JP4859064B2 - 土木工事用シール工法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設地下構造物の上部まで地面を掘削した空間に新たな構造物を築造して当該構造物の外周を埋め戻し地表面を復旧する地下開削工法で用いられ、土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間から発生する漏水や漏砂を防止するための土木工事用シール工法に関する。
上記地下開削工法では、例えば、形鋼や鋼管を連続して地中に建て込むことによって土留め壁を構築し、その土留め壁に地中から作用する土圧を受けさせて、その内側を開削する。この工法を用いた地下開削工事は、地中から作用する水圧下で行われるため、構築した土留め壁間の継ぎ目や、構築した土留め壁と既設地下構造物との間の隙間から漏水や漏砂が発生することがある。
従来、このような土留め壁間の継ぎ目や、構築した土留め壁と既設地下構造物との間の隙間からの漏水や漏砂を防止するためには、セメント系固化材等を用いてその周辺の地盤を固める、いわゆる地盤改良をおこなうことが一般に知られている。
また、土留め壁間の継ぎ目に袋体を設置し、その袋体にセメントミルク等の充填材を注入して土留め壁の継ぎ目を封止するシール方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。このシール方法は、スリットが長手方向に形成されている小口径のパイプを大口径の鋼管の長手方向に沿わせて溶接した鋼管矢板を用いる鋼管矢板工法に用いられるもので、小口径のパイプに形成された上記スリットを互いに係合させて鋼管矢板を複数地中に建て込み、その後、互いに係合した上記小口径のパイプ内に充填材注入袋を挿入し、その充填材注入袋にセメントミルク等の充填材を注入して、上記鋼管製矢板で形成された土留め壁の継ぎ目を封止するシール方法である。
特開平08−41868号公報
しかしながら、上記のセメント系固化材等を用いてその周辺の地盤を固める、いわゆる地盤改良による方法は、長い距離を有するトンネル等の地下構造物を構築する地下開削工事に用いられる場合には、地下開削のために構築される土留め壁の距離が長くなり、且つ地盤改良の施工範囲が広いため、地盤改良のための掘削量が多くなり、コスト及び労力がかかる。
一方、特許文献1に記載された、鋼管矢板工法において用いられ、地中に建て込まれた鋼管矢板間の継ぎ目に位置する小口径のパイプ内に充填材注入袋を挿入し、その充填材注入袋にセメントミルク等の充填材を注入して、上記鋼管製矢板で形成された土留め壁の継ぎ目を封止するシール方法は、充填材を注入して充填材が硬化した直後は確実なシールが得られるが、その後、地中から作用する土圧や地盤の変位等により鋼管矢板に変位が生じた場合、互いに係合した小口径パイプ内の充填材注入袋に注入された充填材が硬化した袋体は、上記鋼管矢板の変位に追従できないため、継ぎ目部から漏水や漏砂が発生することがある。
また、この特許文献1に記載されたシール方法は、鋼管製矢板で形成された土留め壁の継ぎ目を封止する方法であって、構築した土留め壁と既設地下構造物との間の隙間からの漏水や漏砂を防止するシール方法ではない。
ところで、既に築造された既設地下構造物の上部まで地面を掘削した空間に新たな構造物を築造してこの構造物の外周を埋め戻し地表面を復旧する地下開削工法においては、形鋼や鋼管等の鋼製土留め壁を地中に構築し、その後、地面の掘削を行っていくと、地中から既設地下構造物に作用する土圧や水圧によって、既設地下構造物が上方に浮き上がり、変位を生じることがある。したがって、既設地下構造物の上部に土留め壁を構築する場合、この土留め壁と既設地下構造物との間の隙間のシールは、この隙間寸法が地盤の掘削とともに変化を生じたとしても、その変化に追従できるシールである必要がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、地盤の掘削等により既設地下構造物に浮き上がり等の多少の変位が生じたとしても、土留め壁と既設地下構造物との間の隙間からの漏水や漏砂を防止でき、且つ、簡易でコストのかからない、土木工事用シール工法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明に係る土木工事用シール工法は、既設地下構造物の上部まで地面を掘削した空間に新たな構造物を築造して当該構造物の外周を埋め戻し地表面を復旧する地下開削工法で用いられ、土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間を封止する土木工事用シール工法に関する。