JP4858751B2 - マグネットロータおよびそのマグネットロータを備えた可動磁石式計器、そのマグネットロータを備えたステッピングモータ - Google Patents

マグネットロータおよびそのマグネットロータを備えた可動磁石式計器、そのマグネットロータを備えたステッピングモータ Download PDF

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Description

本発明は、特にコイルへの通電によって作動するマグネットロータ、あるいはマグネットロータを用いた可動磁石式計器、マグネットロータを用いたステッピングモータまたはマグネットロータを用いた小型モータや発電機などに関するものである。
従来、たとえば車両用計器としては、たとえばコイルへの通電によって作動するマグネットロータを備える可動磁石式計器(たとえば、特許文献1を参照。)あるいは、ステータ内に回動自在に支持されるマグネットロータとを備えるステッピングモータを用いて回動支持する計器(たとえば、特許文献2を参照。)などが採用されている。
特開2001−289876号公報 特開2001−317970号公報
この種の従来の可動磁石式計器やステッピングモータなどに用いられるマグネットロータとしては、小形化・軽量化を達成するためにマグネットとして、磁性紛をプラスチックに混ぜ合わせて射出成形などの手段によって環状のプラスチックマグネットを一旦成形し、その後プラスチックマグネットの中空部内にプラスチック材料からなるロータ本体をインサート成形などの手段によって一体的にかつ同軸的に形成してマグネットロータを構成するようにしている。
また、前記マグネットロータの一部を構成する環状のプラスチックマグネットは射出成形によって形成されるが、その射出成形のゲート口の位置関係として、一般的には環状のマグネットの磁力の影響を受けない領域に設定することが望ましいため、外周面から離れた内側、たとえば、上下の金型の一方、すなわちプラスチックマグネットの上面側あるいは下面側に配置してそのゲート口から磁性紛を混ぜ合わせた熱可塑性プラスチック材料を加熱溶融した状態にて注入して硬化させることにより環状のプラスチックマグネットを成形するようにしている。そしてプラスチックマグネットの成形後に成形品であるプラスチックマグネットと連結されているゲート部分とを分離するために、ゲートカット機などによってゲート口をカットして成形品であるプラスチックマグネットを分離するようにしている。
その後、成形したプラスチックマグネットをインサート成形金型内にセットし、加熱溶融したプラスチック材料を注入して硬化させることによりロータ本体とともにプラスチックマグネットがインサート成形されてマグネットロータが一体的に形成される。
このように構成されたマグネットロータを、たとえば可動磁石式計器のハウジング内にそのままセットしたり、あるいはステップモータのハウジング内にセットした場合、前述したように、プラスチックマグネットには磁性紛が混ぜ合わされているため、ゲートカット機などによってゲート口をカットした際に切り屑がゲート口部分に付着していると、ハウジング内に切り屑や磁性紛の粉がマグネットロータの軸受部に紛れ込んだり、マグネットロータの回転を分岐伝達するギヤなどに付着してしまうと、マグネットロータの軸受部箇所の回転作動に支障を来す虞があったり、あるいはギヤの噛み合いによる作動に支障を来してしまうという虞がある。
また、従来の可動磁石式計器やステッピングモータなどに用いられるマグネットロータは、環状に成形されたマグネットの中空部内にプラスチック材料からなるロータ本体を射出成形などの手段によってインサート成形した際に、加熱膨張したプラスチック材料からなるロータ本体が成形後において常温の条件下に冷やされることにより収縮してしまうため、マグネットとロータ本体との接触する面の間において隙間が生じてしまい、このため、マグネットとロータ本体との間にがたつきが発生するという問題がある。そこで、この問題点を考慮するものとして、環状に成形されるマグネットの中空部の内壁部分に凹凸を設け、回り止めとがたつきを防ぐようにするようにしたものが提案されている。
しかしながら、単に凹凸を施すだけでは、回り止めは若干解消されるものの、マグネットの凹凸形状に合わせてプラスチック材料からなるロータ本体自体もその凹凸形状に合わせて全体が収縮するため隙間が生じてしまい、マグネットロータの軸芯位置に対してマグネットが偏芯してしまい、マグネットロータが回転振れを起こしてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、従来の問題点に着目し、マグネットロータを構成する環状のプラスチックマグネットの成形と、インサート成形によるロータ本体の形状を配慮することによって、プラスチックマグネットの成形後におけるゲート口のカット時に発生しやすい磁性紛や削り屑による外部への影響を抑制するとともに、ロータ本体の収縮作用が働いたとしても、マグネットとロータ本体との間の回り止めや位置ずれ(がたつきや軸芯のずれ)を抑制することのできるマグネットロータおよびそのマグネットを用いた可動磁石式計器、そのマグネットロータを用いたステッピングモータを提供することを目的とする。
