JP6488142B2 - 高性能アルデヒド除去用吸着材及びその製造方法 - Google Patents

高性能アルデヒド除去用吸着材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高性能アルデヒド除去用吸着材及びその製造方法に関する。
アルデヒド除去用吸着材の製造方法としては、吸着材に薬剤としての芳香族アミノスルホン酸を添着する添着技術が知られている(特許文献1及び2)。また、添着技術以外にも、結合剤を使用して粉末吸着材と薬剤とを混練する後造粒技術が知られている。この後造粒技術では、添着技術より多量の薬剤を導入できるため、得られる吸着材がより高いアルデヒド除去性能を有することが知られている(特許文献3)。
特開平7−136502号公報 特開2001−522号公報 特開2010−222163号公報
しかしながら、例えば特許文献3に記載されている後造粒技術では、各種有毒ガスだけでなく混合ガスも除去できるなど高機能を有する吸着材は得られるものの、吸着材が更なる耐摩耗性を有することが求められる場合があった。従って、本発明の課題は、高いアルデヒド除去性能を維持しつつ、耐摩耗性に優れた高性能アルデヒド除去用吸着材、及びそのような吸着材の製造方法を提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、粉末吸着材、芳香族アミノスルホン酸、結合剤及び滑剤を含んでなり、1.0%以下の磨耗率を有するアルデヒド除去用吸着材によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の好適な実施形態を含む。
[1]粉末吸着材、芳香族アミノスルホン酸、結合剤及び滑剤を含んでなり、1.0%以下の磨耗率を有するアルデヒド除去用吸着材。
[2]60%以上のMS硬度を有する、上記[1]に記載の吸着材。
[3]粉末吸着材は粉末活性炭である、上記[1]又は[2]に記載の吸着材。
[4]芳香族アミノスルホン酸は、スルファニル酸、メタニル酸及びオルタニル酸からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の吸着材。
[5]結合剤は自己架橋型アクリル酸エステル系共重合体水性エマルジョンである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の吸着材。
[6]滑剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の吸着材。
[7]粉末吸着材100質量部に対して、芳香族アミノスルホン酸10〜100質量部、結合剤10〜200質量部及び滑剤0.1〜10質量部を混練して混練品を得る混練工程と、混練品を造粒して予備成形品を得る造粒工程と、予備成形品を乾燥して硬化した成形品を得る硬化工程とを含む、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の吸着材の製造方法。
[8]混練工程において混練時間は15分以内である、上記[7]に記載の製造方法。
[9]混練終了後の混練品の温度は35℃以下である、上記[7]又は[8]に記載の製造方法。
[10]混練終了時から造粒までの時間は120分以内である、上記[7]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
本発明により、高いアルデヒド除去性能に加えて、耐摩耗性に優れた吸着材が提供される。
本発明のアルデヒド除去用吸着材は、粉末吸着材、芳香族アミノスルホン酸、結合剤及び滑剤を含む。
粉末吸着材としては、例えば、粉末多孔性金属酸化物、粉末活性炭及び粉末粘土鉱物などが挙げられる。これらの中では、高比表面積の観点から、粉末活性炭が好ましい。
本発明で使用される粉末活性炭は特に限定されず、炭素質材料を充分に炭化した後、ガス賦活、薬剤賦活などの方法で賦活して得られる活性炭を使用することができる。活性炭を製造するための原材料である炭素質材料は特に限定されず、鉱物系材料、植物系材料、合成系材料などを使用することができる。
鉱物系材料としては、例えば、石炭、ピッチ、コークスなどの石炭・石油材料が挙げられる。
植物系材料としては、例えば、木材、木炭、ヤシ殻などの果実殻及び各種繊維が挙げられる。
各種繊維としては、木綿、麻などの天然繊維、レーヨン、ビスコースレーヨンなどの再生繊維、及びアセテート、トリアセテートなどの半合成繊維を挙げることができる。各種繊維から製造される活性炭は適宜粉砕され、粉末状で使用される。
合成系材料としては、例えば各種合成樹脂が挙げられる。具体的には、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ビニロンなどのポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、塩化ビニル樹脂などを例示することができる。
