JP4855037B2 - 脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、小麦蛋白質の加水分解物を含有してなる脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤に関する。詳細には、小麦蛋白質の加水分解物を含み、脂肪蓄積抑制作用および脂肪分解促進作用を併せ持ち、肥満予防剤あるいは肥満改善剤として好適な、脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤、ならびに該脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤を含有してなる飲食品に関する。
これまで、種々の物質を有効成分とする痩身剤や脂質代謝改善剤などが開発されている。
たとえば、お茶などに含まれるカテキン類には、体脂肪や食事性脂肪の燃焼促進作用があることが知られており、カテキン類を高濃度で含む茶の抽出物およびその濃縮液を用いたダイエット飲料が提案されている(特許文献1)。また、リジン、プロリン、アラニン、アルギニンなどのアミノ酸にも脂肪分解作用があることが知られており、これらを含有する痩身剤が提案されている(特許文献2)。しかしながら、これらの成分には、苦味やえぐみなどの特有の味、臭いがあり、上記効果を充分に発揮するまでこれらの成分を継続的に摂取するのは困難であった。
また、L−グルタミンを多く含有するペプチド(以下、グルタミンペプチドともいう。)が高脂血症の血清脂質低下作用を示すことが見出され、このグルタミンペプチドを高脂血症の予防剤および/または治療剤として利用することが提案されている(特許文献3)。また、小麦赤粕の酵素分解物が脂質代謝を改善することが知られ、この酵素分解物を医薬品、健康食品、各種飲食品へ添加することが提案されている(特許文献4)。しかしながら、これらの成分に血中の脂質や肝臓中の脂質濃度を低下させる作用があることは明らかにされているが、脂肪細胞内の脂肪の新たな蓄積を抑制するかどうか、あるいはすでに蓄積している体脂肪を減少させることができるかといった作用は示されていない。したがって、これらの成分が、体脂肪の蓄積抑制および分解促進作用を有するか、さらには肥満の予防または改善に有効であるかについてはまったく不明であった。
したがって、体脂肪の新たな蓄積を抑制するとともにすでに蓄積している体脂肪を減少させ、優れた肥満予防作用あるいは肥満改善作用を奏し、副作用の心配がなく安全性が高い上に、簡便に摂取可能かつ長期間の継続的摂取が容易であって、肥満予防剤あるいは肥満改善剤として好適な、脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤、ならびにこれらの剤を含有する飲食品に対する要望はいまなお非常に高い。
一方、これらとは別に、前駆脂肪細胞が脂肪細胞に分化するのを抑制することによって、痩身効果を得ようとする試みがあり、コーヒー豆エキスやグロビン蛋白分解物などの細胞分化抑制活性を有する素材が知られている。しかしながら、近年、脂肪細胞は、アディポサイトカインなどの分泌器官として、その重要性が見直されてきており、強力な細胞分化抑制作用を有する成分の摂取は好ましくないと考えられる。さらに、脂肪細胞数の減少によって、血液中のトリグリセリド(TG)を貯蔵する場所が少なくなることは、TGの血中濃度の増加にもつながると考えられる。
したがって、肥満の予防や改善を目的とした剤や飲食品には、脂肪細胞数を保ったままで、脂肪細胞内への新たな脂肪の蓄積を抑制するとともに脂肪細胞内に既に蓄積されていた脂肪量を減少させる作用を奏することが望まれる。
特開2002−326932号公報 特開2003−119133号公報 WO03/074071公報 特開平8−81390号公報
本発明は、体脂肪の新たな蓄積を抑制するとともにすでに蓄積している体脂肪を減少させる作用を有し、肥満予防剤あるいは肥満改善剤として好適な、脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤を提供することを課題としている。
また、本発明は、上記脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤を含有してなり、優れた肥満予防作用あるいは肥満改善作用を奏し、副作用の心配がなく安全性が高い上に、簡便に摂取可能で長期間の継続的摂取が容易な飲食品を提供することをもその課題としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、小麦蛋白質を加水分解して得られるペプチド混合物が、優れた脂肪蓄積抑制作用および脂肪分解促進作用を兼ね備えることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
