JP4855251B2 - 球状活性炭およびその製造方法 - Google Patents

球状活性炭およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4855251B2
JP4855251B2 JP2006513689A JP2006513689A JP4855251B2 JP 4855251 B2 JP4855251 B2 JP 4855251B2 JP 2006513689 A JP2006513689 A JP 2006513689A JP 2006513689 A JP2006513689 A JP 2006513689A JP 4855251 B2 JP4855251 B2 JP 4855251B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
spherical activated
spherical
hardness
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006513689A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005113435A1 (ja
Inventor
文夫 中原
玄夫 木崎
彰 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Chemical Co Ltd filed Critical Kuraray Chemical Co Ltd
Priority to JP2006513689A priority Critical patent/JP4855251B2/ja
Publication of JPWO2005113435A1 publication Critical patent/JPWO2005113435A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4855251B2 publication Critical patent/JP4855251B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/28Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof characterised by their form or physical properties
    • B01J20/28014Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof characterised by their form or physical properties characterised by their form
    • B01J20/28016Particle form
    • B01J20/28019Spherical, ellipsoidal or cylindrical
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/02Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material
    • B01J20/20Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material comprising free carbon; comprising carbon obtained by carbonising processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/30Active carbon
    • C01B32/312Preparation
    • C01B32/336Preparation characterised by gaseous activating agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/30Active carbon
    • C01B32/354After-treatment
    • C01B32/384Granulation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

本発明は、球状活性炭に関する。さらに詳細には、非溶融性固体炭素質材料を原料とする、硬度が高い球状活性炭に関する。
活性炭は、各種有害物質、悪臭物質の吸着に優れた能力を有し、従来から家庭用、工業用を問わず多くの分野で吸着剤として使用されている。このような活性炭は、粉状、粒状成形体などその用途に応じた種々の形態で使用される。
近年、活性炭の用途はますます拡大しており、そのため用途に応じて活性炭に要求される性能も厳しくなっている。例えば自動車の燃料蒸気の除去フィルターなどへの適用が進んでいるが、自動車に活性炭フィルターを搭載した場合フィルターが長時間振動にさらされるため発塵しやすく、一旦発塵すると微粉が排気系に混入する事により故障を引き起こす等の悪影響があるため厳しい発塵抑制が要求される。
また、医薬品製造等のクリーンルーム内の有害物質吸収に使用する場合、塵を嫌う精密機器や電子機器内部やその周辺における有害物質吸収、例えばコンピューターなどのハードディスクに影響を与える物質の吸収などに使用する場合、あるいは一定以上の流速のガスに対して使用する場合、例えば圧力スイング式気体分離装置に使用する場合なども同様に発塵性が非常に低いことが望ましい。
また、自動車燃料蒸気の除去フィルターなど、気体の流通を伴う用途においては、同時に圧力損失が小さいことが実用上重要であり、当然全ての用途において吸着性能も高いことが求められる。
上記用途に対し、破砕状やペレット状活性炭を用いる方法があるが、破砕状やペレット状の形状にはエッジ部があるため、容器への充填時の破損や、使用時長時間振動を与えられた場合のエッジ部の欠損に由来する発塵を極めて小さくする事は難しい。また、不規則充填のため圧力損失も大きくなる傾向がある。一方、例えばハニカム状の成形体などを使用すれば発塵の問題は軽減されるが、粒状、粉状活性炭を充填したほどの表面積を確保できないため吸着能力に劣る傾向がある。
従って、上記のこのような要求性能を満たすには球状の形状が望ましい。球状活性炭はその形状にエッジが存在しないため容器充填時の破砕に伴う発塵の心配が少なく、不規則充填による偏流や圧力損失の増大の心配も少ない。さらに、球状の形状であればこれを流動させて使用する場合の流動性も良いことから、複雑な形状の容器に充填する際の充填も容易であり、活性炭を流動させる方式での流体の処理にも好適に使用できる。
球状活性炭及びその製造方法についてはこれまでにも種々知られている。球状活性炭を製造方法で大別すると、(1)液状、あるいは溶融した原料を水などの分散媒中に分散させて球状粒子を作った後炭化賦活する方法、(2)原料粉末とバインダーを転動造粒などによって球状に成形した後炭化賦活する方法がある。
