てなかったからであると考えられる。
一方、図2および3に示されるような位置に多孔質耐熱層を設けた参考電池2−1〜2−20は、電池の短絡を低下させることができた。これは、スパークによるセパレータの溶融が正極合剤層の端部および/または負極合剤層の端部まで及んだ場合でも、多孔質耐熱層に含まれるアルミナの耐熱性が高いため、多孔質耐熱層が負極合剤層上に残存し、正極と負極との絶縁を保つことができたためと考えられる。
多孔質耐熱層の代わりに樹脂テープを用いた比較電池2−4の電池容量は、他の電池と比較して、公称容量(2Ah)よりも大きく低下していた。これは、正極合剤層の樹脂テープで覆われた部分のイオン伝導が不可能になり、その面積分だけ電池容量が小さくなったためと考えられる。
多孔質耐熱層の幅が0.5mmである参考電池2−16は、比較電池2−1〜3には勝るものの、短絡電池の割合が若干高かった。これは、多孔質耐熱層の幅が狭すぎたために、その役割(耐熱性向上による絶縁確保)を十分に発揮できなかったためと考えられる。一方、多孔質耐熱層の幅が20mmである参考電池2−20は、参考電池2−21には勝るものの、ハイレート特性が若干低下していた。これは、多孔質耐熱層の幅が広いために、その分、反応抵抗成分が増加したからであると考えられる。よって、比A/B1は0.02〜0.3であることが好ましい。
アルミナの代わりに、マグネシア、チタニア、ジルコニア、またはシリカを絶縁性フィラーとして用いた参考電池2−6〜2−9は、容量に若干の差異があるものの、短絡電池の割合が低下しており、十分な耐熱性を備えていることがわかった。また、絶縁性フィラーとしてアラミドを用いた参考電池2−10においても、短絡電池の割合が低下していた。
多孔質耐熱層の厚さが0.8μmである参考電池2−2は、短絡電池の割合が多少高く、また異常昇温試験時に過熱が見られた。これは、多孔質耐熱層が薄く、さらにその多孔質耐熱層に微細なピンホールが多数観察されたことから、参考電池2−2においては、短絡箇所が多く、内部短絡の発生を十分に抑えることができなかったためと考えられる。よって、多孔質耐熱層の厚さが薄い場合、十分な耐熱性が得られないことがある。
一方、多孔質耐熱層の厚さが12μmである参考電池2−5は、放電特性が多少低下していた。これは、多孔質耐熱層の厚さが厚く、反応抵抗が増加したためと考えられる。よって、多孔質耐熱層の厚さは1〜10μmであることが望ましい。
PVDFの代わりに変性ゴム混合物を結着剤として用いた参考電池2−11は、十分な耐熱性を有していた。また、上記変性ゴムが膨潤することによる電池特性の劣化も見られなかった。さらに、参考電池2−11において、短絡電池の割合は極めて少なかった。これは、変性ゴム混合物を用いることにより、多孔質耐熱層の柔軟性が多少向上したためであると考えられる。
また、絶縁性フィラー100重量部あたりの結着剤の量が0.8重量部である参考電池2−12は、短絡電池の割合が多少高く、十分な耐熱性を有していなかった。なお、短絡していた電池を分解して観察したところ、多孔質耐熱層が負極合剤層から広範囲にわたって剥がれ落ち、その部分で、短絡が生じていることが確認された。
一方、結着剤の量が7重量部である参考電池2−15は、十分な耐熱性を有していたが、ハイレート放電特性が多少低下していた。これは、多孔質耐熱層に含まれる結着剤の量が多く、反応抵抗が増加したためと考えられる。よって、結着剤の量は、絶縁性フィラー100重量部あたり、1〜5重量部であることが望ましい。
参考例3
(参考電池3−1)
(正極の作製)
100重量部のコバルト酸リチウムと、4重量部のPVDFと、3重量部のABと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて混合し、正極ペーストを作製した。得られた正極ペーストを、アルミニウム箔からなる正極集電体(厚さ15μm)に塗布し、乾燥し、圧延して、集電体とその両面に担持された合剤層を備える正極板を得た。このとき、圧延は、正極板の総厚が160μmとなるように行った。
次に、得られた正極板を、幅53mm、全長630mmに切断して、正極を得た。このとき、集電体の両面に形成された合剤層の長さは、両面とも600mmとした。
(負極の作製)
1000重量部の人造黒鉛と、スチレン−ブタジエンゴム共重合体結着剤(日本ゼオン(株)製のBM−400B)を固形分で1重量部と、CMCを固形分で1重量部と、適量の水とを、双腕式練合機にて混合し、負極ペーストを作製した。得られた負極ペーストを、銅箔からなる負極集電体(厚さ10μm)に塗布し、乾燥し、圧延して、集電体とその両面に担持された合剤層を備える負極板を得た。ここで、圧延は、負極板の総厚が180μmとなるように行った。
