JP4854669B2 - 生物学的試料を固定化するためのポリカチオンポリマーコーティング - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、優先的に分析するために生物学的試料を表面に固定化した被覆基材の調製方法に関する。さらに、本発明は、上記方法により調製されたプレコート基材に関する。該基材は、アニオン性の生物学的成分とイオン相互作用することのできる安定なポリマー層を提供するポリカチオンポリマーにより被覆されている。
(背景)
多様な生物学的調製技術は、引き続くプロセスの前に細胞、組織、タンパク質または核酸等の試料物質を基材に固定化することを必要とする。興味のあるこれら生物学的材料の多くは、本来アニオン性であり、正味の負電荷部位を示す。これらの物質を固定化する一つの方法は、本来カチオン性であり、正味の正電荷を示す有効成分を含む化学溶液で標的基材を被覆することである。固定化すべき興味のある生物学的材料は正味の負電荷部位を示すので、生物学的材料は、塗布溶液の正味の正電荷部位との相互作用により基材の表面に結合する。塗布溶液のこの付着性により、試料材料の固定化が引き続くプロセスのために可能となる。
上記の固定化効果は、当分野で現在知られている多様な有効成分を含む塗膜の使用によりもたらすことができる。例えば、ポリ−1−リジン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロムミョウバンゼラチン、卵白アルブミン等のコーティング剤の使用が現在知られている。これらの公知の最も広く用いられている固定化剤の一つはポリ−1−リジン(PLL)である。
PLLは、リジン残基側鎖の末端アミノ基により作られる強い正電荷をポリマー全体にわたって示す大きなポリカチオンホモポリマーである。L−リジン[(S)−2,6−ジアミノヘキサン酸]は下記式(1)に示される化学構造のアミノ酸である。
Figure 0004854669
ポリマーPLLはペプチド結合により結合したl−リジンモノマー単位の鎖である。PLLに関する化学構造は下記式(2)に示され、ここでnはポリマー鎖中のモノマー単位の数を示す整数である。
Figure 0004854669
PLLはポリカチオンポリマー塗膜として広く用いられている一方で、PLLにより被覆された基材はそれらの固定化有効性を比較的短い期間で失う傾向がある。この経時的な有効性の低下はPLL側鎖アミノ基の酸化によると一般的に考えられている。酸化された基は、固定化すべき生物学的材料に対して適当な付着に必要とされる正味の正電荷を示さない。
PLLの固定化剤としての有効性は上記式(2)に示されるその固有の化学構造によっても限定される。前述の通り、ポリマーのアミノ酸残基はペプチド結合(−CO−NH−結合)により結合する。これらのペプチド結合は、トリプシン等のタンパク質分解酵素による切断および求核物質の攻撃等による一般的な加水分解を非常に受けやすい。ペプチド結合の切断は、ポリマーの平均分子量による測定で、実質的に短い側鎖のPLL分子をもたらす。PLL分子の分子量はタンパク質分解切断により減少するにしたがって、分子の固定化能力(すなわち、その接着性)は大きく減少することになる。
PLL等の公知の固定化剤は上記の化学的不安定性の結果として制限された有用性を示す。したがって、公知の物質で被覆された基材も、特に長期間の使用中または顕著な保存時間後の使用のために制限された有用性を示す。公知の固定化剤で被覆された基材の制限された安定性を所与とすれば、安定性の増加を示す固定化剤で被覆されたプレコート基材を有することは非常に有用で、特に観察のために生物学的試料を固定化するために有用であろう。
(発明の要旨)
本発明は生物学的試料の固定化に優先的に適合する被覆基材を提供する。基材は、当分野で既に公知の固定化剤と比較して安定性の増加を示すポリカチオンポリマーで被覆される。したがって、安定的なポリカチオンポリマーで被覆された基材は、正味の負電荷を有する生物学的試料を固定化するために有用であり、被覆された基材はそのような有用性を長期間にわたって維持する。
本発明の一実施態様において、被覆基材の調製方法が提供される。被覆基材は優先的に生物学的試料を固定化するために適合する。一実施態様によれば、本方法は複数の陰性基を含有する表面を有する基材を提供し、基材を非ペプチド性ポリマー材料の溶液を含有する組成物に接触させて、基材の表面の少なくとも一部に非ペプチド性ポリマー材料の塗膜を形成することを包含する。非ペプチド性ポリマー材料を含む溶液は、好ましくは少なくとも約6のpHを有する水溶液または有機溶液であってよい。
本発明の好ましい一実施態様において、本方法はさらに非ペプチド性ポリマー材料で被覆された基材の乾燥工程を含む。優先的に、乾燥した非ペプチド性ポリマー材料を表面に有する被覆基材がすすがれる。
本発明の別の好ましい実施態様において、本方法は基材の洗浄がないことにより特徴付けられる。特に、本方法は、基材を非ペプチド性ポリマー材料に接触させる前に基材を洗浄工程に供することを省く。
本発明の別の態様によれば、分析用の生物学的試料を固定化するために優先的に適合させた顕微鏡用スライド等のプレコート基材が提供される。一実施態様によれば、基材は正味の負電荷を提供する複数の陰性基を含有する表面を有し、基材は複数の陽性基を含有する非ペプチド性ポリマー材料で被覆される。
本発明のこの態様によるプレコート基材は、基材の表面積あたり平均数の細胞を固定化する能力により特徴付けられる。特定の一実施態様において、プレコート基材をSiHa細胞系の1mlの細胞浮遊液に接触させた場合にプレコート基材が表面積あたり少なくとも約20,000細胞/cmの細胞平均数を固定化することができる。
本発明の別の実施態様によれば、プレコート基材を被覆するために用いられる非ペプチド性ポリマー材料は、優先的に、一級アミン、二級アミン、三級アミンおよび四級アミンからなる群から選択される陽性基を含有するアリルポリマー、ビニルポリマーまたはそれらの組み合わせを含む。好ましい一実施態様において、非ペプチド性ポリマー材料はポリジアリルジメチルアンモニウム(PDDA)を含有する。本発明の別の好ましい実施態様において、非ペプチド性ポリマー材料はポリアリルアミン(PAH)を含有する。
本発明による基材は生物学的材料の観察または分析に有用もしくは必要ないずれの品目または装置であってもよい。好ましい一実施態様において、基材はスライド、プレート、ビーズ、試験管、キュベット、ディップスティック、スワブおよびガーゼからなる群から選択される。さらなる実施態様において、基材は汚染物質を集めるデバイスとして有用なデバイスであってよい。例えば、基材は手袋、タオルまたは医療用掛け布であってよい。
本発明による被覆基材は、本来少なくとも部分的にアニオン性である材料の固定化に適合する。好ましくは、固定化物質は正味で負電荷を有する。したがって、被覆物質は多様な材料の固定化に有用であり、細胞、組織、液体、DNA、RNA、タンパク質等の生物学的材料、および本発明の被覆基材の調製に用いられる非ペプチド性ポリマー物質の陽性基との相互作用に利用可能な陰性基を有する類似の生物学的材料を固定化するために特に適合する。
本発明の別の態様によれば、生物学的試料の分析方法が提供される。本発明のこの態様による一実施態様において、本方法は、下記工程を包含する:生物学的試料の固定化に適合し、複数の陰性基を含有する表面を有するプレコート基材であって、複数の陽性基を含有する非ペプチド性ポリマー材料で被覆された基材を提供し;生物学的試料をプレコート基材に塗布して、生物学的試料を基材に固定化し;プレコート基材に固定化された生物学的試料を分析すること。特定の実施態様において、プレコート基材をSiHa細胞系の1mlの細胞浮遊液に接触させた場合に、プレコート基材が表面積あたり少なくとも約20,000細胞/cmの細胞平均数を固定化することができる。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態で具体化してよく、ここに示す実施態様に限定されるものではないと理解されたい。むしろ、これらの実施態様は本開示が適用可能な法的要件を満足するように提供されている。本明細書および請求の範囲で使用される単数形の“a”、“an”、“the”は文脈上他の意味を指示する場合を除き複数の指示対象を包含する。
本発明のプレコート基材は、好ましくは、現在知られているコーティング剤に少なくとも等しい固定化能力を示すが、基材の被覆後にこの固定化効果の拡張された安定性も示すポリマーコーティング材料の使用により特徴付けられる。さらに、好ましい実施態様において、ポリマーコーティング材料は、PLL等の慣用のコーティング剤に比較してタンパク質分解または加水分解に対して強いか、脆弱ではない化学構造を有する。
本発明によるポリマーコーティング材料は、被覆すべき基材上の陰性基や固定化すべき生物学的試料内の陰性基等の陰性基との相互作用に利用できる複数の陽性基を含有する。陽性基は、ポリマーコーティング材料のポリマー骨格の不可欠な構成要素であるか、または側鎖基として存在してよい。陽性基は正味の陽電荷を有し、かつ逆帯電した粒子または基とイオン相互作用できる任意の基であってよい。特に好ましい陽性基としてアミン基とアンモニウム基が挙げられ、これらは一級、二級、三級または四級アミン基またはアンモニウム基であってよい。陽性基、特にアンモニウム基は、塩化物等の基と結合する負電荷対イオンをしばしば有する。