炭素質材料のうち、入手容易性の観点から、鉱物系材料、植物系材料及び合成系材料が好ましく、なかでも、汎用性の高い、石炭、ヤシ殻及びフェノール系樹脂がより好ましく使用される。炭素質材料は2種以上を混合して使用してもよい。炭素質材料の形状は、特に限定されず、粒状、粉末状、繊維状、シート状など種々の形状の材料を使用することができる。粒状の材料は破砕状又は造粒品でもよい。繊維状及びシート状の炭素質材料としては織布、不織布、フィルム、フェルト、紙、成形板などのシート加工品が挙げられるが、いずれも粉砕されて粉末状で使用される。
活性炭は、炭素質材料を炭化し、賦活することによって製造することができる。炭化する条件は特に限定されないが、例えば、粒状の炭素質材料の場合は、回分式ロータリーキルンに少量の不活性ガスを流しながら300℃以上の温度で処理するなどの条件を採用することができる。
炭素質材料を炭化した後、炭化された炭素質材料を賦活することによって活性炭を得ることができるが、賦活方法は、ガス賦活、薬剤賦活などいずれの方法を採用してもよい。機械的強度が高く、ガス吸着に適した活性炭を得る点においては、ガス賦活法が好ましい。ガス賦活法において使用されるガスとしては、水蒸気、炭酸ガス、酸素、LPG燃焼排ガス、又はこれらの混合ガスなどを挙げることができる。安全性及び反応性を考慮すると、水蒸気を10〜50体積%含有する水蒸気含有ガスが好ましい。
賦活温度は、好ましくは700℃〜1100℃、より好ましくは800℃〜1000℃である。しかしながら、賦活時間及び昇温速度は特に限定されず、選択する炭素質材料の種類、形状、サイズ及び所望の細孔径分布などにより異なる。賦活して得られた活性炭は、そのまま使用してもよいが、酸洗浄、水洗浄などにより、付着成分を除去して使用することが好ましい。
このようにして得られた活性炭は、上記炭素質材料の形状に応じて粒子状、シート状などの形状となるため、必要に応じてこれを粉砕して使用する。粉末活性炭の中心粒径D50は、通常1〜100μmの範囲、好ましくは10〜80μmの範囲、より好ましくは20〜50μmの範囲である。ここで、中心粒径D50とは、粒子径分布において、D50より大きい粒子の個数又は合計質量が全粒子の個数又は合計質量の50%を占めるときの粒子径である。粉砕手段は特に限定されず、ボールミル、各種クラッシャー、ロールミルなど公知の粉砕手段を使用することができる。
本発明で使用される粉末活性炭の比表面積は、好ましくは500〜2500m/g、より好ましくは700〜2000m/gである。粉末活性炭の比表面積が上記範囲内であると、活性炭が有する本来の有機化合物の吸着除去性能が良好に発揮される。また、造粒工程及び硬化工程で共存する結合剤による細孔閉塞が起こらないため、それによる有機化合物の吸着除去性能の低下が起こらない。更に、そのような粉末活性炭は製造しやすいため、高コストではない粉末活性炭を得ることができる。
本発明で使用される芳香族アミノスルホン酸は、特に限定されず、例えば、スルファニル酸、メタニル酸、オルタニル酸及び多環式芳香族アミノスルホン酸(例えば、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸など)が挙げられ、これらの化合物は単独で又は組み合わせて使用することができる。これらの中では、安全性の観点から、スルファニル酸、メタニル酸及びオルタニル酸からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を使用することが好ましく、取り扱いが容易であり、アルデヒドとの反応性に優れるなどの観点から、スルファニル酸又はそれを含む芳香族アミノスルホン酸混合物を使用することがより好ましい。
芳香族アミノスルホン酸の使用量は、粉末吸着材100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部の範囲、より好ましくは30〜80質量部の範囲、特に好ましくは40〜60質量部の範囲である。芳香族アミノスルホン酸の使用量を上記範囲内とすることによって、粉末吸着材本来の吸着性能は維持されたままアルデヒド除去性能は向上し、かつ高い硬度を維持した吸着材を得ることが可能となる。
本発明では、結合剤として、通常0〜200℃、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜120℃かつ芳香族アミノスルホン酸の融解温度未満で硬化する結合剤を使用することができる。このような結合剤としては、例えば、自己架橋型のアクリル酸エステル系共重合体水性エマルジョン及びフェノール樹脂系水性エマルジョンなどが挙げられる。これらの中では、吸着材強度の観点から、自己架橋型アクリル酸エステル系共重合体水性エマルジョンが好ましい。
自己架橋型アクリル酸エステル系共重合体水性エマルジョンの具体例としては、日本カーバイド工業株式会社製の商品名「ニカゾール」や日本ゼオン株式会社製の商品名「Nipol」などを例示することができる。自己架橋型アクリル酸エステル系共重合体水性エマルジョンとしては、一般に50%前後の固形分含有品が好ましく使用される。