そして、本発明に係る土木工事用シール工法は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の土木工事用シール工法は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る土木工事用シール工法における第1の特徴は、前記二次土留め壁と前記既設地下構造物との間の前記隙間に袋体を設置する袋体設置工程と、固化後に弾性を有する自硬化性液状樹脂を、前記隙間に対して地中から作用する水圧である外水圧以上の注入圧で前記袋体に充填する自硬化性液状樹脂充填工程と、を備えていることである。
この構成によると、自硬化性液状樹脂が充填された袋体は、自硬化性液状樹脂が固化する前においては、その立体形状をほぼ自由に変えることができる。よって、自硬化性液状樹脂が充填された袋体は、その自重によって土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間形状に合うように変形し、土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間を適切に封止する。
また、自硬化性液状樹脂を袋体に注入する際には、既に袋体に対して外水圧が作用している場合もある。但し、自硬化性液状樹脂は、外水圧に抗して、この外水圧以上の注入圧で袋体に充填されるため、自硬化性液状樹脂の袋体への注入作業を迅速に行うことができ、且つ、自硬化性液状樹脂が固化する前から、外水圧に抗して土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間を封止することができる。
また、地盤の掘削等により既設地下構造物に浮き上がり等の多少の変位が生じたとしても、自硬化性液状樹脂が充填された袋体は弾性を有するため、その変位に追従して変形する。よって、土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間からの漏水や漏砂を防止できる。
また、本発明に係る土木工事用シール工法は、袋体という簡易な手段をもちいておりコストがかからず経済性の面でも優れている。
また、本発明に係る土木工事用シール工法における第2の特徴は、前記袋体設置工程は、前記袋体を取り付けるための側孔を前記二次土留め壁の下部に設け、且つ、前記袋体の長手方向に沿ういずれか一方の片側端部に複数の袋体側孔を設け、前記袋体を前記二次土留め壁にボルト及びナットにより係止することである。
この構成によると、袋体設置工程において、二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間に対して、容易に、且つ確実に袋体を設置することができる。また、外水圧が袋体に作用しても、袋体は土留め壁に固定された二次土留め壁から容易に外れない。また、自硬化性液状樹脂を袋体に充填する際にも、土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間に設置された袋体の位置を容易に調整、維持することができる。
また、本発明に係る土木工事用シール工法における第3の特徴は、前記二次土留め壁は、前記土留め壁から隔離して当該土留め壁に固定され、前記土留め壁と前記二次土留め壁との間にセメント系固化材を注入するセメント系固化材注入工程をさらに備えたことである。