さらに高い置換度を示す陽性基が特に好ましい。先述のとおり、一級アミン等の単純なアミン基は酸化を非常に受けやすい。置換アミンはそのような酸化攻撃を受けにくいのでさらに高い安定性を示す。メチル基等のさらに複雑な基によるアミン上の水素基の置換は酸化に対する保護を提供し、さらに複雑な基は置換を受けにくいと考えられる。したがって、さらに高い置換度はさらに高い安定性のアミンをもたらすと考えられる。四級アンモニウム基は、それらの高い安定性のために特に好ましい。
本発明のポリマーコーティング材料は好ましくは一種類以上のアリルモノマーかビニルモノマーの重合により形成される。アリルポリマーは、下記式(3)に示される少なくとも一種類のアリル基を含有するモノマーに由来するポリマーであると理解される。
Figure 0004854669
ビニルポリマーは下記式(4)に示される少なくとも一種類のビニル基を含有するモノマーに由来するポリマーであると理解される。
Figure 0004854669
アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの多様なエステルは本発明で有用なビニルモノマーの例である。アリルモノマーとビニルモノマーの両方は非ペプチド性ポリマー骨格の形成をもたらし、結果として、タンパク質分解に対してPLLよりも高い耐性を示す。
本発明の一実施態様において、ポリマーコーティング材料として使用されるアリルモノマー由来の特に好ましいポリマーはポリジアリルジメチルアンモニウム(PDDA)であり、一般的には該ポリマーの塩化物として利用可能である。PLLのように、PDDAは強い正味正電荷を示す大きなポリカチオンホモポリマーである。PDDA分子の強い正味正電荷はポリマー全体にわたる残基上の側鎖ジメチル化アンモニウム基により作られる。ポリマーPDDAの化学構造は下記式(5)に示され、ここで、nはポリマー鎖中のモノマー単位の数を表す整数である。
Figure 0004854669
PDDAは本発明のポリマーコーティング材料として使用される特に安定した固定化剤である。PDDA上の陽性基は四級アンモニウムであり、それらは上記のように酸化を受けることが非常に低いことを意味する。PDDAのポリマー骨格はアリル基に由来し、PLL分子に見られるペプチド結合などを含まない。こうしてペプチド結合がないことにより、PDDAには、PLLポリマー鎖を分解し、固定化能力を低減することが証明されているトリプシン等のタンパク質分解物質による攻撃に対する耐性が与えられている。
PDDAを含有するポリマーコーティング材料で被覆された基材の高められた安定性は実験室試験で立証されてきた。一試験において、基材を、PDDAを含有するポリマーコーティング材料で被覆し、乾燥させ、脱イオン水ですすいだ。45℃においてPLL被覆基材をPDDA被覆基材に対して比較する促進安定性試験により、15ヶ月間を超える特に優れた性能安定性が予想された。この比較は実施例2でさらに詳しく説明する。
さらに、PDDAはその固有の親水性のために本発明のポリマーコーティング材料での使用に好都合である。意外にも、PDDAで被覆された基材は、PLL等の公知のコーティング剤で被覆された基材に比較して高い親水性を示す。このことは、少量の水性分析試料がPDDAで被覆された基材に対していたるところで均一に広がるので、有利な効果である。このことは、固定化試料のより均一な分布を可能とし、固定化試料の良好な観察を容易とする。
本発明の別の実施態様において、ポリマーコーティング材料に使用されるポリマーはポリアリルアミン(PAH)であり、これは一般的にその塩酸塩(ポリアリルアミン塩酸塩)として利用可能である。PDDAと同じく、PAHはペプチド結合を持たないアリルポリマーである。PAHのアミノ基はPDDAなどのように高く置換されない。しかし、それでもPAHは本発明によるポリマーコーティング材料として有用である。ポリマーPAHの化学構造は下記式(6)に示され、ここでnはポリマー鎖中のモノマー単位の数を示す整数である。
Figure 0004854669
PDDAとPAHに加えて、ポリマーコーティング材料は、一種類以上のモノマー、特にアリルモノマーかビニルモノマーの重合から得られるポリマーであってよい。したがって、ポリマーコーティング材料は、単独重合体、共重合体または三元重合体であってよい。さらに、ポリマーコーティング材料は、一種類以上の単独重合体、共重合体または三元重合体の物理的な混合物であってよい。ポリマーコーティング材料が単独重合体を含有する場合、モノマーは好ましくはすべてカチオン性モノマーである。しかし、ポリマーが共重合体、三元重合体または物理的なポリマー混合物である場合、すべてのモノマーがカチオン性である必要はない。好ましい一実施態様において、ポリマーコーティング材料は約5%〜約100%のモルパーセントのカチオン性ポリマーまたはモノマーを含有する。さらに好ましくは、ポリマーコーティング材料は約30%〜約100%のモルパーセントのカチオン性ポリマーまたはモノマー、最も好ましくは約50%〜約100%のカチオン性ポリマーまたはモノマーを含有する。
ポリマーコーティング材料に用いられるカチオン性モノマーはその正常な状態ではカチオン性であるか、または非カチオン状態からカチオン状態に誘導体化することができる。そのような誘導体化は、アミン基またはアンモニウム基等のイオン性官能基の付加等、当分野で一般的に知られている方法によることができる。すなわち、ポリマーコーティング材料を形成するために用いられるモノマーは、PDDAおよびPAHを形成するために用いられるモノマーの場合のように、生来の陽性基を含有してよく、またはカチオン性側鎖を形成するために誘導体化することのできる側鎖を含有することができる。
好ましくは、ポリマーコーティング材料は、ジアリルジメチルアンモニウム、アリルアミン、メチルアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、4−ビニル−ベンジルトリメチルアンモニウム、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ビニルピリジニウム、4−ビニル−1−メチルピリジニウム、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクレートメチル四級塩化物、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチル四級塩化物、アクリロキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルジメチルアンモニウム、メタクリロキシエチルトリメチルベンジルアンモニウム、エテン、エチレンイミン、プロペン、スチレン、塩化ビニル、イソブチレン、トリメチル−2−メタクリロイルエチルアンモニウム、トリメチル−2−メタクリルアミノプロピルアンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種類のモノマーから得られる。
本発明の別の好ましい実施態様において、ポリマーコーティング材料はカチオン性モノマーと少なくとも一種類の付加的モノマーとの共重合体を含有する。優先的には、ポリマーコーティング材料は、ジアリルジメチルアンモニウムと少なくとも一種類の付加的モノマーとの共重合体を含有する。最も好ましくは、少なくとも一種類の付加的モノマーはビニルモノマーを含有する。一実施態様において、ポリマーコーティング材料は、ジアリルジメチルアンモニウムモノマー単位とアクリル酸モノマー単位とを含有する共重合体を含有する。別の一実施態様において、ポリマーコーティング材料は、ジアリルジメチルアンモニウムモノマー単位とアクリルアミドモノマー単位とを含有する共重合体を含有する。本発明の別の実施態様において、ポリマーコーティング材料は、ジアリルジメチルアンモニウムモノマー単位、アクリル酸モノマー単位およびヒドロキシエチルメタクリレートモノマー単位を含有する三元共重合体を含有する。
好ましくは、本発明によるポリマーコーティング材料は、モノマー単位間の結合が天然では主としておよび好ましくは実質的に非ペプチドであることを意味する「非ペプチド性」である。好ましくは、ポリマーコーティング材料は、モノマー単位間の約25%以下の結合がペプチド結合を含むことを意味する約25%以下のペプチドモノマー結合を含む。さらに好ましくは、約10%以下のモノマー結合がペプチド結合であり、最も好ましくは約5%以下のモノマー結合がペプチド結合である。一定の好ましい実施態様において、ポリマーコーティング材料はペプチド結合をまったく持たない。
本発明のポリマーコーティング材料に用いられるポリマーは好ましくは比較的高い分子量を有する。高分子量ポリマーは、そのような高い分子量に関連した高い電荷密度のために好ましい。したがって、高分子量が望ましい一方で、ここでの記載よりも低い分子量を有するポリマーがここに記載の高分子量ポリマーの電荷密度と等しい考えられる十分に高い電荷密度を示すのであれば、そのような低分子量ポリマーも本発明にしたがって有用であろう。
ポリマーコーティング材料に用いられるポリマーは好ましくは約75,000Daを超え、より好ましくは約100,000Daを超える分子量を有する。特定の実施態様において、ポリマーは約250,000Da〜約750,000Daの範囲の分子量、最も好ましくは約400,000Da〜約500,000Daの範囲の分子量を有する。他に断りのない限り、分子量はここでは下記式(7)で定義される重量平均分子量(Mw)で表される。