本発明に係る脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、小麦蛋白質の加水分解物を含有してなることを特徴としている。
本発明では、前記小麦蛋白質の加水分解物は、分子量200〜2,000Daのペプチド混合物を50〜90質量%の量で含有することが好ましい。
さらに、本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への細胞分化抑制活性を有しない。
本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、肥満予防剤あるいは肥満改善剤として好適に用いられる。
また、本発明に係る飲食品は、前記の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤を含有してなることを特徴としている。
本発明によれば、体脂肪の新たな蓄積を抑制するとともにすでに蓄積している体脂肪を減少させ、優れた肥満予防作用または肥満改善作用を奏し、副作用の心配がなく安全性が高い上に、風味がよく簡便に摂取可能で長期間の継続的摂取が容易な、脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤、肥満予防剤、肥満改善剤ならびに飲食品を提供できる。
本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、優れた脂肪蓄積抑制作用および脂肪分解促進作用を兼ね備え、体脂肪の新たな蓄積を顕著に抑制するとともに、蓄積脂肪を顕著に減少させることができ、かつ長期間服用しても副作用の心配がなく安全性が高い上に風味が良い。さらに、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化を阻害しないため、分泌器官としての脂肪細胞の働きを損なうことがない。
そのため、本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤、肥満予防剤、肥満改善剤、ならびに飲食品は、日常生活において、長期間継続してしかも簡便に摂取することができ、摂取した場合には、体脂肪が新たに蓄積することを顕著に抑制し、かつすでに蓄積している体脂肪を顕著に分解し得るため、肥満症の予防および/または治療の他、体脂肪の減少や痩身、体脂肪の蓄積防止などにも有用である。
以下、本発明の好適な実施形態について具体的に説明する。
本発明に用いられる小麦蛋白質は、グルテンを主成分とするが、その他にアルブミン、グロブリン、グルテニン、グリアジンなどの小麦中に含まれていることが知られる他の蛋白質を含有していてもよく、さらに澱粉質や繊維質などの不純物を不可避的に含有していてもよい。また、本発明では、小麦蛋白質として、小麦由来のグルテンに予め化学的処理や酵素などによる生物的処理を施して、分子量を低下させたものやプロテアーゼとの親和性などを高めたものも使用できる。
本発明に用いられる小麦蛋白質の加水分解物は、上記小麦蛋白質を加水分解して得ることができ、通常の場合、約10,000Da以下の分子量分布を有するペプチド混合物を主成分としているが、原料として用いた小麦蛋白質に含まれていた不純物由来の水溶性多糖などの非ペプチド成分を20質量%以下の量で含有していてもよい。該小麦蛋白質の加水分解物は、好ましくは分子量200〜2,000Daのペプチド混合物を50〜90質量%、より好ましくは55〜85質量%の量で含有している。
ここで、上記分子量は、サイズ排除高速液体クロマトグラフィーによって測定され、測定条件などの詳細は後述する実施例に記載したとおりである。
小麦蛋白質の加水分解物が、上記範囲内の量で特定の分子量のペプチド混合物を含有していると、水に対する溶解性が高く、固形の形態だけでなく、液体の形態としても好適に利用でき、またアミノ酸特有の味や臭いがなく風味がよいため好ましい。
小麦蛋白質の加水分解方法としては、公知の加水分解方法を適宜採用できる。具体的には、(1)プロテアーゼを用いて加水分解する方法、(2)プロテアーゼとアミラーゼとを併用して加水分解する方法、(3)酸を用いて加水分解する方法などが挙げられる。
(1)プロテアーゼを用いて小麦蛋白質を加水分解する方法としては、たとえば、特許第3088491号に記載された方法が挙げられる。
具体的には、プロテアーゼを用いて小麦蛋白質を加水分解する場合、1種または複数種のプロテアーゼを作用させて加水分解物を生成させることができるが、酸性プロテアーゼ単独で用いる方法か、または酸性プロテアーゼと中性プロテアーゼを用いる方法が、目的物である小麦蛋白質の加水分解物を高収率で得ることができる点で好ましい。
