JP2020023420A - 活性炭および活性炭の製造方法、ならびに脱色方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱色用や、排水処理用に適した活性炭を提供する。特に、糖液やグルタミン酸、ブドウ糖の脱色用に適し、COD100ppm以上の排水処理にも適した活性炭を提供する。【解決手段】細孔直径10〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.030cm3/cm3以上で、かつ、細孔直径1〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.150cm3/cm3以上で、硬さが90%以上である活性炭。【選択図】 図1

Description

本発明は、活性炭および活性炭の製造方法に関する。また、活性炭を用いた脱色方法に関する。
活性炭は、細孔を有する多孔性の炭素質物質で,大きな比表面積と吸着能を持つ物質である。一般にヤシ殻、おがくず等の植物、石炭、石油、合成樹脂等を原料とし、これらを炭素化、賦活して製造する。賦活法には、ガス賦活法や薬品賦活法等がある。細孔量や比表面積が大きいことを利用して、脱臭や脱色、水質浄化、有害物質の吸着などに用いられている。
活性炭の特性は、活性炭の状態等によると考えられ、活性炭の特性を調整する方法が種々提案されている。例えば、特許文献1は、炭素質材料をガス賦活法により賦活して活性炭を製造するに当り、賦活工程より前の工程において炭素質材料に対し金属として0.001〜1重量%の鉄、コバルトまたはニッケルの金属塩の1種又は2種以上を添加することを特徴とする活性炭の製造方法を開示するものである。
特許文献2は、水酸化カリウムおよびその塩、および水酸化ナトリウムおよびその塩から選ばれる1種またはそれ以上の化合物約30重量%までを含む組成物を生成するように処理し、ついで炭化し、その後活性化した乾燥亜炭またはかっ炭を含む活性炭を開示するものである。
特許文献3は、細孔直径200〜1000nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.060cm3/cm3以上で、かつ細孔直径600〜1000nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.023cm3/cm3以上で硬度が94.0%以上の活性炭を開示するものである。
特開昭54−78395号公報 特表平7−508215号公報 特許第4704001号公報
製糖工程では、原糖が洗浄、溶解され、脱色工程を経て、濃縮、分離、乾燥等して製品化されている。日本の製糖業では、脱色のために動物の骨から作る骨炭が多用されてきた。しかし、ハラール(halal)のように宗教的な理由から食品の製造工程にも動物を利用することが避けられる場合がある。このような骨炭の代わりとして活性炭を利用することが検討され始めている。しかし、製糖の脱色に適した活性炭がどのようなものかの知見は十分ではない。脱色用として用いる場合、特許文献1〜3に開示されているような活性炭は十分なものではなかった。
係る状況下、本発明は、製糖工程などにおいて優れた脱色特性を示す活性炭、またその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 細孔直径10〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.030cm3/cm3以上で、かつ、
細孔直径1〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.150cm3/cm3以上で、硬さが90%以上である活性炭。
<2> カルシウム含有量が0.1〜3.0質量%、鉄含有量が0.1〜5.0質量%である前記<1>に記載の活性炭。
<3> 活性炭が脱色用の活性炭である前記<1>または<2>に記載の活性炭。
<4> 前記<1>〜<3>のいずれかに記載の活性炭を用いた脱色方法であって、前記活性炭を充填した脱色カラムに、糖液、グルタミン酸を含む液、およびブドウ糖を含む液のいずれかの液を通液し、前記液から着色成分を除去する脱色方法。
<5> 石炭系の第一の炭素質材料と、石炭系ピッチおよび/または石油系ピッチの第二の炭素質材料とを乾式混合粉砕し混合粉体とする混合粉砕工程であり、前記第二の炭素質材料が、カルシウム含有量が1質量%以上、および鉄含有量が3質量%以上の炭素質材料であり、前記混合粉体を加圧成型し加圧成型体とする成型工程と、前記加圧成型体を破砕し圧密粒体とする破砕工程と、前記圧密粒体を熱処理し熱処理粒体とする熱処理工程と、前記熱処理粒体を賦活することで活性炭を得る賦活化工程を有する、活性炭の製造方法。
<6> 前記第一の炭素質材料と、前記第二の炭素質材料との質量比の混合比率(第一の炭素質材料:第二の炭素質材料)が、99:1〜80:20である前記<5>に記載の活性炭の製造方法。
本発明の活性炭は、製糖工程の脱色などに適したものであり、優れた脱色性能を有する。また、本発明の製造方法によりこのような活性炭を製造することができる。
脱色有効細孔指数とカラム脱色率の相関関係を示すグラフである。 実施例1と比較例1にかかる活性炭の細孔容積分布の比較を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
[本発明の活性炭]
本発明の活性炭は、細孔直径10〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.030cm3/cm3以上で、かつ細孔直径1〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.150cm3/cm3以上であり、硬さが90%以上である。本発明の活性炭は、脱色性能に優れている。なお、本願において、詳しくは後述する本発明の活性炭の製造方法により本発明の活性炭を得ることもでき、本願においてそれぞれに対応する構成は相互に利用することができる。
本発明は、脱色に用いられる活性炭を検討するにあたって、複数の所定の領域に関して、所定の細孔容積を有する活性炭が有用であることを本発明者らが見出したことに基づく。本発明者らは、この細孔容積について、具体的には細孔直径10〜100nmの領域と、細孔直径1〜100nmの領域のそれぞれの領域の細孔容積が所定の範囲であることが重要であることを見出した。
[細孔容積]
細孔容積は、液体窒素を使用したガス吸着法で測定する事ができる。活性炭の細孔に凝集した窒素量と、その圧力(2Pa〜127kPa)の関係から活性炭重量当たりの細孔量を測定する。例えば、マイクロメトリック社製のASAP2420型、またそれと対応する仕様の装置を使用して測定することができる。活性炭の使用にあたっては、塔や槽に充填されて使用されるため容積基準の評価が重要であり、細孔容積は、JIS K1474;2014による充填密度に重量当たりの細孔容積を乗じて活性炭容積あたりの細孔容積を算出する。
[活性炭の充填密度]
活性炭容積あたりの細孔容積を算出するにあたって、活性炭の充填密度を求める。充填密度(g/mL)は、JIS K1474;2014の自動充填法に準拠して測定する。本発明の活性炭の充填密度は脱色性能を示す範囲で特に制限はない。通常、0.3〜0.7g/cm3程度であり、特に0.4〜0.6g/cm3程度である。
[細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積]
本発明の活性炭は、細孔直径10〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.030cm3/cm3以上である。細孔直径10〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積(「細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積」と略記する場合がある。)は、ガス吸着法により測定することができる。細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積が少なすぎる場合、脱色性能が低下する。
細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積は、0.035cm3/cm3以上が好ましく、0.038cm3/cm3以上がより好ましく、0.040cm3/cm3以上がより好ましく、0.041cm3/cm3以上がより好ましい。この値が大きいほど、より脱色性能が安定して向上する。
細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積は、活性炭として製造できる範囲で特に上限を定めなくてもよい。安定して製造できる範囲として、上限を設定してもよい。上限としては、0.10cm3/cm3以下としてもよく、0.080cm3/cm3以下や、0.060cm3/cm3以下としてもよい。
[細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積]
本発明の活性炭は、細孔直径1〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.150cm3/cm3以上である。細孔直径1〜100nmの領域における、活性炭充填容積あたり細孔容積(「細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積」と略記する場合がある。)は、ガス吸着法により測定することができる。細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積が少なすぎる場合、脱色性能やヨウ素吸着性能が低下する。
細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積は、0.160cm3/cm3以上が好ましく、0.170cm3/cm3以上がより好ましい。この値が大きいほど、より脱色性能やヨウ素吸着性能が安定して向上する。
細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積は、活性炭として製造できる範囲で特に上限を定めなくてもよい。安定して製造できる範囲として、上限を設定してもよい。上限としては、0.30cm3/cm3以下としてもよく、0.25cm3/cm3以下や、0.20cm3/cm3以下としてもよい。
[脱色有効細孔指数]
本願においては、細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積と、細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積とに基づく脱色有効細孔指数を脱色の指標として用いることができる。この脱色有効細孔指数は、以下の式から求められる。
脱色有効細孔指数=「細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積(cm3/cm3)」×「細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積(cm3/cm3)」
本発明者らは、図1に示すようにこの脱色有効細孔指数を指標とすると、カラム脱色率と相関性が高いことを見出した。
[カラム脱色率]
このカラム脱色率の測定には、温水を外側に循環出来るガラスカラムを使用し、脱色率測定用の原液は三温糖液のBRIX 60%品を使用した。温水循環で70℃に保持されたガラスカラムに活性炭を100mL充填して、カラム上部から糖液をsv=2(200mL/hr)で通液しカラム出口から出てくる糖液を回収して吸光度を測定する。このカラム脱色率は、所定期間使用後の脱色性能を求めるため、活性炭容積の10倍の糖液を通液した後に回収した糖液の、吸光度420nmと720nmの吸光度差を1,000倍して、原糖液の数値との色価比率をカラム脱色率とする。この色価はICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会の単位)で示されており、例えば、原液色価=800、通液後色価=300の場合、カラム脱色率=(800−300)/800×100=62.5%となる。
脱色有効細孔指数は、0.0045以上が好ましい。脱色有効細孔指数は、0.0050以上が好ましく、0.0060以上がより好ましく、0.0065以上がより好ましく、0.0070以上がより好ましい。脱色有効細孔指数は、特に上限を定めなくてもよいが、0.020以下や、0.015以下、0.012以下、0.010以下としてもよい。
[硬さ]
本発明の活性炭は、硬さが90%以上である。硬さが低すぎる場合、製造時や運搬時、使用時などに軽い衝撃や圧力などでも粉砕されやすく粉化する場合がある。硬さが90%以上であれば、このような粉化が生じにくく取り扱い性に優れている。硬さは92%以上がより好ましく、94%以上がさらに好ましい。硬さの上限は、限定されるものではないが、98%以下や、97%以下のように上限を設けてもよい。活性炭の硬さはJIS K1474;2014に準拠して測定される。
活性炭は、賦活処理をして、内部に無数の小さい孔を発達させた炭素である。原料物質を高温などで炭化し、賦活するものであり、賦活法としては、水蒸気等により微細孔を作り出すものや、薬品と混合して焼成後薬品を除くもの等により得られる。本発明の活性炭は前述したような所定の細孔を有しており、内部表面積は1000m2/gあるいはそれ以上となり、表面構造は主としてグラファイト様の炭素骨格から成っていると考えられている。活性炭は、例えば、原料炭と副原料とを適宜粉砕しながら混合して顆粒状とし、その後熱処理により酸化や炭化を行い、更に賦活化して最終的に篩分け等を行い得られる。
[カルシウム含有量(Ca)、鉄含有量(Fe)]
本発明の活性炭は、カルシウム(Ca)含有量が0.1〜3.0質量%であることが好ましい。また、本発明の活性炭は、鉄(Fe)含有量が、0.1〜5.0質量%であることが好ましい。このような含有量のCa、Feを含有することで、本発明の所定の細孔容積等を有する活性炭がより優れた脱色性能等を安定して発揮する。
活性炭のCa含有量の下限は、0.2質量%以上や、0.3質量%以上がより好ましい。また活性炭のCa含有量の上限は、2.0質量%以下や、1.5質量%以下がより好ましい。活性炭のFe含有量の下限は、0.3質量%以上や、0.5質量%以上がより好ましい。また、活性炭のFe含有量の上限は、4.0質量%以下や、3.0質量%以下がより好ましい。活性炭のCa含有量や、Fe含有量は、蛍光X線定量分析機能を備える分析装置等により測定することができる。
[本発明の活性炭の特徴]
従来の脱色用活性炭の特性として脱色性能を高くすると活性炭の基本特性であるヨウ素吸着量(JIS K−1474;2014)が低下するという欠点を有している。本発明の活性炭は、実施例にも示すようにヨウ素吸着量は低下せず脱色性能が高い活性炭を得ることができる。本発明の活性炭は、細孔分布の測定結果からも、一般の脱色用活性炭に対して、ミクロ孔(1〜5nm)とマクロ孔(10〜100nm)がいずれも大きい細孔容積を有した発達した細孔分布である。本発明の活性炭は、例えば、900mg/g以上のヨウ素吸着量を達成することができる。この吸着量は、1000mg/g以上や、1050mg/g以上とすることもできる。ヨウ素吸着量の上限は特に定めなくてもよい。細孔容積等を鑑みて、2000mg/g以下や、1800mg/g以下を上限とする場合もある。
[用途]
本発明の活性炭は、脱色用として用いることができる。また、本発明の活性炭は、排水処理用として用いることができる。特に、脱色用としては、糖液の脱色に適している。また、グルタミン酸やブドウ糖を含有する液などの脱色にも適している。また、排水処理用としてはCOD(化学的酸素要求量)が100ppm以上のような高COD排水処理用に適している。また、脱色用途以外にも、水道水で問題となる、発がん性の有るトリハロメタンの前駆体であるフミン質の除去や、各種の排水処理で、負荷変動や成分変動が有る場合にも、細孔分布・細孔量が優れている為に、吸着処理の対応も可能である。
[本発明の活性炭の製造方法]
本発明の活性炭の製造方法は、石炭系の第一の炭素質材料と、石炭系ピッチおよび/または石油系ピッチの第二の炭素質材料とを乾式混合粉砕し混合粉体とする混合粉砕工程であり、前記第二の炭素質材料が、カルシウム含有量が1%以上、および鉄含有量が3%以上の炭素質材料であり、前記混合粉体を加圧成型し加圧成型体とする成型工程と、前記加圧成型体を破砕し圧密粒体とする破砕工程と、前記圧密粒体を熱処理し熱処理粒体とする熱処理工程と、前記熱処理された混合粉体を賦活することで活性炭を得る賦活化工程を有する。本発明の活性炭の製造方法は、前述した本発明の活性炭を効率的に得る好適な方法である。本発明の活性炭の製造方法で製造される活性炭は、脱色性能に優れている。
[混合工程]
本発明の活性炭の製造方法は、石炭系の第一の炭素質材料と、石炭系ピッチおよび/または石油系ピッチの第二の炭素質材料とを乾式混合粉砕し混合粉体とする混合粉砕工程を有する。
この混合粉砕工程においては、第二の炭素質材料が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を有し、カルシウム含有量が1%以上、および鉄含有量が3%以上の炭素質材料である。
[第一の炭素質材料]
本発明の活性炭の製造方法は、原料として、石炭系の第一の炭素質材料を用いる。石炭系の炭素質材料を用いることで、製造される活性炭の硬さが高いものとしやすい。また、原料自体の品質のばらつきが少なく、安価に入手できる点でも好ましい。また、本発明に求められる所定の細孔直径の領域の細孔容積を満足する活性炭の製造に適している。本発明に使用される、石炭系の炭素質材料は、石炭化度では瀝青炭に属する高揮発分の石炭が好ましい。具体的には、揮発分30〜50質量%の瀝青炭が好ましい。より好ましくは揮発分35〜40質量%の瀝青炭である。揮発分は、JIS M8812;2004の石炭類及びコークス類−工業分析方法により測定することができる。
[第二の炭素質材料]
本発明の活性炭の製造方法は、副原料として、石炭系ピッチおよび/または石油系ピッチの第二の炭素質材料を用いる。この第二の炭素質材料は、石炭の乾留によって得られたタール、あるいは石油の熱分解によって得られた残油などを蒸留してつくられ、常温では固体の炭素物質である。より具体的には、石炭系ピッチは、石炭の乾留時に発生するタールを蒸留する事によって得られたタールピッチや、石炭液化時に精製した後の残渣物質で、炭化水素化合物やチャーなどの混合物で常温では固体の炭素物質である。石油系ピッチは、石油精製の際に最後に残留する黒色の固体アスファルトをさらに加熱して得る芳香族性の成分が高分子化したもので、常温では固体の炭素質物質である。
この第二の炭素質材料は、カルシウム(Ca)含有量が1質量%以上、および鉄(Fe)含有量が3質量%以上の炭素質材料である。本発明においては、このようなカルシウム、鉄含有量の石炭系ピッチおよび/または石油系ピッチの第二の炭素質材料を選択して用いる。これらのカルシウム、鉄は、ピッチの状態で初めから含む量でもよいし、成分が不足している場合、添加してこの量となるように調製して用いてもよい。
本発明の活性炭の製造方法においては、混合粉砕時に第二の炭素質材料の組織中にカルシウムや、鉄が含まれていることで、これらの成分が、活性炭の原料全体に均質かつ高分散に分布すると考えられる。このため、活性炭の製造工程で賦活する際などに金属成分等を分散させる手法と比較し、細孔形成の局在化が起こりにくく均質で、広い細孔径の分布を有する細孔が形成されるため、本発明の活性炭に適した細孔分布と細孔容積が得られると考えられる。
[カルシウム]
第二の炭素質材料は、カルシウム含有量が1質量%以上である。カルシウム含有量がこのような量となることで、マクロ孔(10〜100nm)が発達すると考えられる。カルシウムは、第二の炭素質材料において、酸化物であるCaOとして含有されていることが多いため、このCaOのおけるCa相当量として換算してCa含有量は求められる。Ca含有量は、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。Ca含有量の上限は特に定めなくてもよいが、炭素質材料として機能するための他の成分との量比などを考慮して、20質量%以下や、15質量%以下、12質量%以下のような上限を設けてもよい。
[鉄]
第二の炭素質材料は鉄含有量が3質量%以上の炭素質材料である。鉄含有量がこのような量となることで、細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積と、細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積が発達すると考えられる。第二の炭素質材料において、鉄は、主に酸化物であるFe23として含有されていることが多いため、このFe23におけるFe相当量として換算してFe含有量は求められる。Fe含有量は、3質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。Fe含有量の上限は特に定めなくてもよいが、炭素質材料として機能するための他の成分との量比などを考慮して、20質量%以下や、18質量%以下、15質量%以下のような上限を設けてもよい。
[アルカリ金属/アルカリ土類金属]
第二の炭素質材料は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有するものであってもよい。アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウムなどを挙げることができる。
本発明の活性炭の製造方法においては、第二の炭素質材料の組織中にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が含まれていることで、賦活時に金属化合物を添加する方法と比較して、細孔形成の局在化が起こりにくく均質な細孔形成され、より細孔分布・細孔容積の適切化に効果が有る。また、硬さ向上にも均質性が寄与すると考えられる。
[混合粉砕]
本発明の活性炭の製造方法は、第一の炭素質材料と、第二の炭素質材料とを乾式混合粉砕し混合粉体とする混合粉砕工程を有する。乾式混合粉砕は、両炭素質材料が分散されるように混合粉砕できれば特に制限はないが、ボールミル、ロッドミル、ニーダー、あるいは高速ミキサーなどにより実施することができる。この混合粉砕工程は、粗砕と、微粉砕のように、粉砕する大きさ等を分け、段階的に複数回行ってもよい。なお、混合粉砕工程においては、第一の炭素質材料と、第二の炭素質材料のほかに、適宜、他の成分が含有されていてもよい。
[混合比率]
混合粉砕工程において、石炭系の第一の炭素質材料を主原料とし、石炭系ピッチや石油系ピッチの第二の炭素質材料を副原料として混合することが好ましい。この主原料とは、混合粉砕工程において、その質量比率が最も多いものをいう。主原料は少なくとも混合粉体の原料として50質量%以上用いることが好ましい。また、副原料とは、混合粉砕工程に用いる原料であり、主原料よりも含有量が少ないものである。副原料は混合粉体の原料として0.05質量%以上用いることが好ましい。
第一の炭素質材料と、第二の炭素質材料との質量比の混合比率(第一の炭素質材料:第二の炭素質材料)は、99:1〜80:20であることが好ましい。このような比率で混合した混合粉体を用いて、活性炭を製造することで、より細孔容積の分布が好ましく脱色性能等に優れた活性炭を安定して製造することができる。第一の炭素質材料:第二の炭素質材料は、第二の炭素質材料が少ないほうとして、98:2〜がより好ましく、98:3〜がさらに好ましい。第一の炭素質材料:第二の炭素質材料は、第一の炭素質材料が少ないほうとして、〜85:15がより好ましく、〜90:10がさらに好ましい。
[成型工程]
本発明の活性炭の製造方法は、混合粉砕工程で前記混合粉体を加圧成型する成型工程を有する。加圧成型は、後述する熱処理等を行う前に、第一の炭素質材料や第二の炭素質材料を含む混合粉体を加圧することで一体化させてより均質性を向上させ、また密度を上げることで硬さを向上させるものである。
加圧成型するための装置は、特に限定されず、例えばロールプレス式、ディスク型ペレッター式、リング型ペレッター式、押し出し式などの成型装置が使用可能である。
また、加圧成型を行うときの圧力や成型物の形状も特に限定されず、角柱状や、円柱状、円筒状、ペレット状、球状、シート状などとすることができる。また、大きさも特に限定されず、様々な成型が可能であり、活性炭として成型するために行う粉砕を行いやすい大きさとすることができる。成型工程では、活性炭の強度を保持する為に、混合粉体を成型圧100kg/cm2以上や、線圧1ton/cm以上の圧力で加圧する事により成型物を得る事が望ましい。
[破砕工程]
本発明の活性炭の製造方法は、成型工程で加圧成型された加圧成型体を破砕機で破砕し圧密粒体とする破砕工程を有する。この工程は、活性炭としての用途に適した粒度分布・粒径とするため、および活性炭を得るための酸化・炭化・賦活化のために行う。この圧密粒体とは加圧成型を経て第1の炭素質材料や第2の炭素質材料が混合一体化され緻密なものとなり、さらに顆粒状や粉体上のような活性炭の用途に応じた粒子径に合わせて、その大きさが調整されたものをいう。
破砕工程は、例えば混合粉砕工程にも用いたボールミル、ロッドミルや、ピンミル、ハンマーミル、高速ミキサーなどにより行うことができる。また、加圧成型工程における加圧成型に合わせて速やかに破砕するものであってもよい。
圧密粒体は、熱処理工程や賦活化工程に適した篩分けを行ってもよい。篩分けする大きさは、活性炭の用途に応じて選択することができる。なお、圧密粒体は加圧成型等により硬さが優れていることから、この後工程において、さらなる粉砕等を行わない場合、実質的にこの圧密粒体の大きさとほぼ同等の粒径の活性炭が得られる。活性炭としての平均粒径は、例えば0.1〜30mm程度、好ましくは0.3〜10mm程度、より好ましくは0.5〜5mm程度に整粒することが好ましい。
[熱処理工程]
本発明の活性炭の製造方法は、破砕工程で破砕された圧密粒体を熱処理し熱処理粒体とする熱処理工程を有する。破砕された圧密粒体は、熱処理に付される。熱処理は、圧密粒体を炭化させるために行われる。熱処理され、炭化されたものが熱処理粒体である。熱処理工程は、例えば、最終的に還元ガス雰囲気下で450〜750℃まで加熱することで炭化まで行うことができる。熱処理は、ロータリーキルン、多段式炉、流動炉、縦型スリーブ炉等により行うことができる。
脱色性能や硬さなどの取扱性等に優れた活性炭を得るために、熱処理工程は、酸化と炭化の二段階以上の段階的な熱処理としてもよい。
例えば、酸化は、常温から、200〜400℃の所定の温度まで、酸化ガス雰囲気下で昇温速度5〜30℃/分で昇温することで積極的に酸化させるものである。酸化ガスとしては、例えば、酸素(O2)、水蒸気(H2O)、炭酸ガス(CO2)、燃焼ガスなどがあげられる。酸素を含む空気を酸化ガスとして用いてもよい。この酸化の熱処理は、熱処理する圧密粒体の量や、熱処理装置の仕様等に応じて、適宜、200〜400℃の所定の温度で数十分〜数時間程度維持してもよい。
また、酸化後の炭化の熱処理においては、さらに、酸化の熱処理で酸化した圧密粒体を、450〜750℃の所定の温度まで、低酸素濃度の燃焼ガスや、還元ガス雰囲気下で2〜30℃/分の昇温速度で昇温するのが好ましい。還元ガスとしては、例えば、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、炭化水素ガス(CH4、C38、C410など)を用いることができる。この炭化の熱処理は、熱処理する圧密粒体の量や、熱処理装置の仕様等に応じて、適宜、450〜750℃の所定の温度で数十分〜数時間程度維持してもよい。
[賦活工程]
本発明の製造方法は、熱処理された熱処理粒体を賦活することで活性炭を得る賦活化工程を有する。賦活は、ガス賦活や、薬品賦活などを行うことができる。ガス賦活は、水蒸気、二酸化炭素、空気、これらの混合ガス等の酸化性ガスの雰囲気下で、熱処理体を加熱するものであり、750〜1100℃程度の温度で行なわれる。薬品賦活は、塩化亜鉛、リン酸、塩化カルシウム、硫化カリウムなどの薬剤の存在下で、熱処理粒体を加熱するものであり、400〜800℃程度の温度で行われる。ガス賦活は、水蒸気,二酸化炭素,酸素,またはそれらの混合ガスが用いられ、熱処理粒体を加熱するものであり、800〜1100℃程度で行われる。賦活を行う時間や処理量は、脱色能力等に応じて適宜設定することができる。賦活をする事で、活性炭の表面と内面が、より吸着性能の優れたものとなる。
賦活工程後に、適宜、解砕篩分けや篩分けのみを行ってもよいし、さらに表面処理や、活性炭はアルカリ性の為、pH調整等を行ってもよい。
pH調整は、賦活後、活性炭は希塩酸などで酸水洗することで行うことができ、活性炭のpHを、5.0以上8.0以下に調整してもよい。ここで活性炭のpHとは、JIS K1474;2014に準拠して測定されたpHである。
また、活性炭は用途に応じて、表面を化学修飾する、表面に物理的に機能性物質を担持させるなどの後処理を施しても良い。このような表面修飾の例としては、銀、鉄などの金属の塩や酸化物、鉱酸を添着する他、表面を酸性にする空気酸化処理なども挙げられる。
[本発明の脱色方法]
本発明の脱色方法は、前述した本発明の活性炭を用いた脱色方法であって、本発明の活性炭を充填した脱色用の塔や槽(脱色用カラム)に、糖液、グルタミン酸を含む液、およびブドウ糖を含む液のいずれかの液を通液し、前記液から着色成分を除去するものとすることができる。
本発明の活性炭は、脱色や、排水処理などに用いることができる。活性炭を脱色用に使用する場合、従来の脱色用の活性炭と同様に用いることができる。例えば、活性炭を塔や槽などの脱色用として用いる容器に充填し、バッチ式又は連続式で実施される。連続式で行う場合は向流方式や並流方式などで実施される。
本発明の活性炭は、例えば、パルスベッド式脱色処理設備での糖液中に残存する色素成分を効率的に除去するために用いられる。また、グルタミン酸の脱色にも適している。脱色性能が低下した活性炭は再生処理を施して再生され、再使用することができる。
また、活性炭を排水処理用に使用する場合、従来の排水処理用の活性炭と同様に用いることができる。例えば活性炭を充填塔などの容器に充填し、バッチ式または連続式で処理される。連続式で行う場合は向流方式や並流方式などで実施される。本発明の活性炭は、排水中の広範な成分の吸着に適している。特に、COD100ppm以上のようなCODが高い排水の処理も十分に行うことができる。また、水道水の原水中で、発がん性の有る前駆体であるフミン質の除去や原水中の負荷変動や成分変動が有る場合にも有効な活性炭の細孔分布・細孔容積により適している。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[評価項目]
[細孔直径10〜100nmの領域の細孔容積、細孔直径1〜100nmの領域の細孔容積]
細孔容積は、液体窒素を使用したガス吸着法で測定する事ができる。活性炭の細孔に凝集した窒素量と、その圧力(2Pa〜127kPa)の関係から活性炭重量当たりの細孔量を測定した。測定装置は、マイクロメトリック社製のASAP2420型を用いて測定した。この測定結果から、所定の領域の細孔容積等を適宜求めた。
[活性炭の充填密度]
JIS K1474;2014の活性炭の充填密度の測定方法に則って測定した。測定は、自動充填法で測定した。
[硬さ]
JIS K1474;2014の活性炭の硬さの測定方法に則って測定した。
[ヨウ素吸着量(IA)]
JIS K1474;2014の活性炭のヨウ素吸着量の測定方法に則って測定した。
[脱色性能(カラム脱色率)]
カラム脱色率の測定は、温水を外側に循環出来るガラスカラムを使用し、脱色率測定用の原液は三温糖液のBRIX 60%品を使用しておこなった。温水循環で70℃に保持されたガラスカラムに活性炭を100mL充填して、上部から糖液をsv=2(200mL/hr)で通液しカラム出口から出てくる糖液を回収して吸光度を測定した。このカラム脱色率は、所定期間使用後の脱色性能を求めるため、活性炭容積の10倍の糖液を通液した後に回収した糖液の、吸光度420nmと720nmの吸光度差を1,000倍して、原糖液の数値との色価比率をカラム脱色率とした。この色価はICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会の単位)で示されており、例えば、原液色価=800、通液後色価=300の場合、カラム脱色率=(800−300)/800×100=62.5%となる。
[実施例1]
(1)第一の炭素質材料(1)として灰分2.0%、揮発分39%の瀝青炭を使用した。第二の炭素質材料(2)として、灰分15質量%で、Caとして2質量%、Feとして3質量%を含有する石炭系ピッチを使用した。
炭素質材料(1)と炭素質材料(2)を混合比として、炭素質材料(1)を95質量%、炭素質材料(2)を5質量%を定量供給機(CFW)で配合し、リングローラーミルで325メッシュ通過50%まで微粉砕を実施した。
この微粉炭を、3ton/cmの線圧で、ロールコンパクターでブリケット状に圧密成型し、ロールクラッシャーにて、0.1mm〜6.0mm(平均粒径3mm)の粒度範囲になるように解砕した。解砕後に、振動式の篩分け機にて、篩下と篩上を分離して、所定の粒度になるように調整した。
(2)この顆粒炭を、外熱式ロータリーキルンに投入し、内部温度200〜250℃の温度で、酸素濃度15%の酸素雰囲気で60分間、酸化処理を実施した。その後、外熱式ロータリーキルンに酸化処理後の顆粒炭を投入し、最高温度500℃の酸素濃度1%以下の雰囲気で炭化処理を実施した。
(3)炭化処理された顆粒炭は、内部温度950℃の内熱式ロータリーキルンに入れ、水蒸気濃度50%で賦活を進め、充填密度0.520g/mLの活性炭を製造した。
(4)この活性炭を塩酸濃度0.3%の水道水で洗浄して、JIS K1474;2014に準拠したpH測定値で、7.0に調整し、115℃で乾燥後、評価用の試料(実施例1の活性炭)とした。
(5)評価としては、JIS K1474;2014に準拠した充填密度、細孔直径10〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積(10−100nmの細孔容積)、細孔直径1〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積(1−100nmの細孔容積)、カラム脱色率、ヨウ素吸着量、硬さを測定した。これらの評価結果を、表1に示す。また、実施例1の活性炭の細孔容積を表2に示す。
(6)表1から明らかなように、実施例1の活性炭は、全ての項目で脱色用活性炭として優れており、ヨウ素吸着量(JWWA A114規格:900mg/g以上)及び硬さ(JWWA A114規格:90%以上)は、JWWA A114の規格を大きく凌駕している。
[実施例2]
実施例1において、炭素質材料(1)97質量%、炭素質材料(2)3質量%の混合比とする以外は実施例1と同様にして、実施例2の活性炭を得た。
[実施例3]
実施例1において、炭素質材料(1)の瀝青炭に代え、灰分4%、揮発分36%の瀝青炭を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例3の活性炭を得た。
[実施例4]
実施例1において、炭素質材料(2)の石炭系ピッチに代え、灰分、Ca、Feを実施例1の炭素質材料(2)と同等に調製した石油系ピッチとする以外は実施例1と同様にして、実施例4の活性炭を得た。
[比較例1]
(1)炭素質材料(2)を用いずに、炭素質材料(1)の灰分2.0%、揮発分39%の瀝青炭のみをリングローラーミルで325メッシュ通過50%まで微粉砕を実施した。この微粉炭を、3ton/cmの線圧で、ロールコンパクターでブリケット状に圧密成型し、ロールクラッシャーにて、0.1mm〜6.0mm(平均粒径3mm)の粒度範囲になるように解砕した。解砕後に、振動式の篩分け機にて、篩下と篩上を分離して、所定の粒度になるように調整した。
(2)この顆粒炭を、外熱式ロータリーキルンに投入し、内部温度200〜250℃の温度で、酸素濃度15%の酸素雰囲気で60分間、酸化処理を実施した。その後、外熱式ロータリーキルンに酸化処理後の顆粒炭を投入し、最高温度500℃の酸素濃度1%以下の雰囲気で炭化処理を実施した。
(3)炭化処理された顆粒炭は、内部温度950℃の内熱式ロータリーキルンに入れ、水蒸気濃度50%で賦活を進め、充填密度0.520g/mLの活性炭を製造した。
(4)この活性炭を塩酸濃度0.3%の水道水で洗浄して、JIS K1474;2014に準拠したpH測定値で、7.0に調整し、115℃で乾燥後、評価用の試料(比較例1の活性炭)とした。
(5)実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に合わせて示す。また、実施例1と比較例1の細孔容積を比較するグラフを図2に示す。
実施例1〜4と比較して10〜100nm及び1〜100nmの細孔容積量が少なく、カラム試験脱色性能も大きく劣っている。
[比較例2]
炭素材料2の配合比率を、0.5%にした以外は実施例1と同様にして活性炭を得た。この製造条件では、10〜100nmの細孔量が特に少なく、カラム脱色性能・硬さも劣ったものとなった。
[比較例3]
市販されている、糖液脱色用活性炭を比較例3として評価した。脱色有効細孔指数が低く、カラム試験の脱色率・ヨウ素吸着量も実施例に比較して劣っていることが明らかである。
本発明の活性炭は、脱色用や排水処理用に用いることができ、産業上有用である。また、本発明の活性炭の製造方法はこのような活性炭を好適に製造する方法である。

Claims (6)

  1. 細孔直径10〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.030cm3/cm3以上で、かつ、
    細孔直径1〜100nmの領域における活性炭充填容積あたり細孔容積が0.150cm3/cm3以上で、硬さが90%以上である活性炭。
  2. カルシウム含有量が0.1〜3.0質量%、鉄含有量が0.1〜5.0質量%である請求項1記載の活性炭。
  3. 活性炭が脱色用の活性炭である請求項1または2に記載の活性炭。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の活性炭を用いた脱色方法であって、前記活性炭を充填した脱色カラムに、糖液、グルタミン酸を含む液、およびブドウ糖を含む液のいずれかの液を通液し、前記液から着色成分を除去する脱色方法。
  5. 石炭系の第一の炭素質材料と、石炭系ピッチおよび/または石油系ピッチの第二の炭素質材料とを乾式混合粉砕し混合粉体とする混合粉砕工程であり、前記第二の炭素質材料が、カルシウム含有量が1質量%以上、および鉄含有量が3質量%以上の炭素質材料であり、
    前記混合粉体を加圧成型し加圧成型体とする成型工程と、
    前記加圧成型体を破砕し圧密粒体とする破砕工程と、
    前記圧密粒体を熱処理し熱処理粒体とする熱処理工程と、
    前記熱処理粒体を賦活することで活性炭を得る賦活化工程を有する、活性炭の製造方法。
  6. 前記第一の炭素質材料と、前記第二の炭素質材料との質量比の混合比率(第一の炭素質材料:第二の炭素質材料)が、99:1〜80:20である請求項5に記載の活性炭の製造方法。
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