Figure 0004854669
上記式中、Niは分子量Miを有するポリマー分子の数(またはそれら分子のモル数)である。
好ましい一実施態様において、ポリマーコーティング材料は上記式(5)に示されるようにPDDAを含有し、式(5)中、nは約500〜6,000、好ましくは約2,000〜約5,000、さらに好ましくは約3,000〜約4,000の整数である。別の好ましい実施態様において、ポリマーコーティング材料は上記式(6)に示されるようにPAHを含有し、式(6)中、nは約1,000〜15,000、好ましくは約5,000〜約12,000、さらに好ましくは約8,000〜約10,000の整数である。
本発明の一態様において、生物学的試料の固定化に優先的に適合する被覆基材の調製方法が提供される。通常、本方法は、複数の陰性基を含有する表面を有する基材を提供し、基材を、上記のように非ペプチド性ポリマーコーティング材料の溶液を含有する組成物に接触させて、基材の表面の少なくとも一部にポリマーコーティング材料の塗膜を形成し、基材表面に被覆されたポリマーコーティング材料を乾燥することを包含する。
本発明の方法にしたがって用いられる基材は、複数の陰性基を有し、正味の負電荷を示し、試料を固定化するめに有用な表面を含有するいずれの基材であってもよい。好ましくは、基材は、診断ツール、観察ツール、汚染防護ツールおよび他の類似のツールとして有用な品目であり、それらの使用は当業者には明らかであろう。優先的には、本発明の方法に用いられる基材は、ガラス、金属、セラミックス、天然または合成ポリマー、天然または合成繊維性材料、およびそれらの混合物を含む。本方法に有用な基材の具体的な非限定の例として、スライド、ビーズ、試験管、キュベット、ディップスティック、スワブ、ガーゼ等が挙げられる。
本発明の一実施態様において、ポリマーコーティング材料で被覆される基材は、顕微鏡用スライド等のプレートまたはスライドである。スライドはそれ自体で有用であると当分野で一般的に受け入れられているどのような材料からなってもよい。例えば、スライドはガラス、セラミックスまたはポリマー材料から作ることができる。ガラスが用いられる場合、ガラスは、標準的なソーダ石灰ガラス等、主に二酸化シリコンからなるどのような種類の標準ガラスであってよい。もしくは、ガラスはホウケイ酸ガラス等の特殊ガラスであってよい。
スライドがポリマーから構成される場合、ポリマーはその正常な状態においてポリマーコーティング材料の陽性基と相互作用が可能な陰性基を含むことが好ましい。しかし、そのような基がない場合、ポリマーは細胞付着を高めるために誘導体化することができる。本発明のこの実施態様によるスライドとして有用なポリマーの例として、ポリスチレン、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンおよびポリジメチルシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーは単独重合体、共重合体、三元重合体、または物理的なポリマー混合物であってよい。
本発明の方法の好ましい実施態様において、ポリマーコーティング材料は溶液中にあり、水溶液または有機溶液中にあってよい。水溶液を作る脱イオン水または有機溶液を作るアルコール等、当分野で知られている任意の適当な溶媒を用いてポリマーコーティング材料を可溶化できる。溶液は約0.001%(w/v)〜約50%(w/v)の範囲のポリマーコーティング材料の濃度を有することができる。好ましくは、溶液中のポリマーコーティング材料濃度は約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.05%〜約2%、さらに好ましくは約0.1%〜約1%、最も好ましくは約0.15%〜約0.75%である。
本発明により特に驚くべきことに、ある実施態様において、低い濃度の溶液を用いて、高い濃度の溶液を用いて調製された被覆基材よりも優れた固定化能を有する被覆基材を得ることができる。例えば、特定の実施態様において、約0.25%のポリマーコーティング材料濃度を有する溶液が本発明のプレコート基材を調製するために特に有利であることが示されている。
上記のように、本発明に有用なポリカチオンポリマーは対イオン(例えば、PDDAの場合の塩化物およびPAHの場合の塩酸塩)に結合した中性状態で存在することができる。溶液中の場合、イオンは解離する傾向にある。したがって、ポリマーはその陽イオン状態において、本発明の固定化剤として使える状態にある。
本発明は基材上の結合部位の活性化の促進も包含することで、ポリマーコーティング材料上の陽性基との相互作用に利用できる陰性基の数を増やしている。基材上のアニオン性結合部位の活性化のために当分野で公知のいずれの方法も本発明にしたがえば有用であろう。
本発明の一実施態様によれば、ポリマーコーティング材料のpHを調整することができる。ポリマーコーティング材料のpHのそのような調整はpHを上げるか下げるかのいずれかであり得、ポリマーコーティング材料により基材を被覆する前か、またはその後に実施することができる。ポリマーコーティング材料のpHを調整するこの能力は、ポリマーコーティング材料に接触させた場合の基材の脱プロトン化により基材上のアニオン性結合部位の数を増やすために特に有利である。一般的に、基材表面でのpHの増加は脱プロトン化を促進し、利用可能なアニオン性結合部位の数を増加するだろう。
優先的に、ポリマーコーティング材料を含有する溶液のpHを好ましいpHに合わせる。一実施態様において、溶液のpHは少なくとも約6である。換言すれば、溶液pHは約8、約9、約10、約11、約12、約13または約14である。好ましい一実施態様において、ポリマーコーティング材料を含む溶液のpHは約8〜約14であり、好ましくは約8〜約10である。
基材をポリマーコーティング材料に接触させた後、基材に被覆されたポリマーコーティング材料は、さらに処理または使用する前に好ましくは乾燥する。ポリマーコーティング材料の乾燥は当分野で一般的に知られている方法により評価することができる。本発明の一実施態様において、ポリマー塗膜は少なくとも視覚的に乾燥している程度まで乾燥する。湿潤ポリマー材料と乾燥ポリマー材料との視覚的な違いは当業者に容易に認識されうるだろう。
ポリマーコーティング材料の乾燥は当分野で一般的に受け入れられている任意の方法により達成することができ、受動的乾燥または能動的乾燥(例えば、ファン等の強制換気)からなってよい。基材に被覆されたポリマーコーティング材料は周囲温度または高温で乾燥することができる。ここで用いられる周囲温度とは周囲環境の温度を指すものとして理解される。一実施態様において、周囲温度は平均的な室温であり、一般的に約20℃〜約25℃(約68°F〜約77°F)の範囲にあると考えられる。勿論、約20℃未満の温度は本発明により除外されるべきではない。実際、乾燥はポリマーコーティング材料のほぼ凍結温度といった低い温度で実施できるだろう。
基材に被覆されたポリマーコーティング材料の乾燥は高温で実施することもできる。温度は、さらなる上昇がポリマーコーティング材料の分解を引き起こす程度の温度まで上げることができる。したがって、基材に被覆されたポリマーコーティング材料は約35℃〜約120℃(約95°F〜約248°F)、より好ましくは約45℃〜約80℃(約113°F〜約176°F)、最も好ましくは約50℃〜約60℃(約122°F〜約140°F)まで上げた温度で少なくとも部分的に乾燥することができる。
基材に被覆されたポリマーコーティング材料を乾燥する時間は乾燥の温度と方法により変えることができる。一般的に、乾燥時間は約1分間から約1時間まで、またはそれ以上まで変えることができる。例えば、基材に被覆されたポリマーコーティング材料の乾燥が周囲温度で行われる場合、そのような乾燥は好ましくは約1時間以内の時間、より好ましくは約5分間〜約1時間、最も好ましくは約10分間〜約30分間行われる。周囲温度での乾燥はポリマーコーティング材料を損なうことなく1時間以上継続することができる。
基材に被覆されたポリマーコーティング材料の乾燥を高温で実施する場合、そのような乾燥は好ましくは約1分間〜約20分間、好ましくは約2分間〜約10分間行われる。高温での乾燥は、時間と温度の組合せがポリマー分解を導かない限り、約20分間以上の時間行うことができる。
乾燥ポリマーコーティング材料が塗布された基材は、試料の固定化に使用する前に、脱イオン水等により優先的にすすぐ。そのようなすすぎは、解離した対イオン、ならびに基材とイオン相互作用しなかった過剰なポリマーコーティング材料を除去するために有用である。すすぎ工程前に乾燥工程を実施しないと、塗膜が不完全(すなわち、「パッチ状」)である被覆基材がもたらされうるので、基材に被覆されたポリマー材料のすすぎ前の乾燥は好ましい。被覆直後のすすぎは過剰な量のポリマーコーティング材料の流失を導いて、その後の試料固定化の能力が限られた被覆基材を残す。しかし、(上記のように)基材に被覆されたポリマーコーティング材料の洗浄前の乾燥は、ポリマーコーティング材料と基材との最大のイオン相互作用を促進し、塗布されたポリマーコーティング材料の最大量(すなわち、最大電荷密度)を有し、よって、その後の試料固定化の最大能力を有する被覆基材を提供する。