酸性プロテアーゼと中性プロテアーゼを用いる場合、酸性プロテアーゼおよび中性プロテアーゼを同時に小麦蛋白質の加水分解処理に適用してもよいが、まず酸性プロテアーゼで処理した後、酸性プロテアーゼを失活させ、その後、中性プロテアーゼで処理すると、酸性溶液中で小麦蛋白質の分散性が向上して、加水分解の反応効率が上がるため好ましい。
プロテアーゼを用いて小麦蛋白質を加水分解する場合、使用するプロテアーゼの種類によって適宜調節する必要があるが、通常、水性媒体中における小麦蛋白質の濃度を1.0
〜20質量%に調整して処理するのがよい。
酸性プロテアーゼとしては、ペプシン;麹菌由来の酸性プロテアーゼ、ペニシリウム起源のアスパルティックプロテアーゼなどの微生物起源の酸性プロテアーゼ;ヒイロタケ起源のアスパルティックプロテアーゼなどを使用することができる。そのうちでも、ペプシンや麹菌由来の酸性プロテアーゼを用いると、目的物である小麦蛋白質の加水分解物を高収率で得ることができ好ましい。
酸性プロテアーゼは、1種類を単独で用いても、または酸性プロテアーゼ同士が互いに悪影響を及ぼさない限りは複数種を併用してもよい。また、酸性プロテアーゼは、遊離の状態で使用しても、固定化して使用してもよく、いずれの場合も乾燥した小麦蛋白質100g当たり、酸性プロテアーゼを約5,000〜250,000unitの割合で用いるのがよい。なお、本明細書中、プロテアーゼ活性(unit)は、基質として、米国メルク社製のハマーステインカゼイン1%溶液を用い、アンソン−萩原変法(赤堀四郎編“酵素研究法”第2巻、第237ページ、昭和36年1月10日、朝倉書店発行)により測定され、反応は30℃で30分間行い、1分間に1μgのチロシン相当量を遊離するのに要する酵素量を1unitとした。
酸性プロテアーゼを用いて処理する場合、通常、小麦蛋白質の加水分解度が30〜60%の状態になるまで行うとよい。
たとえば、酸性プロテアーゼとしてペプシンや麹菌由来の酸性プロテアーゼを用いる場合、小麦蛋白質を含有する水性媒体のpHを約1.5〜6.0にして、温度約30〜70℃で約2〜25時間反応させると、加水分解度が30〜60%の状態になるので、その時点で酸性プロテアーゼを失活させて加水分解を停止させる。酸性プロテアーゼの失活は、溶液のpHを酸性プロテアーゼの活性pHよりも高くするか、温度を高くする(通常、約70〜90℃)方法で行うことができる。
なお、本明細書中、小麦蛋白質の加水分解度とは、全蛋白質量に占める、0.75Mトリクロロ酢酸(TCA)に溶解する蛋白質量の割合(TCAへの溶解率)を意味し、下記式で求められる。加水分解度(%)=[(0.75M TCA溶解蛋白質量)/(全蛋白
質量)]×100
中性プロテアーゼを用いて更に処理する場合には、中性プロテアーゼとして、サーモリシン、トリプシン、キモトリプシン、プロナーゼ、サチライシン、エスペラーゼなどを使用することができる。そのうちでも、サーモリシンやサチライシンを用いると、目的物である小麦蛋白質の加水分解物を高収率で得ることができ好ましい。
中性プロテアーゼは、1種類を単独で用いても、または中性プロテアーゼ同士が互いに悪影響を及ぼさない限りは複数種を併用してもよい。また、中性プロテアーゼは、遊離の状態で使用しても、固定化して使用してもよく、いずれの場合も乾燥した小麦蛋白質100g当たり、中性プロテアーゼを約10,000〜500,000unitの割合で用いるのがよい。中性プロテアーゼによる処理は、小麦蛋白質の加水分解度が60〜90%の状態になるまで行うとよい。
たとえば、中性プロテアーゼとしてサーモリシンを用いる場合、小麦蛋白質を含有する水性媒体のpHを約7.0〜8.0にして、温度約30〜70℃で約1〜25時間反応させると、加水分解度が60〜90%の状態になるので、その時点でサーモリシンを失活させるとよい。中性プロテアーゼの失活は、溶液のpHを中性プロテアーゼの活性pHよりも低くするか、温度を高くする(通常、約80〜100℃)方法で行うことができる。
(2)プロテアーゼとアミラーゼとを併用して加水分解する方法としては、たとえば、特許第2985193号に記載された方法が挙げられる。
プロテアーゼとアミラーゼとを併用して小麦蛋白質を加水分解処理した場合には、アミラーゼが小麦蛋白質中に不純物として存在する澱粉質および繊維質を分解するため、目的物である小麦蛋白質の加水分解物を高純度かつ高収率で得ることができる。
プロテアーゼ処理は上記の方法に従って行えばよく、またプロテアーゼ処理とアミラーゼ処理とは、同時に行ってもよく、別々に行ってもよい。別々に行う場合には、プロテアーゼ処理を先に行った後でアミラーゼ処理を行ってもよく、アミラーゼ処理を行った後で
プロテアーゼ処理を行ってもよい。アミラーゼ処理は、プロテアーゼ処理と同時に行うか、あるいは別々に行うか、使用するプロテアーゼの種類やアミラーゼの種類などに応じて、最適のpH、温度などの条件を適宜選択して行うことができる。