原料を水などの分散媒中分散させて球状粒子を作った後炭化賦活する方法として、特許文献1(特公昭50−018879号公報)、特許文献2(特開昭55−113608号公報)にはピッチ系原料を溶融し、分散粒状化した後不融化、炭化、賦活する球状炭又は球状活性炭の製造方法が記載されている。また特許文献3(特開平03−030834号公報)、特許文献4(特公昭46−41210号公報)および特許文献5(特開昭50−51996号公報)には、原料粉末とバインダーとを球状に成形した後炭化賦活する方法及びその方法で得られた活性炭が記載されている。
特公昭50−018879号公報 特開昭55−113608号公報 特開平03−030834号公報 特公昭46−41210号公報 特開昭50−51996号公報 ガスワールド コーキングセクション(Gas world Coking section), 111 (1939) p.106−111、
特許文献1、特許文献2に開示されているような、操作条件において液体状態の原料を分散媒中に分散させて球状化させる方法では硬度の高い活性炭が得やすいが、この場合分散媒中に分散させる段階では混合物が液状である必要があるため、原料として石油ピッチなど溶融性の原料を使用する必要があり、ヤシ殻や通常の石炭といった汎用的な炭素材を主たる原料として使用することができない。また、通常は溶剤を使用して流動性を上げるが、この場合溶剤の除去などの余分な工程が必要となり工程が煩雑になる。
さらに、これらの方法では分散媒中で大きな粒子を安定に保ちにくいため、直径が1mm以上の球形活性炭を工業的に製造することは一般に困難である。また、ピッチや樹脂などを球状にしたのち不融化、炭化する場合、得られた球状のピッチや樹脂粒子はかなり緻密であるため、粒子径が大きくなるとその内部まで不融化、炭化のためのガスが到達しにくく、発生した揮発分の脱出もできにくいことから、均一な不融化、炭化が行いにくい。そのため一般には表面積や吸着性能に限界があり、表面と内部の構造差に起因する劣化が起こりやすい。
一方、特許文献3、特許文献4および特許文献5には原料粉末とバインダーとを球状に成形した後炭化賦活する球状活性炭の製法あるいはその製法により製造された活性炭が記載されている。これらの方法によれば、ヤシ殻炭化物や石炭などの非溶融性の固体炭素質原料を用いて直径数mm程度の粒径の大きい活性炭を作製可能であり、球状に成形された時点でもミクロな空隙を多く含むため内部まで賦活を行うことも可能である。しかしながら、これらの方法で製造された球状活性炭は逆に充填比重が上がりにくく、硬度が低く、発塵性が高くなる欠点を有する。
これらの先行文献には、それぞれの発明の活性炭は硬度が高く、発塵性が低いと記載されているが、本発明者らが試験した結果、これらの活性炭の発塵性は、先に記したような用途において求められる厳しい要求に対してはなお充分に小さいものではなかった。
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、非溶融性固体炭素質材料を原料とし、自動車燃料蒸散防止用などに用いた場合にも塵埃発生によるトラブルの心配がなく、圧力損失の小さい球状活性炭を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、活性炭成形体の製造方法について鋭意検討した結果、原料炭素質材料粉末をバインダーと混練し、得られた混合物を一旦ストランド状に押し出した後、該ストランドを転動造粒し、さらにこれを適切な条件で不融化し、炭化した後、賦活ガスとの接触を適度に抑制した状態で賦活することで、硬度が高い球状活性炭をヤシ殻、石炭などの汎用的で有用な原料から製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は非溶融性固体炭素質材料を原料とし、一定以上の硬度を有する球状活性炭である。
本発明によれば、ヤシ殻炭化物、石炭などの汎用的で有用な炭素材を原料とし、使用する際に発塵性が小さく、圧力損失が小さい比較的径の大きい球状活性炭を提供できる。また、発塵性が小さく、比較的径の大きい球状活性炭を容易に工業的に製造する方法を提供することができる。
本発明における活性炭は、非溶融性固体炭素質材料を主な原料とする球状活性炭である。ここでいう、非溶融性とは、原料を造粒し、不融化するまでの条件で自身が溶融して液体にならないことを意味する。言い換えれば、本発明の原料となる炭素質材料は、融点あるいは分解点が300℃以上である。また、炭素質材料とは、その主成分が炭素からなることを意味し、通常、乾燥して水を除いた後の全重量の60%以上が炭素原子であるものを言う。また、主な原料とする、とは不融化、炭化前の炭素量の50重量%以上、好ましくは70重量%以上が該固体炭素質材料に由来することを意味する。
本発明の活性炭の原料となる非溶融性固体炭素質材料としては木炭、竹炭、ヤシ殻炭化物、各種の石炭、例えば無煙炭、瀝青炭など種々のものをあげることができるが、入手が容易で種々の特性を有する活性炭を製造できることから、ヤシ殻炭化物、石炭が好ましい。中でも、有害不純物を含まず、商業的に入手しやすく、適切な細孔構造を有する活性炭を製造しやすい点でヤシ殻炭化物が特に好ましい。
本発明の活性炭は球状活性炭である。ここでいう球状とは、円柱形のペレットや破砕状の粒状活性炭と異なり、鋭いエッジを有しない形状を示す。このような鋭いエッジを有しない形状を有するため、本発明の活性炭は振動や他の粒子との衝突による欠損とそれによる発塵を抑制できる上で好ましい。また、このような形状は規則的に充填されるため圧力損失が部分によらず一定になりやすく、偏流などが起こりにくい点においても好ましい。ここでいう球状とは上記のような鋭いエッジを有しない形状であればよいが、エッジを有しない形状の中でも、より真球に近いことが好ましい。具体的には、長径と短径の比が1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.5であることがさらに好ましい。
活性炭を使用する際に活性炭から発生する塵埃によって引き起こされるトラブルを防ぐためには、球状活性炭の硬度は高い方がよい。通常、活性炭の硬度はJIS K1474に規定された方法で測定された硬度(以下、JIS硬度と略記することがある)で表記される。しかし、従来、前述のような塵埃発生を抑制する必要のある用途に使用されてきたものであれば、通常そのJIS硬度は98%を超えてしまうため、これら従来の活性炭と、従来の活性炭より明らかに塵埃の発生が少なく高度な塵埃防止が可能な活性炭とをJIS硬度で比較しても、それらの差が明確にあらわれない。従って、JIS硬度を指標として活性炭が高度な塵埃抑制が可能かどうかを評価することは困難である。そこで本発明者らは塵埃発生の程度を明確に反映できる硬度測定法を見出すべく種々検討した結果、マイクロストレングス(以下MS硬度と表記する)が使用時の欠損などによる塵埃発生の程度とよく一致することを見出し、MS硬度を本発明の活性炭を評価する指標に採用した。