本発明は、前述した課題を解決するため、請求項1の発明では、射出成形のゲート口から磁性紛を混ぜ合わせた熱可塑性プラスチック材料を加熱溶融した状態にて注入して成形される環状のプラスチックマグネットと、この環状のプラスチックマグネットの中空部内にプラスチック材料からなるロータ本体を一体的にかつ同軸的に成形してなるマグネットロータにおいて、前記環状のプラスチックマグネットの中空部の内周壁には、前記マグネットロータの軸芯位置を基点として同心円状に所定の間隔を配して略矩形状に形成された回り止め部からなる突設部を設けるとともに、この突設部の上面側または下面側の少なくとも1箇所に前記プラスチックマグネットの成形時におけるゲート口部分を切断することによって形成されるゲート口痕跡部を設け、このゲート口痕跡部の位置と前記マグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置し、前記ゲート口痕跡部が形成されていない前記突設部箇所にダミー用凹凸部を設け、前記プラスチック材料による前記ロータ本体には、その成形時に前記プラスチックマグネットの前記回り止め部と前記ゲート口痕跡部および前記ダミー用凹凸部とを覆う充填密閉部を形成してなることを特徴とするマグネットロータである。このように構成することにより、ロータ本体の成形時においてプラスチックマグネットのゲート口痕跡部箇所が充填密閉部によって覆われるため、ゲート部の切断によってゲート口痕跡部箇所に発生する磁性紛や切り屑が飛散することを未然に防ぐことができる。また、ロータ本体の成形後において、ロータ本体の全体が収縮したとしても、プラスチックマグネットの突設部箇所に設けられたゲート口痕跡部と、突設部箇所に形成されるダミー用凹凸部とが、ゲート口痕跡部の位置とマグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置して設けられているため、マグネットロータの軸芯方向に沿ってロータ本体全体が収縮するため、ひけによる歪みがほぼ均等となるために軸芯のずれもなく、同軸的に保持され、これにより位置ずれを防ぐことが可能となるものである。
また請求項2の発明では、射出成形のゲート口から磁性紛を混ぜ合わせた熱可塑性プラスチック材料を加熱溶融した状態にて注入して成形される環状のプラスチックマグネットと、この環状のプラスチックマグネットの中空部内にプラスチック材料からなるロータ本体を一体的にかつ同軸的に成形してなるマグネットロータにおいて、前記環状のプラスチックマグネットの中空部の内周壁には、前記マグネットロータの軸芯位置を基点として同心円状に所定の間隔を配して略矩形状に形成された回り止め部からなる突設部を設けるとともに、この突設部によって設けられる立ち上がり側壁部のそれぞれの方向を前記マグネットロータの軸芯位置を基準として放射方向に沿って形成してなる放射状壁部として設け、前記回り止め部の一部を形成する前記突設部の上面側または下面側の少なくとも1箇所に前記プラスチックマグネットの成形時におけるゲート口部分を切断することによって形成されるゲート口痕跡部を設け、このゲート口痕跡部の位置と前記マグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置し、前記ゲート口痕跡部が形成されていない前記突設部箇所にダミー用凹凸部を設け、前記プラスチック材料による前記ロータ本体には、その成形時に前記プラスチックマグネットの前記回り止め部と前記ゲート口痕跡部および前記ダミー用凹凸部とを覆う充填密閉部を形成してなることを特徴とするマグネットロータである。このように構成することにより、ロータ本体の成形時においてプラスチックマグネットのゲート口痕跡部箇所が充填密閉部によって覆われるため、ゲート部の切断によってゲート口痕跡部箇所に発生する磁性紛や切り屑が飛散することを未然に防ぐことができる。また、ロータ本体の成形後において、ロータ本体の全体が収縮したとしても、プラスチックマグネットの突設部箇所に設けられたゲート口痕跡部と、突設部箇所に形成されるダミー用凹凸部とが、ゲート口痕跡部の位置とマグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置して設けられており、しかも突設部によって設けられる立ち上がり側壁部のそれぞれの方向をマグネットロータの軸芯位置を基準として放射方向に沿って放射状壁部として形成してなることにより、マグネットロータの軸芯方向に沿ってロータ本体全体を収縮することができ、ひけによる歪みがほぼ均等となるために軸芯のずれもなく、回り止め状態にて同軸的に保持することが可能となる。
また請求項3では、請求項1または請求項2に記載のマグネットロータにおいて、前記プラスチックマグネットの前記ゲート口痕跡部および前記ダミー用凹凸部は、前記プラスチックマグネットの上面側または下面側の壁面位置から奥まった前記突設部箇所の上面部分または下面部分に配設してなることを特徴とするものである。このように構成することにより、ゲート口痕跡部箇所やダミー用凹凸部箇所などを充填密閉部によって覆ったとしても、マグネットロータの厚み寸法を極力抑えることができ、さらなる小形化(薄型化)を実現することができる。
また請求項4では、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマグネットロータにおいて、前記ダミー用凹凸部は、前記ゲート口痕跡部とほぼ同形状に成形によって設けてなることを特徴とするものである。このように構成することにより、マグネットロータの軸芯位置を基点にして重量バランスを保つように成形することが可能となり、安定したマグネットロータを提供することができる。
また請求項5では、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマグネットロータにおいて、前記マグネットロータに設けられた前記ロータ本体には、そのロータ本体の軸芯部分に支軸を挿入するための軸孔を形成してなることを特徴とするものである。このように構成することにより、マグネットロータを支軸を基点として回転可能に形成することができる。
また請求項6では、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマグネットロータにおいて、前記マグネットロータに設けられた前記ロータ本体には、そのロータ本体の軸芯部分の上下に回転支軸をプラスチック材料にて一体に成形してなることを特徴とするものである。このように構成することにより、マグネットロータと回転支軸を一体成形することができ、製作の容易なマグネットロータを提供することができる。