プロテアーゼとアミラーゼとを併用して小麦蛋白質を加水分解する場合、使用するプロテアーゼの種類やアミラーゼの種類によって適宜調節する必要があるが、通常、水性媒体中における小麦蛋白質の濃度を1.0〜20質量%に調整して処理するのがよい。
プロテアーゼとしては、上述したものを使用できる。
アミラーゼとしては、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、オリゴ糖生成アミラーゼなどを使用することができる。そのうちでも、α−アミラーゼを用いると、目的物である小麦蛋白質の加水分解物を高収率で得ることができ好ましい。
たとえば、上記のように酸性プロテアーゼおよび中性プロテアーゼを使用して、プロテアーゼ処理を行った後、α−アミラーゼを用いて処理を行う場合には、プロテアーゼ処理を行った後で、pHを約4.5〜7.0に調整してアミラーゼ処理を行うとよい。
アミラーゼは、1種類を単独で用いても、アミラーゼ同士またはプロテアーゼの作用に悪影響を及ぼさない限りは複数種を併用してもよい。また、アミラーゼは、遊離の状態で使用しても、固定化して使用してもよく、いずれの場合も乾燥した小麦蛋白質100g当たり、アミラーゼを約0.1〜5.0gの範囲で用いるのがよい。アミラーゼによる処理は、任意の時点で終了させることができ、たとえば、α−アミラーゼを用いる場合、溶液の温度を約60〜100℃にすることで失活できる。
(3)酸を用いて小麦蛋白質を加水分解する方法としては、慣用の方法が採用できる。
たとえば、酸としては、鉱酸である硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、亜硫酸;有機酸であるシュウ酸、クエン酸、酢酸、ギ酸などが使用できる。
このような酸を用いて小麦蛋白質を加水分解する手順としては、通常、小麦蛋白質を含有する水性媒体に、酸規定度0.01〜2規定の範囲になるように酸を加え、水性媒体の
温度を50〜100℃にして10分〜6時間加水分解させる手順が挙げられる。加水分解を停止させたい場合には、塩基を加えて中和することで停止させることができる。
酸を用いて加水分解する場合、酸の種類や規定度により適宜調節する必要があるが、通常、水性媒体中における小麦蛋白質の濃度は、1.0〜80質量%にして処理するのがよ
い。
なお、本発明に用いられる小麦蛋白質の加水分解物は好ましくは水溶性成分であり、上記のようにして小麦蛋白質の加水分解処理を行うことにより、水性媒体中に溶解した状態で得ることができるが、さらに加水分解後に遠心分離、ろ過、デカンテーションなどの適当な方法により該水性媒体中の不溶物を除去して精製することが望ましい。
本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、上記処理によって得た小麦蛋白質の加水分解物である水溶性成分が、水性媒体中に溶け込んだ溶液そのものでもよく、さらに適当な媒体によって希釈された溶液でもよいが、これらの溶液を、蒸発、凍結乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、スプレードライなどの適当な方法によって処理し、溶媒を除去するか、または適当な担体に結合あるいは担持させた後、上記のような方法により溶媒を除去することで、固形物として得ることもできる。
この脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、小麦を原料としているため安全性が高くまた風味もよいことから、そのままでも充分に摂取することが可能であり、長期間の継続的摂取も容易である。
該脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、通常の場合、上記小麦蛋白質の加水分解物の乾燥質量として、成人1日当たり0.1〜40gの範囲で投与される。一般的な1日当たりの投与量は、1〜10gであるが、該小麦蛋白質の加水分解物は、小麦を原料としている安全性の高いものであるため、その投与量をさらに増やすこともできる。1日当たりの投与量は、1回で摂取してもよいが、数回に分けて摂取してもよい。
なお、本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤には、本来の脂肪蓄積抑制作用および脂肪分解促進作用を阻害しない限り、後述する添加剤のほか、他の脂肪蓄積抑制物質、脂肪分解促進物質、脂肪代謝改善物質などを単独または複数組み合わせて配合してもよい。
本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤の剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、液剤、懸濁剤、吸入剤などの経口製剤;坐剤などの経腸製剤;軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤などの皮膚外用剤;注射剤などが挙げられる。これらのうちでは、経口製剤が好ましい。