本発明におけるMS硬度測定法は、石炭の硬度測定などに用いられる方法を本発明の対象となる粒径の活性炭を適切に評価できるよう調整したものである。測定法の概略は以下のとおりである。即ち、内径25.4mm、長さ304.8mmの鋼製ポットに8mmの鋼球10個を入れ、さらに乾燥した粒状活性炭5gを入れ、密閉する。この鋼製ポットを測定器に取り付け、1分間に25回転の速度で40分間回転させる。その後試料を取り出し、鋼球を取り除いた後、目開き0.3mmの篩を用い、振盪機にて5分間篩い、篩上に残った試料の、最初に鋼製ポットに入れた試料に対する割合をパーセントで表示したものをMS硬度とするものである。
なお、上記測定法で記していない装置等については非特許文献1(ガスワールド コーキングセクション(Gas world Coking section), 111 (1939) p.106−111)に記載されている方法に従って実施する。
上記のMS硬度測定法は、活性炭を鋼球で粉砕し、特定の篩を通過する破片を通過させてその残りの割合を測定するものであるから、測定対象物質が同一であっても測定開始時の粒径が小さければMS硬度は低い値となり、逆に粒径が大きければ高い値となる。即ち、同一の材質であっても、もともと粒径の大きいものであればいくつかの破片に分割されてもなお篩を通過しないためMS硬度は高い数値となり、もともと粒径の小さいものであればそれほど多くの破片に分割されなくとも篩を通過するためMS硬度は低い値になる。従って、活性炭の硬さをMS硬度で表示する場合、材質本来の固さを反映させるためには、粒径の関数として表記しなければならない。本発明者らは、種々検討の結果、ほぼ同一の方法で製造し、ほぼ同一の実用上の固さを有する球状活性炭のMS硬度に関しては、その平均粒径をx(mm)、MS硬度をy(%)としたとき、xとyの間にほぼ以下の式(I)の関係が成立することを見出した。
y=100×(1−0.8×a(0.3−x)) (I)
上記の式は経験式であるが、その趣旨は以下のようなものである。まず、MS硬度が、満たすべき条件を考察する。測定対象の粒径が均一な場合、粒径xが篩の目開きより小さい場合は測定対象は全く粉砕しなくてもすべて篩を通過するのでMS硬度はゼロにならざるを得ない。逆にxが非常に大きくなれば粉砕しても容易に篩を通過しなくなるのでMS硬度は100%に接近しなければならない。
これに対し、式(I)を一般式の形で記載すると、以下の式(II)のように表記できる。
y=100×(1−c×a(b−x)) (II)
ここでa(b−x)の部分は測定時に破砕された結果篩を通過する大きさになった破片の割合を示す。bは篩の目開き(mm)であり、上記測定では目開き0.3mmのものを用いているのでb=0.3となる。x=bではa(b−x)=1に、xが充分大きければa(b−x)=0となるため、c=1.0であれば、上記した、測定対象の粒径分布がない場合にMS硬度が論理的に満たすべき条件を満たす。しかしながら、実際には活性炭には粒径分布があったり、篩の目開き以下でも目詰まりが起こり篩上に残る部分があったりするため平均粒径0.3mmの球状炭でもMS硬度はゼロにはならない。このような、理想的な関係からのずれを調整するのが式の係数cであり、同一の方法で製造された本発明の球状活性炭であって、xが0.5以上、20以下の範囲で種々の粒径を有するものを測定して粒径とMS硬度の関係を調べた結果から、経験的にc=0.8となったものである。
ここで式(I)はaの値が大きければ同一粒径におけるMS硬度が高くなり、低くなればMS硬度が低くなる形になっているので、aが活性炭素材の絶対的な硬度を表す指標であるといえる。MS硬度の測定方法からすると、測定対象が全く粉砕されないほど固く、かつ測定対象の粒径が均一で篩の目開き以上であれば、MS硬度は粒径にかかわらず100%となる。上記式(I)においてaを大きくしていけば、yは100%に近づくので、この点においても式(I)はMS硬度があるべき条件を満たしている。
本発明の球状活性炭はその平均粒径をx(mm)、MS硬度をy(%)としたとき、xが0.5以上20.0以下の範囲においてxとyの関係が、yが100×(1−0.8×1.45(0.3−x))以上である球状活性炭、言い換えれば上記式(I)においてaが1.45以上である球状活性炭である。本発明の活性炭において実用上硬度は高いほうが良く、式(I)におけるaは1.60以上であることがより好ましい。一方、あまり硬度を高くしようとすると、吸着性能と両立することが困難になり、製造に長時間を要するようになるなどの困難が生じる。従って式(I)におけるaは2.50以下であることが好ましく、2.10以下であることがさらに好ましい。
本発明者らは球状活性炭の硬度を上げるべく鋭意検討し、従来、非溶融性固体炭素質材料を原料としては製造が出来なかった高い硬度の球状活性炭を製造することに成功し、得られた種々の硬度、粒径の活性炭を試験した結果、MS硬度と平均粒径とが上記の関係を満たす球状活性炭は、従来の球状活性炭に比べ、これまでに記したような用途において使用中の破砕や磨耗に伴うトラブルが著しく軽減されることを確認し、本発明に至った。
本発明の球状活性炭の平均粒径は、JIS K−1474の方法に従って測定されたものをいう。即ち、平均粒径は、JISで規定されている篩を用いて活性炭を分級し、分級された活性炭の重量分率を、分級に用いた篩の目開きの中央値に乗じたものを積算することによって算出される。
本発明の球状活性炭の粒径は使用態様に応じて適宜選択されるが、通常容器に充填し、通気して使用される場合、あまり大きすぎると気体と活性炭との接触効率が低下するため吸着能力を発揮できにくくなる。従って平均粒径は好ましくは5.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下である。一方、粒径が小さすぎると流体を流通させて使用するような形態において圧力損失が増大する傾向がある。従って平均粒径は好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上である。
一般に活性炭の硬度を上げようとすれば、吸着性能は下がる傾向がある。自動車燃料蒸散防止用途などに対する吸着性能はベンゼン吸着量で代表される。ここでベンゼン吸着量はJIS K1474溶剤蒸気の吸着性能の測定に準拠して測定されるもので、飽和濃度の1/10の濃度における平衡吸着において、活性炭単位重量に対して吸着したベンゼンの量(重量%)で表記される。ベンゼン吸着量が小さすぎれば実用上吸着能力が不足する場合が多く、ベンゼン吸着量を一定以上に大きくしようとすれば硬度を上げることの困難が増す。従ってベンゼン吸着量は好ましくは25%〜65%である。ただし、圧力スイング式気体分離装置など気体分離に用いる活性炭の場合吸着すべき分子がベンゼンより小さいため、ベンゼン吸着量は25%以下でも差し支えない。
本発明の球状活性炭には、必要に応じて表面に化学的、物理的な処理を施しても良い。このような表面修飾の例としては、銀、鉄などの金属の塩や酸化物、鉱酸を添着するなどが上げられる。また、活性炭本来の機能を損なわない範囲において他の粉体を表面及び/又は内部に含んでいても構わない。このような物質の例としては、シリカ、アルミナ、ゼオライトなどの金属酸化物などが挙げられる。