本発明にしたがえば、すすぎ工程が完全に省略されるように制御された方法でポリマーコーティング材料を基材に塗布する方法が提供されるという点で、固定化能力の最大化がさらに可能である。すすぎを一般的に被覆方法に含めて、イオン相互作用により基材に固定化されなかった過剰のポリマー材料を除去する。これは経済的に好ましくない。第一に、すすぎ工程は、特に大量生産で、顕微鏡用スライド等の被覆基材を調製するために必要な時間を増やす。第二に、すすぎは材料の損失を意味する。基材に塗布された過剰のポリマー材料(すなわち、基材に付着しないポリマー材料)はすすぎで損失する。この場合もやはり、大量生産ですすぎで損失したポリマー材料の量は結局実質的な費用ということになりうる。
しかし、本発明はこれらの問題を解決する。一実施態様において、本発明は、ポリマー材料の基材への制御された塗布方法を提供する。本方法において、基材表面上のイオン基との最大イオン相互作用に必要とされるポリマー材料の体積を計算し、必要とされるポリマー材料の量のみを基材に塗布する。したがって、基材はポリマー材料で被覆されて、すすぎ工程を必要とする存在する過剰の体積のポリマー材料は存在しない。好ましくは、ポリマー材料は、被覆基板を試料の固定化に使用する前でもまだ乾燥している。
当分野でこれまで認識されていなかった本発明の別の驚くべき態様は、本発明の方法が、基材をポリマーコーティング材料に接触させる前に基材表面をすすぎ工程に供することを明確に除外する場合に得られる被覆基材は向上した固定化性質を示すことである。試料を表面に固定化するために用いられる基材は固定化工程前に活発な洗浄を受けることは当分野で一般的に受け入れられている。例えば、基材が顕微鏡用スライドである場合、一般的な方法は、スライドを、製造業者から受け取ったまま得て、固定化工程に進む前にスライドを洗浄するというものである。浄化や洗浄の多様な例はCras,J.J.,et al.,Biosensors & Bioelectronics,14(1999)683−688に提供されている。
本発明に従えば、避けるべき浄化工程は、基材表面から有機化合物を除去するために有用と認められる薬品を使用する工程である。避けるべき浄化工程の実例は、酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、クロム酸およびクロム硫酸)、塩基(例えば、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム)、および有機溶媒(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、トルエン、アセトン、塩化メチレンおよび軽油)を使用する工程である。避けるべきさらなる浄化工程として、ガラス等の基材上のシラン基を露出するように設計されたシラン化工程が挙げられる。上記(およびCras,J.J.らによりさらに説明されるもの)等の工程として、基材表面の単純なすすぎまたはふき取りを超えた作用機構が挙げられる。したがって、基材の脱イオン水によるすすぎまたは基材表面の布によるふき取り等の工程段階は本発明によれば除外されない。言い換えれば、本発明では、非ペプチド性ポリマー材料による被覆前に基材を拭いてほこりのないものとしたり、水ですすいだりする工程を包含する。
上記のような浄化工程は時間がかかり、有毒化学薬品の使用を伴うことができる。したがって、本発明の方法は、そのような浄化工程が好ましい実施態様において完全に排除される点で特に有用である。したがって、浄化工程を含むことなく製造業者から受け取ったとおりに例えば顕微鏡用スライドを用いることができる。換言すれば、本発明の方法において、本方法は、基材を非ペプチド性ポリマーコーティング材料に接触させる前に基材を浄化工程に供することを排除する。
本発明の別の態様において、生物学的試料を表面に固定化するために特に有用なプレコート基材が提供される。一実施態様において、プレコート基材は上記の方法にしたがって調製される。
ここで用いられるポリマーコーティング材料を利用する本発明のプレコート基材は、非ペプチド性ポリマーコーティング材料の塗布層が比較的薄い場合でさえも、プレコート基材が、生物学的試料を固定化するためになおも有用で効果的である点において有利である。勿論、塗膜の有効性はそのような比較的薄い塗膜に限定されることはなく、ポリマーコーティング材料は比較的厚い塗膜によっても効果的である。しかし、本発明によりプレコート基材が調製できることは、そのようなスライドの調製の費用の点で特に有利である。言い換えると、ポリマーコーティング材料の薄い被覆のみを用いて試料を表面に固定化する基材が調製できるということは、減少した量のポリマー材料が使用できる点で経済的である。
ポリマーコーティング材料は基材に塗布されると約0.005μm〜約500μmの厚みを有することができる。好ましくは、ポリマーコーティング材料は約0.5μm〜約100μm、より好ましくは約1μm〜約50μmの塗膜厚みを有する。好ましくは、ポリマーコーティング材料は基材上に単層として塗布され、これは、本発明のポリマーコーティング材料の二層以上の層間に挟まれた異なる材料の介在層が存在しないことを意味する。しかし、多層塗膜も本発明により想定されている。
本発明のプレコート基材は高い保存寿命の点だけではなく、増加した量の生物学的試料を固定化できる点においても特に有用である。例えば、一実施態様において、本発明のプレコート基材は、他の既に公知のプレコート基材よりも、表面積あたりさらに高い平均数の細胞を固定化することができるものとして特徴付けることができる。
特定の一実施態様において、本発明のプレコート基材に固定化された表面積あたりの細胞の平均数は、同一の細胞試料に接触させた本発明方法により被覆されていない基材の同一の領域の表面積あたりの細胞の平均数よりも少なくとも約10%高い。好ましくは、本発明のプレコート基材に固定化された表面積あたりの細胞の平均数は、本発明方法により被覆されていない基材の同一の領域の表面積あたりの細胞の平均数よりも少なくとも約15%高く、最も好ましくは少なくとも約20%高い。
本発明にしたがってプレコート基材に結合させた生物学的材料の増加した細胞数は、当業者に認識される多様な装置と方法を用いて測定することができる。例えば、血球計を用いて代表的な数の視野にわたって細胞を手動でカウントし、その後に1領域あたりの全細胞数を外挿することができることが当分野でよく知られている。
細胞数は、(TriPath Imaging社より入手可能である)FOCALPOINT(登録商標)細胞観測記録装置スライド読取方式等のコンピュータ制御の自動化装置を使用することにより得ることもできる。FOCALPOINT(登録商標)細胞観測記録装置は特定のアルゴリズムを用いて、細胞数に含まれる細胞の数を診断上有意な値の母集団に限定する(すなわち、実際の細胞のみをカウントし、人為的結果を無視する)。この細胞数は、最高ポテンシャルとして評価される細胞の領域において高解像度で取られた約950〜1,000画像から累積される。
好ましくは、細胞数を得るために用いられる上記のような方法は、再現性可能な結果を提供することができ、統計的に有意な方法で評価することのできる結果を提供することができる。したがって、基材に塗布される生物学的試料は、標準的装置を用いて処理される試料が比較により評価することができるように該装置を用いて処理することができる。そのような処理装置の一例は(TriPath Imaging社から入手可能である)PrepStainスライドプロセッサーである。試料が適用されるスライドの領域が一致し、再現可能であるように、PrepStainスライドプロセッサーは、一致して塗布された量の生物学的試料を有するスライドの調製を可能とする。そのような処理は、基材に塗布された生物学的試料を、基材の表面積あたりの平均細胞数に基づいて評価するために特に有用である。
本発明の一つの特別な実施態様は、分析用生物学的試料の固定化に適合したプレコート基材を提供する。基材は、ここに記載されているように、上記のような非ペプチド性ポリマーコーティング材料で被覆された基材のいずれでもよい。本発明の本実施態様におけるプレコート基材は、表面積あたり細胞の平均数を固定化することのできることを特徴とする。そのような固定化能力は標準的な細胞系の固定化に基づいて評価することができる。例えば、細胞を固定化するプレコート基材の能力はSiHa細胞系として一般に知られるヒト子宮頸癌細胞を用いて評価することができる。SiHa細胞は、ATCC No.HTB−35により同定されるアメリカ培養細胞系統保存機関(ATTC)等から容易に利用可能である。
本発明の一実施態様にしたがえば、プレコート基材をSiHa細胞系の1mlの細胞浮遊液に接触させた場合にプレコート基材表面が表面積あたり少なくとも約20,000細胞/cmの平均細胞数を固定化することができるプレコート基材が提供される。好ましくは、プレコート基材をSiHa細胞系の1mlの細胞浮遊液に接触させた場合にプレコート基材表面が少なくとも約21,000細胞/cm、より好ましくは少なくとも約22,000細胞/cm、最も好ましくは少なくとも約23,000細胞/cmの平均細胞数を固定化することができる。
本発明によるプレコート基材の向上した固定化能力はその上にさらなる分析方法により観察することができる。被覆基材の電荷密度の定量での使用に適する一つの方法は被覆基材の領域あたりの電荷密度の点から見た電荷密度を直接に測定することだろう。もう一つの方法は別の測定可能な性質との関連により電荷密度を間接的に測定することだろう。例えば、基材に被覆されたポリマーコーティング材料の電荷密度は、被覆基材に結合した(例えば表面に吸着された)染料の分光学的測定により定量化することができる。