この構成によると、セメント系固化材は、二次土留め壁、袋体、及び既設地下構造物の間に形成される微細な隙間に入り込んでいき、固化後に弾性を有する自硬化性液状樹脂が充填された袋体により、二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間を封止する効果を、さらに高めることができる。よって、土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間からの漏水や漏砂をより確実に防止できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る土木工事用シール工法は、既設地下構造物の上部まで地面を掘削した空間に新たな構造物を築造して当該構造物の外周を埋め戻し地表面を復旧する地下開削工法で用いられ、土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間を封止する土木工事用シール工法として広く用いることができるものである。例えば、各種トンネル、各種管路、下水道等の地下に形成されている既設地下構造物の上部に新たな構造物を築造する際の地下開削工法に用いることができる。そして、特に、高速道路のトンネルなどのように大きくて長い距離を有する構造物を新たに築造する場合の地下開削工法に用いる場合に有効となる。また、本発明の実施形態に係る土木工事用シール工法が使用された部分は、既設地下構造物に浮き上がり等の変位が発生してもシール性能に優れているので、必ずしも高速道路のトンネルなどのように大きくて長い距離を有する構造物に限らず、本発明の実施形態に係る土木工事用シール工法は、これら以外の構造物を新たに築造する場合の地下開削工法においても有効に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る土木工事用シール工法が使用される地下開削工法の一例を示す図である。図1に示すように、本発明に係る土木工事用シール工法は、既設地下構造物であるシールドトンネルのセグメント2の上部まで地面を掘削した空間に新たな構造物5を築造してこの構造物5の外周を埋め戻し地表面を復旧する地下開削工法で用いられるものである。
この地下開削工法では、まず、土留め壁1を設置し、地面を掘削する部分には安全対策、騒音対策等のための路面覆蓋6を設置する。そして、土留め壁1の内側を掘削し、切梁、腹起等の部材4を用いた支保工により、土留め壁1は支持される。このとき、土留め壁1の下部は地盤改良され、地盤改良部3が形成される。尚、本発明に係る土木工事用シール工法を使用することにより、この地盤改良はその範囲を最小限に抑えることができる。
図2は、図1のうち本発明の一実施形態に係る土木工事用シール工法が施された部分を示す拡大図である。図3は、図2に示す袋体周辺の拡大図である。図4は、図3に示すX矢示方向の図である。図5は、図3に示すY矢示方向の図である。ここで、図3は、袋体50に自硬化性液状樹脂100が充填される前の状態を示す図(a)と、袋体50に自硬化性液状樹脂100が充填された後の状態を示す図(b)とからなる。
図1及び図2に示すように、シールドトンネルのセグメント2上部に土留め壁1が設けられている。この土留め壁1は、両側に打ち込まれた2つの土留め壁1の間の掘削に伴って、土圧や水圧で数cm〜数mm変位し、その後、2つのシールドトンネル間を掘削したときは、シールドトンネルが内側及び上方に変位する。このため、土留め壁1下端とセグメント2上端との間に寸法が変化する隙間が生じ、この隙間から漏水等が発生する場合がある。
鋼板12は、土留め壁1下端とセグメント2との間の不連続面を覆うものであり、ボルト14を介して土留め壁1から隔離して土留め壁1に固定されている。ここで、土留め壁1にボルト14を溶接固定し、そのボルト14に鋼板12が溶接固定される。また、図2に示すように、セグメント2の上端に沿って裏込材11が注入されている。尚、この鋼板12が、本発明に係る、土留め壁に固定された二次土留め壁に相当する。ただし、二次土留め壁は、土留め壁と既設地下構造物との間の隙間からの漏水や漏砂を防止するための土留め(二次土留め)であり、必ずしも本実施形態で示す鋼板12に二次土留め壁が限定されるものではない。本実施形態においては、二次土留め壁の例示として鋼板12を挙げている。
まず、この鋼板12と既設地下構造物であるシールドトンネルのセグメント2との間の隙間に袋体50を設置する袋体設置工程が行われる。ここでは、図3乃至図5に示すように、ボルト21を挿入して袋体50を取り付けるための側孔22を鋼板12の下部に設け、且つ、袋体50の長手方向に沿ういずれか一方の片側端部に複数の袋体側孔を設ける。そして、鋼板12の下部に設けた上記の側孔22と、袋体50の長手方向に沿ういずれか一方の片側端部に設けた袋体側孔とを利用して、袋体50を鋼板12にボルト21及びナットにより係止する。