以下に、本発明の球状活性炭を製造する方法について説明する。本発明における球状活性炭は、原料である非溶融性固体炭素質材料(以下、原料炭素材と略記することがある)と炭化性バインダー及び必要に応じて水を混合し、混合物をストランド状に押出し、得られたストランドを適切な大きさにカットした後、転動造粒により球形に成形し、成形された混合物と気相部との接触を適度に抑制した条件で、粒径に応じた適切な条件で不融化、炭化賦活することによって製造できる。
ここで使用される原料炭素材は、先に述べた通り非溶融性固体炭素質材料であれば特に制限はないが、入手の容易さや、種々の細孔を有する活性炭を製造できることなどから石炭、ヤシ殻炭化物が好ましく用いられる。特に、有害不純物を含まず、広い性能範囲の活性炭を製造できることからヤシ殻炭化物が好適に用いられる。
原料炭素材の粒度は使用目的に応じて選択すればよいが、あまり粒度が大きいとバインダーで固めるのが困難になり、得られた球状活性炭の空隙が大きくなるため硬度が出にくくなる。一方粒度があまり小さいと成形の際の作業効率が低下する。従って、原料炭素材の粒径は、中心粒径が 1μm〜100μmが好ましく、5μm〜20μmがさらに好ましい。
炭化性バインダーとしては、コールタール、ピッチ、熱硬化性フェノール樹脂などの高沸点有機物などが上げられる。バインダーの種類及び量は、原料混合物が操作しやすい温度で適度に軟化するよう調節される。この観点から、バインダーは40℃〜100℃程度で軟化するものが好ましい。また、炭化性バインダーの使用量は好ましくは炭素材100重量部に対し20〜60重量部、さらに好ましくは35〜45重量部である。
原料炭素材、バインダーに加え必要に応じて水を添加する。水の添加量は原料炭素材の種類や粒度、バインダーの種類によって異なるが、ストランドに押出す際に容易に押出しを可能とし、その後転動造粒する際に良好な成形性を得るためには、炭素材100重量部に対し5〜30重量部程度加えることが好ましい。
炭素材、炭化性バインダー、水に加え本発明の活性炭の機能を損なわない範囲で他の添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、吸着性能を向上する、触媒機能を付与する等、機能を向上させるために添加される、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属化合物、ケイ素、アルミニウムなどその他の典型金属及びその化合物、チタン、鉄、銅、銀、亜鉛などの遷移金属及びその化合物、シリカアルミナ、ゼオライト、活性白土、粘土などの複合酸化物などを例示することができる。これら炭素材、炭化性バインダー以外の添加物の量は、活性炭の機能を損なわない程度の量であればよいが、通常は原料炭素材100重量部に対し30重量部以下が好ましく、10重量部以下がさらに好ましい。
上記の原料炭素材、炭化性バインダー、そして必要に応じて水やその他の添加物は混合されて炭素材混合物とされる。炭素材、炭化性バインダーなどを混合する条件や混合装置は、炭素材、炭化性バインダーの種類や組成に応じて適宜決定される。混合装置としては従来公知の種々の混合機が採用できるが、例えば2軸ニーダー混合機、1軸ニーダー混合機などが例示できる。混合の際の温度はバインダーが適切な流動性を保つ温度であれば特に制限はないが、通常好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは40〜80℃である。
攪拌混合によって得られた上記炭素材混合物は、ストランド状に押出され、カットすることで適切な大きさのペレットに成形される。この工程は例えばペレットミルなどによって行うことができる。ノズルの孔径、カットするサイズは目的とする球状活性炭のサイズに応じて定められる。このように混合物を直接球形に成形せず一旦ストランドとすることが、硬度が高く充填比重が高い球形活性炭を得る上で重要である。その理由は必ずしも明確ではないが、一旦混合し押出すことにより、炭素材混合物を活性炭にした際の構造上の欠点の原因となるような、炭素材混合物中の比較的大きい気泡や組成の変動が解消されるためと推定している。また、一旦ストランドとしてカットすることは、粉末原料とバインダーを直接転動造粒する方法に比べ粒径分布の小さい製品を得るためにも重要である。
カットされたストランドは転動造粒等の方法によって球形に成形される。転動造粒を行う場合は通常の転動造粒装置が使用可能である。このような装置としては例えばダルトン社製商品名マルメライザー、深江パウテック社製商品名ハイスピードミキサーなどが例示できる。転動造粒の温度に特に制限はないが、造粒機での温度調節が容易なことなどから好ましくは40〜100℃で実施される。
上記方法によりストランドを球形に成形して得られた球状炭素材混合物は、不融化、炭化、賦活などの工程を経て球状活性炭となる。硬度の高い活性炭を得るためには、これらの全工程の条件を適切に調整することが必要となる。本発明の球状活性炭を得るために適切な条件は、球状炭素材混合物の粒径、原料炭素材の種類、炭化性バインダーの種類や使用量などによって変化するために、一概には限定し難いが、どの工程においても、炭素材混合物と、ガスとの接触を抑制する方向に条件を調整すると硬度の高い活性炭が得やすくなる傾向がある。
ストランドを球形に成形して得られた球状炭素材混合物は、酸素を含む雰囲気下で不融化される。ここで酸素を含む雰囲気とは、通常の空気、または酸素と窒素の混合ガス、或いは水蒸気や二酸化炭素に酸素を含むガスなどである。ここで、最終製品の硬度を上げるためには、酸素濃度、温度、ガスとの接触状況、時間を粒径に応じ適度に調整することが好ましい。不融化の条件は球状炭の粒径に応じた適切な酸化速度を得られるように調整されるが、通常好ましくは温度は400℃以下、酸素濃度は5〜22%で実施される。この際、ガスとの接触を適度に制限することが硬度向上に有効である。球状炭素材混合物の状態にもよるが、通常は、昇温時間を含めて1時間以上の不融化を行うことで適切な不融化を実施できるようにガスとの接触を制限することが好ましい。ここで、不融化に使用する装置は、通常知られているものを適宜使用できるが、ガスとの接触をコントロールしやすいという観点からは、移動層方式の装置、たとえばロータリーキルン、ヘレショフ型多段床炉、スリープ炉が好ましい。
不融化された球状炭は、不活性ガス中で炭化処理される。炭化の条件も粒径に応じて適切な条件が選択されるが、500〜700℃程度まで温度を上昇させることが好ましい。ここで不活性ガスとはこの温度範囲において炭素質材料に対して不活性なガスであり、通常は窒素を意味し、その他の非酸化性ガスを含むことも許容される。不融化、炭化処理によってバインダーも炭化されるため、最終的に得られた球状活性炭は実質的にバインダーを含まないものとなる。炭化についても上記の通常使用される公知の装置が使用できる。