結合剤の使用量は、粉末吸着材100質量部に対して、好ましくは10〜200質量部の範囲、より好ましくは20〜150質量部の範囲、特に好ましくは30〜90質量部の範囲である。結合剤の使用量を上記範囲内とすることによって、向上した吸着材強度及び高いアルデヒド除去性能を有する吸着材を得ることが可能となる。
本発明で使用される滑剤は、特に限定されず、例えば、メチルセルロース(MC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、高級脂肪酸及びその塩などが挙げられ、これらの化合物は単独で又は組み合わせて使用することができる。これらの中では、分散性の観点から、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物であることが好ましく、増粘効果の観点から、カルボキシメチルセルロースがより好ましい。
滑剤の使用量は、粉末吸着材100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部の範囲、より好ましくは2.5〜7質量部の範囲である。滑剤の使用量を上記範囲とすることによって、造粒時の成形性が向上し、高いアルデヒド除去性能を有する吸着材を得ることが可能となる。
本発明のアルデヒド除去用吸着材は、粉末吸着材、芳香族アミノスルホン酸、結合剤及び滑剤に加えて、本発明の効果を損なわない量で、添加物を更に含有することができる。そのような添加物を加える目的としては、アルデヒド除去性能の更なる向上などが挙げられる。そのような添加剤の例としては、ゼオライト、シリカアルミナ及びチタノシリケートなどのイオン交換機能を有する無機粒子などが挙げられる。
本発明の吸着材は、1.0%以下、好ましくは0.9%以下、より好ましくは0.8%以下の磨耗率を有する。吸着材が上記所定の値以下の摩耗率を有すると、アルデヒド除去用吸着材を使用する際に吸着材から発生する塵埃によって引き起こされるトラブルを防ぐことができる。本発明において、磨耗率は下記手順により測定することができる。
内径119.3mm、長さ170.8mmの鋼製ポットに、乾燥したアルデヒド除去用吸着材100gを入れ、密閉する。この鋼製ポットを測定器に取り付け、1分間に50回転の速度で30分間回転させる。その後試料を取り出し、60mesh篩で篩過する。篩下方の塵埃の、最初に鋼製ポットに入れた試料に対する割合(単位:%)を算出し、磨耗率とする。
本発明の吸着材は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上のMS硬度(マイクロストレングス硬度)を有する。吸着材が上記所定の値以上のMS硬度を有すると、アルデヒド除去用吸着材を使用する際に吸着材から発生する塵埃によって引き起こされるトラブルをより良好に防ぐことができる。本発明において、MS硬度は下記手順により測定することができる。
内径25.4mm、長さ304.8mmの鋼製ポットに、8mmの鋼球を10個入れ、更に、乾燥したアルデヒド除去用吸着材5gを入れ、密閉する。この鋼製ポットを測定器に取り付け、1分間に25回転の速度で40分間回転させる。その後試料を取り出し、鋼球を取り除いた後、50mesh篩で篩過する。篩上に残った試料の、最初に鋼製ポットに入れた試料に対する割合(単位:%)を算出し、MS硬度とする。
本発明のアルデヒド除去用吸着材は、粉末吸着材、芳香族アミノスルホン酸、結合剤及び滑剤を混練し、造粒し、硬化することによって製造することができる。従って、本発明はまた、粉末吸着材100質量部に対して、芳香族アミノスルホン酸10〜100質量部、結合剤10〜200質量部及び滑剤0.1〜10質量部を混練して混練品を得る混練工程と、混練品を造粒して予備成形品を得る造粒工程と、予備成形品を乾燥して硬化した成形品を得る硬化工程とを含む、本発明の吸着材の製造方法も提供する。
本発明の製造方法では、混練工程において、必要に応じて水を添加してもよい。水の添加量は粉末吸着材の種類や粒度によって異なるが、混練品を押出す際の容易な押出しと、良好な成形性とを実現するためには、粉末吸着材100質量部に対して、好ましくは80〜200質量部、より好ましくは100〜150質量部の水を添加する。
本発明の製造方法において使用される粉末吸着材、芳香族アミノスルホン酸、結合剤及び滑剤、並びにそれらの使用量は、本発明のアルデヒド除去用吸着材に関して先に記載したものと同様である。
本発明の混練工程では、例えば、工業的に使用される通常のミキサー、リボンミキサー、スタテイックミキサー、ボールミル、サンプルミル及びニーダーなどを使用することができるが、この限りではない。
粉末吸着材、芳香族アミノスルホン酸、結合剤及び滑剤、並びに場合により水を混練する時間は、好ましくは15分以内、より好ましくは10分以内である。本発明において、混練時間を上記所定の値以内とすることによって、硬度がより優れた吸着材を得ることができる。なお、混練時間の下限値は材料が十分混練される時間であればよく、混練時間は通常1分以上、好ましくは3分以上である。