このような方法で、袋体50を鋼板12に係止することで、鋼板12とセグメント2との間の隙間に対して、容易に、且つ確実に袋体50を設置することができ、外水圧が作用しても袋体50は鋼板12から容易に外れない。また、このように袋体50の袋体側孔を、現場施工で設けることにより、鋼板12に設けられた側孔22のピッチに合わせて袋体50の適切な位置に、袋体側孔を現場合わせによって形成することができる。尚、袋体50の袋体側孔は、現場施工で設けられる必要は必ずしもなく、事前に工場等で袋体50に袋体側孔が設けられていても良い。
また、鋼板12の下部に設けた側孔22についても同様であり、現場施工で鋼板12に側孔22を設けても良いし、事前に工場等で鋼板12に側孔22が設けられていても良い。尚、事前に工場等で鋼板12に側孔22を設けることにより、鋼板12に側孔22を設けるという現場作業を省略することができるため、この点においては、事前に工場等で側孔22を設けることにより、迅速な工事を行うという点でメリットがある。
尚、上記の袋体側孔が設けられた袋体50の長手方向に沿ういずれか一方の片側端部は、袋体側孔が設けられることによって、この袋体50に充填される自硬化性液状樹脂100が袋体側孔から漏れ出さないように、袋体側孔が設けられる部分と自硬化性液状樹脂100が充填される部分との間は縫製処理されている。
また、図5に示すように、袋体50はホース状の形状であり、コンパクトに丸められた状態で搬入され、それを回転させて伸ばしながら鋼板12とセグメント2との間の隙間に設置されていく。よって、非常に施工性に優れている。
次に、自硬化性液状樹脂充填工程では、固化後に弾性を有する自硬化性液状樹脂100を、ポンプ等の供給手段(不図示)を用いて、鋼板12とセグメント2との間の隙間に対して地中から作用する水圧である外水圧以上の注入圧で袋体50に充填する。例えば、袋体50への注入圧は、0.2MPa程度である。ここで図4に示すように、自硬化性液状樹脂100は、袋体50に設けられた注入口50bから袋体50に充填される。尚、注入口50bは、図4に示す位置に限らず、本発明に係る土木工事用シール工法が使用される現場に応じて、適宜、袋体50に設けられる位置が決められる。また、注入口50bの数量や大きさも、充填される自硬化性液状樹脂100の性状等によって、適宜、変更される。
ここで、自硬化性液状樹脂100は、固化後に弾性を有する二液混合のアクリル系樹脂剤である。本発明に係る土木工事用シール工法における本一実施形態では、セグメント部の隙間に充填し止水する場合等に用いられる東亜合成株式会社製のアロンスーパーグラウト−C(登録商標、商標第4073564号、商標第4632776号)を使用した。このアロンスーパーグラウト−Cは、袋体50への充填後、約15分間で固化し、弾力性、不透水性、膨潤性、耐久性に優れたゲル状硬化物を形成する。
尚、自硬化性液状樹脂100は、固化後に弾性を有するものであればよく、本一実施形態で用いている東亜合成株式会社製のアロンスーパーグラウト−Cのような二液混合のアクリル系樹脂剤に限られるものではない。
また、袋体50は、ポリエステル繊維で織成した織物である。この織物は、経糸に対してスパイラル状に連続して織り込まれた緯糸とからなる継ぎ目のない筒状の織物である。このため、袋体50は高い破断応力を有しており、地中から作用する水圧である外水圧以上の注入圧で袋体50に自硬化性液状樹脂100を充填しても容易に破断することはない。本発明に係る土木工事用シール工法は、この袋体50という簡易な手段をもちいておりコストがかからず経済性の面でも優れている。
また、所定の注入圧で自硬化性液状樹脂100がわずかに袋体50の外部に漏れ出すように袋体50が形成されていれば、自硬化性液状樹脂100がセグメント2の凹凸部等に流れ込むため、袋体50の表面が鋼板12とセグメント2とに密着しやすくなり、シール性能がより向上する。さらに、袋体50の中に空気溜りが生じにくくなる。自硬化性液状樹脂100がわずかに袋体50の外部に漏れ出すようにするには、袋体50に複数の小孔を設ければよい。