次に、得られた負極板を、幅55mm、全長650mmに切断して、負極を得た。このとき、集電体の両面に形成された合剤層の長さは、2つの面の各々において620mmとした。
(多孔質耐熱層の形成)
本参考例では、負極の両方の合剤層上のみに、多孔質耐熱層を形成した。多孔質耐熱層の形成は、以下のように行った。
平均粒子径0.5μmのアルミナ粒子100重量部あたり、3重量部のPVDFを加え、固形分が50重量%となるように、NMPととともにあらかじめディスパーで調整した。こののち、アルミナ粒子およびPVDFをメディアレス分散機で分散し、形成用ペーストを得た。
得られた形成用ペーストを、両方の負極合剤層に、その巻き始め側の端部から124mmの長さで塗布し、乾燥して、多孔質耐熱層を得た。ここで、多孔質耐熱層の幅と負極合剤層の幅とは同じにした。また、多孔質耐熱層の厚みは5μmとした。
上記のようにして得られた正極と負極とを、多孔質耐熱層が電極群の芯部にくるように、セパレータ(PP製微多孔性フィルムからなるセパレータ(厚さ23μm)を介して捲回して、電極群を得た。このとき、負極の巻き始め側の端部から5mmの箇所に、直径8μmのNi粉を導電性異物として混入した状態で、捲回を行った。
このようにして得られた電極群を用い、電池1−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、参考電池3−1とした。ここで、得られた電池の公称容量は2Ahであった。
(参考電池3−2〜3−5)
多孔質耐熱層の厚さを、0.8μm、1μm、10μm、または12μmとしたこと以外は、実施例3−1の作製方法を同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ参考電池3−2〜3−5とした。
(参考電池3−6〜3−10)
多孔質耐熱層を作製するときに、アルミナ粒子の代わりに、同一径のマグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカまたはPP製マイクロビーズを用いたこと以外は、参考電池3−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を参考電池3−6〜3−10とした。
(参考電3−11)
多孔質耐熱層を作製するときに、PVDFの代わりに、同重量のアクリロニトリル単位を含む変性ゴム混合物(日本ゼオン(株)製のBM−500BとBM−720Hとの混合物(混合比(重量比)1:1))を用いたこと以外は、参考電池3−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を参考電池3−11とした。
(参考電池3−12〜3−15)
多孔質耐熱層を作製するときに、アルミナ粒子100重量部あたりのPVDFの量を、0.8重量部、1重量部、5重量、または7重量部としたこと以外は、参考電池3−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ参考電池3−12〜3−15とした。
(参考例3−16〜3−20)
負極合剤層の巻き始め側の端部からの多孔質耐熱層の長さを10mm、12.4mm、49.6mm、186mm、または248mmとしたこと以外は、参考電池3−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池をそれぞれ参考電池3−16〜3−20とした。
(参考電池3−21
多孔質耐熱層を負極合剤層の全面に形成したこと以外は、参考電池3−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を参考電池3−21とした。
(比較電池3−1)
多孔質耐熱層を設けなかったこと以外は、参考電池3−1の作製方法と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を比較電池3−1とした。
得られた各電池に対し、以下のような評価を行った。
(短絡検査)
各電池を、20個ずつ、260mAの電流値で4.1Vに達するまで充電した後、45℃環境下で7日間保存した。保存前後で開回路電圧が300mV以上低下した電池を短絡電池とした。短絡電池の割合を百分率値として表11〜15に示す。
(容量確認)
上記短絡検査で異常が見られなかった各電池を、1個ずつ、400mAの電流値で3.0Vに達するまで放電した。
次に、放電後の電池を、2Aの定電流値で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、4.2Vの定電圧で電流値が50mAまで充電した。次いで、充電後の電池を、400mAの定電流値で電池電圧が3.0Vになるまで放電した。このような充放電サイクルを2回繰り返した。2サイクル目の放電容量(放電容量)を表11〜15に示す。