前述のとおり、(一般的に負電荷である)生物学的試料を付着する被覆基材の能力はスライド表面上の過剰な正電荷の量に直接関連する。負電荷染料がスライド表面に結合する場合、スライド表面上の過剰の正電荷は染料の分光分析により定量することができる。所定の波長における染料による電磁波放射線の吸収は染料の濃度に正比例することは当分野でよく知られている。したがって、アニオン性染料とカチオン性コーティング材料との比例関係が与えられれば、コーティング材料に結合させた染料の吸収の測定値は被覆基材の表面上の過剰な正電荷の量の信頼性のある指標である。換言すると、電荷密度が高ければ高い程、被覆基材に吸着した染料の濃度が高く、所定の波長における電磁波放射線の染料吸収が高い。そのような測定技術は、参照することによりここに組み込まれるTadao SakaiおよびAkihiko Hirose(Talanta 59(2003)167−175)に記載されている。
当分野で公知の多様な染料は、本発明により基材に被覆されたポリマーコーティング材料の電荷密度を定量する分析技術に有用である。本発明において被覆基材の電荷密度を定量するために特に有用な種類の染料は、エオシンやテトラヨードフルオレセイン等のキサンテン染料である。本発明による特に有用な染料は、その中性水溶液において2価陰イオン性である(下記式8に示される)エオシンYである。2価陰イオン種として、染料は1価陽イオン種と1:2の関係で結合する。
Figure 0004854669
PDDA等のカチオン性ポリマーに吸着されたエオシンYは約542nmの最大吸収波長(λmax)を有する。したがって、この波長での吸収測定は被覆基材の表面上の過剰な正電荷の定量に効果的である。そのような測定は、UV−Vis分光光度計等、そのような測定に有用な当分野で公知の分析デバイスにより行うことができる。本発明によりポリマーコーティング材料で被覆された基材の電荷密度の測定例が下記の実施例4に提供される。
ポリマーコーティング材料で被覆された本発明の被覆基材は過剰な正電荷部位を有し、そのような過剰な正電荷部位は生物学的試料を効果的に結合する量を有する。被覆基材上のポリマーコーティング材料は、ポリマーコーティング材料が少なくとも最小の許容可能な電荷密度を示す場合に生物学的試料を本発明にしたがって結合させるために効果的である。本発明により調製されたプレコート基材の電荷密度は、定量的測定により、本発明にしたがって調製されていないプレコート基材の電荷密度よりもかなり高いことが容易にわかる。エオシンY染料が上記のように定量方法に使用される場合、本発明によるプレコート基材は、本発明にしたがって調製されていない基材上の吸光度の少なくとも2倍の吸光度を示すだろう。さらに好ましくは、本発明による基材により示される吸光度は本発明にしたがって調製されていない基材上の吸光度よりも少なくとも約3倍である。さらに好ましくは、本発明による基材により示される吸光度は本発明にしたがって調製されていない基材上の吸光度よりも少なくとも約4倍である。
本発明の一実施態様によれば、分析用生物学的試料の固定化に適合するプレコートスライドガラスが提供される。スライドガラスは複数の陰性基を有し、スライドは、複数の陽性基を含有する非ペプチド性ポリマーコーティング材料により被覆される。エオシンY染料を被覆スライドに吸着させ、その後に542nmの波長での電磁気照射に供する場合に、スライドガラスを被覆するポリマーコーティング材料上の最小許容電荷密度(すなわち、過剰の正電荷)を示す少なくとも約0.05の吸光度を染料が示すようにプレコートスライドガラスは電荷密度を有する。好ましくは、吸光度は少なくとも約0.1である。最も好ましくは、吸光度は少なくとも約0.15である。
当業者に知られているように、基材の選択は、基材を被覆するために用いられるコーティング材料に吸着させる染料の測定吸光度に影響を与えうるだろう。したがって、スライドガラス以外の基材を本発明にしたがって用いる場合、吸光度値は上記の範囲とは異なりうるだろう。それにもかかわらず、上記のように、本発明にしたがって被覆された基材は、同一の基材が本発明に従わない方法により被覆された場合で示される吸光度よりも少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも3倍、最も好ましくは少なくとも約4倍の吸光度を示すだろう。
ポリマーコーティング材料で被覆された基材に固定化される試料は、ポリマーコーティング材料の陽性基に相互作用可能な陰性基を有することによりその表面に固定化可能である陰性基を有するいかなる試料であってもよい。好ましくは、試料は生物学的成分を含有する。本発明による被覆基材に固定化される生物学的試料の例として、細胞、組織、液体、核酸、例えばポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド(例えば、DNA、RNAおよびそれらの断片)、ポリペプチドおよびタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一実施態様において、生物学的試料の単層はポリマーコーティング材料で被覆された基材上に固定化される。「単層」との語句は、わずかに一層のみの材料が被覆基材上に堆積、固定化していることを意味する。したがって、基材上のポリマーコーティング材料に直接固定化された生物学的試料の観察を妨げ、その分析を妨害するようなさらなる層を生物学的試料に加えて、特に生物学的試料の上に固定化することはない。
生物学的試料は多様な使用のために被覆基材に固定化することができる。優先的には、その使用は診断での使用である。例えば、生物学的試料は、さらなる処理または試験のため、および多様な分析法のために、さらに大きな試料からの抽出の目的のために固定化することもできるだろう。被覆基材の使用の具体的で非限定的な例として、組織マイクロアレイ(TMA)、細胞学的マイクロアレイ(CMA)、核酸マイクロアレイおよび他の細胞学的または他の組織学的診断が挙げられる。そのような具体的な使用に加えて、本発明のプレコート基材は、手動または自動化診断アッセイキット用の多様な生物学的試料の固定化に用いることもできるだろう。
本発明のプレコート基材は多様な診断方法に用いることができる。例えば、プレコート基材は、特定のタンパク質に選択的な抗体を固定化するために用いることができるだろう。別の例において、プレコート基材は、反応性基材上で反応することのできる酵素である特定のタンパク質を単離するために特に有用な反応性基材を固定化するために用いることができるだろう。他の同様な診断利用も本発明に包含される。
本発明の一実施態様において、プレコートビーズが提供される。好ましくは、プレコートビーズは試料からの生物学的成分の抽出に適合する。本実施態様におけるビーズは、上記のような非ペプチド性ポリマーコーティング材料の陽性基と相互作用することのできる複数の陰性基を含有する表面を有する。したがって、ビーズはその表面を覆い、かつそれにイオン結合している非ペプチド性ポリマーコーティング材料を有する。したがって、被覆ビーズは試料中の興味ある生物学的成分の陰性基と相互作用する複数の露出陽性基を有する。次に、生物学的成分はビーズの表面に固定化され試料から抽出することができる。
プレコートビーズは、優先的に、ガラス、ポリマー、シリカ、金属、金属酸化物およびセラミックスからなる群から選択される材料を含有する。特に好ましい一実施態様において、ビーズは、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリジアルキルシロキサン、セルロース、それらの誘導体、それらの共重合体およびそれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含有する。
本発明によるプレコートビーズは、上述した方法や、当業者により容易に想定される方法等、多様な抽出および分離方法に用いることができる。例えば、プレコートビーズは多様なクロマトグラフィー分離方法に用いることができるだろう。さらに、プレコートビーズを試料に挿入し、選択的に除去して、生物学的成分をそこから抽出することができるだろう。
勿論、本発明は、ここに記載のようなプレコート基材が診断方法に用いることができる多様な他の実施態様も包含するものであり、本発明は本開示に限定されるものではない。例えば、プレコート基材が顕微鏡用スライドである実施態様をここで既に説明してきた。
本発明の別の態様によれば、生物学的試料の分析方法が提供される。本方法は、一般的に、基材がここに記載のようにポリマーコーティング材料で被覆されていて、生物学的試料の固定化に適合するプレコート基材を提供し、生物学的試料をプレコート基材に固定化し、プレコート基材に固定化された生物学的試料を分析することを包含する。
特定の一実施態様において、プレコートスライドに固定化された生物学的試料の分析工程は診断用機器の使用により実施される;しかし、本発明はさらなる装置の助けによらず(すなわち、五感のみにより)個人による固定化試料の分析も意図する。本発明による固定化試料の分析に有用な診断用機器の例として、顕微鏡(例えば、光学顕微鏡または電子顕微鏡)、クロマトグラフ、分光計および画像化デバイス(例えばデジタルカメラ、ビデオカメラ、および電荷結合素子(CCD)カメラ)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、本発明のプレコート基材が、上記のように、診断上の使用以外の使用を有する多様な実施態様も包含する。例えば、一実施態様において、一種類以上の生物学的汚染物質を集めるために有用なデバイスが提供される。この実施態様において、前述同様に、基材は複数の陰性基を有する材料を含有し、非ペプチド性ポリマーコーティング材料で被覆されている。本実施態様において、特に好ましい実施態様において、基材は繊維性物質を含有する。繊維性物質は天然または合成であってよく、織られていても、織られていなくてもよい。生物学的汚染物質を集めるデバイスとして有用な繊維性物質の非限定的な例として、綿、セルロースおよびポリエチレンが挙げられる。