また請求項7では、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマグネットロータにおいて、前記マグネットロータに設けられた前記ロータ本体には、マグネットロータの回転を外部側へと分岐して回転駆動可能とする分岐伝達ギヤ部を一体に形成してなることを特徴とするものである。このように構成することにより、分岐伝達ギヤ部を介して回転駆動を他の回転伝達部へと分岐伝達することが可能となるため、マグネットロータの軸線から懸け離れた箇所にて回転を伝えることができる。
また請求項8では、コイルへの通電によって作動するマグネットロータをハウジング内にて回動可能に設けた可動磁石式計器において、前記マグネットロータは請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のマグネットロータである。このように構成することにより、小形軽量化を可能とし、ロータ本体の成形時においてプラスチックマグネットのゲート口痕跡部箇所が充填密閉部によって覆われるため、ゲート部の切断によってゲート口痕跡部(ゲート跡)箇所に発生する磁性紛や切り屑が飛散することを未然に防ぐことができるとともに、ロータ本体の成形時・成形後において、ロータ本体の全体が収縮したとしても、プラスチックマグネットの突設部箇所に設けられたゲート口痕跡部と、突設部箇所に形成されるダミー用凹凸部とが、ゲート口痕跡部の位置とマグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置して設けられているため、マグネットロータの軸芯方向に沿ってロータ本体全体が収縮するため、ひけによる歪みがほぼ均等となるために軸芯のずれもなく構成することができ、ハウジング内にて軸支されるマグネットロータの軸支部あるいはハウジング内にてマグネットロータの回転駆動から分岐伝達されるギヤ部への回転駆動に悪影響を与えることなく円滑に回転作動を行うことのできる可動磁石型計器を提供することができる。
また請求項9では、ステータ内に回動自在に支持されるマグネットロータを備えたステッピングモータにおいて、前記マグネットロータは請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のマグネットロータである。このように構成することにより、小形軽量化を可能とし、ロータ本体の成形時においてプラスチックマグネットのゲート口痕跡部箇所が充填密閉部によって覆われるため、ゲート部の切断によってゲート口痕跡部(ゲート跡)箇所に発生する磁性紛や切り屑が飛散することを未然に防ぐことができるとともに、ロータ本体の成形時・成形後において、ロータ本体の全体が収縮したとしても、プラスチックマグネットの突設部箇所に設けられたゲート口痕跡部と、突設部箇所に形成されるダミー用凹凸部とが、ゲート口痕跡部の位置とマグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置して設けられているため、マグネットロータの軸芯方向に沿ってロータ本体全体が収縮するため、ひけによる歪みがほぼ均等となるために軸芯のずれもなく構成することができ、ハウジング内にて軸支されるマグネットロータの軸支部あるいはハウジング内にてマグネットロータの回転駆動から分岐伝達されるギヤ部への回転駆動に悪影響を与えることなく円滑に回転作動を行うことのできるステッピングモータを提供することができる。
本発明によるマグネットロータおよびマグネットロータを用いた可動磁石式計器、マグネットロータを用いたステッピングモータによれば、ロータ本体の成形時においてプラスチックマグネットのゲート痕箇所が充填密閉部によって覆われるため、ゲート部の切断によってゲート痕箇所に発生する磁性紛や切り屑が飛散することを未然に防ぐことができる。また、ロータ本体の成形後において、ロータ本体の全体が収縮したとしても、プラスチックマグネットの突設部箇所に設けられたゲート口痕跡部と、突設部箇所に形成されるダミー用凹凸部とが、ゲート口痕跡部の位置とマグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置して設けられているため、マグネットロータの軸芯方向に沿ってロータ本体全体が収縮するため、ひけによる歪みがほぼ均等となるために軸芯のずれもなく、回り止め状態にて同軸的に保持され、位置ずれをも防ぐことが可能となり、これにより、初期の目的を達成することができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明に係るマグネットロータを可動磁石式計器に適用した実施例にて説明する。
図1から図10は第1実施例であるマグネットロータを、たとえば自動車用の指示計器として用いられる可動磁石式計器に適用したものを示すもので、図1は可動磁石式計器の平面図、図2は図1のA−A線に沿った断面図、図3は図2のマグネットロータが90度回転した状態を示した断面図、図4は図2のマグネットロータが45度回転した状態を示した断面図、図5はマグネットロータの一部を構成する環状のプラスチックマグネットの主要部構造を示す平面図、図6は図5のプラスチックマグネットの裏側から見た背面図、図7(A)(B)はマグネットロータの一部を構成する環状のプラスチックマグネットの主要部構造を示す斜視図とその一部断面図、図8(A)(B)はマグネットロータの環状のプラスチックマグネットとロータ本体との射出成形状態を示す平面図と斜視図、図9は図8(B)の要部を断面で示す斜視図、図10は図8の成形後におけるロータ本体の収縮状態を模式的に示した平面図である。
同図において、可動磁石式計器Mの全体概要としては、コイルCへの通電によって作動するマグネットロータRと、このマグネットロータRの回転駆動を分岐して回転伝達する駆動伝達部Dとを介して指針Pを回転作動(指示)するように構成している。
前記マグネットロータRは、隣り合う磁極(4極の磁極)が互いに異極となるように着磁される環状のプラスチックマグネット10と、この環状のプラスチックマグネット10の中空部内にプラスチック材料からなるロータ本体20とを一体的にかつ同軸的に成形することによって構成している。この第1実施例におけるプラスチックマグネット10の材料としては、重量比で90%の磁性紛と、10%のプラスチック材料であるナイロン樹脂とを混ぜ合わせて形成しているものであり、磁性紛としてはネオジウム,鉄,ホウ素を主成分として細かく粉砕したものを採用しており、ナイロン樹脂は磁性紛を結合させる役割を担っている。