このような剤型の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、慣用される賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料などの添加剤を剤型に応じて配合し、常法に従って製造することができる。なお、液剤、懸濁剤などの液体製剤は、服用直前に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁する形であってもよく、また錠剤、顆粒剤は周知の方法で表面をコーティングしてもよい。
本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤が前記添加物や他の脂肪蓄積抑制物質、脂肪分解促進物質、脂肪代謝改善物質などを含む場合には、小麦蛋白質の加水分解物の含有量は、その剤型により異なるが、通常は、0.0001〜99質量%、好ましくは0.1〜80質量%の範囲であり、脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤の投与量として上述した、成人1日当たりの小麦蛋白質の加水分解物(乾燥質量)の投与量を摂取できるよう、1日当たりの投与量が管理できる形にするのが望ましい。
本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、体脂肪の新たな蓄積を抑制するとともにすでに蓄積している体脂肪を減少させる作用を有するため、肥満予防剤あるいは肥満改善剤として好適に使用することができる。該脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤は、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化を阻害しないため、これを肥満予防剤あるいは肥満改善剤として用いた場合には、分泌器官としての脂肪細胞の働きを損なうことがなく、健康的に肥満を予防または改善して痩身効果が得られるという利点がある。
さらに、該肥満予防剤あるいは肥満改善剤を、上述した1日当たりの投与量を管理できる形態で摂取することにより、該肥満予防剤あるいは肥満改善剤を用いる、肥満の予防方法または改善方法がそれぞれ提供される。
また、本発明の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤を含有する飲食品としては、肥満予防作用または肥満改善作用により健康増進を図る健康食品、機能性食品、特定保健用食品等の他、上記脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤を配合できる、全ての飲食品が挙げられる。
具体的には、錠剤、錠菓、チュアブル錠、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、経管経腸栄養剤
などの流動食、ドリンク剤などの健康食品または栄養補助食品;緑茶、ウーロン茶や紅茶などの茶飲料、清涼飲料、ゼリー飲料、スポーツ飲料、乳飲料、炭酸飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、発酵乳飲料、粉末飲料、ココア飲料、精製水などの飲料;バター、ジャム、ふりかけ、マーガリンなどのスプレッド類;マヨネーズ、ショートニング、カスタードクリーム、ドレッシング類、パン類、米飯類、麺類、パスタ、味噌汁、豆腐、牛乳、ヨーグルト、スープまたはソース類、菓子(たとえばビスケットやクッキー類、チョコレート、キャンディ、ケーキ、アイスクリーム、チューインガム、タブレット)などが挙げられる。
本発明の飲食品は、上記脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤のほかに、その飲食品の製造に用いられる他の飲食品素材、各種栄養素、各種ビタミン、ミネラル、食物繊維、種々の添加剤(たとえば呈味成分、甘味料、有機酸などの酸味料、安定剤、フレーバー)などを配合して、常法に従って製造することができる。
この飲食品において、小麦蛋白質の加水分解物の含有量は、飲食品の形態により異なるが、通常は0.0001〜90質量%、好ましくは0.1〜70質量%の範囲であり、脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤の投与量として上述した、成人1日当たりの小麦蛋白質の加水分解物(乾燥質量)の投与量を摂取できるよう、1日当たりの投与量が管理できる形にするのが望ましい。