好ましい一実施態様において、生物学的汚染物質を集めるデバイスは、手袋、タオルまたは医療用掛け布から選択される。したがって、生物学的汚染物質を集めるデバイスは、生物学的材料が材料または領域を汚染することを防止するために、可能な、または公知の生物学的試料を捕集し、集めることが有用である医療処置および他の状況において、試料を移す際に用いることができる。例えば、生物学的汚染物質を集めるデバイスはDNA試料を表面に有するスライドを保持するために用いることができるだろう。したがって、スライドを取り扱う個人等からの外来性DNAが、スライド上のDNA試料に汚染することが妨げられる。同様に、汚染物質を集めるデバイスを手術部位の周囲に使用して、生物学的材料が手術部位を汚染することを妨げるように該材料を集めることができるだろう。
本発明の特に好ましい実施態様において、生物学的汚染物質を集めるデバイスは手術用手袋等の手袋である。手袋は上記のようにポリマーコーティング材料で被覆された繊維性物質からなる。もしくは、手袋は自然または天然のポリマー(例えば、「ゴム」手袋)からなってよいであろう。
本発明のさらなる実施態様を下記実験例によりさらに明瞭に説明する。
本発明を下記実施例によりさらに詳しく説明するが、実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するものと理解されるべきではない。
(実施例1)
(PDDAによる顕微鏡用スライドグラスのプレコーティング)
プレコートされた顕微鏡用スライドグラスの調製において、脱イオン水中のPDDAの溶液を、該溶液の最終濃度が1%PDDA(±0.05%)w/vであるように調製した。溶液のpHを次に1NのNaOHを加えることにより9.0(±0.2)に調節した。
pHが調節されたPDDA溶液をマニュアルスライド染色浴に置いた。マニュアルスライド染色ラックに顕微鏡用スライドガラスを詰め込み、顕微鏡用スライドガラスを有するラックを、浴中のPDDA溶液に、溶液がスライドをスライドのつや消しの端まで覆うように入れた。スライドをPDDA溶液中で約10秒間静止させた。ラックを浴から取り出し、スライドをラックからはずし、スライドを垂直でわずかに角度のある位置に置き、周囲温度で乾燥させた。PDDA溶液が塗布されたスライドを目で見て乾燥した状態になるまで乾燥し、次に脱イオン水ですすいだ。すすいだスライドを再び乾燥して、アニオン性試料の分析に使える状態にあるPDDA被覆スライドを得た。
(実施例2)
(PDD被覆顕微鏡用スライドのPLL被覆顕微鏡用スライドとの比較)
PDDA溶液を調製し、複数の顕微鏡用スライドガラスを実施例1による溶液を用いて被覆した。複数のさらなる顕微鏡用スライドを、PREPSTAIN(登録商法)スライドコート試薬(PLL)(TriPath Imaging社より入手可能)を用いて同様に被覆した。
PDDA被覆スライドとPLL被覆スライドをそれぞれ2集団に分けた。PDDA被覆スライドの1集団は16週間、周囲温度で保存した。同様に、PLL被覆スライドの1集団は16週間、周囲温度で保存した。PDDA被覆スライドの第2集団およびPLL被覆スライドの第2集団は5週間、室温で保存し、さらに9週間、45℃で、合計16週間の保存期間保存した。16週の終わりに、スライドのすべての4集団を、さらに試験するために、下記のように保存から外した。実験での比較として、新しい組のPLL被覆スライドを、保存集団との比較のために既に記載の同じ方法にしたがって調製した。
上記の5集団のそれぞれからのスライドを細胞学的材料の単一のプールに供し、続いてPREPSTAIN(登録商標)法を用いて染色した。次に、すべての5集団からのスライドを、被覆表面に付着した細胞学的材料の量に基づいて比較した。
被覆されたPLL被覆スライドは、時間および温度とともに減少する低い安定性を有するものとして注意された。この低い安定性は、PLL被覆スライド上に存在する付着、染色した細胞学的材料の減少量から明らかに認めることができた。コントロールスライドであるスライド1は評価時にPLLで新しく被覆して、16週間の試験には供しなかった。PLLで被覆されたスライド2は周囲温度で16週間放置した。スライド2のスライド1との比較は、スライド2に付着した細胞学的材料の低い染色を示し、これは16週間にわたるポリマーコーティングの分解を示した。同じくPLLで被覆されたスライド4は周囲温度で5週間、45℃で9週間放置した。このスライドにおけるポリマー分解はさらに明らかであった。スライド4の目視検査はスライド表面に付着した最小の細胞学的材料を示したのみであった(すなわち、目に見える染色細胞学的材料を事実上示さなかった)。
スライド3はPDDAで被覆され、周囲温度で16週間保存した。スライド5はPDDAで被覆され、周囲温度で5週間保存し、次に45℃で9週間保存した。スライド3とスライド5の両方がコーティング分解をほとんど示さないか、まったく示さなかった。これは、被覆スライドに付着した染色された細胞学的材料の完全で均一な分布により視覚的に明らかであった。さらに、新しく被覆されたPLLコントロールスライド(スライド1)との比較において、PDDAスライドは16週間の放置後でさえ、コーティングの濃い染色を示し、PLL被覆スライドとの比較においてPDDA被覆スライド上のポリマー(したがってカチオン性結合部位)のさらに高い濃度を示した。
(実施例3)
(多様な塗布方法を用いて被覆された顕微鏡用スライドの比較)
本発明の方法および既に説明した方法にしたがって2組の顕微鏡用スライドをPDDAで被覆した。スライドの固定化能力の比較を以下に示す。
本発明にしたがって12枚の顕微鏡用スライドガラスをPDDAで被覆した。特に、脱イオン水中のPDDAの0.25%(w/v)溶液を調製し、NaOHを用いてpHを9.2の最終pHに調整した。12枚の顕微鏡スライドは製造業者から入手したままの包装から取り出し、PDDA溶液での被覆前に特に浄化工程に供することはしなかった。次に、未浄化スライドをPDDA溶液に手作業で浸漬し、取り出し、目で見て乾燥状態になるまで周囲温度で乾燥させ、次に脱イオン水ですすいで残留PDDAを除去した。すすがれたスライドは使用前に乾燥させた。
本発明のPDDA被覆スライドとの比較のために、さらに12枚の顕微鏡用スライドを公知の調製方法にしたがって調製した。最初に、同じ包装と製造業者から新たに得た12枚のスライドを、Cras,J.J.,et al.,Biosensors & Bioelectronics,14(1999)683−688により開示された方法2にしたがって浄化した。次に、浄化したスライドをSeyfert,S.,et al.,Biomaterials,16(1995)201−207で示された方法に従って1.0%のPDDA水溶液で被覆した。特に、浄化したスライドを1%のPDDA溶液に手作業で浸漬し、溶液から取り出し、すぐさますすいで残留PDDA溶液を除去した(すなわち、コーティングの乾燥はすすぎ前に実施しなかった)。すすいだスライドを使用前に乾燥した。
顕微鏡用スライドに固定化される細胞試料を調製するために、SiHaコントロール細胞の3ボトル(TriPath Imaging社より入手)を得た。実験に用いられるSiHa細胞は、Friedl,F.,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.,135(1970)543−545に最初に記載された単一の細胞系からのものであった。3ボトルの内容物を遠心して(10分間800g)、細胞をペレットに圧縮した。上清を捨て、細胞を脱イオン水に再浮遊させた。次に、細胞を遠心により(10分間800g)により再度ペレットに圧縮した。上清を捨て、細胞を約30mLの脱イオン水に再浮遊させた。細胞浮遊液の1mLを24円錐管のそれぞれに移し、TriPath Imaging PREPSTAIN(登録商標)スライドプロセッサー装置を用いる標準プロトコルにしたがって試料を処理した(試料をスライドに塗布し、染色した)。
スライドを染色し、カバーガラスを載せた後、スライドをTriPath Imaging FOCALPOINT(登録商標)スライド観測記録装置を用いて評価した。各スライド上の細胞数を装置でカウントし、各顕微鏡用スライドの細胞数を装置のデータベースから抽出した(細胞数はスライド観測記録装置により登録された目的物の数に正比例する)。
各顕微鏡用スライド上の細胞試料を、1.3cm(13mm)の既知半径を有する均一な円として調製した。したがって、各スライド上の試料領域は1.33cm(132.7mm)であった。各スライドに固定化された細胞数を下記に示す。表1は本発明の方法にしたがって調製されたスライドに固定化された細胞の数を示し、表2は既述の方法にしたがって調製されたスライドに固定化された細胞の数を示す。
Figure 0004854669