炭化によって得られた球状炭をさらに賦活性ガス雰囲気で賦活することにより、本発明の硬度が高く発塵防止に優れた球状活性炭が得られる。硬度の高い活性炭を得るためには賦活の際に球状炭と賦活性ガス雰囲気との接触を適度に制限することが好ましい。そのため装置としてはロータリーキルン、ヘレショフ型多段床炉、スリープ炉などの移動層方式の装置が好ましく用いられる。賦活条件も粒径に応じて適切な条件を選択する必要があるが、800℃〜1000℃程度の温度が好ましく採用される。ここで賦活性ガス雰囲気とは水蒸気、二酸化炭素またはこれらの混合ガスなどである。賦活性ガス雰囲気としては水蒸気含有率が高く二酸化炭素を含む石油燃焼混合ガスなどが好ましく用いられる。ここでもガスとの接触をコントロールして、所定の活性炭とするために3時間以上の賦活を行うことが好適であり、5時間以上の賦活を行うことがさらに好適である。一方、ガスとの接触を極めて抑制し、長時間の賦活を行うことは、硬度の高い活性炭を得る観点では問題ないが、生産効率が低くなるため、実用上、賦活時間は60時間以下が好ましい。
本発明の球状活性炭は、振動が加えられた場合、あるいは高速のガスと接触した場合などに粉塵発生が少ないため、自動車燃料蒸発防止用途等に好適に用いられる。さらに、医薬品製造等のクリーンルーム内の有害物質吸収や、塵を嫌う精密機器や電子機器内部やその周辺における有害物質吸収、例えばコンピューターなどのハードディスクに影響を与える物質の吸収など、あるいは一定以上の流速を伴うガスの処理、例えば圧力スイング式気体分離装置などに好適に使用される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ヤシ殻炭化物(炭素分85%)を微粉砕機にて200メッシュ(粒径75μm相当)以下の粒径となるように微粉砕した。得られたヤシ殻炭化物微粉の中心粒径は10μmであった。このヤシ殻炭化物微粉100重量部にコールタール(炭素分60%)40重量部と水10重量部を加え、ダルトン社製万能混合攪拌機30DM型(商品名)にて回転数68rpmで20分混練を行った。得られた混合物をペレットミル(上田鉄工社製J2型(商品名))にてストランド状に押出してカットし、直径1.6mm、長さ1.5〜5mmのペレット状の押出成形物を得た。この押出成形物を深江パウテック社製ハイスピードミキサーFS−G型(商品名)(容量10リットル、直径400mm)を用いて60℃、回転数400rpmにて10分成形して平均粒径2.3mmの球状成形物を得た。
得られた球状成形物をロータリーキルン(直径600mm)を用い、回転速度4rpm、空気雰囲気下で30分間で200℃まで昇温後、45分不融化し、次いで同一の炉にて不活性ガス雰囲気下に60分間で600℃まで昇温し炭化を実施した。さらに、ロータリーキルン(直径400mm)にて、窒素ガスとスチーム(スチーム分圧49%)により900℃にて20時間賦活を行ない、平均粒径1.8mmの球状活性炭を得た。
得られた球状活性炭のMS硬度は63.3%であった。平均粒径x=1.8mmであるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=54.2であり、この球状活性炭のMS硬度はこの値を上回っている。また、この球状活性炭のベンゼン吸着量は41.5%、充填比重は0.52g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。
混練までを上記実施例1と同じ条件で実施し、得られた混合物をペレットミルにてストランド状に押出してカットし、直径3.5mm、長さ3〜9mmのペレット状の押出成形物を得た。この押出成形物を実施例1と同様の条件で処理し、平均粒径4.5mmの球状活性炭を得た。
得られた球状活性炭のMS硬度は91.9%であった。平均粒径x=4.5mmであるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=83.2であり、この球状活性炭のMS硬度はこの値を上回っている。また、この球状活性炭のベンゼン吸着量は43.0%、充填比重は0.54g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。
混練までを上記実施例1と同じ条件で実施し、得られた混合物をペレットミルにてストランド状に押出してカットし、直径0.8mm、長さ1〜3mmのペレット状の押出成形物を得た。この押出成形物を実施例1と同様の条件で処理し、平均粒径1.1mmの球状活性炭を得た。得られた球状活性炭のMS硬度は54.6%、ベンゼン吸着量は41.6%であった。x=1.1であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=40.6でありMS硬度はこの値を上回っている。また、この球状活性炭の充填比重は0.56g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。
ヤシ殻炭化物に代えて石炭粉末(水洗して灰分を2.5重量%とした無煙炭(ボタン指数0、固定炭素分85重量%、粒径75μm以下、中心粒径10μm))を使用し、賦活時間を23時間とした以外は実施例1と同様に球状活性炭を製造した。但し平均粒径は3.0mmになるよう調整した。得られた球状活性炭のMS硬度は75.0%であった。x=3.0であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=70.7でありMS硬度はこの値を上回っている。また、この球状活性炭の充填比重は0.39g/ml、ベンゼン吸着量は58.6%であった。
さらに、この球状活性炭について自動車燃料蒸散防止用活性炭の評価方法であるASTM D5228によるブタンワーキングキャパシティー(以下BWCとする)を測定したところ14.6g/100mlであった。
混練までを実施例1と同じ条件で実施し、得られた混合物をペレットミルにてストランド状に押出してカットし、直径2.3mm、長さ2〜7mmのペレット状の押出し成形物を得た。この押出成形物を深江パウテック社製ハイスピードミキサーFS−G型(商品名)(容量10リットル、直径400mm)を用いて60℃、回転数400rpmにて10分成形して平均粒径3.3mmの球状成形物を得た。
この球状成形物をロータリーキルン(直径600mm)を用い、回転速度4rpm、空気雰囲気下で30分間で200℃まで昇温後、45分不融化し、次いで同一の炉にて不活性ガス雰囲気下に60分間で600℃まで昇温し炭化を実施した。さらに、ロータリーキルン(直径400mm)にて、窒素ガスとスチーム(スチーム分圧49%)により900℃にて20時間賦活を行ない、平均粒径2.6mmの球状活性炭を得た。
得られた球状活性炭のMS硬度は69.4%、ベンゼン吸着量は42.1%であった。x=2.6であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=66.0でありMS硬度はこの値を上回っている。また、この球状活性炭の充填比重は0.51g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。
実施例5と同一の条件で得た平均粒径3.3mmの球状成形物を実施例5と同一条件で不融化、炭化を実施した後、実施例5と同一条件で23時間賦活を行ない、平均粒径2.5mmの球状活性炭を得た。得られた球状活性炭のMS硬度は68.2%、ベンゼン吸着量は54.6%であった。x=2.5であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=64.7でありMS硬度はこの値を上回っている。また、この球状活性炭の充填比重は0.44g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。