該飲食品を、上述した1日当たりの投与量を管理できる形態で摂取することにより、該飲食品を用いる、肥満の予防方法または改善方法が提供される。
下記の実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の例中、小麦蛋白質の加水分解物中のペプチド混合物の含有量および該ペプチド混合物の分子量は次の方法で測定した。
[小麦蛋白質の加水分解物中のペプチド混合物の含有量]
小麦蛋白質の加水分解物50mgを蒸留水1mLに溶解してサンプル溶液を得て、該サンプル溶液と等量の1.5mol/Lのトリクロロ酢酸を、サンプル溶液に加えて充分に
撹拌した。次いで、これを10,000rpmで5分間遠心分離し、上清を採取して、蒸留水で50倍に希釈し、試料として測定に供した。
ペプチド混合物の含有量は、DC−Protein assay kit(BIO-RAD社製)を使用して該kit
に備え付けの試薬を添加して750nmでの吸光度を測定し、アルブミンを用いた検量線より算出した。
[小麦蛋白質の加水分解物に含まれるペプチド混合物の分子量測定]
小麦蛋白質の加水分解物10mgを蒸留水1mLに溶解し、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(使用カラム;Asahipak GS-320HQ (Shodex))に供し、次に0.1%トリフルオロ酢酸溶液/40%アセトニトリル水溶液を使用して1.0mL/分の流速で溶離させた。溶離してきた液の220nmにおける紫外吸収を測定して、測定された吸光度を、分子量既知のGly−Gly(分子量132.12Da)、Gly−Gly−Gly(分子量189.17Da)、Glutathione(分子量612Da)およびBacitracin(分子量1422Da)から作成した検量線に当てはめて小麦蛋白質の加水分解物に含まれるペプチド混合物の分子量を決定した。
[製造例]
(1)反応釜に小麦グルテン(活性グルテン、Weston Foods Limited製)300g、水1920mL、クエン酸7.0gを仕込み、さらにクエン酸を用いてpHを4.0に調整
し、酸性プロテアーゼ(プロテアーゼMアマノ、アマノエンザイム)0.45g(20,000unit)を加えて、この分散液を45℃に加温し、5時間反応させた。
(2)ついで、水酸化ナトリウムを用いて分散液をpH7.5に調整し、分散液の温度を85℃にして10分間保って酸性プロテアーゼを失活させた。
(3)次に、分散液の温度を65℃に調整し、中性プロテアーゼ(サーモアーゼ、大和化成)0.45g(320,000unit)を加えて5時間反応させた後、分散液の温度を90℃にして20分間保って中性プロテアーゼを失活させた。
(4)その後、分散液を遠心分離(8,000G、30分間)して不溶物を除去し、上清を回収して水溶性成分を得た。
(5)得られた水溶性成分を凍結乾燥し、固形の、小麦蛋白質の加水分解物約166gを得た。
(6)上記(5)で得られた固形の、小麦蛋白質の加水分解物中のペプチド混合物の含有量を測定したところ、約80質量%であった。また、該小麦蛋白質の加水分解物に含まれるペプチド混合物の分子量を測定したところ、その分子量は約10,000Da以下に分布しており、該ペプチド混合物の76質量%は分子量200〜2,000Daの範囲にあった。したがって、(5)で得られた固形の、小麦蛋白質の加水分解物中には、分子量200〜2,000Daのペプチド混合物が約61質量%(=80×0.76)含まれていた。
[実施例1]
錠剤の製造
製造例で得られた小麦蛋白質の加水分解物84g、結晶セルロース(旭化成)10gおよびポリビニルピロリドン(BASF)5gを混合し、これにエタノール30mLを添加して、湿式法により常法にしたがって顆粒を製造した。この顆粒を乾燥した後、ステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて打錠用顆粒末とし、打錠機を用いて打錠し、1錠が1gの錠剤100個を製造した。
[実施例2]
顆粒剤の製造
製造例と同様にして得られた小麦蛋白質の加水分解物100g、乳糖(DMV)100gおよび結晶セルロース(旭化成)40gを混合し、これにエタノール130mLを練合機に添加し、通常の方法により5分間練合した。練合終了後、10メッシュで篩過し、乾燥機中にて50℃で乾燥した。乾燥後、整粒し、顆粒剤240gを得た。
[実施例3]
シロップ剤の製造
精製水400gを煮沸し、これをかき混ぜながら、白糖750gおよび製造例と同様にして得られた小麦蛋白質の加水分解物100gを加えて溶解し、熱時に布ごしし、これに精製水を加えて全量を1000mLとしてシロップ剤を製造した。
[実施例4]
流動食の製造