スチューデントt−分布を用いる上記の表1および表2に示される細胞数の比較は0.005未満の有意水準を示す。したがって、これらの細胞数は、本発明にしたがって調製されたPDDA被覆スライドが公知の方法にしたがって調製されたPDDA被覆スライドよりも高い平均細胞数を固定化することを統計的有意性をもって示している。特に、本発明のPDDA被覆スライドは、公知の方法にしたがって調製されたPDDA被覆スライドに固定化された細胞の平均数よりも22.97%高い細胞の平均数を固定化した。
上記のように、各スライドの細胞試料領域は1.33cm(132.7mm)であった。したがって、一定の表面積に固定化された細胞の平均数を計算することができる。本発明にしたがって調製されたスライドを用いて、表面積あたり固定化された細胞の平均数は23,475細胞/cm(235.2細胞/cm)であった。対照的に、公知の方法にしたがって調製されたスライドは表面積あたりわずかに19,090細胞/cm(191.3細胞/mm)の固定化された細胞の平均数を有した。
(実施例4)
(吸着されたエオシンY染料のUV吸収によるPDDA被覆スライドの分析)
15枚のESCO顕微鏡用スライド(カタログNo.2951)を得た。3枚のスライドはコントロールスライドとして使用するために取っておいた。残りの12枚のスライドをそれぞれ3スライドからなる4集団に分けた。集団1スライドは約9.2のpHの1%PDDA溶液で被覆した。被覆スライドを1時間乾燥させ、脱イオン水ですすぎ、さらに1時間乾燥させた。集団2スライドは約9.2のpHの1%PDDA溶液で被覆した。被覆スライドはすぐさま脱イオン水ですすぎ(PDDAコーティングの乾燥は行わない)、すすがれたスライドを1時間乾燥した。集団3スライドは約5.3のpHの1%PDDA溶液で被覆した。被覆スライドを1時間乾燥し、脱イオン水ですすぎ、さらなる1時間乾燥した。集団4スライドは約5.3のpHの1%PDDA溶液で被覆した。被覆されたスライドをすぐさま脱イオン水ですすぎ(PDDAコーティングの乾燥は行わない)、すすがれたスライドを1時間乾燥した。集団5スライド(コントロールスライド)は被覆しなかった。
上記の5集団における全てのスライドは、各スライドをHettich顕微鏡用ホルダー底部に置き、スライドの一部を分離するためにHettich沈降チャンバーをスライド上に置くことによって、処理に備えた。各スライドの表面の分離部分を、脱イオン水中の200μLの5%(w/v)エオシンY溶液で1分間処理した。染料溶液は真空吸引により除去し、各スライドを2.5mLの脱イオン水で2回処理し、すすぎ用のそれぞれの水を真空吸引による除去前に1分間放置した。次に、各スライドを2.5mLのイソプロパノールで2回処理し、すすぎ用のそれぞれの液を真空吸引による除去前に1分間放置した。次に、各スライドをスライドホルダーから取り外し、少なくとも10分間乾燥させた。染料により処理された各スライドは約240mmの領域を有する円形の染色部分を有し、円形の染色部分の中心はスライドのつや消しのない短い端から約17.5mmの位置にあった。
UV−Vis分光光度計を542nmで用いて分光分析を実施した。装置は、平らで、未処理で、未被覆のスライドガラスを用いてゼロに合わせた。各スライドの測定吸光度(下記の表6に示される)は、すすぎ前にポリマーコーティングの乾燥をせずに被覆されたスライドと本発明の方法により被覆されたスライドとの有意な差を示した。PDDA被覆スライドの正電荷を帯びた表面へのエオシンYの吸着は、脱イオン水によりすすぐ前に約1時間周囲温度で乾燥させたスライド上でより高かった。
Figure 0004854669
共にpH9.2で、乾燥なしに被覆されたスライド(集団2)および本発明の方法にしたがって被覆されたスライド(集団1)の直接の比較は、本発明にしたがって調製されたスライド上では過剰な正電荷が約4.3(±0.8)倍であったことを示す。同様に、共にpH5.3で、乾燥なしで被覆されたスライド(集団4)および本発明の方法により被覆されたスライド(集団3)の直接の比較は、本発明にしたがって調製されたスライド上では過剰な正電荷が約4.7(±3.0)倍であったことを意味する。被覆されていないスライド(コントロールスライド)に関するほぼ0に近い吸収値により示されるように、エオシンY染料の吸着へのガラス自体の寄与は無視できる。したがって、エオシンY染料の吸着はスライドに被覆されたPDDAが保有する正電荷のみに帰することができる。
ここに記載の本発明の多くの変更と他の実施態様は、上記説明で示された教示の利点を有する本発明にかかわる当業者の頭に浮かぶであろう。したがって、本発明は開示された特定の実施態様に限定されるべきものではなく、変更と他の実施態様は添付の請求の範囲に含まれるものであることを理解されたい。特定の用語がここで用いられているが、それらは一般的で説明の意味でのみ使用され、限定の目的のためではない。

Claims (48)

  1. 生物学的試料の固定化に適合する被覆基材の調製方法であって、該方法は、以下:
    複数の陰性基を含有する表面を有する基材を提供する工程、
    該基材を8〜14のpHを有する非ペプチド性ポリマー材料溶液を含有する組成物に接触させて、該基材の該表面の少なくとも一部に該非ペプチド性ポリマー材料の塗膜を形成する工程、
    該非ペプチド性ポリマー材料の塗膜を乾燥する工程
    非ペプチド性ポリマー材料の乾燥塗膜を上に有する該基材をすすぐ工程
    を包含し、ここで、該非ペプチド性ポリマー材料の該塗膜は、生物学的試料を固定化するために配置される、方法。
  2. 前記方法は、前記非ペプチド性ポリマー材料の単層の塗膜を形成する工程を包含し、該非ペプチド性ポリマーコーティング材料の2以上の層の間に挟まれた異なるコーティング材料の介在層は存在しない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被覆基材を乾燥する前記工程が周囲温度で実施される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記被覆基材を乾燥する前記工程が5分〜1時間の時間実施される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記被覆基材を乾燥する前記工程が35℃〜120℃の温度で実施される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記被覆基材を乾燥する前記工程が1分間〜20分間の時間実施される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記基材が、スライド、プレート、ビーズ、試験管、キュベット、ディップスティック、スワブおよびガーゼからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記基材が顕微鏡用スライドである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記スライドが、ガラス、セラミックスおよびポリマー材料からなる群から選択される材料を含有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記スライドが、ポリスチレン、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン、ポリジメチルシロキサン、それらの共重合体または三元重合体およびそれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記非ペプチド性ポリマー材料が、ジアリルジメチルアンモニウム、アリルアミン、メチルアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、4−ビニル−ベンジルトリメチルアンモニウム、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ビニルピリジニウム、4−ビニル−1−メチルピリジニウム、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクレートメチル四級塩化物、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチル四級塩化物、アクリロキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルジメチルアンモニウム、メタクリロキシエチルトリメチルベンジルアンモニウム、エテン、エチレンイミン、プロペン、スチレン、塩化ビニル、イソブチレン、トリメチル−2−メタクリロイルエチルアンモニウム、トリメチル−2−メタクリルアミノプロピルアンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種類のモノマーを含有する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記非ペプチド性ポリマー材料が、アリルポリマー、ビニルポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記非ペプチド性ポリマー材料がポリジアリルジメチルアンモニウムを含有する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記非ペプチド性ポリマー材料がポリアリルアミンを含有する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記非ペプチド性ポリマー材料がジアリルジメチルアンモニウムと少なくとも一種類の付加的モノマーとの共重合体を含有する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記非ペプチド性ポリマーコーティング材料が溶液中に0.01%(w/v)〜10%(w/v)の濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記非ペプチド性ポリマーコーティング材料が溶液中に0.15%(w/v)〜0.75%(w/v)の濃度で存在する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記非ペプチド性ポリマーコーティング材料が少なくとも75,000Daの平均分子量を有する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記非ペプチド性ポリマーコーティング材料が400,000Da〜500,000Daの平均分子量を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記基材を前記非ペプチド性ポリマー材料の溶液に接触させる前に該基材表面が洗浄工程に供されていない、請求項1に記載の方法。