実施例5と同一の条件で得た平均粒径3.3mmの球状成形物を実施例5と同一条件で不融化、炭化を実施した後、実施例5と同一条件で25時間賦活を行ない、平均粒径2.5mmの球状活性炭を得た。得られた球状活性炭のMS硬度は65.7%、ベンゼン吸着量は65.2%であった。x=2.5であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=64.7でありMS硬度はこの値を上回っている。また、この球状活性炭の充填比重は0.40g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。
比較例1
特許文献4(特公昭46−41210号公報)実施例の記載に準じて球状活性炭の製造を実施した。原料石炭として灰分3%の弱粘結炭を用い、水分2%まで乾燥した後、100メッシュ以下に粉砕した。得られた微粉炭に粘結材として別途調製したパルプ廃液を原料石炭に対して20重量%添加し、同時に二次的に水分を添加して水分20%に調整した。特許文献4の実施例においては水分12〜15%に調整しているが、この水分では混練しても球形に成形できなかった。これをよく練り合わせ、深江パウテック社製ハイスピードミキサーFS−G型(容量10リットル、直径400mm)を用いて35℃、回転数100rpmにて10分成形して平均粒径2.3mmの球状成形物を得た。得られた球状成形物を100℃で乾燥、360℃で改質、530℃で焼結し、炭化に適した炭材とした。得られた炭材をロータリーキルンで900℃で炭化し、さらに流動賦活炉で900℃、スチーム分圧40%の条件で2時間、水蒸気賦活した。得られた活性炭の平均粒径は1.8mmであった。
得られた球状活性炭のMS硬度は46.0%、ベンゼン吸着量は32.2%であった。従ってx=1.8であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=54.2でありMS硬度はこの値を下回っている。また、この球状活性炭の充填比重は0.47g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。なお、特許文献4には製品粒度3〜10mm目標、MS硬度90%、ベンゼン吸着量30%の活性炭が記載されている。上記公報には粒径の記載がないが、粒径は3〜10mm目標との記載に基づき平均粒径が中央付近の7.0mmとすると100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=93.4であり、MS硬度はこの値を下回っている。なお、y=100×(1−0.8×a(0.3−x)) (式(I))におけるaの値は、本比較例1の球状活性炭が1.34、平均粒径7.0mmと仮定した場合の特許文献4の活性炭が1.36に相当するので、本比較例1の活性炭と上記公報に記載の活性炭の本質的な硬さは同程度といえる。
比較例2
不融化の条件を250℃、2時間とし、賦活を流動賦活炉を用いて850℃、スチーム分圧40%の条件で2時間の条件で実施した点以外は実施例1と同様の方法で球状活性炭を製造した。球状活性炭の平均粒径は2.0mm、MS硬度は52.4%、ベンゼン吸着量は38.2%であった。x=2.0であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=57.5でありMS硬度はこの値を下回っている。また、この球状活性炭の充填比重は0.49g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。
比較例3
市販の球状活性炭として日本エンバイロケミカルズ製X−7000(商品名)、平均粒径1.6mmのものの物性を測定した。MS硬度は28.6%、x=1.6であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=50.7でありこの球状活性炭のMS硬度はこの値を下回っている。なお、Bz吸着量は31.6%であった。
比較例4
特許文献3(特開平03−030834号公報)実施例の記載に準じて球状活性炭の製造を実施した。原料石炭として瀝青炭を用い、水分2%まで乾燥した後、100メッシュ以下に粉砕した。得られた微粉炭に粘結材として別途調製したパルプ廃液を原料瀝青炭100重量部に対して12重量部添加し、同時に水を8重量部添加して回分式捏和機にて混合し、原料炭素材混合物を得た。これにさらに水を添加しながら、深江パウテック社製ハイスピードミキサーFS−G型(容量10リットル、直径400mm)を用いて40℃、回転数100rpmにて10分成形して平均粒径2.0mmの球状成形物を得た。加えた水の量は合計で原料瀝青炭100重量部に対して25重量部であった。得られた球状成形物を100℃で乾燥し、ロータリーキルン(直径600mm)にて窒素ガス流通下、250℃から600℃まで3.5℃/分の速度で昇温し、炭化を行った。得られた炭化品をロータリーキルン(直径400mm)にて900℃で水蒸気賦活(スチーム分圧49%)した。得られた活性炭の平均粒径は1.7mmであった。
得られた球状活性炭のMS硬度は37.3%、ベンゼン吸着量は27.5%であった。従ってx=1.7であるから100×(1−0.8×1.45(0.3−x))=52.4でありMS硬度はこの値を下回っている。また、この球状活性炭の充填比重は0.53g/ml、長径と短径の比は1〜1.5の範囲であった。
参考例1
実施例1〜7、比較例1〜3の活性炭について粉化率を測定した。ここでいう粉化率は、予め乾燥させた球状活性炭1.0gを100ml共栓付三角フラスコに入れ、200rpmで3時間振とうし、その後、エタノールを25ml加え140rpm×30分振とうさせた後、直ちに懸濁液を取り650nmの吸光度を吸光度計にて測定し、これを予め作成した検量線によって懸濁液濃度に換算し、粉化率として表示したものである。上記粉化率は活性炭を自動車燃料蒸散防止装置(キャニスター)等で使用した場合の発塵性の指標となる。
これらの結果を実施例、比較例の結果と併せて表1に示す。なお、比較例1、3においては上記測定法では懸濁液の濃度が吸光度測定の上限を超えるため、懸濁液をさらに10倍に希釈して測定を実施した。また、平均粒径xとMS硬度yの関係を関係式y=100×(1−0.8×a(0.3−x))に代入した場合のaの値も併せて記載する。MS硬度上昇に伴い粉化率が改善されていること、a=1.45を超えている実施例では粉化率が1%以下と実用上問題ない範囲にあることが示されている。
Figure 0004855251

本発明の活性炭は、自動車燃料蒸散防止装置(キャニスター)、圧力スイング式気体分離、その他粉塵を嫌う環境下の有害物質の除去などに好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 非溶融性固体炭素質材料及び炭化性バインダーを原料とする造粒後賦活して得られた球状活性炭であって、該炭化性バインダーがコールタール、ピッチ、熱可塑性フェノール樹脂の少なくとも1種からなり、該球状活性炭の平均粒径をx(mm)、MS硬度をy(%)としたとき、xが0.5以上20.0以下の範囲において、yが100×(1−0.8×1.45(0.3−x))以上である球状活性炭。