またマグネットロータRの一部を構成する環状のプラスチックマグネット10は、射出成形によって形成されるが、その射出成形金型のゲート部の位置関係として、図示はしないが上下の成形金型の一方、すなわち、この第1実施例にあってはプラスチックマグネット10の下面側に設けてそのゲート部から磁性紛を混ぜ合わせた熱可塑性プラスチック材料を加熱溶融した状態にて注入して硬化させることにより環状のプラスチックマグネット10を成形して構成するようにしている。
またマグネットロータRの一部を構成する環状のプラスチックマグネット10には、その環状のプラスチックマグネット10の中空部の内周壁には、所定の間隔を配して略矩形状に形成された回り止め突部からなる突設部11が設けられており、この突設部11の両側に位置した側壁部11Aは、突設部11によって設けられる側壁部11Aのそれぞれの方向がマグネットロータRの軸芯G位置を基準(基点)として放射方向に沿って延びるように形成されており、軸芯G位置を基点とする中心方向に近づくに連れて幅狭となる扇形の形状からなる突設部11として形成されている。なお、この第1実施例においては、突設部11は、プラスチックマグネット10の磁極数に合わせて4箇所設けられている。
また突設部11の上面11B部分および下面11C部分は、前記プラスチックマグネット10の上面側または下面側の表面部分(壁面位置)から一段下がった奥まった箇所に位置するように設けられている。
またプラスチックマグネット10の成形後において、成型品であるプラスチックマグネット10と連結されているゲート部分とを分離するために、図示はしないがゲートカット機などによりゲート部分をカットして成型品であるプラスチックマグネット10を分離するようにしている。この際、ゲート部分を削除したプラスチックマグネット10側には、切断によるゲート口痕跡部12が形成される。このゲート口痕跡部12は、第1実施例ではプラスチックマグネット10の底面位置、すなわちプラスチックマグネット10の下面側の壁面位置から奥まった位置である突設部11の下面11C部分に配設されている。(図6、図7などを参照)
またプラスチックマグネット10には、ゲート口痕跡部12の位置とマグネットロータRの軸芯G位置を結ぶ線上に位置し、ゲート口痕跡部12が設けられていない突設部11の下面11C部分にゲート口痕跡部12の形状とほぼ同形状からなるダミー用凹凸部13が形成されている。なお、この第1実施例では、プラスチックマグネット10に設けられた突設部11において、残りの2箇所にもダミー用凹凸部13Aが設けられ、全体の重量バランスを保つことができるように考慮している。また、環状のプラスチックマグネット10の表面側には、所定の間隔を配して略矩形状に形成された回り止め突部からなる突設部11を設けた位置に対して千鳥状となる位置関係に凹設部14が設けられている。
その後、成形したプラスチックマグネット10をたとえばインサート成形金型内にセットし、加熱溶融したプラスチック材料を注入して硬化させることにより、ロータ本体20がプラスチックマグネット10と一体的にインサート成形され、マグネットロータRが構成される。(図8,図9などを参照)
またロータ本体20には、環状のプラスチックマグネット10に設けられた突設部11の形状に倣ってプラスチック材料が充填されることによって、環状のプラスチックマグネット10との間における係止用突部21が一体に形成される。この際、ロータ本体20の係止用突部21は、プラスチックマグネット10の突設部11の形状に倣って成形時に形成されるため、その係止用突部21の両側壁(側壁部)21Aの形状としては、マグネット10の突設部11によって設けられる側壁部11Aと同様にしてマグネットロータRの軸芯G位置を基準として係止用突部21の側壁部21Aが放射方向に延びるように形成され、結果として、軸芯G位置を基点とする中心方向から遠ざかるに連れて幅広となる扇形の形状からなる係止用突部21として形成される。
またロータ本体20には、プラスチック材料による成形時においてプラスチックマグネット10のゲート部の切断によって生じるゲート口痕跡部12およびダミー用凹凸部13を覆う充填密閉部22が形成される。この場合、充填密閉部22はプラスチックマグネット10の下面側の壁面位置から奥まった位置である突設部11の下面11C部分に成形されるため、ゲート口痕跡部12箇所およびダミー用凹凸部13箇所を充填密閉部22によって覆ったとしても、マグネットロータRの厚み寸法を極力抑えることができ、さらなる小形化を実現することができる。
この際、ロータ本体20の射出成形時において、環状のプラスチックマグネット10に設けられた回り止め突部となる突設部11の下面11Cには水平方向に充填密閉するように突設する抜け止め用としての下側フランジ部を兼ねた充填密閉部22が一体に成形されるとともに、プラスチックマグネット10の上面側(表面側)に設けた凹設部14を覆うように水平方向に充填密閉するように突設する抜け止め用としての上側フランジ部となる充填密閉部23がロータ本体20と一体に成形されている。
また、第1実施例によるマグネットロータRにあっては、ロータ本体20の上端側に、前記駆動伝達部Dを介して指針P側へと駆動するための分岐伝達ギヤ部24が一体に形成されるとともに、ロータ本体20の軸芯部分には支軸30を挿入するための軸孔25が形成され、その支軸30を介してロータ本体20と環状のプラスチックマグネット10(マグネットロータR)とが回転可能に設けられている。
なお、前記駆動伝達部Dとしては、マグネットロータRのロータ本体20に設けた分岐伝達ギヤ部24と噛合するプラスチック材料からなる従動伝達ギヤ部40が設けられ、この従動伝達ギヤ部40の回転軸となる指針軸50を介して前記指針P側へと回転を伝えるように構成している。