混練終了後の混練品の温度は、好ましくは35℃以下、より好ましくは25℃以下、特に好ましくは15℃以下である。上記の温度を満たす方法としては、例えば、混練及び造粒機器の冷却、材料温度の調整などが挙げられる。混練終了後の混練品の温度を上記所定の値以下とすることによって、硬度がより優れた吸着材を得ることができる。なお、混練終了後の混練品の温度は、通常5℃以上、好ましくは10℃以上である。
混練終了後の混練品の温度は、通常、混練が終了した時点で測定される。その方法としては、通常、接触温度計測方法または非接触温度計測方法などが採用されるが、この限りではない。
混練終了時から次の造粒までの時間(静置時間)は、できる限り短い方がよく、好ましくは120分以内、より好ましくは60分以内、特に好ましくは5分以内である。混練終了直後に造粒を行ってもよい。静置時間を上記所定の値以内とすることによって、硬度がより優れた吸着材を得ることができる。
造粒工程では、混練品を、好ましくはリングダイスや油圧押出しにより、ペレット状に成形する。ペレットの寸法は、目的とする吸着材のサイズに応じて定めることができる。
硬化工程では、造粒工程で得られた予備成形品を乾燥機などで乾燥することにより、成形品が得られる。乾燥機として、例えば静置式恒温乾燥機などを使用することができるが、この限りではない。乾燥温度は、通常90〜150℃、好ましくは100〜130℃であり、乾燥時間は、通常2〜24時間、好ましくは3〜12時間である。乾燥温度を上記範囲とすることによって、芳香族アミノスルホン酸や結合剤の変質を防ぎつつも、十分な乾燥を実現でき、高いアルデヒド除去性能及びより優れた硬度を有する吸着材を得ることが可能となる。乾燥時間は、乾燥温度及び各種成分の配合割合などにより異なる。得られた成形品の粒度は、解砕機により、目的に応じて調整することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。なお、それぞれの実施例及び比較例で得られた吸着材の特性は、以下のようにして評価した。
摩耗率:
先に記載した手順で測定した。
MS硬度:
先に記載した手順で測定した。
アルデヒド除去性能:
容量3リットルのガロン瓶を準備し、各ガロン瓶に吸着材0.5gを投入した。その後、各ガロン瓶について、真空脱気し、マイクロシリンジを使用して濃度30質量%アセトアルデヒド水溶液を任意量注入し、60℃の乾燥機で気化させた。各ガロン瓶を25℃のインキュベーターに24時間静置し、株式会社アドバンテック製検知管を用いて、ガロン瓶内のアセトアルデヒドガスの濃度(平衡濃度)を測定し、吸着等温線を作成した。各吸着材から得た吸着等温線を用いて、平衡濃度10ppmでの吸着量を算出し、この値をアルデヒド除去性能(単位:質量%)とした。
実施例1
粉末活性炭として、ヤシ殻活性炭であるクラレケミカル株式会社製GW-H(比表面積1490m/g)をボールミル粉砕機(型番号:AN−3S、製造メーカー:愛知電機株式会社)にて中心粒径20〜50μmまで粉砕したものを使用した。この粉末活性炭100質量部にスルファニル酸30質量部及びCMC4質量部を添加し、混合した。この混合物に、結合剤としての日本ゼオン株式会社製Nipol LX851C(固形分45質量%)28質量部、及び水100質量部を添加し、5分以内に混練工程を終了した。混練終了後の混練品の温度は、20.4℃であった。混練終了時から造粒までの時間(静置時間)が5分以内となるよう、油圧押出し成形機(型番号:US−APP−50、製造メーカー:山本水圧株式会社)を用いて混練品を直径3mmのペレット状に造粒し、予備成形品を得た。続いて、予備成形品を、静置式恒温乾燥機(型番号:DO−450F、製造メーカー:井内衡機株式会社)にて120℃で4時間乾燥し、解砕機(型番号:P−3、製造メーカー:株式会社ダルトン)を用いて整粒することによって、吸着材を得た。
得られた吸着材の磨耗率は0.6%、MS硬度は89.7%であった。また、この吸着材のアルデヒド除去性能は9.23質量%であった。
実施例2
粉末活性炭として、石炭系活性炭であるクラレケミカル株式会社製2GK-H(比表面積1338m/g)を微粉砕機にて中心粒径20〜50μmまで粉砕したものを使用した。この粉末活性炭100質量部にスルファニル酸40質量部及びCMC5質量部を添加し、混合した。この混合品に、結合剤としての日本ゼオン株式会社製Nipol LX851C(固形分45質量%)45質量部、及び水120質量部を添加し、5分以内に混練工程を終了した。混練終了後の混練品の温度は、23.7℃であった。混練終了時から造粒までの時間(静置時間)が5分以内となるよう、実施例1と同様に吸着材を製造した。
得られた吸着材の磨耗率は0.7%、MS硬度は84.2%、アルデヒド除去性能は7.51質量%であった。
実施例3
混練終了後の混練品の温度を15.0℃とし、静置時間を120分とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は0.6%、MS硬度は94.6%、アルデヒド除去性能は7.51質量%であった。
実施例4
混練終了後の混練品の温度を20.0℃とし、静置時間を60分とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は0.7%、MS硬度は87.3%、アルデヒド除去性能は7.51質量%であった。