  2. 非溶融性固体炭素質材料がヤシ殻炭化物及び石炭から選ばれる少なくとも一つである請求項1記載の球状活性炭。
  3. 球状活性炭の平均粒径が0.5mm以上、5.0mm以下である請求項1又は2記載の球状活性炭。
  4. 球状活性炭のベンゼン吸着量が25%以上、65%以下である請求項1〜3いずれかに記載の球状活性炭。
  5. 球状活性炭が自動車燃料蒸散防止用活性炭である請求項1〜4いずれかに記載の球状活性炭。
  6. 非溶融性固体炭素質材料100重量部およびコールタール、ピッチ、熱可塑性フェノール樹脂の少なくとも1種からなる炭化性バインダー20〜60重量部を含む混合物を一旦ストランド状に押出し、カットした後転動造粒にて球形状に成形し、酸素濃度5〜22%雰囲気下400℃以下で不融化し、不活性ガス雰囲気下500〜800℃で炭化し、スチーム分圧10〜70%雰囲気下800〜1000℃で3時間以上賦活処理する請求項1〜5いずれかに記載の球状活性炭の製造方法。
JP2006513689A 2004-05-20 2005-05-16 球状活性炭およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4855251B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006513689A JP4855251B2 (ja) 2004-05-20 2005-05-16 球状活性炭およびその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004149920 2004-05-20
JP2004149920 2004-05-20
PCT/JP2005/008886 WO2005113435A1 (ja) 2004-05-20 2005-05-16 球状活性炭およびその製造方法
JP2006513689A JP4855251B2 (ja) 2004-05-20 2005-05-16 球状活性炭およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005113435A1 JPWO2005113435A1 (ja) 2008-03-27
JP4855251B2 true JP4855251B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=35428348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006513689A Expired - Fee Related JP4855251B2 (ja) 2004-05-20 2005-05-16 球状活性炭およびその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20080063592A1 (ja)
JP (1) JP4855251B2 (ja)
CN (1) CN1956919B (ja)
WO (1) WO2005113435A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140087399A (ko) * 2012-12-28 2014-07-09 재단법인 포항산업과학연구원 활성탄 제조 방법

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100477345C (zh) * 2004-03-30 2009-04-08 株式会社吴羽 非水电解质二次电池用负极材料、其制造方法、负极和电池
CN101522564A (zh) * 2006-10-12 2009-09-02 株式会社科特拉 活性炭以及利用该活性炭的滤罐和进气过滤器
CN102471096B (zh) 2009-08-06 2014-09-24 可乐丽化学株式会社 活性炭成型体以及使用该活性炭成型体的净水器
CN101797396A (zh) * 2010-04-30 2010-08-11 上海绿伞环保科技发展有限公司 一种功能性活性碳吸味剂
US10103540B2 (en) * 2014-04-24 2018-10-16 General Electric Company Method and system for transient voltage suppression devices with active control
CN104528713B (zh) * 2014-11-22 2020-09-01 河南恒瑞源实业有限公司 一种利用杜仲制备活性炭的方法
JP6488142B2 (ja) * 2015-02-10 2019-03-20 株式会社クラレ 高性能アルデヒド除去用吸着材及びその製造方法
JP6803398B2 (ja) * 2016-12-21 2020-12-23 株式会社クレハ 球状活性炭およびその製造方法
EP3580169A2 (en) 2017-02-08 2019-12-18 National Electrical Carbon Products, Inc. Carbon powders and methods of making same
CN107344718B (zh) * 2017-06-29 2023-07-25 安泰环境工程技术有限公司 一种连续式高温炭化活化一体装置及方法
US11154838B2 (en) 2017-09-29 2021-10-26 Ingevity South Carolina, Llc Low emissions, high working capacity adsorbent and canister system
BR112020006280B1 (pt) 2017-09-29 2023-10-31 Ingevity South Carolina, Llc Sistema de cilindro de controle de emissão evaporativa
CN112238073A (zh) * 2020-10-20 2021-01-19 南京众荣环保技术开发有限公司 一种活性炭原料活化处理加工系统
US20240024846A1 (en) * 2022-07-25 2024-01-25 Calgon Carbon Corporation Surface-modified activated carbon for reduced backwashing frequency during particulate filtration

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5051996A (ja) * 1973-09-11 1975-05-09
JPH01126214A (ja) * 1987-11-10 1989-05-18 Idemitsu Kosan Co Ltd 球状活性炭の製造方法