また可動磁石式計器Mには、前記マグネットロータRを支持する支軸30と、分岐伝達ギヤ部24と噛合する前記従動伝達ギヤ部40を有するとともに、先端に指針Pが装着され従動伝達ギヤ部40の回転に応じて指針Pを回転させる前記指針軸50と、各伝達ギヤ部24,40を連結させた状態で支軸30および指針軸50を並設状態に軸支するとともに、マグネットロータR,分岐伝達ギヤ部24,従動伝達ギヤ部40を収納するハウジング60と、ハウジング60の外側で巻かれる一対のコイルCと、ハウジング60の所定領域を覆う椀状のシールドケース70とを備えている。
また従動伝達ギヤ部40は、マグネットロータR側の分岐伝達ギヤ部24よりも径大に形成され、外周に分岐伝達ギヤ部24よりも多くの連続歯が設けられて指針軸50に固定されており、マグネットロータRの上側でかつ環状のプラスチックマグネット10とは適宜空間を空けて一部が重なるように分岐伝達ギヤ部24側に延び、分岐伝達ギヤ部24と噛合している。
可動磁石式計器Mのハウジング60はプラスチック材料からなり、図2などに示すように、下側に位置する第1の枠体61と上側に位置する第2の枠体62とに分割形成され、これら第1,第2の枠体61,62間でマグネットロータR,分岐伝達ギヤ部24,従動伝達ギヤ部40を収納する空洞部が形成されており、この空洞部内にて支軸30の下端側が第1の枠体61に圧入して支持されるとともに、指針軸50の下端部と上方部側とが各枠体61,62によって回転可能に軸支されている。
この場合、従動伝達ギヤ部40が配置されていないマグネットロータRのラジアル方向外周に対応するハウジング60領域には、第1,第2の枠体61,62とで巻枠部63,64がそれぞれ形成され、この巻枠部63,64に各コイルCが巻装されている。
このように巻装された各コイルCの各末端部は、丸棒状の導電性金属材からなる各端子80に導通接続され、これら端子80からプリント基板90へと電気的に接続されている。
このように構成された可動磁石式計器Mは、各コイルCを励磁することにより各々磁界ベクトル(作用磁界)が働き、これら各磁界ベクトルの強さに応じて4極着磁されたマグネットロータRが回転し、その回転力が分岐伝達ギヤ部24、従動伝達ギヤ部40を通じて指針軸50に伝達され、指針軸50に固定された指針Pが角度運動するものであり、この際、分岐伝達ギヤ部24と従動伝達ギヤ部40は、分岐伝達ギヤ部24に対し従動伝達ギヤ部40が低速(減速)回転するように、それぞれのギヤ比が設定されており、この減速作動により、入力信号に対して指示誤差の少ない指針Pの角度運動が可能となるように構成されている。
上述した構成からなる第1実施例におけるマグネットロータRにおいては、環状に成形したプラスチックマグネット10の中空部内に、プラスチック材料からなるロータ本体20をインサート成形などの手段によって一体的にかつ同軸的に形成してマグネットロータRを構成する場合、先ず最初に、事前に成形したプラスチックマグネット10をインサート成形金型内にセットし、あるいは成形金型によってプラスチックマグネット10を成形した後に続いて、ロータ本体20の形状に合わせた空間形状を有する金型内に、加熱溶融した熱可塑性プラスチック材料を注入して硬化させることによりロータ本体20がプラスチックマグネット10と同軸的に一体成形される。
その際、環状のプラスチックマグネット10に設けられた回り止め突部でもある突設部11の形状に倣ってプラスチック材料が充填されることによって、環状のプラスチックマグネット10との間に係止用突部21が一体的に形成されるため、ロータ本体20の成形後の冷却時における収縮作用によるひけなどが若干生じたとしても、回り止め状態にて保持することが可能となる。またロータ本体20には、プラスチック材料による成形時においてプラスチックマグネット10のゲート部の切断によるゲート口痕跡部12およびダミー用凹凸部13を抜け止め用としての下側フランジ部を兼ねた充填密閉部22によって覆うことにより、ゲート部の切断によってゲート跡となるゲート口痕跡部12箇所に発生しやすい磁性紛や切り屑の飛散を未然に防ぐことができる。この場合、充填密閉部22がプラスチックマグネット10の下面側の壁面位置から奥まった位置である突設部11の下面11C箇所に成形されるため、ゲート跡であるゲート口痕跡部12箇所およびダミー用凹凸部13箇所を充填密閉部22によって覆ったとしても、マグネットロータRの厚み寸法を極力抑えることができ、小形化・薄型化を実現することができる。
またロータ本体20の射出成形時において、環状のプラスチックマグネット10の回り止め突部である突設部11の下面11C側には水平方向に突設する抜け止め用としての下側フランジ部を兼ねた充填密閉部22が一体に成形されるとともに、プラスチックマグネット10の上面側には凹設部14位置の表面部分を覆うように水平方向に突設する抜け止め用としての上側フランジ部を兼ねた充填密閉部23がロータ本体20と一体に成形されるため、突設部11によって回り止め状態にて同軸的に保持することができるとともに、下側フランジ部を兼ねた充填密閉部22と上側フランジ部を兼ねた充填密閉部23とによってプラスチックマグネット10に対してロータ本体20を抜け止め保持することが可能となり、加えて、プラスチックマグネット10の突設部11箇所に設けられたゲート口痕跡部12と、突設部11箇所に形成されるダミー用凹凸部13とがゲート口痕跡部12の位置とマグネットロータの軸芯G位置を結ぶ線上に位置して設けられているため、ロータ本体20の成形時に、凹凸形状からなるゲート口痕跡部12箇所およびダミー用凹凸部13箇所を充填密閉部22によって充填密閉することにより、ロータ本体20とプラスチックマグネット10とが凹凸形状からなるゲート口痕跡部12箇所およびダミー用凹凸部13箇所とが凹凸による噛み合い状態にてマグネットロータ10の軸芯G位置を基点にしてそれぞれが収縮するように作用するため、ひけによる歪みがほぼ均等となり軸芯Gのずれを抑制することができ、結果として、ロータ本体20と環状のプラスチックマグネット10とを同軸的に保持することによって偏芯を抑制することができるものであり、これにより、マグネットロータRの回転振れを未然に防ぐことができ、可動磁石式計器Mのギヤ24,40同士の噛み合いをも良好とし、計器の回転作動を安定に保つことができるという効果がある。