実施例5
混練終了後の混練品の温度を20.7℃とし、静置時間を120分とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は0.7%、MS硬度は62.5%、アルデヒド除去性能は7.51質量%であった。
実施例6
混練時間を15分とし、混練終了後の混練品の温度を24.0℃とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は0.8%、MS硬度は74.7%、アルデヒド除去性能は7.51質量%であった。
実施例7
芳香族アミノスルホン酸の量を30質量部とし、混練終了後の混練品の温度を14.3℃とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は0.5%、MS硬度は95.3%、アルデヒド除去性能は5.76質量%であった。
実施例8
芳香族アミノスルホン酸の量を50質量部とし、混練終了後の混練品の温度を16.0℃とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は0.6%、MS硬度は93.4%、アルデヒド除去性能は7.94質量%であった。
実施例9
芳香族アミノスルホン酸の量を60質量部とし、混練終了後の混練品の温度を16.0℃とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は0.6%、MS硬度は89.5%、アルデヒド除去性能は7.89質量%であった。
実施例10
芳香族アミノスルホン酸の量を80質量部とし、混練終了後の混練品の温度を12.6℃とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は0.4%、MS硬度は78.8%、アルデヒド除去性能は7.02質量%であった。
比較例1
混練終了後の混練品の温度を23.8℃とし、静置時間を180分とした以外は、実施例1と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は1.4%、MS硬度は66.2%、アルデヒド除去性能は9.23質量%であった。
比較例2
混練終了後の混練品の温度を37.0℃とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は1.2%、MS硬度は50.9%、アルデヒド除去性能は7.51質量%であった。
比較例3
混練終了後の混練品の温度を21.0℃とし、静置時間を180分とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は1.2%、MS硬度は45.4%、アルデヒド除去性能は7.51質量%であった。
比較例4
混練時間を25分とし、混練終了後の混練品の温度を23.0℃とした以外は、実施例2と同様に吸着材を製造した。得られた吸着材の磨耗率は1.2%、MS硬度は43.2%、アルデヒド除去性能は7.51質量%であった。
実施例1〜10及び比較例1〜4の結果を、以下の表にまとめる。
Figure 0006488142

本発明により、アルデヒド除去性能及び耐摩耗性に優れた吸着材を提供することができる。従って、本発明のアルデヒド除去用吸着材は、空気清浄機用フィルター、工業用フィルターなどに極めて有用に使用することができる。

Claims (9)

  1. 粉末吸着材、芳香族アミノスルホン酸、結合剤及び滑剤を含んでなり、0.9%以下の磨耗率を有するアルデヒド除去用吸着材であって、粉末吸着材は粉末活性炭である吸着材
  2. 60%以上のMS硬度(マイクロストレングス硬度)を有する、請求項1に記載の吸着材。
  3. 芳香族アミノスルホン酸は、スルファニル酸、メタニル酸及びオルタニル酸からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1又は2に記載の吸着材。
  4. 結合剤は自己架橋型アクリル酸エステル系共重合体水性エマルジョンである、請求項1〜のいずれかに記載の吸着材。
  5. 滑剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1〜のいずれかに記載の吸着材。
  6. 粉末吸着材100質量部に対して、芳香族アミノスルホン酸10〜100質量部、結合剤10〜200質量部及び滑剤0.1〜10質量部を混練して混練品を得る混練工程と、混練品を造粒して予備成形品を得る造粒工程と、予備成形品を乾燥して硬化した成形品を得る硬化工程とを含む、請求項1〜のいずれかに記載の吸着材の製造方法。
  7. 混練工程において混練時間は15分以内である、請求項に記載の製造方法。
  8. 混練終了後の混練品の温度は35℃以下である、請求項又はに記載の製造方法。
  9. 混練終了時から造粒までの時間は120分以内である、請求項のいずれかに記載の製造方法。
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