JP2004010434A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Kuraray Chem Corp 造粒炭及びその製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE6947770U (de) * 1969-12-10 1970-05-27 Agfa Gevaert Ag Zubehoer zu einer reprokamera.
US3888958A (en) * 1970-03-21 1975-06-10 Bergwerksverband Gmbh Process for making shaped pieces from low temperature coke of low bulk weight
DE2322706C3 (de) * 1973-05-05 1982-01-14 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur Herstellung von bruch- und abriebfesten Aktivkohlen
US4371454A (en) * 1979-11-02 1983-02-01 Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Process for preparing spherical carbon material and spherical activated carbon
US5270280A (en) * 1990-11-01 1993-12-14 Nippon Carbon Co., Ltd. Packing material for liquid chromatography and method of manufacturing thereof
JP3728475B2 (ja) * 1996-04-12 2005-12-21 クラレケミカル株式会社 除塵フィルターの機能を有する吸着材
CN1057278C (zh) * 1997-01-17 2000-10-11 中国科学院山西煤炭化学研究所 一种球状活性炭的制备方法
MY121452A (en) * 1998-04-07 2006-01-28 Chiyoda Corp Desulfurization of exhaust gases using activated carbon catalyst.
KR100744984B1 (ko) * 1999-11-16 2007-08-02 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 전기 이중층 캐패시터용 전극 및 그것의 제조 방법
US6789547B1 (en) * 2000-10-31 2004-09-14 Philip Morris Incorporated Carbon technology

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5051996A (ja) * 1973-09-11 1975-05-09
JPH01126214A (ja) * 1987-11-10 1989-05-18 Idemitsu Kosan Co Ltd 球状活性炭の製造方法
JP2004010434A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Kuraray Chem Corp 造粒炭及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140087399A (ko) * 2012-12-28 2014-07-09 재단법인 포항산업과학연구원 활성탄 제조 방법
KR101874086B1 (ko) * 2012-12-28 2018-08-02 재단법인 포항산업과학연구원 활성탄 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2005113435A1 (ja) 2008-03-27
US20080063592A1 (en) 2008-03-13
CN1956919B (zh) 2011-08-03
CN1956919A (zh) 2007-05-02
WO2005113435A1 (ja) 2005-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4855251B2 (ja) 球状活性炭およびその製造方法
US5324703A (en) Method of preparation of gasoline vapor adsorptive activated carbon
EP2183186B1 (en) Method for preparing chemically activated carbon
US5304527A (en) Preparation for high activity, high density carbon
JP3746509B1 (ja) 球状活性炭及びその製造法
JPH0516371B2 (ja)
JPH0566886B2 (ja)
JP6517607B2 (ja) 活性炭の製造方法、活性炭及び電気二重層キャパシタ用電極材料
TWI651266B (zh) 球狀活性炭及其製造方法
JP2000313611A (ja) 活性炭及びその製造方法
US20220096981A1 (en) Pelletized activated carbon and methods of production
DE4416576C1 (de) Verfahren zur Herstellung kugelförmiger Aktivkohle
JP2007331986A (ja) 活性炭
KR100797141B1 (ko) 구형 입상 활성탄의 제조방법
JP5087550B2 (ja) 活性炭、これを用いたキャニスター及び吸気系フィルター、並びに前記活性炭の製造方法
JP4708409B2 (ja) 廃ガス処理用成型活性炭及びその製造方法
JP2009057239A (ja) 活性炭の製法
JP2023013960A (ja) 球状活性炭を含む水処理用フィルタ
JP2548658B2 (ja) 造粒活性炭
JP3224117B2 (ja) 活性炭
JP4199028B2 (ja) 粉粒状炭化物の製造方法
WO2019131207A1 (ja) 活性炭成形体
JPH05255676A (ja) 石炭粉の造粒方法
JP2020023420A (ja) 活性炭および活性炭の製造方法、ならびに脱色方法
JP6488142B2 (ja) 高性能アルデヒド除去用吸着材及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111018

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111026

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4855251

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees