以下,本発明の好ましい実施の形態を,基板の一例としてのウェハ(シリコンウェハ)に対して洗浄処理を行う処理システムに基づいて説明する。図1は,本実施の形態にかかる処理システム1の平面図であり,図2はその側面図である。図3は,後述する処理部3のX−Z面(略鉛直面)に沿った縦断面図である。図1及び図2に示すように,処理システム1は,外部から処理システム1に対してキャリアCを搬入出するための搬入出部2と,ウェハWに洗浄処理を施す処理部3とを備えている。
搬入出部2は,複数枚,例えば25枚のウェハWを収納可能な収納容器であるキャリアCを載置する収納容器載置部としてのキャリア載置部(イン・アウトポート)10,及び,キャリア載置部10と処理部3との間に設けられた基板搬送部12を備えている。キャリア載置部10,基板搬送部12,処理部3は,X軸方向(略水平方向)においてこの順に並ぶように設けられている。キャリア載置部10と基板搬送部12とは,Y−Z面に沿って立設された境界壁部15によって仕切られている。
ウェハWは例えば略円形をなし,所定の厚みを有する薄い平板状をなしており,表面(片面)に半導体デバイスが形成されるようになっている。
図4に示すように,キャリアCは,一側面が開口20となっており,ウェハWはこの開口20を通してキャリアC内から取り出され,また,キャリアC内に収納されるようになっている。また,開口20を開閉する蓋体21が設けられている。キャリアCの内壁には,ウェハWの周縁部を保持するためのスロット22が,複数個,例えば25個設けられている。ウェハWは例えば表面が上面となっている状態で,各スロット22に一枚ずつ収容される。これにより,キャリアC内には,25枚までの複数枚のウェハWを,互いに略平行な姿勢で,所定の間隔を空けて並列に,上下に並べた状態で収納できるようになっている。
図1及び図2に示すように,キャリア載置部10には,所定数,例えば3個までのキャリアCをY軸方向(X軸方向に対して略垂直な略水平方向)に一列に並べて載置可能なキャリア載置台25が設けられている。また,境界壁部15には,各キャリアCの載置場所に対応する位置に,それぞれゲート26が設けられている。さらに,ゲート26を基板搬送部12側から閉塞するシャッター27が,各ゲート26に対してそれぞれ設けられている。なお,図示はしないが,各シャッター27には,キャリアCの蓋体21のロック状態とアンロック状態とを切り換える蓋体開閉機構が内蔵されており,この蓋体開閉機構によって蓋体21を保持してシャッター27と共に移動させることで,ゲート26の開閉と同時に開口20も開閉できるように構成されている。シャッター27,蓋体開閉機構の動作は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号によって制御される。
図1及び図2に示すように,基板搬送部12内には,ウェハWを搬送する第一の基板搬送装置(本実施形態では収納容器用基板搬送装置)としてのウェハ搬送装置(CRA)30が配設されている。また,基板処理装置12の天井部には,基板搬送部12内に例えば空気,窒素ガス等の不活性ガス等の清浄な気流をダウンフローするFFU(ファンフィルターユニット)31が配設されている。また,図示はしないが,基板搬送部12の底部には,基板搬送部12内を排気する排気路が設けられている。
ウェハ搬送装置30は,軸方向をZ軸方向に向けて設けられたロッド32,ロッド32の下端部を支持してロッド32をY軸方向及びZ軸方向に沿って移動させる移動手段33,ロッド32の上端部によって支持された基台34,一枚のウェハWを略水平な姿勢で保持可能な搬送アーム35,及び,搬送アーム35に保持されたウェハWの縁部に沿って備えられる補助部材36A,36Bを備えている。
基台34は,モータ43を介してロッド32の上端部に取り付けられており,ロッド32の移動に伴って,Y軸方向及びZ軸方向に沿って移動でき,また,モータ43の駆動によって,X―Y平面(水平面)内で(θ方向に)回転することができる。
図5及び図6に示すように,搬送アーム35は,基台34上に支持されており,略水平に備えられた略平板状のアーム本体35aを有している。搬送アーム35の先端部(前縁部)の上面には,先端部材35bが設けられている。先端部材35bの後面(アーム本体35aの基端部側に向いた面)は,例えばウェハWの周縁部に沿うように円弧状に湾曲した形状になっており,さらに,この後面に沿って,先端部材35bよりも低く形成された段部35cが設けられている。一方,アーム本体35aの基端部(後縁部)の上面側には,基端部材35dが設けられており,この基端部材35dの前面(アーム本体35aの先端部側に向いた面)側に沿って,基端部材35dより低く形成された段部35eが設けられている。かかる構成により,ウェハWは,下面周縁部においてウェハWの中央部WCを中心として対向する前後2箇所の部分が各段部35c上,段部35e上にそれぞれ載せられ,かつ,周縁部が先端部材35bの後面と基端部材35dの前面との間に挟まれた状態で,アーム本体35aの上方に保持されるようになっている。
この搬送アーム35は,前述した基台34の移動に伴って,Y軸方向及びZ軸方向に移動可能,θ方向に回転可能になっている。さらに,基台34及び補助部材36A,36Bに対して相対的に,アーム本体35aの長手方向に沿って略水平方向にスライド(直進移動)できるように構成されている。即ち,搬送アーム35は,前述したキャリア載置台25に載置された総てのキャリアCに対して,また,各キャリアCに設けられた任意の高さのスロット22に対して,ゲート26,開口20を介してアクセスすることができ,また,後述する処理部3に設けられたウェハ受け渡しユニット111に,搬入出口131を介してアクセスすることができ,後述するウェハ受け渡しユニット112には,搬入出口161を介してアクセスすることができる。これにより,ウェハ搬送装置30は,キャリアCに対してウェハWの搬入出を行うことができ,さらに,ウェハWをキャリア載置部10から処理部3へ,また,処理部3からキャリア載置部10へと搬送することができるようになっている。
補助部材36A,36Bは,搬送アーム35が基台34の真上(後退位置)に位置する状態において,基端部材35dの両側に配置されるようにそれぞれ備えられている。また,搬送アーム35の両側部に対してそれぞれ近接及び離隔する向きにスライドできるように,基台34に対してそれぞれ移動可能に支持されている。即ち,ウェハWを保持した搬送アーム35が基台34上に位置するときに,補助部材36A,36Bをそれぞれ内側に移動させると,補助部材36A,36BによってウェハWの周縁部を挟んで保持できるようになっている。
上述のような構成を有するウェハ搬送装置30の動作,即ち,移動手段33,ロッド32,モータ43,搬送アーム35等の駆動は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号に基づいて制御されるようになっている。
次に,処理部3の構成について説明する。図1に示すように,処理部3には,第二の基板搬送装置(本実施形態においては,処理部用基板搬送装置)としての主ウェハ搬送装置(PRA)71が,平面視において処理部3のほぼ中央部に配置されており,さらに,受け渡しユニット群72,洗浄ユニット群73,加熱・冷却ユニット群74,及び,制御・ユーティリティユニット群75が,主ウェハ搬送装置71の周りを囲むようにして設けられている。また,処理部3の天井部には,処理部3内に清浄な気流をダウンフローするFFU76が配設されている(図2参照)。
先ず,主ウェハ搬送装置71について説明する。図7に示すように,主ウェハ搬送装置71は,軸方向をZ軸方向に向けて備えられた略筒状のケース80,ケース80に沿ってZ軸方向に昇降可能な基台81,一枚のウェハWをそれぞれ略水平な姿勢で保持可能な複数本,例えば2本の搬送アーム82A,82Bを備えている。
ケース80の側壁には,開口部80aが形成されている。また,ケース80は,ケース80の下方に設置されているモータ85の駆動により,Z軸方向に向けられたケース80の中心軸を中心としてθ方向に回転できるようになっている。
図3に示すように,ケース80の側部には,基台81を昇降させる基台昇降機構86が備えられている。基台昇降機構86は,ケース80の内面に設けられたガイド溝91,ケース80の底部に設けられたモータ92,ケース80の側壁内においてケース80の底部側に設けられた駆動プーリ93,ケース80の側壁内においてケース80の天井部側に設けられた従動プーリ94,及び,駆動プーリ93と従動プーリ94とに巻回され上下方向に沿って架け渡されるように設けられた駆動ベルト95とを備えている。基台81は,先端部(前端部)を開口部80a側に向けた状態で,ケース80内に備えられ,また,駆動ベルト95に接続されている。即ち,モータ92の駆動により駆動プーリ93を回転させると,駆動ベルト95が駆動プーリ93と従動プーリ94との間で上下方向に周動し,この駆動ベルト95の周動に伴って,基台81が開口部80aに沿ってZ軸方向に上下移動するように構成されている。
図7に示すように,搬送アーム82Aは,基台81の上方に設けられており,2本のアーム本体101,102と,各アーム本体101,102の基端部側を支持する支持体103と有している。各アーム本体101,102は,例えば平面視においてウェハWの周縁部に沿うように略円弧状に湾曲しており,また,互いに対称な形状になっている。側面視においては,各アーム本体101,102は平板状に形成されており,かつ,互いに同じ高さにおいて略水平に配置されている。また,搬送アーム82Aの上面には,ウェハWの下面に当接させるための突起105が,複数箇所に設けられている。この複数の突起105の上面にウェハWの周縁部が載せられることにより,ウェハWが略水平に保持されるようになっている。
かかる搬送アーム82Aは,前述した基台81の移動に伴って,Z軸方向に移動可能,θ方向に回転可能になっている。さらに,基台81に対して相対的に略水平方向にスライドできるように,即ち,開口部80aを通じて前進及び後退できるように構成されている。従って,搬送アーム82Aは,主ウェハ搬送装置71の周囲に設けられている受け渡しユニット群72,洗浄ユニット群73,加熱・冷却ユニット群74等に対してアクセスすることができるようになっている。これにより,主ウェハ搬送装置71は,ウェハWを各装置に対して搬入出させ,また,各装置間で搬送できるようになっている。
搬送アーム82Bは,搬送アーム82Aの上方に設けられている。この搬送アーム82Bは搬送アーム82Aとほぼ同様の構成を有しており,詳細な説明は重複するため省略することとする。なお,搬送アーム82A,82Bは,基台81に対してはそれぞれ個別にスライドできるように構成されている。
かかる主ウェハ搬送装置71の動作,即ち,モータ85,モータ92,搬送アーム82A,82B等の駆動は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号によって制御される。
次に,受け渡しユニット群72について説明する。図8,図9,図10は,それぞれ受け渡しユニット群72の側面図,正面図(基板搬送部12側からみた図),背面図(主ウェハ搬送装置71側からみた図)である。図8,図9,図10に示すように,受け渡しユニット群72には,2台のウェハ受け渡しユニット(TRS),即ち,ウェハ搬送装置30と主ウェハ搬送装置71との間でウェハWの受け渡しが行われる第一の受け渡し部を構成するウェハ受け渡しユニット111,及び,第二のウェハ受け渡しユニット112が備えられている。ウェハ受け渡しユニット111,112は,搬入出部2と主ウェハ搬送装置71との間において,上下に積み重ねられた状態で設けられている。さらに,受け渡しユニット群72には,第一のクリーニング用ガスを用いてウェハ搬送装置30の搬送アーム35をクリーニングする第一のクリーニング機構113,及び,第二のクリーニング用ガスを用いて主ウェハ搬送装置71の搬送アーム82A,82Bをクリーニングする第二のクリーニング機構114が備えられている。
下段のウェハ受け渡しユニット111は,ウェハWを収納するチャンバー121,ウェハWを保持するための複数,例えば3つの保持部材122A,122B,122Cを備えている。
チャンバー121には,チャンバー121の内部空間S1に対してウェハ搬送装置30によってウェハWを搬入させるための第一の開口としての搬入出口131,搬入出口131を開閉するための第一のシャッター132,チャンバー121の内部空間S1から主ウェハ搬送装置71によってウェハWを搬出させるための第二の開口としての搬入出口133,搬入出口133を開閉するための第二のシャッター134が設けられている。搬入出口131とシャッター132は,基板搬送部12側(ウェハ搬送装置30側)の側部に設けられており,搬入出口133とシャッター134は,主ウェハ搬送装置71側の側部に設けられている。即ち,搬入出口131と搬入出口133は,X軸方向において内部空間S1を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ開口されている。
なお,本実施形態において,ウェハ搬送装置30の搬送アーム35が進入させられる進入部,及び,第一の受け渡し部とは,この下段のウェハ受け渡しユニット111の内部空間S1であって,搬送アーム35を内部空間S1に対して進入させるための第一の入口とは,搬入出口131のことである。主ウェハ搬送装置71の搬送アーム82Aが進入させられる進入部とは,内部空間S1であって,搬送アーム82Aを内部空間S1に対して進入させるための第二の入口とは,搬入出口133のことである。
シャッター132は,搬入出口131をチャンバー121の外側から閉塞するように備えられている。また,例えばチャンバー121の下方には,シャッター132を昇降させる昇降機構として,シリンダ141A,141Bが備えられており,シャッター132は,シリンダ141A,141Bの各ロッド142の上端部に接続されている。即ち,シリンダ141A,141Bの駆動により,シリンダ141A,141Bの各ロッド142を互いに同期させながら伸縮させると,シャッター132が各ロッド142と一体的に,搬入出口131に対して昇降させられるようになっている。これにより,シャッター132は,搬入出口131より下方に配置されて搬入出口131を開口させる開口位置(図8において二点鎖線)と,開口位置から上昇して搬入出口131を閉塞(密閉)させる閉塞位置(図8において実線)と,に移動させられるようになっている。
シャッター134は,搬入出口133をチャンバー121の外側から閉塞するように備えられている。また,例えばチャンバー121の下方には,シャッター134を昇降させる昇降機構として,シリンダ143A,143Bが備えられており,シャッター134は,シリンダ143A,143Bの各ロッド144の上端部に接続されている。即ち,シリンダ143A,143Bの駆動により,シリンダ143A,143Bの各ロッド144を互いに同期させながら伸縮させると,シャッター134が各ロッド142と一体的に,搬入出口133に対して昇降させられるようになっている。これにより,シャッター134は,搬入出口133より下方に配置されて搬入出口133を開口させる開口位置(図8において二点鎖線)と,開口位置から上昇して搬入出口133を閉塞(密閉)させる閉塞位置(図8において実線)と,に移動させられるようになっている。
保持部材122A,122B,122Cは,内部空間S1において,チャンバー121の底部121aから上方に突出するように設けられている。これら各保持部材122A,122B,122Cの上端部にウェハWの下面を載せることにより,即ち,ウェハWの下面中央部WCを囲む3箇所の位置に各保持部材122A,122B,122Cの上端部をそれぞれ当接させることにより,ウェハWを底部121aより高い位置において略水平に,安定した状態で支持できるようになっている。
上述のような構成を有するウェハ受け渡しユニット111の動作,即ち,シャッター132,134の開閉動作(シリンダ141A,141B,143A,143Bの駆動)等は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号に基づいて制御される。
上段のウェハ受け渡しユニット112は,上述した下段のウェハ受け渡しユニット111とほぼ同様に,ウェハWを収納するチャンバー151,ウェハWを保持するための複数,例えば3つの保持部材152A,152B,152Cを備えている。
ウェハ受け渡しユニット112のチャンバー151には,チャンバー151の内部空間S2からウェハ搬送装置30によってウェハWを搬出させるための第三の開口としての搬入出口161,搬入出口161を開閉するための第三のシャッター162,内部空間S2に主ウェハ搬送装置71によってウェハWを搬入させるための第四の開口としての搬入出口163,搬入出口163を開閉するための第四のシャッター164が設けられている。搬入出口161とシャッター162は,基板搬送部12側(ウェハ搬送装置30側)の側部に設けられており,搬入出口163とシャッター164は,主ウェハ搬送装置71側の側部に設けられている。即ち,搬入出口161と搬入出口163は,X軸方向において内部空間S2を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ開口されている。なお,本実施形態において,第一の受け渡し部(内部空間S1)の上方に設けられた第二の受け渡し部とは,この上段のウェハ受け渡しユニット112の内部空間S2のことである。
シャッター162は,搬入出口161をチャンバー151の外側から閉塞するように備えられている。また,例えばチャンバー151の上方には,シャッター162を昇降させる昇降機構として,シリンダ171A,171Bが備えられており,シャッター162は,シリンダ171A,171Bの各ロッド172の下端部に接続されている。即ち,シリンダ171A,171Bの駆動により,シリンダ171A,171Bの各ロッド172を互いに同期させながら伸縮させると,シャッター162が各ロッド172と一体的に,搬入出口161に対して昇降させられるようになっている。これにより,シャッター162は,搬入出口161より上方に配置されて搬入出口161を開口させる開口位置(図8において二点鎖線)と,開口位置から下降して搬入出口161を閉塞(密閉)させる閉塞位置(図8において実線)と,に移動させられるようになっている。さらに,シャッター162の外側面には,第一のクリーニング機構113のガスノズル181が取り付けられている。このガスノズル181については,後に詳細に説明する。
シャッター164は,搬入出口163をチャンバー151の外側から閉塞するように備えられている。また,例えばチャンバー151の上方には,シャッター164を昇降させる昇降機構として,シリンダ173A,173Bが備えられており,シャッター164は,シリンダ173A,173Bの各ロッド174の下端部に接続されている。即ち,シリンダ173A,173Bの駆動により,シリンダ173A,173Bの各ロッド174を互いに同期させながら伸縮させると,シャッター164が各ロッド174と一体的に,搬入出口163に対して昇降させられるようになっている。これにより,シャッター164は,搬入出口163より上方に配置されて搬入出口163を開口させる開口位置(図8において二点鎖線)と,開口位置から下降して搬入出口163を閉塞(密閉)させる閉塞位置(図8において実線)と,に移動させられるようになっている。さらに,シャッター164の外側面には,第二のクリーニング機構114のガスノズル191が取り付けられている。このガスノズル191については,後に詳細に説明する。
保持部材152A,152B,152Cは,内部空間S2において,チャンバー151の底部151aから上方に突出するように設けられている。これら各保持部材152A,152B,152Cの上端部にウェハWの下面を載せることにより,即ち,ウェハWの下面中央部WCを囲む3箇所の位置に各保持部材152A,152B,152Cの上端部をそれぞれ当接させることにより,ウェハWを底部151aより高い位置において略水平に,安定した状態で支持できるようになっている。
上述のような構成を有するウェハ受け渡しユニット112の動作,即ち,シャッター162,164の開閉動作(シリンダ171A,171B,173A,173Bの駆動)等は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号に基づいて制御される。
次に,第一のクリーニング機構113について説明する。図8,図9に示すように,クリーニング機構113は,前述したウェハ受け渡しユニット112のシャッター162に取り付けられたガスノズル181と,ガスノズル181内に第一のクリーニング用のガスを導入するガス導入路182とを備えている。第一のクリーニング用ガスとしては,例えば清浄化された空気(クリーンエア),あるいは,窒素ガス(N2)等の不活性ガスを用いても良い。
ガスノズル181は,例えば端部が閉塞された略円筒状をなし,長さ方向をシャッター162の幅方向に向けて,即ちY軸方向に向けるようにして備えられ,シャッター162の外面に固定されており,シャッター162と一体的に昇降させられるようになっている。このガスノズル181の下面には,クリーニング用ガスを吐出する複数のガス吐出口183が,例えばガスノズル181の長さ方向に沿って一列に並べられて,また,隣り合うガス吐出口183の間にそれぞれ所定の間隔が空けられた状態で設けられている。各ガス吐出口183は,下方に向かって(例えば略鉛直方向に)クリーニング用ガスを吐出するように指向している。また,ガス吐出口183は,前述した下段のウェハ受け渡しユニット111の搬入出口131の外側上方に設けられており,シャッター162が閉塞位置に配置された状態では,搬入出口131の上縁部の外側に沿って並べて配置されるように,また,搬入出口131の幅方向全体に渡って所定の間隔を空けて配置されるようになっている。即ち,搬入出口131内における搬送アーム35の移動領域の上方に,搬入出口131の幅方向に沿って,複数のガス吐出口183が一列に並べて配置されるようになっている。
ガス導入路182は,例えばガスノズル181の端部に接続されている。また,ガス導入路182には,ガス導入路182の連通と遮断を行う開閉弁185が介設されている。なお,開閉弁185の開閉動作は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号に基づいて制御される。
また,下段のウェハ受け渡しユニット111には,例えばガス吐出口183から吐出されたクリーニング用ガス等の雰囲気を強制的に吸引する第一の吸引路186が設けられている。この吸引路186の開口端部は,ウェハ受け渡しユニット111の底部121a,即ち,内部空間S1における搬送アーム35の移動領域の下方に開口されており,また,例えば搬入出口131の近傍に開口されている。また,吸引路186には,吸引機構として例えば送風機187が介設されている。送風機187の駆動は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号に基づいて制御される。
次に,第二のクリーニング機構114について説明する。クリーニング機構114は,クリーニング機構113とほぼ同様の構成を有している。即ち,図8,図10に示すように,前述したウェハ受け渡しユニット112のシャッター164に取り付けられたガスノズル191と,ガスノズル191内に第二のクリーニング用のガスを導入するガス導入路192とを備えている。第二のクリーニング用ガスとしては,例えば清浄化された空気(クリーンエア),あるいは,窒素ガス等の不活性ガスを用いても良い。
ガスノズル191は,例えば端部が閉塞された略円筒状をなし,長さ方向をシャッター164の幅方向に向けて,即ちY軸方向に向けるようにして備えられ,シャッター164の外面に固定されており,シャッター164と一体的に昇降させられるようになっている。このガスノズル191の下面には,クリーニング用ガスを吐出する複数のガス吐出口193が,例えばガスノズル191の長さ方向に沿って一列に並べられて,また,隣り合うガス吐出口193の間にそれぞれ所定の間隔が空けられた状態で設けられている。各ガス吐出口193は,下方に向かって(例えば略鉛直方向に)クリーニング用ガスを吐出するように指向している。また,ガス吐出口193は,前述した下段のウェハ受け渡しユニット111の搬入出口133の外側上方に設けられており,シャッター164が閉塞位置に配置された状態では,搬入出口133の上縁部の外側に沿って並べて配置されるようにまた,搬入出口133の幅方向全体に渡って所定の間隔を空けて配置されるようになっている。即ち,搬入出口133内における搬送アーム82Aの移動領域の上方に,搬入出口133の幅方向に沿って,複数のガス吐出口193が一列に並べて配置されるようになっている。
ガス導入路192は,例えばガスノズル191の端部に接続されている。また,ガス導入路192には,ガス導入路192の連通と遮断を行う開閉弁195が介設されている。なお,開閉弁195の開閉動作は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号に基づいて制御される。
また,下段のウェハ受け渡しユニット111には,例えばガス吐出口193から吐出されたクリーニング用ガス等の雰囲気を強制的に吸引する第二の吸引路196が設けられている。この吸引路196の開口端部は,ウェハ受け渡しユニット111の底部121a,即ち,内部空間S1における搬送アーム82Aの移動領域の下方に開口されており,また,例えば搬入出口133の近傍に開口されている。また,吸引路196には,吸引機構として例えば送風機197が介設されている。送風機197の駆動は,後述する制御コンピュータ220から送信される制御信号に基づいて制御される。
図1及び図2に示すように,洗浄ユニット群73には,2台の基板処理装置としての基板洗浄ユニット200A,200Bが下段にX軸方向に並べて配設され,その上段にも2台の基板処理装置としての基板洗浄ユニット200C,200Dが,X軸方向に並べて配設された構成になっている。
図3に示すように,加熱・冷却ユニット群74は,主ウェハ搬送機構71を挟んで受け渡しユニット群72の反対側に配置されている。この加熱・冷却ユニット群74には,冷却ユニット211,加熱ユニット212A,212B,212Cが,下からこの順に積み重ねられた状態で備えられている。
図1に示すように,制御・ユーティリティユニット群75には,処理システム1の電源である電装ユニット215,制御ユニット216,基板洗浄ユニット200A〜200Dに送液する洗浄用の薬液を貯蔵する薬液貯蔵ユニット217とが配設されている。
制御ユニット216には,ウェハ搬送装置30,主ウェハ搬送装置71,ウェハ受け渡しユニット111,112,基板洗浄ユニット200A〜200D等,処理システム1内の各種装置の動作の自動制御を行う制御部としての制御コンピュータ220が設けられている。この制御コンピュータ220には,処理システム1の各機能要素が,信号ライン等を介して接続されている。ここで,機能要素とは,例えば前述したウェハ搬送装置30の移動手段33,主ウェハ搬送装置71のモータ85,モータ92,ウェハ受け渡しユニット111のシリンダ141A,141B,143A,143B,ウェハ受け渡しユニット112のシリンダ171A,171B,173A,173B,クリーニング機構113の開閉弁185,送風機187,クリーニング機構114の開閉弁195,送風機197等の,所定の工程を実現するために動作する総ての要素を意味している。制御コンピュータ220は,典型的には,実行するソフトウェアに依存して任意の機能を実現することができる汎用コンピュータである。
図1に示すように,制御コンピュータ220は,CPU(中央演算装置)を備えた演算部220aと,演算部220aに接続された入出力部220bと,入出力部220bに挿着され制御ソフトウェアを格納した記録媒体220cと,を備えている。
記録媒体220cには,制御コンピュータ220によって実行されることにより各種の動作を行わせる制御ソフトウェアが記録されている。かかる制御ソフトウェアとは,例えば,クリーニング機構113を用いた搬送アーム35のクリーニング工程を例えばシーケンス制御により行わせるソフトウェア,クリーニング機構114を用いた搬送アーム82Aのクリーニング工程を例えばシーケンス制御により行わせるソフトウェア,あるいは,基板洗浄ユニット200A〜200Dに所定の洗浄処理を行わせるソフトウェア等である。制御コンピュータ220は,該制御ソフトウェアを実行することにより,処理システム1の各機能要素を,様々な条件(例えば,モータ85,92の回転数等)が実現されるように制御する。
記録媒体220cは,制御コンピュータ220に固定的に設けられるもの,あるいは,制御コンピュータ220に設けられた図示しない読み取り装置に着脱自在に装着されて該読み取り装置により読み取り可能なものであっても良い。最も典型的な実施形態においては,記録媒体220cは,制御ソフトウェアがインストールされたハードディスクドライブである。他の実施形態においては,記録媒体220cは,制御ソフトウェアが書き込まれたCD−ROM又はDVD−ROMのような,リムーバブルディスクである。このようなリムーバブルディスクは,制御コンピュータ220に設けられた図示しない光学的読取装置により読み取られる。また,記録媒体220cは,RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)のいずれの形式のものであっても良い。さらに,記録媒体220cは,カセット式のROMのようなものであっても良い。要するに,コンピュータの技術分野において知られている任意のものを記録媒体220cとして用いることが可能である。
次に,以上のように構成された処理システム1を用いたウェハWの処理工程について説明する。先ず,未だ処理システム1における処理が施されていない複数枚のウェハWが収納されたキャリアCが,図示しないキャリア搬送装置によって処理システム1の外部から搬送され,キャリア載置台25に載置される。キャリアCが載置されると,シャッター27及び蓋体21が外され,ゲート26と開口20が開口させられる。
次に,ウェハ搬送装置30の搬送アーム35が,ゲート41,開口20を介してキャリアC内に先端部から進入させられ,一枚のウェハWが搬送アーム35の上面に載せられて保持される。そして,搬送アーム35が後退させられると,搬送アーム35に保持されたウェハWが,スロット22から抜き出される。こうして,一枚のウェハWがウェハ搬送装置30によってキャリアC内から搬出される。
ウェハ受け渡しユニット111においては,シャッター134によって搬入出口133が閉じられた状態で,シャッター132が下降させられ,搬入出口131が開かれる。そして,ウェハWを保持したウェハ搬送装置30の搬送アーム35が搬入出口131を介してチャンバー121内に進入させられ,搬送アーム35上のウェハWが,保持部材122A,122B,122Cの上端に載せられて保持される。ウェハWを保持部材122A,122B,122Cに受け渡した後,搬送アーム35は,ウェハWの下方において後退させられ,チャンバー121から退出させられる。その後,シャッター132によって搬入出口131が閉じられる。こうして,キャリアCから取り出された未処理のウェハWが,ウェハ受け渡しユニット111内に搬入出口131を通じて搬入される。
次に,シャッター134が下降させられ,搬入出口133が開かれる。そして,主ウェハ搬送装置71の例えば下側の搬送アーム82Aが,搬入出口133を介してチャンバー121内のウェハWの下方に進入させられる。そして,搬送アーム82Aが上昇させられることにより,ウェハWが保持部材122A,122B,122Cから持ち上げられて,搬送アーム82Aによって保持される。こうしてウェハWを受け取った搬送アーム82Aが,チャンバー121から退出させられ,ウェハWは搬送アーム82Aによってチャンバー121から搬出される。
ウェハ受け渡しユニット111から搬出されたウェハWは,主ウェハ搬送装置71によって搬送され,基板洗浄ユニット200A〜200Dのいずれかに搬入される。各基板洗浄ユニット200A〜200Dにおいては,例えばウェハWが回転させられながら,ウェハWの上面に薬液,リンス液等の処理液が順次供給され,所定の洗浄処理が施される。これにより,ウェハWに付着したパーティクル,あるいは自然酸化膜等の汚染物が除去される。ウェハWの洗浄処理が終了すると,ウェハWは主ウェハ搬送装置71の例えば上側の搬送アーム82Bによって,基板洗浄ユニット200A〜200Dから搬出される。
ウェハ受け渡しユニット112においては,シャッター162によって搬入出口161が閉じられた状態で,シャッター164が上昇させられ,搬入出口163が開かれる。そして,洗浄処理後のウェハWを保持した主ウェハ搬送装置71の搬送アーム82Bが,搬入出口163を介してチャンバー151内に進入させられ,搬送アーム82B上のウェハWが,保持部材122A,122B,122Cの上端に載せられて保持される。ウェハWを保持部材122A,122B,122Cに受け渡した後,搬送アーム82Bは,ウェハWの下方において後退させられ,チャンバー151から退出させられる。その後,シャッター164によって搬入出口163が閉じられる。こうして,洗浄処理後のウェハWが,ウェハ受け渡しユニット112内に搬入出口163を通じて搬入される。
次に,シャッター162が上昇させられ,搬入出口161が開かれる。そして,ウェハ搬送装置30の搬送アーム35が,搬入出口161を介してチャンバー151内のウェハWの下方に進入させられる。そして,搬送アーム35が上昇させられることにより,ウェハWが保持部材122A,122B,122Cから持ち上げられて,搬送アーム35によって保持される。こうしてウェハWを受け取った搬送アーム35がチャンバー151から退出させられ,ウェハWは搬送アーム35によってチャンバー151から搬出される。ウェハ受け渡しユニット112から搬出されたウェハWは,ウェハ搬送装置30によって,再びキャリアC内に戻される。
以上のようにして,キャリアC内のウェハWは,ウェハ搬送装置30によってキャリアCから一枚ずつ取り出され,ウェハ受け渡しユニット111において主ウェハ搬送装置71に順次受け渡され,基板洗浄ユニット200A〜200Dのいずれかにおいてそれぞれ洗浄処理される。
ところで,上記のようなウェハWの搬送が複数回行われることにより,ウェハ搬送装置30の搬送アーム35,主ウェハ搬送装置71の搬送アーム82Aは,パーティクルの付着により次第に汚染されていく。例えば,キャリアC内に収納されている未だ洗浄処理が施されていないウェハWに付着しているパーティクルが,搬送アーム35,82Aに付着することにより,搬送アーム35,82Aが汚染されてしまう。また,例えばウェハ搬送装置30によるウェハWの搬送中に,搬送アーム35の先端部材35b,段部35c,基端部材35d,段部35e等とウェハWの周縁部との間でガタつきが生じて,ウェハWの周縁部が擦られ,パーティクルが発生することもある。さらに,例えば主ウェハ搬送装置71によるウェハWの搬送中に,搬送アーム82Aの突起105とウェハWの周縁部との間でガタつきが生じて,ウェハWの周縁部が擦られ,パーティクルが発生することもある。特に,搬送アーム35においては,先端部材35bの背面と段部35cの上面との間に形成された角部,基端部材35dの正面と段部35eの上面との間に形成された角部等に,パーティクルが多く溜まる傾向がある。このように搬送アーム35,82Aに付着したパーティクルを除去するため,以下に説明するようなクリーニング工程が,クリーニング機構113,114を用いて行われる。
最初に,ウェハ搬送装置30の搬送アーム35をクリーニング機構113によってクリーニングする第一のクリーニング方法について説明する。かかるクリーニング工程においては,先ず,図11に示すように,ウェハ受け渡しユニット111のシャッター134によって搬入出口133が閉じられた状態で,搬入出口131が開口される。また,ウェハ受け渡しユニット112においては,シャッター162によって搬入出口161が閉じられた状態にされる。即ち,複数のガス吐出口183が搬入出口131の上縁部に近接させて配置された状態にされる。基台34は,ウェハ受け渡しユニット111の正面側に配置される。このような状態において,開閉弁185が開かれ,各ガス吐出口183からクリーニング用ガスが吐出されながら,ウェハWを保持していない状態の搬送アーム35が,先端部側から搬入出口131を通じて内部空間S1に進入させられ,内部空間S1に対して進退移動させられる。また,送風機187の作動により,吸引路186によって強制的に排気が行われる。
ガス吐出口183から吐出されたクリーニング用ガスは,搬入出口131の外側にカーテン状に吹き下ろされ,搬送アーム35の上面に対して吹き付けられる。また,搬送アーム35がガス吐出口183に対して相対的に移動させられながらクリーニング用ガスが吐出されることにより,搬送アーム35の先端部材35bから基端部材35dまで,クリーニング用ガスが満遍なく吹き付けられる。こうして,搬送アーム35にクリーニング用ガスが吹き付けられることで,搬送アーム35に付着していたパーティクルがクリーニング用ガスによって吹き飛ばされ,搬送アーム35から除去される。搬送アーム35に吹き付けられた後のクリーニング用ガス及び吹き飛ばされたパーティクルは,搬送アーム35の下方に流れ,基板搬送部12の下方において排出,あるいは,吸引路186によって吸引される。こうして,搬送アーム35をクリーニングすることができる。
なお,搬入出口133が閉じられていることにより,内部空間S1は,搬入出口131以外の部分がチャンバー121とシャッター134とによって箱状に囲まれた部屋,即ち,一端部(搬入出口131側)のみが外部(基板搬送部12)に対して開口されている袋状の空間になっている。さらに,ガス吐出口183から吐出されるクリーニング用ガスは,搬入出口131の外側上方から外側下方に向かうように,内部空間S1の外側に沿って吐出されるようになっている。このような構成により,クリーニング用ガスやパーティクルが内部空間S1内に侵入すること,さらには,主ウェハ搬送装置71や基板洗浄ユニット200A〜200D側に侵入することを防止でき,クリーニング用ガスやパーティクルを確実に排出させることができる。また,吸引路186によって搬入出口131の近傍の雰囲気を吸引することにより,クリーニング用ガスやパーティクルを積極的に回収し,さらに確実に排出させることができる。
ガス吐出口183からのクリーニング用ガスの吹き付けは,搬送アーム35を内部空間S1に進入させながら行っても良いし,内部空間S1から退出させながら行っても良い。また,搬送アーム35を搬入出口131内において一回進入あるいは退出させながら行っても良いが,搬入出口131内において複数回往復移動させながら行っても良い。これにより,搬送アーム35に付着したパーティクルを確実に除去できる。なお,上記のような搬送アーム35のクリーニングは,定期的に行っても良く,例えば毎日一回ずつ行っても良い。
かかるクリーニング機構113を備えた処理システム1によれば,ガス吐出口183からクリーニング用ガスを吐出させながら,搬送アーム35を内部空間S1に対して進退移動させることにより,搬送アーム35に付着したパーティクルをクリーニング用ガスによって吹き飛ばして除去し,搬送アーム35を清浄にすることができる。従って,搬送アーム35から搬送アーム35によって保持されたウェハWにパーティクルが転写することを防止でき,ウェハWの汚染を防止できる。特に,ウェハ搬送装置30は,一本の搬送アーム35によって,未だ洗浄処理が施されていないウェハWの保持も洗浄処理後もウェハWの保持も行う構成になっているが,このような場合も,洗浄処理後のウェハWにパーティクルが付着することを効果的に防止できる。従来では作業者の手作業によって行っていた搬送アーム35のクリーニングを,制御コンピュータ220の制御により自動的に行えるようになり,作業者の負担を軽減できる。
また,ウェハWの受け渡しが行われるウェハ受け渡しユニット111の内部空間S1を,クリーニングの際に搬送アーム35が進入させられる進入部として兼用することにより,搬送アーム35のクリーニング専用のユニット等を新たに設けることなく,従来用いられているウェハ受け渡しユニット111のチャンバー121,搬入出口131,133,シャッター132,134等の設備を生かして,クリーニング機構113を簡単に構成することができる。また,処理システム1全体の構成や大きさを変更することなく,クリーニング機構113を低コストで追加することができる。特に,ガスノズル181を上段のウェハ受け渡しユニット112のシャッター162に取り付けたことにより,シャッター162の昇降機構であるシリンダ171A,171Bをガスノズル181の昇降機構として用いることができ,ガスノズル181の昇降機構を別個に設置する必要が無く,構成の簡略化及び省スペースを図ることができる。
次に,主ウェハ搬送装置71の搬送アーム82Aをクリーニング機構114によってクリーニングする第二のクリーニング方法について説明する。かかるクリーニング工程においては,先ず,図12に示すように,ウェハ受け渡しユニット111のシャッター132によって搬入出口131が閉じられた状態で,搬入出口133が開口される。また,ウェハ受け渡しユニット112においては,シャッター164によって搬入出口163が閉じられた状態にされる。即ち,複数のガス吐出口193が搬入出口163の上縁部に近接させて配置された状態にされる。基台81は,ウェハ受け渡しユニット111の背面側に配置される。このような状態において,開閉弁195が開かれ,各ガス吐出口193からクリーニング用ガスが吐出されながら,ウェハWを保持していない状態の搬送アーム82Aが,先端部側から搬入出口133を通じて内部空間S1に進入させられ,内部空間S1に対して進退移動させられる。また,送風機197の作動により,吸引路196によって強制的に排気が行われる。
ガス吐出口193から吐出されたクリーニング用ガスは,搬入出口133の外側にカーテン状に吹き下ろされ,搬送アーム82Aの上面に対して吹き付けられる。また,搬送アーム82Aがガス吐出口193に対して相対的に移動させられながらクリーニング用ガスが吐出されることにより,搬送アーム82Aの各アーム本体101,102全体に,クリーニング用ガスが満遍なく吹き付けられる。こうして,搬送アーム82Aにクリーニング用ガスが吹き付けられることで,搬送アーム82Aに付着していたパーティクルがクリーニング用ガスによって吹き飛ばされ,搬送アーム82Aから除去される。搬送アーム82Aに吹き付けられた後のクリーニング用ガス及び吹き飛ばされたパーティクルは,搬送アーム82Aの下方に流れ,主ウェハ搬送装置71の下方において排出,あるいは,吸引路196によって吸引される。こうして,搬送アーム82Aをクリーニングすることができる。
なお,搬入出口131が閉じられていることにより,内部空間S1は,搬入出口133以外の部分がチャンバー121とシャッター132とによって箱状に囲まれた部屋,即ち,一端部(搬入出口133側)のみが外部(主ウェハ搬送装置71側)に対して開口されている袋状の空間になっている。さらに,ガス吐出口193から吐出されるクリーニング用ガスは,搬入出口133の外側上方から外側下方に向かうように,内部空間S1の外側に沿って吐出されるようになっている。このような構成により,クリーニング用ガスやパーティクルが内部空間S1内に侵入すること,さらには,基板搬送部12側に侵入することを防止でき,クリーニング用ガスやパーティクルを確実に排出させることができる。また,吸引路196によって搬入出口133の近傍の雰囲気を吸引することにより,クリーニング用ガスやパーティクルを積極的に回収し,さらに確実に排出させることができる。