  21. 前記基材を前記非ペプチド性ポリマー材料の溶液に接触させる前に、該基材表面が、酸、塩基または有機溶媒をともなう洗浄工程に供されていない、請求項20に記載の方法。
  22. 前記基材を前記非ペプチド性ポリマー材料の溶液に接触させる前に該基材表面がシラン処理されていない、請求項1に記載の方法。
  23. 請求項1に記載の方法により調製された、プレコート基材。
  24. 請求項1に記載の方法に従って調製され、分析用生物学的試料の固定化に適合したプレコート基材であって、該基材が複数の陰性基を含有する表面を有し、ここで、該基材は、複数の陽性基を含有する非ペプチド性ポリマー材料の単層で被覆されており、該非ペプチド性ポリマーコーティング材料の2以上の層の間に挟まれた異なるコーティング材料の介在層は存在せず、そしてここで、該プレコート基材をSiHa細胞系の1mlの細胞浮遊液に接触させた場合に、該プレコート基材の表面が、表面積あたり少なくとも20,000細胞/cmの細胞平均数を固定化することができる、プレコート基材。
  25. 前記プレコート基材をSiHa細胞系の1mlの細胞浮遊液に接触させた場合に、該プレコート基材の表面が、表面積あたり少なくとも22,000細胞/cmの細胞平均数を固定化することができる、請求項24に記載のプレコート基材。
  26. 前記プレコート基材をSiHa細胞系の1mlの細胞浮遊液に接触させた場合に、該プレコート基材の表面が、表面積あたり少なくとも23,000細胞/cmの細胞平均数を固定化することができる、請求項24に記載のプレコート基材。
  27. 前記基材が、スライド、プレート、ビーズ、試験管、キュベット、ディップスティック、スワブおよびガーゼからなる群から選択される、請求項24に記載のプレコート基材。
  28. 前記基材が顕微鏡用スライドである、請求項27に記載のプレコート基材。
  29. 前記スライドが、ガラス、セラミックスおよびポリマー材料からなる群から選択される材料を含有する、請求項28に記載のプレコート基材。
  30. 前記スライドが、ポリスチレン、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン、ポリジメチルシロキサン、それらの共重合体およびそれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含有する、請求項28に記載のプレコート基材。
  31. 前記非ペプチド性ポリマー材料が、ジアリルジメチルアンモニウム、アリルアミン、メチルアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、4−ビニル−ベンジルトリメチルアンモニウム、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ビニルピリジニウム、4−ビニル−1−メチルピリジニウム、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクレートメチル四級塩化物、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチル四級塩化物、アクリロキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルジメチルアンモニウム、メタクリロキシエチルトリメチルベンジルアンモニウム、エテン、エチレンイミン、プロペン、スチレン、塩化ビニル、イソブチレン、トリメチル−2−メタクリロイルエチルアンモニウム、トリメチル−2−メタクリルアミノプロピルアンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種類のモノマーを含有する、請求項28に記載のプレコート基材。
  32. 前記スライドに被覆された前記非ペプチド性ポリマーコーティング材料が0.005μm〜500μmの層厚さを有する、請求項28に記載のプレコート基材。
  33. 前記スライドに被覆された前記非ペプチド性ポリマーコーティング材料が1μm〜50μmの層厚さを有する、請求項32に記載のプレコート基材。
  34. 前記非ペプチド性ポリマー材料が、アリルポリマー、ビニルポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含有する、請求項24に記載のプレコート基材。
  35. 前記非ペプチド性ポリマー材料がポリジアリルジメチルアンモニウムを含有する、請求項24に記載のプレコート基材。
  36. 前記非ペプチド性ポリマー材料がポリアリルアミンを含有する、請求項24に記載のプレコート基材。
  37. 前記非ペプチド性ポリマー材料がジアリルジメチルアンモニウムと少なくとも一種類の他のモノマーとの共重合体を含有する、請求項24に記載のプレコート基材。
  38. 前記非ペプチド性ポリマー材料が少なくとも75,000Daの平均分子量を有する、請求項24に記載のプレコート基材。
  39. 前記非ペプチド性ポリマー材料が400,000Da〜500,000Daの平均分子量を有する、請求項38に記載のプレコート基材。
  40. 前記スライドが、DNA試料、ポリペプチド試料、液体試料、細胞試料、ヌクレオチド試料、組織マイクロアレイ、細胞学的マイクロアレイおよび核酸マイクロアレイからなる群から選択される生物学的試料を分析のために固定化するのに特に適合する、請求項28に記載のプレコート基材。
  41. 前記基材に被覆された前記非ペプチド性ポリマー材料が該基材に溶液として塗布され、該非ペプチド性ポリマー材料が0.01%(w/v)〜10%(w/v)の濃度で存在する、請求項24に記載のプレコート基材。
  42. 前記非ペプチド性ポリマー材料が0.15%(w/v)〜0.75%(w/v)の濃度で存在する、請求項41に記載のプレコート基材。
  43. 生物学的試料の分析方法であって、該方法は、以下:
    請求項1に記載の方法に従って調製され、生物学的試料の固定化に適合するプレコート基材を提供する工程であって、該基材は複数の陰性基を有する表面を含有し、ここで、該基材は、複数の陽性基を含有する非ペプチド性ポリマーコーティング材料の単層で被覆されており、該非ペプチド性ポリマーコーティング材料の2以上の層の間に挟まれた異なるコーティング材料の介在層は存在せず、そしてここで、該プレコート基材をSiHa細胞系の1mlの細胞浮遊液に接触させた場合に該プレコート基材の表面が表面積あたり少なくとも20,000細胞/cmの細胞平均数を固定化することができる、工程、
    生物学的試料を該プレコート基材に塗布して、該生物学的試料を該基材に固定化する工程、
    該プレコート基材に固定化された該生物学的試料を分析する工程
    を包含する、方法。
  44. 前記分析工程が、顕微鏡、クロマトグラフ、分光計および画像化デバイスからなる群から選択される診断用機器を用いる工程を包含する、請求項43に記載の方法。
  45. 前記生物学的試料が、細胞、組織、液体、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリペプチドおよびタンパク質からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
  46. 前記基材が、DNA試料、ポリペプチド試料、液体試料、細胞試料、ヌクレオチド試料、組織マイクロアレイ、細胞学的マイクロアレイおよび核酸マイクロアレイからなる群から選択される前記生物学的試料を分析のために固定化するのに適合する、請求項43に記載の方法。
  47. 前記基材に被覆された前記非ペプチド性ポリマー材料が該基材に溶液として塗布され、該非ペプチド性ポリマー材料が0.01%(w/v)〜10%(w/v)の濃度で存在する、請求項43に記載の方法。
  48. 前記非ペプチド性ポリマー材料が0.15%(w/v)〜0.75%(w/v)の濃度で存在する、請求項47に記載のプレコート基材。
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