約65℃の純水700gにカゼインナトリウム(DMV)40g、マルトデキストリン(三和デンプン)160gおよび製造例で得られた小麦蛋白質の加水分解物50gを添加して溶解させ、ついでビタミンミックスおよび微量ミネラルの各成分混合液を添加した。得られた混合液をホモミキサーに投入し、約8,000rpmにて15分間粗乳化した。得られた乳化液を約20℃に冷却し、香料を添加後、最終メスアップを行った。この液をパウチへ本液230g充填後、窒素置換を行いながらパウチを密封し、121℃で15分
間殺菌を行って流動食を得た。
[実施例5]
パンの製造
小麦粉(強力粉)160gとドライイースト2gを混ぜた。これとは別に、製造例で得られた小麦蛋白質の加水分解物20g、砂糖25g、食塩3g、脱脂粉乳6gを温湯70gに溶かし、鶏卵1個を添加してよく混ぜた。これを上記の小麦粉とドライイーストの混合物に加え、よく手でこねた後、バター約40gを加えてよくこね、20個のロールパン生地を作った。次いで、これらのパン生地を発酵させた後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180℃で約15分焼き、ロールパンを作成した。外観、味、食感ともに良好であった。
[実施例6]
レトルトご飯の製造
お米2合を用いて一般的な水量に対し、製造例で得られた小麦蛋白質の加水分解物2gを加えて炊飯し、これを慣用の方法に従ってレトルト用パックに充填した後、窒素置換を行いながら密封し、121℃で15分間殺菌を行ってレトルトご飯を得た。得られたレトルトご飯の米飯は、外観、味、食感ともに良好であった。
[実施例7]
パスタ用ソースの製造
パスタ用のミートソース一人前(150g)を鍋に入れ、これに製造例で得られた小麦蛋白質の加水分解物5gを加えて加温した。このソースをパウチへ充填した後、窒素置換を行いながらパウチを密封し、121℃で15分間殺菌を行って、パスタ用ミートソースを得た。
[試験例1]
細胞分化抑制活性確認試験
(1)脂肪細胞への分化・培養
3T3−L1細胞(マウス、繊維芽様細胞)を、24ウェルプレートに播種し、分化誘導培地(0.5mM 1−メチル−3−イソブチルキサンチン、0.25μM デキサメタゾン、10μg/mL インスリンを含む10%FCS添加DMEM培地)で2日間培
養し、脂肪細胞に分化誘導した。その後、成熟促進培地(5μg/mL インスリンを含
む10%FCS添加DMEM培地)に変えて7日間培養した。
この際、上記分化誘導培地および成熟促進培地に、製造例で得られた小麦蛋白質の加水分解物を1mg/mLとなるように添加し、培養終了後、細胞分化マーカーであるGPDH(グリセロール−3−リン酸脱水素酵素)活性の測定を、GPDH測定キット(株式会社ホクドー製)を用いて行った。対照群として、小麦蛋白質の加水分解物を添加しない培地で培養したものを使用した。
(2)GPDH活性の測定
培養終了後、ウェルをPBS(−)で2回洗浄し、その後、酵素抽出液を0.5mL加え、ピペッティングにより、細胞をウェル底から剥がした。
ついで、剥がした細胞をサンプリングチューブに酵素抽出液ごと入れ、このサンプリングチューブを液体窒素に約10分間浸し、内容物を凍結させた。その後、このサンプリングチューブを37℃に設定したウォーターバスに浸し、内容物を融解させた。この凍結融解を計3回繰り返して行い、細胞を破砕させ、得られた破砕液を12,800G、4℃で、5分間、遠心分離し、上清を回収した。回収した上清を検体として用いた。
反応基質溶液200μLを96ウェルプレートに入れ、25℃で約5分間加温した。ついで、この96ウェルプレートに上記検体200μLを入れ、よく撹拌した後、340nmでの吸光度の減少を経時的に(1分置きに10分間)測定し、1分間当たりの吸光度の変化量を求めた。
求めた吸光度の変化量を、下記式に当てはめGPDH活性を決定した。
Figure 0004855037
その結果を、対照群を100%としたときの相対値で表1に示す。
Figure 0004855037
表1から明らかなように、小麦蛋白質の加水分解物を添加した培地で培養した3T3−L1細胞は、対照群に比べて1mg/mLで115%のGPDH活性を示した。したがっ
て該小麦蛋白質の加水分解物が前駆脂肪細胞から脂肪細胞への細胞分化抑制活性を有しないことが明らかとなった。
[試験例2]
脂肪蓄積抑制作用確認試験
(1)脂肪細胞への分化・培養
3T3−L1細胞を、24ウェルプレートに播種し、分化誘導培地(0.5mM 1−メチル−3−イソブチルキサンチン、0.25μM デキサメタゾン、10μg/mL
インスリンを含む10%FCS添加DMEM培地)で2日間培養し、脂肪細胞に分化誘導した。その後、成熟促進培地(5μg/mL インスリンを含む10%FCS添加DME
M培地)に変えて7日間培養した。
この際、上記分化誘導培地および成熟促進培地に、製造例で得られた小麦蛋白質の加水分解物を0.01、0.1、1mg/mLとなるように添加し、培養終了後、細胞中に蓄積されている脂肪量の測定を行った。対照群として、小麦蛋白質の加水分解物を添加しない培地で培養したものを使用した。