ガス吐出口193からのクリーニング用ガスの吹き付けは,搬送アーム82Aを内部空間S1に進入させながら行っても良いし,内部空間S1から退出させながら行っても良い。また,搬送アーム82Aを搬入出口133内において一回進入あるいは退出させながら行っても良いが,搬入出口133内において複数回往復移動させながら行っても良い。これにより,搬送アーム82Aに付着したパーティクルを確実に除去できる。なお,上記のような搬送アーム82Aのクリーニングは,定期的に行っても良く,例えば毎日一回ずつ行っても良い。
かかるクリーニング機構114を備えた処理システム1によれば,ガス吐出口193からクリーニング用ガスを吐出させながら,搬送アーム82Aを内部空間S1に対して進退移動させることにより,搬送アーム82Aに付着したパーティクルをガスによって吹き飛ばして除去し,搬送アーム82Aを清浄にすることができる。従って,搬送アーム82Aから搬送アーム82Aによって保持されたウェハWにパーティクルが転写することを防止でき,ウェハWの汚染を防止できる。従来では作業者の手作業によって行っていた搬送アーム82Aのクリーニングを,制御コンピュータ220の制御により自動的に行えるようになり,作業者の負担を軽減できる。
また,内部空間S1を,クリーニングの際に搬送アーム82Aが進入させられる進入部として兼用することにより,搬送アーム82Aのクリーニング専用のユニット等を新たに設けることなく,従来用いられているウェハ受け渡しユニット111のチャンバー121,搬入出口131,133,シャッター132,134等の設備を生かして,クリーニング機構114を簡単に構成することができる。また,処理システム1全体の構成や大きさを変更することなく,クリーニング機構114を低コストで追加することができる。特に,ガスノズル191を上段のウェハ受け渡しユニット112のシャッター164に取り付けたことにより,シャッター164の昇降機構であるシリンダ173A,173Bをガスノズル191の昇降機構として用いることができ,ガスノズル191の昇降機構を別個に設置する必要が無く,構成の簡略化及び省スペースを図ることができる。
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を示したが,本発明はここで説明した形態に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以上の実施形態では,主ウェハ搬送装置71の下側の搬送アーム82Aをクリーニング機構114によってクリーニングする方法を説明したが,勿論,上側の搬送アーム82Bをクリーニングすることもできる。即ち,上述した下側の搬送アーム82Aのクリーニングと同様にして,搬送アーム82Bを搬入出口133を通じて内部空間S1に対して進退させながら,各ガス吐出口193からクリーニング用ガスを吐出させることにより,搬送アーム82Bのパーティクルを吹き飛ばして除去することができる。
以上の実施形態では,搬送アーム35のクリーニングの際,吸引路186によって吸引を行うとしたが,吸引路186による吸引は,必ずしも行わなくても良い。この場合も,搬送アーム35のパーティクルをクリーニング用ガスによって除去することができる。また,搬送アーム82Aのクリーニングの際,吸引路196によって吸引を行うとしたが,吸引路196による吸引は,必ずしも行わなくても良い。この場合も,搬送アーム82Aのパーティクルをクリーニング用ガスによって除去することができる。
以上の実施形態では,下段のウェハ受け渡しユニット111の内部空間S1に対して搬送アーム35を進退させながら,クリーニングを行うとしたが,上段のウェハ受け渡しユニット112の内部空間S2を用いてクリーニングを行うことも可能である。例えば図13に示すように,ウェハ受け渡しユニット112において,シャッター164によって搬入出口163を閉じた状態で,シャッター162を上昇させて搬入出口161を開口させ,ガス吐出口183が搬入出口161の上端部に沿って外側に並べて配置された状態とし,かかる状態において,搬入出口161を通じて搬送アーム35を内部空間S2に対して進退移動させながら,ガス吐出口183からクリーニング用ガスを吐出させるようにすれば良い。即ち,内部空間S2を進入部とし,搬入出口161を第一の入口とすれば良い。このようにしても,搬送アーム35に付着しているパーティクルを,ガス吐出口183から吐出されるクリーニング用ガスによって除去することができる。
また,以上の実施形態では,下段のウェハ受け渡しユニット111の内部空間S1に対して搬送アーム82Aを進退させながら,クリーニングを行うとしたが,上段のウェハ受け渡しユニット112の内部空間S2を用いてクリーニングを行うことも可能である。例えば図14に示すように,ウェハ受け渡しユニット112において,シャッター162によって搬入出口161を閉じた状態で,シャッター164を上昇させて搬入出口163を開口させ,ガス吐出口193が搬入出口163の上端部に沿って外側に並べて配置された状態とし,かかる状態において,搬入出口163を通じて搬送アーム82Aを内部空間S2に対して進退移動させながら,ガス吐出口193からクリーニング用ガスを吐出させるようにすれば良い。即ち,内部空間S2を進入部とし,搬入出口163を第二の入口とすれば良い。このようにしても,搬送アーム82Aに付着しているパーティクルを,ガス吐出口193から吐出されるクリーニング用ガスによって除去することができる。
以上の実施形態では,処理システム1は複数の基板洗浄ユニット200A〜200Dを備えた構成としたが,かかる形態には限定されない。即ち,基板処理装置はウェハWに対して処理液を供給して洗浄処理を行う基板洗浄ユニット200A〜200Dであるとしたが,洗浄以外の他の処理,例えば,エッチング処理,レジスト除去処理等を行う装置であっても良い。また,搬入出部2,処理部3の構造等も,以上の実施形態には限定されない。
また,基板はシリコンウェハには限定されず,他の半導体ウェハであっても良く,さらには,例えばLCD用のガラス基板,CD基板,プリント基板,セラミック基板などであっても良い。