すなわち、ロータ本体20の成形後において、ロータ本体20の全体が収縮したとしても、プラスチックマグネット10の突設部11箇所に設けられたゲート口痕跡部12と、突設部11箇所に形成されるダミー用凹凸部13とが、ゲート口痕跡部12の位置とマグネットロータRの軸芯G位置を結ぶ線上に位置して設けられており、しかも突設部11によって設けられる立ち上がり側壁部11Aのそれぞれの方向をマグネットロータRの軸芯G位置を基準として放射方向に沿って放射状壁部11Aとして形成してなることにより、マグネット10の突設部11に設けられた各側壁部11Aの交点位置であるマグネットロータRの軸芯G方向に沿ってロータ本体20に形成された係止用突部21も収縮するため、結果として図10に示すように、ロータ本体20の収縮形状としては相似形にて収縮するものであり、ひけによる歪みがほぼ均等となるために軸芯Gのずれもなく、回り止め状態にて同軸的に保持することが可能となるものである。またゲート口痕跡部12とダミー用凹凸部13とを結ぶ線上と直交する方向に設けられた2個のダミー用凹凸部13Aにおいても、全体の重量バランスを保ちつつ、成形収縮時に各ダミー用凹凸部13Aとが凹凸による噛み合い状態にてマグネットロータ10の軸芯G位置を基点にしてそれぞれが収縮するように作用するため、ひけによる歪みがほぼ均等となり軸芯Gのずれを抑制することができる。
また、環状のマグネット10をプラスチック材料により成形してなることにより、小型軽量化を進める上で有益であり、製作の容易なマグネットロータRを提供することができる。
また第1実施例にあっては、マグネットロータRに設けられたロータ本体20には、マグネットロータRの回転を外部側へと分岐して回転駆動可能とする分岐伝達ギヤ部24を一体に形成してなることにより、分岐伝達ギヤ部24を介して回転駆動を他の駆動伝達部Dへと分岐伝達することができ、マグネットロータRの軸線から懸け離れた箇所へと回転を伝えることができる。
また図11から図15は、本発明の第2実施例であるマグネットロータRを可動磁石式計器に適用したものを示すものであり、図11は可動磁石式計器の要部を示す全体断面図であり、図12(A)(B)はマグネットロータの一部を構成する環状のプラスチックマグネットの主要部構造を示す平面図、図13(A)(B)はマグネットロータの環状のプラスチックマグネットとロータ本体との射出成形状態を示す平面図と斜視図、図14は図13(B)の要部を断面で示した斜視図であり、図15は図13(A)の成形後におけるロータ本体の収縮状態を模式的に示した平面図である。
同図において、マグネットロータRに設けられたロータ本体20には、そのロータ本体20の軸芯部分の上下に回転支軸部26をプラスチック材料にて一体に成形してなるものである。
またマグネットロータRは、前述した第1実施例とほぼ同様に、隣り合う磁極(4極の磁極)が互いに異極となるように着磁される環状のプラスチックマグネット10と、このプラスチックマグネット10の中空部内にプラスチック材料からなるロータ本体20とを一体的にかつ同軸的に成形することによって構成しており、環状のプラスチックマグネット10の中空部の内周壁には、所定の間隔を配して略矩形状に形成された回り止め突部からなる突設部11が形成されており、この突設部11の両側壁の形状としては、第1実施例と同様にして、突設部11によって設けられる立ち上がり側壁部11Aのそれぞれの方向がマグネットロータRの軸芯G位置を基準(基点)として放射方向に沿って延びるように形成されており、軸芯G位置を基点とする中心方向に近づくに連れて幅狭となる扇形の形状からなる突設部11として形成されている。また突設部11の上面11B部分および下面11C部分は、プラスチックマグネット10の上面側または下面側の表面部分から一段下がった奥まった箇所に位置するように設けられている。
またプラスチックマグネット10自体は、その成形後において、成型品であるプラスチックマグネット10と連結されているゲート部分とを分離するために、図示しないゲートカット機などによってゲート部分をカットして成型品であるプラスチックマグネット10を分離するようにしている。この際、ゲート部分を削除したプラスチックマグネット10側には、切断によるゲート口痕跡部12がプラスチックマグネット10の上面側の壁面位置から奥まった位置である突設部11の上面11B部分に形成されている。
またプラスチックマグネット10には、ゲート口痕跡部12の位置とマグネットロータRの軸芯G位置を結ぶ線上に位置し、ゲート口痕跡部12が設けられていない相反する側に設けられた突設部11の上面11B部分にゲート口痕跡部12の形状とは異なる形状からなるダミー用凹凸部13Bが形成されている。なお、この第2実施例では、プラスチックマグネット10に設けられたゲート口痕跡部12と相反する側に設けられたダミー用凹凸部13Bとの形状は異なるものの、マグネットロータRの軸芯G位置を基準(基点)とする全体の重量バランスを保つことができるように考慮している。
またロータ本体20には、環状プラスチックマグネット10に設けられた突設部11の形状に倣ってプラスチック材料が充填されることによって、環状のプラスチックマグネット10との間における係止用突部21が一体に形成される。この係止用突部21は、マグネット10の突設部11の形状に倣って成形時に形成されるため、その係止用突部21の両側壁(側壁部)21Aの形状としては、マグネット10の突設部11によって設けられる立ち上がり側壁部11Aと同様にしてマグネットロータRの軸芯G位置を基準として係止用突部21の側壁部21Aが放射方向に沿って延びるように形成されるものであり、結果として、軸芯G位置を基点とする中心方向から遠ざかるに連れて幅広となる扇形形状の係止用突部21として形成される。
またロータ本体20の射出成形時において、環状のプラスチックマグネット10に設けられた回り止め突部となる突設部11の底面側(下面11C側)には水平方向に充填密封するように突設する抜け止め用としての下側フランジ部を兼ねた充填密閉部22Aが一体に成形されるとともに、突設部11の上面11B側には水平方向に充填密封するように突設する抜け止め用としての上側フランジ部となる充填密閉部23Aがロータ本体20と一体に成形されている。
従って、前述した第1実施形態とほぼ同様にして、環状に成形したプラスチックマグネット10の中空部内に、プラスチック材料からなるロータ本体20をインサート成形などの手段によって一体的にかつ同軸的に形成してマグネットロータRを構成する場合、環状のプラスチックマグネット10に設けられた回り止め突部でもある突設部11の形状に倣ってプラスチック材料が充填されることによって、環状のプラスチックマグネット10との間に係止用突部21が一体的に形成されるため、ロータ本体20の成形後の冷却時における収縮作用によるひけなどが若干生じたとしても、回り止め状態にて保持することが可能となる。
またロータ本体20には、プラスチック材料による成形時においてプラスチックマグネット10のゲート部の切断によるゲート口痕跡部12およびダミー用凹凸部13Bを抜け止め用としての上側フランジ部を兼ねた充填密閉部23Aによって覆うことにより、ゲート部の切断によってゲート跡となるゲート口痕跡部12箇所に発生しやすい磁性紛や切り屑の飛散を未然に防ぐことができる。この場合、充填密閉部23Aがプラスチックマグネット10の上面側の壁面位置から奥まった位置である突設部11の上面11B箇所に成形されるため、ゲート跡であるゲート口痕跡部12箇所およびダミー用凹凸部13B箇所を充填密閉部23Aによって覆ったとしても、マグネットロータRの厚み寸法を極力抑えることができ、小形化・薄型化を実現することができる。
またロータ本体20の射出成形時において、環状のプラスチックマグネット10の回り止め突部である突設部11の下面11C側には水平方向に突設する抜け止め用としての下側フランジ部を兼ねた充填密閉部22Aが一体に成形されるとともに、プラスチックマグネット10の上面側には水平方向に突設する抜け止め用としての上側フランジ部を兼ねた充填密閉部23Aがロータ本体20と一体に成形されるため、突設部11によって回り止め状態にて同軸的に保持することができるとともに、下側フランジ部を兼ねた充填密閉部22Aと上側フランジ部を兼ねた充填密閉部23Aとによって環状のプラスチックマグネット10に対してロータ本体20を抜け止め保持することが可能となる。
またプラスチックマグネット10の突設部11箇所に設けられたゲート口痕跡部12と、突設部11箇所に形成されるダミー用凹凸部13Bとがゲート口痕跡部12の位置とマグネットロータの軸芯G位置を結ぶ線上に位置して設けられているため、ロータ本体20の成形時に、凹凸形状からなるゲート口痕跡部12箇所およびダミー用凹凸部13B箇所を充填密閉部23Aによって充填密閉することにより、ロータ本体20とプラスチックマグネット10とが凹凸形状からなるゲート口痕跡部12箇所およびダミー用凹凸部13B箇所とが凹凸による噛み合い状態にてマグネットロータ10の軸芯G位置を基点にしてそれぞれが収縮するように作用するため、ひけによる歪みがほぼ均等となり軸芯Gのずれを抑制することができ、結果として、ロータ本体20と環状のプラスチックマグネット10とを同軸的に保持することによって偏芯を抑制することができるものであり、これにより、マグネットロータRの回転振れを未然に防ぐことができ、可動磁石式計器Mのギヤ24,40同士の噛み合いをも良好とし、計器の回転作動を安定に保つことができるという効果がある。
また、このように構成したマグネットロータRを可動磁石式計器だけでなく、たとえば前述した特許文献2などに開示されているステッピングモータのマグネットロータRとして適用することが可能であり、小形軽量でしかも回転支軸部26を一体成形することによって製作の容易なローコストのマグネットロータRを提供することができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。たとえば第1実施例および第2実施例におけるマグネットロータの外形寸法やプラスチックマグネットの材質あるいはゲート位置やゲートの数なども適宜設定可能であり、合わせてダミー用凹凸部を設けるように形成すればよいものである。
また、前述した実施例においては、その適用例として可動磁石式計器やステッピングモータなどを例にしてマグネットロータの実装構造を説明したが、小型モータや発電機などのマグネットロータとして適用することができるものであり、また回転検出装置の回転磁気センサ部としても実施可能である。
本発明の第1実施例であるマグネットロータを、可動磁石式計器に適用した全体平面図である。 図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。 図3は、図2のマグネットロータが90度回転した状態の主要部構造を示す断面図である。 図4は、図2のマグネットロータが45度回転した状態の主要部構造を示す断面図である。 図5は、マグネットロータの一部を構成する環状のプラスチックマグネットの主要部構造を示す平面図である。 図6は、マグネットロータの一部を構成する環状のプラスチックマグネットの主要部構造を示す背面図である。 図7(A)(B)は図5のプラスチックマグネットの要部構造を示す斜視図とその一部断面図である。 図8(A)(B)は、マグネットロータの環状のプラスチックマグネットとロータ本体との射出成形状態を示す平面図と斜視図である。 図9は、図8(B)の要部を断面で示した斜視図である。 図10は、図8の成形後におけるロータ本体の収縮状態を模式的に示した平面図である。 本発明の第2実施例であるマグネットロータを、可動磁石式計器に適用した要部構造を示した断面図である。 図12(A)(B)は、ロータ本体の射出成形前であるマグネットロータの一部を構成する環状のプラスチックマグネットの主要部構造を示す平面図と斜視図である。 図13(A)(B)は、マグネットロータの環状のプラスチックマグネットとロータ本体との射出成形状態を示す平面図と斜視図である。 図14は、図13(B)の用を断面で示した斜視図である。 図15は、図13(A)の成形後におけるロータ本体の収縮状態を模式的に示した断面図である。
符号の説明
C コイル
D 駆動伝達部
G 軸芯
M 可動磁石式計器
P 指針
R マグネットロータ
10 プラスチックマグネット
11 突設部
11A 側壁部
12 ゲート口痕跡部
13,13A,13B ダミー用凹凸部
14 凹設部
20 ロータ本体
21 係止用突部
21A 両側壁(側壁部)
22,22A 充填密閉部(下側フランジ部)
23,23A 充填密閉部(上側フランジ部)
24 分岐伝達ギヤ部
25 軸孔
26 回転支軸部
30 支軸
40 従動伝達ギヤ部
50 指針軸
60 ハウジング
61 第1の枠体
62 第2の枠体
63,64 巻枠部
70 シールドケース
80 端子
90 プリント基板

Claims (9)

  1. 射出成形のゲート口から磁性紛を混ぜ合わせた熱可塑性プラスチック材料を加熱溶融した状態にて注入して成形される環状のプラスチックマグネットと、この環状のプラスチックマグネットの中空部内にプラスチック材料からなるロータ本体を一体的にかつ同軸的に成形してなるマグネットロータにおいて、前記環状のプラスチックマグネットの中空部の内周壁には、前記マグネットロータの軸芯位置を基点として同心円状に所定の間隔を配して略矩形状に形成された回り止め部からなる突設部を設けるとともに、この突設部の上面側または下面側の少なくとも1箇所に前記プラスチックマグネットの成形時におけるゲート口部分を切断することによって形成されるゲート口痕跡部を設け、このゲート口痕跡部の位置と前記マグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置し、前記ゲート口痕跡部が形成されていない前記突設部箇所にダミー用凹凸部を設け、前記プラスチック材料による前記ロータ本体には、その成形時に前記プラスチックマグネットの前記回り止め部と前記ゲート口痕跡部および前記ダミー用凹凸部とを覆う充填密閉部を形成してなることを特徴とするマグネットロータ。
  2. 射出成形のゲート口から磁性紛を混ぜ合わせた熱可塑性プラスチック材料を加熱溶融した状態にて注入して成形される環状のプラスチックマグネットと、この環状のプラスチックマグネットの中空部内にプラスチック材料からなるロータ本体を一体的にかつ同軸的に成形してなるマグネットロータにおいて、前記環状のプラスチックマグネットの中空部の内周壁には、前記マグネットロータの軸芯位置を基点として同心円状に所定の間隔を配して略矩形状に形成された回り止め部からなる突設部を設けるとともに、この突設部によって設けられる立ち上がり側壁部のそれぞれの方向を前記マグネットロータの軸芯位置を基準として放射方向に沿って形成してなる放射状壁部として設け、前記回り止め部の一部を形成する前記突設部の上面側または下面側の少なくとも1箇所に前記プラスチックマグネットの成形時におけるゲート口部分を切断することによって形成されるゲート口痕跡部を設け、このゲート口痕跡部の位置と前記マグネットロータの軸芯位置を結ぶ線上に位置し、前記ゲート口痕跡部が形成されていない前記突設部箇所にダミー用凹凸部を設け、前記プラスチック材料による前記ロータ本体には、その成形時に前記プラスチックマグネットの前記回り止め部と前記ゲート口痕跡部および前記ダミー用凹凸部とを覆う充填密閉部を形成してなることを特徴とするマグネットロータ。
  3. 前記プラスチックマグネットの前記ゲート口痕跡部および前記ダミー用凹凸部は、前記プラスチックマグネットの上面側または下面側の壁面位置から奥まった前記突設部箇所の上面部分または下面部分に配設してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマグネットロータ。
  4. 前記ダミー用凹凸部は、前記ゲート口痕跡部とほぼ同形状に成形によって設けてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマグネットロータ。
  5. 前記マグネットロータに設けられた前記ロータ本体には、そのロータ本体の軸芯部分に支軸を挿入するための軸孔を形成してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマグネットロータ。
  6. 前記マグネットロータに設けられた前記ロータ本体には、そのロータ本体の軸芯部分の上下に回転支軸をプラスチック材料にて一体に成形してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマグネットロータ。
  7. 前記マグネットロータに設けられた前記ロータ本体には、マグネットロータの回転を外部側へと分岐して回転駆動可能とする分岐伝達ギヤ部を一体に形成してなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマグネットロータ。
  8. コイルへの通電によって作動するマグネットロータをハウジング内にて回動可能に設けた可動磁石式計器において、前記マグネットロータは請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のマグネットロータであることを特徴とする可動磁石式計器。
  9. ステータ内に回動自在に支持されるマグネットロータを備えたステッピングモータにおいて、前記マグネットロータは請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のマグネットロータであることを特徴とするステッピングモータ。
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