(ハイレート特性評価)
上記容量確認の後の電池について、以下に示す充放電を行った。
各電池を、2Aの定電流値で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、4.2Vの定電圧値で電流値が50mAまで充電した。次いで、充電後の電池を、4Aの定電流値で電池電圧が3.0Vになるまで放電し、ハイレート放電容量を求めた。上記容量確認で求めた放電容量に対するハイレート放電容量の割合を百分率値で表した値(ハイレート放電容量比)を表11〜15に示す。
(サイクル寿命特性)
各電池を、45℃の環境下で、2Aの定電流値で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、4.2Vの定電圧値で電流値が50mAまで充電した。次いで、充電後の電池を、2Aの定電流値で電池電圧が3.0Vになるまで放電した。このような充放電サイクルを500回繰り返した。上記容量確認時の容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を百分率値として表した値(容量維持率)を表11〜15に示す。
ここで、表12〜14には、参考電池3−1の結果も同時に示す。また、表14には、比A/B1の値を同時に示す。
Figure 0004859399
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負極合剤層の全面に多孔質耐熱層を設けた参考電池3−21と、多孔質耐熱層を設けなかった比較電池3−1とは、電池容量にはあまり差がなかった。また、参考電池3−21は、比較電池3−1と比較して、ハイレート放電特性が低下していた。これは、多孔質耐熱層が、リチウムイオンの拡散に対して抵抗となっていることが原因であると考えられる。
容量維持率、つまりサイクル寿命特性は、参考電池3−21の方が、比較電池3−1と比較して、良化していた。サイクル後の電池を分解して、極板における電解液の分布を調べたところ、多孔質耐熱層を設けなかった比較電池3−1では、電極群の内周側には電解液がほとんど保持されていなかった。一方で、多孔質耐熱層を合剤層の全面に設けた参考電池3−21では、電極群の外周側に比べて量は少ないものの、電極群の内周側にも比較的電解液が比較的保持されていることがわかった。
また、比較電池3−1は耐短絡性が低いのに対し、参考電池3−21および参考電池3−1〜3−20は耐短絡性が向上していた。これは、芯部付近では種々の応力によりセパレータの厚みが小さくなるため、この箇所に混入させた導電性異物の影響が出やすくなるが、多孔質耐熱層が存在することにより、この影響を回避できるためであると考えられる。
参考電池3−1〜3−20は、参考電池3−21よりもハイレート放電特性が向上していた。これは、参考電池3−1〜3−20は、全面に多孔質耐熱層を設けた参考電池3−21よりも多孔質耐熱層の面積が少なく、リチウムイオンの拡散抵抗が低減されるためであると考えられる。また、サイクル特性もハイレート特性と同様に多孔質耐熱層の面積の少ない方が良好である。しかも、最もサイクル特性の低いものでも85%と、合剤層の全面に多孔質耐熱層を設けた参考電池よりも良好であるという結果が得られた。これは、セパレータが十分に電解液保持材として働いている外周側と、多孔質耐熱層が電解液保持材として働いている芯部側とで、電解液がバランスよく保持されているためと考えられる。すなわち、芯部付近に設けた多孔質耐熱層の面積が不足しても過多であっても、上述した電解液の保持量のバランスが若干ではあるが崩壊する。しかしながら、比A/B1を0.02〜0.3とすることにより、電池特性の低下を防止することが可能となる。
アルミナの代わりに、マグネシア、チタニア、ジルコニア、またはシリカを用いた参考電池3−6〜3−9は、容量に若干の差異があるものの、短絡電池の割合が低く、十分な耐熱性を備えていた。絶縁性フィラーとしてアラミドを用いた参考電池3−10においても、短絡電池の割合が低下していた。
多孔質耐熱層の厚さが0.8μmである参考電池3−2は、短絡電池の割合が15%であり、十分な耐熱性が得られなかった。また、参考電池3−2の容量維持率は、比較電池3−1の容量維持率とあまり変わらなかった。これは、多孔質耐熱層の厚さが薄い場合には、内部短絡を抑制したり、保液効果を向上させたりすることが困難であるからと考えられる。
一方、多孔質耐熱層の厚さが12μmである参考電池3−5は、容量維持率は90%程度であったが、ハイレート放電特性が若干低下していた。これは、多孔質耐熱層の厚さが厚く、反応抵抗が増加したためと考えられる。よって、多孔質耐熱層の厚さは1〜10μmであることが望ましい。