図3に示すように、鋼板12の下端には、鋼製アングル12bが溶接固定されている。これは、自硬化性液状樹脂100が充填された袋体50が、鋼板12とセグメント2との間に形成される隙間を埋めやすいように、且つ、袋体50が鋼板12の鋭い角部で損傷を受けないようにするためのものであり、必ずしも鋼製アングル12bを使用しないといけないわけではなく、鋼板を折り曲げた板や、鋼管等を用いても良い。
固化後に弾性を有する自硬化性液状樹脂100を用いることにより、自硬化性液状樹脂100が充填された袋体50は、自硬化性液状樹脂100が固化する前においては、その立体形状をほぼ自由に変えることができる。よって、自硬化性液状樹脂100が充填された袋体50は、その自重によって鋼板12と既設地下構造物であるセグメント2との間の隙間形状に合うように変形し、鋼板12とセグメント2との間の隙間を適切に封止する。
また、地盤の掘削等によりセグメント2に浮き上がり等の多少の変位が生じたとしても、自硬化性液状樹脂100が充填された袋体50は自硬化性液状樹脂100により適当な弾性を有するため、その変位に追従して変形する。よって、鋼板12とセグメント2との間の隙間からの漏水や漏砂を防止できる。
さらに、自硬化性液状樹脂100を袋体50に注入する際には、既に袋体50に対して外水圧が作用している場合もある。但し、自硬化性液状樹脂100は、ポンプ等の供給手段(不図示)を用いて、外水圧に抗して、この外水圧以上の注入圧で袋体50に充填されるため、自硬化性液状樹脂100の袋体50への注入作業を迅速に行うことができ、且つ、自硬化性液状樹脂100が固化する前から、外水圧に抗して鋼板12とセグメント2との間の隙間を封止することができる。
次に、セメント系固化材注入工程では、図2に示すように、土留め壁1と鋼板12との間に生コンクリート13が注入される。
生コンクリート13は、鋼板12、袋体50、及び既設地下構造物であるセグメント2の間に形成される微細な隙間に入り込んでいき、固化後に弾性を有する自硬化性液状樹脂100が充填された袋体50により、鋼板12とセグメント2との間の隙間を封止する効果を、さらに高めることができる。よって、土留め壁1と鋼板12との間に生コンクリート13を注入することで、より確実に鋼板12とセグメント2との間の隙間からの漏水や漏砂を防止できる。尚、土留め壁1と鋼板12との間に注入される材料は、生コンクリート13に限られる必要はなく、各種のセメント系固化材を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
地下開削工法の一例を示す図である。 図1のうち本発明の一実施形態に係る土木工事用シール工法が施された部分を示す拡大図である。 図2に示す袋体周辺の拡大図である。 図3に示すX矢示方向の図である。 図3に示すY矢示方向の図である。
符号の説明
1 土留め壁
2 セグメント
12 鋼板
13 生コンクリート
50 袋体
100 自硬化性液状樹脂

Claims (3)

  1. 既設地下構造物の上部まで地面を掘削した空間に新たな構造物を築造して当該構造物の外周を埋め戻し地表面を復旧する地下開削工法で用いられ、土留め壁に固定された二次土留め壁と既設地下構造物との間の隙間を封止する土木工事用シール工法であって、
    前記二次土留め壁と前記既設地下構造物との間の前記隙間に袋体を設置する袋体設置工程と、
    固化後に弾性を有する自硬化性液状樹脂を、前記隙間に対して地中から作用する水圧である外水圧以上の注入圧で前記袋体に充填する自硬化性液状樹脂充填工程と、
    を備えていることを特徴とする、土木工事用シール工法。
  2. 前記袋体設置工程は、前記袋体を取り付けるための側孔を前記二次土留め壁の下部に設け、且つ、前記袋体の長手方向に沿ういずれか一方の片側端部に複数の袋体側孔を設け、前記袋体を前記二次土留め壁にボルト及びナットにより係止することを特徴とする、請求項1に記載の土木工事用シール工法。
  3. 前記二次土留め壁は、前記土留め壁から隔離して当該土留め壁に固定され、
    前記土留め壁と前記二次土留め壁との間にセメント系固化材を注入するセメント系固化材注入工程をさらに備えたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の土木工事用シール工法。
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