(2)脂肪量測定用試薬の調製
脂肪細胞の蓄積脂肪量は、オイルレッドO染色液で細胞内の脂肪滴を染色し、その染色液を吸光度測定することにより測定した。
オイルレッドO染色液原液は、オイルレッドO染色液粉末0.5gを2−プロパノール
100mLに溶解し、3,000rpmで5分程度遠心し、上清を0.5〜1.0μmのシリンジフィルターでろ過し、調製した。オイルレッドO染色液は、測定時にこの原液6mLに水4mLを加え、1時間静置後、0.5〜1.0μmのシリンジフィルターでろ過して使用した。
(3)脂肪量の測定
上記(1)で記載した通り、分化誘導培地および成熟促進培地で計9日間、細胞培養した後、培養液を除去し、10%ホルマリン溶液500μLを添加して、4℃1時間で細胞をウェル上に固定した。ホルマリン除去後、蒸留水で洗浄し、オイルレッドO染色液300μLをウェルに添加し、室温で15分間静置して細胞内の脂肪を染色した。染色液除去後、蒸留水で細胞を洗浄した。500μLの2−プロパノールをウェルに添加して細胞から色素を抽出し、抽出液の540nmでの吸光度をプレートリーダーで測定した。
その結果を、対照群を100%としたときの相対値で表2に示す。
Figure 0004855037
表2から明らかなように、小麦蛋白質の加水分解物を添加した培地で培養した脂肪細胞は、対照群に比べて0.01mg/mLで94%、0.1mg/mLで87%、1mg/mL
で83%しか脂肪蓄積をせず、小麦蛋白質の加水分解物が脂肪蓄積抑制作用を示すことが明らかとなった。
[試験例3]
脂肪分解促進作用確認試験
3T3−L1細胞を、24ウェルプレートに播種し、分化誘導培地(0.5mM 1−メチル−3−イソブチルキサンチン、0.25μM デキサメタゾン、10μg/mL
インスリンを含む10%FCS添加DMEM培地)で2日間培養し、脂肪細胞に分化誘導した。その後、成熟促進培地(5μg/mL インスリンを含む10%FCS添加DME
M培地)に変えて7日間培養した。
次いで、培地を除き、PBSで洗浄した。製造例で得られた小麦蛋白質の加水分解物1mg/mLを含む10%FCS添加DMEM培地500μLをウェルに添加し、6時間培養した。対照群は小麦蛋白質の加水分解物を含まない培地で培養した。
ついで、培地を回収し、グリセロール測定キット(F−キットグリセロール、J.K.インターナショナル製)を用いて脂肪細胞から分解された培地中の遊離グリセロール量を測定した。
その結果を、対照群を100%としたときの相対値で表3に示す。
Figure 0004855037
表3から明らかなように、小麦蛋白質の加水分解物を含有した培地で培養した脂肪細胞は、対照群に比べて1mg/mLで113%の遊離グリセロールを産生させた。したがっ
て該小麦蛋白質の加水分解物が脂肪分解促進活性を示すことが明らかとなった。
以上のことから、小麦蛋白質の加水分解物を含有してなる脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤、肥満予防剤、肥満改善剤、ならびに飲食品は、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化を阻害することなく、脂肪細胞内の脂肪の蓄積を抑制し、かつ、脂肪細胞内に存在する脂肪の分解を促進する作用を奏することが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 酸性プロテアーゼと中性プロテアーゼとを用いて小麦蛋白質を加水分解することによって得られた、該小麦蛋白質の加水分解物を含有し、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への細胞分化抑制活性を有しないことを特徴とする脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤。
  2. 前記小麦蛋白質の加水分解物が、分子量200〜2,000Daのペプチド混合物を50〜90質量%の量で含有することを特徴とする請求項1に記載の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤。
  3. 肥満予防剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤。
  4. 肥満改善剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤。
  5. 酸性プロテアーゼと中性プロテアーゼとを用いて小麦蛋白質を加水分解することを特徴とする、請求項1に記載の脂肪蓄積抑制および脂肪分解促進剤の製造方法。
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