また、PVDFの代わりに、変性ゴム混合物を結着剤として用いた参考電池3−11は、十分な耐熱性を有していた。また、上記変性ゴムが膨潤することによる電池特性の劣化は見られなかった。さらに、電池の短絡は極めて少なかった。これは、変性ゴム混合物を用いることにより、多孔質耐熱層の柔軟性が多少向上したためであると考えられる。
また、絶縁性フィラー100重量部あたりの結着剤の量が0.8重量部である参考電池3−12は、短絡電池の割合が多少高くなっていた。よって、結着剤の量が少ない場合には、十分な耐熱性が得られないことがある。なお、短絡していた電池を分解して観察したところ、多孔質耐熱層が負極合剤層から広範囲にわたって剥がれ落ち、その部分で、短絡が生じていることが確認された。
一方、結着剤の量が7重量部である参考電池3−15は、十分な耐熱性を有していたが、ハイレート放電特性が多少低下していた。これは、多孔質耐熱層に含まれる結着剤の量が多く、反応抵抗が増加したためと考えられる。よって、結着剤の量は、絶縁性フィラー100重量部あたり、1〜5重量部であることが望ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、耐短絡性を向上しつつ、電池特性を維持することができるため、特に高い信頼性が要求される電子機器等の電源として用いることができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池に用いられている電極群を概略的に示す横断面図である。 の実施形態に係るリチウムイオン二次電池に用いられる負極を概略的に示す側面図である。 図2に示される負極を用いて形成された電極群を概略的に示す縦断面図である。 の実施形態に係るリチウムイオン二次電池の電極群に用いられる正極、負極およびセパレータを示す概略図である。
11、21、31 正極
11a、21a、31a 正極集電体
11b、21b、31b 正極合剤層
12、22、32 負極
12a、22a、32a 負極集電体
12b、22b、32b 負極合剤層
13、23、33 セパレータ
14、24、34 多孔質耐熱層
15、25 正極集電体の露出部
26 負極集電体の露出部

Claims (7)

  1. 帯状の正極、帯状の負極、およびセパレータを備え、前記正極と前記負極とを前記セパレータを介して捲回してなる電極群と、
    前記電極群が収容される有底缶と、
    を具備するリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極は、アルミニウム箔からなる帯状の正極集電体と前記正極集電体上に担持された正極合剤層とを有し、前記正極集電体の巻き終わり側末端の短辺に沿って、前記正極合剤層を担持しない前記正極集電体が露出した露出部を有し、
    前記負極は、帯状の負極集電体と前記負極集電体上に担持された負極合剤層とを有し、前記負極合剤層の短辺の幅は前記正極合剤層の短辺の幅よりも大きく、
    前記正極合剤層と前記露出部との境界部は前記セパレータを介して前記負極合剤層と対向しており、
    前記境界部が対向する前記負極合剤層表面の一部の領域のみに多孔質耐熱層が配置されているリチウムイオン二次電池。
  2. 前記多孔質耐熱層の面積をAとし、前記負極合剤層の面積をB1としたとき、面積Aの面積B1に対する比A/B1が0.02〜0.3である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記多孔質耐熱層の厚さが1〜10μmである請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記多孔質耐熱層が絶縁性フィラーおよび結着剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記絶縁性フィラーが、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、およびシリカよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項4に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記結着剤が、アクリロニトリル単位を含む変性ゴム粒子およびポリフッ化ビニリデンのうちの少なくとも1つを含む請求項4または5に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記多孔質耐熱層が、前記結着剤を、前記絶縁性フィラー100重量部あたり1〜5重量部含む請求項4〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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